JP2004027425A - 裏地織物 - Google Patents
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Abstract
【課題】表地表面上に裏地のタテ糸またはヨコ糸を構成する繊維が飛び出す、いわゆる吹き出しを防止する裏地織物の提供。
【解決手段】5〜30個/mの交絡を有するトータル繊度56〜111デシテックスの非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をタテ糸として含み、トータル繊度56〜111デシテックスの捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をヨコ糸として含む裏地織物であり、かつ下記式で表される織物のカバーファクター(CF)が、1400×a≦CF≦1800×a(ただし、aは織物組織係数を示し、平組織の場合1.0、綾組織の場合1.35、朱子組織の場合1.65である)の範囲にあることを特徴とする裏地織物。
CF=x・d1/2 +y・d’1/2
x :織物の1インチ当たりのタテ糸本数
y :織物の1インチ当たりのヨコ糸本数
d :タテ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
d’:ヨコ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
【選択図】なし
【解決手段】5〜30個/mの交絡を有するトータル繊度56〜111デシテックスの非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をタテ糸として含み、トータル繊度56〜111デシテックスの捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をヨコ糸として含む裏地織物であり、かつ下記式で表される織物のカバーファクター(CF)が、1400×a≦CF≦1800×a(ただし、aは織物組織係数を示し、平組織の場合1.0、綾組織の場合1.35、朱子組織の場合1.65である)の範囲にあることを特徴とする裏地織物。
CF=x・d1/2 +y・d’1/2
x :織物の1インチ当たりのタテ糸本数
y :織物の1インチ当たりのヨコ糸本数
d :タテ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
d’:ヨコ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表地表面上に裏地のタテ糸またはヨコ糸を構成する繊維が飛び出す、いわゆる吹き出しを防止する裏地織物に関し、さらに詳しくは、密度的に粗い表地と組み合わせて使用した場合でも吹き出しを防止でき、かつ製造コスト、生産性に優れる裏地織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、縫製における裏地の切断端縁はオーバーロックミシン掛け、もしくは縁かがり等を行い、糸等のホツレを防止していたが、近年は縫製工程の合理化から、ホツレ防止を目的とした処理を施すことなく縫製されることが多い。このため、比較的密度の粗い表地や薄地の表地において、着用時に裏地織物を構成するタテ糸もしくはヨコ糸の繊維が表地表面に飛び出し、外観品位を著しく損なうという問題がある。この現象は、強力が比較的大きい合成繊維マルチフィラメント糸を用いた裏地織物で顕著に発生する。
【0003】
該欠点を改良するため、タテ糸やヨコ糸に交絡や追撚を施す方法等、種々試みられてきた。例えば、タテ糸およびヨコ糸の両者に交絡および追撚を施した裏地織物(特公平6−60441号公報)や、タテ糸を非交絡糸の追撚糸とし、ヨコ糸を交絡糸の無撚糸とする裏地織物(特許第3226843号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平6−60441号公報で提案された裏地織物は、タテ糸およびヨコ糸の両者に交絡および追撚を施すものであり、特許第3226843号公報で提案された裏地織物は、タテ糸に追撚糸を用いるものである。これらに用いられるタテ糸は、裏地織物に通常使用される無撚糸ではなく追撚糸であるため、撚糸工程に掛かるコストアップ、製織工程の品種切替等に伴うタテ糸ビーム切替に起因するコストアップ、生産性低下、少ロット生産化や短納期化への対応不良等の問題があった。
【0005】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、表地表面上に裏地のタテ糸またはヨコ糸を構成する繊維が飛び出す、いわゆる吹き出しを防止する裏地織物に関し、さらに詳しくは、密度的に粗い表地と組み合わせて使用した場合でも吹き出しを防止でき、かつ製造コストや生産性等に優れる裏地織物を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、以下の手段を採用するものである。すなわち、
(1)5〜30個/mの交絡を有するトータル繊度56〜111デシテックスの非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をタテ糸として含み、トータル繊度56〜111デシテックスの捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をヨコ糸として含む裏地織物であり、かつ下記式で表される織物のカバーファクター(CF)が、1400×a≦CF≦1800×a(ただし、aは織物組織係数を示し、平組織の場合1.0、綾組織の場合1.35、朱子組織の場合1.65である)の範囲にあることを特徴とする裏地織物。
【0007】
CF=x・d1/2 +y・d’1/2
x :織物の1インチ当たりのタテ糸本数
y :織物の1インチ当たりのヨコ糸本数
d :タテ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
d’:ヨコ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
(2)タテ糸の少なくとも一部が、カチオン染料では染色されないレギュラーポリエステル繊維であり、ヨコ糸の少なくとも一部が、カチオン染料で染色されるカチオン可染ポリエステル繊維であることを特徴とする前記(1)に記載の裏地織物。
【0008】
(3)ヨコ糸の少なくとも一部が、原着繊維であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の裏地織物。
【0009】
(4)ヨコ糸の少なくとも一部が、タテ糸と異なる色に染色および/または着色されていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の裏地織物。
【0010】
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の裏地織物を用いたことを特徴とする裏地。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題、つまり表地表面上に裏地のタテ糸またはヨコ糸を構成する繊維が飛び出す、いわゆる吹き出しを防止する裏地織物に関し、さらに詳しくは、密度的に粗い表地と組み合わせて使用した場合でも吹き出しを防止でき、かつ製造コストや生産性等に優れる裏地織物について、鋭意検討し、5〜30個/mの交絡を有するトータル繊度56〜111デシテックスの非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をタテ糸として含み、トータル繊度56〜111デシテックスの捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をヨコ糸として含む裏地織物であり、かつ下記式で表される織物のカバーファクター(CF)が、1400×a≦CF≦1800×a(ただし、aは織物組織係数を示し、平組織の場合1.0、綾組織の場合1.35、朱子組織の場合1.65である)の範囲にあることを特徴とする裏地織物にしたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0012】
CF=x・d1/2 +y・d’1/2
x :織物の1インチ当たりのタテ糸本数
y :織物の1インチ当たりのヨコ糸本数
d :タテ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
d’:ヨコ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
本発明の裏地織物は、5〜30個/mの交絡を有するトータル繊度56〜111デシテックスの非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をタテ糸として含むものである。
【0013】
上記の非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸(捲縮のないストレートな合成繊維マルチフィラメント糸)の交絡数が5〜30個/mの時、繊維のバラケ抑制効果ならびに切断端縁からのホツレ抑制効果が十分に得られ、表地表面への吹き出しに対して満足できる抑制効果が得られるとともに、イラツキと平滑性に優れた高品位の裏地織物が得られる。しかしながら、上記非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の交絡数が5個/m未満の場合は、繊維のバラケ抑制効果ならびに切断端縁からのホツレ抑制効果が十分に得られないため、表地表面への吹き出しに対して満足できる抑制効果が得られず、また、該非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の交絡数が30個/mを超える場合は、交絡部が目立つことによりイラツキが生じ、かつ表面平滑性が低下するため、裏地織物として満足できる品位が得られない。
【0014】
なお、本発明における交絡数の値は、長さ1mのフィラメント糸試料にトータルデシテックス×0.18gの加重を掛け、フックドロップ法で交絡部の数を求める方法により得た値である。
【0015】
本発明で用いる上記非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸は、通常、未延伸糸や半延伸糸(POY)の延伸処理により得られるが、特に限定されるものではなく、公知の任意の製造方法により得ることができる。また、該非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸への交絡付与は、通常、インターレースノズル等を用いた流体処理により行われるが、特に限定されるものではなく、流体攪乱ノズルなどの、いわゆるタスランノズル等を用いてもよく、公知の任意の交絡付与手段を用いることができる。
【0016】
上記非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸のトータル繊度については、56デシテックス未満の場合や111デシテックスを超える場合は、裏地織物としての用途には風合い面から適さない。また、上記非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸を用いることにより、製造コスト、生産に優れた裏地織物を得ることができる。タテ糸に非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の追撚糸や捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸または追撚糸を用いた場合、裏地織物のタテ糸として通常使用される、非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸を使用した場合には生じない、撚糸工程に掛かるコストアップや製織工程の品種切替等に伴うタテ糸ビーム切替に起因するコストアップ、生産性低下、少ロット生産化や短納期化への対応不良等の問題が発生する。
【0017】
なお、本発明において、無撚糸とは、撚糸工程による追撚を施していない糸を意味しており、紡糸工程におけるボビン巻き取りに起因する10〜20T/m程度の撚りが入った糸を包括するものである。
【0018】
本発明の裏地織物は、トータル繊度56〜111デシテックスの捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をヨコ糸として含むものである。
【0019】
該捲縮合成繊維マルチフィラメント糸のトータル繊度が56デシテックス未満の場合や111デシテックスを超える場合は、裏地織物としての用途には風合い面から適さない。なお、上記捲縮合成繊維マルチフィラメント糸は、公知の任意の手段により捲縮を付与した合成繊維マルチフィラメント糸を用いることができるが、特に、仮撚捲縮加工が施された合成繊維マルチフィラメント糸が好ましく用いられる。仮撚捲縮加工は、スピンドル式、内接摩擦仮撚式、外接摩擦仮撚式等、公知の任意の製造方法により行うことができる。また、捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸を用いることにより、製造コスト、生産に優れた裏地織物を得ることができる。
【0020】
さらに、本発明の裏地織物は、下記式で表される織物のカバーファクター(CF)が、1400×a≦CF≦1800×a(ただし、aは織物組織係数を示し、平組織の場合1.0、綾組織の場合1.35、朱子組織の場合1.65である)の範囲にあるものである。織物のカバーファクター(CF)が、1400×a未満の場合は、織物組織の拘束力が弱く、吹き出し防止が難しくなり、かつ織物物性的にも問題を生じ、1800×aを超える場合は、風合いが粗硬となり、裏地に適した風合いを得るには過度の減量加工等が必要となり、コストアップ、生産性低下を招くため不適当である。
【0021】
CF=x・d1/2 +y・d’1/2
x :織物の1インチ当たりのタテ糸本数
y :織物の1インチ当たりのヨコ糸本数
d :タテ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
d’:ヨコ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
なお、織物のカバーファクターは裏地の製品状態でのものである。
【0022】
本発明で用いる合成繊維マルチフィラメント糸は、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸やポリエチレングリコールを共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維やナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド繊維等が好ましく使用される。
【0023】
なお、本発明の裏地織物の組織は、平織、綾組織に限らず、その他の各種の変化組織を広い範囲から採用できる。また、製織方法としては、従来公知の方法がいずれも使用できる。織機としては、例えば、フライシャットル式、エアージェット式、ウォータージェット式、レピア式、スルザー式の何れの方式の織機を使用しても良い。得られた生機は、減量加工を含む、通常の染色加工で仕上げることができる。
【0024】
また、吹き出し防止性、製造コスト、生産性に優れた裏地織物として、タテ糸の少なくとも一部に、カチオン染料では染色されないレギュラーポリエステル繊維からなり、かつ本発明の特徴を満足する非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸を用い、ヨコ糸の少なくとも一部に、カチオン染料で染色されるカチオン可染ポリエステル繊維および/または黒原着繊維等の原着繊維からなり、かつ本発明の特徴を満足する捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸を用いた生機を、通常の染色加工により、ヨコ糸の少なくとも一部がタテ糸の少なくとも一部と異なる色に染色および/または着色されることにより得られた、本発明の特徴を満足するストライプ柄やシャンブレー柄の裏地織物を挙げることができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中での吹き出し防止性評価は次の方法に従った。
・試験片の作成
表地の処理 :紳士用サマースーツに好適に用いられる、密度の粗いウール生地を表地とする。該表地をタテ20cm×ヨコ22cmに切断し、中表になるようヨコ方向を2つ折り(タテ20cm×ヨコ11cm)にした後、2枚が重なる側の長辺(タテ)および一方の短辺(ヨコ)を、縫い代1cmで本縫いミシンで縫合する。その後、裏返しにする。
【0026】
裏地の処理 :裏地織物をタテ3cm×ヨコ3cmに切断したものを20枚作成する。
【0027】
試験片の作成:処理した袋状の表地に、処理したタテ3cm×ヨコ3cm裏地20枚と直径3cmのスーパーボール4個を入れ、本縫いミシンで口を閉じ、これを試験片とする。
・試験操作
試験片2個を1セットにして、ICI形ピリング試験機に入れ、5時間運転する。
・判定基準
目視判定により、○を合格とし、△および×を不合格とした。
【0028】
○:吹き出しが認められない
△:吹き出しがやや認められる
×:吹き出しが著しく認められる
(実施例1)
タテ糸に、20個/mの交絡を付与した無撚の、56デシテックス、18フィラメントの非捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用い、ヨコ糸に、仮撚加工して得られた、84デシテックス、36フィラメントの無撚の捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用いて、タテ密度103本/インチ、ヨコ密度86本/インチのタフタ生機を作製した。
【0029】
得られた生機を常法により、精練/液流染色機にて分散染料を用いて染色加工を行い、タテ密度106本/インチ、ヨコ密度88本/インチに仕上げて濃紺色のタフタ裏地織物を得た。この場合、織物のカバーファクター(CF)は1600であった。得られた裏地織物の評価結果を表1に示す。吹き出し防止性は優れたものであった。
【0030】
(実施例2)
タテ糸に、10個/mの交絡を付与した無撚の、84デシテックス、36フィラメントの非捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用い、ヨコ糸に、仮撚加工して得られた、84デシテックス、36フィラメントの無撚の捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸および仮撚加工して得られた、84デシテックス、36フィラメントの無撚の捲縮糸である、黒原着ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用いて、タテ密度97本/インチ、ヨコ密度86本/インチのヨコストライプ柄タフタ生機を作成した。
【0031】
得られた生機を常法により、精練/液流染色機にて茶色の分散染料を用いて染色加工を行い、タテ密度100本/インチ、ヨコ密度88本/インチに仕上げて淡茶色と黒色のヨコストライプ柄タフタ裏地織物を得た。この場合、織物のカバーファクター(CF)は1723であった。得られた裏地織物の評価結果を表1に示す。吹き出し防止性は優れたものであった。
【0032】
(実施例3)
タテ糸に、20個/mの交絡を付与した無撚の、56デシテックス、18フィラメントの非捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用い、ヨコ糸に、仮撚加工して得られた、84デシテックス、36フィラメントの無撚の捲縮糸である、カチオン可染ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用いて、タテ密度156本/インチ、ヨコ密度86本/インチのツイル生機を作成した。
【0033】
得られた生機を常法により、精練/液流染色機にて黒色の分散染料と青色のカチオン染料を用いて染色加工を行い、タテ密度161本/インチ、ヨコ密度91本/インチに仕上げて、タテ糸が淡灰色、ヨコ糸が青色のシャンブレーツイル裏地織物を得た。この場合、織物のカバーファクター(CF)は2039であった。得られた裏地織物の評価結果を表1に示す。吹き出し防止性は優れたものであった。
【0034】
(比較例1)
タテ糸に、交絡を付与しない、56デシテックス、18フィラメントの非捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用いる以外は、実施例1と同様に行い、タテ密度106本/インチ、ヨコ密度88本/インチに仕上げて濃紺色のタフタ裏地織物を得た。この場合、織物のカバーファクター(CF)は1600であった。得られた裏地織物の評価結果を表1に示す。吹き出し防止性は満足できるものではなかった。
【0035】
(比較例2)
ヨコ糸に、84デシテックス、36フィラメントの非捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を使用する以外は、実施例1と同様に行い、タテ密度106本/インチ、ヨコ密度88本/インチに仕上げて濃紺色のタフタ裏地織物を得た。この場合、織物のカバーファクター(CF)は1600であった。得られた裏地織物の評価結果を表1に示す。吹き出し防止性は満足できるものではなかった。
【0036】
(比較例3)
ヨコ糸に、84デシテックス、36フィラメントの非捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を902T/m追撚した糸を使用する以外は、実施例1と同様に行い、タテ密度106本/インチ、ヨコ密度88本/インチに仕上げて濃紺色のタフタ裏地織物を得た。この場合、織物のカバーファクター(CF)は1600であった。得られた裏地織物の評価結果を表1に示す。吹き出し防止性は満足できるものではなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、表地表面上に裏地のタテ糸またはヨコ糸を構成する繊維が飛び出す、いわゆる吹き出しを防止する裏地織物、さらに詳しくは、密度的に粗い表地と組み合わせて使用した場合でも吹き出しを防止でき、かつ製造コストや生産性等に優れる裏地織物を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、表地表面上に裏地のタテ糸またはヨコ糸を構成する繊維が飛び出す、いわゆる吹き出しを防止する裏地織物に関し、さらに詳しくは、密度的に粗い表地と組み合わせて使用した場合でも吹き出しを防止でき、かつ製造コスト、生産性に優れる裏地織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、縫製における裏地の切断端縁はオーバーロックミシン掛け、もしくは縁かがり等を行い、糸等のホツレを防止していたが、近年は縫製工程の合理化から、ホツレ防止を目的とした処理を施すことなく縫製されることが多い。このため、比較的密度の粗い表地や薄地の表地において、着用時に裏地織物を構成するタテ糸もしくはヨコ糸の繊維が表地表面に飛び出し、外観品位を著しく損なうという問題がある。この現象は、強力が比較的大きい合成繊維マルチフィラメント糸を用いた裏地織物で顕著に発生する。
【0003】
該欠点を改良するため、タテ糸やヨコ糸に交絡や追撚を施す方法等、種々試みられてきた。例えば、タテ糸およびヨコ糸の両者に交絡および追撚を施した裏地織物(特公平6−60441号公報)や、タテ糸を非交絡糸の追撚糸とし、ヨコ糸を交絡糸の無撚糸とする裏地織物(特許第3226843号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平6−60441号公報で提案された裏地織物は、タテ糸およびヨコ糸の両者に交絡および追撚を施すものであり、特許第3226843号公報で提案された裏地織物は、タテ糸に追撚糸を用いるものである。これらに用いられるタテ糸は、裏地織物に通常使用される無撚糸ではなく追撚糸であるため、撚糸工程に掛かるコストアップ、製織工程の品種切替等に伴うタテ糸ビーム切替に起因するコストアップ、生産性低下、少ロット生産化や短納期化への対応不良等の問題があった。
【0005】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、表地表面上に裏地のタテ糸またはヨコ糸を構成する繊維が飛び出す、いわゆる吹き出しを防止する裏地織物に関し、さらに詳しくは、密度的に粗い表地と組み合わせて使用した場合でも吹き出しを防止でき、かつ製造コストや生産性等に優れる裏地織物を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、以下の手段を採用するものである。すなわち、
(1)5〜30個/mの交絡を有するトータル繊度56〜111デシテックスの非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をタテ糸として含み、トータル繊度56〜111デシテックスの捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をヨコ糸として含む裏地織物であり、かつ下記式で表される織物のカバーファクター(CF)が、1400×a≦CF≦1800×a(ただし、aは織物組織係数を示し、平組織の場合1.0、綾組織の場合1.35、朱子組織の場合1.65である)の範囲にあることを特徴とする裏地織物。
【0007】
CF=x・d1/2 +y・d’1/2
x :織物の1インチ当たりのタテ糸本数
y :織物の1インチ当たりのヨコ糸本数
d :タテ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
d’:ヨコ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
(2)タテ糸の少なくとも一部が、カチオン染料では染色されないレギュラーポリエステル繊維であり、ヨコ糸の少なくとも一部が、カチオン染料で染色されるカチオン可染ポリエステル繊維であることを特徴とする前記(1)に記載の裏地織物。
【0008】
(3)ヨコ糸の少なくとも一部が、原着繊維であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の裏地織物。
【0009】
(4)ヨコ糸の少なくとも一部が、タテ糸と異なる色に染色および/または着色されていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の裏地織物。
【0010】
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の裏地織物を用いたことを特徴とする裏地。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題、つまり表地表面上に裏地のタテ糸またはヨコ糸を構成する繊維が飛び出す、いわゆる吹き出しを防止する裏地織物に関し、さらに詳しくは、密度的に粗い表地と組み合わせて使用した場合でも吹き出しを防止でき、かつ製造コストや生産性等に優れる裏地織物について、鋭意検討し、5〜30個/mの交絡を有するトータル繊度56〜111デシテックスの非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をタテ糸として含み、トータル繊度56〜111デシテックスの捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をヨコ糸として含む裏地織物であり、かつ下記式で表される織物のカバーファクター(CF)が、1400×a≦CF≦1800×a(ただし、aは織物組織係数を示し、平組織の場合1.0、綾組織の場合1.35、朱子組織の場合1.65である)の範囲にあることを特徴とする裏地織物にしたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0012】
CF=x・d1/2 +y・d’1/2
x :織物の1インチ当たりのタテ糸本数
y :織物の1インチ当たりのヨコ糸本数
d :タテ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
d’:ヨコ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
本発明の裏地織物は、5〜30個/mの交絡を有するトータル繊度56〜111デシテックスの非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をタテ糸として含むものである。
【0013】
上記の非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸(捲縮のないストレートな合成繊維マルチフィラメント糸)の交絡数が5〜30個/mの時、繊維のバラケ抑制効果ならびに切断端縁からのホツレ抑制効果が十分に得られ、表地表面への吹き出しに対して満足できる抑制効果が得られるとともに、イラツキと平滑性に優れた高品位の裏地織物が得られる。しかしながら、上記非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の交絡数が5個/m未満の場合は、繊維のバラケ抑制効果ならびに切断端縁からのホツレ抑制効果が十分に得られないため、表地表面への吹き出しに対して満足できる抑制効果が得られず、また、該非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の交絡数が30個/mを超える場合は、交絡部が目立つことによりイラツキが生じ、かつ表面平滑性が低下するため、裏地織物として満足できる品位が得られない。
【0014】
なお、本発明における交絡数の値は、長さ1mのフィラメント糸試料にトータルデシテックス×0.18gの加重を掛け、フックドロップ法で交絡部の数を求める方法により得た値である。
【0015】
本発明で用いる上記非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸は、通常、未延伸糸や半延伸糸(POY)の延伸処理により得られるが、特に限定されるものではなく、公知の任意の製造方法により得ることができる。また、該非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸への交絡付与は、通常、インターレースノズル等を用いた流体処理により行われるが、特に限定されるものではなく、流体攪乱ノズルなどの、いわゆるタスランノズル等を用いてもよく、公知の任意の交絡付与手段を用いることができる。
【0016】
上記非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸のトータル繊度については、56デシテックス未満の場合や111デシテックスを超える場合は、裏地織物としての用途には風合い面から適さない。また、上記非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸を用いることにより、製造コスト、生産に優れた裏地織物を得ることができる。タテ糸に非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の追撚糸や捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸または追撚糸を用いた場合、裏地織物のタテ糸として通常使用される、非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸を使用した場合には生じない、撚糸工程に掛かるコストアップや製織工程の品種切替等に伴うタテ糸ビーム切替に起因するコストアップ、生産性低下、少ロット生産化や短納期化への対応不良等の問題が発生する。
【0017】
なお、本発明において、無撚糸とは、撚糸工程による追撚を施していない糸を意味しており、紡糸工程におけるボビン巻き取りに起因する10〜20T/m程度の撚りが入った糸を包括するものである。
【0018】
本発明の裏地織物は、トータル繊度56〜111デシテックスの捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をヨコ糸として含むものである。
【0019】
該捲縮合成繊維マルチフィラメント糸のトータル繊度が56デシテックス未満の場合や111デシテックスを超える場合は、裏地織物としての用途には風合い面から適さない。なお、上記捲縮合成繊維マルチフィラメント糸は、公知の任意の手段により捲縮を付与した合成繊維マルチフィラメント糸を用いることができるが、特に、仮撚捲縮加工が施された合成繊維マルチフィラメント糸が好ましく用いられる。仮撚捲縮加工は、スピンドル式、内接摩擦仮撚式、外接摩擦仮撚式等、公知の任意の製造方法により行うことができる。また、捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸を用いることにより、製造コスト、生産に優れた裏地織物を得ることができる。
【0020】
さらに、本発明の裏地織物は、下記式で表される織物のカバーファクター(CF)が、1400×a≦CF≦1800×a(ただし、aは織物組織係数を示し、平組織の場合1.0、綾組織の場合1.35、朱子組織の場合1.65である)の範囲にあるものである。織物のカバーファクター(CF)が、1400×a未満の場合は、織物組織の拘束力が弱く、吹き出し防止が難しくなり、かつ織物物性的にも問題を生じ、1800×aを超える場合は、風合いが粗硬となり、裏地に適した風合いを得るには過度の減量加工等が必要となり、コストアップ、生産性低下を招くため不適当である。
【0021】
CF=x・d1/2 +y・d’1/2
x :織物の1インチ当たりのタテ糸本数
y :織物の1インチ当たりのヨコ糸本数
d :タテ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
d’:ヨコ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
なお、織物のカバーファクターは裏地の製品状態でのものである。
【0022】
本発明で用いる合成繊維マルチフィラメント糸は、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸やポリエチレングリコールを共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維やナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド繊維等が好ましく使用される。
【0023】
なお、本発明の裏地織物の組織は、平織、綾組織に限らず、その他の各種の変化組織を広い範囲から採用できる。また、製織方法としては、従来公知の方法がいずれも使用できる。織機としては、例えば、フライシャットル式、エアージェット式、ウォータージェット式、レピア式、スルザー式の何れの方式の織機を使用しても良い。得られた生機は、減量加工を含む、通常の染色加工で仕上げることができる。
【0024】
また、吹き出し防止性、製造コスト、生産性に優れた裏地織物として、タテ糸の少なくとも一部に、カチオン染料では染色されないレギュラーポリエステル繊維からなり、かつ本発明の特徴を満足する非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸を用い、ヨコ糸の少なくとも一部に、カチオン染料で染色されるカチオン可染ポリエステル繊維および/または黒原着繊維等の原着繊維からなり、かつ本発明の特徴を満足する捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸を用いた生機を、通常の染色加工により、ヨコ糸の少なくとも一部がタテ糸の少なくとも一部と異なる色に染色および/または着色されることにより得られた、本発明の特徴を満足するストライプ柄やシャンブレー柄の裏地織物を挙げることができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中での吹き出し防止性評価は次の方法に従った。
・試験片の作成
表地の処理 :紳士用サマースーツに好適に用いられる、密度の粗いウール生地を表地とする。該表地をタテ20cm×ヨコ22cmに切断し、中表になるようヨコ方向を2つ折り(タテ20cm×ヨコ11cm)にした後、2枚が重なる側の長辺(タテ)および一方の短辺(ヨコ)を、縫い代1cmで本縫いミシンで縫合する。その後、裏返しにする。
【0026】
裏地の処理 :裏地織物をタテ3cm×ヨコ3cmに切断したものを20枚作成する。
【0027】
試験片の作成:処理した袋状の表地に、処理したタテ3cm×ヨコ3cm裏地20枚と直径3cmのスーパーボール4個を入れ、本縫いミシンで口を閉じ、これを試験片とする。
・試験操作
試験片2個を1セットにして、ICI形ピリング試験機に入れ、5時間運転する。
・判定基準
目視判定により、○を合格とし、△および×を不合格とした。
【0028】
○:吹き出しが認められない
△:吹き出しがやや認められる
×:吹き出しが著しく認められる
(実施例1)
タテ糸に、20個/mの交絡を付与した無撚の、56デシテックス、18フィラメントの非捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用い、ヨコ糸に、仮撚加工して得られた、84デシテックス、36フィラメントの無撚の捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用いて、タテ密度103本/インチ、ヨコ密度86本/インチのタフタ生機を作製した。
【0029】
得られた生機を常法により、精練/液流染色機にて分散染料を用いて染色加工を行い、タテ密度106本/インチ、ヨコ密度88本/インチに仕上げて濃紺色のタフタ裏地織物を得た。この場合、織物のカバーファクター(CF)は1600であった。得られた裏地織物の評価結果を表1に示す。吹き出し防止性は優れたものであった。
【0030】
(実施例2)
タテ糸に、10個/mの交絡を付与した無撚の、84デシテックス、36フィラメントの非捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用い、ヨコ糸に、仮撚加工して得られた、84デシテックス、36フィラメントの無撚の捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸および仮撚加工して得られた、84デシテックス、36フィラメントの無撚の捲縮糸である、黒原着ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用いて、タテ密度97本/インチ、ヨコ密度86本/インチのヨコストライプ柄タフタ生機を作成した。
【0031】
得られた生機を常法により、精練/液流染色機にて茶色の分散染料を用いて染色加工を行い、タテ密度100本/インチ、ヨコ密度88本/インチに仕上げて淡茶色と黒色のヨコストライプ柄タフタ裏地織物を得た。この場合、織物のカバーファクター(CF)は1723であった。得られた裏地織物の評価結果を表1に示す。吹き出し防止性は優れたものであった。
【0032】
(実施例3)
タテ糸に、20個/mの交絡を付与した無撚の、56デシテックス、18フィラメントの非捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用い、ヨコ糸に、仮撚加工して得られた、84デシテックス、36フィラメントの無撚の捲縮糸である、カチオン可染ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用いて、タテ密度156本/インチ、ヨコ密度86本/インチのツイル生機を作成した。
【0033】
得られた生機を常法により、精練/液流染色機にて黒色の分散染料と青色のカチオン染料を用いて染色加工を行い、タテ密度161本/インチ、ヨコ密度91本/インチに仕上げて、タテ糸が淡灰色、ヨコ糸が青色のシャンブレーツイル裏地織物を得た。この場合、織物のカバーファクター(CF)は2039であった。得られた裏地織物の評価結果を表1に示す。吹き出し防止性は優れたものであった。
【0034】
(比較例1)
タテ糸に、交絡を付与しない、56デシテックス、18フィラメントの非捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用いる以外は、実施例1と同様に行い、タテ密度106本/インチ、ヨコ密度88本/インチに仕上げて濃紺色のタフタ裏地織物を得た。この場合、織物のカバーファクター(CF)は1600であった。得られた裏地織物の評価結果を表1に示す。吹き出し防止性は満足できるものではなかった。
【0035】
(比較例2)
ヨコ糸に、84デシテックス、36フィラメントの非捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を使用する以外は、実施例1と同様に行い、タテ密度106本/インチ、ヨコ密度88本/インチに仕上げて濃紺色のタフタ裏地織物を得た。この場合、織物のカバーファクター(CF)は1600であった。得られた裏地織物の評価結果を表1に示す。吹き出し防止性は満足できるものではなかった。
【0036】
(比較例3)
ヨコ糸に、84デシテックス、36フィラメントの非捲縮ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を902T/m追撚した糸を使用する以外は、実施例1と同様に行い、タテ密度106本/インチ、ヨコ密度88本/インチに仕上げて濃紺色のタフタ裏地織物を得た。この場合、織物のカバーファクター(CF)は1600であった。得られた裏地織物の評価結果を表1に示す。吹き出し防止性は満足できるものではなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、表地表面上に裏地のタテ糸またはヨコ糸を構成する繊維が飛び出す、いわゆる吹き出しを防止する裏地織物、さらに詳しくは、密度的に粗い表地と組み合わせて使用した場合でも吹き出しを防止でき、かつ製造コストや生産性等に優れる裏地織物を提供することができる。
Claims (5)
- 5〜30個/mの交絡を有するトータル繊度56〜111デシテックスの非捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をタテ糸として含み、トータル繊度56〜111デシテックスの捲縮合成繊維マルチフィラメント糸の無撚糸をヨコ糸として含む裏地織物であり、かつ下記式で表される織物のカバーファクター(CF)が、1400×a≦CF≦1800×a(ただし、aは織物組織係数を示し、平組織の場合1.0、綾組織の場合1.35、朱子組織の場合1.65である)の範囲にあることを特徴とする裏地織物。
CF=x・d1/2 +y・d’1/2
x :織物の1インチ当たりのタテ糸本数
y :織物の1インチ当たりのヨコ糸本数
d :タテ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
d’:ヨコ糸マルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス) - タテ糸の少なくとも一部が、カチオン染料では染色されないレギュラーポリエステル繊維であり、ヨコ糸の少なくとも一部が、カチオン染料で染色されるカチオン可染ポリエステル繊維であることを特徴とする請求項1に記載の裏地織物。
- ヨコ糸の少なくとも一部が、原着繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の裏地織物。
- ヨコ糸の少なくとも一部が、タテ糸と異なる色に染色および/または着色されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の裏地織物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の裏地織物を用いたことを特徴とする裏地。
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JP2002186139A JP2004027425A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | 裏地織物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012138012A1 (ko) * | 2011-04-08 | 2012-10-11 | Han Kyun Sick | 모기 물림 방지용 원단 및 그 제조방법 |
-
2002
- 2002-06-26 JP JP2002186139A patent/JP2004027425A/ja active Pending
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WO2012138012A1 (ko) * | 2011-04-08 | 2012-10-11 | Han Kyun Sick | 모기 물림 방지용 원단 및 그 제조방법 |
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