JP2004020759A - 画像形成装置、画像形成システム及び画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置、画像形成システム及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各色の現像材の残量を均一にする設定モードによる画像形成において、色或いは色調が変更されることにより生じる不具合を回避でき、印刷対象画像との関係で最適条件を選択可能として、プリントシステムのパフォーマンスの向上を図る。
【解決手段】ホストPCとプリンタを通信I/Fで接続したシステムにおいて、印刷実行をホスト或いはプリンタで指示する際にユーザにより現像材残量均一モードを設定可能とする。本モードは、設定時に残量を検知し残量の少ない色の消費を抑制すべく、色変換手段で該当色の減量や他色へ置換えるための変換をかける。図5のように、ある色の現像材の残量が所定値以下になった時に均一モード(複数の減量値を用意)/通常モードを選択可能にする。また、対象画像の文字/写真エリアを選択して本モードを適用可能としたり、適用時の色変化をモニタできるようにする。
【選択図】  図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、カラープリンタ、カラーファクシミリ、カラー複写機やこれらの利用システム等に見られるような、色成分データに基づいて各色の現像材を印刷用紙に付着させカラー画像を作像する画像形成装置、画像形成システム及び画像形成方法に関し、特定すると、各色の現像材の残量を均一にするような作像条件に従う動作が可能な前記画像形成装置、画像形成システム及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、色成分データに基づいて各色の現像材を印刷用紙に付着させカラー画像を作成する画像形成装置は、例えば、カラープリンタ、カラーファクシミリ、カラー複写機等として身近に利用されている。このような装置では、普通、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イェロー),K(ブラック)をカラー構成色として、 4色の現像材(トナー或いはインク)を使用してカラー画像を形成する。この4色の各現像材は、通常、カートリッジ等の容器に収容され、消費されると新たなカートリッジと交換する方式により供給される。
従来、4色中のC,M,Yが一体のカートリッジが使用されている。画像形成装置で用いる4色の各現像材の消費量は、作成する画像により異なるので、カートリッジの残量に不均一が生じるが、こうした一体型カートリッジを使用する場合にC,M,Yのいずれか一つの色がなくなってしまっただけで、カートリッジ全体が使用不可になってしまい、残っている他の色を無駄にしていた。また、C,M,Y,Kをそれぞれ独立で交換できるカートリッジ方式を採用したとしても、購入の手間などの関係で4色を一括で購入する場合が多く、特定の色の現像材が余ってしまう、という問題が生じていた。
【0003】
そこで、この問題への対応として、現像材の残量(消費量)を均等化するような使用法によりその解決を図るようにし、そのために、
(1) 残量が最小になった色を他の色に置き換える(特開2001−18456号公報、参照)。
(2) 装置の管理データ等を印刷出力する際に、残量が最も多い色を用いる(特開平11−27500号公報、参照)。
(3) 各色のインクの累積消費量を均等化するように混色比率を所定範囲で変更する(特開8−108548号公報、参照)。
といった方法を用いることが、従来、提案されている。提案された(1)〜(3)の方法によれば、いずれも現像材の残量(消費量)の均等化が図れるので、現像材を無駄なく使うという目的に対して一定の成果が得られるものと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、提案された上記(1)〜(3)のいずれの例においても、均等化モードを実行する際に、実行の是非の選択、或いは異なる均等化条件を用意し、そこから条件を選択するといった選択性をユーザに与え、ユーザの意志に従った動作を行うようにする点について触れるところがなく、装置が用意した一定のルールが全てのユーザ及び印刷対象画像に対して適用されるものと考えられる。従って、装置が用意した一定のルールの動作モードにより印刷されるカラー画像の色或いは色調の変化が望ましくない利用形態、或いは、この変化を望まないユーザにあっては、不具合が生じる。
一方、均等化モードを実行する時期について、提案された上記例(1)では、インク残量差が基準値以上になった場合としている。この場合に、基準値の設定の仕方によっては残量が十分にある段階でも、残量差が生じると均等化モードの動作による色変化が起き、望ましくない結果になる可能性がある。また、上記例(2)では、管理レポートの出力時としており、均等化の効果が限られてしまう。また、上記例(3)では、均等化モードを実行する時期を考慮しておらず、残量に違いのない(従って格別の均等化効果が得られない)段階でも実行されるとすると、実行に伴う処理負担の割に効果が上がらない場合が起こり得るので、そうした場合にパフォーマンスの低下をきたすものと考えられる。
本発明は、上記した従来技術における問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、各色の現像材の残量を均一にするような作像条件に従う残量均一化モードの画像形成処理を可能にする画像形成方法、画像形成装置(例えば、カラープリンタ、カラーファクシミリ、カラー複写機等)及び画像形成システム(画像形成装置と、該画像形成装置に対し画像形成要求を行うホスト装置とを要素とするシステム)において、装置が用意した一定のルールに従う残量均一化モードを全てのユーザ及び印刷対象画像に対して適用し、印刷されるカラー画像の色或いは色調が変更されたために生じた従来の不具合をユーザの選択により回避して、ユーザの意向に従った作像条件により残量均一化を行うようにし、さらに、残量均一化モードの実行時期を動作条件として考慮することにより装置やシステムのパフォーマンスの向上を図ることを可能にする前記画像形成方法、画像形成装置及び画像形成システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、カラー画像を形成するための色成分データに変換を施す色変換手段と、交換可能な容器に入れた各色成分の現像材と、色変換後の画像データに基づいて前記現像材を印刷用紙に付着させカラー画像を作像する画像形成手段を有する画像形成装置であって、さらに前記色変換手段の設定を変更することにより色変換特性を制御する手段と、前記現像材の残量を均等化する動作モードで動作させるか否かの指令操作、該動作モードの指令をする場合に複数の異なるモード種別から設定モードとして選択される種別を指示する指令操作を行う操作手段と、現像材の残量を検知する手段を備え、前記色変換特性を制御する手段は、前記操作手段から動作モードの指令を受けた場合に、前記色変換手段の設定を前記検知手段によって検知された現像材の残量と、該指令に指示された動作モード種別とに基づいて予め定められた設定に変更するようにしたことを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像形成装置において、前記現像材の残量を均等化する動作モードでは、残量の少ない色成分の現像材を減量させるように設定を変更し、該減量を前記モード種別により変えるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像形成装置において、前記現像材の残量を均等化する動作モードでは、残量の少ない色成分の現像材を残量の多い色成分の現像材に置き換えるように設定を変更し、該残量の多い色成分の現像材を前記モード種別により変えるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された画像形成装置において、さらに検知された現像材の残量が所定の閾値以下になったときに、現像材の残量を均等化する動作モードで動作させる指令操作を促すための情報を提示する手段を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載された画像形成装置において、さらに対象画像における画像エリアの種類を判別する手段を備え、前記操作手段で現像材の残量を均等化する動作モードを適用する画像エリア種類の指定を可能にするとともに、前記色変換特性を制御する手段は、画像エリア種類の判別結果と現像材の残量を均等化する動作モードを適用する画像エリア種類の指定に従って、画像エリア種類ごとに前記色変換手段の設定を変更し得るようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項6の発明は、請求項5に記載された画像形成装置において、前記画像エリア種類として文字画像エリア、写真画像エリアの少なくとも一つを指定するようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載された画像形成装置において、さらに現像材の残量を均等化する動作モードに従う色変換特性の設定による色の変動をモニタする画像を表示する手段を備え、前記操作手段により該動作モードの指令を行う際にモニタ画像を参照し得るようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載された画像形成装置と、該画像形成装置に通信インターフェースを介して接続したホスト装置よりなる画像形成システムであって、前記ホスト装置は、カラー画像を形成するための色成分データを生成し、生成した色成分データを現像材の残量を均等化する動作モードで動作させるか否かの指令、該動作モードの指令をする場合に複数の異なるモード種別から設定モードとして選択される種別を指示する指令とともに、画像形成要求として通信インターフェースを介して画像形成装置に送るようにした画像形成システムである。
【0013】
請求項9の発明は、カラー画像を形成するための色成分データを生成し、生成した色成分データに基づく画像形成要求を行うホスト装置と、該ホスト装置に通信インターフェースを介して接続し、ホスト装置から受け取った画像形成要求に従って交換可能な容器に入れた各色成分の現像材を印刷用紙に付着させ、カラー画像を作像する画像形成装置とよりなる画像形成システムであって、さらに前記画像形成装置に現像材の残量を検知する手段と、検知した残量をホスト装置に通知する手段を備え、前記ホスト装置にカラー画像を形成するための色成分データに変換を施す色変換手段と、色変換手段の設定を変更することにより色変換特性を制御する手段と、前記現像材の残量を均等化する動作モードで動作させるか否かの指令操作、該動作モードの指令をする場合に複数の異なるモード種別から設定モードとして選択される種別を指示する指令操作を行う操作手段とを備え、かつ前記色変換特性を制御する手段は、前記操作手段から動作モードの指令を受けた場合に、前記色変換手段の設定を画像形成装置から通知された現像材の残量と、該指令に指示された動作モード種別とに基づいて予め定められた設定に変更するようにしたことを特徴とする画像形成システムである。
【0014】
請求項10の発明は、請求項9に記載された画像形成システムにおいて、前記現像材の残量を均等化する動作モードでは、残量の少ない色成分の現像材を減量させるように設定を変更し、該減量を前記モード種別により変えるようにしたことを特徴とする画像形成システムである。
【0015】
請求項11の発明は、請求項9又は10に記載された画像形成システムにおいて、現像材の残量を均等化する動作モードでは、残量の少ない色成分の現像材を残量の多い色成分の現像材に置き換えるように設定を変更し、該残量の多い色成分の現像材を前記モード種別により変えるようにしたことを特徴とする画像形成システムである。
【0016】
請求項12の発明は、請求項9乃至11のいずれかに記載された画像形成システムにおいて、ホスト装置に検知された現像材の残量が所定の閾値以下になったときに、現像材の残量を均等化する動作モードで動作させる指令操作を促すための情報を提示する手段を備えたことを特徴とする画像形成システムである。
【0017】
請求項13の発明は、請求項9乃至12のいずれかに記載された画像形成システムにおいて、ホスト装置に対象画像における画像エリアの種類を判別する手段を備え、前記操作手段で現像材の残量を均等化する動作モードを適用する画像エリア種類の指定を可能にするとともに、前記色変換特性を制御する手段は、画像エリア種類の判別結果と現像材の残量を均等化する動作モードを適用する画像エリア種類の指定に従って、画像エリア種類ごとに前記色変換手段の設定を変更し得るようにしたことを特徴とする画像形成システムである。
【0018】
請求項14発明は、請求項13に記載された画像形成システムにおいて、前記画像エリア種類として文字画像エリア、写真画像エリアの少なくとも一つを指定するようにしたことを特徴とする画像形成システムである。
【0019】
請求項15の発明は、請求項9乃至14のいずれかに記載された画像形成システムにおいて、ホスト装置に現像材の残量を均等化する動作モードに従う色変換特性の設定による色の変動をモニタする画像を表示する手段を備え、前記操作手段により該動作モードの指令を行う際にモニタ画像を参照し得るようにしたことを特徴とする画像形成システムである。
【0020】
請求項16の発明は、カラー画像を形成するための色成分データに設定変更により制御し得る色変換特性に従う色変換を施し、色変換後の画像データに基づいて交換可能な容器に入れた各色成分の現像材を印刷用紙に付着させ、カラー画像を作像する画像形成方法であって、前記現像材の残量を検知し、入力操作により発生される指令に前記現像材の残量を均等化する動作モードが指示されているか否か、該動作モードが指示されている場合に複数の異なるモード種別から設定モードとして選択されている種別を認識し、現像材の残量を均等化する動作モードの指令を認識した場合に、前記色変換特性の設定を、検知した現像材の残量と、該指令に指示された動作モード種別とに基づいて予め定められた該動作モードに対応する特性に変更し、変更後の色変換特性により色成分データの色変換を行うようにしたことを特徴とする画像形成方法である。
【0021】
請求項17の発明は、請求項16に記載された画像形成方法において、前記現像材の残量を均等化する動作モードでは、残量の少ない色成分の現像材を減量させるように設定を変更し、該減量を前記モード種別により変えるようにすることを特徴とする方法である。
【0022】
請求項18の発明は、請求項16又は17に記載された画像形成方法において、現像材の残量を均等化する動作モードでは、残量の少ない色成分の現像材を残量の多い色成分の現像材に置き換えるように設定を変更し、該残量の多い色成分の現像材を前記モード種別により変えるようにすることを特徴とする方法である。
【0023】
請求項19の発明は、請求項15乃至18のいずれかに記載された画像形成方法において、検知された現像材の残量が所定の閾値以下になったときに、現像材の残量を均等化する動作モードで動作させる指令操作を促すための情報を提示するようにしたことを特徴とする方法である。
【0024】
請求項20の発明は、請求項16乃至19のいずれかに記載された画像形成方法において、対象画像における画像エリアの種類を判別し、操作により現像材の残量を均等化する動作モードを適用する画像エリア種類を指定し、画像エリア種類の判別結果と現像材の残量を均等化する動作モードを適用する画像エリア種類の指定に従って、画像エリア種類ごとに前記色変換特性の設定を変更するようにしたことを特徴とする方法である。
【0025】
請求項21の発明は、請求項20に記載された画像形成方法において、前記画像エリア種類として文字画像エリア、写真画像エリアの少なくとも一つを指定するようにしたことを特徴とする方法である。
【0026】
請求項22の発明は、請求項16乃至21のいずれかに記載された画像形成方法において、現像材の残量を均等化する動作モードに従う色変換特性の設定による色の変動をモニタする画像を表示し、該動作モードの指令を行う際にモニタ画像を参照し得るようにしたことを特徴とする方法である。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明を添付する図面とともに示す以下の実施形態に基づき説明する。
以下に示す実施形態では、本発明の画像形成装置、画像形成システム及び画像形成方法を、画像形成装置としてのカラープリンタに通信インターフェースを介して接続したホスト装置としてのPC(Personal Computer)よりなる画像形成システム(プリントシステム)において実施した形態を例示する。
図1は、本実施形態のプリントシステムの概略構成を示す図であり、同図を参照して実施システムを説明する。図1に例示するプリントシステムは、カラー画像の形成に用いる色成分データを印刷要求として送信するホストPC101と、ホストPC101にインターフェースケーブル107等の通信媒体を介して接続し、ホストPC101から受信した印刷要求に従いカラー画像を形成するプリンタ装置113によりシステムを構成するものである。なお、ホストPCを通信インタフェースでプリンタ装置に接続する本例のようなシステムの基本構成は、従来の一般的なプリントシステムが普通に採用するところであり、以下の説明では、本発明の実施に関係の深い部分について詳細を説明する。
【0028】
ここで、ホストPC101は、ネットワーク接続可能な汎用パーソナルコンピュータが通常備えているハードウェア106を有するものである。また、ハードウェアを動作させるためのソフトウェアとして、OS(Operating System)105と、OS105上にカラー画像データを作成する機能を持つアプリケーションソフト102、Windows(登録商標)ではGDI(Graphics Device Interface)、MacOSではQuickDraw(登録商標)などのGUI(Graphic User Interface)やプリント動作に必要な処理を実行するグラフィックエンジン103、接続されたプリンタ装置113に対する動作条件等の設定・指令入力をサポートし、作成したカラー画像データをアプリケーション102からの要求により印刷ジョブとして、プリンタが処理できる形のデータに変換するプリンタドライバ104を搭載する。なお、後記で詳述する、現像材(本例では、電子写真方式で用いる“トナー”として説明するが、インクジェット方式の場合には“インク”に代わる)の残量を均等化するように画像を形成させる動作モード(以下、“トナー残量均一モード”と記す)に係わる動作をホストPC101側のプリンタドライバ104でサポートする場合に、上記したプリンタドライバ104には、この動作モードに関する設定・指令及び画像形成に用いる画像データに対する色変換等の処理を行うことを可能にするソフトウエアを用意する必要がある(ただし、トナー残量均一モードの処理をホストPC101側でサポートしない形態で実施する場合には、必ずしも必要としない)。また、そのソフトウェアをネットワーク経由でサーバから取得したり、ホストPC101が装備するリムーバブルなメディアを用いる記憶手段(例えば、フレキシブルディスクドライブ、CDドライブ等)を用いてインストールすることを可能にする。
【0029】
また、プリンタ装置113は、ホストPC101との間でインターフェースケーブル107等の通信媒体を介して双方向に情報(印刷ジョブ、指令、装置状態、管理情報等の情報)の授受を行うためのI/F装置108と、印刷ジョブの内容に従って、プリンタ言語処理プログラム(エミュレーションプログラム)やファクシミリ制御プログラム等を用いて描画データを生成する処理を行うプリンタコントローラ111と、生成された描画データを受け取り印刷用紙に作像を行うプリンタエンジン110を備える。なお、プリンタコントローラ111は、上記した描画データの生成の外に、プリンタ1のシステム全体を制御するシステム制御機能(機能実現手段として各種制御プログラム等の格納されたROM、各プログラムのワークエリアに使用されるRAM、CPU等を備える)を有し、その制御下に操作パネル109や装置状態を検知する各種の検知手段(例えば、後述するトナー残量均一モードの動作に必要なトナーの残量を検知する手段)を置く。操作パネル109はユーザ(或いは管理者)とのインターフェースとしてユーザ等がプリンタの動作条件の設定・指令入力を行うための要素(GUI動作をサポートする表示部を含む)を備える。また、プリンタコントローラ111内には、例えば不揮発性メモリやHDD(Hard Disk Drive)、或いはリムーバブルなメディアを用いる等の記憶手段を有し、そこに印刷処理に関わるジョブを管理するための情報やプリンタの動作に関連する各種のプログラム、保守・管理情報等の種々の情報を書き込み・読み出し可能に保持させる。
【0030】
ここで、“トナー残量均一モード”に関して詳述する。
本実施形態において実行するトナー残量均一モードは、現像材としてのトナーを無駄なく消費することをねらいとして各色成分のトナー残量を均等化するようなトナーの使用法により画像形成を行うようにする。即ち、トナー残量均一モードによる動作では、トナー残量検知手段により検知された残量情報を受けて、残量の少ない色のトナーの消費を抑制する方向でトナーを用いた画像形成を行わせ、残量の不均一を無くすようにする。このために、検知されたトナーの残量に基づいて予め定めたこの動作モードの設定に従い色変換手段の設定を変更する制御動作を行う。また、このトナー残量均一モードにより印刷出力される画像では、原画像の色が保たれないので、色調等の色変化を望まないユーザを配慮し、ユーザ操作による指令によってこの動作モードを実行するか否か、又、動作モードを実行する場合にもユーザが許容できる動作条件を複数の異なる条件を持つモード種別から選択・指示するようにして、動作モードを決める方法をとるようにする。
【0031】
次いで、上記したトナー残量均一モードにおいて、残量の均一化を図るための色変換の設定方法、及びこのモードによる動作を実行する時期の選択、に関する実施形態を説明する。
残量の均一化を図るための色変換の設定方法としては、次に示す設定方法(1)、設定方法(2)の2つの方法をとることができる。
設定方法(1):残量の少ない色成分のトナーを減量させるような設定に変更する。
設定方法(2):残量の少ない色成分の現像材を残量の多い色成分のトナーに置き換えるような設定に変更する。
上記設定方法(1)では、原画像の色成分データに変換を施す色変換手段に設定する変換パラメータとして、残量の少ない色成分のトナーを、例えば0から100%未満の任意の減量が可能な値に対応する設定値を採用し、消費を抑える。上記設定方法(2)では、原画像が、残量の少なくなった色成分単色の画像であり、置き換えによる色の変化を受け入れることができる場合に、採用し、置き換えた他の色の消費により残量の均一化を図る。
【0032】
また、トナー残量均一モードによる動作を実行する時期に関して説明すると、このモードによる動作の指令が常時できるようにし、その実行を可能にしても良い。即ち、トナーが十分ある使用開始当初から実行可能とし、少しでも各色成分のトナー残量に不均一があったら、この均一化モードの制御動作をかけるようにする。このようにすると、使用状況によっては無駄の少ない消費に効果的である。 しかしながら、使用開始当初において、各色成分のトナー残量に大きなばらつきが生じない状態であることが想定されるので、このモードによる動作を可能とする時期を制限する。このような制限をすれば、この動作モードを実行するための制御動作により生じる分の処理負担を軽減することができ、無駄な動作を行わなわずにすむ。これを具体化するときの方法としては、例えば、トナー残量の検知を行っているので、トナーの消費が進行し、ある色成分の残量が所定の閾値以下になり、各色成分のトナー残量のばらつきが大きくなることが想定されるときから、このモードによる動作を可能とするという方法を採用することができる。
また、この動作モードの実施形態として、上記で設定方法(1)、(2)の2つの色変換の設定方法を示したが、この方法とトナー残量との組み合わせにより、実施するようにしても良い。例えば、トナー残量レベルを3段階に分け、次に示すような対応でこの動作モードを実施することが可能である。
「レベル1:充分な残量がある」……残量が充分あるレベルではトナー残量均一モードの動作を行わない。
「レベル2:ある色成分の残量が第1の閾値以下になる」……第1の閾値以下にレベルが低下した場合には、上記設定方法(1)で(残量の少ない色成分のトナーを減量)トナー残量均一モードの動作を行う。
「レベル3:ある色成分の残量が第2の閾値以下になる」……第1の閾値よりもさらに低下し、トナー切れのおそれがある第2のレベル以下になった場合には、上記設定方法(2)で(トナー切れのおそれがある色成分のトナーを別の色に変える)トナー残量均一モードの動作を行う。
【0033】
ところで、原画像の中にはエリアを分割して文字エリアと写真エリアが一枚の画像に混在する場合がある。このような画像をトナー残量均一モードの対象とする場合に、文字エリアを対象にしても良いが、写真エリアを対象にしたくないといったことが起こり得る。以下に示す実施形態は、こうした適用に応えることを可能とするものである。
この動作を実現するために、トナー残量均一モードによる動作を設定する入力操作部(ホストPC101ではプリンタドライバ104で対応し、プリンタ装置113では操作パネルで対応する)において、このモードを文字エリアと写真エリアの何れに適用するかを指定するか、指定をしないでモード設定を行うかを指示できるようにする。また、適用する画像エリア種類を指定して行われたトナー残量均一モードの設定に従いこのモードの動作を実行するためには、対象とする原印刷画像を解析し、文字エリアと写真エリアの種類を区別する印刷画像エリアの判別処理を必要とし、ホストPC101で対応するためには、プリンタドライバ104に、プリンタ装置113で対応するためにはプリンタコントローラ111にその処理手段を備えければならない。
このような手段をホストPC101、或いはプリンタ装置113に備えることにより、トナー残量均一モードを適用するエリアをユーザ操作により選択できるようになり、例えば文字部分の色は気にしないが、写真部分は通常の印刷で出力したいといった要望に応えることができる。
【0034】
また、ホストPC101、或いはプリンタ装置113のいずれにおいても、ユーザ操作は、GUI動作に基づいて行われるようにしているので、その機能を利用して、ユーザ操作で設定されるトナー残量均一モードを実行したときの印刷結果を事前にチェックできるようにする。具体的には、トナー残量均一モードによるトナーの減量や色の置き換えにより印刷した画像が原カラー画像に対してどのような色変化を起こすかをチェックできるようにモニタ画像を表示し、そのチェック結果によりこのモードの設定を行うか否かの判断材料をユーザに提供できるようにする。
トナー残量均一モードの設定操作時に、ホストPC101の操作画面或いはプリンタ装置113の操作パネル109で色表示モニタ画面を要求する操作を行うと、プリンタドライバ104或いはプリンタコントローラ111は、現在のトナー残量の検知結果を取得し、その時のトナー残量によって決まる変換パラメータを用いて画像の変換を行い、変換後の画像によりモニタ表示をする。
【0035】
図2は、トナー残量均一モード時に表示する色表示モニタ画面の例を示す。
この例では、代表的な数種類の色について色表示を行う。そのために、残量を均一化するための色変換の設定方法(例えば、残量の少ない色成分を30%減量するような設定方法)に従って各代表色について予め計算しておいた変換後の色成分値を用いて色表示を行う。図2に示すように、原画像の色とトナー残量均一モードによる変換後の色を対応付けて表示し、変化が分かるようにする。
なお、上記では代表的な数種類の色をモニタ表示する例を示したが、実際に印刷対象とする画像についてトナー残量均一モードを適用すると、どのような印刷結果になるかをモニタ表示することも可能である。なお、この形態で実施するときには、代表的な数種類の色の色表示を行う場合のように、予めデータを用意することができないので、印刷要求の度毎に原画像にトナー残量均一モードに従って色変換を施し、表示データを生成するまでの処理を行わなければならない。
【0036】
次に、“トナー残量均一モード”設定に対応した印刷処理動作に関して説明する。
本発明の実施形態では、ホストPC側でこの動作モードを設定した印刷要求がプリンタ装置に対して指令される形態と、トナー残量均一モードの設定がプリンタ装置で指令され、プリンタ装置で独自にこの動作モードによる印刷を実行することを可能にする形態があり、それぞれの実施形態について、以下にその印刷処理動作を説明する。
先ず、ホストPC101の動作について述べる。
本実施形態では、ユーザによる印刷実行の指示時に、プリンタドライバ104が行うトナー残量均一モードの設定に対応した処理に関する動作を例示する。
図3は、本実施形態に係わるプリンタドライバ104における処理のフローチャートを示す。図3を参照して動作を説明すると、ユーザにより印刷実行が指示された(S201)後、プリンタドライバ104は、トナー残量均一モードに対応する処理に必要な情報としてプリンタ装置113におけるトナー残量を通信インターフェースを介して取得する(S202)。
次いで、トナー残量均一モードが設定されているか否かをチェックし(S203)、このモードが設定されている場合に、先に取得したトナー残量の情報により色変換の設定を行い、その設定に従って印刷要求された原画像に対してトナー残量を均一にするための色変換を施す(S204)。
ここで行う色変換は、基本的には上記設定方法(1)、(2)で示した方法を採用し、下記[設定例1]〜[設定例3]に示すような形態で実施しうる。
[設定例1]
本例は、検知されたトナー残量の中で最も残量の少ない色を特定し、特定された色を減量する設定を行う。設定の際に、ユーザが許容できる設定(動作条件)を複数の異なる条件を持つ設定から選択するようにして、設定値を確定する方法をとる。従って、次の(a)〜(c)ように減量値を段階的に変えた選択項目を提示し、その中から選択される項目を設定値として用いる。この場合、(a)→(c)に向けて色の変化が大きいので、原画像からの色変化を大きくしたくない場合には、(a)が選択される。
(a) 特定色の消費を20%削減
(b) 特定色の消費を30%削減
(c) 特定色の消費を50%削減
[設定例2]
本例は、検知されたトナー残量の中で最も残量の少ない色を特定し、特定された色をより残量の多い他色に置き換える設定を行う。設定の際に、ユーザが許容できる設定(動作条件)を複数の異なる条件を持つ設定から選択するようにして、設定値を確定する方法をとる。従って、次の(a)〜(c)ように置き換える色を変えた選択項目を提示し、その中から選択される項目を設定値として用いる。なお例示はC,M,Yの中、Yの残量が最も少なくなった場合を仮定したものである。
(a) YをCに置換
(b) YをMに置換
(c) YをC+Mに置換
[設定例3]
本例は、上記の設定例1、設定例2を組み合わせたものである。検知されたトナー残量の中で最も残量の少ない色を特定し、特定された色を減量する設定と、特定された色をより残量の多い他色に置き換える設定とから、設定の際に、ユーザがを許容できる設定(動作条件)を選択するようにして、設定値を確定する方法をとる。従って、次の(a),(b)のように減量値を変えた選択項目と(c)のように他色に置き換えた選択項目を提示し、その中から選択される項目を設定値として用いる。なお例示はC,M,Yの中、Yの残量が最も少なくなった場合を仮定したものである。
(a) Yの消費を20%削減
(b) Yの消費を30%削減
(c) YをC+Mに置換
他方、ステップS203でトナー残量均一モードが設定されていない場合、上記した色変換処理(S204)をパスする。
トナー残量均一モードの設定に対応した処理を経て、得られる印刷データを印刷要求ジョブとしてプリンタ装置113に送信し(S205)、この処理フローを終了する。
【0037】
次に、ホストPC101におけるトナー残量均一モードの設定に対応した処理に関する動作の他の実施形態について述べる。
上記の実施形態(図3参照)には、当該処理の基本的な形態を示したが、本実施形態では、ユーザによる印刷実行の指示を行う際に、トナー残量を調べ、トナー残量が予め定めた値以下となった場合に、トナー残量均一モードの設定ができる(或いは設定を見直す)ようにして、本モードによるか、通常モードによるかを選択可能にするというユーザの設定操作に対応した処理に関する動作を示す。図4は、本実施形態に係わるプリンタドライバ104における処理のフローチャートを示す。図4を参照して動作を説明すると、ユーザにより印刷実行が指示された(S301)後、プリンタドライバ104は、トナー残量均一モードに対応する処理に必要な情報としてプリンタ装置113におけるトナー残量を通信インターフェースを介して取得する(S302)。
この後、取得したトナー残量のどれかが予め設定した閾値以下であるか否かをチェックし(S303)、閾値以下である場合に、そのチェック結果をホストPC101のディスプレイの表示画面によりユーザにアラートし、トナー残量均一モードの設定ができる(或いはこれまでの設定の見直し)ことを知らせるメッセージとともに、トナー残量均一モードによるか、通常モードによるかを選択する操作画面を表示する。この操作画面で操作入力により選択されたモードを印刷要求が指示された対象画像の処理モードとして設定する(S304)。図5は、このアラートとモード選択を行うための表示画面の一例を示す。図5に示す例では、シアントナーが閾値である50%以下になったことをアラートし、選択モードとして、“通常印刷”モードとトナーの減量値を30%、50%と変えた2種類の“トナー残量均一”モードを表示し、その中の一つに指示マークを付ける選択操作を行うことにより、モード設定を行うようにする。
他方、ステップS303でトナー残量が閾値以下ではない場合、上記した設定見直し処理(S304)をパスする。
【0038】
次に、印刷要求が指示された対象画像に対してトナー残量を均一にするための色変換を施す処理を行うために、トナー残量均一モードが設定されているか否かをチェックし(S305)、このモードが設定されている場合に、ステップS304の設定を反映した形で色変換の設定を行い、その設定に従って印刷要求された原画像に対してトナー残量を均一にするための色変換を施す(S306)。なお、トナー残量が閾値以下ではなく設定見直し処理(S304)をパスしたなかに、トナー残量均一モードの設定があるケースでは、このケースに対して予め指示された設定方法(上記設定方法(1)、(2)及び[設定例1]〜[設定例3]参照)に従って色変換を施す。
他方、トナー残量均一モードが設定されていない場合(S305−NO)、上記した色変換処理(S306)をパスする。
トナー残量均一モードの設定に対応した上記した処理ステップを経て、得られる印刷データを印刷要求ジョブとしてプリンタ装置113に送信し(S307)、この処理フローを終了する。
上記のようなフローに従った処理を行うことにより、トナー残量が少なくなった時に自動的にトナー残量均一モードの利用を促すことができ、残量を均等化して、無駄の生じないトナーの消費をより有効化するとともに、このモードを実行するときにかかる処理負担をより少なくすることが可能になる。
【0039】
次に、ホストPC101におけるトナー残量均一モードの設定に対応した処理に関する動作の他の実施形態について述べる。
本実施形態では、適用する対象画像における画像エリア種類を指定した設定が可能なトナー残量均一モードに対応した処理動作を示す。ここでは、画像エリア種類を、印刷対象画像の文字エリアと写真エリアとし、ユーザによるモード設定の際に、文字エリア、写真エリアの少なくとも一つがこのモードを適用する対象エリアに指定される実施形態を示す。
図6は、本実施形態に係わるプリンタドライバ104における処理のフローチャートを示す。図6を参照して動作を説明すると、ユーザにより印刷実行が指示された(S401)後、プリンタドライバ104は、トナー残量均一モードに対応する処理に必要な情報としてプリンタ装置113におけるトナー残量を通信インターフェースを介して取得する(S402)。
次いで、写真エリアを対象とするトナー残量均一モードが設定されているか否かをチェックし(S403)、このモードが設定されている場合に、先に取得したトナー残量の情報により色変換の設定を行い、その設定に従って印刷要求された原画像のうち対象とする写真画像エリアに対してトナー残量を均一にするための色変換を施す(S404)。なお、原画像から対象とする写真画像エリアを判別する処理は、プリンタドライバ104に備えたエリア種類判別手段により行う。また、色変換の設定方法は、上記設定方法(1)、(2)及び[設定例1]〜[設定例3]で示したような態様で実施し得るが、そのうちの所定の方法を予め採用しておくか、或いはユーザ設定によっても良い。 他方、写真エリアを対象とするトナー残量均一モードが設定されていない場合(S403−NO)、上記した色変換処理(S404)をパスする。
【0040】
次いで、文字エリアを対象とするトナー残量均一モードが設定されているか否かをチェックし(S405)、このモードが設定されている場合に、先に取得したトナー残量の情報により色変換の設定を行い、その設定に従って印刷要求された原画像のうち対象とする文字画像エリアに対してトナー残量を均一にするための色変換を施す(S406)。なお、原画像から対象とする文字画像エリアを判別する処理は、プリンタドライバ104に備えたエリア種類判別手段により行う。また、色変換の設定方法は、上記設定方法(1)、(2)及び[設定例1]〜[設定例3]で示したような態様で実施し得るが、そのうちの所定の方法を予め採用しておくか、或いはユーザ設定によっても良い。
他方、文字エリアを対象とするトナー残量均一モードが設定されていない場合(S405−NO)、上記した色変換処理(S406)をパスする。
トナー残量均一モードの設定に対応した上記した処理ステップを経て、得られる印刷データを印刷要求ジョブとしてプリンタ装置113に送信し(S407)、この処理フローを終了する。
上記したフローによる処理を行うことにより、トナー残量均一モードを適用するエリアの種類をユーザーが選択できるようになり、例えば文字部分の色は気にしないので適用するが、写真部分は通常の印刷で出力したいといった要望に応えることができる。
【0041】
次に、トナー残量均一モードの設定がプリンタ装置113で指令され、プリンタ装置113で独自にこの動作モードによる印刷を実行するときの動作について述べる。
本実施形態では、ホストPC101側でユーザにより印刷実行の指示があり、プリンタ装置113側で印刷要求ジョブとして受信する印刷データに対して、プリンタ装置113の操作パネル109から指示されたトナー残量均一モードの設定により実行する印刷処理に関する動作を例示する。
図7は、本実施形態に係わるプリンタコントローラ111における処理のフローチャートを示す。図7を参照して動作を説明すると、ホストPC101から印刷データを受信した(S501)後、プリンタコントローラ111は、トナー残量均一モードに対応する処理に必要な情報としてプリンタエンジン110に設けたトナー残量検知手段からそこで検知したトナー残量情報を取得する(S502)。
次いで、ユーザによる操作パネル109の入力操作によりトナー残量均一モードの設定が行われているかか否かをチェックし(S503)、このモードが設定されている場合に、先に取得したトナー残量の情報により色変換の設定を行い、その設定に従って受信した原印刷データに対してトナー残量を均一にするための色変換を施す(S504)。なお、色変換の設定方法は、上記設定方法(1)、(2)及び[設定例1]〜[設定例3]で示したような態様で実施し得、そのうちの所定の方法を予め採用しておく。他方、トナー残量均一モードが設定されていない場合、上記した色変換処理(S504)をパスする。
トナー残量均一モードの設定に対応した処理を経て、得られる印刷データに基づいて生成した描画データをプリンタエンジン110に送り、そこで画像形成処理を行わせ(S505)、この処理フローを終了する。
本実施形態(図7)のフローによる処理を行うことにより、トナー残量均一モードによる印刷処理をプリンタ装置側のユーザ操作により実行できる。
【0042】
ところで、ホストPC101側でユーザが印刷実行の指示を行う際に設定したトナー残量均一モードにより動作する上記した実施形態の中で、トナー残量が閾値以下になったときにユーザにより通常モード、残量均一モードのいずれかを選択する形で動作モードを設定する例(図4)、及び適用する対象画像における画像エリア種、即ち文字エリアと写真エリアごとに残量均一モードを設定する例(図6)を示した。このような設定によるトナー残量均一モードによる印刷処理は、プリンタ装置113でユーザにより設定されるトナー残量均一モードにおいても同様に実施し得る。
これら2形態のトナー残量均一モードをプリンタ装置113側で実施するときの印刷処理の動作フローは、図7に示したトナー残量均一モードの設定に対応する基本動作における、当該モード設定に応じた色変換処理のステップ(S503,S504)を、ホストPC101側で実施する上記した図5或いは図6にそれぞれ示した色変換処理関連のステップ(図4では、S303〜S306。図6では、S403〜S406)に置き換えて適用するという形態をとる。このような実施形態により、トナー残量が閾値以下になったときに通常、残量均一のいずれかを選択し、設定された残量均一モードの動作、或いは、文字エリアと写真エリアごとに設定された残量均一モードの動作という所期の動作をプリンタ装置113側のユーザ設定により実現することが可能である。
【0043】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明に対応する効果
印刷処理の実行を画像形成装置(例えば、カラープリンタ、カラーファクシミリ、カラー複写機等)で指示する際にユーザ操作により現像材残量均一モードを選択・設定し、設定時に残量を検知し残量の少ない色の消費を抑制すべく、色変換手段で該当色に設定に従う変換をかけるようにして、現像材を無駄なく消費できるモードによる処理をユーザの意志に従って実行するので、従来、装置が用意した一定のルールに従う残量均一化モードを全てのユーザ及び印刷対象画像に対して適用し、印刷されるカラー画像の色或いは色調が変更されたために生じるユーザの不満、或いは使用しない印刷物を作成してしまうといった不具合を回避して、ユーザの意向に従った作像条件により残量均一化を行い、無駄のない現像材の消費という所期の目的を達成することが可能になる。
(2) 請求項2の発明に対応する効果
残量の少ない色成分の現像材を減量させるようにして残量を均一化させるようにしたので、原画像の色調を大きく変えないで上記(1)の効果を達成することが可能になる。
(3) 請求項3の発明に対応する効果
残量の少ない色成分の現像材を残量の多い色成分の現像材に置き換えるようにして残量の均一化させるようにしたので、原画像の色や色調が変わっても問題のない場合に対応して上記(1)の効果を達成することが可能になる。
(4) 請求項4の発明に対応する効果
検知された現像材の残量が所定の閾値以下になったときに、現像材の残量を均一化するモードで動作させる指令操作を促すための情報を提示するようにしたので、均一化モードを実行するときにかかる処理負担をより少なくした形で残量の均一化の実効を上げることが可能になる。
【0044】
(5) 請求項5の発明に対応する効果
画像エリア種類ごとに色変換手段の設定を変更し得るようにした形態で現像材残量均一モードの動作を行うようにしたので、最適条件で残量の均一化を図ることが可能になる。
(6) 請求項6の発明に対応する効果
画像エリア種類として文字画像エリア、写真画像エリアの少なくとも一つを指定するようにしたことにより、少ない条件により上記(5)の実効を上げることが可能になる。
(7) 請求項7の発明に対応する効果
現像材残量均一モードに従う色変換特性の設定による色の変動をモニタできる画像を表示し、ユーザが動作モードの指令を行う際にモニタ画像を参照し得るようにしたことにより、ユーザの望まない結果になることを避けることができ、さらにパフォーマンスを向上させることが可能になる。
(8) 請求項8の発明に対応する効果
画像形成装置に通信インターフェースを介して接続したホスト装置(画像形成要求を行う)よりなる画像形成システムにおいて、上記(1)〜(7)の効果が実現できる。
【0045】
(9) 請求項9の発明に対応する効果
画像形成装置(例えば、カラープリンタ、カラーファクシミリ、カラー複写機等)をドライブする手段を備えたホスト装置で印刷処理の実行を指示する際にユーザ操作により現像材残量均一モードを選択・設定し、設定時に画像形成装置から取得した残量の検知情報をもとに、ドライバの色変換手段で残量の少ない色の消費を抑制するための設定に従う変換をかけるようにして、現像材を無駄なく消費できるモードによる処理をユーザの意志に従って実行するので、従来、システム(装置)が用意した一定のルールに従う残量均一化モードを全てのユーザ及び印刷対象画像に対して適用し、印刷されるカラー画像の色或いは色調が変更されたために生じるユーザの不満或いは使用しない印刷物を作成してしまうといった不具合を回避して、ユーザの意向に従った作像条件により残量均一化を行い、無駄のない現像材の消費という所期の目的を達成することが可能になる。
(10) 請求項10の発明に対応する効果
残量の少ない色成分の現像材を減量させるようにして残量を均一化させるようにしたので、原画像の色調を大きく変えないで上記(9)の効果を達成することが可能になる。
(11) 請求項11の発明に対応する効果
残量の少ない色成分の現像材を残量の多い色成分の現像材に置き換えるようにして残量の均一化させるようにしたので、原画像の色や色調が変わっても問題のない場合に対応して上記(9)の効果を達成することが可能になる。
(12) 請求項12の発明に対応する効果
検知された現像材の残量が所定の閾値以下になったときに、現像材の残量を均一化するモードで動作させる指令操作を促すための情報を提示するようにしたので、均一化モードを実行するときにかかる処理負担をより少なくした形で残量の均一化の実効を上げることが可能になる。
【0046】
(13) 請求項13の発明に対応する効果
画像エリア種類ごとに色変換手段の設定を変更し得るようにした形態で現像材残量均一モードの動作を行うようにしたので、最適条件で残量の均一化を図ることが可能になる。
(14) 請求項14の発明に対応する効果
画像エリア種類として文字画像エリア、写真画像エリアの少なくとも一つを指定するようにしたことにより、少ない条件により上記(13)の実効を上げることが可能になる。
(15) 請求項15の発明に対応する効果
現像材残量均一モードに従う色変換特性の設定による色の変動をモニタできる画像を表示し、ユーザが動作モードの指令を行う際にモニタ画像を参照し得るようにしたことにより、ユーザの望まない結果になることを避けることができ、さらにパフォーマンスを向上させることが可能になる。
【0047】
(16) 請求項16の発明に対応する効果
ユーザ操作により現像材残量均一モードを選択・設定し、設定時に画像形成プロセスに用いる現像材の残量の検知情報をもとに、残量の少ない色の消費を抑制するための設定に従う色変換を原画像データにかけ、変換後のデータを用いて画像形成を行う方法をとるようにしたので、従来、システム(装置)が用意した一定のルールに従う残量均一化モードを全てのユーザ及び印刷対象画像に対して適用し、印刷されるカラー画像の色或いは色調が変更されたために生じるユーザの不満或いは使用しない印刷物を作成してしまうといった不具合を回避して、ユーザの意向に従った作像条件により残量均一化を行い、無駄のない現像材の消費という所期の目的を達成することが可能になる。
(17) 請求項17の発明に対応する効果
残量の少ない色成分の現像材を減量させるようにして残量を均一化させるようにしたので、原画像の色調を大きく変えないで上記(16)の効果を達成することが可能になる。
(18) 請求項18の発明に対応する効果
残量の少ない色成分の現像材を残量の多い色成分の現像材に置き換えるようにして残量の均一化させるようにしたので、原画像の色や色調が変わっても問題のない場合に対応して上記(16)の効果を達成することが可能になる。
(19) 請求項19の発明に対応する効果
検知された現像材の残量が所定の閾値以下になったときに、現像材の残量を均一化するモードで動作させる指令操作を促すための情報を提示するようにしたので、均一化モードを実行するときにかかる処理負担をより少なくした形で残量の均一化の実効を上げることが可能になる。
【0048】
(20) 請求項20の発明に対応する効果
画像エリア種類ごとに色変換手段の設定を変更し得るようにした形態で現像材残量均一モードの動作を行うようにしたので、最適条件で残量の均一化を図ることが可能になる。
(21) 請求項21の発明に対応する効果
画像エリア種類として文字画像エリア、写真画像エリアの少なくとも一つを指定するようにしたことにより、少ない条件により上記(20)の実効を上げることが可能になる。
(22) 請求項22の発明に対応する効果
現像材残量均一モードに従う色変換特性の設定による色の変動をモニタできる画像を表示し、ユーザが動作モードの指令を行う際にモニタ画像を参照し得るようにしたことにより、ユーザの望まない結果になることを避けることができ、さらにパフォーマンスを向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わるプリントシステムの概略構成を示す図である。
【図2】トナー残量均一モード時に表示する色表示モニタ画面の1例を示す図である。
【図3】プリンタドライバにおけるトナー残量均一モードの設定に対応した処理フローを示す。
【図4】プリンタドライバにおけるトナー残量均一モードの設定に対応した処理フローの他の例を示す。
【図5】図4のフローにおいてアラートとモード選択を行うための表示画面の一例を示す。
【図6】プリンタドライバにおけるトナー残量均一モードの設定に対応した処理フローの他の例を示す。
【図7】プリンタコントローラにおけるトナー残量均一モードの設定に対応した処理フローを示す。
【符号の説明】
101…ホストPC、        102…アプリケーションソフト
103…グラフィックエンジン、   104…プリンタドライバ、
105…OS(Operating System)、   106…ハードウェア、
107…インターフェースケーブル、 108…I/F装置、
109…操作パネル、        110…プリンタエンジン、
111…プリンタコントローラ、   113…プリンタ装置。

Claims (22)

  1. カラー画像を形成するための色成分データに変換を施す色変換手段と、交換可能な容器に入れた各色成分の現像材と、色変換後の画像データに基づいて前記現像材を印刷用紙に付着させカラー画像を作像する画像形成手段を有する画像形成装置であって、さらに前記色変換手段の設定を変更することにより色変換特性を制御する手段と、前記現像材の残量を均等化する動作モードで動作させるか否かの指令操作、該動作モードの指令をする場合に複数の異なるモード種別から設定モードとして選択される種別を指示する指令操作を行う操作手段と、現像材の残量を検知する手段を備え、前記色変換特性を制御する手段は、前記操作手段から動作モードの指令を受けた場合に、前記色変換手段の設定を前記検知手段によって検知された現像材の残量と、該指令に指示された動作モード種別とに基づいて予め定められた設定に変更するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載された画像形成装置において、前記現像材の残量を均等化する動作モードでは、残量の少ない色成分の現像材を減量させるように設定を変更し、該減量を前記モード種別により変えるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載された画像形成装置において、前記現像材の残量を均等化する動作モードでは、残量の少ない色成分の現像材を残量の多い色成分の現像材に置き換えるように設定を変更し、該残量の多い色成分の現像材を前記モード種別により変えるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像形成装置において、さらに検知された現像材の残量が所定の閾値以下になったときに、現像材の残量を均等化する動作モードで動作させる指令操作を促すための情報を提示する手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された画像形成装置において、さらに対象画像における画像エリアの種類を判別する手段を備え、前記操作手段で現像材の残量を均等化する動作モードを適用する画像エリア種類の指定を可能にするとともに、前記色変換特性を制御する手段は、画像エリア種類の判別結果と現像材の残量を均等化する動作モードを適用する画像エリア種類の指定に従って、画像エリア種類ごとに前記色変換手段の設定を変更し得るようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5に記載された画像形成装置において、前記画像エリア種類として文字画像エリア、写真画像エリアの少なくとも一つを指定するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載された画像形成装置において、さらに現像材の残量を均等化する動作モードに従う色変換特性の設定による色の変動をモニタする画像を表示する手段を備え、前記操作手段により該動作モードの指令を行う際にモニタ画像を参照し得るようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載された画像形成装置と、該画像形成装置に通信インターフェースを介して接続したホスト装置よりなる画像形成システムであって、前記ホスト装置は、カラー画像を形成するための色成分データを生成し、生成した色成分データを現像材の残量を均等化する動作モードで動作させるか否かの指令、該動作モードの指令をする場合に複数の異なるモード種別から設定モードとして選択される種別を指示する指令とともに、画像形成要求として通信インターフェースを介して画像形成装置に送るようにした画像形成システム。
  9. カラー画像を形成するための色成分データを生成し、生成した色成分データに基づく画像形成要求を行うホスト装置と、該ホスト装置に通信インターフェースを介して接続し、ホスト装置から受け取った画像形成要求に従って交換可能な容器に入れた各色成分の現像材を印刷用紙に付着させ、カラー画像を作像する画像形成装置とよりなる画像形成システムであって、さらに前記画像形成装置に現像材の残量を検知する手段と、検知した残量をホスト装置に通知する手段を備え、前記ホスト装置にカラー画像を形成するための色成分データに変換を施す色変換手段と、色変換手段の設定を変更することにより色変換特性を制御する手段と、前記現像材の残量を均等化する動作モードで動作させるか否かの指令操作、該動作モードの指令をする場合に複数の異なるモード種別から設定モードとして選択される種別を指示する指令操作を行う操作手段とを備え、かつ前記色変換特性を制御する手段は、前記操作手段から動作モードの指令を受けた場合に、前記色変換手段の設定を画像形成装置から通知された現像材の残量と、該指令に指示された動作モード種別とに基づいて予め定められた設定に変更するようにしたことを特徴とする画像形成システム。
  10. 請求項9に記載された画像形成システムにおいて、前記現像材の残量を均等化する動作モードでは、残量の少ない色成分の現像材を減量させるように設定を変更し、該減量を前記モード種別により変えるようにしたことを特徴とする画像形成システム。
  11. 請求項9又は10に記載された画像形成システムにおいて、現像材の残量を均等化する動作モードでは、残量の少ない色成分の現像材を残量の多い色成分の現像材に置き換えるように設定を変更し、該残量の多い色成分の現像材を前記モード種別により変えるようにしたことを特徴とする画像形成システム。
  12. 請求項9乃至11のいずれかに記載された画像形成システムにおいて、ホスト装置に、検知された現像材の残量が所定の閾値以下になったときに、現像材の残量を均等化する動作モードで動作させる指令操作を促すための情報を提示する手段を備えたことを特徴とする画像形成システム。
  13. 請求項9乃至12のいずれかに記載された画像形成システムにおいて、ホスト装置に対象画像における画像エリアの種類を判別する手段を備え、前記操作手段で現像材の残量を均等化する動作モードを適用する画像エリア種類の指定を可能にするとともに、前記色変換特性を制御する手段は、画像エリア種類の判別結果と現像材の残量を均等化する動作モードを適用する画像エリア種類の指定に従って、画像エリア種類ごとに前記色変換手段の設定を変更し得るようにしたことを特徴とする画像形成システム。
  14. 請求項13に記載された画像形成システムにおいて、前記画像エリア種類として文字画像エリア、写真画像エリアの少なくとも一つを指定するようにしたことを特徴とする画像形成システム。
  15. 請求項9乃至14のいずれかに記載された画像形成システムにおいて、ホスト装置に現像材の残量を均等化する動作モードに従う色変換特性の設定による色の変動をモニタする画像を表示する手段を備え、前記操作手段により該動作モードの指令を行う際にモニタ画像を参照し得るようにしたことを特徴とする画像形成システム。
  16. カラー画像を形成するための色成分データに設定変更により制御し得る色変換特性に従う色変換を施し、色変換後の画像データに基づいて交換可能な容器に入れた各色成分の現像材を印刷用紙に付着させ、カラー画像を作像する画像形成方法であって、前記現像材の残量を検知し、入力操作により発生される指令に前記現像材の残量を均等化する動作モードが指示されているか否か、該動作モードが指示されている場合に複数の異なるモード種別から設定モードとして選択されている種別を認識し、現像材の残量を均等化する動作モードの指令を認識した場合に、前記色変換特性の設定を、検知した現像材の残量と、該指令に指示された動作モード種別とに基づいて予め定められた該動作モードに対応する特性に変更し、変更後の色変換特性により色成分データの色変換を行うようにしたことを特徴とする画像形成方法。
  17. 請求項16に記載された画像形成方法において、前記現像材の残量を均等化する動作モードでは、残量の少ない色成分の現像材を減量させるように設定を変更し、該減量を前記モード種別により変えるようにすることを特徴とする画像形成方法。
  18. 請求項16又は17に記載された画像形成方法において、現像材の残量を均等化する動作モードでは、残量の少ない色成分の現像材を残量の多い色成分の現像材に置き換えるように設定を変更し、該残量の多い色成分の現像材を前記モード種別により変えるようにすることを特徴とする画像形成方法。
  19. 請求項15乃至18のいずれかに記載された画像形成方法において、検知された現像材の残量が所定の閾値以下になったときに、現像材の残量を均等化する動作モードで動作させる指令操作を促すための情報を提示するようにしたことを特徴とする画像形成方法。
  20. 請求項16乃至19のいずれかに記載された画像形成方法において、対象画像における画像エリアの種類を判別し、操作により現像材の残量を均等化する動作モードを適用する画像エリア種類を指定し、画像エリア種類の判別結果と現像材の残量を均等化する動作モードを適用する画像エリア種類の指定に従って、画像エリア種類ごとに前記色変換特性の設定を変更するようにしたことを特徴とする画像形成方法。
  21. 請求項20に記載された画像形成方法において、前記画像エリア種類として文字画像エリア、写真画像エリアの少なくとも一つを指定するようにしたことを特徴とする画像形成方法。
  22. 請求項16乃至21のいずれかに記載された画像形成方法において、現像材の残量を均等化する動作モードに従う色変換特性の設定による色の変動をモニタする画像を表示し、該動作モードの指令を行う際にモニタ画像を参照し得るようにしたことを特徴とする画像形成方法。
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