JP2004043003A - 自立袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自立袋10であって、胴部12と底部13からなる合成樹脂製の袋本体11を金型成形し、袋本体11への内容剤の充填前段階で袋本体11を折りたたみ可能にしたもの。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は可撓自立袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
自立袋として、表裏の合成樹脂製胴部シートと、合成樹脂製底部シートを貼合せて可撓袋本体を形成し、表裏の胴部シートの上縁シール部に注ぎ口を形成可能としたものがある。このような自立袋では、硬質ボトルに比し、袋本体の使用樹脂量が少なく、袋本体への内容剤の充填前段階では袋本体を折りたたんで保管できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
▲1▼袋本体は複数枚のシート(胴部シート、底部シート)を用意してこれを貼合わせることにて製造するものであり、製造工程が複雑である。
【0004】
▲2▼表裏の胴部シートを平面的に貼合わせて袋本体の胴部を構成するものであり、内容剤の充填による胴部の膨らみ時に、胴部にしわが入って袋本体の美的外観を損なう。
【0005】
▲3▼胴部シートと底部シートは、貼合わせを可能にするための接着性内側フィルムと、胴部シートの外縁に接する貼合わせ用のヒートシールバーの加熱によっても溶けて汚損しない非接着性外側フィルムとを中間接着層の介在により積層した積層フィルムを用いる。このため、内容剤に界面活性剤や溶剤を含む場合、界面活性剤や溶剤が内側フィルムから中間接着層に浸透して内側フィルムと外側フィルムの剥離を生ずる等、袋品質の安定を損なう虞がある。
【0006】
▲4▼胴部シートと底部シートの貼合わせ交点部が落下の衝撃に対して弱く、割れ易い。
【0007】
▲5▼注ぎ口が表裏の胴部シートの平面的な貼合わせ部分に設けられるから、閉塞し易い。閉塞を防ぐためには、表裏の胴部シートの間にストロー等を挟み込む必要がある。
【0008】
本発明の課題は、自立袋において、製造工程を簡易にすること、袋本体の美的外観を向上すること、袋品質の安定を図ること、落下強度を向上すること、注ぎ口を安定確保することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、胴部と底部からなる合成樹脂製の袋本体を金型成形し、袋本体への内容剤の充填前段階で袋本体を折りたたみ可能にした自立袋である。
【0010】
【発明の実施の形態】
自立袋10は、図1に示す如く、胴部12と底部13からなる合成樹脂製の袋本体11を3次元状(立体状)にブロー成形し、袋本体11への内容剤の充填前段階で袋本体11を折りたたみ可能にしたものである。
【0011】
自立袋10は、ダイレクトブロー成形又はインジェクションブロー成形により製造できる。
【0012】
ダイレクトブロー成形は、パリソンを押出し、パリソンの内部への空気の吹き込みにより円周方向の延伸を行なって袋本体11を形成する。ダイレクトブロー成形は単層又は積層した樹脂層からなる袋本体11を形成する。ダイレクトブロー成形による袋本体11の構成樹脂材料としては、単層のときにはLDPE(低密度ポリエチレン)又はL−LDPE(直鎖低密度ポリエチレン)を採用でき、積層のときには外側層をHDPE(高密度ポリエチレン)、内側層をLDPE又はL−LDPEとするものを採用できる。
【0013】
インジェクションブロー成形は、インジェクション成形にてプリフォームを成形し、ついで加熱したプリフォームの口部を固定し、口部の内側を固定した治具から杵状の突き出し棒を突き出してプリフォームを突き出すことにより縦方向に延伸し、次に空気の吹き込みにより円周方向の延伸を行なって袋本体11を形成する。インジェクションブロー成形は単層の樹脂層からなる袋本体11を形成し、口部下をカットして袋とするのが好ましい。インジェクションブロー成形による袋本体11の構成樹脂材料としては、OPP(延伸ポロプロピレン)又はPET(ポリエチレンテレフタレート)を採用できる。
【0014】
自立袋10は、袋本体11の折りたたみ形態を、胴部12に底部13を下記(a)又は(b)の如くに重ね合わせたものとすることができる。
【0015】
(a)胴部12を平らにし、平板状の底部13を胴部12の下部に対し折り曲げた形態(図2)。
【0016】
(b)底部13をドーム状に膨らまし成形し、底部13の中央部をブロー成形金型のパーティングラインに沿って胴部12の内側へ折り込み、胴部12を平らにした形態(図3)。
【0017】
自立袋10は、袋本体11の胴部12の上縁の全幅又は全幅近くに渡る広幅の開口部を、内容剤のための充填口12Aとすることができる。充填口12Aは内容剤の充填後にヒートシール又は超音波シールされたシール部12Bになる。図において、Lは内容剤の液面を示す。
【0018】
自立袋10は、袋本体11のブロー成形時に、胴部12の上縁側の一部に注ぎ口14を成形できる(図1)。注ぎ口14は切断によって開封される。尚、自立袋10は、ブロー成形された袋本体11における胴部12の上縁の開口部の一部を注ぎ口15とすることもできる(図4)。注ぎ口15は、充填口12Aのシール部12Bと同様に、ヒートシール又は超音波シールされたシール部15Aとされ、切断によって開封される。
【0019】
自立袋10は、袋本体11に形成した注ぎ口14の下縁部14A(注ぎ口15も同じ)を、底部13に平行をなす水平方向に対し、0度〜90度、好適には30度〜60度の範囲内で、最適には45度傾けて設けることができる。
【0020】
自立袋10は、袋本体11に形成した注ぎ口14の先端部14B(注ぎ口15も同じ)を、袋本体11の外方に突出状に設けることができる。
【0021】
自立袋10は、袋本体11の表面にラベルを添付できる。ラベルは、袋本体11のブロー成形時にインモールドラベルとして設けることもできるし、袋本体11のブロー成形後にタックラベルとして後付けすることもできる。ラベルは、袋本体11の剛性の確保、遮光性の確保に寄与する。また、単層の樹脂層(接着性フィルム)からなる袋本体11に貼り付けたラベルは、充填口12Aのシール部12Bや注ぎ口15のシール部15Aをヒートシールするヒートシールバーが当該樹脂層に付着することを防止する。
【0022】
自立袋10は、界面活性剤0.1%〜50%又は溶剤0.1%〜50%の少なくとも1種以上を成分とする内容剤を入れて製品とした自立袋に用いて好適である。
【0023】
本実施形態によれば以下の作用がある。
(1)合成樹脂製の可撓袋本体11を3次元状(立体状)にブロー成形し、袋本体11への内容剤の充填前段階では袋本体11を折りたたんで平積み保管でき、内容剤の充填時には袋本体11を3次元状に膨らませて自立可能にする。袋本体11は、ブロー成形によって薄肉可撓状にされ、従来のフィルムを貼り合わせた袋に比して使用樹脂量は少なく、平積み保管によって保管効率も良い。
【0024】
(2)袋本体11への内容剤の充填口12Aは、袋本体11の胴部12の上縁の全幅又は全幅近くに渡って設けることができ、内容剤の充填性は良い。充填口12Aは充填後にシールされる。
【0025】
(3)袋本体11からの内容剤の注ぎ口14、15は、袋本体11のブロー成形時に、胴部12の一部として成形し、又はブロー成形された胴部12の上縁の開口部をシールして形成することができる。
【0026】
(4)袋本体11の折りたたみ形態は、胴部12と底部13を重ね合わせたほぼ平面状にすることができる。
【0027】
(5)袋本体11をブロー成形するものであるから、従来の自立袋で必要なフィルムの裁断やフィルムのシールが大幅に省略可能となるため、製造工程は簡易である。
【0028】
(6)袋本体11は胴部12と底部13を3次元状に成形したものであり、内容剤の充填による胴部12の膨らみ時に、胴部12にしわが入ることがなく、袋本体11の美的外観を向上できる。
【0029】
(7)袋本体11をシートの貼合わせによって構成するものでないから、接着層を介在させた積層フィルムにより袋本体11を構成することを必ずしも必要としない。従って、袋本体11を単層フィルムにより構成することができ、界面活性剤や溶剤を含む内容剤が積層フィルムの接着層に浸透して該積層フィルムの剥離を生ずる等がなく、袋品質の安定を図ることができる。
【0030】
(8)袋本体11の胴部11と底部13が一体成形され、落下の衝撃に対して強く、割れにくい。
【0031】
(9)袋本体11に形成した注ぎ口14、15は、袋本体11のブロー成形時に3次元状に成形されるから、閉塞しにくい。
【0032】
(10)袋本体11に形成した注ぎ口14、15を、袋本体11の底部13に平行をなす水平方向に対し0度〜90度、好適には30度〜60度の範囲内、最適には45度で傾けることにより、注ぎ出し易くできる。
【0033】
(11)袋本体11に形成した注ぎ口14、15を、袋本体11の外方に突出状にすることを金型設計できることから、その突出形状を自由に構成でき、注ぎ口の突出長を長くしたり、注ぎ口の口幅を広くする等、注ぎ出し易い袋を簡易に製造できる。
【0034】
尚、本発明の自立袋は、金型成形によるものであれば、ブロー成形によるものに限らず、インジェクション成形によるもの等であっても良い。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、自立袋において、製造工程を簡易にすること、袋本体の美的外観を向上すること、袋品質の安定を図ること、落下強度を向上すること、注ぎ口を安定確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は自立袋を示す模式図である。
【図2】図2は自立袋の折りたたみ保管状態を示す模式図である。
【図3】図3は自立袋の折りたたみ状態の他の例を示す模式図である。
【図4】図4は自立袋の変形例を示す模式図である。
【符号の説明】
10 自立袋
11 袋本体
12 胴部
13 底部
Claims (4)
- 胴部と底部からなる合成樹脂製の袋本体を金型成形し、袋本体への内容剤の充填前段階で袋本体を折りたたみ可能にした自立袋。
- 前記袋本体の折りたたみ形態が、胴部と底部を重ね合わせたものである請求項1に記載の自立袋。
- 請求項1又は2に記載の自立袋の製造方法であって、袋本体をブロー成形する自立袋の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の自立袋の袋本体に界面活性剤又は溶剤の少なくとも1種以上を成分とした内容剤を入れた自立袋製品。
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- 2002-07-15 JP JP2002206187A patent/JP4162438B2/ja not_active Expired - Lifetime
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