JPH10331051A - スエード調織物 - Google Patents
スエード調織物Info
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- JPH10331051A JPH10331051A JP9143823A JP14382397A JPH10331051A JP H10331051 A JPH10331051 A JP H10331051A JP 9143823 A JP9143823 A JP 9143823A JP 14382397 A JP14382397 A JP 14382397A JP H10331051 A JPH10331051 A JP H10331051A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】スエード調織物でありながら適度なストレッチ
性を有し、天然フラノ調織物に近い毛羽表面感をもった
高級感のある織物を提供する。 【解決手段】経糸または緯糸のどちらか一方が少なくと
も2種類のマルチフイラメント糸から構成された複合混
繊糸からなり、その1種類は少なくとも2成分のポリエ
ステル重合体からなるコンジュケートマルチフイラメン
ト糸であって、前記複合混繊糸の比較的内層に配置さ
れ、また、他の1成分は単糸繊度が0.5デニール以下
でかつ前記コンジュケートマルチフイラメント糸よりも
糸長が5%以上長い極細マルチフイラメント糸であっ
て、前記複合混繊糸の比較的外層に配置されている複合
混繊糸を使用してなる織物であって、該織物表面に毛羽
を有し、該織物の経方向または緯方向に5%以上の伸長
率を有していることを特徴とするスエード調織物。
性を有し、天然フラノ調織物に近い毛羽表面感をもった
高級感のある織物を提供する。 【解決手段】経糸または緯糸のどちらか一方が少なくと
も2種類のマルチフイラメント糸から構成された複合混
繊糸からなり、その1種類は少なくとも2成分のポリエ
ステル重合体からなるコンジュケートマルチフイラメン
ト糸であって、前記複合混繊糸の比較的内層に配置さ
れ、また、他の1成分は単糸繊度が0.5デニール以下
でかつ前記コンジュケートマルチフイラメント糸よりも
糸長が5%以上長い極細マルチフイラメント糸であっ
て、前記複合混繊糸の比較的外層に配置されている複合
混繊糸を使用してなる織物であって、該織物表面に毛羽
を有し、該織物の経方向または緯方向に5%以上の伸長
率を有していることを特徴とするスエード調織物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、起毛加工された織
物でありながら、適度なストレッチ性とドライタッチの
質感を有するスエード調織物に関する。
物でありながら、適度なストレッチ性とドライタッチの
質感を有するスエード調織物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフイラメント糸を使用した
スエード調織物は、単糸繊度の極細化技術と織物加工技
術の進歩によってこれまでに種々提案され、風合いや品
質面でも良好なものが得られてきている。例えば、特開
平6−192939号公報では、単糸繊度0.2デニー
ル以下の低収縮ポリエステルマルチフイラメント糸と単
糸繊度1デニール以上の高収縮ポリエステルマルチフイ
ラメント糸から構成された異収縮混繊糸を織物の緯糸に
配し、起毛加工を施し、織物表面に毛羽を付与し、経糸
と織物設計の工夫によってドレープ性や張り腰を付与
し、婦人洋装用途への展開がなされている。
スエード調織物は、単糸繊度の極細化技術と織物加工技
術の進歩によってこれまでに種々提案され、風合いや品
質面でも良好なものが得られてきている。例えば、特開
平6−192939号公報では、単糸繊度0.2デニー
ル以下の低収縮ポリエステルマルチフイラメント糸と単
糸繊度1デニール以上の高収縮ポリエステルマルチフイ
ラメント糸から構成された異収縮混繊糸を織物の緯糸に
配し、起毛加工を施し、織物表面に毛羽を付与し、経糸
と織物設計の工夫によってドレープ性や張り腰を付与
し、婦人洋装用途への展開がなされている。
【0003】しかしながら、近年、着用快適性や、質
感、品質等の高級化が求められてきており、このうち、
着用快適性の向上として織物にストレッチを付与するこ
とが行われてきている。従来より、ストレッチ付与の方
法としては、ポリウレタン弾性繊維との複合加工、例え
ば、一般的に複合仮撚や複合撚糸(カバーリング糸)
や、複合混繊などを行うことが良く知られている。しか
しながら、複合仮撚や複合撚糸は糸加工性の問題や生産
性からくるコスト高の問題があり、これまで起毛加工へ
の展開はほとんどなされていないのが現状である。
感、品質等の高級化が求められてきており、このうち、
着用快適性の向上として織物にストレッチを付与するこ
とが行われてきている。従来より、ストレッチ付与の方
法としては、ポリウレタン弾性繊維との複合加工、例え
ば、一般的に複合仮撚や複合撚糸(カバーリング糸)
や、複合混繊などを行うことが良く知られている。しか
しながら、複合仮撚や複合撚糸は糸加工性の問題や生産
性からくるコスト高の問題があり、これまで起毛加工へ
の展開はほとんどなされていないのが現状である。
【0004】また、前記特開平6−192939号公報
では、異収縮混繊糸を配しているため、織物の緯糸ある
いは経糸のどちらに使用したとしても、通常の織物と同
様に快適性に寄与するストレッチ性はほとん得られてい
ない。
では、異収縮混繊糸を配しているため、織物の緯糸ある
いは経糸のどちらに使用したとしても、通常の織物と同
様に快適性に寄与するストレッチ性はほとん得られてい
ない。
【0005】さらに、特公昭61−40788号公報に
おいては、極細繊維と高収縮糸の混繊・交絡した複合糸
を用いて布帛とし、熱処理を施すことにより高収縮糸の
外層部に極細繊維を位置させた布帛とし、該布帛表面を
起毛してスエード調織物を得る製法が開示されている
が、この方法においても内層部が高収縮糸のためストレ
ッチ性はほとんど得られない。
おいては、極細繊維と高収縮糸の混繊・交絡した複合糸
を用いて布帛とし、熱処理を施すことにより高収縮糸の
外層部に極細繊維を位置させた布帛とし、該布帛表面を
起毛してスエード調織物を得る製法が開示されている
が、この方法においても内層部が高収縮糸のためストレ
ッチ性はほとんど得られない。
【0006】そして今のところ、ポリエステルフィラメ
ントで構成されたスエード調織物において、快適性に寄
与するトレッチ性を有した織物は市場では見当らない。
ントで構成されたスエード調織物において、快適性に寄
与するトレッチ性を有した織物は市場では見当らない。
【0007】一方、質感、品質等の高級化においてもス
エードタッチ面が超極細糸特有のヌルヌル感やホコリ付
着がしやすい、ギラギラした光沢、着用で毛羽がからみ
やすく品位を損なっている等の課題があり、高級化を阻
害している。
エードタッチ面が超極細糸特有のヌルヌル感やホコリ付
着がしやすい、ギラギラした光沢、着用で毛羽がからみ
やすく品位を損なっている等の課題があり、高級化を阻
害している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記従
来の問題を解決し、スエード調織物でありながら適度な
ストレッチ性を有し、天然フラノ調織物に近い毛羽表面
感をもった高級感のある織物を提供することにある。
来の問題を解決し、スエード調織物でありながら適度な
ストレッチ性を有し、天然フラノ調織物に近い毛羽表面
感をもった高級感のある織物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため次の構成からなる。すなわち、 (1)経糸または緯糸のどちらか一方が少なくとも2種
類のマルチフイラメント糸から構成された複合混繊糸か
らなり、その1種類は少なくとも2成分のポリエステル
重合体からなるコンジュケートマルチフイラメント糸で
あって、前記複合混繊糸の比較的内層に配置され、ま
た、他の1成分は単糸繊度が0.5デニール以下でかつ
前記コンジュケートマルチフイラメント糸よりも糸長が
5%以上長い極細マルチフイラメント糸であって、前記
複合混繊糸の比較的外層に配置されている複合混繊糸を
使用してなる織物であって、該織物表面に毛羽を有し、
該織物の経方向または緯方向に5%以上の伸長率を有し
ていることを特徴とするスエード調織物。
成するため次の構成からなる。すなわち、 (1)経糸または緯糸のどちらか一方が少なくとも2種
類のマルチフイラメント糸から構成された複合混繊糸か
らなり、その1種類は少なくとも2成分のポリエステル
重合体からなるコンジュケートマルチフイラメント糸で
あって、前記複合混繊糸の比較的内層に配置され、ま
た、他の1成分は単糸繊度が0.5デニール以下でかつ
前記コンジュケートマルチフイラメント糸よりも糸長が
5%以上長い極細マルチフイラメント糸であって、前記
複合混繊糸の比較的外層に配置されている複合混繊糸を
使用してなる織物であって、該織物表面に毛羽を有し、
該織物の経方向または緯方向に5%以上の伸長率を有し
ていることを特徴とするスエード調織物。
【0010】(2)織物の経方向または緯方向の伸長率
が30%以下であることを特徴とする前記(1)に記載
のスエード調織物。
が30%以下であることを特徴とする前記(1)に記載
のスエード調織物。
【0011】(3)前記極細ポリエステルマルチフイラ
メント糸が、艶消し剤を1.2〜10重量%含むことを
特徴とする前記(1)または(2)に記載のスエード調
織物。
メント糸が、艶消し剤を1.2〜10重量%含むことを
特徴とする前記(1)または(2)に記載のスエード調
織物。
【0012】(4)複合混繊糸を構成するコンジュケー
トマルチフイラメント糸の構成比率が、15〜50重量
%の範囲であることを特徴とする前記(1)〜(3)の
いずれかに記載のスエード調織物。
トマルチフイラメント糸の構成比率が、15〜50重量
%の範囲であることを特徴とする前記(1)〜(3)の
いずれかに記載のスエード調織物。
【0013】(5)複合混繊糸の比較的外層に位置する
極細マルチフイラメント糸が、仮撚捲縮とランダムなル
ープを形成していることを特徴とする前記(1)〜
(4)のいずれかに記載のスエード調織物。
極細マルチフイラメント糸が、仮撚捲縮とランダムなル
ープを形成していることを特徴とする前記(1)〜
(4)のいずれかに記載のスエード調織物。
【0014】(6)織物表面の毛羽が針布起毛によって
起毛されていることを特徴とする前記(1)〜(5)の
いずれかに記載のスエード調織物である。
起毛されていることを特徴とする前記(1)〜(5)の
いずれかに記載のスエード調織物である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成をさらに詳細
に説明する。
に説明する。
【0016】本発明は表面が起毛加工されたスエード調
織物の経方向または緯方向に5%以上の伸長率を有して
いることが重要である。縫製時のパッカリング防止を目
的とした可縫製向上には5%以下のストレッチ率でその
効果は十分と認識されているが、快適な着心地を表現す
る機能面から考えると5%以上とすることが重要であ
る。一方、ストレッチ率が大きすぎると、経緯方向のス
トレッチバランスが崩れ、縫製時の取り扱いに支障をき
たしてくるため、伸長率は30%以下であることが好ま
しい。
織物の経方向または緯方向に5%以上の伸長率を有して
いることが重要である。縫製時のパッカリング防止を目
的とした可縫製向上には5%以下のストレッチ率でその
効果は十分と認識されているが、快適な着心地を表現す
る機能面から考えると5%以上とすることが重要であ
る。一方、ストレッチ率が大きすぎると、経緯方向のス
トレッチバランスが崩れ、縫製時の取り扱いに支障をき
たしてくるため、伸長率は30%以下であることが好ま
しい。
【0017】次に、上述の5%以上の伸長率を得るため
の複合混繊糸について述べる。この複合混繊糸はストレ
ッチ性と起毛面の風合い(タッチ)を満足させられる糸
特性および糸形態を備えたえたものとすることが重要で
ある。そのため、経糸または緯糸に使用して製織された
織物は、リラックス熱処理される染色加工工程で、経ま
たは緯方向に十分なストレッチ性を保持することが重要
になる。糸構造的には複合混繊糸の内層に位置する糸が
伸縮発現の要因になる捲縮を保持していることである。
その意味において、複合混繊糸の少なくとも2種類のマ
ルチフィラメント糸のうち、その1種類は2成分のポリ
エステル重合体からなるコンジュケートマルチフイラメ
ント糸であることがストレッチ性を発揮する上での重要
な要件である。これは、コンジュケートマルチフイラメ
ント糸のもつスパイラル状の微細捲縮が緊張下の布帛中
においても、リラックス熱処理される染色加工工程で十
分に発現する力を備えていることによる。
の複合混繊糸について述べる。この複合混繊糸はストレ
ッチ性と起毛面の風合い(タッチ)を満足させられる糸
特性および糸形態を備えたえたものとすることが重要で
ある。そのため、経糸または緯糸に使用して製織された
織物は、リラックス熱処理される染色加工工程で、経ま
たは緯方向に十分なストレッチ性を保持することが重要
になる。糸構造的には複合混繊糸の内層に位置する糸が
伸縮発現の要因になる捲縮を保持していることである。
その意味において、複合混繊糸の少なくとも2種類のマ
ルチフィラメント糸のうち、その1種類は2成分のポリ
エステル重合体からなるコンジュケートマルチフイラメ
ント糸であることがストレッチ性を発揮する上での重要
な要件である。これは、コンジュケートマルチフイラメ
ント糸のもつスパイラル状の微細捲縮が緊張下の布帛中
においても、リラックス熱処理される染色加工工程で十
分に発現する力を備えていることによる。
【0018】一方、糸形態はコンジュケートマルチフイ
ラメント糸が起毛加工で切断されない状態、すなわち、
リラックス熱処理された染色加工工程で織物内部にコン
ジュケートマルチフイラメント糸が大部分位置する状態
にすることである。
ラメント糸が起毛加工で切断されない状態、すなわち、
リラックス熱処理された染色加工工程で織物内部にコン
ジュケートマルチフイラメント糸が大部分位置する状態
にすることである。
【0019】複合混繊糸の総繊度に占めるコンジュケー
トマルチフイラメント糸の重量比率は15〜50%の範
囲が好ましく、さらに好ましくは25〜40%である。
構成比率が15%未満になると、張り腰、反発感など、
風合いの低下を誘発する。逆に、構成比率が50%を越
えるとコンジュケートマルチフイラメント糸が織物表層
に露出し、起毛加工で多数の単糸が切断されることにな
り、引裂き強力低下の要因になり、また著しく毛羽密度
が減少し、表面品位がきたなくなり、高級感が疎外され
る。
トマルチフイラメント糸の重量比率は15〜50%の範
囲が好ましく、さらに好ましくは25〜40%である。
構成比率が15%未満になると、張り腰、反発感など、
風合いの低下を誘発する。逆に、構成比率が50%を越
えるとコンジュケートマルチフイラメント糸が織物表層
に露出し、起毛加工で多数の単糸が切断されることにな
り、引裂き強力低下の要因になり、また著しく毛羽密度
が減少し、表面品位がきたなくなり、高級感が疎外され
る。
【0020】本発明に使用されるコンジュケートマルチ
フイラメント糸は、熱収縮の異なる少なくとも2成分の
ポリエステル重合体を並列的に貼に合わせて複合させる
か、或いは芯成分を鞘成分に偏心配置するように複合さ
せたものなどが適用でき、紡糸延伸後に加熱することに
よってスパイラル状の3次元捲縮を発現することが可能
な糸である。熱収縮差の異なる2成分のポリエステル重
合体としては、一方を低粘度ポリエステル成分とし、他
方を高粘度ポリエステル成分とするものが好ましく使用
される。低粘度ポリエステル成分の極限粘度は0.43
〜0.55の範囲であることが好ましく、高粘度ポリエ
ステル成分の極限粘度は0.68〜0.85の範囲であ
ることが好ましい。
フイラメント糸は、熱収縮の異なる少なくとも2成分の
ポリエステル重合体を並列的に貼に合わせて複合させる
か、或いは芯成分を鞘成分に偏心配置するように複合さ
せたものなどが適用でき、紡糸延伸後に加熱することに
よってスパイラル状の3次元捲縮を発現することが可能
な糸である。熱収縮差の異なる2成分のポリエステル重
合体としては、一方を低粘度ポリエステル成分とし、他
方を高粘度ポリエステル成分とするものが好ましく使用
される。低粘度ポリエステル成分の極限粘度は0.43
〜0.55の範囲であることが好ましく、高粘度ポリエ
ステル成分の極限粘度は0.68〜0.85の範囲であ
ることが好ましい。
【0021】また、コンジュケートマルチフイラメント
糸の単糸繊度は、織物の張り腰、反発感などの風合いを
付与させるために、3.0〜8.0デニールの太単糸繊
度が好ましい。より好ましくは4.0〜6.5デニール
の範囲である。
糸の単糸繊度は、織物の張り腰、反発感などの風合いを
付与させるために、3.0〜8.0デニールの太単糸繊
度が好ましい。より好ましくは4.0〜6.5デニール
の範囲である。
【0022】次に、極細マルチフイラメント糸は、起毛
加工される構成繊維で、スエードタッチの織物表面を形
成する重要の要素になるものであり、単糸繊度は0.5
デニール以下の極細糸であり、さらに上述のコンジュケ
ートマルチフイラメント糸よりも糸長が長いものであ
り、好ましくは5〜30%長くされ、複合混繊糸の外層
に配することが重要になる。極細マルチフイラメント糸
の単糸繊度が0.5デニール以上になると、織物表面が
ピーチ調になり、本発明の目的とする好ましいタッチの
ものが得られない。また、糸長が5%未満では両者の糸
長差が少なくなり過ぎ、起毛加工で均一できれいな表面
感を得ることが難しくなってくる。また、30%を越え
ると、糸形態がラフになり、工程通過性(解舒性など)
に支障がでてくる。
加工される構成繊維で、スエードタッチの織物表面を形
成する重要の要素になるものであり、単糸繊度は0.5
デニール以下の極細糸であり、さらに上述のコンジュケ
ートマルチフイラメント糸よりも糸長が長いものであ
り、好ましくは5〜30%長くされ、複合混繊糸の外層
に配することが重要になる。極細マルチフイラメント糸
の単糸繊度が0.5デニール以上になると、織物表面が
ピーチ調になり、本発明の目的とする好ましいタッチの
ものが得られない。また、糸長が5%未満では両者の糸
長差が少なくなり過ぎ、起毛加工で均一できれいな表面
感を得ることが難しくなってくる。また、30%を越え
ると、糸形態がラフになり、工程通過性(解舒性など)
に支障がでてくる。
【0023】さらに、本発明の目的とするドライタッチ
の質感を表現するため、極細マルチフイラメント糸が艶
消し剤を含有し、仮撚捲縮を兼備していることが好まし
い。これは、極細マルチフイラメント糸の極細単糸繊維
の表層がミクロ的にランダムな凹凸現象を呈する効果
と、極細単糸繊維1本1本が微細捲縮を発現する効果が
相乗してドライタッチを実現するからである。
の質感を表現するため、極細マルチフイラメント糸が艶
消し剤を含有し、仮撚捲縮を兼備していることが好まし
い。これは、極細マルチフイラメント糸の極細単糸繊維
の表層がミクロ的にランダムな凹凸現象を呈する効果
と、極細単糸繊維1本1本が微細捲縮を発現する効果が
相乗してドライタッチを実現するからである。
【0024】艶消し剤の添加量は、1.2重量%以下が
好ましく、1.4重量%以上がより好ましい。一方、添
加量があまり多すぎると、製糸性が悪化したり、糸の強
度低下が生じ易くなるため、10重量%以下が好まし
く、4重量%以下がより好ましい。この艶消し剤には、
安定に分散性がよく添加できる点から酸化チタン、酸化
ケイ素、酸化亜鉛、あるいは炭酸カルシウムなどが好ま
しい。また、極細マルチフイラメント糸は通常の口金か
ら紡糸した未延伸糸あるいは半延伸糸、これらを延伸工
程で延伸して得られた延伸糸、高速紡糸1工程による高
速紡糸糸、海/島型、あるいは割繊型などの複合繊維の
いずれのものも採用できる。
好ましく、1.4重量%以上がより好ましい。一方、添
加量があまり多すぎると、製糸性が悪化したり、糸の強
度低下が生じ易くなるため、10重量%以下が好まし
く、4重量%以下がより好ましい。この艶消し剤には、
安定に分散性がよく添加できる点から酸化チタン、酸化
ケイ素、酸化亜鉛、あるいは炭酸カルシウムなどが好ま
しい。また、極細マルチフイラメント糸は通常の口金か
ら紡糸した未延伸糸あるいは半延伸糸、これらを延伸工
程で延伸して得られた延伸糸、高速紡糸1工程による高
速紡糸糸、海/島型、あるいは割繊型などの複合繊維の
いずれのものも採用できる。
【0025】本発明に使用する複合混繊糸は、たとえ
ば、外層に位置する極細マルチフイラメント糸に延伸糸
あるいは半延伸糸を供給し、先に仮撚加工が施され、そ
の後内層に位置するコンジュケートマルチフイラメント
糸の生糸と混繊加工して製造される。極細マルチフイラ
メント糸の仮撚加工は、通常のスピンドルタイプまたは
フリクションタイプなどを適用すればよい。また、加工
条件は通常仮撚条件よりも低温低撚に設定し、その後弛
緩熱処理して捲縮を弱くする方向のものとすることが好
ましい。極細マルチフイラメント糸に仮撚捲縮を付与す
ることは、単繊維分散による混繊加工の絡合性向上と微
細捲縮付与によるドライタッチへの寄与である。混繊加
工は2糸条の糸長差を大きく設定する観点から、乱流流
体処理ノズルを使用した流体乱流加工(通称タスラン加
工)が適しているが、ランダムなループの形成は、通常
のインターレース加工でも、例えば特願平7−2601
75号明細書に示したようなノズルガイドの採用で製造
できる。なお、糸加工工程は仮撚加工と混繊加工を分離
して加工するか、あるいは両者を1系列で加工するか
は、適用の加工機、コスト等の適正を考え選択され、特
に制限されるものではない。
ば、外層に位置する極細マルチフイラメント糸に延伸糸
あるいは半延伸糸を供給し、先に仮撚加工が施され、そ
の後内層に位置するコンジュケートマルチフイラメント
糸の生糸と混繊加工して製造される。極細マルチフイラ
メント糸の仮撚加工は、通常のスピンドルタイプまたは
フリクションタイプなどを適用すればよい。また、加工
条件は通常仮撚条件よりも低温低撚に設定し、その後弛
緩熱処理して捲縮を弱くする方向のものとすることが好
ましい。極細マルチフイラメント糸に仮撚捲縮を付与す
ることは、単繊維分散による混繊加工の絡合性向上と微
細捲縮付与によるドライタッチへの寄与である。混繊加
工は2糸条の糸長差を大きく設定する観点から、乱流流
体処理ノズルを使用した流体乱流加工(通称タスラン加
工)が適しているが、ランダムなループの形成は、通常
のインターレース加工でも、例えば特願平7−2601
75号明細書に示したようなノズルガイドの採用で製造
できる。なお、糸加工工程は仮撚加工と混繊加工を分離
して加工するか、あるいは両者を1系列で加工するか
は、適用の加工機、コスト等の適正を考え選択され、特
に制限されるものではない。
【0026】次に、目的とする大きなストレッチ性を得
る上において、織物設計(規格)も重要な要素になる。
例えば、本発明の複合混繊糸を織物の緯糸として使用す
る場合、経糸は沸水収縮率が低く、かつ撚糸されたポリ
エステルマルチフイメント糸が適している。沸水収縮率
は7%以下が好ましい。また、付与される撚糸回数は織
物の風合い(張り腰、反発感など)形成を踏まえ、50
0T/M以上が好ましい。
る上において、織物設計(規格)も重要な要素になる。
例えば、本発明の複合混繊糸を織物の緯糸として使用す
る場合、経糸は沸水収縮率が低く、かつ撚糸されたポリ
エステルマルチフイメント糸が適している。沸水収縮率
は7%以下が好ましい。また、付与される撚糸回数は織
物の風合い(張り腰、反発感など)形成を踏まえ、50
0T/M以上が好ましい。
【0027】さらに、重要な点は経糸の密度設定であ
り、当然のことながら高密度に設定されれば緯糸に使用
した複合混繊糸の十分な収縮が進まず、目標とするトレ
ッチ性が得にくくなる。その意味で経糸の密度は通常よ
りも甘い規格に設定するのが好ましい。すなわち、経糸
生機密度のカバーファクターとしては1200〜150
0の範囲が好ましい。カバーファクターは経糸密度×D
1/2 (デニール)で算出した値である。
り、当然のことながら高密度に設定されれば緯糸に使用
した複合混繊糸の十分な収縮が進まず、目標とするトレ
ッチ性が得にくくなる。その意味で経糸の密度は通常よ
りも甘い規格に設定するのが好ましい。すなわち、経糸
生機密度のカバーファクターとしては1200〜150
0の範囲が好ましい。カバーファクターは経糸密度×D
1/2 (デニール)で算出した値である。
【0028】一方、緯糸として供給される複合混繊糸
は、後加工での起毛性、ストレッチ性、コスト面などか
ら無撚のままで使用するのが好ましい。しかし、品位や
風合い、工程通過性等のために追撚を必要とする場合に
おいても300T/M以下の低撚が好ましい。500T
/M以上の中〜強撚が付与されると、ストレッチ性が低
下したり、起毛加工もしにくくなってくる。
は、後加工での起毛性、ストレッチ性、コスト面などか
ら無撚のままで使用するのが好ましい。しかし、品位や
風合い、工程通過性等のために追撚を必要とする場合に
おいても300T/M以下の低撚が好ましい。500T
/M以上の中〜強撚が付与されると、ストレッチ性が低
下したり、起毛加工もしにくくなってくる。
【0029】本発明に適用する複合混繊糸は、経糸、ま
たは緯糸のいずれかに用いられる。適用される織物組織
は、起毛加工品に多く採用されるサテン系の組織が適し
ており、風合い、表面品位等を加味して決定するのがよ
い。基本的に被起毛面側は3本以上の浮糸形態を呈して
いるのが好ましい。
たは緯糸のいずれかに用いられる。適用される織物組織
は、起毛加工品に多く採用されるサテン系の組織が適し
ており、風合い、表面品位等を加味して決定するのがよ
い。基本的に被起毛面側は3本以上の浮糸形態を呈して
いるのが好ましい。
【0030】製織に用いられる織機は、一般に使用され
る普通織機、レピア、ウオータージェツトルーム、エア
ージエットルーム等の機種として特に限定されることな
く採用できる。なかでも、緯糸に張力のかかり過ぎない
エアージエットルームが好ましい。
る普通織機、レピア、ウオータージェツトルーム、エア
ージエットルーム等の機種として特に限定されることな
く採用できる。なかでも、緯糸に張力のかかり過ぎない
エアージエットルームが好ましい。
【0031】次に、染色加工について説明する。所望す
る特徴を得るために、上述の如く設計された布帛に、起
毛の表面タツチとフクラミ感と反発感を発揮させるのが
染色加工工程である。本発明の染色加工工程は、一般の
中厚地ポリエステルフイラメント織物の工程及び条件に
準じて行うことができる。その中で、本発明の特徴であ
るストレッチ性を十分に発揮させるため、リラックス熱
処理は高温高圧で布帛にモミ効果を付与することが好ま
しい。複合混繊糸の極細マルチフイラメント糸が海島型
の場合、脱海処理のためのアルカリ減量加工が必須であ
る。
る特徴を得るために、上述の如く設計された布帛に、起
毛の表面タツチとフクラミ感と反発感を発揮させるのが
染色加工工程である。本発明の染色加工工程は、一般の
中厚地ポリエステルフイラメント織物の工程及び条件に
準じて行うことができる。その中で、本発明の特徴であ
るストレッチ性を十分に発揮させるため、リラックス熱
処理は高温高圧で布帛にモミ効果を付与することが好ま
しい。複合混繊糸の極細マルチフイラメント糸が海島型
の場合、脱海処理のためのアルカリ減量加工が必須であ
る。
【0032】スエード調の表面タッチを得るための起毛
加工は、サンディング(バフ)加工と針布加工が方法と
して一般に活用されている。本発明の目的とする毛羽密
度の緻密で毛羽長の比較的長く、いわゆるフラノ調の高
級感のある表面感を表現するためには針布起毛加工が好
ましい。
加工は、サンディング(バフ)加工と針布加工が方法と
して一般に活用されている。本発明の目的とする毛羽密
度の緻密で毛羽長の比較的長く、いわゆるフラノ調の高
級感のある表面感を表現するためには針布起毛加工が好
ましい。
【0033】本発明で使用されているパラメータは以下
のとおりてある。
のとおりてある。
【0034】極細マルチフイラメント糸のコンジュケー
トマルチフイラメント糸に対する糸長差ΔLとは、試料
の複合混繊糸に見掛繊度Dの0.1倍の荷重[0.1×
D(g)]をかけ、試長5cm程度採取する。次に、そ
の試料を撚が入らないようにビロード板の上で、分解針
と先の細いピンセットを使用して単繊維をほぐす。そし
て、試長目盛りの入っている測長ガラス板上にグリセリ
ンを薄くぬり、上記単繊維をクリンプが自然に伸びた状
態になるように、かつ繊維自身が伸びないように張力を
をかけて目盛りを読む。この時測定したコンジュケート
マルチフイラメント糸の長さをL1、極細マルチフイラ
メント糸の長さをL2とすると、次の式によって計算さ
れた値を糸長差ΔLという。
トマルチフイラメント糸に対する糸長差ΔLとは、試料
の複合混繊糸に見掛繊度Dの0.1倍の荷重[0.1×
D(g)]をかけ、試長5cm程度採取する。次に、そ
の試料を撚が入らないようにビロード板の上で、分解針
と先の細いピンセットを使用して単繊維をほぐす。そし
て、試長目盛りの入っている測長ガラス板上にグリセリ
ンを薄くぬり、上記単繊維をクリンプが自然に伸びた状
態になるように、かつ繊維自身が伸びないように張力を
をかけて目盛りを読む。この時測定したコンジュケート
マルチフイラメント糸の長さをL1、極細マルチフイラ
メント糸の長さをL2とすると、次の式によって計算さ
れた値を糸長差ΔLという。
【0035】 ΔL=[(L2−L1)/L1]×100(%) 伸長率とはJIS L1096(伸縮織物の伸縮性測定
法)に規定されたA法(定速伸長法)に従って、荷重
1.8kgで測定したときの値である。
法)に規定されたA法(定速伸長法)に従って、荷重
1.8kgで測定したときの値である。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
説明する。
【0037】実施例1 経糸にポリエステルマルチフィラメント75D−24F
のPOY−DTY仮撚加工糸(沸水収縮率は4.5%)
に800T/Mの実撚を施したものを用い、緯糸に極限
粘度が0.475のポリエチレンテレフタレート100
%からなる低粘度成分と、極限粘度が0.780のポリ
エチレンテレフタレート100%からなる高粘度成分と
を、重量複合比50:50で並列型に貼り合わせた、未
延伸コンジュゲートマルチフィラメント糸を紡糸した
後、延伸して製造した50D−12Fのコンジュケート
マルチフィラメント糸と、200D−72Fのポリエス
テル半延伸糸(脱海後の単糸デニールが0.17d、酸
化チタン2.3重量%を含有)の仮撚加工糸とを流体乱
流加工してランダムなループを形成した複合混繊糸を無
撚のままで供糸し、6枚の変化サテン組織でエアージエ
ット織機を用い製織した。経糸の実撚付与は村田繊維機
械製のダブルツイスター撚糸機、緯糸の仮撚加工と混繊
加工は東レエンジニアリング(株)製のフリクションタ
イプの仮撚機にインターレーノズルおよび該ノズル用の
特願平7−260175項明細書に記載のノズルガイド
を採用して実施した。また、仮撚加工条件は加工速度3
00m/min、延伸倍率1.9倍、仮撚数2500T
/M、1次ヒーター温度150℃、2次ヒーター温度1
70℃、混繊加工は圧空圧5kg/cm2 、糸長差15
%に各々条件設定し加工した。さらに、生機密度は経
糸:155本/in、緯糸:108本/inで経糸のカ
バーファクターは1342であった。
のPOY−DTY仮撚加工糸(沸水収縮率は4.5%)
に800T/Mの実撚を施したものを用い、緯糸に極限
粘度が0.475のポリエチレンテレフタレート100
%からなる低粘度成分と、極限粘度が0.780のポリ
エチレンテレフタレート100%からなる高粘度成分と
を、重量複合比50:50で並列型に貼り合わせた、未
延伸コンジュゲートマルチフィラメント糸を紡糸した
後、延伸して製造した50D−12Fのコンジュケート
マルチフィラメント糸と、200D−72Fのポリエス
テル半延伸糸(脱海後の単糸デニールが0.17d、酸
化チタン2.3重量%を含有)の仮撚加工糸とを流体乱
流加工してランダムなループを形成した複合混繊糸を無
撚のままで供糸し、6枚の変化サテン組織でエアージエ
ット織機を用い製織した。経糸の実撚付与は村田繊維機
械製のダブルツイスター撚糸機、緯糸の仮撚加工と混繊
加工は東レエンジニアリング(株)製のフリクションタ
イプの仮撚機にインターレーノズルおよび該ノズル用の
特願平7−260175項明細書に記載のノズルガイド
を採用して実施した。また、仮撚加工条件は加工速度3
00m/min、延伸倍率1.9倍、仮撚数2500T
/M、1次ヒーター温度150℃、2次ヒーター温度1
70℃、混繊加工は圧空圧5kg/cm2 、糸長差15
%に各々条件設定し加工した。さらに、生機密度は経
糸:155本/in、緯糸:108本/inで経糸のカ
バーファクターは1342であった。
【0038】次に、得られた製織生地を沸水の拡布連続
精練のあと高圧液流染色機を使用し、130℃で経方向
の張力負荷を少なくした条件で十分なリラックス処理と
モミ効果を与え、緯糸の複合混繊糸の捲縮発現を促進さ
せる。この場合、合理的に脱海処理を含んで実施しても
よい。リラックス−脱海処理後の緯方向の収縮率は、3
3%であった。次に、中間セットの幅出し設定を有幅+
2cm、180℃に設定し実施した。ここで、過度な幅
出し設定はストレッチ性を減少させるので避ける。
精練のあと高圧液流染色機を使用し、130℃で経方向
の張力負荷を少なくした条件で十分なリラックス処理と
モミ効果を与え、緯糸の複合混繊糸の捲縮発現を促進さ
せる。この場合、合理的に脱海処理を含んで実施しても
よい。リラックス−脱海処理後の緯方向の収縮率は、3
3%であった。次に、中間セットの幅出し設定を有幅+
2cm、180℃に設定し実施した。ここで、過度な幅
出し設定はストレッチ性を減少させるので避ける。
【0039】得られた織物を針布起毛機にかけ、目標と
する表面感が得られるまで実施する。起毛回数の目安は
10〜15回である。起毛された織物は通常の高圧染色
機で染色し、仕上げ剤と仕上げセットを施し、製品とし
た。
する表面感が得られるまで実施する。起毛回数の目安は
10〜15回である。起毛された織物は通常の高圧染色
機で染色し、仕上げ剤と仕上げセットを施し、製品とし
た。
【0040】得られた製品は、緯方向のストレッチ率が
25%あり、表面感も毛羽密度の緻密な高級感に富んだ
もので、起毛面のタッチもドライ感を呈し、風合いも張
り腰、反発感に優れた質感のものとなり、婦人洋装のス
ーツ、ブレザー、コートなど中厚地織物の秋・冬用途素
材として最適なものになった。
25%あり、表面感も毛羽密度の緻密な高級感に富んだ
もので、起毛面のタッチもドライ感を呈し、風合いも張
り腰、反発感に優れた質感のものとなり、婦人洋装のス
ーツ、ブレザー、コートなど中厚地織物の秋・冬用途素
材として最適なものになった。
【0041】実施例2 実施例1の経糸に、緯糸としてポリエステル100%で
実施例1に記載された50D−12Fのコンジュケート
糸と、100D−18Fの海島型極細糸(脱海後の単糸
繊度が0.07d、酸化チタン0.1重量%を含有)の
仮撚糸を糸長差10%で流体乱流加工を施しランダムな
ループを形成した複合混繊糸とし、実施例1と同じ織物
規格、組織、織機で製織した。極細糸の仮撚加工はスピ
ンドルタイプの仮撚機で通常の仮撚条件を用い、また、
混繊加工は愛機製作所製の混繊加工機を使用した。得ら
れた織物は実施例1同様の染色工程、加工条件を施し製
品に仕上げた。得られた製品の特性を表1に示す。
実施例1に記載された50D−12Fのコンジュケート
糸と、100D−18Fの海島型極細糸(脱海後の単糸
繊度が0.07d、酸化チタン0.1重量%を含有)の
仮撚糸を糸長差10%で流体乱流加工を施しランダムな
ループを形成した複合混繊糸とし、実施例1と同じ織物
規格、組織、織機で製織した。極細糸の仮撚加工はスピ
ンドルタイプの仮撚機で通常の仮撚条件を用い、また、
混繊加工は愛機製作所製の混繊加工機を使用した。得ら
れた織物は実施例1同様の染色工程、加工条件を施し製
品に仕上げた。得られた製品の特性を表1に示す。
【0042】比較例1 実施例1の経糸に、緯糸としてポリエステル100%の
50D−24Fの高収縮糸と200D−72Fの半延伸
糸(脱海後の単糸デニールが0.17d、酸化チタン
2.3重量%を含有)の仮撚加工糸を糸長差15%で流
体乱流加工しランダムなループを形成した複合混繊糸を
無撚のままで供糸し、実施例1と同じ織物規格、組織、
織機で製織した。仮撚加工と混繊加工の条件は実施例1
ど同様で行った。得られた織物は実施例1同様の染色工
程、加工条件を施し製品に仕上げた。得られた製品の特
性を表1に示す。
50D−24Fの高収縮糸と200D−72Fの半延伸
糸(脱海後の単糸デニールが0.17d、酸化チタン
2.3重量%を含有)の仮撚加工糸を糸長差15%で流
体乱流加工しランダムなループを形成した複合混繊糸を
無撚のままで供糸し、実施例1と同じ織物規格、組織、
織機で製織した。仮撚加工と混繊加工の条件は実施例1
ど同様で行った。得られた織物は実施例1同様の染色工
程、加工条件を施し製品に仕上げた。得られた製品の特
性を表1に示す。
【0043】比較例2 実施例1の経糸に、緯糸としてポリエステル100%で
50D−12Fの延伸糸の仮撚糸と200D−72Fの
半延伸糸(脱海後の単糸デニールが0.17d、酸化チ
タン2.3重量%を含有)の仮撚加工糸を糸長差15%
で流体乱流加工しランダムなループを形成した複合混繊
糸を無撚のままで供糸し、実施例1と同じ織物規格、組
織、織機で製織した。仮撚加工と混繊加工の条件は実施
例1ど同様で行った。得られた織物は実施例1同様の染
色工程、加工条件を施し製品に仕上げた。得られた製品
の特性を表1に示す。
50D−12Fの延伸糸の仮撚糸と200D−72Fの
半延伸糸(脱海後の単糸デニールが0.17d、酸化チ
タン2.3重量%を含有)の仮撚加工糸を糸長差15%
で流体乱流加工しランダムなループを形成した複合混繊
糸を無撚のままで供糸し、実施例1と同じ織物規格、組
織、織機で製織した。仮撚加工と混繊加工の条件は実施
例1ど同様で行った。得られた織物は実施例1同様の染
色工程、加工条件を施し製品に仕上げた。得られた製品
の特性を表1に示す。
【0044】比較例3 実施例1の経糸に、緯糸としてポリエステル100%で
実施例1に記載された50D−12Fのコンジュケート
糸と、200D−72Fの半延伸糸(脱海後の単糸デニ
ールが0.17d、酸化チタン2.3重量%を含有)の
仮撚加工糸を糸長差4%で流体乱流加工しランダムなル
ープを形成した複合混繊糸を無撚のままで供糸し、実施
例1と同じ織物規格、組織、織機で製織した。仮撚加工
と混繊加工の条件は実施例1ど同様で行った。得られた
織物は実施例1同様の染色工程、加工条件を施し製品に
仕上げた。得られた製品の特性を表1に示す。
実施例1に記載された50D−12Fのコンジュケート
糸と、200D−72Fの半延伸糸(脱海後の単糸デニ
ールが0.17d、酸化チタン2.3重量%を含有)の
仮撚加工糸を糸長差4%で流体乱流加工しランダムなル
ープを形成した複合混繊糸を無撚のままで供糸し、実施
例1と同じ織物規格、組織、織機で製織した。仮撚加工
と混繊加工の条件は実施例1ど同様で行った。得られた
織物は実施例1同様の染色工程、加工条件を施し製品に
仕上げた。得られた製品の特性を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明は、スエード調織物でありながら
ストレッチ性に富み、起毛された表面感は毛羽感が緻密
で、天然フラノ調織物の高級感を表現し、風合いてきに
も張り腰、反発感に優れ、これまでにない秋冬中厚地の
スーツ、コート用途の合繊スエード調織物を提供するこ
とができる。
ストレッチ性に富み、起毛された表面感は毛羽感が緻密
で、天然フラノ調織物の高級感を表現し、風合いてきに
も張り腰、反発感に優れ、これまでにない秋冬中厚地の
スーツ、コート用途の合繊スエード調織物を提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06C 11/00 D06C 11/00 Z
Claims (6)
- 【請求項1】経糸または緯糸のどちらか一方が少なくと
も2種類のマルチフイラメント糸から構成された複合混
繊糸からなり、その1種類は少なくとも2成分のポリエ
ステル重合体からなるコンジュケートマルチフイラメン
ト糸であって、前記複合混繊糸の比較的内層に配置さ
れ、また、他の1成分は単糸繊度が0.5デニール以下
でかつ前記コンジュケートマルチフイラメント糸よりも
糸長が5%以上長い極細マルチフイラメント糸であっ
て、前記複合混繊糸の比較的外層に配置されている複合
混繊糸を使用してなる織物であって、該織物表面に毛羽
を有し、該織物の経方向または緯方向に5%以上の伸長
率を有していることを特徴とするスエード調織物。 - 【請求項2】織物の経方向または緯方向の伸長率が30
%以下であることを特徴とする請求項1に記載のスエー
ド調織物。 - 【請求項3】前記極細ポリエステルマルチフイラメント
糸が、艶消し剤を1.2〜10重量%含むことを特徴と
する請求項1または2に記載のスエード調織物。 - 【請求項4】複合混繊糸を構成するコンジュケートマル
チフイラメント糸の構成比率が、15〜50重量%の範
囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載のスエード調織物。 - 【請求項5】複合混繊糸の比較的外層に位置する極細マ
ルチフイラメント糸が、仮撚捲縮とランダムなループを
形成していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
に記載のスエード調織物。 - 【請求項6】織物表面の毛羽が針布起毛によって起毛さ
れていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
載のスエード調織物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9143823A JPH10331051A (ja) | 1997-06-02 | 1997-06-02 | スエード調織物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9143823A JPH10331051A (ja) | 1997-06-02 | 1997-06-02 | スエード調織物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10331051A true JPH10331051A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15347793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9143823A Pending JPH10331051A (ja) | 1997-06-02 | 1997-06-02 | スエード調織物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10331051A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8481156B2 (en) | 2007-12-28 | 2013-07-09 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Decorative sheet and decorated formed product |
JP2016180189A (ja) * | 2015-03-24 | 2016-10-13 | 東レ株式会社 | 混繊糸、スエード調織編物およびスエード調織編物の製造方法 |
-
1997
- 1997-06-02 JP JP9143823A patent/JPH10331051A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8481156B2 (en) | 2007-12-28 | 2013-07-09 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Decorative sheet and decorated formed product |
JP2016180189A (ja) * | 2015-03-24 | 2016-10-13 | 東レ株式会社 | 混繊糸、スエード調織編物およびスエード調織編物の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041130 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050607 |