JP2019218325A - 毛髪化粧料 - Google Patents
毛髪化粧料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019218325A JP2019218325A JP2018119013A JP2018119013A JP2019218325A JP 2019218325 A JP2019218325 A JP 2019218325A JP 2018119013 A JP2018119013 A JP 2018119013A JP 2018119013 A JP2018119013 A JP 2018119013A JP 2019218325 A JP2019218325 A JP 2019218325A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hair
- hydrolyzed
- cuticle protein
- derivative
- protein
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Abstract
【課題】 毛髪に対して、優れた艶、潤い感、はりを付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ毛髪を滑らかな感触に仕上げることができる毛髪化粧料を提供する。【解決手段】 加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種0.05〜20質量%と多価アルコール0.1〜10質量%を含有させて毛髪化粧料を構成する。加水分解キューティクルタンパクが羊毛由来のキューティクルタンパクを塩酸又は塩酸とチオグリコール酸で加水分解して得られ、アミノ酸分析で構成アミノ酸としてシスチンとシステインの合計量がハーフシスチンとして12モル%以上存在し、ペプチド部分の数平均分子量が100〜3,000であることが好ましく、多価アルコールが、平均重合度が2〜20のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、グリセリン、エチルヘキシルグリセリン及びジグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。【選択図】 なし
Description
本発明は、キューティクルタンパクの加水分解物及びその誘導体を含有する化粧料に関するもので、さらに詳しくは、毛髪に適用した際に優れたハリコシ感を与え、さらには、艶、滑らかさ、保湿感を付与する効果に優れた、加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体と多価アルコールを含有する毛髪化粧料に関する。
コラーゲン、ケラチン、絹、大豆、小麦などの天然物由来のタンパク質を加水分解することによって得られる加水分解タンパクやその誘導体は、安全性が高く、刺激性の少ない界面活性剤、乳化剤として有用であり、従来から、化粧品基材として広く化粧品に配合されてきた。
上記のタンパク源の中でもケラチンは、構成アミノ酸にシスチンを多量に含み、その加水分解タンパクは毛髪のケラチンのシスチンと強固に結合するので、特に損傷した毛髪の修復効果に優れ、毛髪の引っ張り強度を増強し、しかも加水分解タンパクが有する保湿性や滑らかさ、艶を付与する作用を有していることから、各種の毛髪用化粧品に広く用いられている。
さらには、毛髪への吸着性や毛髪を柔軟にする作用をさらに高めた加水分解ケラチンの誘導体についても、毛髪に吸着して毛髪を柔軟にし、かつ毛髪に潤いや光沢を与えるなど、毛髪のコンディショニングを助けると共に、毛髪を保護する作用に優れていることから、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメントなどの毛髪用化粧品としての利用が提案されている(特許文献1など)。
羊毛のキューティクルタンパクには多量のシスチンが含まれているため、このタンパク質を加水分解した加水分解キューティクルタンパクは、毛髪ケラチン中のシスチンと強固に結合し、損傷した毛髪を修復して毛髪の引っ張り強度を増強し、保湿性や滑らかさ、艶などを付与する作用が、従来の加水分解ケラチンより優れていることから、加水分解キューティクルタンパクを配合した毛髪化粧料、あるいは、加水分解キューティクルタンパクの誘導体の化粧品基材としての利用が提案されている(特許文献2、3)。
しかしながら、加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体は、毛髪や皮膚への吸着力が高く、損傷した毛髪に塗布した場合にはその毛髪を修復する作用に優れるものの、加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体を含有する毛髪化粧料は、毛髪に対する保湿性、滑らかさ、艶の付与といった効果においては十分満足できるものではなく、より優れた効果を奏する加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体を含有する毛髪化粧料の開発が望まれていた。
従って、本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決し、毛髪に対して優れた収着性を有し、特に損傷した毛髪の修復効果に優れ、かつ、毛髪に対する保湿性、滑らかさ、艶の付与といった点においても優れた効果を有する、加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体を含有する毛髪化粧料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、天然物由来のキューティクルタンパクを加水分解して得られる、加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種0.05〜20質量%と、多価アルコール0.1〜10質量%を含有させた毛髪化粧料が、損傷した毛髪に対して高い修復効果を発揮するとともに、保湿性、滑らかさ、艶の付与といった点においても、優れた効果を奏することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、(A)加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種0.05〜20質量%、(B)多価アルコール0.1〜10質量%を含有することを特徴とする毛髪化粧料を基本発明とするもので、本願では、これを請求項1に係る発明とする。
前記(A)成分の加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体の加水分解タンパクとしては、羊毛由来のキューティクルタンパクを塩酸又は塩酸とチオグリコール酸で加水分解して得られ、アミノ酸分析で構成アミノ酸としてシスチンとシステインの合計量がハーフシスチンとして12モル%以上存在し、ペプチド部分の数平均分子量が100〜3,000であるものが工業的に入手しやすく、特に損傷した毛髪に対して修復効果を発揮し、毛髪の引っ張り強度を増強し、前記(B)成分と相乗的に毛髪に対して、保湿性、滑らかさ、艶を付与することから好ましく、本願では、これを請求項2に係る発明とする。
前記(A)成分の加水分解キューティクルタンパクの誘導体としては、加水分解キューティクルタンパクのアシル化誘導体、第4級アンモニウム誘導体、シリル化誘導体、アルキルグリセリル化誘導体、2−ヒドロキシアルキル化誘導体、エステル誘導体が工業的に入手しやすいことから、本願では、加水分解キューティクルタンパクの誘導体が、前記誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪化粧料を、請求項3に係る発明とする。
前記(B)成分の多価アルコールとしては、毛髪に保湿性、滑らかさ、艶を付与する点から、平均重合度が2〜20のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、グリセリン、エチルヘキシルグリセリン及びジグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが特に好ましいことから、本願では、これを請求項4に係る発明とする。
前記(B)成分の多価アルコールの特に好ましい例が、平均重合度が2〜20のポリエチレングリコールであることから、本願では、これを請求項5に係る発明とする。
前記(B)成分の多価アルコールの特に好ましい例が、プロピレングリコールであることから、本願では、これを請求項6に係る発明とする。
前記(B)成分の多価アルコールの特に好ましい例が、ジプロピレングリコールであることから、本願では、これを請求項7に係る発明とする。
前記(B)成分の多価アルコールの特に好ましい例が、ペンチレングリコールであることから、本願では、これを請求項8に係る発明とする。
前記(B)成分の多価アルコールの特に好ましい例が、グリセリンであることから、本願では、これを請求項9に係る発明とする。
前記(B)成分の多価アルコールの特に好ましい例が、エチルヘキシルグリセリンであることから、本願では、これを請求項10に係る発明とする。
前記(B)成分の多価アルコールの特に好ましい例が、ジグリセリンであることから、本願では、これを請求項11に係る発明とする。
前記(B)成分の多価アルコールの毛髪化粧料中の含有量を、0.1〜7質量%とすることで、よりべたつきが少なく、保湿性、滑らかさ、艶の付与といった優れた効果を発揮することができ、より好ましいことから、(B)成分の含有量が0.1〜7質量%であることを特徴とする毛髪化粧料を、請求項12に係る発明とする。
本発明の毛髪化粧料は、天然物由来のキューティクルタンパクを加水分解して得られる、加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種0.05〜20質量%と、多価アルコール0.1〜10質量%を含有していて、損傷した毛髪に対して高い修復効果を発揮するとともに、保湿性、滑らかさ、艶を付与することができる。したがって、特にシャンプー、ヘアコンディショナー、あるいは、ヘアトリートメントやヘアミストなどの毛髪のコンディションを改善する化粧料として使用される際には、本発明の効果が顕著に奏される。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。まず、本発明の毛髪化粧料を構成するにあたって使用される、(A)成分の加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体について説明し、次に(B)成分である多価アルコールについて説明し、その後で(A)成分である加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体と(B)成分である多価アルコールを含有する毛髪化粧料の形態について説明する。
[加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体]
本発明の毛髪化粧料に含有させる、加水分解キューティクルタンパクの原料となるキューティクルタンパクの由来は、特に限定されるものではないが、工業的に入手が容易な、羊毛から分離されるキューティクルタンパクを用いることが好ましい。羊毛よりキューティクル部分を分離して加水分解に供するが、羊毛からのキューティクル部分の分離法は特に限定なく、蟻酸や界面活性剤水溶液中で羊毛を機械的に撹拌してスクリーン処理や遠心分離する方法、乾燥羊毛を粉砕後空気流の中で比重差によって分離する方法など公知の方法を採用することができる。
本発明の毛髪化粧料に含有させる、加水分解キューティクルタンパクの原料となるキューティクルタンパクの由来は、特に限定されるものではないが、工業的に入手が容易な、羊毛から分離されるキューティクルタンパクを用いることが好ましい。羊毛よりキューティクル部分を分離して加水分解に供するが、羊毛からのキューティクル部分の分離法は特に限定なく、蟻酸や界面活性剤水溶液中で羊毛を機械的に撹拌してスクリーン処理や遠心分離する方法、乾燥羊毛を粉砕後空気流の中で比重差によって分離する方法など公知の方法を採用することができる。
得られたキューティクルタンパクの加水分解方法は、特に限定されるものではないが、シスチンのジスルフィド結合を加水分解キューティクルタンパク側鎖に残すため、例えば、特開平03−007595公報に記載の塩酸と還元剤による加水分解後、酵素による加水分解及び酸化反応を行う方法を採用するのが好ましい。
加水分解キューティクルタンパクは、分解時、塩酸の量や加熱温度、分解時間などを変化させることにより、生成するペプチドの分子量をコントロールすることができるが、キューティクルタンパクをその構成アミノ酸まで加水分解した場合には、その数平均分子量は約100となり、加水分解キューティクルタンパクの数平均分子量が3,000より大きい場合には、毛髪がゴワついたり、高湿度下では毛髪がべたついたりするおそれがある上、保存中にペプチドが会合して濁りや沈殿物を生じる恐れがあることから、本発明の毛髪化粧料に含有させる加水分解キューティクルタンパクとしては、その数平均分子量が100〜3,000のものが好ましく、100〜500のものがより好ましい。
本発明の毛髪化粧料には、加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させるが、その加水分解キューティクルタンパクの誘導体としては、例えば、アシル化誘導体、第4級アンモニウム誘導体、シリル化誘導体、アルキルグリセリル化誘導体、2−ヒドロキシアルキル化誘導体、エステル誘導体などが挙げられる。そして、これらの加水分解キューティクルタンパクやその誘導体は、それぞれ単独で用いてもよいし、また2種以上併用してもよい。
前記アシル化誘導体としては、加水分解キューティクルタンパク主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基の少なくとも一部に、下記一般式(I)
で表される基が結合したものが該当する。アシル化誘導体は、アルカリ条件下で加水分解キューティクルタンパクと炭素数8〜32の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸や樹脂酸の酸クロライド誘導体とを反応させることによって得られる。
前記炭素数8〜32の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸や樹脂酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、樹脂酸、水素添加樹脂酸などが挙げられる。
そして、この加水分解キューティクルタンパクのアシル化誘導体においても、その加水分解タンパク部分の数平均分子量は、上記加水分解キューティクルタンパクと同様の理由で、100〜3,000であることが好ましく、100〜500であることがより好ましい。
前記第4級アンモニウム誘導体としては、加水分解キューティクルタンパク主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基の少なくとも一部に、下記一般式(II)
で表される基が結合したものが該当する。第4級アンモニウム誘導体は、アルカリ条件下で加水分解キューティクルタンパクと第4級アンモニウム化合物とを反応させることによって得られる。
前記第4級アンモニウム化合物の具体例としては、例えば、グリシジルステアリルジメチルアンモニウムクロリド、グリシジルヤシ油アルキルジメチルアンモニウムクロリド、グリシジルラウリルジメチルアンモニウムクロリド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドなどのグリシジルアンモニウム塩、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルステアリルジメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルヤシ油アルキルジメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルラウリルジメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルエチルジメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの3−ハロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩、2−クロロエチルトリメチルアンモニウムクロリドなどの2−ハロ−エチルアンモニウム塩、3−クロロプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの3−ハロ−プロピルアンモニウム塩などが挙げられる。
そして、この加水分解キューティクルタンパクの第4級アンモニウム誘導体においても、その加水分解タンパク部分の数平均分子量は、キューティクルタンパクをその構成アミノ酸まで加水分解した場合には約100となり、加水分解キューティクルタンパクの数平均分子量が3,000より大きい場合には、毛髪がゴワついたり、高湿度下では毛髪がべたついたりするおそれがある上、保存中にペプチドが会合して濁りや沈殿物を生じる恐れがあることから、100〜3,000であることが好ましく、100〜500であることがより好ましい。
前記シリル化誘導体としては、加水分解キューティクルタンパク主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基の少なくとも一部に、下記一般式(III)
〔式(III)中、R5は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Dは結合手で、メチレン、プロピレン、−CH2OCH2CH(OH)CH2−又は−(CH2)3OCH2CH(OH)CH2−で表される基である。〕
で表される基が結合したものが該当する。このシリル化誘導体は、アルカリ条件下で加水分解キューティクルタンパクと下記一般式(IV)
で表される基が結合したものが該当する。このシリル化誘導体は、アルカリ条件下で加水分解キューティクルタンパクと下記一般式(IV)
又は、下記一般式(V)
で表されるシリル化剤を反応させることによって得られる。
本発明で用いるシリル化誘導体には、前記一般式(III)がアミノ基に結合した加水分解キューティクルタンパクに加えて、一般式(III)がアミノ基に結合したペプチドの重合体であるシリコーンレジン化加水分解キューティクルタンパクを含有したものも含まれる。
そして、この加水分解キューティクルタンパクのシリル化誘導体においても、そのペプチド部分の数平均分子量は、キューティクルタンパクをその構成アミノ酸まで加水分解した場合には約100となり、加水分解キューティクルタンパクの数平均分子量が3,000より大きい場合には、毛髪がゴワついたり、高湿度下では毛髪がべたついたりするおそれがある上、保存中にペプチドが会合して濁りや沈殿物を生じる恐れがあることから、100〜3,000であることが好ましく、100〜500であることがより好ましい。
前記アルキルグリセリル化誘導体としては、加水分解キューティクルタンパク主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基の少なくとも一部に、下記一般式(VI)
で表される基が結合したものが該当する。このアルキルグリセリル化誘導体はアルカリ条件下で加水分解キューティクルタンパクと下記一般式(VII)
で表されるアルキルグリセリル化剤を反応させることによって得られる。
加水分解キューティクルタンパクとアルキルグリセリル化剤を反応させる際の温度は、30℃〜80℃が好ましく、40℃〜70℃がより好ましい。前記温度以下では、加水分解キューティクルタンパクとアルキルグリセリル化剤との反応性が悪くなり、前記温度以上では、加水分解キューティクルタンパクが著しい着色や不快臭を生じるため化粧料基材としては適切でなく、加熱温度を高くすることによる反応性の向上も見込めない。
また、加水分解キューティクルタンパクとアルキルグリセリル化剤を反応させる際の反応時間は、温度やpH、加水分解キューティクルタンパクの濃度によっても異なるが、1〜10時間が好ましく、2〜8時間がより好ましい。反応時間が前記時間より短い場合では、未反応のアルキルグリセリル化剤が残存し、前記時間より長い場合では、加水分解キューティクルタンパクが着色や不快臭を生じやすくなる。
そして、この加水分解キューティクルタンパクのアルキルグリセリル化誘導体においても、そのペプチド部分の数平均分子量は、前記加水分解キューティクルタンパクと同様の理由で、100〜3,000であることが好ましく、100〜500であることがより好ましい。
前記2−ヒドロキシアルキル化誘導体としては、加水分解キューティクルタンパク主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基の少なくとも一部に、下記一般式(VIII)
で表される基が結合したものが該当する。この2−ヒドロキシアルキル化誘導体はアルカリ条件下で加水分解キューティクルタンパクと下記一般式(IX)
で表される2−ヒドロキシアルキル化剤を反応させることによって得られる。
加水分解キューティクルタンパクと2−ヒドロキシアルキル化剤を反応させる際の温度は、30℃〜80℃が好ましく、40℃〜70℃がより好ましい。前記温度以下では、加水分解キューティクルタンパクと2−ヒドロキシアルキル化剤との反応性が悪くなり、前記温度以上では、加水分解キューティクルタンパクが著しい着色や不快臭を生じるため化粧料基材としては適切でなく、加熱温度を高くすることによる反応性の向上も見込めない。
また、加水分解キューティクルタンパクと2−ヒドロキシアルキル化剤を反応させる際の反応時間は、温度やpH、加水分解キューティクルタンパクの濃度によっても異なるが、1〜10時間が好ましく、2〜8時間がより好ましい。反応時間が前記時間より短い場合では、未反応の2−ヒドロキシアルキル化剤が残存し、前記時間より長い場合では、加水分解キューティクルタンパクが着色や不快臭を生じやすくなる。
そして、この加水分解キューティクルタンパクの2−ヒドロキシアルキル化誘導体においても、そのペプチド部分の数平均分子量は、前記加水分解キューティクルタンパクと同様の理由で、100〜3,000であることが好ましく、100〜500であることがより好ましい。
前記加水分解キューティクルタンパクのエステル誘導体としては、加水分解キューティクルタンパクのカルボキシル基における炭素数1〜22のアルコール類とのエステル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ラウリルエステル、セチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、2−ヘキシルデシルエステル、ステアリルエステル、イソステアリルエステル、オレイルエステルなどが挙げられる。
このエステル誘導体は、加水分解キューティクルタンパクをメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール中でエステルとする対象のアルコールと共に1〜10時間程度、加えた低級アルコールの沸点で還流することによって得られる。この際、液中には水をほとんど含まない条件で行うのが良い。水が多く含まれるとエステル化が充分に進行しない。またエステル化を促進するために無水塩酸、硫酸などの酸を触媒として少量加えるのが好ましい。
上記のようにして得られた加水分解キューティクルタンパクのエステル誘導体の溶液は、活性炭などにより脱色したり、あるいは無水塩酸、硫酸などの酸を触媒として用いた場合には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリによって中和し、また、適当な濃度とするために過剰の低級アルコールを蒸溜して溜去、濾過するなどの処理が行われる。
そして、この加水分解キューティクルタンパクのエステル誘導体においても、そのペプチド部分の数平均分子量は、前記加水分解キューティクルタンパクと同様の理由で、100〜3,000であることが好ましく、100〜500であることがより好ましい。
[多価アルコール]
前記(B)成分である多価アルコールは、水溶性で水酸基を2個以上有しているアルコールである。水酸基が2個以上の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、あるいは、ジエチレングリコール、トリエチエレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ドデカエチレングリコールなどの平均重合度が2〜20のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、平均重合度が3以上のポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコールなどのグリコール類、グリセリン、エチルヘキシルグリセリン、ジグリセリン、平均重合度が3以上のポリグリセリンなどのグリセリン類などが挙げられるが、べたつきの少ないしっとり感の付与効果や化粧料中での加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体の安定性の保持という面から、平均重合度が2〜20のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、グリセリン、エチルヘキシルグリセリン及びジグリセリンが、特に好ましい例として挙げられる。
前記(B)成分である多価アルコールは、水溶性で水酸基を2個以上有しているアルコールである。水酸基が2個以上の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、あるいは、ジエチレングリコール、トリエチエレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ドデカエチレングリコールなどの平均重合度が2〜20のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、平均重合度が3以上のポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコールなどのグリコール類、グリセリン、エチルヘキシルグリセリン、ジグリセリン、平均重合度が3以上のポリグリセリンなどのグリセリン類などが挙げられるが、べたつきの少ないしっとり感の付与効果や化粧料中での加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体の安定性の保持という面から、平均重合度が2〜20のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、グリセリン、エチルヘキシルグリセリン及びジグリセリンが、特に好ましい例として挙げられる。
[毛髪化粧料の形態]
本発明の毛髪化粧料は、加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種及び多価アルコールを含有させることによって構成されるが、対象となる毛髪化粧料としては、例えば、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、システムトリートメント、ヘアミスト、枝毛コート、ヘアクリーム、パーマネントウェーブ用第1剤及び第2剤、縮毛矯正剤、セットローション、ヘアワックス、スタイリング剤、染毛剤、染毛料、液体整髪料、養毛・育毛剤などが挙げられる。
本発明の毛髪化粧料は、加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種及び多価アルコールを含有させることによって構成されるが、対象となる毛髪化粧料としては、例えば、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、システムトリートメント、ヘアミスト、枝毛コート、ヘアクリーム、パーマネントウェーブ用第1剤及び第2剤、縮毛矯正剤、セットローション、ヘアワックス、スタイリング剤、染毛剤、染毛料、液体整髪料、養毛・育毛剤などが挙げられる。
本発明の(A)成分である加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体の毛髪化粧料への配合量(化粧料中での含有量)の好ましい範囲は、化粧料の種類によっても異なり、特に限定されるものではないが、化粧料中0.05〜20質量%が好ましい場合が多く、特に0.5〜10質量%が好ましい場合が多い。化粧料中への配合量が上記範囲より少ない場合は、損傷した毛髪の修復効果や毛髪の引っ張り強度を増強する効果、さらには、保湿性や滑らかさ、艶などを付与する作用が充分に発現できなくなるおそれがある。また、化粧料中への配合量が上記範囲より多くなっても、それに見合う効果の向上が見られない。
本発明の(B)成分である多価アルコールの毛髪化粧料への配合量(化粧料中での含有量)の好ましい範囲は、化粧料の種類によっても異なり、特に限定されるものではないが、化粧料中0.1〜10質量%が好ましい場合が多く、特に0.1〜7質量%が好ましい場合が多い。化粧料中への配合量が上記範囲より少ない場合は、毛髪に塗布した際の、保湿性、滑らかさ、艶の付与といった好ましい作用が充分に発現できなくなるおそれがある。また、化粧料中への配合量が上記範囲より多い場合は、毛髪がべたついたりするなどの好ましくない感触を与えるおそれがある。
本発明の毛髪化粧料には、(A)成分である加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体と(B)成分である多価アルコールの他に、通常化粧料に用いられる成分、例えば、油性原料、界面活性剤、保湿剤、高分子化合物、酸化防止剤、薬剤、羊毛由来のキューティクルタンパク以外のタンパク加水分解物及びその誘導体、アミノ酸、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素・香料、金属イオン封鎖剤等を適宜配合することができる。
油性原料としては、例えば、オリーブ油、椿油、マカデミアナッツ油、茶実油、ヒマシ油、トリ(カプリン/カプリル)グリセリル等の油脂類、ホホバ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ラノリン、ミツロウ等のロウ類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等の炭化水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、2−エチルへキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ−2−エチルヘキサノイン等のエステル類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸石鹸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アシル−N−メチルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料には、毛髪に対する高い保湿効果が期待できるが、更なる効果が求められる場合には、他の保湿剤を適宜配合することができる。そのような保湿剤としては、例えば、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、高分子のジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ビタミンEやタンニン、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)等を挙げることができる。
他の薬剤としては、育毛用薬剤、ふけ・かゆみ用薬剤等を挙げることができる。
タンパク加水分解物及びその誘導体としては、例えば、乳タンパク、絹タンパク、小麦タンパク、米タンパク、エンドウタンパク、コラーゲン、ケラチン、大豆、ゴマ、コンキオリン、海洋コラーゲン等のタンパク加水分解物ならびにその誘導体等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジン等のアミノ酸とその誘導体が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、キャブロガム、グアーガム、ペクチン、寒天、クインスシード、デンプン、アルゲコロイド、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、カルボキシメチルデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギニン酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンアクリレート、ポリアクリルアミド、カチオンポリマー等が挙げられる。
色素としては、タール色素、天然色素、無機顔料、高分子粉体等が挙げられる。香料としては、天然香料、合成香料、調合香料等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、エデト酸二ナトリウム、リン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料の剤系は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、ゲル系、粉末分散系、水−油二層系等いずれも可能であり、目的とする製品に応じて前記(A)成分及び(B)成分、さらには、前記任意配合成分とを配合して製造することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例や比較例で使用する加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体は、前記特許文献2で開示されている方法に準じて製造した。また、以下の実施例、比較例などにおいて、溶液や分散液などの濃度を示す%はいずれも質量%である。
実施例1及び比較例1〜2
表1に示す3種類のヘアリンスを調製し、それぞれのヘアリンスをブリーチ処理した毛髪に使用して、艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性について評価した。実施例1では、数平均分子量が448でシスチン量がハーフシスチンとして12.5モル%である加水分解キューティクルタンパクとグリセリンを配合し、比較例1は加水分解キューティクルタンパクを配合し、グリセリンを配合していないブランク品で、比較例2は加水分解キューティクルタンパクに代えて、羊毛由来の数平均分子量が約450でシスチン量がハーフシスチンとして6.3モル%である加水分解ケラチンとグリセリンを配合したヘアリンスである。なお、表1中の各成分の配合量はいずれも質量%によるものであり、配合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示している。これらは、以降の組成を示す表3、表5、表7、表8、表10、表12、表14、表16、表17及び表19などにおいても同様である。
表1に示す3種類のヘアリンスを調製し、それぞれのヘアリンスをブリーチ処理した毛髪に使用して、艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性について評価した。実施例1では、数平均分子量が448でシスチン量がハーフシスチンとして12.5モル%である加水分解キューティクルタンパクとグリセリンを配合し、比較例1は加水分解キューティクルタンパクを配合し、グリセリンを配合していないブランク品で、比較例2は加水分解キューティクルタンパクに代えて、羊毛由来の数平均分子量が約450でシスチン量がハーフシスチンとして6.3モル%である加水分解ケラチンとグリセリンを配合したヘアリンスである。なお、表1中の各成分の配合量はいずれも質量%によるものであり、配合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示している。これらは、以降の組成を示す表3、表5、表7、表8、表10、表12、表14、表16、表17及び表19などにおいても同様である。
*1は(株)成和化成製のプロモイスWK(商品名)である。
上記ヘアリンスによる処理に先立ち、処理用の毛髪として、毛髪の損傷度を一定にするためにブリーチ処理を行なった損傷毛髪を作製した。すなわち、長さ約15cmで重さ1.5gの毛束を3本用意し、3%過酸化水素水と1%アンモニアを含む水溶液に30℃で30分間浸漬してブリーチ処理を行い、水道水で洗浄後、さらにイオン交換水でゆすいだ。このブリーチ処理を行った毛束を、加水分解キューティクルタンパクやその誘導体類などを含まない市販のシャンプーで洗浄し、お湯でゆすいだ。この洗浄後の毛束に対して、実施例1及び比較例1〜2のヘアリンスをそれぞれ2gずつ用いて処理し、お湯でゆすぎ、ヘアドライヤーで乾燥した。このシャンプー洗浄、ヘアリンス処理、ドライヤー乾燥の工程を5回繰り返した後、毛髪の艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性について、10人の女性パネラーに、最も良いものを2点とし、2番目に良いものを1点とし、3番目に良いものを0点として評価させ、その平均値について下記のように表記した。結果を表2に示す。
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
表2に示すように、加水分解キューティクルタンパクとグリセリンを配合した実施例1のヘアリンスで処理した毛髪は、加水分解キューティクルタンパクを配合し、グリセリンを配合していない比較例1のヘアリンスで処理した毛髪や、加水分解キューティクルタンパクに代えて、数平均分子量がほぼ同じである従来品の加水分解ケラチンを配合した比較例2で処理した毛髪に比べて、いずれの評価項目においても評価値が高く、加水分解キューティクルタンパクとグリセリンを配合した場合には、毛髪に艶、潤い感、滑らかさ及び良好な櫛通り性を付与する効果が高いことが明らかであった。
実施例2及び比較例3〜4
表3に示す組成の3種類のシャンプーを調製し、それぞれのシャンプーで毛髪を洗浄し、洗浄後の毛髪の艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性を評価した。
表3に示す組成の3種類のシャンプーを調製し、それぞれのシャンプーで毛髪を洗浄し、洗浄後の毛髪の艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性を評価した。
実施例2においては、数平均分子量1254の加水分解キューティクルタンパクとプロピレングリコールを配合し、比較例3は前記加水分解キューティクルタンパクを配合し、プロピレングリコールを配合していない比較品で、比較例4はプロピレングリコールのみを配合し、加水分解キューティクルタンパクを配合していないブランク品である。
上記シャンプーによる毛髪の処理に先立ち、長さ18cmで重さ1gの毛束を3本用意し、それぞれの毛束に対して、実施例2及び比較例3〜4のシャンプーをそれぞれ2g用いて毛束を洗浄し、お湯の流水中でゆすぎ、ヘアドライヤーで乾燥した。この洗浄、ゆすぎ、ヘアドライヤーによる乾燥処理を10回繰り返した後、毛髪の艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性について、10人の女性パネラーに、最も良いものを2点とし、2番目に良いものを1点とし、3番目に良いものを0点として評価させ、その平均値について下記のように表記した。結果を表5に示す。
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
表4に示すように、加水分解キューティクルタンパクとプロピレングリコールを配合した実施例2のシャンプーで処理した毛髪は、加水分解キューティクルタンパクを配合し、プロピレングリコールを配合していない比較例3のシャンプーで処理した毛髪や、加水分解キューティクルタンパクを配合していない比較例4で処理した毛髪に比べて、いずれの評価項目においても評価値が高く、加水分解キューティクルタンパクとプロピレングリコールを配合した場合には、毛髪に艶、潤い感、滑らかさ及び良好な櫛通り性を付与する効果が高いことが明らかであった。
実施例3及び比較例5〜6
表5に示す組成の3種類の毛髪セット剤を調製し、毛髪に適用したときの毛髪の艶、潤い感、はり及び滑らかさについて評価した。
表5に示す組成の3種類の毛髪セット剤を調製し、毛髪に適用したときの毛髪の艶、潤い感、はり及び滑らかさについて評価した。
実施例3では数平均分子量が448の加水分解キューティクルタンパクのシリル化誘導体であるN−〔2−ヒドロキシ−3−(3−ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)プロピル〕加水分解キューティクルタンパクとジエチレングリコールを配合し、比較例5は前記加水分解キューティクルタンパクのシリル化誘導体を配合し、ジエチレングリコールを配合していない比較品で、比較例6はジエチレングリコールのみを配合し、加水分解キューティクルタンパクのシリル化誘導体を配合していないブランク品である。
*2は(株)成和化成製のプロモイスWG(商品名)である。
上記毛髪セット剤による毛髪の処理は下記のように行った。すなわち、長さ20cmで重さ1gの毛束を3本用意し、2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水でゆすいで室温で風乾し、それらをそれぞれ直径1cmのロッドに巻き付けた。そのロッドに巻き付けた毛束に、実施例3および比較例5〜6の毛髪セット剤をそれぞれ2mlずつ塗布し、90℃の熱風乾燥機中で乾燥した。乾燥後の毛髪をロッドよりはずし、毛髪の艶、潤い感、はり及び滑らかさを10人の女性パネラーに実施例2と同様の評価基準で評価させ、その平均値について下記のように表記した。結果を表6に示す。
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
表6に示すように、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3−ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)プロピル〕加水分解キューティクルタンパクとジエチレングリコールを配合した実施例3の毛髪セット剤で処理した毛髪は、前記加水分解キューティクルタンパクのシリル化誘導体を配合し、ジエチレングリコールを配合していない比較例5の毛髪セット剤で処理した毛髪に比べて、はりは同等であったが、艶、潤い感及び滑らかさに関する評価値が高く、加水分解キューティクルタンパクのシリル化誘導体であるN−〔2−ヒドロキシ−3−(3−ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)プロピル〕加水分解キューティクルタンパクとジエチレングリコールを配合した場合には、毛髪に艶、潤い感及び滑らかさを付与する効果に優れていることが明らかであった。
実施例4及び比較例7〜8
表7に示す組成の3種類のヘアリンスを調製し、それぞれのヘアリンスをパーマネントウェーブ処理した毛髪に使用して、艶、潤い感、はり、滑らかさ及び櫛通り性について評価した。
表7に示す組成の3種類のヘアリンスを調製し、それぞれのヘアリンスをパーマネントウェーブ処理した毛髪に使用して、艶、潤い感、はり、滑らかさ及び櫛通り性について評価した。
実施例4においては、数平均分子量が448の加水分解キューティクルタンパクの第4級アンモニウム誘導体である塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕加水分解キューティクルタンパクとジプロピレングリコールを配合し、比較例7は前記加水分解キューティクルタンパクの第4級アンモニウム誘導体を配合し、ジプロピレングリコールを配合していない比較品で、比較例8はジプロピレングリコールのみを配合し、加水分解キューティクルタンパクの第4級アンモニウム誘導体を配合していないブランク品である。
*3は(株)成和化成製のプロモイスシルク−1000(商品名)である。
上記ヘアリンスによる処理に先立ち、長さ15cmの毛髪30本よりなる毛束を3本用意し、毛髪の損傷度を一定にするために実施例1と同様の方法でブリーチ処理を行なった損傷毛髪を作製した。次に、これらの毛束に、表8に示す組成のパーマネントウェーブ第1剤をそれぞれ5g均一に塗布し、25℃で15分間静置後水道水の流水中で洗浄し、タオルで水分を軽く除去し、6%臭素酸ナトリウム水溶液からなるパーマネントウェーブ第2剤をそれぞれ5g均一に塗布し、25℃で15分間静置した後水道水の流水中で洗浄し、タオルで水分を軽く除去し、さらにヘアドライヤーで乾燥した。このブリーチ処理とパーマネントウェーブ処理を2回繰り返して行った毛束を、ヘアリンス処理に供した。
上記ヘアリンス処理した毛髪について、毛髪の艶、潤い感、はり、滑らかさ及び櫛通り性を10人の女性パネラーに実施例2と同様の評価基準で評価させ、その平均値について下記のように表記した。結果を表9に示す。
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
表9に示すように、塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕加水分解キューティクルタンパクとジプロピレングリコールを含有する実施例4のヘアリンスで処理した毛髪は、前記加水分解キューティクルタンパクの第4級アンモニウム誘導体を配合し、ジプロピレングリコールを配合していない比較例7のヘアリンスで処理した毛髪に比べて、はりは同等であったが、艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性に関する評価値が高く、前記加水分解キューティクルタンパクの第4級アンモニウム誘導体とジプロピレングリコールを組み合わせて配合した場合には、毛髪に対する効果が優れていることが明らかであった。
実施例5及び比較例9〜10
表10に示す組成の3種類のヘアスタイリングジェルを調製し、それぞれのヘアスタイリングジェルを洗浄した毛束に使用して、処理後の毛髪の艶、潤い感、滑らかさ、櫛通り性及びウェーブの感触を評価した。
表10に示す組成の3種類のヘアスタイリングジェルを調製し、それぞれのヘアスタイリングジェルを洗浄した毛束に使用して、処理後の毛髪の艶、潤い感、滑らかさ、櫛通り性及びウェーブの感触を評価した。
実施例5では加水分解タンパク部分の数平均分子量が1254の加水分解キューティクルタンパクのN−(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル)誘導体である塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロピル〕加水分解キューティクルタンパクとペンチレングリコールを配合し、比較例9は塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロピル〕加水分解キューティクルタンパクを配合し、ペンチレングリコールを配合していない比較品で、比較例10はペンチレングリコールのみを配合し、加水分解キューティクルタンパクの第4級アンモニウム誘導体を配合していないブランク品である。
*4はロームアンドハード社(米国)製のアキュリン22(商品名)である。
上記ヘアスタイリングジェルによる処理に先立ち、長さ30cmで重さ2.5gの毛束を3本用意し、それらの毛束を2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水流水中でゆすいで室温で風乾した。この毛束を直径25mmのカール用ロッドに巻き付け、そのロッドに巻き付けた毛束に実施例5および比較例9〜10のヘアスタイリングジェルをそれぞれ2gずつ塗布し、ヘアドライヤーで乾燥した。乾燥後、毛束をロッドから外し、毛髪の艶、潤い感、滑らかさ、櫛通り性及びウェーブの感触を10人の女性パネラーに実施例2と同様の評価基準で評価させ、その平均値について下記のように表記した。結果を表11に示す。
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
表11に示すように、塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロピル〕加水分解キューティクルタンパクとペンチレングリコールを配合した実施例5のヘアスタイリングジェルで処理した毛髪は、塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロピル〕加水分解ケラチを配合し、ペンチレングリコールを配合していない比較例9のヘアスタイリングジェルで処理した毛髪に比べて、艶、潤い感、滑らかさ、櫛通り性及びウェーブの感触のいずれも評価値が高く、加水分解キューティクルタンパクのN−(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル)誘導体とペンチレングリコールを配合した場合には、ペンチレングリコールを配合しない場合以上の効果を毛髪に付与することが明らかであった。
実施例6及び比較例11〜12
表12に示す組成の3種類の整髪料(ヘアリキッド)を調製し、毛髪に適用したときの毛髪の艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性について評価した。
表12に示す組成の3種類の整髪料(ヘアリキッド)を調製し、毛髪に適用したときの毛髪の艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性について評価した。
実施例6では加水分解タンパク部分の数平均分子量が1254の加水分解キューティクルタンパクのエチルエステルとジグリセリンを配合し、比較例11は加水分解キューティクルタンパクのエチルエステルを配合し、ジグリセリンを配合していない比較品で、比較例12はジグリセリンのみを配合し、加水分解キューティクルタンパクのエステル誘導体を配合していないブランク品である。
*5は互応化学工業(株)製のプラスサイズL−53P(商品名)である。
上記整髪料による処理に先立ち、長さ15cmで重さ1gの毛束を3本用意し、2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、お湯でゆすぎ、ヘアドライヤーで乾燥した。この乾燥後の毛束に対して、上記実施例6及び比較例11〜12の整髪料をそれぞれ2gずつ用いて処理し、ヘアドライヤーで充分に乾燥し、室温で1時間放置した。1時間放置後、各毛束を2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、お湯でゆすぎ、ヘアドライヤーで乾燥した。このシャンプー洗浄と整髪料処理を5回繰り返した後、毛髪の艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性を10人の女性パネラーに実施例2と同様の評価基準で評価させ、その平均値について下記のように表記した。結果を表13に示す。
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
表13に示すように、加水分解キューティクルタンパクエチルエステルとジグリセリンを配合した実施例6の整髪料で処理した毛髪は、前記加水分解キューティクルタンパクのエステル誘導体を配合し、ジグリセリンを配合していない比較例11の整髪料で処理した毛髪と比べて、毛髪の艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性のいずれにおいても評価値が高く、前記加水分解キューティクルタンパクのエステル誘導体とジグリセリンを配合した場合には、ジグリセリンを配合しない場合以上の効果を毛髪に付与することが明らかであった。
実施例7及び比較例13〜14
表14に示す組成の3種類のパーマネントウェーブ第1剤を調製し、それぞれのパーマネントウェーブ第1剤と、6%臭素酸ナトリウム水溶液からなるパーマネントウェーブ第2剤を用いて毛束にパーマネントウェーブ処理を施し、毛髪の艶、潤い感及び滑らかさを評価した。
表14に示す組成の3種類のパーマネントウェーブ第1剤を調製し、それぞれのパーマネントウェーブ第1剤と、6%臭素酸ナトリウム水溶液からなるパーマネントウェーブ第2剤を用いて毛束にパーマネントウェーブ処理を施し、毛髪の艶、潤い感及び滑らかさを評価した。
実施例7では数平均分子量が1254の加水分解キューティクルタンパクと平均重合度が約20のポリエチレングリコール(以下、PEG−20)を配合し、比較例13は前記加水分解キューティクルタンパクを配合し、PEG−20を配合していない比較品で、比較例14はPEG−20のみを配合し、加水分解キューティクルタンパクを配合していないブランク品である。
*6は日油(株)製のPEG#1000(商品名)である。
上記パーマネントウェーブ第1剤による毛髪の処理は下記のように行った。すなわち、長さ20cmに揃えた毛髪をあらかじめ2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水流水中でゆすいで室温で風乾し、これらの毛髪40本からなる毛束を3本作製し、それらをそれぞれ長さ10cmで直径1cmのロッドに巻き付けた。そのロッドに巻き付けた毛束に、実施例7および比較例13〜14のパーマ
ネントウェーブ第1剤をそれぞれ2mlずつ塗布し、それらの毛束をラップで覆い、15分間放置後、流水で静かに10秒間洗浄し、ついでパーマネントウェーブ第2剤を2mlずつ塗布し、ラップで覆い、15分間放置した後、流水中で30秒間静かに洗浄した。各ロッドは60℃の熱風乾燥機中で乾燥し、乾燥後、毛束をロッドからはずし、毛髪の艶、潤い感及び滑らかさを10人のパネラーに実施例2と同じ評価基準で評価させ、その平均値について下記のように表記した。結果を表15に示す。
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
ネントウェーブ第1剤をそれぞれ2mlずつ塗布し、それらの毛束をラップで覆い、15分間放置後、流水で静かに10秒間洗浄し、ついでパーマネントウェーブ第2剤を2mlずつ塗布し、ラップで覆い、15分間放置した後、流水中で30秒間静かに洗浄した。各ロッドは60℃の熱風乾燥機中で乾燥し、乾燥後、毛束をロッドからはずし、毛髪の艶、潤い感及び滑らかさを10人のパネラーに実施例2と同じ評価基準で評価させ、その平均値について下記のように表記した。結果を表15に示す。
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
表15に示すように、加水分解キューティクルタンパクとPEG−20を配合した実施例7のパーマネントウェーブ第1剤で処理した毛髪は、前記加水分解キューティクルタンパクを配合し、PEG−20を配合していない比較例13のパーマネントウェーブ第1剤で処理した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感、滑らかさのいずれにおいても評価値が同等又は高く、加水分解キューティクルタンパクとPEG−20をパーマネントウェーブ第1剤に配合した場合には、PEG−20を配合しない場合より、優れた効果を毛髪に付与することが明らかであった。
実施例8及び比較例15〜16
表16に示す組成の3種類の酸化型染毛剤第1剤を調製し、それぞれの酸化型染毛剤第1剤と下記表17に示す酸化型染毛剤第2剤とを混合し、毛髪を染毛後、毛髪の艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性を評価した。
表16に示す組成の3種類の酸化型染毛剤第1剤を調製し、それぞれの酸化型染毛剤第1剤と下記表17に示す酸化型染毛剤第2剤とを混合し、毛髪を染毛後、毛髪の艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性を評価した。
実施例8では数平均分子量448の加水分解キューティクルタンパクとトリエチレングリコールを配合し、比較例15は前記加水分解キューティクルタンパクを配合し、トリエチレングリコールを配合していない比較品で、比較例16はトリエチレングリコールのみを配合し、加水分解キューティクルタンパクを配合していないブランク品である。
酸化型染毛剤第2剤は、実施例8及び比較例15〜16に共通で、表17に示す通りである。
上記酸化型染毛剤による毛髪の処理は下記のように行った。すなわち、長さ15cmで重さ1gの毛束を3本用意し、それらの毛束を2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水の流水中でゆすいだ後、風乾した。これらの毛束に、実施例8の酸化型染毛剤第1剤と上記第2剤を同量ずつ混合した酸化型染毛剤及び比較例15〜16の酸化型染毛剤第1剤と上記第2剤を同量ずつ混合した酸化型染毛剤をそれぞれ2gずつ均一に塗布した後、30分間放置し、お湯でゆすぎ、ついで2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに水道水の流水中でゆすぎ、ヘアドライヤーで熱風乾燥した。乾燥後の毛束の艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性を10人のパネラーに実施例2と同様の評価基準で評価させ、その平均値について下記のように表記した。結果を表18に示す。
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
表18に示すように、前記加水分解キューティクルタンパクとトリエチレングリコールを配合した実施例8の酸化型染毛剤で染毛処理した毛髪は、加水分解キューティクルタンパクを配合し、トリエチレングリコールを配合していない比較例15の酸化型染毛剤で染毛処理した毛髪に比べて、艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性のいずれにおいても評価値が同等又は高く、加水分解キューティクルタンパクとトリエチレングリコールを酸化型染毛剤に配合した場合、毛髪に対して、トリエチレングリコールを配合しない場合以上の、優れた効果を付与することが明らかであった。
実施例9〜10及び比較例17
表19に示す3種類のヘアリンスを調製し、それぞれのヘアリンスをブリーチ処理した毛髪に使用して、艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性について評価した。実施例9では、数平均数分子量が448でシスチン量がハーフシスチンとして12.5モル%である加水分解キューティクルタンパクと1,3−ブチレングリコールを配合し、実施例10は前記加水分解キューティクルタンパクとエチルヘキシルグリセリンを配合し、比較例17は加水分解キューティクルタンパクを配合し、多価アルコールを配合していない比較品である。
表19に示す3種類のヘアリンスを調製し、それぞれのヘアリンスをブリーチ処理した毛髪に使用して、艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性について評価した。実施例9では、数平均数分子量が448でシスチン量がハーフシスチンとして12.5モル%である加水分解キューティクルタンパクと1,3−ブチレングリコールを配合し、実施例10は前記加水分解キューティクルタンパクとエチルヘキシルグリセリンを配合し、比較例17は加水分解キューティクルタンパクを配合し、多価アルコールを配合していない比較品である。
上記ヘアリンスによる処理に先立ち、処理用の毛髪として、毛髪の損傷度を一定にするために前記実施例1及び比較例1〜2の場合と同様に、ブリーチ処理を行なった損傷毛髪を作製した。この損傷毛髪に対して、実施例9〜10及び比較例17のヘアリンスをそれぞれ2gずつ用いて処理し、お湯でゆすぎ、ヘアドライヤーで乾燥した。市販のシャンプーによる洗浄、ヘアリンス処理、ドライヤー乾燥の工程を5回繰り返した後、毛髪の艶、潤い感、滑らかさ及び櫛通り性について、10人の女性パネラーに、最も良いものを2点とし、2番目に良いものを1点とし、3番目に良いものを0点として評価させ、その平均値について下記のように表記した。結果を表20に示す。
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
1.1−1.5: △
1.6−2.0: ○
2.1−2.5: ◎
表20に示すように、加水分解キューティクルタンパクと1,3−ブチレングリコールを配合した実施例9のヘアリンスで処理した毛髪は、加水分解キューティクルタンパクを配合し、多価アルコールを配合していない比較例17のヘアリンスで処理した毛髪に比べて、艶や櫛通り性は同等であったが、潤い感及び滑らかさに関する評価値が高かった。また、加水分解キューティクルタンパクとエチルヘキシルグリセリンを配合した実施例10のヘアリンスで処理した毛髪は、多価アルコールを配合していない比較例17のヘアリンスで処理した毛髪に比べて、いずれの評価項目においても評価値が高く、加水分解キューティクルタンパクとエチルヘキシルグリセリンを配合した場合には、毛髪に艶、潤い感、滑らかさ及び良好な櫛通り性を付与する効果が高いことが明らかであった。
Claims (12)
- (A)加水分解キューティクルタンパク及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種0.05〜20質量%、(B)多価アルコール0.1〜10質量%を含有することを特徴とする毛髪化粧料。
- (A)成分の加水分解キューティクルタンパクが、羊毛由来のキューティクルタンパクを塩酸又は塩酸とチオグリコール酸で加水分解して得られ、アミノ酸分析で構成アミノ酸としてシスチンとシステインの合計量がハーフシスチンとして12モル%以上存在し、ペプチド部分の数平均分子量が100〜3,000であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料。
- (A)成分の加水分解キューティクルタンパクの誘導体が、加水分解キューティクルタンパクのアシル化誘導体、第4級アンモニウム誘導体、シリル化誘導体、アルキルグリセリル化誘導体、2−ヒドロキシアルキル化誘導体、エステル誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪化粧料。
- (B)成分の多価アルコールが、平均重合度が2〜20のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、グリセリン、エチルヘキシルグリセリン及びジグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3に記載の毛髪化粧料。
- (B)成分の多価アルコールが、平均重合度が2〜20のポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項1〜3に記載の毛髪化粧料。
- (B)成分の多価アルコールが、プロピレングリコールであることを特徴とする請求項1〜3に記載の毛髪化粧料。
- (B)成分の多価アルコールが、ジプロピレングリコールであることを特徴とする請求項1〜3に記載の毛髪化粧料。
- (B)成分の多価アルコールが、ペンチレングリコールであることを特徴とする請求項1〜3に記載の毛髪化粧料。
- (B)成分の多価アルコールが、グリセリンであることを特徴とする請求項1〜3に記載の毛髪化粧料。
- (B)成分の多価アルコールが、エチルヘキシルグリセリンであることを特徴とする請求項1〜3に記載の毛髪化粧料。
- (B)成分の多価アルコールが、ジグリセリンであることを特徴とする請求項1〜3に記載の毛髪化粧料。
- (B)成分の多価アルコールの含有量が0.1〜7質量%であることを特徴とする請求項1〜11に記載の毛髪化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018119013A JP2019218325A (ja) | 2018-06-22 | 2018-06-22 | 毛髪化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018119013A JP2019218325A (ja) | 2018-06-22 | 2018-06-22 | 毛髪化粧料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019218325A true JP2019218325A (ja) | 2019-12-26 |
Family
ID=69095625
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018119013A Pending JP2019218325A (ja) | 2018-06-22 | 2018-06-22 | 毛髪化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019218325A (ja) |
-
2018
- 2018-06-22 JP JP2018119013A patent/JP2019218325A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4184312B2 (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP2018536674A (ja) | オリゴエステルアンモニウム塩及び毛髪コンディショニング用組成物中でのそれらの使用 | |
JP5064664B2 (ja) | カチオン変性カラヤガム及び該物質を含む化粧料組成物 | |
KR20120129877A (ko) | 화장품 기재 및 그 화장품 기재를 함유하는 화장품 | |
JP2006282532A (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP2006321869A (ja) | カチオン変性トラガントガム及び該物質を含む化粧料組成物 | |
JPH0699285B2 (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP2010077061A (ja) | 化粧料組成物 | |
JP2003081783A (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP2564561B2 (ja) | 化粧品組成物 | |
JP2530455B2 (ja) | アミノ酸誘導体 | |
JP2011088828A (ja) | 化粧品基材及び該化粧品基材を含有する化粧品 | |
JP2019218325A (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP5944126B2 (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP2019199443A (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP2004175684A (ja) | 化粧料 | |
JP2002348217A (ja) | 化粧品用滑り剤とそれを用いた清浄用化粧品 | |
JPH04230615A (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP5243024B2 (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP2567316B2 (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP2009120523A (ja) | 化粧料 | |
JPH0952821A (ja) | 毛髪セット剤 | |
JP3234675B2 (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP2001106614A (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP2004231517A (ja) | 毛髪処理剤 |