JPH0740541Y2 - 内装用パイル布帛 - Google Patents

内装用パイル布帛

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JPH0740541Y2
JPH0740541Y2 JP1990073371U JP7337190U JPH0740541Y2 JP H0740541 Y2 JPH0740541 Y2 JP H0740541Y2 JP 1990073371 U JP1990073371 U JP 1990073371U JP 7337190 U JP7337190 U JP 7337190U JP H0740541 Y2 JPH0740541 Y2 JP H0740541Y2
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pile
yarn
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勤 中村
文夫 広田
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Teijin Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は椅子張あるいは家具,車輌等の内装用パイル布
帛に関する。
〈従来技術〉 従来、ポリエステル繊維を用いたパイル布帛には製織
性,製編性,および開繊性の問題があった。すなわち一
般に製織性,製編性を向上させるために糸に撚りを施す
かインターレース処理を施すなどの繊維集束性向上手段
が用いられるが、ポリエステル繊維の場合は染色温度等
によって、これらの繊維集合体構造(撚形態,インター
レースによる絡合形態など)が形態固定されるため、そ
の後の工程で毛捌きまたはポリッシャーなどの処理を施
しても、単繊維を開繊させることが困難となり、従って
パイル布帛表面の品位が低下する。そこでポリエステル
繊維特有のかかる問題を解決するために、偏平断面のポ
リエステル繊維を用いることが提案されている。たとえ
ば特公昭57-25645号公報には「偏平断面のポリエステル
繊維に倦縮処理を施したのち切断して得た短繊維を煮沸
染色し、ついでスライバー化したのちパイルスライバー
編機でパイル布帛とし、さらにシアリング処理,ポリッ
シング処理を施して立毛パイル布帛とすること」が記載
されている。また特開昭56-107044号公報において、
「偏平断面のポリエステル繊維からなる長短パイル糸を
有する人造毛皮」が開示されている。
〈考案の目的〉 しかしながら、これらの先行技術においても製織性,製
編性,開繊性に関するポリエステル繊維特有の問題が充
分解決されているとは言えない。すなわち上記先行技術
はいずれも編機にスライバーを直接編み込む方式で製造
されるスライバーニットと称される布帛に関するもので
あり、本願考案のごとく紡績糸またはフィラメント糸を
編機に供給して製造するパイル布帛とは技術分野を異に
する。また近年、家具,車輌内装等を用途とするポリエ
ステル立毛パイル布帛においては、布帛の染色鮮明性お
よび深色性に対する改善要望が急速に高まりつつある。
しかし一般にはポリエステル繊維よりなる立毛パイル布
帛に用いる染料は耐光性を重視する商品では分散染料が
主であり、鮮明性,深色性の点でポリアミド系繊維ある
いはポリアクリロニトリル系繊維等に及ばない。本考案
は、ポリエステル繊維よりなる内装用パイル布帛に対す
る、かかる製織性,開繊性,染色鮮明性,深色性等の問
題を解決することを目的としたものである。
〈考案の構成〉 すなわち本考案は「ポリエステル繊維よりなるパイル布
帛において、粒度が0.6μ以下の二酸化チタン含有量が
0.1重量%以下であって、かつ断面形状が2以上のくび
れ部を有する断面偏平率2〜6の偏平断面を有し、撚係
数が2.8〜3.5の紡績糸からなるパイル糸を含むことを特
徴とする内装用パイル布帛」である。
ここにポリエステルとしてはアルキレンテレフタレート
単位を主たる繰返し単位とするポリエステルが好まし
く、中でもポリエチレンテレフタレートが特に好ましい
が、第3成分としてイソフタル酸,5−スルホイソフタル
酸,メトオキシ−ポリオキシエチレングリコールなどを
共重合させたポリエステルでもよい。
パイル糸中のチタン含有量は0.1重量%以下である。0.1
重量%を越えると特に染色鮮明性,染色深色性が不充分
となる。二酸化チタンの粒度は0.6μ以下とするのが望
ましい。0.6μをー越えるとやはり染色鮮明性,染色深
色性が若干低下する。
断面偏平糸は、偏平断面の巾をW、長さをLとしたとき
の偏平比(L/W)が2〜6のものが好ましい。L/Wが2未
満であると開繊性が悪化するとともに充分な染色鮮明
性,染色深色性が得られない。L/Wが6を越えると柔ら
かすぎる風合のものとなり、圧縮された場合にへたり易
くなる。
偏平断面の形状を第1図に例示するが、特に同図の第1
−b図,第1−c図のごとき形状が特に好ましいもので
ある。
すなわち、断面形状に1個所以上のくびれ部を有する偏
平形状は第1−a図のごときフラットな形状よりも乱反
射光が増すので布帛はにぶい光沢を帯びる。
本考案において、二酸化チタン含有量が0.1重量%以下
の偏平断面糸はパイル糸に対して少くとも50重量%以上
の割合で含まれていることが望ましい。50重量%未満で
も、或る程度、染色鮮明性,深色性等を得ることができ
るが、50重量%以上の割合で含ませるのが効果的であ
る。二酸化チタン0.1重量%以下の偏平断面糸を含ませ
る方法としては、紡績糸の場合は混紡,混撚などの方法
で含有せしめてもよく、二酸化チタン0.1重量%以下の
偏平断面糸からなる糸とその他の糸、たとえば二酸化チ
タン含有量が0.1重量%を越えるものあるいは断面が偏
平でない糸などとを別個独立にパイリングしてもよい。
あるいは二酸化チタン含有量を異にするポリエステル繊
維または断面形状を異にするポリエステル繊維などを各
繊維ごとに順次配列させて濃淡,鮮明と不鮮明との対比
的効果を有する内装用パイル布帛としてもよい。パイル
糸のパイル長は好ましくは5mm以下とするのがよい。5mm
を越えるとパイル糸が倒伏するため立毛感が消失するば
かりでなく、繊維断面が外観上見えなくなるので繊維断
面による効果(染色鮮明性,深色性等)も消失する。
紡績糸としてパイル糸を用いる場合の撚係数は2.8〜3.5
の範囲が好ましい。二酸化チタン含有量が0.1重量%以
下の偏平断面糸を用いない場合は、前述のごとく繊維集
合構造(撚形態あるいはインターレース形態など)が染
色工程などの熱で形態固定されるので、撚係数は3.0未
満の甘撚(下撚)としておいて、染色後に双糸として上
撚をかけて製織することによって開繊性を低下させない
方法がとられている。しかしこの場合は、甘撚であるた
め製織性が不充分であるとともに、染色後に上撚をかけ
る工程が複雑となる。しかし本考案の場合は、かかる撚
係数を2.8〜3.5まで高めてもパイル糸の開繊性に対する
影響は少ない。
2.8未満では抱合性が不充分であるため製織時の糸切れ
が著しく増加するとともに織物の傷,欠点が増加する。
3.5を越えるとパイル糸の開繊性が悪化するとともにパ
イル糸の表面が痘痕状の粗硬な外観を呈する。また紡績
糸をあらかじめ複数本引き揃え撚糸したのち染色して
も、従来に比べ遥かに開繊性の優れたパイル布帛を得る
ことができる。
〈考案の効果〉 本考案は以下のごとき効果を有する。
(1)内装用として染色パイル布帛とした場合、染色鮮
明性および染色深色性が優れている。
(2)パイル糸の構成を変化させることにより、濃色部
と淡色部あるいは染色鮮明部と不鮮明部との対比的効果
を有する内装用パイル布帛とすることもできる。
〈実施例〉 以下に実施例により本考案を具体的に説明する。
実施例において各評価項目は以下の方法に従って測定し
た。
圧縮エネルギー(WC) 定速型引張(圧縮)試験機を用い、2mm/分の定速で布帛
のパイル糸を0.5kg/cm2まで圧縮し、その圧縮に要した
仕事量を計量した。
圧縮量(mm) 2mm/分の定速で布帛のパイル糸を0.5kg/cm2まで圧縮
し、その圧縮に至るまでの圧縮変形量を計測した。
パイル糸の開繊性 パイル表面の外観を内眼判定した。開繊性良好なもの
は、パイル糸とパイル糸との間に空隙がなくスムースな
表面となる。開繊性不良のものは、パイル糸とパイル糸
との間に空隙が有り、痘痕状の表面となる。
パイル糸の耐久性 JIS L-1021参考のFUZZテストに従う。すなわち荷重500g
で30分間テストした後の外観変化で判断した。5級は変
化なし、1級はへたり大で5段階評価である。
風合 パイル糸表面の手触り感を感触で判定した。
実施例1,比較例1〜3 単糸繊度2.5デニール,繊維長51mm,二酸化チタン(Ti
O2)含有量0%,断面形状は第1図(b)の形状,扁平
率3.4のポリエチレンテレフタレート短繊維を用い、上
撚係数2.80(400T/インチ),下撚係数2.89(580T/イン
チ)で26/2綿番手の紡績糸とし、該紡績糸を経糸および
緯糸として用い、パイル経密度22本/インチ,生地経密
度22本/インチ,パイル緯密度21本/インチ,生地緯密
度42本/インチのモケット(一越組織;第2図)を織成
した。第2図は一越組織のモケットを作成するときのパ
イルカット時の断面図であり、上下各々の経方向,緯方
向の地糸で製織される布帛の間にパイル糸が往復して添
毛され、二重織を形成しており、この二重組織をナイフ
で2枚に分離するところを示す。ついで毛捌きしたのち
パイル表面をシャーリングしてパイル長2.5mmの内装用
パイル布帛を得た。評価結果を第1表に示す。なお、比
較のために同表に示すごとく繊維断面形状を変えたも
の、ナイロン6を素材としたものについて同様に実施し
た(比較例1〜3)。
実施例2 3枚筬のトリコット編成において、バック筬にTiO2含有
量0.5重量%,総繊度100デニール,48フィラメントのポ
リエチレンテレフタレート繊維(筬の振り表示:012
1),ミドル筬にTiO2含有量,0.5重量%,総繊度75デニ
ール,36フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊
維(筬の振り表示:1023),フロント筬(パイル糸用)
にTiO2含有量0%,総繊度75デニール,36フィラメン
ト,断面形状は第1図(c),偏平率:5.0のポリエチレ
ンテレフタレート繊維を用いてトリコットを編成した。
しかる後95℃の温水でリラックス熱処理を施し、ついて
数回の針布起毛加工を行い、フロント部のフィラメント
を立毛パイル状に起毛させたものを下記の条件で染色し
シャーリングを施し、パイル長2.0mmのフルカット起毛
トリコットとした。
染色条件 ・染料 Sumikaron Navy Blue S-2GL ・助剤 Disper VG 0.5g/l ・酢酸 0.2cc/l 浴比1:10,浴温度130℃,染色時間45分間 実施例2の比較例として、フロント筬としてTiO2含有量
0.7重量%,総繊度75デニール,36フィラメント,断面形
状丸断面のポリエチレンテレフタレート繊維を用いたフ
ルカットトリコット(比較例4)を作成し実施例2と比
較したところ、実施例2の方が開繊性良好で、かつ風合
もソフトで深色性の高い濃色パイル布帛であった。
実施例3 実施例2におけるフロント筬(パイル糸用)の繊維とし
て、TiO2含有量O重量%,総繊度75デニール,36フィラ
メントのポリエチレンテレフタレート繊維(A)とTiO2
含有量0.5重量%,総繊度75デニール,36フィラメント,
偏平形状は第1図(b),偏平率3.2のポリエチレンテ
レフタレート繊維(B)とを4本交互に成形してトリコ
ットに編成し、実施例2と同様に実施してフルカット起
毛トリコットを得た。
得られた内装用パイル布帛は(A)と(B)が交互に並
んだストライプ状の柄のものであり、(A)部は深味と
鮮明性のある濃色部となり、(B)はそれと対照的に淡
色で非鮮明な部分となった。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b),(c)は本考案において用いる
偏平断面糸の断面図の例である。Wは断面の巾(Widt
h),Lは断面の長さ(Length)である。 第2図は本考案のパイル布帛の組織の例であり、一越組
織のモケットをパイルカットして作成するときの断面図
である。 1は経方向の地糸、2は緯方向の地糸、3はパイル糸、
4はパイルカット用ナイフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 田代 幹雄 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山工場内 (56)参考文献 特開 昭56−107044(JP,A) 特開 昭59−228052(JP,A) 特開 昭55−45870(JP,A) 特開 昭57−167407(JP,A) 実開 昭55−83785(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル繊維よりなるパイル布帛にお
    いて、粒度が0.6μ以下の二酸化チタン含有量が0.1重量
    %以下であって、かつ断面形状が2以上のくびれ部を有
    する断面偏平率2〜6の偏平断面を有し、撚係数が2.8
    〜3.5の紡績糸からなるパイル糸を含むことを特徴とす
    る内装用パイル布帛。
JP1990073371U 1990-07-12 1990-07-12 内装用パイル布帛 Expired - Lifetime JPH0740541Y2 (ja)

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