JPH0952821A - 毛髪セット剤 - Google Patents

毛髪セット剤

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JPH0952821A
JPH0952821A JP22461395A JP22461395A JPH0952821A JP H0952821 A JPH0952821 A JP H0952821A JP 22461395 A JP22461395 A JP 22461395A JP 22461395 A JP22461395 A JP 22461395A JP H0952821 A JPH0952821 A JP H0952821A
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Masato Yoshioka
正人 吉岡
Hiroshi Shintani
博 新谷
Takashi Adachi
敬 安達
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Seiwa Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 毛髪に対する優れたセット力を有し、かつ毛
髪に艶、潤い、はりを付与する毛髪セット剤を提供す
る。 【構成】 アミノ酸側鎖のアミノ基を含むペプチドのア
ミノ基にケイ素原子をただ一つ含む官能基が共有結合し
たシリル化ペプチド、例えば次の一般式(I)または
(II)で表されるシリル化ペプチドを0.1〜40重量
%配合し、かつpHを3.5〜6.5に調整して、毛髪
セット剤を調製する。 【化1】 【化2】 〔式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜3のアルキル基
または水酸基、R4 は側鎖の末端にアミノ基を有する塩
基性アミノ酸の末端アミノ基を除く側鎖の残基、R5
4 以外のアミノ酸側鎖、aは1または3、mは0〜2
00、nは0〜200、m+nは1〜200である〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪セット剤に関
するものであり、さらに詳しくは、毛髪に対する優れた
セット力を有し、しかも毛髪に艶、潤い、はりを付与
し、かつ毛髪をなめらかにし、毛髪の櫛通り性を改善す
る毛髪セット剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、セットローションやヘアスタイリ
ング剤には、毛髪に対するセット力を付与するために、
トランタンガムなどのガム類、天然蛋白質やその加水分
解物などの天然高分子、ヒドロキシエチルセルロースな
どの半合成高分子などが配合されてきたが、最近では、
それらに代えて、ポリビニルピロリドン、カルボキシビ
ニルポリマー、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸お
よび/またはメタクリル酸とアクリル酸アルキルエステ
ルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルとの共
重合体などの合成高分子が配合されるようになってき
た。
【0003】しかしながら、天然高分子やセルロース系
の半合成高分子は、高湿度下ではべとつきを生じやす
く、かつセット力が失われやすいという欠点があり、一
方、合成高分子は、乾燥時にフレーキング(形成された
フィルムにひび割れを生じて鱗片状に剥離する現象)が
生じやすいという欠点があった。
【0004】そのため、合成高分子と蛋白加水分解物ま
たはその誘導体とを併用して、蛋白加水分解物またはそ
の誘導体の有する保湿作用により合成高分子のフレーキ
ングが生じやすいという欠点を解消しようとする試みが
なされているが、セット力の点で満足できる結果が得ら
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、毛髪に対する優れたセット力を有し、高湿度下でも
べとつきを生じず、乾燥時にもフレーキングを起こさ
ず、さらには、毛髪に艶や潤い、はりを付与し、毛髪を
なめらかにし、かつ毛髪の櫛通り性を改善することがで
きる毛髪セット剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を重ねた結果、アミノ酸側鎖の
アミノ基を含むペプチドのアミノ基にケイ素原子をただ
一つ含む官能基(シリル官能基)が共有結合したシリル
化ペプチドを配合し、かつ、そのpHを3.5〜6.5
に調整して、毛髪に使用するときは、上記シリル化ペプ
チドが毛髪に艶、潤い、はりを付与し、かつ毛髪をなめ
らかにして、毛髪の櫛通り性を改善するとともに、毛髪
に対する優れたセット力を付与することを見出し、本発
明を完成するにいたった。
【0007】上記アミノ酸側鎖のアミノ基を含むペプチ
ドのアミノ基にケイ素原子をただ一つ含む官能基が共有
結合したシリル化ペプチドとしては、例えば、下記の一
般式(I)
【0008】
【化3】 〔式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜3のアルキル基
または水酸基を示し、これらのR1 、R2 、R3 はすべ
て同じでもよく、また異なっていてもよい。R4は側鎖
の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸の末端アミノ
基を除く側鎖の残基を示し、R5 はR4 以外のアミノ酸
側鎖を示し、aは1または3で、mは0〜200、nは
0〜200、m+nは1〜200である(ただし、mお
よびnはアミノ酸の数を示すのみで、アミノ酸配列の順
序を示すものではない)〕で表されるシリル化ペプチ
ド、または下記の一般式(II)
【0009】
【化4】 〔式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜3のアルキル基
または水酸基を示し、これらのR1 、R2 、R3 はすべ
て同じでもよく、また異なっていてもよい。R4は側鎖
の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸の末端アミノ
基を除く側鎖の残基を示し、R5 はR4 以外のアミノ酸
側鎖を示し、aは1または3で、mは0〜200、nは
0〜200、m+nは1〜200である(ただし、mお
よびnはアミノ酸の数を示すのみで、アミノ酸配列の順
序を示すものではない)〕で表されるシリル化ペプチド
が代表的なものとして挙げられる。
【0010】本発明の毛髪セット剤は、上記のシリル化
ペプチドを配合し、かつpHを3.5〜6.5に調整す
ることによって調製されるが、それらのシリル化ペプチ
ドやpHを調整するためのpH調整剤について詳しく説
明すると、以下の通りである。
【0011】〔シリル化ペプチド〕上記一般式(I)で
表されるシリル化ペプチドは、例えば、下記の一般式
(III)
【0012】
【化5】 〔式中、R6 、R7 、R8 は炭素数1〜3のアルキル
基、炭素数1〜3のアルコキシ基、水酸基またはハロゲ
ン原子を示し、これらのR6 、R7 、R8 はすべて同じ
でもよく、また異なっていてもよい。aは1または3
で、XはCl、Br、F、Iなどのハロゲン原子を示
す〕で表されるシリル化合物と、下記の一般式(IV)
【0013】
【化6】 〔式中、R4 は側鎖の末端にアミノ基を有する塩基性ア
ミノ酸の末端アミノ基を除く側鎖の残基を示し、R5
4 以外のアミノ酸側鎖を示し、mは0〜200、nは
0〜200、m+nは1〜200である〕で表されるペ
プチド類とを縮合反応させることによって得られる。
【0014】また、一般式(II)で表されるシリル化ペ
プチドは、例えば、下記の一般式(V)
【0015】
【化7】 〔式中、R6 、R7 、R8 は炭素数1〜3のアルキル
基、炭素数1〜3のアルコキシ基、水酸基またはハロゲ
ン原子を示し、これらのR6 、R7 、R8 はすべて同じ
でもよく、また異なっていてもよい。aは1または3を
示す〕で表されるシリル化合物と、上記の一般式(IV)
で表されるペプチド類とを縮合反応させることによって
得られる。
【0016】〔シリル化ペプチドの特性〕一般式(I)
で表されるシリル化ペプチドや一般式(II)で表される
シリル化ペプチドは、その化学構造式からも明らかなよ
うに、それぞれ一般式(III)で表されるシリル化合物や
一般式(V)で表されるシリル化合物に基づくケイ素原
子を含むシリル官能基部分と、一般式(IV)で表される
ペプチド類に基づくペプチド部分を有している。そし
て、そのシリル官能基部分はpH3.5〜6.5で会合
してゲル化する性質を有するので、上記シリル化ペプチ
ドをpH3.5〜6.5の溶液または湿潤状態で毛髪に
使用し、乾燥すると、毛髪に強いセット力を付与するこ
とができる。さらに、シリル官能基部分の有する優れた
伸展性、摩擦低減性、艶や光沢の付与作用、撥水性の付
与作用などと、ペプチド部分の有する毛髪への収着作
用、それに伴う毛髪のボリュームアップ、ハリの付与、
造膜による保護作用、保湿作用などを同時に発揮するこ
とができる。
【0017】また、高分子量のシリコーンオイルは、一
旦毛髪に付着すると取れにくく、そのため、パーマ、ブ
リーチ、染毛などの化学的処理を行ないにくくし、ペプ
チドやカチオン性ポリマーなどの毛髪への収着作用を減
少させるという欠点があるが、上記一般式(I)で表さ
れるシリル化ペプチドや一般式(II)で表されるシリル
化ペプチドは、ペプチド部分に低分子量のシリル官能基
が結合したものであって、毛髪には通常のペプチドの収
着機構で収着するので、ペプチドを含まない洗浄剤で洗
浄することにより、可逆的にシリル化ペプチドを毛髪上
から脱着することができ、上記のような弊害を生じな
い。
【0018】さらに、上記一般式(I)で表されるシリ
ル化ペプチドや一般式(II)で表されるシリル化ペプチ
ドは、一物質中にシリル官能基部分とペプチド部分を有
するので、従来のシリコーンオイルとポリペプチドを混
合したものとは異なり、シリル官能基部分の毛髪への収
着性が高い。
【0019】一般式(I)で表されるシリル化ペプチド
や一般式(II)で表されるシリル化ペプチドにおいて、
1 、R2 、R3 を前記のように特定しているのは、一
般式(I)で表されるシリル化ペプチドや一般式(II)
で表されるシリル化ペプチドが、水溶液を有し、水溶性
の毛髪セット剤中で良好な保存安定性を保つようにする
ためである。また、aを1または3に特定しているの
は、aが2の場合は一般式(III)で表されるシリル化合
物や一般式(V)で表されるシリル化合物の状態での保
存安定性が悪く、aが3より大きくなると、分子全体中
でシリル官能基部分の占める割合が小さくなり、シリル
官能基部分の有する性質を充分に発揮できなくなるため
である。
【0020】〔シリル化ペプチドにおけるペプチド部
分〕一般式(I)で表されるシリル化ペプチドや一般式
(II)で表されるシリル化ペプチドにおいて、R4 は側
鎖の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸の末端アミ
ノ基を除く側鎖の残基であるが、上記のような側鎖の末
端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸としては、例え
ば、リシン、アルギニン、ヒドロキシリシンなどが挙げ
られる。また、R5 はR4 以外のアミノ酸側鎖を示す
が、そのようなアミノ酸としては、例えば、グルタミン
酸、アスパラギン酸、アラニン、セリン、トレオニン、
バリン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、チロシ
ン、フェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリン
などが挙げられる。
【0021】一般式(I)で表されるシリル化ペプチド
や一般式(II)で表されるシリル化ペプチドにおいて、
mは0〜200、好ましくは0より大きく50以下(つ
まり、0<m≦50)、より好ましくは0より大きく1
0以下(つまり、0<m≦10)であり、nは0〜20
0、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜40で
あり、m+nは1〜200、好ましくは2〜100、よ
り好ましくは3〜50であるが、これは次の理由による
ものである。
【0022】すなわち、mが上記範囲より大きくなる
と、側鎖のアミノ基に結合するシリル官能基が増え、ペ
プチド本来の毛髪への収着作用が減少し、nが上記範囲
より大きくなると、ペプチド部分に対するシリル官能基
部分の割合が少なくなり、シリル官能基部分の有する特
性を充分に発揮することができなくなり、m+nが上記
範囲より大きくなると、ペプチドとしての毛髪への収着
性や浸透性が低分子量のペプチドに比べて減少する上
に、保存中に凝集しやすくなり、保存安定性が低下す
る。
【0023】なお、上記のm、nやm+nは、理論的に
は整数であるが、ペプチド部分が後述するような加水分
解ペプチドである場合は、該加水分解ペプチドが分子量
の異なるものの混合物として得られるため、測定値は平
均値になる。
【0024】上記一般式(IV)で表されるペプチド類に
は、アミノ酸、ペプチド、アミノ酸またはペプチドのエ
ステルが含まれる。上記のアミノ酸としては、例えば、
アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシ
ン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、セリン、
トレオニン、メチオニン、アルギニン、ヒスチジン、リ
シン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グ
ルタミン酸、シスチン、システイン、システイン酸、ト
リプトファン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシ
ン、O−ホスホセリン、シトルリンなどが挙げられる。
【0025】上記ペプチドは、天然ペプチド、合成ペプ
チド、タンパク質(蛋白質)を酸、アルカリまたは酵素
で部分加水分解して得られる加水分解ペプチドなどであ
る。
【0026】天然ペプチドとしては、例えば、グルタチ
オン、バシトラシンA、インシュリン、グルカゴン、オ
キシトシン、バソプレシンなどが挙げられ、合成ペプチ
ドとしては、例えば、ポリグリシン、ポリリシン、ポリ
グルタミン酸、ポリセリンなどが挙げられる。
【0027】加水分解ペプチドとしては、例えば、コラ
ーゲン(その変成物であるゼラチンも含む)、ケラチ
ン、絹フィブロイン、セリシン、カゼイン、コンキオリ
ン、エラスチン、鶏、あひるなどの卵の卵黄タンパク、
卵白タンパク、大豆タンパク、小麦タンパク、トウモロ
コシタンパク、米(米糠)タンパク、ジャガイモタンパ
クなどの動植物由来のタンパク、あるいは、サッカロミ
セス属、カンディタ属、エンドミコプシス属の酵母菌
や、いわゆるビール酵母、清酒酵母といわれる酵母菌よ
り分離した酵母タンパク、キノコ類(担子菌)より抽出
したタンパク、クロレラより分離したタンパクなどの微
生物由来のタンパクを酸、アルカリまたは酵素で部分的
に加水分解して得られるペプチドなどが挙げられる。
【0028】上記アミノ酸またはペプチドのエステルと
しては、上記アミノ酸またはペプチドのカルボキシル基
における炭素数1〜20の炭化水素アルコールとのエス
テル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロ
ピルエステル、イソプロピルエステル、ラウリルエステ
ル、セチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、2
−ヘキシルデシルエステル、ステアリルエステルなどが
挙げられる。
【0029】〔シリル化ペプチドの合成〕上記一般式
(I)で表されるシリル化ペプチドや一般式(II)で表
されるシリル化ペプチドは、上記一般式(III)で表され
るシリル化合物や一般式(V)で表されるシリル化合物
と一般式(IV)で表されるペプチド類とを接触反応させ
て得られるものであるが、一般式(III)で表されるシリ
ル化合物や一般式(V)で表されるシリル化合物は、シ
ランカップリング剤として市販されているものを使用す
ることができる。そのようなシランカップリング剤とし
ては、例えば、東芝シリコーン(株)製のTSL839
0、TSL8219、TSL8395、TSL832
6、TSL8325、TSL8320、TSL835
5、TSL8350(いずれも、商品名)、日本ユニカ
ー(株)製のA−143(商品名)、東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)製のSH6040、SH607
6(いずれも、商品名)、信越シリコーン(株)製のK
BE403、KBE402、KBE703(いずれも、
商品名)などが挙げられる。
【0030】上記一般式(III)で表されるシリル化合物
や一般式(V)で表されるシリル化合物と一般式(IV)
で表されるペプチド類との反応は、例えば、まず、シリ
ル化合物を30〜50℃の水中で5〜20分間攪拌して
加水分解することにより、ケイ素原子に結合するアルコ
キシ基やハロゲン原子を水酸基に変換した後、この水酸
基化したシリル化合物を一般式(IV)で表されるペプチ
ド類の溶液に滴下し、両者を接触させることによって行
われる。
【0031】上記反応に際して、ペプチド類は30〜5
0重量%程度の水溶液にするのが好ましく、水酸基化し
たシリル化合物の滴下は30分〜5時間で終了するのが
好ましい。
【0032】一般式(III)で表されるシリル化合物を用
いる場合は、反応時、反応によってハロゲン化水素が生
成して反応液のpHが低下するので、反応と同時に水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ溶液を滴
下して、反応系内のpHを8〜11、特に9〜10に保
つことが好ましい。また、一般式(V)で表されるシリ
ル化合物を用いる場合は、反応によるpHの低下は生じ
ないが、反応は塩基性で進行するので、ペプチド溶液の
pHを8〜11、特に9〜10にしておく必要がある。
【0033】反応は常温でも進行するが、温度は高くな
るほど反応速度は速くなる。しかし、pHが高い状態で
温度が高くなるとシリル化合物の加水分解が促進される
ため、高くても70℃以下にすることが好ましく、特に
40〜60℃で行うのが好ましい。
【0034】反応の進行と終了は、ファン・スレーク
(Van Slyke)法により、反応中のペプチド類
のアミノ態窒素量を測定することによって確認すること
ができる。
【0035】反応終了後、反応液は中和した後、適宜濃
縮して、イオン交換樹脂、透析膜、電気透析、ゲル濾
過、限外濾過などによって精製し、液体のまま、あるい
は粉末化して毛髪セット剤の原料として供される。
【0036】上記一般式(I)で表されるシリル化ペプ
チドや一般式(II)で表されるシリル化ペプチドにおい
て、ペプチドのアミノ基へのシリル官能基(すなわち、
ケイ素原子をただ一つ含む官能基)の導入率は50%以
上85%以下が好ましい。シリル官能基の導入率が50
%より少ない場合はシリル化合物に基づく特性が充分に
発揮されないおそれがあり、また85%より多くなると
疎水性が増して親水性が減少するおそれがある。
【0037】〔シリル化ペプチド配合毛髪セット剤の調
製〕本発明の毛髪セット剤は、一般式(I)で表される
シリル化ペプチドや一般式(II)で表されるシリル化ペ
プチドを水または水と水溶性アルコールなどを含有した
溶液に溶解し、pHを3.5〜6.5の範囲に調整する
ことによって調製されるが、シリル化ペプチドの毛髪セ
ット剤への配合量(毛髪セット剤中での含有量)は、
0.1〜40重量%が好ましく、特に2〜20重量%が
好ましい。これは、シリル化ペプチドの配合量が上記範
囲より少ない場合は、毛髪をセットする際に毛髪に付着
するシリル化ペプチドの量が少ないため、充分なセット
効果が得られず、また、シリル化ペプチドの配合量が上
記範囲より多くなると、毛髪セット剤の粘度が高くなり
すぎて毛髪に使用する際の取扱いが困難になるからであ
る。そして、毛髪セット剤への配合にあたって、上記シ
リル化ペプチドは単独で用いてもよいし、また2種以上
を混合して用いてもよい。
【0038】pHを3.5〜6.5の範囲に調整するた
めのpH調整剤としては、特に制限はなく、化粧品に配
合できる無機酸、有機酸のいずれを用いてもよい。た
だ、毛髪セット剤への着臭の点を考慮すると、無機酸で
は塩酸、有機酸ではシュウ酸、クエン酸、リンゴ酸など
を用いることが好ましい。
【0039】上記のように、毛髪セット剤のpHは3.
5〜6.5に調整することが必要であり、特にpH4〜
6が好ましい。pHが上記範囲より低い場合は、シリル
官能基部分に基づくゲル化力が低下し、またpHが上記
範囲より高くなると、シリル化ペプチドがゲル化しなく
なり、いずれの場合も、充分なセット力を発揮できなく
なる。
【0040】本発明の毛髪セット剤は、シリル化ペプチ
ドを必須成分とし、これを水または水に水溶性アルコー
ルなどの適宜な溶剤などを加えた液に溶解させ、pHを
3.5〜6.5に調整することによって調製されるが、
これらのpHを調整するためのpH調整剤やシリル化ペ
プチド以外にも本発明の効果を損なわない範囲で適宜他
の成分を添加することができる。
【0041】そのような成分としては、例えば、ポリオ
キシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル
(7EO)(なお、EOはエチレンオキサイドで、EO
の前の数値はエチレンオキサイドの付加モル数を示
す)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンオレイルエーエル、ポリオキシエチ
レンオレイン酸グリセリル、ポリオキシエチレンステア
リルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポ
リオキシエチレンセチルステアリルジエーテル、ポリオ
キシエチレンソルビトールラノリン(40EO)、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ
ーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチ
レンラノリンアルコール、ポリオキシプロピレンステア
リルエーテル、アルキルグリコシド、アルキルポリグリ
コシドなどのノニオン性界面活性剤、塩化ステアリルト
リメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニ
ウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩
化ステアリルビス(ジエチレングリコール)ヒドロキシ
エチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニ
ウム、臭化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ト
リ〔ポリオキシエチレン(5EO)〕ステアリルアンモ
ニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウ
ム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、ヨウ化セチ
ルトリメチルアンモニウム、塩化オレイルベンジルジメ
チルアンモニウム、塩化オレイルビス〔ポリオキシエチ
レン(15EO)〕メチルアンモニウム、塩化ポリオキ
シプロピレンメチルジエチルアンモニウム、塩化ミンク
油アルキルアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルア
ンモニウム、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチル
ヒドロキシアンモニウム、アルキルピリジニウム塩など
の陽イオン性界面活性剤、カチオン化セルロース、カチ
オン化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化グアー
ガム、ポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウム、ポリビ
ニルピロリドン、ポリエチレンイミンなどのカチオン性
ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリマーなどの合
成ポリマー、イソステアリン酸ジエタノールアミド、ウ
ンデシレン酸モノエタノールアミド、オレイン酸ジエタ
ノールアミド、牛脂脂肪酸モノエタノールアミド、硬化
牛脂脂肪酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノ
ールアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミ
ド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸
ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸エタノールアミド、
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸イソプロ
パノールアミド、ラウリン酸エタノールアミド、ラウリ
ン酸ジエタノールアミド、ラノリン脂肪酸ジエタノール
アミドなどの増粘剤、ワックス、パラフィン、脂肪酸エ
ステル、グリセライド、動植物油などの油脂類、動植物
抽出物、コラーゲン、ケラチン、フィブロイン、セリシ
ン、カゼイン、大豆、小麦、トウモロコシ、イモ類、米
(米糠)、酵母、キノコ類などの動植物および微生物由
来のタンパク質の加水分解ペプチドやそのペプチドエス
テル誘導体、動植物および微生物由来のタンパク質の加
水分解ペプチドのN−第4級アンモニウム誘導体類でト
リメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル誘導体、
トリエチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル誘導
体、ジエチルメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピ
ル誘導体、ラウリルジメチルアンモニオ−2−ヒドロキ
シプロピル誘導体、ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ
−2−ヒドロキシプロピル誘導体、ステアリルジメチル
アンモニオ−2−ヒドロキシプロピル誘導体などのアル
キル鎖が1〜22の第4級アンモニウム誘導体、ポリサ
ッカライドまたはその誘導体、プロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、グ
リセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコールな
どの湿潤剤、エタノール、メタノール、プロパノール、
イソプロパノールなどの低級アルコール類、セタノー
ル、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコー
ル、イソセチルアルコール、オレイルアルコール、ベヘ
ニルアルコールなどの高級アルコール類、ラウリン酸ジ
メチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチエルア
ミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピ
ルアミド、イソステアリン酸ジメチルアミノプロピルア
ミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどの
第3級アミドアミン化合物、L−アスパラギン酸、L−
アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、L−アル
ギニン、グリシン、L−グルタミン酸、L−システイ
ン、L−スレオニンなどのアミノ酸、などを挙げること
ができる。
【0042】また、鎖状または環状のメチルポリシロキ
サン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシ
ロキサンポリエチレングリコール共重合体、ジメチルポ
リシロキサンポリプロピレン共重合体、アミノ変成シリ
コーンオイル、第4級アンモニウム変成シリコーンオイ
ルなどのシリコーンオイルをシリル化ペプチドと併用し
た場合、上記シリル化ペプチドのシリル官能基部分がシ
リコーンオイルと相溶性があるため、シリコーンオイル
の毛髪セット剤中での乳化安定性を増加させるので、シ
リコーンオイルの作用が発揮されやすくなる。
【0043】本発明の毛髪セット剤は、毛髪のセットを
主目的として使用されるものであり、そのような毛髪の
セットを主目的として使用されるものであれば、例えば
一般にセットローションやヘアスタイリング剤などと呼
ばれているものをはじめ、各種のものが本発明の毛髪セ
ット剤の範疇に含まれる。
【0044】
【発明の効果】本発明の毛髪セット剤は、一般式(I)
で表されるシリル化ペプチドまたは一般式(II)で表さ
れるシリル化ペプチドなどで代表されるシリル化ペプチ
ドがpH3.5〜6.5の範囲で示すゲル化作用によ
り、毛髪に優れたセット力を付与することができる。ま
た、本発明の毛髪セット剤は、上記シリル化ペプチドに
より、毛髪に艶、潤い、ハリを付与し、かつ毛髪をなめ
らかにし、毛髪の櫛通り性を改善することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】つぎに、実施例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実
施例のみに限定されるものではない。なお、実施例に先
立ち、実施例中で実施するウェーブ効率およびウェーブ
保持率の測定方法について説明する。
【0046】〔ウェーブ効率およびウェーブ保持率の測
定方法〕毛髪10本を一束とし、その毛根側を揃えてテ
ープで固定し、長さを18cmに揃える。ロッドには直
径10mmで長さ80mmのガラス管を使用し、あらか
じめ10mmごとに印をつけておく(反対側にも5mm
ずらして印をつける)。そして、その印の上を通るよう
に毛束をロッドに巻き付け、両端を輪ゴムで固定する。
その毛束に一定量の毛髪セット剤を塗布し、ヘアドライ
ヤーで乾燥する。その後、毛先側の輪ゴムをはずし、デ
シケータ内でロッドを水平に宙吊り状態にして12時間
乾燥する。乾燥後、毛束をロッドからはずし、ウェーブ
の波長および波数を測定し、ついで、毛先側に3gの錘
を付け、毛束を垂直状態にしてデシケータ中で12時間
放置する。つぎに、錘を毛束からはずし、毛束を垂直に
してデシケータ中で24時間放置し、再度ウェーブの波
長および波数を測定する。
【0047】波長、波数の測定は、図1に示すように、
両端のウェーブを除き、第2番目の波の頂点からの距離
を左右とも測定する。左右の波の頂点から頂点までの距
離をL1 、L2 とし、L1 とL2 の間にある波の数をそ
れぞれn1 、n2 とすると、平均波長(L)は下式によ
って求められる。
【0048】
【0049】ロッドそのものの波長(直径)は10mm
であるから、ウェーブ効率は次式により求められる。
【0050】
【0051】また、セット処理後のウェーブ効率と、錘
をはずして24時間放置してウェーブが回復した後のウ
ェーブ効率の比から、次式に示すように、ウェーブ保持
率が求められる。
【0052】
【0053】実施例1および比較例1〜2 表1に示す組成の3種類の毛髪セット剤を調製し、それ
ぞれの毛髪セット剤を洗浄した毛髪に使用して、処理後
の毛髪の艶、潤い、はり、ウェーブ効率およびウェーブ
保持率を調べた。
【0054】なお、実施例や比較例中における各成分の
配合量はいずれも重量部によるものであり、配合量が固
形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書き
で固形分濃度を示している。これらは、以後の実施例お
よび比較例でも同様である。
【0055】実施例1においては、シリル化ペプチドと
して、一般式(I)において、R1=CH3 、R2 =O
H、R3 =OHで、a=3、mの平均値=2、nの平均
値=8、m+nの平均値=10で、シリル官能基の導入
率61%のシリル化加水分解ケラチンを用いている。比
較例1では、シリル化加水分解ケラチンに代えて、加水
分解ケラチン(m+n=10)〔(株)成和化成製、プ
ロモイスWK−H(商品名)〕とメチルポリシロキサン
〔東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、SH2
00C−1000cs(商品名)〕を用い、比較例2で
は、加水分解ケラチンのみを用いている。
【0056】
【表1】
【0057】上記毛髪セット剤による処理に先立ち、毛
髪をあらかじめ2%ポリオキシエチレン(10EO)ノ
ニルフェニルエーテル水溶液で洗浄し、水でゆすいで室
温で風乾した。これらの毛髪10本からなる毛束をロッ
ドに巻き付け、そのロッドに巻き付けた毛束をそれぞれ
実施例1および比較例1〜2のセットローションに30
秒間浸漬し、前記の方法でウェーブ効率およびウェーブ
保持率を測定した。また、その乾燥後の波長、波数の測
定時に、毛髪の艶、潤い、はりを10人の女性パネラー
に評価させた。さらに、上記評価後の毛束を相対湿度6
6%の恒湿槽中に24時間保存し、毛髪のべとつきの少
なさについて上記パネラーに評価させた。
【0058】評価方法は、最も良いものを〔2点〕と
し、2番目に良いものを〔1点〕とし、悪いものを〔0
点〕として、表2にその結果を10人の平均値で示す。
【0059】
【表2】
【0060】表2に示すように、シリル化加水分解ケラ
チンを配合した実施例1は、シリル化加水分解ケラチン
を配合していない比較例1〜2に比べて、毛髪の艶、潤
い、はりのいずれにおいても評価値が高く、シリル化加
水分解ケラチンが毛髪に収着して、毛髪に艶、潤い、は
りを付与することが明らかであった。また、実施例1は
毛髪のべとつきも少なかった。さらに、実施例1は、比
較例1〜2に比べて、ウェーブ効率が約20%近く高
く、かつウェーブ保持率が高いことから、シリル化加水
分解ケラチンが毛髪を強力にセットし、かつ、そのセッ
ト力が持続性を有することが明らかであった。なお、恒
湿槽中に保存前の状態では、いずれの毛束にも、毛髪セ
ット剤によるフレーキングは認められなかった。
【0061】実施例2および比較例3〜4 表3に示す組成の3種類の毛髪セット剤を調製し、それ
ぞれの毛髪セット剤を用いた場合の毛髪の艶、潤い、は
り、ウェーブ効率およびウェーブ保持率を実施例1と同
様に調べた。
【0062】実施例2においては、シリル化ペプチドと
して、一般式(II)において、R1=CH3 、R2 =O
H、R3 =OHで、a=1、mの平均値=1.4、nの
平均値=18.6、m+nの平均値=20で、シリル官
能基の導入率67%のシリル化加水分解コラーゲンを用
いている。比較例3では、シリル化加水分解コラーゲン
に代えて、加水分解コラーゲン(m+n=20)
〔(株)成和化成製、プロモイスW−52(商品名)〕
とジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)
シロキサン共重合体〔東レ・ダウコーニング・シリコー
ン(株)製、SH3771C(商品名)〕を用い、比較
例4では、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエ
チレン)シロキサン共重合体のみを用いている。
【0063】
【表3】
【0064】毛髪のセット処理は、実施例1と同様に洗
浄処理した毛束をロッドに巻き付け、そのロッドに巻き
付けた毛束をそれぞれ上記実施例2および比較例3〜4
の毛髪セット剤に30秒間浸漬することによって行っ
た。そして、乾燥後の毛髪の艶、潤い、はりを10人の
女性パネラーに実施例1と同じ評価方法で評価させ、ま
たウェーブ効率、ウェーブ保持率も実施例1と同様に調
べた。表4にそれらの結果を示す。
【0065】
【表4】
【0066】表4に示すように、シリル化加水分解コラ
ーゲンを配合した実施例2は、シリル化加水分解コラー
ゲンを配合していない比較例3〜4に比べて、毛髪の
艶、潤い、はりのいずれにおいても評価値が高く、シリ
ル化加水分解コラーゲンが毛髪に収着して、毛髪に艶、
潤い、はりを付与することが明らかであった。また、実
施例2は、比較例3〜4に比べて、ウェーブ効率、ウェ
ーブ保持率とも高く、シリル化加水分解コラーゲンが毛
髪に収着し、毛髪に対して優れたセット力を有している
ことが明らかであった。
【0067】実施例3および比較例5〜6 表5に示す組成の3種類の毛髪セット剤を調製し、それ
らの毛髪セット剤を用いた場合の毛髪の艶、潤い、は
り、べとつきの少なさ、ウェーブ効率およびウェーブ保
持率について評価した。
【0068】実施例3では、シリル化ペプチドとして、
一般式(I)において、R1 =CH 3 、R2 =CH3
3 =OHで、a=3、mの平均値=1、nの平均値=
4、m+nの平均値=5で、シリル官能基の導入率57
%のシリル化加水分解酵母タンパクを用いている。比較
例5では、シリル化加水分解酵母タンパクに代えて、加
水分解酵母タンパク(m+n=5)〔(株)成和化成
製、プロモイスWY(商品名)〕とオクタメチルトリシ
ロキサン〔東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)
製、SH200C−1cs(商品名)〕を用い、比較例
6では、加水分解酵母タンパクのみを用いている。
【0069】
【表5】
【0070】毛髪のセット処理は、実施例1と同様に洗
浄処理した毛束をロッドに巻き付け、そのロッドに巻き
付けた毛束をそれぞれ上記実施例3および比較例5〜6
の毛髪セット剤に30秒間浸漬することによって行っ
た。そして、乾燥後の毛髪の艶、潤い、はり、恒湿槽中
に保存後の毛髪のべとつきの少なさを10人の女性パネ
ラーに実施例1と同じ評価方法で評価させ、またウェー
ブ効率、ウェーブ保持率も実施例1と同様に調べた。表
6にそれらの結果を示す。
【0071】
【表6】
【0072】表6に示す結果から明らかなように、シリ
ル化加水分解酵母タンパクを配合した実施例3は、シリ
ル化加水分解酵母タンパクを配合していない比較例5〜
6に比べて、毛髪の艶、潤い、はりのいずれにおいても
評価値が高く、シリル加水分解酵母タンパクが毛髪に収
着して、毛髪に艶、潤い、はりを付与することが明らか
であった。また、実施例3は毛髪のべとつきも少なかっ
た。なお、実施例3のウェーブ効率は比較例5〜6より
10%程度高いだけであったが、ウェーブ保持率は20
%近く高く、シリル化加水分解酵母タンパクによる毛髪
のセット力が持続性を有することが明らかであった。ま
た、毛髪のべとつきの少なさを調べるための恒湿槽中で
の保存前の状態では、いずれも毛束にも、毛髪セット剤
によるフレーキングは認められなかった。
【0073】実施例4および比較例7〜8 表7に示す組成の3種類のムース状毛髪セット剤用ベー
スを調製し、該ムース状毛髪セット剤用ベースと液化石
油ガス(LPG)とを90:10(重量比)でスプレー
容器に充填して、ムース状毛髪セット剤とし、パーマネ
ントウェーブ処理後の毛髪に使用して、毛髪の艶、潤
い、はりおよびウェーブ保持率について評価した。な
お、ウェーブ効率はパーマネントウェーブ処理によるウ
ェーブ効率の影響が大きいため、その比較を行わず、ウ
ェーブ保持率のみを比較した。
【0074】実施例4では、シリル化ペプチドとして、
一般式(I)において、R1 =CH3 、R2 =OH、R
3 =OHで、a=1、mの平均値=1、nの平均値=
7、m+nの平均値=8で、シリル官能基の導入率65
%のシリル化加水分解小麦タンパクを用いている。比較
例7では、シリル化加水分解小麦タンパクに代えて、加
水分解小麦タンパク(m+n=8)〔(株)成和化成
製、プロモイスWG(商品名)〕とアモジメチコーンエ
マルジョン〔東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)
製、SM8702C(商品名)〕を用い、比較例8で
は、アモジメチコーンエマルジョンのみを用いている。
【0075】
【表7】
【0076】この実施例4および比較例7〜8では、各
毛束は毛髪30本で作製し、上記ムース状毛髪セット剤
による処理に先立ち、ロッドに巻き付けた毛束を以下の
手順でパーマネントウェーブ処理した。すなわち、ロッ
ドに巻き付けた毛束に、28%アンモニア水でpHを
9.2に調整した6%チオグリコール水溶液5mlを塗
布し、ラップでロッドを覆い15分間放置した。流水中
で10秒間洗浄後、6%臭素酸ナトリウム水溶液5ml
を塗布し、ラップで覆い15分間放置後、流水中で30
秒間洗浄した。毛束をロッドからはずし、毛髪が濡れた
状態で実施例4および比較例7〜8のムース状毛髪セッ
ト剤をそれぞれ2gずつ各毛束にすり込むように塗布し
た後、ヘアドライヤーで乾燥した。乾燥後のウェーブの
波長および波数を測定してウェーブ効率を求めた後、各
毛束に3gの錘をつけてデシケータ中で毛束を垂直状態
にして12時間放置し、錘をはずして24時間再びデシ
ケータ中で毛束を垂直状態にして乾燥した後、再びウェ
ーブ効率を求め、ウェーブ保持率を算出した。
【0077】また、毛髪の艶、潤いおよびはりについて
10人のパネラー(女性6人、男性4人)に、実施例1
と同じ評価方法で評価させた。それらの結果を表8に示
すが、評価値はいずれも平均値である。
【0078】
【表8】
【0079】表8に示すように、シリル化加水分解小麦
タンパクを配合した実施例4は、シリル化加水分解小麦
タンパクを配合していない比較例7〜8に比べて、毛髪
の艶、潤い、はりのいずれにおいても評価値が高く、シ
リル化加水分解小麦タンパクが毛髪に収着して、毛髪に
艶、潤い、はりを付与することが明らかであった。
【0080】また、実施例4のウェーブ保持率は、加水
分解小麦タンパクとシリコーン(アモジメチコーン)を
併用した比較例7より5%程度高かっただけであるが、
これはパーマネントウェーブ処理によるウェーブ保持力
がセット剤によるウェーブ保持力より強いためであると
考えられる。しかし、実施例4が比較例8より10%以
上もウェーブ保持率が高いことからみて、パーマネント
ウェーブ処理を施した毛髪のウェーブ保持に対してもシ
リル化加水分解小麦タンパクが有効であるものと考えら
れる。
【0081】実施例5および比較例9 表9に示す組成の2種類の毛髪セット剤を調製し、毛髪
の艶、潤い、はり、櫛通り性、べとつきおよびセット力
(カールの保持力)について評価した。
【0082】実施例5では、シリル化ペプチドとして、
一般式(II)において、R1 =OH、R2 =OH、R3
=OHで、a=3、mの平均値=0.4、nの平均値=
5.6、m+nの平均値=6で、シリル官能基の導入率
60%のシリル化加水分解大豆タンパクを用い、比較例
9では、シリル化加水分解大豆タンパクに代えて、加水
分解大豆タンパク(m+n=6)〔(株)成和化成製、
プロモイスWS(商品名)〕とオクタメチルトリシロキ
サン〔東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、S
H200C−1cs(商品名)〕を用いている。
【0083】
【表9】
【0084】上記の毛髪セット剤について、5人の女性
パネラーに、毎日一度、最初の5日間は比較例9の毛髪
セット剤で処理させ、次の5日間は実施例5の毛髪セッ
ト剤で処理させた。
【0085】処理の方法は、頭部の毛髪をヘアカーラー
に巻き付け、ポンプ式スプレーに詰めた上記の毛髪セッ
ト剤を毛髪に噴霧したのち、ヘアドライヤーで乾燥し
た。
【0086】10日間の使用期間後(すなわち、実施例
5の毛髪セット剤の5日間使用後)、毛髪のまとまりや
すさ、艶、潤い、はり、櫛通り性、べとつきおよび毛髪
のカールの保持力が、比較例9の毛髪セット剤を使用し
ていた時より良くなったか、悪くなったか、あるいは変
わらなかったかを回答させた。その結果を表10に示
す。
【0087】
【表10】
【0088】表10に示すように、シリル化加水分解大
豆タンパクを配合した実施例5の毛髪セット剤の使用後
は、その使用前に比べて、毛髪の艶、潤い、はり、櫛通
り性、べとつきおよびカールの保持力が改善されたと回
答したものが多く、シリル化加水分解大豆タンパクが、
毛髪に艶、潤い、はりを付与し、櫛通り性、べとつきを
改善するとともに、毛髪のカールの保持力を有すること
が明らかであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】セット処理後の毛髪の状態を模式的に示す図で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ酸側鎖のアミノ基を含むペプチド
    のアミノ基にケイ素原子をただ一つ含む官能基が共有結
    合したシリル化ペプチドを配合し、pHを3.5〜6.
    5に調整したことを特徴とする毛髪セット剤。
  2. 【請求項2】 シリル化ペプチドが、下記の一般式
    (I) 【化1】 〔式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜3のアルキル基
    または水酸基を示し、これらのR1 、R2 、R3 はすべ
    て同じでもよく、また異なっていてもよい。R4は側鎖
    の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸の末端アミノ
    基を除く側鎖の残基を示し、R5 はR4 以外のアミノ酸
    側鎖を示し、aは1または3で、mは0〜200、nは
    0〜200、m+nは1〜200である(ただし、mお
    よびnはアミノ酸の数を示すのみで、アミノ酸配列の順
    序を示すものではない)〕で表されるシリル化ペプチ
    ド、または下記の一般式(II) 【化2】 〔式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜3のアルキル基
    または水酸基を示し、これらのR1 、R2 、R3 はすべ
    て同じでもよく、また異なっていてもよい。R4は側鎖
    の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸の末端アミノ
    基を除く側鎖の残基を示し、R5 はR4 以外のアミノ酸
    側鎖を示し、aは1または3で、mは0〜200、nは
    0〜200、m+nは1〜200である(ただし、mお
    よびnはアミノ酸の数を示すのみで、アミノ酸配列の順
    序を示すものではない)〕で表されるシリル化ペプチド
    である請求項1記載の毛髪セット剤。
  3. 【請求項3】 シリル化ペプチドの配合量が0.1〜4
    0重量%である請求項1または請求項2記載の毛髪セッ
    ト剤。
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