JP2004035426A - 新規化粧料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明によれば、損傷毛に対して、しっとり感とまとまりといったコンディショニング効果に優れた頭髪化粧料が得られる。
【解決手段】Nα−モノ長鎖アシルアルギニンから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする損傷毛用頭髪化粧料を用いる。
【選択図】
なし
【解決手段】Nα−モノ長鎖アシルアルギニンから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする損傷毛用頭髪化粧料を用いる。
【選択図】
なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、頭髪化粧料、さらに詳しくは、Nα−モノ長鎖アシルアルギニンから選ばれる1種以上を含有する損傷毛用頭髪化粧料に関する。本発明の頭髪化粧料は、損傷毛に対して、しっとり感やまとまりといったコンディショニング効果に優れたものである。
【0002】
【従来の技術】
頭髪用化粧料において、通常毛のしっとり感やまとまりを付与するには、通常カチオン性成分と共に高級アルコールや脂肪酸エステルなどの比較的感触の軽い油性基材が用いられる。
しかし、ヘアカラーやパーマ等の施術を施した損傷毛髪にあってはキューティクルの欠落、構成たんぱく質の漏出等により通常毛に比して水分量が低くなりがちであり、ぱさつき、まとまりにくいという性質がある。かかる損傷毛にしっとり感、まとまりを付与する場合は、通常毛で効果があるとされる量の上記の油性基材では効果が不十分という問題があった。かかる損傷毛にしっとり感、まとまりを付与する場合、(1)上記油性基材を多量に用いる、(2)上記油性基材に代えてラノリン等の感触の重たい油性基材を用いる、(3)多量のカチオン性成分を用いることなどが行われている。しかし、これらのいずれの場合もべたつき感が生じ、毛髪が重く感じられ、使用感に劣るという問題点があった。
【0003】
一方、毛髪のしっとり感、まとまりといったコンディショニング効果に優れるものとして、特開平11−228348号公報では、Nα−モノ長鎖アシルアルギニンから選ばれる1種以上および/またはNα−モノ長鎖アシルアルギニンで表面処理を行った粉体を含む、化粧料組成物が開示されており、頭髪のまとまり、しっとり感に関する評価がなされている。しかしながら、これらは、いずれも通常毛についての評価のみであり、損傷毛髪に対する評価は行われていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ヘアカラーやパーマにより損傷した頭髪に対して乾燥後の持続的なしっとり感とまとまりといったコンディショニング効果に優れた化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前項記載の目的を達成すべく鋭意研究の結果、Nα−モノ長鎖アシルアルギニンから選ばれる1種以上を用いることにより上記目的が達成されることを見いだし、このような知見に基づいて本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、Nα−モノ長鎖アシルアルギニンから選ばれる1種以上を含むことを特徴とする損傷毛用頭髪化粧料に関する。また、該化粧料を用いて損傷毛を処理する方法及びNα−モノアシルアルギニンからなる損傷毛のまとまり付与剤に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンは、炭素数2〜22の直鎖または分岐の飽和または不飽和の脂肪酸アシル基を有するものが好ましく、例示すればNα−モノアセチルアルギニン、Nα−モノプロピオニルアルギニン、Nα−モノ−2−エチルヘキサノイルアルギニン、Nα−モノイソステアロイルアルギニン、Nα−モノオレイルアルギニン、Nα−モノオクタノイルアルギニン、Nα−モノデカノイルアルギニン、Nα−モノラウロイルアルギニン、Nα−モノミリストイルアルギニン、Nα−モノパルミトイルアルギニン、Nα−モノステアロイルアルギニン、Nα−モノオクチルドデカノイルアルギニン、Nα−モノベヘノイルアルギニン、Nα−モノヤシ油脂肪酸アシルアルギニン、Nα−モノパーム核油脂肪酸アシルアルギニン、Nα−モノ牛脂脂肪酸アシルアルギニン等が挙げられるが、Nα−モノデカノイルアルギニン、Nα−モノラウロイルアルギニン、Nα−モノミリストイルアルギニン、Nα−モノパルミトイルアルギニン、Nα−モノステアロイルアルギニン、Nα−モノヤシ油脂肪酸アシルアルギニンが好ましく、より好ましくはNα−モノラウロイルアルギニン、Nα−モノミリストイルアルギニン、Nα−モノパルミトイルアルギニン、Nα−モノステアロイルアルギニンが特に損傷毛髪に対し、しっとり感、まとまりを付与するという能力において優れている。また、アルギニンはD体、L体、DL体のいずれも使用できる。
【0009】
また、本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンとしては、以下の一般式で表されるものを用いることもできる。
【化2】
【0010】
また、本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンとしては、下記の物性を有するNα−モノラウロイルアルギニン結晶であるものを用いることもできる。
【表4】
【0011】
また、本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンとしては、下記の物性を有するNα−モノミリストイルアルギニン結晶であるものを用いることもできる。
【表5】
【0012】
また、本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンとしては、下記の物性を有するNα−モノパルミトイルアルギニン結晶であるものを用いることもできる。
【表6】
【0013】
本発明において粉末X線は、23℃下、CuKα線を用い、フィリップ社製PW3050にて2θ=5〜50℃の範囲で測定を行った。なお、測定した粉体は、乳鉢にて十分に粉砕したものを使用した。
【0014】
本発明において赤外線吸収スペクトルは、室温下、臭化カリウム法にてPerkinElmer社製 SpectrumOneFT−IRにて測定を行った。なお、測定した粉体は、少量のサンプルを、乳鉢にて臭化カリウムとよく混合粉砕したものを使用した。
【0015】
本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンは、特開昭48−23729号公報に記載されているようにアルギニンと長鎖脂肪酸ハライドをアルカリ条件下(pH12位)で親水性溶媒と共に反応させる、あるいは特開昭49−1513号公報に記載されているようにアルギニンと脂肪酸の塩を100〜250℃の温度で加熱脱水することにより得ることができる。また、特開平11−228527号公報に示されている通り、アルギニンと長鎖脂肪酸ハライドをメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等の低級アルコールおよび/またはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン等の多価アルコールと水との混合溶媒を用いてアルカリ存在下(pH10〜13)で反応させた後、酸もしくは塩基性水溶液とし、十分に溶解させ、その後pHを5〜7に調整することでNα−モノアシルアルギニンの結晶を得ることができる。
【0016】
本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンの化粧料への配合量は、目的とする製品により適宜決定され、特に制限されないが、化粧料全量に対して通常0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%である。
【0017】
これらのNα−モノアシルアルギニンは、これらから選ばれる1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
また、本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンは、損傷毛のまとまり付与剤としてコンディショナー等に配合することができ、該コンディショナー等により損傷毛を処理することができる。
【0019】
本発明において損傷毛とは、(1)ヘアカラー、パーマ、ブリーチ等の毛髪に対する化学処理を行った毛髪、あるいは、(2)ヘアドライヤー等による過度の加熱、ブラシ等による摩擦、日焼け等の物理刺激を受けることによりキューティクルが欠落あるいは損傷したもの、(3)水分量および/または頭髪構成たんぱく質が低下したもの、(4)毛髪がぱさつき、あるいは毛髪のつや感、まとまり、しっとり感が低下したもの、のうち少なくともいずれか1つに該当するものをいう。
【0020】
本発明の化粧料は、シャンプー、リンス、リンスインシャンプー、コンディショニングシャンプー、ヘアローション、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、ヘアスプレー、ヘアリキッド、ヘアワックス、ヘアウォーター、ヘアスタイリング剤、パーマ液、ヘアカラー、酸性ヘアカラー、ヘアマニキュア等の各種頭髪用化粧料として用いることができる。
【0021】
なお上記の化粧料には本発明の効果を阻害しない範囲で通常使用される各種添加剤を添加することができる。例としてはアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などの界面活性剤、アニオン性高分子、カチオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子、水溶性高分子等の各種の高分子、蝋類、植物油、動物系油脂、天然系油脂誘導体、鉱物系油脂、低級および高級脂肪酸エステル、N−アシルグルタミン酸エステル等の合成系油脂、アルコール類、多価アルコール、抽出物、アミノ酸、核酸、ビタミン、加水分解タンパク質およびその誘導体、グリセリルオレート、酵素、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、キレート剤、制汗剤、酸化染料、pH調整剤、パール化剤、湿潤剤等の化粧品原料基準、化粧品種別配合成分規格、医薬部外品原料規格、日本薬局方、食品添加物公定書記載の原料等が挙げられる。
【0022】
【実施例】
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0023】
<製造例1>Nα−ラウロイル−L−アルギニンの合成
L−アルギニン1106gにイソプロピルアルコール6919g及び水2964gを加え、pH10.5〜11.5、反応温度10〜13℃を保持しながら、ラウリン酸クロライド(日本油脂株製)1522gと27wt%−NaOH水溶液を攪拌しながら2時間かけて同時に滴下した。1時間熟成後、反応液を50℃まで昇温し、濃塩酸を添加してpHを3.8に調整し、反応生成物を完全に溶解させた。その後、27wt%−NaOH水溶液を添加し、pHを6.0に調整して結晶を析出させ、そのスラリーを攪拌しながら徐々に10℃まで冷却した。10℃まで冷却後濾過し、水10kg、イソプロピルアルコール4.4kgで洗浄し、得られた結晶を減圧乾燥し、Nα−モノラウロイル−L−アルギニンの鱗片状結晶2081gを得た(収率92.3%)。得られたNα−モノラウロイル−L−アルギニンの分解温度は約164℃であった。
同様にしてNα−パルミトイル−L−アルギニンを製造し、同様にしてNα−モノパルミトイル−L−アルギニンを製造し、以下の実施例に用いた。
【0024】
<試験例1>
表7に示す組成(重量%表示、総量100%)のコンディショナーを定法により調製した。実施例1、比較例1のコンディショナーを用い、通常毛及び損傷毛*の毛束**に前処理***を施した後、毛束1本あたり0.5gのコンディショナーを塗布の後、30秒間すすぎ、くしで毛髪の流れを整え一晩乾燥させた。翌日、10回くし通し後毛髪のまとまりについて、専門パネラー8名により、官能評価を行った。評価は以下に示す評価基準による平均値を算出した。評価結果を表8に示す。
【0025】
*損傷毛の調整:通常毛を(1)パーマ1液(チオグリコール酸アンモニウム(50%)14%、アンモニア水(28%)2%、モノエタノールアミン2%、精製水72%)に15分間浸漬後、水道水で十分に洗浄し、(2)パーマ2液(臭素酸ナトリウム6%、精製水94%)に15分間浸漬後、水道水で十分に洗浄し、(3)ブリーチ液(過酸化水素水(6%)50%、アンモニア水(2%)50%)に30分間浸漬後、水道水で十分に洗浄し、(4)15%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄の後、すすぎ、自然乾燥した。
**使用毛束:20代女性から得た、長さ20cm、重さ6gの毛髪を幅4cmの平らな毛束に調整した。
***前処理:15%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄の後、すすいだ。
【0026】
【表7】
【0027】
【表8】
【0028】
この結果、通常毛に対しては、実施例1及び比較例1のいずれのコンディショナーもまとまりを付与する効果があるが、損傷毛に対しては比較例1のコンディショナーはまとまり付与効果がなく、本発明によりまとまり付与効果が得られることがわかる。
【0029】
<試験例2>
ヘアカラーの施術をすでに受けた損傷毛を有する女性モニター1名の頭髪を1度シャンプーした後、実施例1及び比較例1のコンディショナーをハーフヘッド法にて塗布し、常法により洗浄、乾燥し、美容師による評価を行った。評価結果を表9に示す。
【0030】
【表9】
【0031】
この結果、本発明のコンディショナー処理の損傷毛は比較例2に比してまとまりが良く、ツヤ、しっとり感が向上した。
【0032】
<試験例3>
ヘアカラーの施術をすでに受けた損傷毛を有する女性モニター1名の頭髪を1度シャンプーした後、実施例2及び比較例1のコンディショナーをハーフヘッド法にて塗布し、常法により洗浄、乾燥し、美容師による評価を行った。評価結果を表10に示す。
【0033】
【表10】
【0034】
この結果、Nα−モノパルミトイル−L−アルギニン配合コンディショナー処理の損傷毛はコントロールに比してまとまりが良く、ツヤ、しっとり感が向上した。
【0035】
【発明の効果】
本発明の毛髪化粧料は、損傷毛髪においてまとまりの観点から極めて優れており、ツヤ、しっとり感といったコンディショニング効果の高い損傷毛用頭髪化粧料を得ることが出来る。
【発明の属する技術分野】
本発明は、頭髪化粧料、さらに詳しくは、Nα−モノ長鎖アシルアルギニンから選ばれる1種以上を含有する損傷毛用頭髪化粧料に関する。本発明の頭髪化粧料は、損傷毛に対して、しっとり感やまとまりといったコンディショニング効果に優れたものである。
【0002】
【従来の技術】
頭髪用化粧料において、通常毛のしっとり感やまとまりを付与するには、通常カチオン性成分と共に高級アルコールや脂肪酸エステルなどの比較的感触の軽い油性基材が用いられる。
しかし、ヘアカラーやパーマ等の施術を施した損傷毛髪にあってはキューティクルの欠落、構成たんぱく質の漏出等により通常毛に比して水分量が低くなりがちであり、ぱさつき、まとまりにくいという性質がある。かかる損傷毛にしっとり感、まとまりを付与する場合は、通常毛で効果があるとされる量の上記の油性基材では効果が不十分という問題があった。かかる損傷毛にしっとり感、まとまりを付与する場合、(1)上記油性基材を多量に用いる、(2)上記油性基材に代えてラノリン等の感触の重たい油性基材を用いる、(3)多量のカチオン性成分を用いることなどが行われている。しかし、これらのいずれの場合もべたつき感が生じ、毛髪が重く感じられ、使用感に劣るという問題点があった。
【0003】
一方、毛髪のしっとり感、まとまりといったコンディショニング効果に優れるものとして、特開平11−228348号公報では、Nα−モノ長鎖アシルアルギニンから選ばれる1種以上および/またはNα−モノ長鎖アシルアルギニンで表面処理を行った粉体を含む、化粧料組成物が開示されており、頭髪のまとまり、しっとり感に関する評価がなされている。しかしながら、これらは、いずれも通常毛についての評価のみであり、損傷毛髪に対する評価は行われていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ヘアカラーやパーマにより損傷した頭髪に対して乾燥後の持続的なしっとり感とまとまりといったコンディショニング効果に優れた化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前項記載の目的を達成すべく鋭意研究の結果、Nα−モノ長鎖アシルアルギニンから選ばれる1種以上を用いることにより上記目的が達成されることを見いだし、このような知見に基づいて本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、Nα−モノ長鎖アシルアルギニンから選ばれる1種以上を含むことを特徴とする損傷毛用頭髪化粧料に関する。また、該化粧料を用いて損傷毛を処理する方法及びNα−モノアシルアルギニンからなる損傷毛のまとまり付与剤に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンは、炭素数2〜22の直鎖または分岐の飽和または不飽和の脂肪酸アシル基を有するものが好ましく、例示すればNα−モノアセチルアルギニン、Nα−モノプロピオニルアルギニン、Nα−モノ−2−エチルヘキサノイルアルギニン、Nα−モノイソステアロイルアルギニン、Nα−モノオレイルアルギニン、Nα−モノオクタノイルアルギニン、Nα−モノデカノイルアルギニン、Nα−モノラウロイルアルギニン、Nα−モノミリストイルアルギニン、Nα−モノパルミトイルアルギニン、Nα−モノステアロイルアルギニン、Nα−モノオクチルドデカノイルアルギニン、Nα−モノベヘノイルアルギニン、Nα−モノヤシ油脂肪酸アシルアルギニン、Nα−モノパーム核油脂肪酸アシルアルギニン、Nα−モノ牛脂脂肪酸アシルアルギニン等が挙げられるが、Nα−モノデカノイルアルギニン、Nα−モノラウロイルアルギニン、Nα−モノミリストイルアルギニン、Nα−モノパルミトイルアルギニン、Nα−モノステアロイルアルギニン、Nα−モノヤシ油脂肪酸アシルアルギニンが好ましく、より好ましくはNα−モノラウロイルアルギニン、Nα−モノミリストイルアルギニン、Nα−モノパルミトイルアルギニン、Nα−モノステアロイルアルギニンが特に損傷毛髪に対し、しっとり感、まとまりを付与するという能力において優れている。また、アルギニンはD体、L体、DL体のいずれも使用できる。
【0009】
また、本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンとしては、以下の一般式で表されるものを用いることもできる。
【化2】
【0010】
また、本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンとしては、下記の物性を有するNα−モノラウロイルアルギニン結晶であるものを用いることもできる。
【表4】
【0011】
また、本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンとしては、下記の物性を有するNα−モノミリストイルアルギニン結晶であるものを用いることもできる。
【表5】
【0012】
また、本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンとしては、下記の物性を有するNα−モノパルミトイルアルギニン結晶であるものを用いることもできる。
【表6】
【0013】
本発明において粉末X線は、23℃下、CuKα線を用い、フィリップ社製PW3050にて2θ=5〜50℃の範囲で測定を行った。なお、測定した粉体は、乳鉢にて十分に粉砕したものを使用した。
【0014】
本発明において赤外線吸収スペクトルは、室温下、臭化カリウム法にてPerkinElmer社製 SpectrumOneFT−IRにて測定を行った。なお、測定した粉体は、少量のサンプルを、乳鉢にて臭化カリウムとよく混合粉砕したものを使用した。
【0015】
本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンは、特開昭48−23729号公報に記載されているようにアルギニンと長鎖脂肪酸ハライドをアルカリ条件下(pH12位)で親水性溶媒と共に反応させる、あるいは特開昭49−1513号公報に記載されているようにアルギニンと脂肪酸の塩を100〜250℃の温度で加熱脱水することにより得ることができる。また、特開平11−228527号公報に示されている通り、アルギニンと長鎖脂肪酸ハライドをメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等の低級アルコールおよび/またはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン等の多価アルコールと水との混合溶媒を用いてアルカリ存在下(pH10〜13)で反応させた後、酸もしくは塩基性水溶液とし、十分に溶解させ、その後pHを5〜7に調整することでNα−モノアシルアルギニンの結晶を得ることができる。
【0016】
本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンの化粧料への配合量は、目的とする製品により適宜決定され、特に制限されないが、化粧料全量に対して通常0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%である。
【0017】
これらのNα−モノアシルアルギニンは、これらから選ばれる1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
また、本発明で使用されるNα−モノアシルアルギニンは、損傷毛のまとまり付与剤としてコンディショナー等に配合することができ、該コンディショナー等により損傷毛を処理することができる。
【0019】
本発明において損傷毛とは、(1)ヘアカラー、パーマ、ブリーチ等の毛髪に対する化学処理を行った毛髪、あるいは、(2)ヘアドライヤー等による過度の加熱、ブラシ等による摩擦、日焼け等の物理刺激を受けることによりキューティクルが欠落あるいは損傷したもの、(3)水分量および/または頭髪構成たんぱく質が低下したもの、(4)毛髪がぱさつき、あるいは毛髪のつや感、まとまり、しっとり感が低下したもの、のうち少なくともいずれか1つに該当するものをいう。
【0020】
本発明の化粧料は、シャンプー、リンス、リンスインシャンプー、コンディショニングシャンプー、ヘアローション、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、ヘアスプレー、ヘアリキッド、ヘアワックス、ヘアウォーター、ヘアスタイリング剤、パーマ液、ヘアカラー、酸性ヘアカラー、ヘアマニキュア等の各種頭髪用化粧料として用いることができる。
【0021】
なお上記の化粧料には本発明の効果を阻害しない範囲で通常使用される各種添加剤を添加することができる。例としてはアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などの界面活性剤、アニオン性高分子、カチオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子、水溶性高分子等の各種の高分子、蝋類、植物油、動物系油脂、天然系油脂誘導体、鉱物系油脂、低級および高級脂肪酸エステル、N−アシルグルタミン酸エステル等の合成系油脂、アルコール類、多価アルコール、抽出物、アミノ酸、核酸、ビタミン、加水分解タンパク質およびその誘導体、グリセリルオレート、酵素、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、キレート剤、制汗剤、酸化染料、pH調整剤、パール化剤、湿潤剤等の化粧品原料基準、化粧品種別配合成分規格、医薬部外品原料規格、日本薬局方、食品添加物公定書記載の原料等が挙げられる。
【0022】
【実施例】
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0023】
<製造例1>Nα−ラウロイル−L−アルギニンの合成
L−アルギニン1106gにイソプロピルアルコール6919g及び水2964gを加え、pH10.5〜11.5、反応温度10〜13℃を保持しながら、ラウリン酸クロライド(日本油脂株製)1522gと27wt%−NaOH水溶液を攪拌しながら2時間かけて同時に滴下した。1時間熟成後、反応液を50℃まで昇温し、濃塩酸を添加してpHを3.8に調整し、反応生成物を完全に溶解させた。その後、27wt%−NaOH水溶液を添加し、pHを6.0に調整して結晶を析出させ、そのスラリーを攪拌しながら徐々に10℃まで冷却した。10℃まで冷却後濾過し、水10kg、イソプロピルアルコール4.4kgで洗浄し、得られた結晶を減圧乾燥し、Nα−モノラウロイル−L−アルギニンの鱗片状結晶2081gを得た(収率92.3%)。得られたNα−モノラウロイル−L−アルギニンの分解温度は約164℃であった。
同様にしてNα−パルミトイル−L−アルギニンを製造し、同様にしてNα−モノパルミトイル−L−アルギニンを製造し、以下の実施例に用いた。
【0024】
<試験例1>
表7に示す組成(重量%表示、総量100%)のコンディショナーを定法により調製した。実施例1、比較例1のコンディショナーを用い、通常毛及び損傷毛*の毛束**に前処理***を施した後、毛束1本あたり0.5gのコンディショナーを塗布の後、30秒間すすぎ、くしで毛髪の流れを整え一晩乾燥させた。翌日、10回くし通し後毛髪のまとまりについて、専門パネラー8名により、官能評価を行った。評価は以下に示す評価基準による平均値を算出した。評価結果を表8に示す。
【0025】
*損傷毛の調整:通常毛を(1)パーマ1液(チオグリコール酸アンモニウム(50%)14%、アンモニア水(28%)2%、モノエタノールアミン2%、精製水72%)に15分間浸漬後、水道水で十分に洗浄し、(2)パーマ2液(臭素酸ナトリウム6%、精製水94%)に15分間浸漬後、水道水で十分に洗浄し、(3)ブリーチ液(過酸化水素水(6%)50%、アンモニア水(2%)50%)に30分間浸漬後、水道水で十分に洗浄し、(4)15%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄の後、すすぎ、自然乾燥した。
**使用毛束:20代女性から得た、長さ20cm、重さ6gの毛髪を幅4cmの平らな毛束に調整した。
***前処理:15%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄の後、すすいだ。
【0026】
【表7】
【0027】
【表8】
【0028】
この結果、通常毛に対しては、実施例1及び比較例1のいずれのコンディショナーもまとまりを付与する効果があるが、損傷毛に対しては比較例1のコンディショナーはまとまり付与効果がなく、本発明によりまとまり付与効果が得られることがわかる。
【0029】
<試験例2>
ヘアカラーの施術をすでに受けた損傷毛を有する女性モニター1名の頭髪を1度シャンプーした後、実施例1及び比較例1のコンディショナーをハーフヘッド法にて塗布し、常法により洗浄、乾燥し、美容師による評価を行った。評価結果を表9に示す。
【0030】
【表9】
【0031】
この結果、本発明のコンディショナー処理の損傷毛は比較例2に比してまとまりが良く、ツヤ、しっとり感が向上した。
【0032】
<試験例3>
ヘアカラーの施術をすでに受けた損傷毛を有する女性モニター1名の頭髪を1度シャンプーした後、実施例2及び比較例1のコンディショナーをハーフヘッド法にて塗布し、常法により洗浄、乾燥し、美容師による評価を行った。評価結果を表10に示す。
【0033】
【表10】
【0034】
この結果、Nα−モノパルミトイル−L−アルギニン配合コンディショナー処理の損傷毛はコントロールに比してまとまりが良く、ツヤ、しっとり感が向上した。
【0035】
【発明の効果】
本発明の毛髪化粧料は、損傷毛髪においてまとまりの観点から極めて優れており、ツヤ、しっとり感といったコンディショニング効果の高い損傷毛用頭髪化粧料を得ることが出来る。
Claims (8)
- Nα−モノ長鎖アシルアルギニンから選ばれる1種以上を含む損傷毛用頭髪化粧料。
- 該Nα−モノアシルアルギニンが、Nα−モノアシルアルギニンを溶解した低級アルコール及び多価アルコールから選ばれる1種以上並びに水よりなる混合溶媒の酸性または塩基性溶液を中和し、晶析させて得られる結晶であることを特徴とする請求項1または2記載の化粧料。
- 請求項1ないし6記載の化粧料を用いて損傷毛を処理する方法。
- Nα−モノ長鎖アシルアルギニンから選ばれる1種以上からなる損傷毛のまとまり付与剤。
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