JP2004043738A - シリル基含有有機重合体用硬化触媒およびそれを含有する湿気硬化型シリル基含有有機重合体組成物 - Google Patents

シリル基含有有機重合体用硬化触媒およびそれを含有する湿気硬化型シリル基含有有機重合体組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】毒性、環境汚染性が低く、かつ速硬化性を有するシリル基含有有機重合体用硬化触媒およびそれを含有する湿気硬化型組成物を提供する。
【解決手段】一般式(1):
【化1】
Figure 2004043738

(式中、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、4つのRは同一であってもよく、異なっていてもよい)で表されるハフニウム化合物からなることを特徴とする、加水分解性基と結合した珪素原子を分子末端または側鎖に1分子中に少なくとも1個有するシリル基含有有機重合体用硬化触媒、およびそれを含有する湿気硬化型組成物。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、速硬化性を有し、毒性、環境汚染性の少ないシリル基含有有機重合体用硬化触媒およびそれを含有する湿気硬化型組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
1液型の湿気硬化型ゴム組成物としては、シリコーンゴム系、ウレタンゴム系、ポリサルファイドゴム系などのものが知られている。1液型の湿気硬化型ゴム組成物は、一般に硬化が速く、2液型のものに比べ、液の混合調整などの必要がないなど、作業性の点で優れている。
【0003】
しかし、シリコーンゴム系のものは、周囲への汚染の可能性、表面への塗装性の点で問題があり、ウレタンゴム系のものは、貯蔵安定性、耐候性、耐発泡性、変色などの点で問題がある。さらに、ポリサルファイドゴム系についても、硬化性、周囲への汚染の可能性の点で問題がある。
【0004】
変性シリコーンゴムは、ポリエーテルを主鎖とする架橋可能な加水分解性珪素官能基を有する重合体であり、これに硬化触媒を配合したものは、密封下では長期間安定であるが、湿気にさらすと急速に硬化してゴム状物質に変わる1液型の硬化型組成物である(特公昭62−35421号公報、特開昭61−141761号公報、特開平1−58219号公報)。この変性シリコーンゴム系の硬化型組成物は、ポリウレタンゴム系のものに比べ貯蔵安定性、耐候性、耐発泡性、耐変色性が良好であり、ポリサルファイド系のものに比べ、硬化性に優れ、周囲への汚染性が少なく、毒性がない。また、通常のシリコーンゴム系のものに比べ周囲への汚染性が少なく、硬化物表面への塗装性が良好である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この加水分解性珪素官能基を有する重合体の硬化触媒として、特開平8−41358号公報では、カルボン酸錫とアミンの併用触媒が提案されているが十分な硬化速度が得られないことや、錫化合物の環境への安全性の問題がある。また、特開平5−39428号公報では、安全性の問題の少ないビスマス化合物を使用することが提案されているが、これも充分な硬化速度が得られないという問題点を有している。さらに、チタン化合物を使用することが提案されているが、この場合は硬化物の着色が生じるという問題がある。さらに、施工時の湿度により、硬化速度にばらつきが生じたり、安定した硬化物が得られないなどの問題点がある。このことから実用的な硬化速度を持ち、安定に働く硬化触媒の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、毒性、環境汚染性が低く、かつ速硬化性を有するシリル基含有有機重合体用硬化触媒およびそれを含有する湿気硬化型組成物について検討し、本発明に至った。
【0007】
すなわち本発明はつぎのシリル基含有有機重合体用硬化触媒、およびそれを含有する湿気硬化型シリル基含有有機重合体組成物を提供する。
【0008】
(1)一般式(1):
【0009】
【化3】
Figure 2004043738
【0010】
(式中、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、4つのRは同一であってもよく、異なっていてもよい)で表されるハフニウム化合物からなることを特徴とする、加水分解性基と結合した珪素原子を分子末端または側鎖に1分子中に少なくとも1個有するシリル基含有有機重合体用硬化触媒。
【0011】
(2)一般式(1)におけるRが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルまたはペンチルである前記(1)項に記載のシリル基含有有機重合体用硬化触媒。
【0012】
(3)加水分解性基と結合した珪素原子を分子末端または側鎖に1分子中に少なくとも1個有するシリル基含有有機重合体(A)100重量部と、硬化触媒(B)として、下記一般式(1):
【0013】
【化4】
Figure 2004043738
【0014】
(式中、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、4つのRは同一であってもよく、異なっていてもよい)で表されるハフニウム化合物0.1〜20重量部とからなることを特徴とする湿気硬化型組成物。
【0015】
(4)一般式(1)におけるRが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルまたはペンチルである前記(3)項に記載の湿気硬化型組成物。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明における、加水分解性基と結合した珪素原子を分子末端または側鎖に1分子中に少なくとも1個有するシリル基含有有機重合体用の硬化触媒は、下記一般式(1):
【0017】
【化5】
Figure 2004043738
【0018】
(式中、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、4つのRは同一であってもよく、異なっていてもよい)で表されるハフニウム化合物の1種または2種以上からなるものである。
【0019】
一般式(1)において、Rで示される炭素原子数1〜10の炭化水素基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどの炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状アルキル基、フェニルなどのアリール基、ベンジルなどのアラルキル基などがあげられる。これらの炭化水素基の中では、炭素原子数1〜5の炭化水素基が好ましい。炭素原子数1〜5の炭化水素基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルなどの炭素原子数1〜5のアルキル基などがあげられる。
【0020】
一般式(1)で表されるハフニウム化合物の具体例としては、テトラメトキシハフニウム、テトラエトキシハフニウム、テトライソプロポキシハフニウム、テトラブトキシハフニウム、テトラペントキシハフニウムなどをあげることができる。
【0021】
このようなハフニウム化合物は、例えばテトラクロロハフニウムと対応するエステルを、目的の化合物が得られるように、所定のモル比で反応させる公知の方法によって製造することができる。
【0022】
一般式(1)で表されるハフニウム化合物は毒性、環境汚染性が低く、前記シリル基含有有機重合体用の硬化触媒として使用した場合に、速硬化性を示し、組成物中の添加剤や充填剤に含まれる水分で分解されにくく、また施工時の湿度により、硬化速度にばらつきが生じず、速やかに安定した硬化物を与える。したがって、前記シリル基含有有機重合体用を主剤とする、湿気硬化型組成物における硬化触媒として有用である。
【0023】
本発明の湿気硬化型組成物は、加水分解性基と結合した珪素原子を分子末端または側鎖に1分子中に少なくとも1個有するシリル基含有有機重合体(A)100重量部と、硬化触媒(B)として、一般式(1)で表されるハフニウム化合物の1種または2種以上の0.1〜20重量部とからなるものである。
【0024】
本発明に用いるシリル基含有有機重合体(A)は、分子末端または側鎖に加水分解性基と結合した珪素原子(以下、加水分解性珪素含有基という場合がある)を、1分子中に少なくとも1個有し、主鎖に炭素原子を有する有機重合体である(一般に変性シリコーンといわれている)。
【0025】
炭素原子を有する主鎖としては、アルキレンオキシド重合体ないしポリエーテル、エーテル・エステルブロック共重合体などがあげられる。また、エチレン性不飽和化合物、ジエン系化合物の重合体などがあげられる。
【0026】
前記アルキレンオキシド重合体ないしポリエーテルとしては、
[CHCHO]m
[CH(CH)CHO]m
[CH(C)CHO]m
[CHCHCHCHO]m
などの繰り返し単位を有するものが例示される。ここで、mは2以上の整数である。
【0027】
また、エチレン性不飽和化合物、ジエン系化合物の重合体としては、エチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの単独重合体、および、これらの2種以上の共重合体があげられる。より具体的には、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、ポリクロロプレン、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン共重合体、ポリイソブチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどがあげられる。
【0028】
前記加水分解性珪素含有基は、湿気の存在下に、または硬化触媒を使用したときに湿気の存在下に、縮合反応を起こす基である。具体的には、ハロゲン化シリル基、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基などがあげられる。ここで、1つの珪素原子に結合したこれら加水分解性基の数は1〜3の範囲から選択される。
【0029】
また、1つの珪素原子に結合した加水分解性基は1種であってもよく、複数種であってもよい。さらに加水分解性基と非加水分解性基が1つの珪素原子に結合していてもよい。加水分解性珪素含有基としては、取り扱いが容易である点で、特に、アルコキシシリル基(モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基を含む)が好ましい。加水分解性珪素含有基は重合体分子の末端に存在していても、側鎖に存在していてもよい。加水分解性珪素含有基は、重合体の1分子当たり少なくとも1個あればよいが、硬化速度、硬化物性の点からは、1分子当たり平均して1.5個以上あるのが好ましい。
【0030】
本発明で用いるシリル基含有有機重合体(A)の分子量は、特に制約はないが、過度に高分子量のものは高粘度であり、湿気硬化型組成物とした場合に使用上の困難性を生じる場合があるので、平均分子量として30000以下が望ましい。
【0031】
このようなシリル基含有有機重合体は、公知の方法によって製造することができるが、鐘淵化学工業(株)製のカネカMSポリマーなどの市販品を使用することができる。
【0032】
本発明の湿気硬化型組成物において、ハフニウム化合物(B)の配合量は、シリル基含有有機重合体(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部であり、特に0.5〜10重量部が好ましい。ハフニウム化合物(B)の配合量が前記範囲未満では硬化性能が不十分であり、一方前記範囲を超えると硬化後の硬化物の復元率、耐候性などの物性、貯蔵中の安定性が低下することがある。
【0033】
本発明の湿気硬化型組成物には、硬化を促進し基材への密着性を良くするため、公知の種々のアミノ基置換アルコキシシラン化合物、またはその縮合物を使用することができる。具体的に例示すると、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、δ−アミノブチル(メチル)ジエトキシシラン、N,N’−ビス(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、およびこれらの部分加水分解物などがあげられる。また、基材への密着性の向上のために、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシランなどのビニルアルコキシシラン化合物を使用することができる。
【0034】
また本発明の湿気硬化型組成物には、さらに充填剤、着色剤、可塑剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、タレ防止剤、老化防止剤、溶剤などの湿気硬化型組成物に通常添加される添加剤を加えてもよい。
【0035】
充填剤としては、具体的には、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、クレー、焼成クレー、ガラス、ベントナイト、有機ベントナイト、シラスバルーン、ガラス繊維、石綿、ガラスフィラメント、粉砕石英、ケイソウ土、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化チタンなどがあげられる。
【0036】
着色剤としては、具体的には、酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどがあげられる。
【0037】
可塑剤としては、具体的には、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジイソデシル、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、ペンタエリスリトールエステルなどのポリオール化合物のエステル類、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤、塩素化パラフィンなどがあげられる。
【0038】
タレ防止剤としては、具体的には、水添ヒマシ油、無水ケイ酸、有機ベントナイト、コロイド状シリカなどがあげられる。
【0039】
また他の添加剤としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの接着付与剤、紫外線吸収剤、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤、各種の老化防止剤などがあげられる。
【0040】
これらの各種添加剤は、単独で使用でき、また、2種以上を併用できる。
【0041】
本発明の湿気硬化型組成物は、1液型の湿気硬化型組成物として好適に使用できるが、もとより2液型の湿気硬化型組成物としても使用できるものである。
【0042】
本発明の湿気硬化型組成物は、毒性、環境汚染性が低く、かつ速硬化性を示し、組成物中の添加剤や充填剤に含まれる水分で分解されにくく、また施工時の湿度により、硬化速度にばらつきが生じず、速やかに安定した硬化物を与えるので、シーリング剤、コーティング剤、弾性接着剤などの用途に有用である。
【0043】
【実施例】
以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明の範囲はこれによって限定されるものではない。
【0044】
製造例1
還流管を取り付けたナス型フラスコに、テトラクロロハフニウム3.0g(9.4mmol)、ギ酸メチル45ml(0.94mol)、ベンゼン300mlを入れた後、アンモニアガスを吹き込み、マグネチックスターラーにて十分に混合しながら加熱し、還流させた。反応後、アンモニアを減圧留去した後、生成物を減圧蒸留して、ハフニウム化合物A、1.7g(収率62%)を得た。この化合物の元素分析の結果より、テトラメトキシハフニウムであることを確認した。
【0045】
Figure 2004043738
【0046】
製造例2
還流管を取り付けたナス型フラスコに、テトラクロロハフニウム2.8g(8.7mmol)、ギ酸エチル40ml(0.50mol)、ベンゼン300mlを入れた後、アンモニアガスを吹き込み、マグネチックスターラーにて十分に混合しながら加熱し、還流させた。反応後、アンモニアを減圧留去した後、生成物を減圧蒸留して、ハフニウム化合物B、2.0g(収率65%)を得た。この化合物の元素分析の結果より、テトラエトキシハフニウムであることを確認した。
【0047】
Figure 2004043738
【0048】
製造例3
還流管を取り付けたナス型フラスコに、テトラクロロハフニウム2.1g(6.6mmol)、酢酸イソプロピル45ml(0.38mol)、ベンゼン250mlを入れた後、アンモニアガスを吹き込み、マグネチックスターラーにて十分に混合しながら加熱し、還流させた。反応後、アンモニアを減圧留去した後、生成物を減圧蒸留して、ハフニウム化合物C、1.6g(収率61%)を得た。この化合物の元素分析の結果より、テトライソプロポキシハフニウムであることを確認した。
【0049】
Figure 2004043738
【0050】
製造例4
還流管を取り付けたナス型フラスコに、テトラクロロハフニウム2.1g(6.6mmol)、酢酸n−プロピル45ml(0.39mol)、ベンゼン250mlを入れた後、アンモニアガスを吹き込み、マグネチックスターラーにて十分に混合しながら加熱し、還流させた。反応後、アンモニアを減圧留去した後、生成物を減圧蒸留して、ハフニウム化合物D、1.7g(収率64%)を得た。この化合物の元素分析の結果より、テトラn−プロポキシハフニウムであることを確認した。
【0051】
Figure 2004043738
【0052】
製造例5
還流管を取り付けたナス型フラスコに、テトラクロロハフニウム2.5g(7.8mmol)、酢酸n−ブチル50ml(0.38mol)、ベンゼン400mlを入れた後、アンモニアガスを吹き込み、マグネチックスターラーにて十分に混合しながら加熱し、還流させた。反応後、アンモニアを減圧留去した後、生成物を減圧蒸留して、ハフニウム化合物E、2.2g(収率61%)を得た。この化合物の元素分析の結果より、テトラn−ブトキシハフニウムであることを確認した。
【0053】
Figure 2004043738
【0054】
製造例6
還流管を取り付けたナス型フラスコに、テトラクロロハフニウム2.5g(7.8mmol)、酢酸t−ブチル50ml(0.37mol)、ベンゼン400mlを入れた後、アンモニアガスを吹き込み、マグネチックスターラーにて十分に混合しながら加熱し、還流させた。反応後、アンモニアを減圧留去した後、生成物を減圧蒸留して、ハフニウム化合物F、2.2g(収率60%)を得た。この化合物の元素分析の結果より、テトラt−ブトキシハフニウムであることを確認した。
【0055】
Figure 2004043738
【0056】
製造例7
還流管を取り付けたナス型フラスコに、テトラクロロハフニウム2.5g(7.8mmol)、酢酸ペンチル50ml(0.37mol)、ベンゼン350mlを入れた後、アンモニアガスを吹き込み、マグネチックスターラーにて十分に混合しながら加熱し、還流させた。反応後、アンモニアを減圧留去した後、生成物を減圧蒸留して、ハフニウム化合物G、2.3g(収率57%)を得た。この化合物の元素分析の結果より、テトラペントキシハフニウムであることを確認した。
【0057】
Figure 2004043738
【0058】
実施例1〜7
加水分解性珪素含有基を有し、主鎖がアルキレンオキシドである有機重合体(鐘淵化学工業(株)製MSポリマーS303)100重量部に対して、製造例1、2、3、4、5、6または7で得られたハフニウム化合物A、B、C、D、E、FまたはG、および表1に示される各種添加剤を表1に示される配合割合で配合し、混練して湿気硬化型組成物を調製した。
【0059】
得られた湿気硬化型組成物について、スナップタイム(半ゲル化し流動性のなくなるまでの時間)およびタックフリータイム(表面タックのなくなるまでの時間)を測定した。なお、材料の配合、混練、硬化までの操作は25℃、60%RHの雰囲気下で行った。結果を表1に示す。
【0060】
比較例1〜5
MSポリマーS303の100重量部に対して、シリコーンの硬化触媒として従来より用いられている錫化合物としてジブチル錫ジラウレートまたはジブチル錫ジアセテート、またチタニウム化合物として、テトライソプロポキシチタンまたはチタンテトラアセトアセトネート、および各種添加剤を表2に示される配合割合で配合し、混練して湿気硬化型組成物を調製し、得られた湿気硬化型組成物について実施例1〜7と同様にしてスナップタイムおよびタックフリータイムを測定した。結果を表2に示す。
【0061】
表1、2における材料の配合量は、重量部である。
【0062】
また、表1、2に示す材料の詳細は次の通りである。
炭酸カルシウム:充填剤
ノクラックNS−6:老化防止剤(大内新興化学工業(株)製)
スモイルP−350:流動パラフィン(村松石油(株)製)
A−171:ビニルアルコキシシラン化合物(日本ユニカー(株)製)
A−1100:アミノ基置換アルコキシシラン化合物(日本ユニカー(株)製)
ネオスタンU−200:ジブチル錫ジアセテート(日東化成(株)製)
ネオスタンU−100:ジブチル錫ジラウレート(日東化成(株)製)
テトライソプロポキシチタン:東京化成(株)製 特級試薬
チタンテトラアセチルアセトネート:東京化成(株)製 特級試薬
サニーキャットT−100: ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセトネート)(日東化成(株)製)
【0063】
【表1】
Figure 2004043738
【0064】
【表2】
Figure 2004043738
【0065】
【発明の効果】
表1および表2から明らかなように、本発明の湿気硬化型組成物は、硬化触媒として従来の錫化合物やチタニウム化合物を用いた湿気硬化型組成物に比べ、早く硬化する。また、本発明の湿気硬化型組成物は錫化合物を硬化触媒として使用しないため、内分泌撹乱物質による生体への影響、環境への影響の心配がない。さらに、チタニウム化合物を用いた場合と比べて、硬化物の着色が少ない。

Claims (4)

  1. 一般式(1):
    Figure 2004043738
    (式中、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、4つのRは同一であってもよく、異なっていてもよい)で表されるハフニウム化合物からなることを特徴とする、加水分解性基と結合した珪素原子を分子末端または側鎖に1分子中に少なくとも1個有するシリル基含有有機重合体用硬化触媒。
  2. 一般式(1)におけるRが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルまたはペンチルである請求項1に記載のシリル基含有有機重合体用硬化触媒。
  3. 加水分解性基と結合した珪素原子を分子末端または側鎖に1分子中に少なくとも1個有するシリル基含有有機重合体(A)100重量部と、硬化触媒(B)として、下記一般式(1):
    Figure 2004043738
    (式中、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、4つのRは同一であってもよく、異なっていてもよい)で表されるハフニウム化合物0.1〜20重量部とからなることを特徴とする湿気硬化型組成物。
  4. 一般式(1)におけるRが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルまたはペンチルである請求項3に記載の湿気硬化型組成物。
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