JP2004036454A - 車両用エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

車両用エンジンの排気浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジン1の排気通路にPM捕集用のDPF12を備える場合に、オイルアッシュの堆積にかかわらず、再生処理を燃費の悪化なしに実施可能とする。
【解決手段】車両の走行距離(17)に基づいてDPF12のオイルアッシュ堆積量を推定する。差圧センサ16によりDPF12での圧力損失を検出し、オイルアッシュ堆積量に基づいて補正された再生判定値と比較して、再生時期を判断する。再生時期と判断されると、DPF12上流側の排気温度を上昇させる再生処理(燃料噴射弁9の噴射時期の遅角、ポスト噴射、吸気絞り弁7の開度減少、又は過給機4の過給圧低下)を行って、DPF12に捕集されているPMを燃焼除去するが、オイルアッシュ堆積量が多いときほど、再生処理温度を高くするように制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気通路に排気中の粒子状物質であるPM(Particulate Matter)を捕集するフィルタを備える車両用エンジンの排気浄化装置に関し、特にそのフィルタの再生技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平7−11935号公報に記載されているように、エンジンの排気通路にPM捕集用フィルタを配置し、所定の再生時期にフィルタの温度を上昇させる再生処理を行ってフィルタに捕集されているPMを燃焼除去することが行われている。
【0003】
再生時期の判断は、フィルタの目詰まりによる圧力損失を検出し、これを再生判定値と比較して行うが、再生判定値についてはオイルアッシュ堆積量と相関のある再生実施回数に応じて補正している。
すなわち、排気ガスにはエンジンオイルが燃焼したときに発生するオイルアッシュが微量ではあるが含まれている。このオイルアッシュがフィルタに堆積する、実際にフィルタに捕集されているPMが少なくても、圧力損失が大きくなる。オイルアッシュはPMのように燃焼除去することはできず、次第に堆積量が増えていくので、オイルアッシュの存在を無視すると、再生時期の判断を誤ることになり、不必要な再生動作を繰り返すことになって、それだけ燃費が悪化する。従って、再生時期を判断する際、再生実施回数に応じてオイルアッシュ堆積による圧力損失の変化量を補正し、常に同じPM捕集量に達した時点で再生を開始できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報に記載の技術では、フィルタへのオイルアッシュ堆積による圧力損失の変化を考慮し、再生時期の判定精度は高めているが、オイルアッシュ堆積による再生速度(PM燃焼速度)の低下については考慮していないため、オイルアッシュ堆積に伴って再生時間が長期化し、燃費が大幅に悪化するだけでなく、場合によっては、再生が不十分となって圧力損失が上昇を続け、最終的にはエンストに至ってしまうという問題点があった。
【0005】
本発明の課題は、上記の問題点に鑑み、オイルアッシュ堆積による再生速度(PM燃焼速度)の低下を考慮して、的確な再生処理を行うことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明では、PM捕集用フィルタのオイルアッシュの堆積量を推定し、オイルアッシュの堆積量に応じて、フィルタ再生時の再生処理温度を変化させる構成とする。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、オイルアッシュの堆積量に応じて再生処理温度を変化させることで、再生速度(PM燃焼速度)の低下を防ぎ、燃費悪化を抑制できると共に、再生不十分による経時的な圧力損失の上昇を抑制することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す車両用ディーゼルエンジンのシステム図である。
ディーゼルエンジン1の各気筒の燃焼室2には、吸気系のエアクリーナ3から、可変ノズル型過給機4の吸気コンプレッサ5、インタークーラ6、吸気絞り弁7、及び、吸気マニホールド8を経て、空気が吸入される。燃料供給系は、コモンレール(図示せず)からこれに蓄圧された高圧燃料を導いて各気筒の燃焼室2内に任意のタイミングで燃料噴射可能な燃料噴射弁9を備えて構成され、各気筒の圧縮行程にて燃料噴射(メイン噴射)がなされ、圧縮着火により燃焼する。燃焼後の排気は、排気系の排気マニホールド10、可変ノズル型過給機4の排気タービン11を経て排出される。
【0009】
ここで、ディーゼルエンジン1から排出される排気中のPMを浄化するため、排気通路には、ディーゼル・パティキュレート・フィルタ(以下「DPF」という)12を設け、これによりPMを捕集する。
DPF12は、図2の斜視図に示すように、多孔質セラミックからなり、円柱状の外形を有するハニカム構造体であり、図示しない円筒状のケーシング内に保持マットを介して収納される。
【0010】
DPF12の内部構造について説明すると、ハニカム構造体の拡大断面図である図3に示すように、ハニカム構造体の多孔質の格子状セル壁21により仕切られて複数の並列なセル空間22が設けられ、各セル空間22はそれぞれ排気流れ方向に延在している。そして、セル空間22の隣接するもの同士において、一方は出口側を、他方は入口側を、それぞれ封止材23、24により交互に封止してある。
【0011】
入口側が開口し出口側を封止材23により封止されているセル空間22が排気流入側セル空間22Aであり、入口側を封止材24により封止され出口側が開口しているセル空間22が排気流出側セル空間22Bである。
ここで、エンジンからの排気は、排気流入側セル空間22Aに流入し、多孔質のセル壁21(その気孔)を介してのみ、排気流出側セル空間22Bに流出するので、セル壁21にて排気中のPMを確実に捕集することができる。
【0012】
DPF12でのPMの捕集によりPM堆積量が増加すると、排気抵抗が増大して、運転性が悪化する。よって、所定の再生時期か否かを判断し、再生時期の場合は、DPF12の温度を上昇させる手段(DPF12上流側の排気温度を上昇させる手段)、例えば燃料噴射弁9の燃料噴射時期(メイン噴射時期)の遅角、燃料噴射弁9による膨張行程もしくは排気行程での追加的な燃料噴射であるポスト噴射、吸気絞り弁7の開度減少、又は、可変ノズル型過給機4による過給圧の低下などを用いて、PMを燃焼させることにより、DPF12を再生する。尚、堆積したPMはおよそ550℃以上で燃焼する。
【0013】
このため、図1に示してあるように、燃料噴射弁9、吸気絞り弁7、可変ノズル型過給機4の作動を制御するエンジンコントロールユニット(以下ECUという)13に、エンジン回転数を検出する回転数センサ、エンジン負荷(例えばアクセル開度)を検出する負荷センサなどの他、DPF12での圧力損失の検出のためDPF12の前後差圧を検出する差圧センサ16、更には車両の走行距離を計測する走行距離センサ17の信号を入力してある。
【0014】
ECU13によるDPF再生制御については、図4及び図5のフローチャートにより説明する。
図4は再生制御用のデータ処理ルーチンであり、所定時間毎に繰り返し実行される。
S1では、差圧センサ16の信号を読込んで、DPF12での圧力損失(前後差圧)ΔPを検出する。
【0015】
S2では、回転数センサ14及び負荷センサ15の信号に基づいてエンジン回転数及び負荷を検出し、これらに基づき、所定のマップを参照するなどして、排気流量を推定する。尚、吸入空気流量検出用のエアフローメータを備える場合は、その検出値で代用できる。
S3では、排気流量に基づき、図6に示すようなテーブルを参照して、再生開始時の圧力損失値である再生開始判定値Pmax と、再生終了時の圧力損失値である再生終了判定値Pmin とを設定する。排気流量に基づくのは、DPF12での圧力損失は、PM捕集量が増えるにしたがって増加するが、そのときの排気流量に応じて変動し、同一のPM捕集量のときは、排気流量が増加するほど圧力損失が大きくなるからである。
【0016】
S4では、走行距離センサ17の信号に基づいて走行距離(積算値)を検出し、これに基づき、図7に示すようなテーブルを参照して、オイルアッシュ堆積量を推定する。
排気中にはエンジンオイルの燃焼に伴って発生するオイルアッシュが含まれ、このオイルアッシュがDPF12に堆積すると、DPF12の再生時にも燃焼しないため、走行距離の増大と共にオイルアッシュ堆積量が増えていくからである。尚、DPF12を新品に交換した場合は、オイルアッシュ堆積量推定用の走行距離を0リセットする。
【0017】
S5では、オイルアッシュ堆積量に基づき、図8に示すようなテーブルを参照して、再生開始判定値及び再生終了判定値に対する補正値Kmax 、Kmin を設定する。
S6では、次式のように、再生開始判定値Pmax 及び再生終了判定値Pmin を補正値Kmax 、Kmin によりそれぞれ補正(加算又は乗算)して、補正後の再生開始判定値PHmax 及び再生終了判定値PHmin を求める。
【0018】
PHmax =Pmax +Kmax
PHmin =Pmin +Kmin
この補正後の再生開始判定値及び再生終了判定値は、図6に一点鎖線で示すようになり、いずれも補正前の値に比べて大きな値になる。
以上のように再生開始判定値及び再生終了判定値をオイルアッシュ堆積量に応じて補正することで、図9に示すように、実際のPM捕集量を正確に反映した判定値を得ることができる。
【0019】
図5は再生制御のメインルーチンであり、本メインルーチンは図4のルーチンの最新の実行結果を読出しながら実行される。
S11では、DPF圧力損失ΔPと、補正後の再生開始判定値PHmax との大小を比較し、再生開始時期の判定を行う。DPF圧力損失ΔPが再生開始判定値PHmax よりも大きいときは再生時期に達したと判定され、S12へ進む。
【0020】
S12では、現在の運転条件が再生実施条件を満足しているかどうかの判定を行い、エンジンが定常的な条件で運転されているときなど、再生実施条件を満たすときには、再生処理を開始すべく、S13へ進む。
S13では、オイルアッシュ堆積量に基づき、図10に示すようなテーブルを参照して、目標再生処理温度を設定する。ここで、オイルアッシュ堆積量が多いときほど、目標再生処理温度を高くする。図11に示すようにDPF再生速度(PM燃焼速度)は再生開始時のPM捕集量に依存するが、再生開始時のPM捕集量が同じであっても、オイルアッシュの堆積により低下する。その一方、図12に示すように再生処理温度を高めることでDPF再生速度(PM燃焼速度)を上昇させることができる。従って、オイルアッシュの堆積により再生速度が低下する分、再生処理温度を高めて、十分な再生速度を確保するのである。
【0021】
S14では、目標再生処理温度に基づいて、燃料噴射時期(メイン噴射時期)、ポスト噴射量、吸気絞り弁開度、又は過給圧を設定する。
具体的には、DPF上流側の排気温度を上昇させる再生処理を、燃料噴射時期(メイン噴射時期)を遅角させることによって行う場合は、図13に示すように、その遅角量を大きくするほど再生処理温度が上昇するので、この関係に基づいて目標再生処理温度から噴射時期を設定する。
【0022】
また、DPF上流側の排気温度を上昇させる再生処理を、膨張行程もしくは排気行程において燃焼室内に燃料を噴射するポスト噴射によって行う場合は、図14に示すように、そのポスト噴射量を大きくするほど再生処理温度が上昇するので、この関係に基づいて目標再生処理温度からポスト噴射量を設定する。尚、ポスト噴射時期を遅角しても、図13と同様に再生処理温度が上昇するので、目標再生処理温度からポスト噴射時期を可変設定してもよい。
【0023】
また、DPF上流側の排気温度を上昇させる再生処理を、吸気絞り弁開度を小さくすることによって行う場合は、図15に示すように、その吸気絞り弁開度を小さくするほど再生処理温度が上昇するので、この関係に基づいて目標再生処理温度から吸気絞り弁開度を設定する。
また、DPF上流側の排気温度を上昇させる再生処理を、過給機による過給圧を小さくすることによって行う場合は、図16に示すように、その過給圧を小さくするほど再生処理温度が上昇するので、この関係に基づいて目標再生処理温度から過給圧を設定する。
【0024】
S15では、S14で設定された燃料噴射時期(メイン噴射時期)、ポスト噴射量、吸気絞り弁開度又は過給圧に制御することで、DPF上流側の排気温度を目標再生処理温度まで上昇させ、これによりDPF12に捕集されているPMを燃焼させる。
S16では、DPF圧力損失ΔPと、補正後の再生終了判定値PHmin との大小を比較し、圧力損失ΔPが再生終了判定値PHmin よりも低くなるまで、再生処理を継続する。PMの燃焼により、DPF圧力損失ΔPが再生終了判定値PHmin よりも低下したら、再生終了時期にあるものと判定され、S17へ進んで、再生処理を終了する。
【0025】
次に図17〜図19を参照しながら全体的な作用について説明する。
PM捕集量が増加するほど、DPF圧力損失が大きくなり、この圧力損失はオイルアッシュの堆積によって相対的に増加する。車両の走行距離が少ない初期ではオイルアッシュの堆積が少なく、走行距離が大きくなると、オイルアッシュ堆積量が増加する。
【0026】
走行距離に応じてDPFにオイルアッシュが堆積していくと、オイルアッシュは再生処理を実施しても燃焼しないため、同一圧力損失でのPM捕集量が減少し、DPF再生速度(PM燃焼速度)が低下して再生処理時間が長くなり、燃費が悪化する(図17及び図18の▲1▼→▲2▼)。
そこで走行距離に応じてDPF12に堆積するオイルアッシュ量を推定し、この推定量に基づいて再生開始判定値及び再生終了判定値を補正する。従って、これらの補正された判定値は、オイルアッシュの堆積分を含むものとなり、これとDPF圧力損失とを比較することで、PM捕集量だけを反映した正確な再生開始時期並びに再生終了時期の判定が可能となる。
【0027】
すなわち、オイルアッシュ堆積量に応じて圧力損失の再生開始・終了判定値を補正(高く)することにより、十分なPM捕集量を確保した上で再生処理を開始し、またオイルアッシュ堆積量を考慮した適正な時期に再生を終了するため、適正な再生処理時間を維持し、上記の燃費悪化を抑制できる(図17及び図18の▲2▼→▲3▼)。
【0028】
しかし、上記の方法によりオイルアッシュ堆積量に応じて圧力損失の再生開始・終了判定値を補正(高く)して十分なPM捕集量を確保した上での再生処理であっても、オイルアッシュが堆積していくと同一PM捕集量であってもDPF再生速度(PM燃焼速度)が低下する傾向があるため、オイルアッシュ堆積量に応じて目標再生処理温度を修正(高く)し、再生速度の低下を防ぐ(図17及び図18の▲3▼→▲4▼)。
【0029】
ここで、図18に示されるように、再生処理温度を高くすると燃費の悪化を伴うが、オイルアッシュ堆積後に圧力損失の再生開始・終了判定値を補正しない場合の燃費悪化(▲1▼→▲2▼)に対し、判定値を補正し(▲2▼→▲3▼)、さらに再生処理温度を高くする(▲3▼→▲4▼)ことにより、燃費悪化の大部分を回復することができる(▲1▼→▲4▼)。
【0030】
図19は、DPFに対する実際のオイルアッシュの堆積に応じた補正を行ったとき(図中一点鎖線で示す)と、オイルアッシュの堆積に応じた補正を行わなかったとき(図中点線で示す)の、それぞれについてDPFの再生動作と、それに伴うDPF圧力損失の状態を表している。
この図からも分かるように、図中実線で示すDPF初期状態では、再生開始の判定値と再生終了の判定値は低く、これに対してオイルアッシュ堆積後は、補正により判定値は相対的に高くなる。したがって再生開始と終了は、DPFの実際のPM捕集量に正確に対応したものとなり、このため再生処理時間も過不足なく設定することができる。
【0031】
これに対して、オイルアッシュが堆積したにもかかわらず補正を行わない場合には、実際のPM捕集量が再生が必要な量に達しなくても、オイルアッシュの堆積による圧力損失があるため、早期にDPF圧力損失が再生開始判定値になってしまう。
この場合には、PM捕集量が正常状態よりも少なく、PM捕集量によって燃焼速度が変化し、捕集量が少ないときほど燃焼速度が低下するため、再生処理にかかる時間が長くなり、その分だけ燃費の悪化も大きくなる。つまり、燃焼速度が低下すると、PMがなかなか燃えず、再生終了判定値までDPF圧力損失が低下するのに時間がかかってしまうのである。
【0032】
しかし本実施形態では、オイルアッシュの堆積量を推定して補正を行うことで、PM捕集量を正確に判定でき、再生処理時間をいつも実際のPM捕集量に応じた時間にすることができるため、排気浄化を適正に行いつつ、燃費の悪化を抑制できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、DPFのオイルアッシュの堆積量を推定し、オイルアッシュの堆積量に応じて、DPF再生時の再生処理温度を変化させ、具体的には、オイルアッシュの堆積量が多いときほど、DPF再生時の再生処理温度を高くすることで、再生速度(PM燃焼速度)の低下を防ぎ、燃費悪化を抑制できると共に、再生不十分による経時的な圧力損失の上昇を抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態によれば、(1)再生処理を燃料噴射時期を遅角させることによって行う場合にその遅角量を変化させることで、(2)再生処理をポスト噴射によって行う場合にそのポスト噴射量を変化させることで、(3)再生処理を吸気絞り弁開度を小さくすることによって行う場合にその吸気絞り弁開度を変化させることで、又は、(4)再生処理を過給機による過給圧を小さくすることによって行う場合にその過給圧を変化させることで、再生処理温度を確実に変化させて、所望の再生速度を得ることができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、車両の走行距離に基づいてオイルアッシュの堆積量を推定することで、比較的簡単にオイルアッシュ堆積量を推定することができる。但し、再生実施回数等からオイルアッシュ堆積量を推定するようにしてもよい。
また、本実施形態によれば、DPFでの圧力損失を検出し、少なくともオイルアッシュ堆積量に基づいて再生処理を行う再生判定値を設定し、圧力損失を再生判定値と比較して再生時期を判断することで、再生時期におけるPM捕集量を常に同一にすることができ、再生時期を的確に判断することができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、再生判定値として、再生開始判定値と再生終了判定値とを備え、圧力損失が再生開始判定値に達したときに再生処理を開始させ、再生終了判定値まで低下したときに再生処理を終了させることで、再生開始時期のみならず再生終了時期を的確に判断することができる。
また、本実施形態によれば、エンジンの排気流量とオイルアッシュの堆積量とに基づいて再生判定値を設定し、排気流量が大きいほど、再生判定値を高く設定することで、エンジン運転条件の変化にかかわらず、同一PM捕集量での再生が可能となる。
【0036】
また、本実施形態によれば、オイルアッシュの堆積量が多いほど再生判定値を高く設定することで、再生時期を的確に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すディーゼルエンジンのシステム図
【図2】DPFの概略斜視図
【図3】DPFの内部構造を示す拡大断面図
【図4】再生制御用のデータ処理ルーチンのフローチャート
【図5】再生制御のメインルーチンのフローチャート
【図6】再生開始・終了判定値の特性図
【図7】オイルアッシュ堆積量の特性図
【図8】再生開始・終了判定値に対する補正値の特性図
【図9】PM捕集量とDPF圧力損失との関係を示す図
【図10】オイルアッシュ堆積量と目標再生処理温度との関係を示す図
【図11】PM捕集量とDPF再生速度との関係を示す図
【図12】再生処理温度とDPF再生速度との関係を示す図
【図13】噴射時期と再生処理温度との関係を示す図
【図14】ポスト噴射量と再生処理温度との関係を示す図
【図15】吸気絞り弁開度と再生処理温度との関係を示す図
【図16】過給圧と再生処理温度との関係を示す図
【図17】PM捕集量(+アッシュ堆積量)とDPF圧力損失及び再生速度との関係を示す図
【図18】再生処理温度と燃費との関係を示す図
【図19】走行距離とDPF圧力損失との関係を示す図
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン
4 可変ノズル型過給機
7 吸気絞り弁
9 燃料噴射弁
12 DPF
13 ECU
16 差圧センサ
17 走行距離センサ

Claims (11)

  1. 排気通路に排気中のPMを捕集するフィルタを備え、所定の再生時期にフィルタの温度を上昇させる再生処理を行ってフィルタに捕集されているPMを燃焼除去する車両用エンジンの排気浄化装置において、
    前記フィルタのオイルアッシュの堆積量を推定する手段と、
    オイルアッシュの堆積量に応じて、フィルタ再生時の再生処理温度を変化させる手段と、
    を設けたことを特徴とする車両用エンジンの排気浄化装置。
  2. 前記再生処理温度変化手段は、オイルアッシュの堆積量が多いときほど、フィルタ再生時の再生処理温度を高くすることを特徴とする請求項1記載の車両用エンジンの排気浄化装置。
  3. 前記再生処理は、燃料噴射時期を遅角させることによって行い、その遅角量を変化させることで再生処理温度を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用エンジンの排気浄化装置。
  4. 前記再生処理は、膨張行程もしくは排気行程において燃焼室内に燃料を噴射するポスト噴射によって行い、そのポスト噴射量を変化させることで再生処理温度を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用エンジンの排気浄化装置。
  5. 前記再生処理は、吸気絞り弁開度を小さくすることによって行い、その吸気絞り弁開度を変化させることで再生処理温度を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用エンジンの排気浄化装置。
  6. 前記再生処理は、過給機による過給圧を小さくすることによって行い、その過給圧を変化させることで再生処理温度を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用エンジンの排気浄化装置。
  7. 前記オイルアッシュ堆積量推定手段は、車両の走行距離に基づいてオイルアッシュの堆積量を推定することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の車両用エンジンの排気浄化装置。
  8. 前記フィルタでの圧力損失を検出する手段と、
    少なくともオイルアッシュ堆積量に基づいて再生処理を行う再生判定値を設定する手段と、
    前記圧力損失を前記再生判定値と比較して再生時期を判断する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の車両用エンジンの排気浄化装置。
  9. 前記再生判定値として、再生開始判定値と再生終了判定値とを備え、
    前記再生時期判断手段は、前記圧力損失が再生開始判定値に達したときに再生処理を開始させ、再生終了判定値まで低下したときに再生処理を終了させることを特徴とする請求項8記載の車両用エンジンの排気浄化装置。
  10. 前記再生判定値設定手段は、エンジンの排気流量とオイルアッシュの堆積量とに基づいて再生判定値を設定し、排気流量が大きいほど、再生判定値を高く設定することを特徴とする請求項8又は請求項9記載の車両用エンジンの排気浄化装置。
  11. 前記再生判定値設定手段は、オイルアッシュの堆積量が多いほど、再生判定値を高く設定することを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか1つに記載の車両用エンジンの排気浄化装置。
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