JP2004034160A - タレット旋盤用タレット - Google Patents
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Abstract
【課題】タレット旋盤における複合工具の使用を可能とするタレットを提供する。
【解決手段】タレット旋盤用タレットは、該タレットと一体に形成されたハウジング21に回転可能に支持され、複数の平面25a〜25d、27a〜27dからなる操作部26、28が形成された工具用主軸23を有する。更に、前記タレットは前記ハウジング21に前記操作部26、28と対応するように摺動自在に配置され、前記平面25a〜25dの一面と係合するクランプ面32aと駆動部32bが形成されたピストン32と、前記平面27a〜27dと係合する駆動部37aが形成されたピストン37と、を有し、前記ピストン32とピストン37で工具用主軸23のインデックス回転を行なわせると共に、前記ピストン32のクランプ面32aで前記工具用主軸23をクランプするようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】タレット旋盤用タレットは、該タレットと一体に形成されたハウジング21に回転可能に支持され、複数の平面25a〜25d、27a〜27dからなる操作部26、28が形成された工具用主軸23を有する。更に、前記タレットは前記ハウジング21に前記操作部26、28と対応するように摺動自在に配置され、前記平面25a〜25dの一面と係合するクランプ面32aと駆動部32bが形成されたピストン32と、前記平面27a〜27dと係合する駆動部37aが形成されたピストン37と、を有し、前記ピストン32とピストン37で工具用主軸23のインデックス回転を行なわせると共に、前記ピストン32のクランプ面32aで前記工具用主軸23をクランプするようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タレット旋盤用タレットに係り、詳しくは、複数の刃具を装着した複合工具を取付けるのに好適なタレット旋盤用タレット(以下、単にタレットという)に関する。
【0002】
【従来の技術】
タレット旋盤においては、タレットに対する工具の取付け本数がタレットの角数で制限される。このため、加工に必要な工具数が、タレットの角数より多い場合には、タレット旋盤より高価になるが、自動工具交換装置(ATC)を備えたATC旋盤が使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この制限を緩和するものとして、1本の本体に複数の刃具を配置した複合工具が提案されている。しかし、前記タレットには前記複合工具の中から所要の刃具を選択するインデックス機能がないため、タレット旋盤では、複合工具を使用することができなかった。また、ATC旋盤等では、工具交換頻度が高くなると工具交換時間が多くなり、ワークの非切削時間が長くなり加工効率を低下させることになる。
【0004】
本発明は、前記の事情に鑑み、タレット旋盤における複合工具の使用を可能として、工具交換を短時間で行ない得るようにしたタレット旋盤用タレットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、タレット本体(10a)を有し、
該タレット本体(10a)に、複合工具(12)を着脱自在に取付け得る工具用主軸(23、56、83、115)を、該工具用主軸(23、56、83、115)の軸心(CT4)を中心に回転可能に設け、
前記タレット本体(10a)に、前記工具用主軸(23、56、83、115)をインデックス回転させることのできるインデックス手段(26、28、32、33、37、38、51)を設け、
前記タレット本体(10a)に、前記工具用主軸(23、56、83、115)を前記インデックス手段(26、28、32、33、37、38、51)によりインデックス回転させたインデックス位置でクランプするクランプ手段(33、58、92、122)を設けて構成される。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記インデックス手段(26、28、33、38)が、
前記工具用主軸(23)の周囲に、前記インデックス位置に対応して形成された複数の係合部(25a〜25d、27a〜27d)と、
前記係合部(25a〜25d、27a〜27d)と係合して前記工具用主軸(23)を所定角度回転駆動することのできる往復駆動自在に設けられたアクチュエータ(33、38)と、
を設けて構成される。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1記載のタレット旋盤用タレットであって、
前記クランプ手段(32)が、
前記アクチュエータ(33)に、前記工具用主軸の係合部と係合自在に形成されたクランプ面(32a)を有する。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記タレット本体(10a)に、
第1の回転駆動手段(41)を設け、
前記工具用主軸(56)を、前記第1の回転駆動手段(41)によって、該工具用主軸(56)の軸心(CT4)と直交する軸心(CT3)を中心として回転駆動自在なるように配置して構成される。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項4記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記工具用主軸(56)を、主軸ハウジング(48)を介して前記第1回転駆動手段(41)により回転駆動自在なるように配置し、
前記インデックス手段(51)は、前記主軸ハウジング(48)に配置され、前記工具用主軸(56)を該工具用主軸の軸心(CT4)を中心に回転駆動し得る第2の回転駆動手段(51)を有して構成される。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項5記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記第2の回転駆動手段(51)は、
前記工具用主軸(56)をインデックス回転させて該工具用主軸(56)のインデックスを行なうインデックス手段(51)と、前記工具用主軸(56)を連続回転させて複合工具(12)によるミーリング加工をさせ得るミーリング駆動手段を兼ねて構成される。
【0011】
請求項7に係る発明は、請求項5記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記主軸ハウジング(48)を前記タレット本体(10a)に対して着脱自在に設けて構成される。
【0012】
請求項8に係る発明は、請求項1記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記タレット本体(10a)に、第3の回転駆動手段(77)を、該第3の回転駆動手段(77)により前記工具用主軸(115)該工具用主軸の軸心(CT4)を中心に回転自在に設けて構成される。
【0013】
請求項9に係る発明は、請求項8記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記第3の回転駆動手段(90、120)は、前記インデックス手段と、前記工具用主軸(83、115)を連続回転させて複合工具(12)によるミーリング加工をさせ得るミーリング駆動手段を兼ねて構成される。
【0014】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであり、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであって、特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【0015】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によると、タレット本体に、複合工具を取付ける工具用主軸のインデックス回転機能と、該工具用主軸のクランプ機能とを持たせることにより、タレット旋盤における複合工具の使用を可能にすることができる。また、インデックス機能による刃具の交換(インデックス)は、ATCによる工具交換時間より短い時間で行なうことができるので、タレット旋盤の加工効率を向上させることができる。
【0016】
請求項2に係る発明によると、アクチュエータの往復動作により複合工具のインデックス回転を行わせるようにしたので、複合工具のインデックスを簡単な制御で確実に行なわせることができる。
【0017】
請求項3に係る発明によると、アクチュエータのクランプ面を工具用主軸の操作部に接触させて複合工具のクランプを行なうようにしているので、複合工具をそのインデックス位置に確実にクランプすることができ、クランプの剛性を向上させ、複合工具による加工精度を向上させることができる。
【0018】
請求項4に係る発明によると、第1の回転駆動手段によって、複合工具を取付ける工具用主軸をB軸方向に回転駆動することができ、複合工具による加工範囲を拡大することができる。
【0019】
請求項5に係る発明によると、工具用主軸のインデックス手段を、工具用主軸を支持するハウジングに配置された第2の回転駆動手段で構成しているので、タレット本体の構成を簡略化することができる。
【0020】
請求項6に係る発明によると、第2の回転駆動手段は、工具用主軸をインデックス回転だけでなく、連続回転させることができ、旋削加工だけでなく第2の回転駆動手段を利用することにより複合工具によるミーリング加工を行なうことができ、複合工具による加工範囲をさらに拡大することができる。
【0021】
請求項7に係る発明によると、タレットとハウジングを別体として製作することができるので、タレットとハウジングの製作が容易になる。
【0022】
請求項8に係る発明によると、タレット本体に第3の回転駆動手段を配置しているので、主軸ハウジング部の小型化を実現することが出来、タレット旋盤の操作性を向上させることができる。
【0023】
請求項9に係る発明によると、第3の回転駆動手段により工具用主軸をインデックス回転させるだけでなく、連続回転させることができるので、旋削加工だけでなく、複合工具によるミーリング加工を行なうことができ、複合工具による加工範囲をさらに拡大することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明によるタレットを用いたタレット旋盤の一例を示し、主軸台と刃物台の配置を示す平面図である。
【0026】
同図において、タレット旋盤1の主軸台2には、軸心CT1を中心として回転自在に支持された主軸3と、該主軸3の一端(図1の右側)に固定されたチャック5とを有し、該チャック5にはワーク6が着脱自在に保持される。また、刃物台7は、前記主軸台2に対して互いに直交する矢印X、Z方向に移動可能に配置され、かつそれらX、Z方向と直交し紙面の前後方向(Y方向)に延設されるB軸の軸心CT2を中心として矢印A、B方向に揺動自在なタレットベース8と、該タレットベース8に、前記B軸の軸心CT2と直交する軸心CT3を中心として垂直面内でインデックス回転可能に支持されたタレット10を有している。そして、該タレット10は、複数の工具取付けポジションが形成されたタレット本体10aを有しており、該複数の工具取付けポジションの内の一つの工具取付けポジションには、軸心CT4を中心として回転可能な工具用主軸(図示せず)を配置し、複合工具用の工具取付けポジションを構成している。そして、通常の工具取付けポジションには、通常の旋削用の工具11が、前記複合工具用の工具取付けポジションには、複合工具12がそれぞれ着脱自在に取付けられる。
【0027】
なお、前記刃物台7には、前記タレット10内に駆動手段(図示せず)と、該駆動手段によって回転駆動されるミル主軸(図示せず)を備え、ドリルやエンドミルのような回転工具を取付け、ドリル加工、ミーリング加工等のミル加工を行えるようにした回転工具用の工具取付けポジションを備えたものもある。
【0028】
図2乃至図7は、本発明によるタレットの第1の実施の形態を示すもので、図2は、本発明によるタレットの複合工具用の工具取付けポジションを示す平面断面図、図3は、図2における複合工具のインデックス回転機構とそのインデックス回転過程を示し、(a)〜(c)は、図2のI−I断面図、(d)〜(f)は、図2のII−II断面図、図4は、本発明によるタレットに支持した複合工具によるワークの端面加工状態を示す概略図、図5は、本発明によるタレットに支持した複合工具による内径加工状態を示す概略図、図6は、本発明によるタレットに支持した複合工具による外径加工状態を示し、(a)は、外径溝加工、(b)は、外径ネジ加工状態を示す概略図、図7は、本発明によるタレットに支持した複合工具による内径加工状態を示し、(a)は、内径溝加工、(b)は、内径ネジ加工状態を示す概略図である。
【0029】
本発明で使用される複合工具12は、例えば、図2にニ点鎖線で示すように、後述する工具用主軸に取付けるためのフランジ部13と、該フランジ部13より小径に形成され、該フランジ部13から突出する丸棒状の本体15とを有し、該本体15の先端部15a(図2の左側端部)には、複数の刃具16(16a、16b、・・)が所定の間隔で着脱自在に固定されている。本発明で使用し得る複合工具は、例示した複合工具12に限らず、後述する工具用主軸に取付け可能な形状であれば、加工目的に適合する形状に形成することができる。なお、本実施の形態のほか、他の実施の形態においても、前記複合工具12と同じ複合工具を用いて説明するので、他の実施の形態においては、複合工具の説明を省略する。
【0030】
図2に示すように、前記タレット本体10aには、工具取付け部20が前記タレット本体10aと一体に形成されている(なお、該工具取付け部20は、説明の都合上、前記タレット10とは別体として表示している)。前記工具取付け部20は、ベース部としてのハウジング21に軸受22、22を介して、軸心CT4を中心として回転自在に支持された工具用主軸23を有し、該工具用主軸23の一端(図の左側)に前記複合工具12を、該工具用主軸23の軸心CT4と該複合工具12の軸心CT5が一致するように着脱自在に取り付けている。
【0031】
前記工具用主軸23の中央部には、該工具用主軸23をインデックス回転させると共に、該工具用主軸23をそのインデックス回転位置にクランプするための係合部を構成する、複数の平面25(25a〜25d)が略矩形を成すように形成された操作部26と、該工具用主軸23をインデックス回転させるための係合部を構成する、複数の平面27(27a〜27d)が略矩形を成すように形成された操作部28が形成されている。なお、該操作部26、28を形状する各平面25a〜25d、27a〜27dの数は、前記複合工具12に形成された刃具取付け位置の数と同じ数とし、その軸心CT4、CT5回りにおける位相も、複合工具12に形成された刃具取付け位置と対応している。こうした構成により前記操作部26、28は、それぞれ略正多角形に形成される(本実施の形態では、複合工具12の刃具取付け位置の数を4とし、操作部26、28を略正方形に形成している)。
【0032】
前記ハウジング21の前記工具用主軸23の操作部26と対応する位置には、流体圧シリンダ30(以下、単にシリンダ30という)が形成され、図3(a)に示すように、その両端部には、流体の供給、排出をするためのポート31(31a、31b)が形成されている。前記シリンダ30には、ピストン32が摺動自在に装着されている。該ピストン32には、前記工具用主軸23の矩形の操作部26に形成された平面25a〜25dの内の一面と接触して、該工具用主軸23の回転を規制するクランプ部としてのクランプ面32aと、前記平面25a〜25dに当接して該工具用主軸23を、所要インデックス回転角度の略半分の角度だけインデックス回転させる駆動部32bとが形成されている。そして、前記シリンダ30とピストン32でアクチュエータ33を構成している。
【0033】
前記ハウジング21の前記工具用主軸23の操作部28と対応する位置には、流体圧シリンダ35(以下、単にシリンダ35という)が形成され、図3(d)に示すように、その両端部には、流体圧の供給、排出を行なうためのポート36(36a、36b)が形成されている。該シリンダ35には、ピストン37が摺動自在に装着されている。該ピストン37には、前記工具用主軸23の操作部28に形成された平面27a〜27dの一面と当接して前記工具用主軸23を、所要インデックス回転角度の略半分の角度だけインデックス回転させる駆動部37aが形成されている。そして、前記シリンダ35とピストン37で、アクチュエータ38を構成している。
【0034】
即ち、本実施の形態においては、前記ピストン32が、前記工具用主軸23のクランプ手段を構成すると共に、前記ピストン32とピストン37とにより、前記工具用主軸23のインデックス回転手段を構成している。
【0035】
図3(a)は、前記ピストン32のクランプ面32aを前記工具用主軸23の平面25dに当接させ、前記工具用主軸23をインデックス回転位置でクランプしている状態を示している。このとき、図3(d)に示すように、前記ピストン37の駆動部37aは、前記工具用主軸23の平面27a〜27dには接触していない。
【0036】
このような状態から、前記工具用主軸23をインデックス回転させる場合、先ず、図3(b)に示すように、前記ポート31bから前記シリンダ30内に流体圧を供給して、前記ピストン32を矢印C方向に移動させる。すると、前記ピストン32のクランプ面32aが前記工具用主軸23の平面25dから離間して、前記工具用主軸23のクランプを解除し、該工具用主軸23の回転を可能にする。
【0037】
次いで、図3(e)に示すように、前記ポート36aから前記シリンダ35内に流体圧を供給して、前記ピストン37を矢印D方向へ移動させる。すると、前記ピストン37の駆動部37aが前記工具用主軸23の平面27aに当接して該平面27aを矢印D方向に向けて押圧する。このとき、前記操作部28の平面27aとピストン37の駆動部37aとの接触位置が、前記工具用主軸23の軸心CT4からピストン37側に偏心した位置にあるため、前記押圧力が前記工具用主軸23には回転力となって作用し、前記工具用主軸23を矢印E方向に略45度回転させる。
【0038】
次いで、図3(f)に示すように、前記ポート36bから前記シリンダ35内に流体圧を供給して、前記ピストン37を矢印C方向へ移動させる。すると、前記ピストン37の駆動部37aが前記工具用主軸23の平面27aから離間して、前記工具用主軸23は、前記ピストン32、36の何れとも接触していないフリーな状態になる。
【0039】
次いで、図3(c)に示すように、前記ポート31aから前記シリンダ30内に流体圧を供給して、前記ピストン32を矢印D方向へ移動させる。すると、前記ピストン32の駆動部32bが前記工具用主軸23の平面25aに当接して該平面25aを矢印D方向に押圧する。このとき、前記平面25aとピストン32の駆動部32bとの接触位置が、前記工具用主軸23の軸心CT4からピストン32側に偏心した位置にあるため、前記押圧力が前記工具用主軸23には回転力となって作用し、前記工具用主軸23を矢印E方向に略45度回転させる。
【0040】
そして、図3(a)に示すように、前記ピストン32が矢印D方向に移動すると、該ピストン32のクランプ面32aが前記工具用主軸23の平面(25a)と当接する。この状態で、前記工具用主軸23(即ち、工具用主軸23に取付けられた前記複合工具12)は、90度インデックス回転させられたことになる。即ち、図3(a)で括弧内に符号を示すように、各平面25a〜25dが90度づつ回転移動する。同時に、前記工具用主軸23(即ち、工具用主軸23に取付けられた前記複合工具12)は、前記ピストン32のクランプ面32aでクランプされる。このとき、シリンダ35側でも同様に、工具用主軸23が回転するので、図3(f)に示す状態から図3(d)で括弧内に符号を示すように、各平面27a〜27dは90度づつ回転移動する。
【0041】
このようにして、前記工具用主軸23に取付けた複合工具12をインデックス回転させて、加工に使用する所要の刃具16(16a、16b、・・)を加工位置へ位置決めして使用することができる。即ち、このような複合工具用の工具取付けポジションが形成されたタレット10の、複合工具用の工具取付けポジションにある工具用主軸23に複合工具12を固定し、その複合工具12を前記図3に示す工程に従ってインデックス回転させ、前記複合工具12に配置された刃具16(16a、16b、・・)の中から加工に使用する刃具16(図2の場合は刃具16a)を選択した後、前記工具用主軸23をクランプしてハウジング21に固定する。このように、前記複合工具12の複数の刃具16(16a〜16d)の中から加工に必要な刃具16aを選択することが出来る。
【0042】
図2に示すように、前記複合工具12の中から加工に必要な刃具16aを選択して前記工具用主軸23をクランプし、かつ前記主軸3(図1参照)を回転させ、その軸心CT1を中心として、前記ワーク6を矢印F方向に所定回転速度で回転させた状態で、前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させて、前記刃具16aを前記ワーク6の外周面に切込ませることにより、該ワーク6の外周面を旋削加工(外径加工)することができる。
【0043】
図4に示すように、前記複合工具12の刃具16aを選択し、前記主軸3(図1参照)の軸心CT1を中心として矢印F方向に所定回転数で回転する前記ワーク6に対して、タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16aをワーク6の端面に切込ませることにより、前記ワーク6の端面を旋削加工することができる。
【0044】
図5に示すように、旋削加工によりワーク6の穴を拡径する内径加工を行なう場合には、加工プログラムに従って、刃物台7(図1参照)をB軸の軸心CT2を中心として矢印A方向(図1参照)に旋回させ、主軸3(図1参照)(即ちワーク6)の軸心CT1と複合工具12の軸心CT5とのB軸角度αを、例えば10度に位置決めする。一方、工具用主軸23(2参照)をインデックス回転させ、複合工具12に取付けられた複数の刃具16に中から加工に必要な刃具16aを選択し、該工具用主軸23(即ち、複合工具12)をクランプする。この状態でワーク6を、軸心CT1を中心として矢印F方向に回転させ、該ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16aを前記ワーク6の内周面に切り込ませることにより、ワーク6の穴の内周面を旋削し、内径加工を行なうことができる。
【0045】
図6(a)に示すように、ワーク6の外径に溝6aを加工する場合、または図6(b)に示すように、ワーク6の外径にネジ6cを加工する場合には、加工プログラムに従って、前記刃物台7(図1参照)をB軸の軸心CT2を中心として矢印A方向に旋回させ、前記主軸3(即ち、ワーク6)の軸心CT1と前記複合工具12の軸心CT5とのB軸角度αを、例えば20度に位置決めする。一方、前記工具用主軸23(図2参照)をインデックス回転させ、前記複合工具12に取付けられた複数の刃具16(16a、16b、・・)の中から加工に必要な刃具16bを選択し、該工具用主軸23(即ち、複合工具12)をクランプする。この状態でワーク6を矢印F方向に回転させ、該ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向(図1参照)に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16bを前記ワーク6の外周面に切り込ませることにより、ワーク6の外周面を旋削し、溝6aまたはネジ6cの加工を行なうことができる。なお、ワーク6の外径に溝6aを加工する場合には、刃具16bの形状により溝6の旋削と同時に両端部6b、6bの面取りを行なうこともできる。
【0046】
図7(a)に示すように、ワーク6の内径に溝6aを加工する場合、または図7(b)に示すように、ワーク6の内径にネジ6cを加工する場合には、加工プログラムに従って、前記刃物台7(図1参照)をB軸の軸心CT2を中心として矢印A方向に旋回させ、前記主軸3(即ち、ワーク6)の軸心CT1と前記複合工具12の軸心CT5とのB軸角度αを、例えば20度に位置決めする。一方、前記工具用主軸23をインデックス回転させ、複合工具12に取付けられた複数の刃具16(16a、16b、・・)の中から加工に必要な刃具16bを選択し、該工具用主軸23(即ち、複合工具12)をクランプする。この状態で前記ワーク6を矢印F方向に回転させ、該ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向(図1参照)に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16bを前記ワーク6の内周面に切り込ませることにより、ワーク6の内周面を旋削し、溝6aまたはネジ6cの加工を行なうことができる。なお、ワーク6の内径に溝6aを加工する場合には、刃具16bの形状により溝6aの旋削と同時に両端部6b、6bの面取りを行なうこともできる。
【0047】
図8乃至図13は、本発明によるタレットの第2の実施の形態を示すもので、図8は、タレット旋盤における主軸台と刃物台の配置を示す平面図、図9は、本発明によるタレットの複合工具用の工具取付けポジションにおけるB軸回転機構を示す平面図、図10は、本発明によるタレットの複合工具用の工具取付け部の構成を示す平面図、図11は、本発明によるタレットを用いた外径の旋削加工状態を示す概略図、図12は、本発明によるタレットを用いた外径端面の旋削加工状態を示す概略図、図13は、本発明によるタレットを用いた外径端面のミーリング加工状態を示す概略図である。
【0048】
図8において、タレット旋盤1の主軸台2には、軸心CT1を中心として回転自在に支持された主軸3と、該主軸3の一端(図1の右側)に固定されたチャック5とを有し、該チャック5にはワーク6が着脱自在に保持される。また、刃物台7は、前記主軸台2に対して互いに直交する矢印X、Z方向に移動可能に配置されたタレットベース8aと、該タレットベース8aに軸心CT2を中心として垂直面内でインデックス回転可能に支持されたタレット10とを有している。そして、該タレット10には、複数の工具取付けポジションが形成され、該複数の工具取付けポジションの内の一つの工具取付けポジションには、軸心CT4を中心として回転可能な工具用主軸(図示せず)を配置し、複合工具用の工具取付けポジションを構成している。
【0049】
前記複合工具用の工具取付けポジションは、前記工具用主軸(図示せず)を、複合工具12が加工位置にあるとき、前記複合工具12を前記矢印X、Z方向と直交する紙面の前後方向(Y方向)に延設さるB軸の軸心CT3を中心として回転可能に配設する。そして、通常の工具取付けポジションには、通常の旋削用の工具11が、前記複合工具用の工具取付けポジションには、複合工具12が、複合工具12を取付けるための工具用主軸の軸心CT4と複合工具12の軸心CT5とが一致するように、それぞれ着脱自在に取付けられる。
【0050】
図9に示すように、前記タレット10のタレット本体10aの複合工具用の工具取付けポジション40には、B軸割り出しモータ41と、前記タレット10の軸心CT2(図8参照)に対し放射方向に配置され、軸心CT6を中心として回転可能に支持され、かつ該B軸割り出しモータ41に接続された伝動軸42が設けられている。該伝動軸42の一端(紙面の下側)には、傘歯車43が固定されている。また、前記タレット10には、前記工具用主軸(図示せず)の軸心CT4と前記伝動軸42の軸心CT6との交点で、各軸心CT4、CT6と直交するB軸の軸心CT3を中心として旋回軸45が回転可能に支持され、該旋回軸45の一端には、前記傘歯車43と噛合う傘歯車46が固定されている。そして、前記旋回軸45は複合工具用の工具取付け部47に固定されている。
【0051】
従って、前記B軸割り出しモータ41を駆動させると、前記傘歯車43を矢印A、B方向に回転させ、前記工具取付け部47をB軸の軸心CT2を中心として矢印A、B方向に揺動させることができるようになっている。
【0052】
図10に示すように、前記工具取付け部47は、ベース部としてのハウジング48を有し、該ハウジング48の前後方向(後述する工具用主軸の軸心CT4方向)の両端に、ヘッドストック49とテールストック50が固定されている。前記テールストック50には、モータ51が固定され、その回転軸には、前記テールストック50に軸受52を介して回転及び摺動自在に支持されたジョイント53が固定されている。また、前記テールストック50には、端面に複数の歯が所定の間隔で放射状に形成された環状の固定用カップリング55が固定されている。
【0053】
前記ヘッドストック49には、前記複合工具12を取付けるための工具用主軸56が軸受57を介して回転及び摺動自在に支持されている。前記工具用主軸56をそのインデックス回転位置にクランプするためのクランプ手段58は、前記固定用カップリング55と主軸用カップリング56a及び後述する駆動手段61で構成される。前記主軸カップリング56aは、前記工具用主軸56の後端(紙面右側)に、前記固定用カップリング55と噛合うように所定の間隔で放射状形成された複数の歯により構成されている。また、前記工具用主軸56は、前記ジョイント53との間に複数の皿ばね60を介して、該ジョイント53に対し摺動自在に結合され、常に先端(紙面の左側)方向に付勢されている。
【0054】
前記モータ51は、例えば、ロータリエンコーダを内蔵したモータによって構成される。そして、前記モータ51は、前記工具用主軸56を連続して回転させるミル機能と、ロータリエンコーダにより回転角を検出して前記工具用主軸56のインデックス回転を行なう多点オリエント機能を兼ね備えている。従って、前記モータ51は、前記主軸カップリング56aと固定用カップリング55の噛合いを解除した状態で、前記工具用主軸56を連続回転もしくはインデックス回転等、所要の回転駆動を行なわせることができる。即ち、前記モータ51の多点オリエント機能は、前記工具用主軸56のインデックス手段を構成している。
【0055】
前記駆動手段61は、前記ハウジング48、ヘッドストック49、工具用主軸56及び軸受57で囲まれた環状の空間で形成される流体圧シリンダ62(以下、単にシリンダ62という)と、該シリンダ62に摺動自在に配置された環状のピストン65とにより構成されている。なお、前記ハウジング48には、前記シリンダ62に流体の供給、排出を行なうポート63が形成されている。そして、前記皿ばね60抗圧力と前記ピストン65に供給される流体圧により、前記工具用主軸56を矢印P、Q方向へ移動させる。
【0056】
前記シリンダ62に流体が供給されていない場合には、前記工具用主軸56は前記皿ばね60の抗圧力により矢印P方向に押され、前記主軸カップリング56aと前記固定用カップリング55の噛合わせが外れ、前記工具用主軸56の回転が可能になる。従って、前記シリンダ62に流体を供給しない状態では、前記工具用主軸56は、前記モータ51の多点オリエント機能によるインデックス回転もしくは通常の連続回転が可能である。そして、前記工具用主軸56を連続回転させることにより、ドリル加工、ミーリング加工等のミル加工を行なうことができる。
【0057】
また、前記シリンダ62に流体圧が供給され、前記ピストン65を介して前記工具用主軸56が矢印Q方向に移動すると、前記主軸カップリング56aが前記固定用カップリング55と噛合い、クランプ状態となって前記工具用主軸56の回転を規制する。従って、前記工具用主軸56をインデックス回転させた後、前記シリンダ62に流体圧を供給し該工具用主軸56をクランプすることにより、旋削加工を行なうことができる。
【0058】
なお、前記工具用主軸56をクランプした状態で、前記シリンダ62に対する流体圧の供給を止めると、前記工具用主軸56は、前記皿ばね60の抗圧力により矢印P方向に移動して、前記主軸カップリング56aと固定用カップリング55の噛合いが切離され、前記工具用主軸56のクランプが解除される。
【0059】
前記モータ51は、例えば、ゼネバ機構のような間歇回転機構を介して前記工具用主軸56を駆動するように構成し、該工具用主軸56のインデックス回転のみを行なうようにしてもよい。
【0060】
前記第2の実施の形態に示すタレット10を使用することにより、前記第1の実施の形態に示すタレット10(図2参照)と同様に、前記図2、図4乃至図7に示す各種の加工を行なうことができるほか、例えば、図11乃至図13に示す加工を行なうことができる。
【0061】
図11に示すように、前記ワーク6の外径の旋削を行なう場合には、加工プログラムに従って、前記複合工具12の刃具16aを選択して、前記ワーク6の軸心CT1に対する複合工具12の軸心CT5のB軸角度αを、例えば92度に位置決めする。前記複合工具12を固定すると共に、前記ワーク6を矢印F方向に所定回転数で回転させる。そして、前記ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16aを前記ワーク6の外周面に切り込ませることにより、前記ワーク6の外径を旋削することができる。
【0062】
図12に示すように、前記ワーク6の外径端面の旋削を行なう場合には、加工プログラムに従って、前記複合工具12の刃具16aを選択して、前記ワーク6の軸心CT1に対する前記複合工具12の軸心CT5のB軸角度αを、例えば91度に位置決めする。前記複合工具12を固定すると共に、前記ワーク6を矢印F方向に所定回転数で回転させる。そして、前記ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16aを前記ワーク6の端面に切り込ませることにより、前記ワーク6の外径端面を旋削することができる。
【0063】
図13に示すように、ワーク6の端面に、段差、溝等を形成するミーリング加工を行なう場合には、加工プログラムに従って、主軸3(即ち、ワーク6)の軸心CT1と複合工具12の軸心CT5とのB軸角度αを0度に位置決めする。また、主軸3(図8参照)を固定してチャック5で保持したワーク6を固定すると共に、前記工具用主軸56のクランプを解除し、回転可能な状態にする。そして、前記工具用主軸56を連続回転させ、前記複合工具12を所定の回転数で矢印I方向に連続回転させる。この状態で、前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させながら、複合工具12の刃具16aをワーク6の端面に切り込ませることにより、ミーリング加工を行なうことができる。
【0064】
なお、前記図11、図12に示す加工事例では、タレット旋盤1の刃物台7のタレットベース8aにB軸機能がない場合(図8参照)について説明したが、タレット旋盤1のタレットベース8にもB軸機能がある場合(図1参照)、又は複合工具用の工具取付けポジションにおける矢印A、B方向(図9参照)に十分なB軸回転角度を取ることが出来る場合には、前記図2、図4乃至図7、図11乃至図13に示す各種の加工を行なうことができるほか、例えば、図14、図15に示す加工を行なうことができる。
【0065】
図14に示すように、前記ワーク6の外径旋削により溝入れ加工を行なう場合には、加工プログラムに従って、刃具16cを選択して、前記タレットベース8のB軸機能又は前記工具取付けポジションのB軸機能により、前記ワーク6の軸心CT1に対する前記複合工具12の軸心CT5のB軸角度αを、例えば110度に位置決めする。前記複合工具12を固定すると共に、前記ワーク6を矢印F方向に所定回転数で回転させる。そして、前記ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16cを前記ワーク6の外周面に切り込ませることにより、前記ワーク6の外径に溝入れを行なうことができる。
【0066】
図15に示すように、前記ワーク6の外径旋削によりヌスミ加工を行なう場合には、加工プログラムに従って、刃具16cを選択して、前記タレットベース8のB軸機能又は前記工具取付けポジションのB軸機能により、前記ワーク6の軸心CT1に対する前記複合工具12の軸心CT5のB軸角度αを、例えば105度に位置決めする。前記複合工具12を固定すると共に、前記ワーク6を矢印F方向に所定回転数で回転させる。そして、前記ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16cを前記ワーク6の外周面に切り込ませることにより、前記ワーク6の外径にヌスミ加工を行なうことができる。
【0067】
図16は、本発明によるタレットの第3の実施の形態を示すもので、本発明によるタレットの複合工具を取付ける工具取付けポジションを示す平面図である。
【0068】
同図において、前記図8乃至図10と同じものは同じ符号を付けて示し、説明を省略する。B軸割り出しモータ41に結合された伝動軸42の一端にはクラッチ42aが形成されている。アダプタ67は、タレット10のタレット本体10aの複合工具用の工具取付けポジション40に着脱可能に固定されるベース部68を有し、該ベース部68に伝動軸70を回転可能に支持している。該伝動軸70の一端には、前記クラッチ42aと噛合うクラッチ70aが形成され、他端には、傘歯車46と噛合う傘歯車43が固定されている。そして、該傘歯車46に結合された旋回軸45に工具取付け部47が固定されている。その他の構成は、図10に示すものと同じ構成であり、タレット10の機能も前記第2の実施の形態と同じであるので、説明は省略する。
【0069】
このような構成とすることにより、前記タレット10には、B軸回転の駆動源となるB軸割り出しモータ41(既存のミル軸駆動用モータを兼用する形でもよい)と、伝動軸42を配置するだけでよく、タレット10の製作が容易になる。また、アダプタ67も前記タレット10とは別体として製作することが出来るので、その製作が容易になる。
【0070】
なお、前記第1の実施の形態における工具取付け部20(図2参照)を本実施の形態における工具取付け部47及びアダプタ67と同様にタレット10とは別体で形成し、後でタレット10に一体に固定するようにしてもよい。
【0071】
図17は、本発明によるタレットの第4の実施の形態を示すもので、本発明によるタレットにおける工具取付け部を示す平面図である。
【0072】
同図において、工具取付け部71は、ハウジング72内に工具用主軸(図示せず)を回転可能に支持し、該工具用主軸をエアーモータ73により回転駆動するように構成され、前記工具用主軸にドリル75等の回転工具を取付けるようになっている。
【0073】
そして、前記工具取付け部71を、例えば、前記第2、第3に実施の形態(図9、図16参照)におけるタレット10やアダプタ67に対し着脱自在とすると共に、前記各実施の形態における工具取付け部47もタレット10やアダプタ67に対し着脱自在とし、必要に応じて工具取付け部71と交換することにより、ドリル75やエンドミル(図示せず)によるミーリング加工を行なうことが出来る。
【0074】
図18は、本発明によるタレットの第5の実施の形態を示すもので、タレットに内蔵されたアダプタの平面断面図である。
【0075】
同図において、タレット旋盤1(図1、図8参照)のタレット10のタレット本体10aに形成された複数の工具取付けポジションの内、一つの工具取付けポジション76には、ミル主軸77とクラッチ78(例えば、油圧クラッチ、電動クラッチ等)が配置されている。また、該工具取付けポジション76には、工具取付け部としてのアダプタ80が配置され、前記タレット10の一部を構成している。
【0076】
前記アダプタ80は、前記タレット10の一部を構成するハウジング81を有し、該ハウジング81には、軸受82、82を介して軸心CT4を中心として回転自在に支持された工具用主軸83を有している。前記工具用主軸83の一端(図の左側)に前記複合工具12(又は、図示しないミーリング工具、以下同様)を、該工具用主軸83の軸心CT4と該複合工具12の軸心CT5が一致するように着脱自在に固定している。前記工具用主軸83の一端部(図の左側)には、該工具用主軸83をインデックス回転させたとき、そのインデックス位置で該工具用主軸83を固定するための複数個(前記複合工具12の刃具取付け位置の数と同数)の穴85(85a、85b、・・)が形成されている。また、前記工具用主軸83の他端部(図の右側)には、傘歯車86が固定されている。
【0077】
前記ハウジング81に固定された伝動軸ケース87には、軸受88、88を介して伝動軸90が軸心CT6を中心として回転自在に支持されている。そして、前記伝動軸90の一端は、前記クラッチ78を介して前記タレット10内に配置された前記ミル主軸77に接続される。前記伝動軸90の他端(図の下側)には、前記傘歯車86と噛合う傘歯車91が固定されている。従って、前記ミル主軸77の作動により前記伝動軸90が矢印I−J方向に回転駆動されると、前記工具用主軸83(即ち、複合工具12)が矢印I−J方向に回転駆動される。
【0078】
前記ミル主軸77は、例えば、ロータリエンコーダを内蔵したモータ(図示せず)によって回転駆動される。そして、該モータは、工具用主軸83を連続して回転させるミル機能と、ロータリエンコーダにより回転角を検出して前記工具用主軸のインデックス回転を行なう多点オリエント機能を兼ね備えている。即ち、前記モータの多点オリエント機能は、前記工具用主軸83のインデックス手段を構成する。なお、前記第4の実施の形態において、タレット10におけるB軸機能を使用しない場合、図16に示すB軸割り出しモータ41をミル主軸駆動モータとし、伝動軸42をミル主軸として、前記アダプタ67の取付け位置に前記アダプタ80を取付けるようにしてもよい。
【0079】
前記工具用主軸83をクランプするためのクランプ手段92は、前記工具用主軸83に形成された穴85(85a、85b、・・)と、前記ハウジング81の側面(図の左側)に配置されたクランプユニット93で構成され、該クランプユニット93は、前記穴85に対応するように前記ハウジング81に固定されている。前記クランプユニット93は、流体圧シリンダ95(以下、単にシリンダ95という)が形成され、その両端部には、流体の供給、排出を行なうためのポート96(96a、96b)が形成されている。前記シリンダ95には、ピストン97が摺動自在に装着され、該ピストン97の一端(図の下側)に前記工具用主軸83に形成された穴85(85a、85b、・・)に着脱自在に嵌合するテーパ状のクランプ部97aが形成されている。
【0080】
前記ハウジング81の前記クランプユニット93と隣接する位置には、それぞれ独立した流体圧シリンダ98a(98b)(図では、流体圧シリンダ98aのみ図示、以下、単にシリンダ98a(98b)という)が形成されている。前記シリンダ98a(98b)は、それぞれ流体通路100a、100bを介して前記クランプユニット93のシリンダ95に形成された前記ポート96a、96bと接続されている。前記シリンダ98a(98b)には、それぞれピストン101a(101b)(図では、ピストン101aのみ図示)が摺動自在に装着されている。
【0081】
そして、前記シリンダ95のピストン97の上部空間と前記流体通路100a及び前記シリンダ98aのピストン101aの下部空間と、前記シリンダ95のピストン97の下部空間(工具用主軸83側)と前記流体通路101b及び前記シリンダ98bのピストン101bの下部空間には、それぞれ流体が封入されている。操作ロッド102a(102b)(図では操作ロッド102aのみ図示)は、前記アダプタ80を前記タレット10(図1参照)に固定したとき、前記ピストン101a(101b)と微小な間隔で対向するように、前記タレット10に配置され、図示しない駆動源により矢印K−L方向に駆動される。
【0082】
そして、前記操作ロッド102aを矢印K方向に移動させ、前記ピストン101aを矢印K方向に押込むと、前記シリンダ98a内に封入された流体が流体通路100aを通り前記シリンダ95のピストン97の上部空間に供給される。すると、その流体圧により前記ピストン97が前記工具用主軸83側に向けて矢印K方向に移動し、その先端のクランプ部97aが前記工具用主軸83の穴85(85a、85b、・・)に嵌合して前記工具用主軸83をクランプしてその回転を規制する。このとき、前記ピストン101bは、前記シリンダ95のピストン97により押出され、前記流体通路100bから前記シリンダ98bに流入する流体によって矢印L方向に移動する。
【0083】
前述のように、前記ピストン97のクランプ部97aが前記工具用主軸83の穴85(85a、85b、・・)に嵌合し、該工具用主軸83の回転を規制しているクランプ状態では、前記複合工具12の刃具16a(16b、・・)を用いた旋削加工を行なうことができる。
【0084】
また、前記操作ロッド102bを矢印K方向に移動させ、前記ピストン101bを矢印K方向に押込むと、前記シリンダ98b内に封入された流体が流体通路100bを通り前記シリンダ95のピストン97の下部空間に供給される。すると、その流体圧により前記ピストン97が前記工具用主軸83から離間する矢印L方向に移動し、その先端のクランプ部97aが前記工具用主軸83の穴85(85a、85b、・・)から離脱して、前記工具用主軸83のクランプを解除する。このとき、前記ピストン101aは、前記シリンダ95のピストン97により押出され流体通路100aから前記シリンダ98aに流入する流体によって矢印L方向に移動する。
【0085】
前述のように、前記工具用主軸83のクランプを解除し、該工具用主軸83の回転を可能にした状態では、前記ミル主軸77を間歇回転させることにより、前記伝動軸90を介して、前記工具用主軸83をインデックス回転させ、前記複合工具12に配設された刃具16a、16b、・・の選択を行なうことができる。また、前記ミル主軸77を連続回転させることにより、前記伝動軸90を介して前記工具用主軸83を連続回転させることもできるので、前記複合工具12を連続回転させて行なうドリル加工、ミーリング加工等のミル加工を行なうことができる。即ち、前記アダプタ80を、タレットと一体に構成したとしても、前記各実施の形態と同様に、複合工具12を用いて前記図2、図4乃至図7、図11乃至図15に示す旋削加工やミーリング加工を行なうことができる。
【0086】
また、本実施の形態のように、工具用主軸83をインデックス回転あるいは連続回転させるミル主軸77をタレット本体10a側に設けることにより、アダプタ80側の小型化を図り、ワーク6との干渉等の恐れを少なくして、タレット旋盤の操作性を向上させることができる。
【0087】
図19は、本発明によるタレットの第6の実施の形態を示すもので、タレットに内蔵されたアダプタの平面断面図である。
【0088】
同図において、タレット旋盤1(図1、図8参照)のタレット10のタレット本体10aに形成された複数の工具取付けポジションの内、一つの工具取付けポジション76には、ミル主軸77とクラッチ78(例えば、油圧クラッチ、電動クラッチ等)が配置されている。また、該工具取付けポジション76には、工具取付け部としてのアダプタ110が配置され、タレット10に一部を構成している。
【0089】
前記アダプタ110は、前記タレット10の一部を構成するハウジング111を有し、該ハウジング111には、該ハウジング111と該ハウジング111に固定された軸受ケース112に軸受113、113を介して、軸心CT4を中心として回転自在に支持された工具用主軸115を有している。該工具用主軸115の一端(図の左側端)に前記複合工具12(又は、図示しないミーリング工具、以下同様)を、該工具用主軸115の軸心CT4と複合工具12の軸心CT5が一致するように着脱自在に固定している。前記工具用主軸115の中央部には、傘歯車116が固定されている。
【0090】
前記ハウジング111に固定された伝動軸ケース117には、軸受118、118を介して伝動軸120が軸心CT6を中心として回転自在に支持されている。そして、前記伝動軸120の一端は、前記クラッチ78を介して前記タレット10内に配置されたミル主軸77に接続される。前記伝動軸120の他端(図の下側)には、前記傘歯車116と噛合う傘歯車121が固定されている。そして、前記ミル主軸77の作動により前記伝動軸120が矢印I−J方向に回転駆動されると、前記工具用主軸115(即ち、複合工具12)を矢印I−J方向に回転駆動する。
【0091】
前記ミル主軸77は、例えば、ロータリエンコーダを内蔵したモータ(図示せず)によって回転駆動される。そして、該モータは、前記工具用主軸115を連続して回転させるミル機能と、ロータリエンコーダにより回転角を検出して前記工具用主軸115のインデックス回転を行なう多点オリエント機能を兼ね備えている。即ち、前記モータの多点オリエント機能は、前記工具用主軸115のインデックス手段を構成する。
【0092】
前記工具用主軸115をそのインデックス回転位置で固定するクランプ手段122は、三枚カップリング123とその駆動ユニット131で構成されている。なお、図19においては、前記三枚カップリング123の動作状態を示すために、前記工具用主軸115の上側にアンクランプ状態を、該工具用主軸115の下側にクランプ状態を示してある。
【0093】
前記三枚カップリング123は、端面に複数の歯が所定の間隔で放射状に形成され、前記工具用主軸115に固定された環状の主軸カップリング125と、端面に複数の歯が所定の間隔で放射状に形成され、前記主軸カップリング125の外周に位置するように前記軸受ケース112に固定された環状の固定用カップリング126と、これら主軸カップリング125と固定用カップリング126に対向する端面に前記主軸カップリング125及び固定用カップリング126の歯と噛合う複数の歯が所定の間隔で放射状に形成された環状のクランプカップリング127で構成される。該クランプカップリング127は、前記軸受ケース112に固定されたヘッドストック128とシールリング130で形成される環状の空間に、前記工具用主軸115の軸心CT4と平行な方向に摺動自在に支持されている。
【0094】
前記駆動ユニット131は、前記ハウジング111にそれぞれ独立して形成された一対の流体圧シリンダ132a(132b)(図では、シリンダ132aのみ図示、以下、単にシリンダ132a(132b)という)と、該シリンダ132a(132b)に摺動自在に装着されたピストン133a(133b)(図では、ピストン133aのみ図示)とにより構成されている。前記シリンダ132aは、流体通路135aを通して前記クランプカップリング127が装着された前記空間の一端(図の左側)に接続され、前記シリンダ132bは、流体通路136bを通して前記クランプカップリング127が装着された前記空間の他端(図の右側)に接続されている。
【0095】
そして、前記シリンダ132aとピストン133aで形成される空間と前記流体通路135a及び前記空間の一端(クランプカップリング127の左側空間)と、前記シリンダ132bとピストン133bで形成される空間と前記流体通路135b及び前記空間の他端(クランプカップリング127の右側空間)には、それぞれ流体が封入されている。操作ロッド136a(136b)(図では、操作ロッド136aのみ図示)は、前記ピストン133a(133b)と微小な間隔で対向するように、前記タレット10に配置され、図示しない駆動源により矢印K−L方向に駆動される。
【0096】
そして、前記操作ロッド136aを矢印K方向に移動させ、前記ピストン133aを矢印K方向に押込むと、前記シリンダ132a内に封入された流体が流体通路135aを通り、前記クランプカップリング127の左側空間に流入する。すると、その流体圧により前記クランプカップリング127が前記工具用主軸115の軸心CT4に沿って図面右側へ移動し、図19で前記工具用主軸115の下側に示すように、前記クランプカップリング127の歯が前記主軸カップリング125及び固定用カップリング126の歯と噛合い、前記クランプカップリング127を介して前記主軸カップリング125を前記固定用カップリング126に結合して、前記工具用主軸115の回転を規制するようにクランプする。このとき、前記ピストン133bは、前記クランプカップリング127の右側空間から押出され流体通路135bから前記シリンダ132bに流入する流体によって矢印L方向に移動する。
【0097】
前述のように、前記工具用主軸115の回転を規制しているクランプ状態では、前記複合工具12の刃具16a(16b、・・)を用いた旋削を行なうことができる。このように、前記三枚カップリング123を用いて前記工具用主軸115をクランプすることにより、高剛性で前記工具用主軸115をクランプすることができる。従って、前記工具用主軸115に固定された複合工具12の位置を高精度に維持することができ、より高精度な旋削加工を行なうことができる。
【0098】
また、前記操作ロッド136bを矢印K方向に移動させ、前記ピストン133bを矢印K方向に押込むと、前記シリンダ132b内に封入された流体が流体通路135bを通り前記クランプカップリング127の紙面右側の空間に流入する。すると、その流体圧により前記クランプカップリング127が前記工具用主軸115の軸心CT4に沿って図面左側へ移動し、図19で前記工具用主軸115の上側に示すように、前記クランプカップリング127が前記主軸カップリング125及び固定用カップリング126から離れ、それらの歯の噛合いが解除され前記工具用主軸115のクランプを解除して、該工具用主軸115の回転を可能にする。このとき、前記ピストン133aは、前記クランプカップリング127の左側空間から押出され流体通路135aから前記シリンダ132aに流入する流体によって矢印L方向に移動する。
【0099】
前述のように、前記工具用主軸115のクランプを解除し、該工具用主軸115の回転を可能にした状態では、前記ミル主軸77を間歇回転させることにより、前記伝動軸120を介して、前記工具用主軸115をインデックス回転させ、前記複合工具12に配設された刃具16a、16b、・・の選択を行なうことができる。また、前記ミル主軸77を連続回転させることにより、前記伝動軸120を介して前記工具用主軸115を連続回転させることもできるので、前記複合工具12を連続回転させて行なうドリル加工、ミーリング加工等のミル加工を行なうことができる。即ち、前記タレット10を、このような構成としても、前記各実施の形態と同様に、複合工具12を用いて前記図2、図4乃至図7、図11乃至図15に示す旋削加工やミーリング加工を行なうことができる。
【0100】
また、本実施の形態のように、工具用主軸115をインデックス回転あるいは連続回転させるミル主軸77をタレット本体10a側に設けることにより、アダプタ110側の小型化を図り、ワーク6との干渉等の恐れを少なくして、タレット旋盤の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタレットを用いたタレット旋盤の一例を示し、主軸台と刃物台の配置を示す平面図。
【図2】本発明によるタレットの複合工具用の工具取付けポジションを示す平面断面図。
【図3】図2における複合工具のインデックス回転機構とそのインデックス回転過程を示し、(a)〜(c)は、図2のI−I断面図、(d)〜(f)は、図2のII−II断面図。
【図4】本発明によるタレットに支持した複合工具によるワークの端面加工状態を示す概略図。
【図5】本発明によるタレットに支持した複合工具による内径加工状態を示す概略図。
【図6】図6は、本発明によるタレットに支持した複合工具による外径加工状態を示し、(a)は、外径溝加工、(b)は、外径ネジ加工状態を示す概略図。
【図7】本発明によるタレットに支持した複合工具による内径加工状態を示し、(a)は、内径溝加工、(b)は、内径ネジ加工状態を示す概略図。
【図8】タレット旋盤における主軸台と刃物台の配置を示す平面図。
【図9】本発明によるタレットの複合工具用の工具取付けポジションにおけるB軸回転機構を示す平面図。
【図10】本発明によるタレットの複合工具用の工具取付け部の構成を示す平面図。
【図11】本発明によるタレットを用いた外径の旋削加工状態を示す概略図。
【図12】本発明によるタレットを用いた外径端面の旋削加工状態を示す概略図。
【図13】本発明によるタレットを用いた外径端面のミーリング加工状態を示す概略図。
【図14】本発明によるタレットを用いた外径の旋削加工状態を示す概略図。
【図15】本発明によるタレットを用いた外径のヌスミ加工状態を示す概略図。
【図16】本発明によるタレットの複合工具を取付ける工具取付けポジションを示す平面図。
【図17】本発明によるタレットにおける工具取付け部を示す平面図。
【図18】本発明によるタレットに内臓されるアダプタの平面断面図。
【図19】本発明によるタレットに内臓されるアダプタの平面断面図。
【符号の説明】
10a…タレット本体
12…複合工具
21…主軸ハウジング(ハウジング)
23…工具用主軸
25a〜25d…係合部(平面)
26…インデックス手段(操作部)
28…インデックス手段(操作部)
27a〜27d…係合部(平面)
32…インデックス手段、クランプ手段、アクチュエータ(ピストン)、
32a…クランプ面
33…アクチュエータ
37…インデックス手段(ピストン)
38…アクチュエータ
41…第1の回転駆動手段(B軸割り出しモータ)
48…主軸ハウジング(ハウジング)
51…第2の回転駆動手段(モータ)
56…工具用主軸
58…クランプ手段
77…第3の回転駆動手段(ミル主軸)
81…主軸ハウジング(ハウジング)
83…工具用主軸
92…クランプ手段
111…主軸ハウジング(ハウジング)
115…工具用主軸
120…回転駆動手段(伝動軸)
122…クランプ手段
CT3…軸心
CT4…軸心
【発明の属する技術分野】
本発明は、タレット旋盤用タレットに係り、詳しくは、複数の刃具を装着した複合工具を取付けるのに好適なタレット旋盤用タレット(以下、単にタレットという)に関する。
【0002】
【従来の技術】
タレット旋盤においては、タレットに対する工具の取付け本数がタレットの角数で制限される。このため、加工に必要な工具数が、タレットの角数より多い場合には、タレット旋盤より高価になるが、自動工具交換装置(ATC)を備えたATC旋盤が使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この制限を緩和するものとして、1本の本体に複数の刃具を配置した複合工具が提案されている。しかし、前記タレットには前記複合工具の中から所要の刃具を選択するインデックス機能がないため、タレット旋盤では、複合工具を使用することができなかった。また、ATC旋盤等では、工具交換頻度が高くなると工具交換時間が多くなり、ワークの非切削時間が長くなり加工効率を低下させることになる。
【0004】
本発明は、前記の事情に鑑み、タレット旋盤における複合工具の使用を可能として、工具交換を短時間で行ない得るようにしたタレット旋盤用タレットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、タレット本体(10a)を有し、
該タレット本体(10a)に、複合工具(12)を着脱自在に取付け得る工具用主軸(23、56、83、115)を、該工具用主軸(23、56、83、115)の軸心(CT4)を中心に回転可能に設け、
前記タレット本体(10a)に、前記工具用主軸(23、56、83、115)をインデックス回転させることのできるインデックス手段(26、28、32、33、37、38、51)を設け、
前記タレット本体(10a)に、前記工具用主軸(23、56、83、115)を前記インデックス手段(26、28、32、33、37、38、51)によりインデックス回転させたインデックス位置でクランプするクランプ手段(33、58、92、122)を設けて構成される。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記インデックス手段(26、28、33、38)が、
前記工具用主軸(23)の周囲に、前記インデックス位置に対応して形成された複数の係合部(25a〜25d、27a〜27d)と、
前記係合部(25a〜25d、27a〜27d)と係合して前記工具用主軸(23)を所定角度回転駆動することのできる往復駆動自在に設けられたアクチュエータ(33、38)と、
を設けて構成される。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1記載のタレット旋盤用タレットであって、
前記クランプ手段(32)が、
前記アクチュエータ(33)に、前記工具用主軸の係合部と係合自在に形成されたクランプ面(32a)を有する。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記タレット本体(10a)に、
第1の回転駆動手段(41)を設け、
前記工具用主軸(56)を、前記第1の回転駆動手段(41)によって、該工具用主軸(56)の軸心(CT4)と直交する軸心(CT3)を中心として回転駆動自在なるように配置して構成される。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項4記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記工具用主軸(56)を、主軸ハウジング(48)を介して前記第1回転駆動手段(41)により回転駆動自在なるように配置し、
前記インデックス手段(51)は、前記主軸ハウジング(48)に配置され、前記工具用主軸(56)を該工具用主軸の軸心(CT4)を中心に回転駆動し得る第2の回転駆動手段(51)を有して構成される。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項5記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記第2の回転駆動手段(51)は、
前記工具用主軸(56)をインデックス回転させて該工具用主軸(56)のインデックスを行なうインデックス手段(51)と、前記工具用主軸(56)を連続回転させて複合工具(12)によるミーリング加工をさせ得るミーリング駆動手段を兼ねて構成される。
【0011】
請求項7に係る発明は、請求項5記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記主軸ハウジング(48)を前記タレット本体(10a)に対して着脱自在に設けて構成される。
【0012】
請求項8に係る発明は、請求項1記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記タレット本体(10a)に、第3の回転駆動手段(77)を、該第3の回転駆動手段(77)により前記工具用主軸(115)該工具用主軸の軸心(CT4)を中心に回転自在に設けて構成される。
【0013】
請求項9に係る発明は、請求項8記載のタレット旋盤用タレットにおいて、
前記第3の回転駆動手段(90、120)は、前記インデックス手段と、前記工具用主軸(83、115)を連続回転させて複合工具(12)によるミーリング加工をさせ得るミーリング駆動手段を兼ねて構成される。
【0014】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであり、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであって、特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【0015】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によると、タレット本体に、複合工具を取付ける工具用主軸のインデックス回転機能と、該工具用主軸のクランプ機能とを持たせることにより、タレット旋盤における複合工具の使用を可能にすることができる。また、インデックス機能による刃具の交換(インデックス)は、ATCによる工具交換時間より短い時間で行なうことができるので、タレット旋盤の加工効率を向上させることができる。
【0016】
請求項2に係る発明によると、アクチュエータの往復動作により複合工具のインデックス回転を行わせるようにしたので、複合工具のインデックスを簡単な制御で確実に行なわせることができる。
【0017】
請求項3に係る発明によると、アクチュエータのクランプ面を工具用主軸の操作部に接触させて複合工具のクランプを行なうようにしているので、複合工具をそのインデックス位置に確実にクランプすることができ、クランプの剛性を向上させ、複合工具による加工精度を向上させることができる。
【0018】
請求項4に係る発明によると、第1の回転駆動手段によって、複合工具を取付ける工具用主軸をB軸方向に回転駆動することができ、複合工具による加工範囲を拡大することができる。
【0019】
請求項5に係る発明によると、工具用主軸のインデックス手段を、工具用主軸を支持するハウジングに配置された第2の回転駆動手段で構成しているので、タレット本体の構成を簡略化することができる。
【0020】
請求項6に係る発明によると、第2の回転駆動手段は、工具用主軸をインデックス回転だけでなく、連続回転させることができ、旋削加工だけでなく第2の回転駆動手段を利用することにより複合工具によるミーリング加工を行なうことができ、複合工具による加工範囲をさらに拡大することができる。
【0021】
請求項7に係る発明によると、タレットとハウジングを別体として製作することができるので、タレットとハウジングの製作が容易になる。
【0022】
請求項8に係る発明によると、タレット本体に第3の回転駆動手段を配置しているので、主軸ハウジング部の小型化を実現することが出来、タレット旋盤の操作性を向上させることができる。
【0023】
請求項9に係る発明によると、第3の回転駆動手段により工具用主軸をインデックス回転させるだけでなく、連続回転させることができるので、旋削加工だけでなく、複合工具によるミーリング加工を行なうことができ、複合工具による加工範囲をさらに拡大することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明によるタレットを用いたタレット旋盤の一例を示し、主軸台と刃物台の配置を示す平面図である。
【0026】
同図において、タレット旋盤1の主軸台2には、軸心CT1を中心として回転自在に支持された主軸3と、該主軸3の一端(図1の右側)に固定されたチャック5とを有し、該チャック5にはワーク6が着脱自在に保持される。また、刃物台7は、前記主軸台2に対して互いに直交する矢印X、Z方向に移動可能に配置され、かつそれらX、Z方向と直交し紙面の前後方向(Y方向)に延設されるB軸の軸心CT2を中心として矢印A、B方向に揺動自在なタレットベース8と、該タレットベース8に、前記B軸の軸心CT2と直交する軸心CT3を中心として垂直面内でインデックス回転可能に支持されたタレット10を有している。そして、該タレット10は、複数の工具取付けポジションが形成されたタレット本体10aを有しており、該複数の工具取付けポジションの内の一つの工具取付けポジションには、軸心CT4を中心として回転可能な工具用主軸(図示せず)を配置し、複合工具用の工具取付けポジションを構成している。そして、通常の工具取付けポジションには、通常の旋削用の工具11が、前記複合工具用の工具取付けポジションには、複合工具12がそれぞれ着脱自在に取付けられる。
【0027】
なお、前記刃物台7には、前記タレット10内に駆動手段(図示せず)と、該駆動手段によって回転駆動されるミル主軸(図示せず)を備え、ドリルやエンドミルのような回転工具を取付け、ドリル加工、ミーリング加工等のミル加工を行えるようにした回転工具用の工具取付けポジションを備えたものもある。
【0028】
図2乃至図7は、本発明によるタレットの第1の実施の形態を示すもので、図2は、本発明によるタレットの複合工具用の工具取付けポジションを示す平面断面図、図3は、図2における複合工具のインデックス回転機構とそのインデックス回転過程を示し、(a)〜(c)は、図2のI−I断面図、(d)〜(f)は、図2のII−II断面図、図4は、本発明によるタレットに支持した複合工具によるワークの端面加工状態を示す概略図、図5は、本発明によるタレットに支持した複合工具による内径加工状態を示す概略図、図6は、本発明によるタレットに支持した複合工具による外径加工状態を示し、(a)は、外径溝加工、(b)は、外径ネジ加工状態を示す概略図、図7は、本発明によるタレットに支持した複合工具による内径加工状態を示し、(a)は、内径溝加工、(b)は、内径ネジ加工状態を示す概略図である。
【0029】
本発明で使用される複合工具12は、例えば、図2にニ点鎖線で示すように、後述する工具用主軸に取付けるためのフランジ部13と、該フランジ部13より小径に形成され、該フランジ部13から突出する丸棒状の本体15とを有し、該本体15の先端部15a(図2の左側端部)には、複数の刃具16(16a、16b、・・)が所定の間隔で着脱自在に固定されている。本発明で使用し得る複合工具は、例示した複合工具12に限らず、後述する工具用主軸に取付け可能な形状であれば、加工目的に適合する形状に形成することができる。なお、本実施の形態のほか、他の実施の形態においても、前記複合工具12と同じ複合工具を用いて説明するので、他の実施の形態においては、複合工具の説明を省略する。
【0030】
図2に示すように、前記タレット本体10aには、工具取付け部20が前記タレット本体10aと一体に形成されている(なお、該工具取付け部20は、説明の都合上、前記タレット10とは別体として表示している)。前記工具取付け部20は、ベース部としてのハウジング21に軸受22、22を介して、軸心CT4を中心として回転自在に支持された工具用主軸23を有し、該工具用主軸23の一端(図の左側)に前記複合工具12を、該工具用主軸23の軸心CT4と該複合工具12の軸心CT5が一致するように着脱自在に取り付けている。
【0031】
前記工具用主軸23の中央部には、該工具用主軸23をインデックス回転させると共に、該工具用主軸23をそのインデックス回転位置にクランプするための係合部を構成する、複数の平面25(25a〜25d)が略矩形を成すように形成された操作部26と、該工具用主軸23をインデックス回転させるための係合部を構成する、複数の平面27(27a〜27d)が略矩形を成すように形成された操作部28が形成されている。なお、該操作部26、28を形状する各平面25a〜25d、27a〜27dの数は、前記複合工具12に形成された刃具取付け位置の数と同じ数とし、その軸心CT4、CT5回りにおける位相も、複合工具12に形成された刃具取付け位置と対応している。こうした構成により前記操作部26、28は、それぞれ略正多角形に形成される(本実施の形態では、複合工具12の刃具取付け位置の数を4とし、操作部26、28を略正方形に形成している)。
【0032】
前記ハウジング21の前記工具用主軸23の操作部26と対応する位置には、流体圧シリンダ30(以下、単にシリンダ30という)が形成され、図3(a)に示すように、その両端部には、流体の供給、排出をするためのポート31(31a、31b)が形成されている。前記シリンダ30には、ピストン32が摺動自在に装着されている。該ピストン32には、前記工具用主軸23の矩形の操作部26に形成された平面25a〜25dの内の一面と接触して、該工具用主軸23の回転を規制するクランプ部としてのクランプ面32aと、前記平面25a〜25dに当接して該工具用主軸23を、所要インデックス回転角度の略半分の角度だけインデックス回転させる駆動部32bとが形成されている。そして、前記シリンダ30とピストン32でアクチュエータ33を構成している。
【0033】
前記ハウジング21の前記工具用主軸23の操作部28と対応する位置には、流体圧シリンダ35(以下、単にシリンダ35という)が形成され、図3(d)に示すように、その両端部には、流体圧の供給、排出を行なうためのポート36(36a、36b)が形成されている。該シリンダ35には、ピストン37が摺動自在に装着されている。該ピストン37には、前記工具用主軸23の操作部28に形成された平面27a〜27dの一面と当接して前記工具用主軸23を、所要インデックス回転角度の略半分の角度だけインデックス回転させる駆動部37aが形成されている。そして、前記シリンダ35とピストン37で、アクチュエータ38を構成している。
【0034】
即ち、本実施の形態においては、前記ピストン32が、前記工具用主軸23のクランプ手段を構成すると共に、前記ピストン32とピストン37とにより、前記工具用主軸23のインデックス回転手段を構成している。
【0035】
図3(a)は、前記ピストン32のクランプ面32aを前記工具用主軸23の平面25dに当接させ、前記工具用主軸23をインデックス回転位置でクランプしている状態を示している。このとき、図3(d)に示すように、前記ピストン37の駆動部37aは、前記工具用主軸23の平面27a〜27dには接触していない。
【0036】
このような状態から、前記工具用主軸23をインデックス回転させる場合、先ず、図3(b)に示すように、前記ポート31bから前記シリンダ30内に流体圧を供給して、前記ピストン32を矢印C方向に移動させる。すると、前記ピストン32のクランプ面32aが前記工具用主軸23の平面25dから離間して、前記工具用主軸23のクランプを解除し、該工具用主軸23の回転を可能にする。
【0037】
次いで、図3(e)に示すように、前記ポート36aから前記シリンダ35内に流体圧を供給して、前記ピストン37を矢印D方向へ移動させる。すると、前記ピストン37の駆動部37aが前記工具用主軸23の平面27aに当接して該平面27aを矢印D方向に向けて押圧する。このとき、前記操作部28の平面27aとピストン37の駆動部37aとの接触位置が、前記工具用主軸23の軸心CT4からピストン37側に偏心した位置にあるため、前記押圧力が前記工具用主軸23には回転力となって作用し、前記工具用主軸23を矢印E方向に略45度回転させる。
【0038】
次いで、図3(f)に示すように、前記ポート36bから前記シリンダ35内に流体圧を供給して、前記ピストン37を矢印C方向へ移動させる。すると、前記ピストン37の駆動部37aが前記工具用主軸23の平面27aから離間して、前記工具用主軸23は、前記ピストン32、36の何れとも接触していないフリーな状態になる。
【0039】
次いで、図3(c)に示すように、前記ポート31aから前記シリンダ30内に流体圧を供給して、前記ピストン32を矢印D方向へ移動させる。すると、前記ピストン32の駆動部32bが前記工具用主軸23の平面25aに当接して該平面25aを矢印D方向に押圧する。このとき、前記平面25aとピストン32の駆動部32bとの接触位置が、前記工具用主軸23の軸心CT4からピストン32側に偏心した位置にあるため、前記押圧力が前記工具用主軸23には回転力となって作用し、前記工具用主軸23を矢印E方向に略45度回転させる。
【0040】
そして、図3(a)に示すように、前記ピストン32が矢印D方向に移動すると、該ピストン32のクランプ面32aが前記工具用主軸23の平面(25a)と当接する。この状態で、前記工具用主軸23(即ち、工具用主軸23に取付けられた前記複合工具12)は、90度インデックス回転させられたことになる。即ち、図3(a)で括弧内に符号を示すように、各平面25a〜25dが90度づつ回転移動する。同時に、前記工具用主軸23(即ち、工具用主軸23に取付けられた前記複合工具12)は、前記ピストン32のクランプ面32aでクランプされる。このとき、シリンダ35側でも同様に、工具用主軸23が回転するので、図3(f)に示す状態から図3(d)で括弧内に符号を示すように、各平面27a〜27dは90度づつ回転移動する。
【0041】
このようにして、前記工具用主軸23に取付けた複合工具12をインデックス回転させて、加工に使用する所要の刃具16(16a、16b、・・)を加工位置へ位置決めして使用することができる。即ち、このような複合工具用の工具取付けポジションが形成されたタレット10の、複合工具用の工具取付けポジションにある工具用主軸23に複合工具12を固定し、その複合工具12を前記図3に示す工程に従ってインデックス回転させ、前記複合工具12に配置された刃具16(16a、16b、・・)の中から加工に使用する刃具16(図2の場合は刃具16a)を選択した後、前記工具用主軸23をクランプしてハウジング21に固定する。このように、前記複合工具12の複数の刃具16(16a〜16d)の中から加工に必要な刃具16aを選択することが出来る。
【0042】
図2に示すように、前記複合工具12の中から加工に必要な刃具16aを選択して前記工具用主軸23をクランプし、かつ前記主軸3(図1参照)を回転させ、その軸心CT1を中心として、前記ワーク6を矢印F方向に所定回転速度で回転させた状態で、前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させて、前記刃具16aを前記ワーク6の外周面に切込ませることにより、該ワーク6の外周面を旋削加工(外径加工)することができる。
【0043】
図4に示すように、前記複合工具12の刃具16aを選択し、前記主軸3(図1参照)の軸心CT1を中心として矢印F方向に所定回転数で回転する前記ワーク6に対して、タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16aをワーク6の端面に切込ませることにより、前記ワーク6の端面を旋削加工することができる。
【0044】
図5に示すように、旋削加工によりワーク6の穴を拡径する内径加工を行なう場合には、加工プログラムに従って、刃物台7(図1参照)をB軸の軸心CT2を中心として矢印A方向(図1参照)に旋回させ、主軸3(図1参照)(即ちワーク6)の軸心CT1と複合工具12の軸心CT5とのB軸角度αを、例えば10度に位置決めする。一方、工具用主軸23(2参照)をインデックス回転させ、複合工具12に取付けられた複数の刃具16に中から加工に必要な刃具16aを選択し、該工具用主軸23(即ち、複合工具12)をクランプする。この状態でワーク6を、軸心CT1を中心として矢印F方向に回転させ、該ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16aを前記ワーク6の内周面に切り込ませることにより、ワーク6の穴の内周面を旋削し、内径加工を行なうことができる。
【0045】
図6(a)に示すように、ワーク6の外径に溝6aを加工する場合、または図6(b)に示すように、ワーク6の外径にネジ6cを加工する場合には、加工プログラムに従って、前記刃物台7(図1参照)をB軸の軸心CT2を中心として矢印A方向に旋回させ、前記主軸3(即ち、ワーク6)の軸心CT1と前記複合工具12の軸心CT5とのB軸角度αを、例えば20度に位置決めする。一方、前記工具用主軸23(図2参照)をインデックス回転させ、前記複合工具12に取付けられた複数の刃具16(16a、16b、・・)の中から加工に必要な刃具16bを選択し、該工具用主軸23(即ち、複合工具12)をクランプする。この状態でワーク6を矢印F方向に回転させ、該ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向(図1参照)に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16bを前記ワーク6の外周面に切り込ませることにより、ワーク6の外周面を旋削し、溝6aまたはネジ6cの加工を行なうことができる。なお、ワーク6の外径に溝6aを加工する場合には、刃具16bの形状により溝6の旋削と同時に両端部6b、6bの面取りを行なうこともできる。
【0046】
図7(a)に示すように、ワーク6の内径に溝6aを加工する場合、または図7(b)に示すように、ワーク6の内径にネジ6cを加工する場合には、加工プログラムに従って、前記刃物台7(図1参照)をB軸の軸心CT2を中心として矢印A方向に旋回させ、前記主軸3(即ち、ワーク6)の軸心CT1と前記複合工具12の軸心CT5とのB軸角度αを、例えば20度に位置決めする。一方、前記工具用主軸23をインデックス回転させ、複合工具12に取付けられた複数の刃具16(16a、16b、・・)の中から加工に必要な刃具16bを選択し、該工具用主軸23(即ち、複合工具12)をクランプする。この状態で前記ワーク6を矢印F方向に回転させ、該ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向(図1参照)に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16bを前記ワーク6の内周面に切り込ませることにより、ワーク6の内周面を旋削し、溝6aまたはネジ6cの加工を行なうことができる。なお、ワーク6の内径に溝6aを加工する場合には、刃具16bの形状により溝6aの旋削と同時に両端部6b、6bの面取りを行なうこともできる。
【0047】
図8乃至図13は、本発明によるタレットの第2の実施の形態を示すもので、図8は、タレット旋盤における主軸台と刃物台の配置を示す平面図、図9は、本発明によるタレットの複合工具用の工具取付けポジションにおけるB軸回転機構を示す平面図、図10は、本発明によるタレットの複合工具用の工具取付け部の構成を示す平面図、図11は、本発明によるタレットを用いた外径の旋削加工状態を示す概略図、図12は、本発明によるタレットを用いた外径端面の旋削加工状態を示す概略図、図13は、本発明によるタレットを用いた外径端面のミーリング加工状態を示す概略図である。
【0048】
図8において、タレット旋盤1の主軸台2には、軸心CT1を中心として回転自在に支持された主軸3と、該主軸3の一端(図1の右側)に固定されたチャック5とを有し、該チャック5にはワーク6が着脱自在に保持される。また、刃物台7は、前記主軸台2に対して互いに直交する矢印X、Z方向に移動可能に配置されたタレットベース8aと、該タレットベース8aに軸心CT2を中心として垂直面内でインデックス回転可能に支持されたタレット10とを有している。そして、該タレット10には、複数の工具取付けポジションが形成され、該複数の工具取付けポジションの内の一つの工具取付けポジションには、軸心CT4を中心として回転可能な工具用主軸(図示せず)を配置し、複合工具用の工具取付けポジションを構成している。
【0049】
前記複合工具用の工具取付けポジションは、前記工具用主軸(図示せず)を、複合工具12が加工位置にあるとき、前記複合工具12を前記矢印X、Z方向と直交する紙面の前後方向(Y方向)に延設さるB軸の軸心CT3を中心として回転可能に配設する。そして、通常の工具取付けポジションには、通常の旋削用の工具11が、前記複合工具用の工具取付けポジションには、複合工具12が、複合工具12を取付けるための工具用主軸の軸心CT4と複合工具12の軸心CT5とが一致するように、それぞれ着脱自在に取付けられる。
【0050】
図9に示すように、前記タレット10のタレット本体10aの複合工具用の工具取付けポジション40には、B軸割り出しモータ41と、前記タレット10の軸心CT2(図8参照)に対し放射方向に配置され、軸心CT6を中心として回転可能に支持され、かつ該B軸割り出しモータ41に接続された伝動軸42が設けられている。該伝動軸42の一端(紙面の下側)には、傘歯車43が固定されている。また、前記タレット10には、前記工具用主軸(図示せず)の軸心CT4と前記伝動軸42の軸心CT6との交点で、各軸心CT4、CT6と直交するB軸の軸心CT3を中心として旋回軸45が回転可能に支持され、該旋回軸45の一端には、前記傘歯車43と噛合う傘歯車46が固定されている。そして、前記旋回軸45は複合工具用の工具取付け部47に固定されている。
【0051】
従って、前記B軸割り出しモータ41を駆動させると、前記傘歯車43を矢印A、B方向に回転させ、前記工具取付け部47をB軸の軸心CT2を中心として矢印A、B方向に揺動させることができるようになっている。
【0052】
図10に示すように、前記工具取付け部47は、ベース部としてのハウジング48を有し、該ハウジング48の前後方向(後述する工具用主軸の軸心CT4方向)の両端に、ヘッドストック49とテールストック50が固定されている。前記テールストック50には、モータ51が固定され、その回転軸には、前記テールストック50に軸受52を介して回転及び摺動自在に支持されたジョイント53が固定されている。また、前記テールストック50には、端面に複数の歯が所定の間隔で放射状に形成された環状の固定用カップリング55が固定されている。
【0053】
前記ヘッドストック49には、前記複合工具12を取付けるための工具用主軸56が軸受57を介して回転及び摺動自在に支持されている。前記工具用主軸56をそのインデックス回転位置にクランプするためのクランプ手段58は、前記固定用カップリング55と主軸用カップリング56a及び後述する駆動手段61で構成される。前記主軸カップリング56aは、前記工具用主軸56の後端(紙面右側)に、前記固定用カップリング55と噛合うように所定の間隔で放射状形成された複数の歯により構成されている。また、前記工具用主軸56は、前記ジョイント53との間に複数の皿ばね60を介して、該ジョイント53に対し摺動自在に結合され、常に先端(紙面の左側)方向に付勢されている。
【0054】
前記モータ51は、例えば、ロータリエンコーダを内蔵したモータによって構成される。そして、前記モータ51は、前記工具用主軸56を連続して回転させるミル機能と、ロータリエンコーダにより回転角を検出して前記工具用主軸56のインデックス回転を行なう多点オリエント機能を兼ね備えている。従って、前記モータ51は、前記主軸カップリング56aと固定用カップリング55の噛合いを解除した状態で、前記工具用主軸56を連続回転もしくはインデックス回転等、所要の回転駆動を行なわせることができる。即ち、前記モータ51の多点オリエント機能は、前記工具用主軸56のインデックス手段を構成している。
【0055】
前記駆動手段61は、前記ハウジング48、ヘッドストック49、工具用主軸56及び軸受57で囲まれた環状の空間で形成される流体圧シリンダ62(以下、単にシリンダ62という)と、該シリンダ62に摺動自在に配置された環状のピストン65とにより構成されている。なお、前記ハウジング48には、前記シリンダ62に流体の供給、排出を行なうポート63が形成されている。そして、前記皿ばね60抗圧力と前記ピストン65に供給される流体圧により、前記工具用主軸56を矢印P、Q方向へ移動させる。
【0056】
前記シリンダ62に流体が供給されていない場合には、前記工具用主軸56は前記皿ばね60の抗圧力により矢印P方向に押され、前記主軸カップリング56aと前記固定用カップリング55の噛合わせが外れ、前記工具用主軸56の回転が可能になる。従って、前記シリンダ62に流体を供給しない状態では、前記工具用主軸56は、前記モータ51の多点オリエント機能によるインデックス回転もしくは通常の連続回転が可能である。そして、前記工具用主軸56を連続回転させることにより、ドリル加工、ミーリング加工等のミル加工を行なうことができる。
【0057】
また、前記シリンダ62に流体圧が供給され、前記ピストン65を介して前記工具用主軸56が矢印Q方向に移動すると、前記主軸カップリング56aが前記固定用カップリング55と噛合い、クランプ状態となって前記工具用主軸56の回転を規制する。従って、前記工具用主軸56をインデックス回転させた後、前記シリンダ62に流体圧を供給し該工具用主軸56をクランプすることにより、旋削加工を行なうことができる。
【0058】
なお、前記工具用主軸56をクランプした状態で、前記シリンダ62に対する流体圧の供給を止めると、前記工具用主軸56は、前記皿ばね60の抗圧力により矢印P方向に移動して、前記主軸カップリング56aと固定用カップリング55の噛合いが切離され、前記工具用主軸56のクランプが解除される。
【0059】
前記モータ51は、例えば、ゼネバ機構のような間歇回転機構を介して前記工具用主軸56を駆動するように構成し、該工具用主軸56のインデックス回転のみを行なうようにしてもよい。
【0060】
前記第2の実施の形態に示すタレット10を使用することにより、前記第1の実施の形態に示すタレット10(図2参照)と同様に、前記図2、図4乃至図7に示す各種の加工を行なうことができるほか、例えば、図11乃至図13に示す加工を行なうことができる。
【0061】
図11に示すように、前記ワーク6の外径の旋削を行なう場合には、加工プログラムに従って、前記複合工具12の刃具16aを選択して、前記ワーク6の軸心CT1に対する複合工具12の軸心CT5のB軸角度αを、例えば92度に位置決めする。前記複合工具12を固定すると共に、前記ワーク6を矢印F方向に所定回転数で回転させる。そして、前記ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16aを前記ワーク6の外周面に切り込ませることにより、前記ワーク6の外径を旋削することができる。
【0062】
図12に示すように、前記ワーク6の外径端面の旋削を行なう場合には、加工プログラムに従って、前記複合工具12の刃具16aを選択して、前記ワーク6の軸心CT1に対する前記複合工具12の軸心CT5のB軸角度αを、例えば91度に位置決めする。前記複合工具12を固定すると共に、前記ワーク6を矢印F方向に所定回転数で回転させる。そして、前記ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16aを前記ワーク6の端面に切り込ませることにより、前記ワーク6の外径端面を旋削することができる。
【0063】
図13に示すように、ワーク6の端面に、段差、溝等を形成するミーリング加工を行なう場合には、加工プログラムに従って、主軸3(即ち、ワーク6)の軸心CT1と複合工具12の軸心CT5とのB軸角度αを0度に位置決めする。また、主軸3(図8参照)を固定してチャック5で保持したワーク6を固定すると共に、前記工具用主軸56のクランプを解除し、回転可能な状態にする。そして、前記工具用主軸56を連続回転させ、前記複合工具12を所定の回転数で矢印I方向に連続回転させる。この状態で、前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させながら、複合工具12の刃具16aをワーク6の端面に切り込ませることにより、ミーリング加工を行なうことができる。
【0064】
なお、前記図11、図12に示す加工事例では、タレット旋盤1の刃物台7のタレットベース8aにB軸機能がない場合(図8参照)について説明したが、タレット旋盤1のタレットベース8にもB軸機能がある場合(図1参照)、又は複合工具用の工具取付けポジションにおける矢印A、B方向(図9参照)に十分なB軸回転角度を取ることが出来る場合には、前記図2、図4乃至図7、図11乃至図13に示す各種の加工を行なうことができるほか、例えば、図14、図15に示す加工を行なうことができる。
【0065】
図14に示すように、前記ワーク6の外径旋削により溝入れ加工を行なう場合には、加工プログラムに従って、刃具16cを選択して、前記タレットベース8のB軸機能又は前記工具取付けポジションのB軸機能により、前記ワーク6の軸心CT1に対する前記複合工具12の軸心CT5のB軸角度αを、例えば110度に位置決めする。前記複合工具12を固定すると共に、前記ワーク6を矢印F方向に所定回転数で回転させる。そして、前記ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16cを前記ワーク6の外周面に切り込ませることにより、前記ワーク6の外径に溝入れを行なうことができる。
【0066】
図15に示すように、前記ワーク6の外径旋削によりヌスミ加工を行なう場合には、加工プログラムに従って、刃具16cを選択して、前記タレットベース8のB軸機能又は前記工具取付けポジションのB軸機能により、前記ワーク6の軸心CT1に対する前記複合工具12の軸心CT5のB軸角度αを、例えば105度に位置決めする。前記複合工具12を固定すると共に、前記ワーク6を矢印F方向に所定回転数で回転させる。そして、前記ワーク6に対して前記タレット10を矢印X、Z方向に適宜移動させ、前記複合工具12の刃具16cを前記ワーク6の外周面に切り込ませることにより、前記ワーク6の外径にヌスミ加工を行なうことができる。
【0067】
図16は、本発明によるタレットの第3の実施の形態を示すもので、本発明によるタレットの複合工具を取付ける工具取付けポジションを示す平面図である。
【0068】
同図において、前記図8乃至図10と同じものは同じ符号を付けて示し、説明を省略する。B軸割り出しモータ41に結合された伝動軸42の一端にはクラッチ42aが形成されている。アダプタ67は、タレット10のタレット本体10aの複合工具用の工具取付けポジション40に着脱可能に固定されるベース部68を有し、該ベース部68に伝動軸70を回転可能に支持している。該伝動軸70の一端には、前記クラッチ42aと噛合うクラッチ70aが形成され、他端には、傘歯車46と噛合う傘歯車43が固定されている。そして、該傘歯車46に結合された旋回軸45に工具取付け部47が固定されている。その他の構成は、図10に示すものと同じ構成であり、タレット10の機能も前記第2の実施の形態と同じであるので、説明は省略する。
【0069】
このような構成とすることにより、前記タレット10には、B軸回転の駆動源となるB軸割り出しモータ41(既存のミル軸駆動用モータを兼用する形でもよい)と、伝動軸42を配置するだけでよく、タレット10の製作が容易になる。また、アダプタ67も前記タレット10とは別体として製作することが出来るので、その製作が容易になる。
【0070】
なお、前記第1の実施の形態における工具取付け部20(図2参照)を本実施の形態における工具取付け部47及びアダプタ67と同様にタレット10とは別体で形成し、後でタレット10に一体に固定するようにしてもよい。
【0071】
図17は、本発明によるタレットの第4の実施の形態を示すもので、本発明によるタレットにおける工具取付け部を示す平面図である。
【0072】
同図において、工具取付け部71は、ハウジング72内に工具用主軸(図示せず)を回転可能に支持し、該工具用主軸をエアーモータ73により回転駆動するように構成され、前記工具用主軸にドリル75等の回転工具を取付けるようになっている。
【0073】
そして、前記工具取付け部71を、例えば、前記第2、第3に実施の形態(図9、図16参照)におけるタレット10やアダプタ67に対し着脱自在とすると共に、前記各実施の形態における工具取付け部47もタレット10やアダプタ67に対し着脱自在とし、必要に応じて工具取付け部71と交換することにより、ドリル75やエンドミル(図示せず)によるミーリング加工を行なうことが出来る。
【0074】
図18は、本発明によるタレットの第5の実施の形態を示すもので、タレットに内蔵されたアダプタの平面断面図である。
【0075】
同図において、タレット旋盤1(図1、図8参照)のタレット10のタレット本体10aに形成された複数の工具取付けポジションの内、一つの工具取付けポジション76には、ミル主軸77とクラッチ78(例えば、油圧クラッチ、電動クラッチ等)が配置されている。また、該工具取付けポジション76には、工具取付け部としてのアダプタ80が配置され、前記タレット10の一部を構成している。
【0076】
前記アダプタ80は、前記タレット10の一部を構成するハウジング81を有し、該ハウジング81には、軸受82、82を介して軸心CT4を中心として回転自在に支持された工具用主軸83を有している。前記工具用主軸83の一端(図の左側)に前記複合工具12(又は、図示しないミーリング工具、以下同様)を、該工具用主軸83の軸心CT4と該複合工具12の軸心CT5が一致するように着脱自在に固定している。前記工具用主軸83の一端部(図の左側)には、該工具用主軸83をインデックス回転させたとき、そのインデックス位置で該工具用主軸83を固定するための複数個(前記複合工具12の刃具取付け位置の数と同数)の穴85(85a、85b、・・)が形成されている。また、前記工具用主軸83の他端部(図の右側)には、傘歯車86が固定されている。
【0077】
前記ハウジング81に固定された伝動軸ケース87には、軸受88、88を介して伝動軸90が軸心CT6を中心として回転自在に支持されている。そして、前記伝動軸90の一端は、前記クラッチ78を介して前記タレット10内に配置された前記ミル主軸77に接続される。前記伝動軸90の他端(図の下側)には、前記傘歯車86と噛合う傘歯車91が固定されている。従って、前記ミル主軸77の作動により前記伝動軸90が矢印I−J方向に回転駆動されると、前記工具用主軸83(即ち、複合工具12)が矢印I−J方向に回転駆動される。
【0078】
前記ミル主軸77は、例えば、ロータリエンコーダを内蔵したモータ(図示せず)によって回転駆動される。そして、該モータは、工具用主軸83を連続して回転させるミル機能と、ロータリエンコーダにより回転角を検出して前記工具用主軸のインデックス回転を行なう多点オリエント機能を兼ね備えている。即ち、前記モータの多点オリエント機能は、前記工具用主軸83のインデックス手段を構成する。なお、前記第4の実施の形態において、タレット10におけるB軸機能を使用しない場合、図16に示すB軸割り出しモータ41をミル主軸駆動モータとし、伝動軸42をミル主軸として、前記アダプタ67の取付け位置に前記アダプタ80を取付けるようにしてもよい。
【0079】
前記工具用主軸83をクランプするためのクランプ手段92は、前記工具用主軸83に形成された穴85(85a、85b、・・)と、前記ハウジング81の側面(図の左側)に配置されたクランプユニット93で構成され、該クランプユニット93は、前記穴85に対応するように前記ハウジング81に固定されている。前記クランプユニット93は、流体圧シリンダ95(以下、単にシリンダ95という)が形成され、その両端部には、流体の供給、排出を行なうためのポート96(96a、96b)が形成されている。前記シリンダ95には、ピストン97が摺動自在に装着され、該ピストン97の一端(図の下側)に前記工具用主軸83に形成された穴85(85a、85b、・・)に着脱自在に嵌合するテーパ状のクランプ部97aが形成されている。
【0080】
前記ハウジング81の前記クランプユニット93と隣接する位置には、それぞれ独立した流体圧シリンダ98a(98b)(図では、流体圧シリンダ98aのみ図示、以下、単にシリンダ98a(98b)という)が形成されている。前記シリンダ98a(98b)は、それぞれ流体通路100a、100bを介して前記クランプユニット93のシリンダ95に形成された前記ポート96a、96bと接続されている。前記シリンダ98a(98b)には、それぞれピストン101a(101b)(図では、ピストン101aのみ図示)が摺動自在に装着されている。
【0081】
そして、前記シリンダ95のピストン97の上部空間と前記流体通路100a及び前記シリンダ98aのピストン101aの下部空間と、前記シリンダ95のピストン97の下部空間(工具用主軸83側)と前記流体通路101b及び前記シリンダ98bのピストン101bの下部空間には、それぞれ流体が封入されている。操作ロッド102a(102b)(図では操作ロッド102aのみ図示)は、前記アダプタ80を前記タレット10(図1参照)に固定したとき、前記ピストン101a(101b)と微小な間隔で対向するように、前記タレット10に配置され、図示しない駆動源により矢印K−L方向に駆動される。
【0082】
そして、前記操作ロッド102aを矢印K方向に移動させ、前記ピストン101aを矢印K方向に押込むと、前記シリンダ98a内に封入された流体が流体通路100aを通り前記シリンダ95のピストン97の上部空間に供給される。すると、その流体圧により前記ピストン97が前記工具用主軸83側に向けて矢印K方向に移動し、その先端のクランプ部97aが前記工具用主軸83の穴85(85a、85b、・・)に嵌合して前記工具用主軸83をクランプしてその回転を規制する。このとき、前記ピストン101bは、前記シリンダ95のピストン97により押出され、前記流体通路100bから前記シリンダ98bに流入する流体によって矢印L方向に移動する。
【0083】
前述のように、前記ピストン97のクランプ部97aが前記工具用主軸83の穴85(85a、85b、・・)に嵌合し、該工具用主軸83の回転を規制しているクランプ状態では、前記複合工具12の刃具16a(16b、・・)を用いた旋削加工を行なうことができる。
【0084】
また、前記操作ロッド102bを矢印K方向に移動させ、前記ピストン101bを矢印K方向に押込むと、前記シリンダ98b内に封入された流体が流体通路100bを通り前記シリンダ95のピストン97の下部空間に供給される。すると、その流体圧により前記ピストン97が前記工具用主軸83から離間する矢印L方向に移動し、その先端のクランプ部97aが前記工具用主軸83の穴85(85a、85b、・・)から離脱して、前記工具用主軸83のクランプを解除する。このとき、前記ピストン101aは、前記シリンダ95のピストン97により押出され流体通路100aから前記シリンダ98aに流入する流体によって矢印L方向に移動する。
【0085】
前述のように、前記工具用主軸83のクランプを解除し、該工具用主軸83の回転を可能にした状態では、前記ミル主軸77を間歇回転させることにより、前記伝動軸90を介して、前記工具用主軸83をインデックス回転させ、前記複合工具12に配設された刃具16a、16b、・・の選択を行なうことができる。また、前記ミル主軸77を連続回転させることにより、前記伝動軸90を介して前記工具用主軸83を連続回転させることもできるので、前記複合工具12を連続回転させて行なうドリル加工、ミーリング加工等のミル加工を行なうことができる。即ち、前記アダプタ80を、タレットと一体に構成したとしても、前記各実施の形態と同様に、複合工具12を用いて前記図2、図4乃至図7、図11乃至図15に示す旋削加工やミーリング加工を行なうことができる。
【0086】
また、本実施の形態のように、工具用主軸83をインデックス回転あるいは連続回転させるミル主軸77をタレット本体10a側に設けることにより、アダプタ80側の小型化を図り、ワーク6との干渉等の恐れを少なくして、タレット旋盤の操作性を向上させることができる。
【0087】
図19は、本発明によるタレットの第6の実施の形態を示すもので、タレットに内蔵されたアダプタの平面断面図である。
【0088】
同図において、タレット旋盤1(図1、図8参照)のタレット10のタレット本体10aに形成された複数の工具取付けポジションの内、一つの工具取付けポジション76には、ミル主軸77とクラッチ78(例えば、油圧クラッチ、電動クラッチ等)が配置されている。また、該工具取付けポジション76には、工具取付け部としてのアダプタ110が配置され、タレット10に一部を構成している。
【0089】
前記アダプタ110は、前記タレット10の一部を構成するハウジング111を有し、該ハウジング111には、該ハウジング111と該ハウジング111に固定された軸受ケース112に軸受113、113を介して、軸心CT4を中心として回転自在に支持された工具用主軸115を有している。該工具用主軸115の一端(図の左側端)に前記複合工具12(又は、図示しないミーリング工具、以下同様)を、該工具用主軸115の軸心CT4と複合工具12の軸心CT5が一致するように着脱自在に固定している。前記工具用主軸115の中央部には、傘歯車116が固定されている。
【0090】
前記ハウジング111に固定された伝動軸ケース117には、軸受118、118を介して伝動軸120が軸心CT6を中心として回転自在に支持されている。そして、前記伝動軸120の一端は、前記クラッチ78を介して前記タレット10内に配置されたミル主軸77に接続される。前記伝動軸120の他端(図の下側)には、前記傘歯車116と噛合う傘歯車121が固定されている。そして、前記ミル主軸77の作動により前記伝動軸120が矢印I−J方向に回転駆動されると、前記工具用主軸115(即ち、複合工具12)を矢印I−J方向に回転駆動する。
【0091】
前記ミル主軸77は、例えば、ロータリエンコーダを内蔵したモータ(図示せず)によって回転駆動される。そして、該モータは、前記工具用主軸115を連続して回転させるミル機能と、ロータリエンコーダにより回転角を検出して前記工具用主軸115のインデックス回転を行なう多点オリエント機能を兼ね備えている。即ち、前記モータの多点オリエント機能は、前記工具用主軸115のインデックス手段を構成する。
【0092】
前記工具用主軸115をそのインデックス回転位置で固定するクランプ手段122は、三枚カップリング123とその駆動ユニット131で構成されている。なお、図19においては、前記三枚カップリング123の動作状態を示すために、前記工具用主軸115の上側にアンクランプ状態を、該工具用主軸115の下側にクランプ状態を示してある。
【0093】
前記三枚カップリング123は、端面に複数の歯が所定の間隔で放射状に形成され、前記工具用主軸115に固定された環状の主軸カップリング125と、端面に複数の歯が所定の間隔で放射状に形成され、前記主軸カップリング125の外周に位置するように前記軸受ケース112に固定された環状の固定用カップリング126と、これら主軸カップリング125と固定用カップリング126に対向する端面に前記主軸カップリング125及び固定用カップリング126の歯と噛合う複数の歯が所定の間隔で放射状に形成された環状のクランプカップリング127で構成される。該クランプカップリング127は、前記軸受ケース112に固定されたヘッドストック128とシールリング130で形成される環状の空間に、前記工具用主軸115の軸心CT4と平行な方向に摺動自在に支持されている。
【0094】
前記駆動ユニット131は、前記ハウジング111にそれぞれ独立して形成された一対の流体圧シリンダ132a(132b)(図では、シリンダ132aのみ図示、以下、単にシリンダ132a(132b)という)と、該シリンダ132a(132b)に摺動自在に装着されたピストン133a(133b)(図では、ピストン133aのみ図示)とにより構成されている。前記シリンダ132aは、流体通路135aを通して前記クランプカップリング127が装着された前記空間の一端(図の左側)に接続され、前記シリンダ132bは、流体通路136bを通して前記クランプカップリング127が装着された前記空間の他端(図の右側)に接続されている。
【0095】
そして、前記シリンダ132aとピストン133aで形成される空間と前記流体通路135a及び前記空間の一端(クランプカップリング127の左側空間)と、前記シリンダ132bとピストン133bで形成される空間と前記流体通路135b及び前記空間の他端(クランプカップリング127の右側空間)には、それぞれ流体が封入されている。操作ロッド136a(136b)(図では、操作ロッド136aのみ図示)は、前記ピストン133a(133b)と微小な間隔で対向するように、前記タレット10に配置され、図示しない駆動源により矢印K−L方向に駆動される。
【0096】
そして、前記操作ロッド136aを矢印K方向に移動させ、前記ピストン133aを矢印K方向に押込むと、前記シリンダ132a内に封入された流体が流体通路135aを通り、前記クランプカップリング127の左側空間に流入する。すると、その流体圧により前記クランプカップリング127が前記工具用主軸115の軸心CT4に沿って図面右側へ移動し、図19で前記工具用主軸115の下側に示すように、前記クランプカップリング127の歯が前記主軸カップリング125及び固定用カップリング126の歯と噛合い、前記クランプカップリング127を介して前記主軸カップリング125を前記固定用カップリング126に結合して、前記工具用主軸115の回転を規制するようにクランプする。このとき、前記ピストン133bは、前記クランプカップリング127の右側空間から押出され流体通路135bから前記シリンダ132bに流入する流体によって矢印L方向に移動する。
【0097】
前述のように、前記工具用主軸115の回転を規制しているクランプ状態では、前記複合工具12の刃具16a(16b、・・)を用いた旋削を行なうことができる。このように、前記三枚カップリング123を用いて前記工具用主軸115をクランプすることにより、高剛性で前記工具用主軸115をクランプすることができる。従って、前記工具用主軸115に固定された複合工具12の位置を高精度に維持することができ、より高精度な旋削加工を行なうことができる。
【0098】
また、前記操作ロッド136bを矢印K方向に移動させ、前記ピストン133bを矢印K方向に押込むと、前記シリンダ132b内に封入された流体が流体通路135bを通り前記クランプカップリング127の紙面右側の空間に流入する。すると、その流体圧により前記クランプカップリング127が前記工具用主軸115の軸心CT4に沿って図面左側へ移動し、図19で前記工具用主軸115の上側に示すように、前記クランプカップリング127が前記主軸カップリング125及び固定用カップリング126から離れ、それらの歯の噛合いが解除され前記工具用主軸115のクランプを解除して、該工具用主軸115の回転を可能にする。このとき、前記ピストン133aは、前記クランプカップリング127の左側空間から押出され流体通路135aから前記シリンダ132aに流入する流体によって矢印L方向に移動する。
【0099】
前述のように、前記工具用主軸115のクランプを解除し、該工具用主軸115の回転を可能にした状態では、前記ミル主軸77を間歇回転させることにより、前記伝動軸120を介して、前記工具用主軸115をインデックス回転させ、前記複合工具12に配設された刃具16a、16b、・・の選択を行なうことができる。また、前記ミル主軸77を連続回転させることにより、前記伝動軸120を介して前記工具用主軸115を連続回転させることもできるので、前記複合工具12を連続回転させて行なうドリル加工、ミーリング加工等のミル加工を行なうことができる。即ち、前記タレット10を、このような構成としても、前記各実施の形態と同様に、複合工具12を用いて前記図2、図4乃至図7、図11乃至図15に示す旋削加工やミーリング加工を行なうことができる。
【0100】
また、本実施の形態のように、工具用主軸115をインデックス回転あるいは連続回転させるミル主軸77をタレット本体10a側に設けることにより、アダプタ110側の小型化を図り、ワーク6との干渉等の恐れを少なくして、タレット旋盤の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタレットを用いたタレット旋盤の一例を示し、主軸台と刃物台の配置を示す平面図。
【図2】本発明によるタレットの複合工具用の工具取付けポジションを示す平面断面図。
【図3】図2における複合工具のインデックス回転機構とそのインデックス回転過程を示し、(a)〜(c)は、図2のI−I断面図、(d)〜(f)は、図2のII−II断面図。
【図4】本発明によるタレットに支持した複合工具によるワークの端面加工状態を示す概略図。
【図5】本発明によるタレットに支持した複合工具による内径加工状態を示す概略図。
【図6】図6は、本発明によるタレットに支持した複合工具による外径加工状態を示し、(a)は、外径溝加工、(b)は、外径ネジ加工状態を示す概略図。
【図7】本発明によるタレットに支持した複合工具による内径加工状態を示し、(a)は、内径溝加工、(b)は、内径ネジ加工状態を示す概略図。
【図8】タレット旋盤における主軸台と刃物台の配置を示す平面図。
【図9】本発明によるタレットの複合工具用の工具取付けポジションにおけるB軸回転機構を示す平面図。
【図10】本発明によるタレットの複合工具用の工具取付け部の構成を示す平面図。
【図11】本発明によるタレットを用いた外径の旋削加工状態を示す概略図。
【図12】本発明によるタレットを用いた外径端面の旋削加工状態を示す概略図。
【図13】本発明によるタレットを用いた外径端面のミーリング加工状態を示す概略図。
【図14】本発明によるタレットを用いた外径の旋削加工状態を示す概略図。
【図15】本発明によるタレットを用いた外径のヌスミ加工状態を示す概略図。
【図16】本発明によるタレットの複合工具を取付ける工具取付けポジションを示す平面図。
【図17】本発明によるタレットにおける工具取付け部を示す平面図。
【図18】本発明によるタレットに内臓されるアダプタの平面断面図。
【図19】本発明によるタレットに内臓されるアダプタの平面断面図。
【符号の説明】
10a…タレット本体
12…複合工具
21…主軸ハウジング(ハウジング)
23…工具用主軸
25a〜25d…係合部(平面)
26…インデックス手段(操作部)
28…インデックス手段(操作部)
27a〜27d…係合部(平面)
32…インデックス手段、クランプ手段、アクチュエータ(ピストン)、
32a…クランプ面
33…アクチュエータ
37…インデックス手段(ピストン)
38…アクチュエータ
41…第1の回転駆動手段(B軸割り出しモータ)
48…主軸ハウジング(ハウジング)
51…第2の回転駆動手段(モータ)
56…工具用主軸
58…クランプ手段
77…第3の回転駆動手段(ミル主軸)
81…主軸ハウジング(ハウジング)
83…工具用主軸
92…クランプ手段
111…主軸ハウジング(ハウジング)
115…工具用主軸
120…回転駆動手段(伝動軸)
122…クランプ手段
CT3…軸心
CT4…軸心
Claims (9)
- タレット本体を有し、
該タレット本体に、複合工具を着脱自在に取付け得る工具用主軸を、該工具用主軸の軸心を中心に回転可能に設け、
前記タレット本体に、前記工具用主軸をインデックス回転させることのできるインデックス手段を設け、
前記タレット本体に、前記工具用主軸を前記インデックス手段によりインデックス回転させたインデックス位置でクランプするクランプ手段を設け、
て構成したことを特徴とするタレット旋盤用タレット。 - 前記インデックス手段は、
前記工具用主軸の周囲に、前記インデックス位置に対応して形成された複数の係合部と、
前記係合部と係合して前記工具用主軸を所定角度回転駆動することのできる往復駆動自在に設けられたアクチュエータと、
を有する、請求項1記載のタレット旋盤用タレット。 - 前記クランプ手段は、
前記アクチュエータに、前記工具用主軸の係合部と係合自在に形成されたクランプ面を有する、
請求項1記載のタレット旋盤用タレット。 - 前記タレット本体に、
第1の回転駆動手段を設け、
前記工具用主軸を、前記第1の回転駆動手段によって、該工具用主軸の軸心と直交する軸心を中心として回転駆動自在なるように配置した、
ことを特徴とする、請求項1記載のタレット旋盤のタレット。 - 前記工具用主軸を、主軸ハウジングを介して前記第1回転駆動手段により回転駆動自在なるように配置し、
前記インデックス手段は、前記主軸ハウジングに配置され、前記工具用主軸を該工具用主軸の軸心を中心に回転駆動し得る第2の回転駆動手段を有する、
ことを特徴とする、請求項4記載のタレット旋盤用タレット。 - 前記第2の回転駆動手段は、
前記工具用主軸をインデックス回転させて該工具用主軸のインデックスを行なうインデックス手段と、前記工具用主軸を連続回転させて複合工具によるミーリング加工をさせ得るミーリング駆動手段を兼ねる、
ことを特徴とする、請求項5記載のタレット旋盤のタレット。 - 前記主軸ハウジングを前記タレット本体に対して着脱自在に設けて構成した、
請求項5記載のタレット旋盤用タレット。 - 前記タレット本体に、第3の回転駆動手段を、該第3の回転駆動手段により前記工具用主軸を該工具用主軸の軸心を中心に回転自在に設けて構成した、
請求項1記載のタレット旋盤用タレット。 - 前記第3の回転駆動手段は、前記インデックス手段と、前記工具用主軸を連続回転させて複合工具によりミーリング加工を行ない得るミーリング駆動手段を兼ねる、
ことを特徴とする請求項8記載のタレット旋盤用タレット。
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