JP2004020077A - 自動加熱調理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、被加熱調理品を簡単、確実、かつ安全に加熱調理することができる自動加熱調理システムの提供を目的とする。
【解決手段】電子レンジ装置Aは、各部を統括的に制御する制御部1と、情報提示物質情報と被加熱調理品情報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを記憶する記憶部4と、被加熱調理品に対して所定波長領域の電磁波を照射し、その照射に伴って情報提示物質から放射される蛍光を検出する検出部5と、被加熱調理品を加熱するマグネトロン6とを備える。制御部1は、検出部5による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質情報を特定し、さらに記憶部4の参照テーブルを参照することにより情報提示物質情報に対応する被加熱調理品情報を特定したあと、その被加熱調理品情報に基づいてマグネトロン6を制御することにより被加熱調理品を自動的に加熱調理する。
【選択図】 図1
【解決手段】電子レンジ装置Aは、各部を統括的に制御する制御部1と、情報提示物質情報と被加熱調理品情報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを記憶する記憶部4と、被加熱調理品に対して所定波長領域の電磁波を照射し、その照射に伴って情報提示物質から放射される蛍光を検出する検出部5と、被加熱調理品を加熱するマグネトロン6とを備える。制御部1は、検出部5による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質情報を特定し、さらに記憶部4の参照テーブルを参照することにより情報提示物質情報に対応する被加熱調理品情報を特定したあと、その被加熱調理品情報に基づいてマグネトロン6を制御することにより被加熱調理品を自動的に加熱調理する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一種ないし二種以上の元素または化合物からなり、かつ被加熱調理品に関する情報が関連付けられた情報提示物質が付与された被加熱調理品を自動的に加熱調理する自動加熱調理システムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、コンビニエンスストアや家庭等の様々な場所において電子レンジ装置が普及しているが、中食産業の発達に伴って、弁当や惣菜等の加熱調理に電子レンジ装置が頻繁に用いられている。そして、この電子レンジ装置による弁当や惣菜等の加熱調理は、弁当や惣菜等を電子レンジ装置の加熱室内に装入し、加熱出力や加熱時間等の加熱条件を電子レンジに設けられた設定ボタンにより設定したあと、調理開始ボタンを押圧することにより開始するものであった。
【0003】
ところが、このように加熱出力や加熱時間等の加熱条件を設定ボタンにより設定するのは面倒であり、特にコンビニエンスストア等では従業員の作業効率が低下するという難点があった。
【0004】
そこで、最近では、自動加熱設定キーが設けられ、その自動加熱設定キーを押圧すると、電子レンジの加熱室内に設けられた温度センサーにより加熱室内の温度を測定し、加熱室内が一定温度に達した場合には弁当や惣菜等の加熱調理を自動的に停止する電子レンジ装置が知られている。
【0005】
しかしながら、この電子レンジ装置は、弁当や惣菜等の種類に関係なく加熱室内の温度を測定するので、場合によっては弁当や惣菜等が熱くなりすぎたり、あるいはぬるくなりすぎたりしてむらが生じることが多いという問題があった。また、本来温めてはいけないものを子供等が温めてしまい事故につながることがあるという問題もあった。
【0006】
これらの問題は、電子レンジ装置のみならず、オーブン装置やグリル装置等の各種加熱調理装置にも生じるものであった。
【0007】
この発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、被加熱調理品を簡単、確実、かつ安全に加熱調理することができる自動加熱調理システムの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、被加熱調理品を加熱手段により自動的に加熱調理する自動加熱調理システムであって、
一種ないし二種以上の元素または化合物からなり、かつ被加熱調理品に関する情報が関連付けられた情報提示物質が付与された被加熱調理品について、情報提示物質に関する情報と被加熱調理品に関する情報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを記憶する記憶手段と、前記被加熱調理品に対して所定波長領域の電磁波を照射し、その照射に伴って前記情報提示物質から放射される蛍光を検出する検出手段と、該検出手段による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質に関する情報を特定する情報提示物質情報特定手段と、前記記憶手段に記憶されている参照テーブルを参照することにより、前記情報提示物質情報特定手段により特定された情報提示物質に関する情報に対応する被加熱調理品に関する情報を特定する被加熱調理品情報特定手段と、該被加熱調理品情報特定手段により特定された前記被加熱調理品に関する情報に基づいて前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0009】
これによれば、被加熱調理品に付与された情報提示物質を読み取らせるだけで被加熱調理品が加熱調理されるので、操作者は加熱出力や加熱時間等の加熱条件の設定に煩われることがなく、被加熱調理品を簡単に加熱調理することができる。
【0010】
また、被加熱調理品はその被加熱調理品に関する情報に応じて加熱調理されるので、被加熱調理品が熱くなりすぎたり、ぬるくなりすぎたりすることが防止され、被加熱調理品を確実に加熱調理することができる。
【0011】
さらに、被加熱調理品に情報提示物質が付与されていない場合には、被加熱調理品が加熱調理されることがないので、本来温めてはいけないものを子供等が温めてしまう事故を防止することができ、安全性が向上する。
【0012】
さらにまた、被加熱調理品に情報提示物質を広範囲に亘って付与するものとすれば、被加熱調理品の一部のみに情報が付与された場合と異なり、被加熱調理品の様々な箇所から情報提示物質を検出することができる。このため、情報提示物質をより簡単かつ確実に検出することができ、被加熱調理品の加熱調理の操作性がより一層向上する。
【0013】
また、前記記憶手段、情報提示物質情報特定手段、および被加熱調理品情報特定手段はネットワークに接続されたサーバに設けられるとともに、前記検出手段、制御手段、および加熱手段はネットワークに接続された複数の加熱調理装置にそれぞれ設けられ、各加熱調理装置の検出手段により検出された蛍光の検出結果はネットワークを介して前記サーバに送信されるとともに、前記被加熱調理品情報特定手段により特定された被加熱調理品に関する情報はネットワークを介して対応する加熱調理装置に送信されるものとなされているのが望ましい。
【0014】
これによれば、サーバにより複数の加熱調理装置を一局集中的に管理することができる。
【0015】
また、前記被加熱調理品情報特定手段により特定された被加熱調理品に関する情報は、被加熱調理品に関する情報を管理するサーバにネットワークを介して送信されるものとなされているのが望ましい。
【0016】
これによれば 各加熱調理装置において加熱調理された被加熱調理品に関する情報を管理サーバにおいて一局集中的に管理することができる。このため、どのような被加熱調理品がよく温められているかや、夏季と冬季といった季節ごとの同一被加熱調理品のレンジ使用の割合を集計することができ、被加熱調理品の様々な販売戦略が可能となる。
【0017】
また、 被加熱調理品の温度を測定する温度センサが設けられ、該温度センサにより測定された被加熱調理品の温度が一定以上であると判定した場合は、前記加熱手段による被加熱調理品の再加熱を禁止する再加熱禁止手段が設けられているのが望ましい。
【0018】
これによれば、一度加熱調理した被加熱調理品が再び加熱調理されることを防止することができる。
【0019】
また、前記被加熱調理品に関する情報は少なくとも被加熱調理品の加熱時間を含むものとなされ、被加熱調理品が複数ある場合において各被加熱調理品の加熱時間を加算する加算手段が設けられ、前記制御手段は前記加算手段により加算された加熱時間に基づいて前記加熱手段を制御するのが望ましい。
【0020】
これによれば、被加熱調理品の個数に応じて被加熱調理品の加熱時間が加算されるので、複数の被加熱調理品をより簡単かつ確実に加熱調理することができる。
【0021】
また、当該自動加熱調理システムに設けられた開閉扉の開閉を感知する開閉感知手段が設けられ、
前記検出手段は、前記開閉感知手段により開閉扉が閉まったことを感知したときに、前記被加熱調理品に対して所定波長領域の電磁波を照射し、その照射に伴って前記情報提示物質から放射される蛍光を検出するのが望ましい。
【0022】
これによれば、開閉扉を閉めるだけで被加熱調理品から情報提示物質が検出されるので、情報提示物質の検出を手動で操作する必要がなくなり、被加熱調理品をより一層簡単に加熱調理することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
次に、この発明を電子レンジ装置(A)に適用した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0024】
まず、前記電子レンジ装置(A)に用いられる被加熱調理品(H)について具体的に説明する。
【0025】
この被加熱調理品(H)は、一種ないし二種以上の元素またはそれらの化合物からなり、かつ被加熱調理品(H)に関する情報(以下、被加熱調理品情報という)が関連付けられた情報提示物質が付与されてなる。この被加熱調理品(H)に対する情報提示物質の付与は、被加熱調理品(H)の包装体やラベル等の材料に前記情報提示物質を含有させることにより行う。
【0026】
前記包装体やラベル等の材料としては、各種プラスチック材料のほか、塗料、インク、繊維あるいは金属などが挙げられ、当該材料中に情報提示物質が添加されたもののほか、当該材料中に情報提示物質が重合、架橋、イオン結合等の化学結合をもって導入されたものや、当該材料の表面に情報提示物質が塗布されたものであってもよい。
【0027】
また、X線領域の蛍光を利用する場合は、前記情報提示物質としては、汎用の各種材料に対して一般に含有されることのない一種ないし二種以上の元素、またはそれらの化合物(酸化物、硫化物、有機錯体など)が好ましい。
【0028】
このように汎用の各種材料に対して一般に含有されることのない元素としては、元素番号31から元素番号88までの元素、好ましくはランタノイド系元素、さらに好ましくはネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロビウム(Eu)、ガドニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ホルミウム(Ho)を一種または二種以上の組合せにおいて用いること好ましい。
【0029】
これらの元素は、各種プラスチック、塗料、インク、繊維、金属中にほとんど含有されることがなく、またスペクトル分析による測定が容易であり、さらに経済的かつ衛生的で、酸化物等としての入手も容易である点で好ましい。
【0030】
また、赤外光から紫外光までの蛍光を利用する場合は、前記情報提示物質としては、波長幅の狭い線スペクトルの蛍光を呈する、一種ないし二種以上の元素、またはそれらの化合物が好ましい。
【0031】
このような波長幅の狭い線スペクトルの蛍光を呈する元素あるいは化合物としては、3d軌道を有する遷移元素、または/および4f軌道を有する希土類元素が添加された単結晶や、3d軌道を有する遷移元素、または/および4f軌道を有する希土類元素が添加されたガラスや、4f軌道を有する希土類元素や、3d軌道を有する遷移元素、または/および4f軌道を有する希土類元素を中心とした錯体などが挙げられる。これら情報提示物質は、所定の波長領域の電磁波、好ましくは紫外線から赤外線までの波長領域の電磁波、さらに好ましくは可視光線から近赤外線までの波長領域の電磁波が照射されると、図7に示すように、その電磁波の照射に伴ってエネルギー幅が非常に狭く、かつエネルギー値が非常に高い線スペクトルを放射するため、該線スペクトルに基づいて情報提示物質を精度良く検出することができる。
【0032】
また、前記情報提示物質は、材料の外観や物性への影響を抑えるために、前記材料の固有の性質に影響を与えない微量の範囲で含有されるのが好ましい。
【0033】
前記材料の固有の性質に影響を与えない微量の範囲としては、材料の種類などにより様々に変動し得るが、好ましくは材料に対して0.1ppmから1000ppmまでの範囲(0.1ppmおよび1000ppmを含む)、さらに好ましくは0.5ppmから200ppm(0.5ppmおよび1000ppmを含む)までの範囲がよい。
【0034】
このように0.1ppm以上とするのは、主として一般に現在の使用に供されている検出の精度との関係のためであり、1000ppm以下とするのは、多くの材料の外観や物性に影響を与えないためである。また、その範囲の中でも0.5ppmから200ppmとするのは、測定の信頼性を十分に確保しつつ、また経済的負担も低く抑え、さらに材料の固有の性質に与える影響も極めて低いものとなし得るためである。
【0035】
また、前記被加熱調理品情報は、電子レンジ装置(A)による被加熱調理品(H)の加熱時間や加熱出力等の加熱条件についての情報を含むものであり、この他に、国コード、企業コード、商品コード、消費期限などの各種情報を含むものとしてもよい。
【0036】
この被加熱調理品情報は、上述のように情報提示物質に関連付けられており、情報提示物質に関する情報(以下、情報提示物質情報という)に対応するものとなされている。この情報提示物質情報とは、情報提示物質の種類、含有量、スペクトルデータ、時間的減衰特性等、あるいはそれらの組合せからなるものである。
【0037】
例えば、図4に示すように、被加熱調理品情報が10秒から160秒までを10秒刻みにした加熱時間(10秒、20秒、…、160秒)で、それに対応する情報提示物質情報が情報提示物質の種類(a、b、…、p)とした場合、情報提示物質情報(a、b、…、p)のいずれかが特定されれば、被加熱調理品情報(10秒、20秒、…、160秒)が特定される。
【0038】
また、例えば、図5に示すように、被加熱調理品情報が国コード、企業コード、商品コード、商品内コード、消費期限、および加熱時間で、それらに対応する情報提示物質情報が情報提示物質の種類(a、b、…、z)と含有量(10段階)とした場合、即ち、被加熱調理品情報の各桁が情報提示物質の種類(a、b、…z)に対応し、かつ各桁の数値が情報提示物質の含有量(10段階)に対応する場合、各情報提示物質(a、b、…、z)の含有量(10段階)が特定されれば、各加熱調理情報の数値データが特定される。この図5の例では、情報提示物質の含有量(ピーク値)を10倍して四捨五入したものを被加熱調理品情報の数値データとして用いている。
【0039】
前記材料の情報提示物質の含有方法としては、特に限定されるものでなく、材料または情報提示物質の種類に応じた方法でよい。例えば、材料がプラスチックの場合、ドラムタンブラー等によりドライブレンドした後に直接成形する方法や、エクストルーダーによりコンパウンド加工する方法や、インターナルミキサーあるいは加熱ロールによるコンパウンドあるいは成形を実施する方法などが挙げられる。また、マスターバッチ化した上での使用を実施してもよい。
【0040】
また、材料に情報提示物質の含有させる際、均一な分布と分散を確保するために、脂肪酸アマイド、脂肪酸金属塩、あるいは脂肪酸エステルを滑剤として使用してもよい。
【0041】
また、複数の情報提示物質を材料に含有させる場合、各情報提示物質を材料に別々に含有させるものとしてもよいし、各情報提示物質を材料に同時に含有させるものとしてもよい。
【0042】
図1は、この実施形態に係る自動加熱調理システムとしての電子レンジ装置(A)の外観図、図2は該電子レンジ装置(A)のハードウェア構成を示す図である。
【0043】
図1および図2において、(1)は各部の制御や、各種画面の表示、データの転送、種々の演算等を行う中央演算処理装置(CPU)を有する制御部(1)、(2)は各種処理を実行するためのプログラムが格納されているROM(Read Only Memory)、(3)は前記制御部(1)が各種処理を実行するときに必要なデータやプログラムなどが適宜記憶されるRAM(Random Access Memory)、(4)は被加熱調理品情報と情報提示物質情報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを記憶する記憶部、(5)は被加熱調理品(H)に対して所定の波長領域の電磁波を照射し、その電磁波の照射に伴って情報提示物質から放射された蛍光を検出する検出部、(6)は加熱室(9)内に装入された被加熱調理品(H)を加熱する加熱手段としてのマグネトロン、(7)は電子レンジ装置(A)の右側前面に設けられた各種操作ボタンや液晶表示部からなる操作部、(8)は加熱室(9)内のターンテーブル、ライト、およびファン等の駆動部、(10)は加熱室(9)の前面に設けられた開閉扉である。
【0044】
前記記憶部(4)は、上述のように被加熱調理品情報と情報提示物質情報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを記憶するものである。この参照テーブルは、例えば図4あるいは図5に示すようなものが挙げられるが、これらに限定されるものでなく、その他の被加熱調理品情報と情報提示物質情報の対応関係が設定されたものであってもよい。
【0045】
前記検出部(5)は、図2に示すように、発光部(5a)と受光部(5b)を備えてなり、発光部(5a)から所定領域の電磁波を発光することにより被加熱調理品(H)に対して該電磁波を照射し、その電磁波の照射に伴って情報提示物質から放射された蛍光を受光部(5b)で受光することにより検出する。この情報提示物質の蛍光の検出結果は、例えば図3に示すように、横軸を各情報提示物質等のエネルギー値(情報提示物質等の種類に対応)、縦軸を各情報提示物質等の強度(情報提示物質等の含有量に対応)としたスペクトル分析図などにより表される。
【0046】
前記マグネトロン(6)は、特殊な二局真空管であり、前記制御部(1)からの指令に基づいてマイクロウェーブという極超短波を発振させるものである。このマイクロウェーブは、電子レンジ装置(A)内に設けられた回転羽根(図示略)で撹拌されて、被加熱調理品(H)に万遍なく行きわたり、これにより被加熱調理品(H)が所定の加熱条件下で加熱調理される。
【0047】
前記制御部(1)は、前記検出部(5)による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質情報を特定する機能を有する。また、前記制御部(1)は、前記記憶部(4)に記憶されている参照テーブルを参照することにより、その特定した情報提示物質情報に対応する被加熱調理品情報を特定する機能を有する。さらに、前記制御部(1)は、その特定した被加熱調理情報に基づいて、前記マグネトロン(6)やターンテーブル等(8)を制御する機能を有する。
【0048】
例えば、記憶部(4)が図4に示すような参照テーブルを記憶している場合、前記制御部(1)は、前記検出部(5)による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質情報(例えば情報提示物質の種類b)を特定する。そして、前記制御部(1)は、前記記憶部(4)に記憶されている図4に示す参照テーブルを参照することにより、前記情報提示物質情報(情報提示物質の種類b)に対応する被加熱調理品情報(加熱時間20秒)を特定する。そして、さらに前記制御部(1)は、その特定した前記被加熱調理情報(加熱時間20秒)に基づいて、前記マグネトロン(6)やターンテーブル等(8)を制御し、被加熱調理品(H)を20秒間だけ加熱せしめる。
【0049】
また、例えば、記憶部(4)が図5に示すような参照テーブルを記憶している場合、前記制御部(1)は、前記検出部(5)による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質情報(例えば情報提示物質wの含有量0.10、情報提示物質xの含有量0.21)を特定する。そして、前記制御部(1)は、前記記憶部(4)に記憶されている図5に示す参照テーブルを参照することにより、前記情報提示物質情報(情報提示物質wの含有量0.10、情報提示物質xの含有量0.21)に対応する被加熱調理品情報(加熱時間120秒)を特定する。そして、さらに前記制御部(1)は、その特定した前記被加熱調理情報(加熱時間120秒)に基づいて、前記マグネトロン(6)やターンテーブル等(8)を制御し、被加熱調理品(H)を120秒間だけ加熱せしめる。
【0050】
次に上記電子レンジ装置(A)の動作について図6に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下の説明および図面では、「ステップ」を「S」と略記する。
【0051】
まず、S1では、前記制御部(1)が、操作者による前記操作部(7)の操作によって被加熱調理品(H)の加熱調理の指示があるか否かを判定し、加熱調理指示があると判定した場合は(S1でYES)、S2に進む。一方、加熱調理指示がないと判定した場合は(S1でNO)、この判定処理を繰り返す。
【0052】
S2では、前記検出部(5)が、前記制御部(1)の指令に従って、発光部(5a)から所定領域の電磁波を発光することにより被加熱調理品(H)に対して該電磁波を照射し、その電磁波の照射に伴って情報提示物質から放射された蛍光を受光部(5b)で受光することにより検出し、S3に進む。
【0053】
S3では、前記制御部(1)が、前記情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質情報(例えば情報提示物質の種類b)を特定し、S4に進む。
【0054】
S4では、前記制御部(1)は、前記記憶部(4)に記憶されている参照テーブル(例えば図4)を参照することにより、前記情報提示物質情報(例えば情報提示物質の種類b)に対応する被加熱調理品情報(例えば加熱時間20秒)を特定し、S5に進む。
【0055】
S5では、前記制御部(1)は、被加熱調理品(H)が加熱室(9)内に装入されているか否かを判定し、装入されていると判定した場合は(S5でYES)、S6に進む。一方、装入されていないと判定した場合は(S5でNO)、この判定処理を繰り返す。
【0056】
S6では、前記制御部(1)は、S4の処理で特定した前記被加熱調理情報(例えば加熱時間20秒)に基づいて、前記マグネトロン(6)や各駆動部を制御し、被加熱調理品(H)を加熱せしめ、処理を終了する。
【0057】
この電子レンジ装置(A)によれば、被加熱調理品(H)に付与された情報提示物質を読み取らせるだけで被加熱調理品(H)が加熱調理されるので、操作者は加熱出力や加熱時間等の加熱条件の設定に煩われることがなく、被加熱調理品(H)を簡単に加熱調理することができる。
【0058】
また、被加熱調理品(H)はその被加熱調理品(H)に関する情報に応じて加熱調理されるので、被加熱調理品(H)が熱くなりすぎたり、ぬるくなりすぎたりすることが防止され、被加熱調理品(H)を確実に加熱調理することができる。
【0059】
さらに、被加熱調理品(H)に情報提示物質が付与されていない場合には、被加熱調理品(H)が加熱調理されることがないので、本来温めてはいけないものを子供等が温めてしまう事故を防止することができ、安全性が向上する。
【0060】
さらにまた、被加熱調理品(H)に情報提示物質を広範囲に亘って付与するものとすれば、被加熱調理品(H)の一部のみに情報が付与された場合と異なり、被加熱調理品(H)の様々な箇所から情報提示物質を検出することができる。このため、情報提示物質をより簡単かつ確実に検出することができ、被加熱調理品(H)の加熱調理の操作性がより一層向上する。
【0061】
なお、この実施形態では、情報提示物質の蛍光を検出する検出手段は、電子レンジ装置(A)の外部に設けるものが(検出部(15))、電子レンジ装置(A)の内部に設けるものとしてもよい。これによれば、検出手段が電子レンジ装置(A)の外部に露出していないので、検出手段の配線や置き場所に困ることがなく、電子レンジ装置(A)のスリム化を図ることができる。
【0062】
また、この場合、前記制御部(1)は、前記電子レンジ装置(A)に設けれらた開閉扉(10)の開閉を感知する開閉感知手段としての機能を有するものとし、前記検出手段は、前記制御部(1)により開閉扉(10)が閉まったことを感知したときに、加熱室(9)内の前記被加熱調理品(H)に対して所定波長領域の電磁波を照射し、その照射に伴って前記情報提示物質から放射される蛍光を検出するのが好ましい。これによれば、開閉扉(10)を閉めるだけで被加熱調理品(H)から情報提示物質が検出されるので、情報提示物質の検出を手動で操作する必要がなくなり、被加熱調理品(H)をより一層簡単に加熱調理することができる。特にコンビニエンスストア等の作業が繁雑な所では、作業効率がより一層向上することが可能となる。なお、加熱室(9)内に被加熱調理品(H)が装入されていない場合は、制御部(1)により通常のボタン操作のモードに切り替わるものとすればよい。
【0063】
また、図5に示すように被加熱調理情報に消費期限が含まれる場合、前記制御部(11)は、被加熱調理品(H)の消費期限が経過している否かを判定し、消費期限が経過している場合は被加熱調理品(H)の加熱調理を行わないものとしてもよい。
【0064】
また、電子レンジ装置(A)に被加熱調理品(H)の温度を測定する温度センサを設け、前記制御部(11)は、温度センサにより測定された被加熱調理品(H)の温度が一定以上であると判定した場合は、前記マグネトロン(6)による被加熱調理品(H)の再加熱を禁止するものとしてもよい。これによれば、一度加熱調理した被加熱調理品(H)が再び加熱調理されることを防止することができる。
【0065】
また、制御部(11)は、電子レンジ装置(A’)の開閉扉の開閉を判定し、開閉扉が開いていると判定した場合は、前記マグネトロン(6)による被加熱調理品(H)の加熱を開始しないものとしてもよい。
【0066】
また、前記制御部(11)は、前記被加熱調理品(H)が複数ある場合、各被加熱調理品(H)の被加熱調理品情報の加熱時間を加算し、その加算した加熱時間に基づいて前記マグネトロン(6)を制御するものとしてもよい。これによれば、被加熱調理品(H)の個数に応じて被加熱調理品(H)の加熱時間が加算されるので、複数の被加熱調理品(H)をより簡単かつ確実に加熱調理することができる。
【0067】
また、情報提示物質情報として、情報提示物質の種類や含有量等に加えてあるいは代えて、情報提示物質の時間的減衰特性を用いてもよい。この情報提示物質の時間的減衰特定とは、図8に示すように、横軸を時間とした場合における情報提示物質の蛍光強度の減衰についての特性のことをいう(図8では3種類の情報提示物質の時間的減衰特性を図示している)。例えば、情報提示物質の各時間的特性(la、lb、lc、…)と各被加熱調理品情報(10秒、20秒、30秒、…)とが対応するようにした場合、情報提示物質の時間的特性(lb)が特定されれば被加熱調理品情報(20秒)が特定される。
【0068】
また、この発明を電子レンジ装置(A)に適用するものとしたが、オーブン装置やグリル装置など、その他の加熱調理装置に適用してもよい。
[実施形態2]
次にこの発明の他の実施形態について説明する。
【0069】
この実施形態では、図9に示すように、複数の電子レンジ装置(A’)と一のサーバ(B)がネットワーク(NW)に接続され、実施形態1で説明した情報提示物質情報を特定する機能や被加熱調理品情報を特定する機能をサーバ(B)で実行するものとなされている。
【0070】
図10は、この実施形態に係る電子レンジ装置(A’)のハードウェア構成を示す図である。
【0071】
図10において、(11)は各部の制御や、各種画面の表示、データの転送、種々の演算等を行う中央演算処理装置(CPU)を有する制御部、(12)は各種処理を実行するためのプログラムが格納されているROM、(13)は前記制御部(1)が各種処理を実行するときに必要なデータやプログラムなどが適宜記憶されるRAM、(15)は被加熱調理品(H)に対して所定の波長領域の電磁波を照射し、その電磁波の照射に伴って被加熱調理品(H)から放射された蛍光を検出する検出部、(16)は加熱室内に装入された被加熱調理品(H)を加熱調理するためのマグネトロン、(17)は電子レンジ装置(A’)の右側前面に設けられた各種操作ボタンや表示部からなる操作部、(18)は加熱室(9)内のターンテーブル、ライト、およびファン等の各駆動部、(19)はネットワーク(NW)を介して前記サーバ(B)とデータの授受等を行う通信部である。
【0072】
なお、ROM(12)、RAM(13)、検出部(15)、マグネトロン(16)、操作部(17)、および各駆動部(18)は、実施形態1に示した電子レンジ装置(A)のものと同一である。
【0073】
前記制御部(11)は、前記検出部(15)による情報提示物質の蛍光の検出結果を通信部(19)によりネットワーク(NW)を介して前記サーバ(B)に送信する機能を有する。また、前記制御部(11)は、前記サーバ(B)からネットワークを介して送信されてきた被加熱調理品情報を通信部(19)により受信する機能を有する。さらに、前記制御部(11)は、通信部(19)により受信した被加熱調理品情報に基づいて前記マグネトロン(16)や各駆動部(18)を制御する機能を有する。
【0074】
図11は、前記サーバ(B)のハードウェア構成を示す図である。
【0075】
図11において、(21)は各部の制御や、各種画面の表示、データの転送、種々の演算等を行う中央演算処理装置(CPU)を有する制御部、(22)は各種処理を実行するためのプログラムが格納されているROM、(23)は前記制御部(1)が各種処理を実行するときに必要なデータやプログラムなどが適宜記憶されるRAM、(24)は被加熱調理品情報と情報提示物質情報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを記憶する記憶部、(30)はネットワークを介して前記電子レンジ装置(A’)とデータの授受等を行う通信部である。
【0076】
前記制御部(21)は、前記電子レンジ装置(A’)からネットワークを介して送信されてきた前記検出部(15)による情報提示物質の蛍光の検出結果を通信部(29)により受信する機能を有する。また、制御部(21)は、通信部(29)により受信した前記検出部(15)による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて、情報提示物質情報を特定する機能を有する。また、前記制御部(21)は、前記記憶部(24)に記憶されている参照テーブルを参照することにより、前記情報提示物質情報に対応する被加熱調理品情報を特定する機能を有する。さらにまた、前記制御部(21)は、その特定した被加熱調理品情報を通信部よりネットワーク(NW)を介して前記電子レンジ装置(A’)に送信する機能を有する。
【0077】
図12は、この実施形態に係る自動加熱調理システムの動作を示すフローチャートである。なお、以下の説明および図面において、「ステップ」を「S」と略記する。
【0078】
まず、S11では、電子レンジ装置(A’)において、前記検出部(15)が、前記制御部(11)の指令に従って、発光部(15a)から所定領域の電磁波を発光することにより被加熱調理品(H)に対して該電磁波を照射し、その電磁波の照射に伴って被加熱調理品(H)から放射された蛍光を受光部(15b)により受光することにより検出し、S12に進む。
【0079】
S12では、前記制御部(11)が、前記検出部(15)による情報提示物質の蛍光の検出結果を前記通信部(19)よりネットワーク(NW)を介して前記サーバ(B)に送信し、S13に進む。
【0080】
S13では、サーバ(B)において、前記制御部(21)が、前記電子レンジ装置(A’)からネットワーク(NW)を介して送信されてきた前記検出部(15)による情報提示物質の蛍光の検出結果を前記通信部(29)により受信し、S14に進む。
【0081】
S14では、前記制御部(21)が、前記通信部(19)により受信した前記検出部(15)による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質情報(例えば情報提示物質の種類b)を特定し、S15に進む。
【0082】
S15では、前記制御部(21)は、前記記憶部(24)に記憶されている参照テーブル(例えば図4)を参照することにより、S14の処理で特定した情報提示物質情報(例えば情報提示物質の種類b)に対応する被加熱調理品情報(例えば加熱時間20秒)を特定し、S16に進む。
【0083】
S16では、前記制御部(21)は、S15の処理で特定した被加熱調理品情報を前記通信部(29)によりネットワーク(NW)を介して前記電子レンジ装置(A’)に送信し、S17に進む。
【0084】
S17では、前記電子レンジ装置(A’)において、前記制御部(11)は、前記サーバ(B)からネットワーク(NW)を介して送信されてきた被加熱調理品情報を前記通信部(19)により受信し、S18に進む。
【0085】
S18では、前記制御部(11)は、前記通信部(19)により受信した前記被加熱調理情報(例えば加熱時間20秒)に基づいて、前記マグネトロン(16)や各駆動部(18)を制御し、被加熱調理品(H)を加熱せしめ、処理を終了する。
【0086】
この自動加熱調理システムによれば、サーバ(B)により複数の電子レンジ装置(A’)を一局集中的に管理することができる。
【0087】
なお、この実施形態では、前記被加熱調理品情報特定手段により特定された被加熱調理品(H)に関する情報は、電子レンジ装置(A’)における被加熱調理品(H)の加熱調理にのみ用いられるものとしたが、サーバ(B)とは別の管理サーバ(図示略)にネットワーク(NW)または専用回線を介して送信し、その管理サーバにおいて管理されるものとしてもよいし、あるいはサーバ(B)にそのまま記憶し、そのサーバ(B)において管理されるものとしてもよい。これによれば、各電子レンジ装置(A)において加熱調理された被加熱調理品(H)に関する情報を管理サーバあるいはサーバ(B)において一局集中的に管理することができる
【0088】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、被加熱調理品に付与された情報提示物質を読み取らせるだけで被加熱調理品が加熱調理されるので、操作者は加熱出力や加熱時間等の加熱条件の設定に煩われることがなく、被加熱調理品を簡単に加熱調理することができる。
【0089】
また、被加熱調理品はその被加熱調理品に関する情報に応じて加熱調理されるので、被加熱調理品が熱くなりすぎたり、ぬるくなりすぎたりすることが防止され、被加熱調理品を確実に加熱調理することができる。
【0090】
さらに、被加熱調理品に情報提示物質が付与されていない場合には、被加熱調理品が加熱調理されることがないので、本来温めてはいけないものを子供等が温めてしまう事故を防止することができ、安全性が向上する。
【0091】
さらにまた、被加熱調理品に情報提示物質を広範囲に亘って付与するものとすれば、被加熱調理品の一部のみに情報が付与された場合と異なり、被加熱調理品の様々な箇所から情報提示物質を検出することができる。このため、情報提示物質をより簡単かつ確実に検出することができ、被加熱調理品の加熱調理の操作性がより一層向上する。
【0092】
請求項2に係る発明によれば、サーバにより複数の加熱調理装置を一局集中的に管理することができる。
【0093】
請求項3に係る発明によれば 各加熱調理装置において加熱調理された被加熱調理品に関する情報を管理サーバにおいて一局集中的に管理することができる。このため、どのような被加熱調理品がよく温められているかや、夏季と冬季といった季節ごとの同一被加熱調理品のレンジ使用の割合を集計することができ、被加熱調理品の様々な販売戦略が可能となる。
【0094】
請求項4に係る発明によれば、一度加熱調理した被加熱調理品が再び加熱調理されることを防止することができる。
【0095】
請求項5に係る発明によれば、被加熱調理品の個数に応じて被加熱調理品の加熱時間が加算されるので、複数の被加熱調理品をより簡単かつ確実に加熱調理することができる。
【0096】
請求項6に係る発明によれば、開閉扉を閉めるだけで被加熱調理品から情報提示物質が検出されるので、情報提示物質の検出を手動で操作する必要がなくなり、被加熱調理品をより一層簡単に加熱調理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る自動加熱調理システム(電子レンジ装置)の外観斜視図である。
【図2】図1の電子レンジ装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】情報提示物質の蛍光の検出結果の一例を示すスペクトル分析図である。
【図4】情報提示物質情報と被加熱調理品情報の対応関係が設定された参照テーブルの一例を示す図である。
【図5】情報提示物質情報と被加熱調理品情報の対応関係が設定された参照テーブルの他の例を示す図である。
【図6】図1の電子レンジ装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】情報提示物質から放射される蛍光の線スペクトルの模式図である。
【図8】情報提示物質の時間的減衰特性を示す図である。
【図9】この発明の他の実施形態に係る自動加熱調理システムの構成概略図である。
【図10】図9の電子レンジ装置のハードウェア構成を示す図である。
【図11】図9のサーバのハードウェア構成を示す図である。
【図12】図9の自動加熱調理システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・制御部
2・・・ROM
3・・・RAM
4・・・記憶部
5・・・検出部
6・・・マグネトロン
7・・・操作部
8・・・駆動部
9・・・加熱室
【発明の属する技術分野】
この発明は、一種ないし二種以上の元素または化合物からなり、かつ被加熱調理品に関する情報が関連付けられた情報提示物質が付与された被加熱調理品を自動的に加熱調理する自動加熱調理システムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、コンビニエンスストアや家庭等の様々な場所において電子レンジ装置が普及しているが、中食産業の発達に伴って、弁当や惣菜等の加熱調理に電子レンジ装置が頻繁に用いられている。そして、この電子レンジ装置による弁当や惣菜等の加熱調理は、弁当や惣菜等を電子レンジ装置の加熱室内に装入し、加熱出力や加熱時間等の加熱条件を電子レンジに設けられた設定ボタンにより設定したあと、調理開始ボタンを押圧することにより開始するものであった。
【0003】
ところが、このように加熱出力や加熱時間等の加熱条件を設定ボタンにより設定するのは面倒であり、特にコンビニエンスストア等では従業員の作業効率が低下するという難点があった。
【0004】
そこで、最近では、自動加熱設定キーが設けられ、その自動加熱設定キーを押圧すると、電子レンジの加熱室内に設けられた温度センサーにより加熱室内の温度を測定し、加熱室内が一定温度に達した場合には弁当や惣菜等の加熱調理を自動的に停止する電子レンジ装置が知られている。
【0005】
しかしながら、この電子レンジ装置は、弁当や惣菜等の種類に関係なく加熱室内の温度を測定するので、場合によっては弁当や惣菜等が熱くなりすぎたり、あるいはぬるくなりすぎたりしてむらが生じることが多いという問題があった。また、本来温めてはいけないものを子供等が温めてしまい事故につながることがあるという問題もあった。
【0006】
これらの問題は、電子レンジ装置のみならず、オーブン装置やグリル装置等の各種加熱調理装置にも生じるものであった。
【0007】
この発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、被加熱調理品を簡単、確実、かつ安全に加熱調理することができる自動加熱調理システムの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、被加熱調理品を加熱手段により自動的に加熱調理する自動加熱調理システムであって、
一種ないし二種以上の元素または化合物からなり、かつ被加熱調理品に関する情報が関連付けられた情報提示物質が付与された被加熱調理品について、情報提示物質に関する情報と被加熱調理品に関する情報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを記憶する記憶手段と、前記被加熱調理品に対して所定波長領域の電磁波を照射し、その照射に伴って前記情報提示物質から放射される蛍光を検出する検出手段と、該検出手段による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質に関する情報を特定する情報提示物質情報特定手段と、前記記憶手段に記憶されている参照テーブルを参照することにより、前記情報提示物質情報特定手段により特定された情報提示物質に関する情報に対応する被加熱調理品に関する情報を特定する被加熱調理品情報特定手段と、該被加熱調理品情報特定手段により特定された前記被加熱調理品に関する情報に基づいて前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0009】
これによれば、被加熱調理品に付与された情報提示物質を読み取らせるだけで被加熱調理品が加熱調理されるので、操作者は加熱出力や加熱時間等の加熱条件の設定に煩われることがなく、被加熱調理品を簡単に加熱調理することができる。
【0010】
また、被加熱調理品はその被加熱調理品に関する情報に応じて加熱調理されるので、被加熱調理品が熱くなりすぎたり、ぬるくなりすぎたりすることが防止され、被加熱調理品を確実に加熱調理することができる。
【0011】
さらに、被加熱調理品に情報提示物質が付与されていない場合には、被加熱調理品が加熱調理されることがないので、本来温めてはいけないものを子供等が温めてしまう事故を防止することができ、安全性が向上する。
【0012】
さらにまた、被加熱調理品に情報提示物質を広範囲に亘って付与するものとすれば、被加熱調理品の一部のみに情報が付与された場合と異なり、被加熱調理品の様々な箇所から情報提示物質を検出することができる。このため、情報提示物質をより簡単かつ確実に検出することができ、被加熱調理品の加熱調理の操作性がより一層向上する。
【0013】
また、前記記憶手段、情報提示物質情報特定手段、および被加熱調理品情報特定手段はネットワークに接続されたサーバに設けられるとともに、前記検出手段、制御手段、および加熱手段はネットワークに接続された複数の加熱調理装置にそれぞれ設けられ、各加熱調理装置の検出手段により検出された蛍光の検出結果はネットワークを介して前記サーバに送信されるとともに、前記被加熱調理品情報特定手段により特定された被加熱調理品に関する情報はネットワークを介して対応する加熱調理装置に送信されるものとなされているのが望ましい。
【0014】
これによれば、サーバにより複数の加熱調理装置を一局集中的に管理することができる。
【0015】
また、前記被加熱調理品情報特定手段により特定された被加熱調理品に関する情報は、被加熱調理品に関する情報を管理するサーバにネットワークを介して送信されるものとなされているのが望ましい。
【0016】
これによれば 各加熱調理装置において加熱調理された被加熱調理品に関する情報を管理サーバにおいて一局集中的に管理することができる。このため、どのような被加熱調理品がよく温められているかや、夏季と冬季といった季節ごとの同一被加熱調理品のレンジ使用の割合を集計することができ、被加熱調理品の様々な販売戦略が可能となる。
【0017】
また、 被加熱調理品の温度を測定する温度センサが設けられ、該温度センサにより測定された被加熱調理品の温度が一定以上であると判定した場合は、前記加熱手段による被加熱調理品の再加熱を禁止する再加熱禁止手段が設けられているのが望ましい。
【0018】
これによれば、一度加熱調理した被加熱調理品が再び加熱調理されることを防止することができる。
【0019】
また、前記被加熱調理品に関する情報は少なくとも被加熱調理品の加熱時間を含むものとなされ、被加熱調理品が複数ある場合において各被加熱調理品の加熱時間を加算する加算手段が設けられ、前記制御手段は前記加算手段により加算された加熱時間に基づいて前記加熱手段を制御するのが望ましい。
【0020】
これによれば、被加熱調理品の個数に応じて被加熱調理品の加熱時間が加算されるので、複数の被加熱調理品をより簡単かつ確実に加熱調理することができる。
【0021】
また、当該自動加熱調理システムに設けられた開閉扉の開閉を感知する開閉感知手段が設けられ、
前記検出手段は、前記開閉感知手段により開閉扉が閉まったことを感知したときに、前記被加熱調理品に対して所定波長領域の電磁波を照射し、その照射に伴って前記情報提示物質から放射される蛍光を検出するのが望ましい。
【0022】
これによれば、開閉扉を閉めるだけで被加熱調理品から情報提示物質が検出されるので、情報提示物質の検出を手動で操作する必要がなくなり、被加熱調理品をより一層簡単に加熱調理することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
次に、この発明を電子レンジ装置(A)に適用した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0024】
まず、前記電子レンジ装置(A)に用いられる被加熱調理品(H)について具体的に説明する。
【0025】
この被加熱調理品(H)は、一種ないし二種以上の元素またはそれらの化合物からなり、かつ被加熱調理品(H)に関する情報(以下、被加熱調理品情報という)が関連付けられた情報提示物質が付与されてなる。この被加熱調理品(H)に対する情報提示物質の付与は、被加熱調理品(H)の包装体やラベル等の材料に前記情報提示物質を含有させることにより行う。
【0026】
前記包装体やラベル等の材料としては、各種プラスチック材料のほか、塗料、インク、繊維あるいは金属などが挙げられ、当該材料中に情報提示物質が添加されたもののほか、当該材料中に情報提示物質が重合、架橋、イオン結合等の化学結合をもって導入されたものや、当該材料の表面に情報提示物質が塗布されたものであってもよい。
【0027】
また、X線領域の蛍光を利用する場合は、前記情報提示物質としては、汎用の各種材料に対して一般に含有されることのない一種ないし二種以上の元素、またはそれらの化合物(酸化物、硫化物、有機錯体など)が好ましい。
【0028】
このように汎用の各種材料に対して一般に含有されることのない元素としては、元素番号31から元素番号88までの元素、好ましくはランタノイド系元素、さらに好ましくはネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロビウム(Eu)、ガドニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ホルミウム(Ho)を一種または二種以上の組合せにおいて用いること好ましい。
【0029】
これらの元素は、各種プラスチック、塗料、インク、繊維、金属中にほとんど含有されることがなく、またスペクトル分析による測定が容易であり、さらに経済的かつ衛生的で、酸化物等としての入手も容易である点で好ましい。
【0030】
また、赤外光から紫外光までの蛍光を利用する場合は、前記情報提示物質としては、波長幅の狭い線スペクトルの蛍光を呈する、一種ないし二種以上の元素、またはそれらの化合物が好ましい。
【0031】
このような波長幅の狭い線スペクトルの蛍光を呈する元素あるいは化合物としては、3d軌道を有する遷移元素、または/および4f軌道を有する希土類元素が添加された単結晶や、3d軌道を有する遷移元素、または/および4f軌道を有する希土類元素が添加されたガラスや、4f軌道を有する希土類元素や、3d軌道を有する遷移元素、または/および4f軌道を有する希土類元素を中心とした錯体などが挙げられる。これら情報提示物質は、所定の波長領域の電磁波、好ましくは紫外線から赤外線までの波長領域の電磁波、さらに好ましくは可視光線から近赤外線までの波長領域の電磁波が照射されると、図7に示すように、その電磁波の照射に伴ってエネルギー幅が非常に狭く、かつエネルギー値が非常に高い線スペクトルを放射するため、該線スペクトルに基づいて情報提示物質を精度良く検出することができる。
【0032】
また、前記情報提示物質は、材料の外観や物性への影響を抑えるために、前記材料の固有の性質に影響を与えない微量の範囲で含有されるのが好ましい。
【0033】
前記材料の固有の性質に影響を与えない微量の範囲としては、材料の種類などにより様々に変動し得るが、好ましくは材料に対して0.1ppmから1000ppmまでの範囲(0.1ppmおよび1000ppmを含む)、さらに好ましくは0.5ppmから200ppm(0.5ppmおよび1000ppmを含む)までの範囲がよい。
【0034】
このように0.1ppm以上とするのは、主として一般に現在の使用に供されている検出の精度との関係のためであり、1000ppm以下とするのは、多くの材料の外観や物性に影響を与えないためである。また、その範囲の中でも0.5ppmから200ppmとするのは、測定の信頼性を十分に確保しつつ、また経済的負担も低く抑え、さらに材料の固有の性質に与える影響も極めて低いものとなし得るためである。
【0035】
また、前記被加熱調理品情報は、電子レンジ装置(A)による被加熱調理品(H)の加熱時間や加熱出力等の加熱条件についての情報を含むものであり、この他に、国コード、企業コード、商品コード、消費期限などの各種情報を含むものとしてもよい。
【0036】
この被加熱調理品情報は、上述のように情報提示物質に関連付けられており、情報提示物質に関する情報(以下、情報提示物質情報という)に対応するものとなされている。この情報提示物質情報とは、情報提示物質の種類、含有量、スペクトルデータ、時間的減衰特性等、あるいはそれらの組合せからなるものである。
【0037】
例えば、図4に示すように、被加熱調理品情報が10秒から160秒までを10秒刻みにした加熱時間(10秒、20秒、…、160秒)で、それに対応する情報提示物質情報が情報提示物質の種類(a、b、…、p)とした場合、情報提示物質情報(a、b、…、p)のいずれかが特定されれば、被加熱調理品情報(10秒、20秒、…、160秒)が特定される。
【0038】
また、例えば、図5に示すように、被加熱調理品情報が国コード、企業コード、商品コード、商品内コード、消費期限、および加熱時間で、それらに対応する情報提示物質情報が情報提示物質の種類(a、b、…、z)と含有量(10段階)とした場合、即ち、被加熱調理品情報の各桁が情報提示物質の種類(a、b、…z)に対応し、かつ各桁の数値が情報提示物質の含有量(10段階)に対応する場合、各情報提示物質(a、b、…、z)の含有量(10段階)が特定されれば、各加熱調理情報の数値データが特定される。この図5の例では、情報提示物質の含有量(ピーク値)を10倍して四捨五入したものを被加熱調理品情報の数値データとして用いている。
【0039】
前記材料の情報提示物質の含有方法としては、特に限定されるものでなく、材料または情報提示物質の種類に応じた方法でよい。例えば、材料がプラスチックの場合、ドラムタンブラー等によりドライブレンドした後に直接成形する方法や、エクストルーダーによりコンパウンド加工する方法や、インターナルミキサーあるいは加熱ロールによるコンパウンドあるいは成形を実施する方法などが挙げられる。また、マスターバッチ化した上での使用を実施してもよい。
【0040】
また、材料に情報提示物質の含有させる際、均一な分布と分散を確保するために、脂肪酸アマイド、脂肪酸金属塩、あるいは脂肪酸エステルを滑剤として使用してもよい。
【0041】
また、複数の情報提示物質を材料に含有させる場合、各情報提示物質を材料に別々に含有させるものとしてもよいし、各情報提示物質を材料に同時に含有させるものとしてもよい。
【0042】
図1は、この実施形態に係る自動加熱調理システムとしての電子レンジ装置(A)の外観図、図2は該電子レンジ装置(A)のハードウェア構成を示す図である。
【0043】
図1および図2において、(1)は各部の制御や、各種画面の表示、データの転送、種々の演算等を行う中央演算処理装置(CPU)を有する制御部(1)、(2)は各種処理を実行するためのプログラムが格納されているROM(Read Only Memory)、(3)は前記制御部(1)が各種処理を実行するときに必要なデータやプログラムなどが適宜記憶されるRAM(Random Access Memory)、(4)は被加熱調理品情報と情報提示物質情報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを記憶する記憶部、(5)は被加熱調理品(H)に対して所定の波長領域の電磁波を照射し、その電磁波の照射に伴って情報提示物質から放射された蛍光を検出する検出部、(6)は加熱室(9)内に装入された被加熱調理品(H)を加熱する加熱手段としてのマグネトロン、(7)は電子レンジ装置(A)の右側前面に設けられた各種操作ボタンや液晶表示部からなる操作部、(8)は加熱室(9)内のターンテーブル、ライト、およびファン等の駆動部、(10)は加熱室(9)の前面に設けられた開閉扉である。
【0044】
前記記憶部(4)は、上述のように被加熱調理品情報と情報提示物質情報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを記憶するものである。この参照テーブルは、例えば図4あるいは図5に示すようなものが挙げられるが、これらに限定されるものでなく、その他の被加熱調理品情報と情報提示物質情報の対応関係が設定されたものであってもよい。
【0045】
前記検出部(5)は、図2に示すように、発光部(5a)と受光部(5b)を備えてなり、発光部(5a)から所定領域の電磁波を発光することにより被加熱調理品(H)に対して該電磁波を照射し、その電磁波の照射に伴って情報提示物質から放射された蛍光を受光部(5b)で受光することにより検出する。この情報提示物質の蛍光の検出結果は、例えば図3に示すように、横軸を各情報提示物質等のエネルギー値(情報提示物質等の種類に対応)、縦軸を各情報提示物質等の強度(情報提示物質等の含有量に対応)としたスペクトル分析図などにより表される。
【0046】
前記マグネトロン(6)は、特殊な二局真空管であり、前記制御部(1)からの指令に基づいてマイクロウェーブという極超短波を発振させるものである。このマイクロウェーブは、電子レンジ装置(A)内に設けられた回転羽根(図示略)で撹拌されて、被加熱調理品(H)に万遍なく行きわたり、これにより被加熱調理品(H)が所定の加熱条件下で加熱調理される。
【0047】
前記制御部(1)は、前記検出部(5)による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質情報を特定する機能を有する。また、前記制御部(1)は、前記記憶部(4)に記憶されている参照テーブルを参照することにより、その特定した情報提示物質情報に対応する被加熱調理品情報を特定する機能を有する。さらに、前記制御部(1)は、その特定した被加熱調理情報に基づいて、前記マグネトロン(6)やターンテーブル等(8)を制御する機能を有する。
【0048】
例えば、記憶部(4)が図4に示すような参照テーブルを記憶している場合、前記制御部(1)は、前記検出部(5)による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質情報(例えば情報提示物質の種類b)を特定する。そして、前記制御部(1)は、前記記憶部(4)に記憶されている図4に示す参照テーブルを参照することにより、前記情報提示物質情報(情報提示物質の種類b)に対応する被加熱調理品情報(加熱時間20秒)を特定する。そして、さらに前記制御部(1)は、その特定した前記被加熱調理情報(加熱時間20秒)に基づいて、前記マグネトロン(6)やターンテーブル等(8)を制御し、被加熱調理品(H)を20秒間だけ加熱せしめる。
【0049】
また、例えば、記憶部(4)が図5に示すような参照テーブルを記憶している場合、前記制御部(1)は、前記検出部(5)による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質情報(例えば情報提示物質wの含有量0.10、情報提示物質xの含有量0.21)を特定する。そして、前記制御部(1)は、前記記憶部(4)に記憶されている図5に示す参照テーブルを参照することにより、前記情報提示物質情報(情報提示物質wの含有量0.10、情報提示物質xの含有量0.21)に対応する被加熱調理品情報(加熱時間120秒)を特定する。そして、さらに前記制御部(1)は、その特定した前記被加熱調理情報(加熱時間120秒)に基づいて、前記マグネトロン(6)やターンテーブル等(8)を制御し、被加熱調理品(H)を120秒間だけ加熱せしめる。
【0050】
次に上記電子レンジ装置(A)の動作について図6に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下の説明および図面では、「ステップ」を「S」と略記する。
【0051】
まず、S1では、前記制御部(1)が、操作者による前記操作部(7)の操作によって被加熱調理品(H)の加熱調理の指示があるか否かを判定し、加熱調理指示があると判定した場合は(S1でYES)、S2に進む。一方、加熱調理指示がないと判定した場合は(S1でNO)、この判定処理を繰り返す。
【0052】
S2では、前記検出部(5)が、前記制御部(1)の指令に従って、発光部(5a)から所定領域の電磁波を発光することにより被加熱調理品(H)に対して該電磁波を照射し、その電磁波の照射に伴って情報提示物質から放射された蛍光を受光部(5b)で受光することにより検出し、S3に進む。
【0053】
S3では、前記制御部(1)が、前記情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質情報(例えば情報提示物質の種類b)を特定し、S4に進む。
【0054】
S4では、前記制御部(1)は、前記記憶部(4)に記憶されている参照テーブル(例えば図4)を参照することにより、前記情報提示物質情報(例えば情報提示物質の種類b)に対応する被加熱調理品情報(例えば加熱時間20秒)を特定し、S5に進む。
【0055】
S5では、前記制御部(1)は、被加熱調理品(H)が加熱室(9)内に装入されているか否かを判定し、装入されていると判定した場合は(S5でYES)、S6に進む。一方、装入されていないと判定した場合は(S5でNO)、この判定処理を繰り返す。
【0056】
S6では、前記制御部(1)は、S4の処理で特定した前記被加熱調理情報(例えば加熱時間20秒)に基づいて、前記マグネトロン(6)や各駆動部を制御し、被加熱調理品(H)を加熱せしめ、処理を終了する。
【0057】
この電子レンジ装置(A)によれば、被加熱調理品(H)に付与された情報提示物質を読み取らせるだけで被加熱調理品(H)が加熱調理されるので、操作者は加熱出力や加熱時間等の加熱条件の設定に煩われることがなく、被加熱調理品(H)を簡単に加熱調理することができる。
【0058】
また、被加熱調理品(H)はその被加熱調理品(H)に関する情報に応じて加熱調理されるので、被加熱調理品(H)が熱くなりすぎたり、ぬるくなりすぎたりすることが防止され、被加熱調理品(H)を確実に加熱調理することができる。
【0059】
さらに、被加熱調理品(H)に情報提示物質が付与されていない場合には、被加熱調理品(H)が加熱調理されることがないので、本来温めてはいけないものを子供等が温めてしまう事故を防止することができ、安全性が向上する。
【0060】
さらにまた、被加熱調理品(H)に情報提示物質を広範囲に亘って付与するものとすれば、被加熱調理品(H)の一部のみに情報が付与された場合と異なり、被加熱調理品(H)の様々な箇所から情報提示物質を検出することができる。このため、情報提示物質をより簡単かつ確実に検出することができ、被加熱調理品(H)の加熱調理の操作性がより一層向上する。
【0061】
なお、この実施形態では、情報提示物質の蛍光を検出する検出手段は、電子レンジ装置(A)の外部に設けるものが(検出部(15))、電子レンジ装置(A)の内部に設けるものとしてもよい。これによれば、検出手段が電子レンジ装置(A)の外部に露出していないので、検出手段の配線や置き場所に困ることがなく、電子レンジ装置(A)のスリム化を図ることができる。
【0062】
また、この場合、前記制御部(1)は、前記電子レンジ装置(A)に設けれらた開閉扉(10)の開閉を感知する開閉感知手段としての機能を有するものとし、前記検出手段は、前記制御部(1)により開閉扉(10)が閉まったことを感知したときに、加熱室(9)内の前記被加熱調理品(H)に対して所定波長領域の電磁波を照射し、その照射に伴って前記情報提示物質から放射される蛍光を検出するのが好ましい。これによれば、開閉扉(10)を閉めるだけで被加熱調理品(H)から情報提示物質が検出されるので、情報提示物質の検出を手動で操作する必要がなくなり、被加熱調理品(H)をより一層簡単に加熱調理することができる。特にコンビニエンスストア等の作業が繁雑な所では、作業効率がより一層向上することが可能となる。なお、加熱室(9)内に被加熱調理品(H)が装入されていない場合は、制御部(1)により通常のボタン操作のモードに切り替わるものとすればよい。
【0063】
また、図5に示すように被加熱調理情報に消費期限が含まれる場合、前記制御部(11)は、被加熱調理品(H)の消費期限が経過している否かを判定し、消費期限が経過している場合は被加熱調理品(H)の加熱調理を行わないものとしてもよい。
【0064】
また、電子レンジ装置(A)に被加熱調理品(H)の温度を測定する温度センサを設け、前記制御部(11)は、温度センサにより測定された被加熱調理品(H)の温度が一定以上であると判定した場合は、前記マグネトロン(6)による被加熱調理品(H)の再加熱を禁止するものとしてもよい。これによれば、一度加熱調理した被加熱調理品(H)が再び加熱調理されることを防止することができる。
【0065】
また、制御部(11)は、電子レンジ装置(A’)の開閉扉の開閉を判定し、開閉扉が開いていると判定した場合は、前記マグネトロン(6)による被加熱調理品(H)の加熱を開始しないものとしてもよい。
【0066】
また、前記制御部(11)は、前記被加熱調理品(H)が複数ある場合、各被加熱調理品(H)の被加熱調理品情報の加熱時間を加算し、その加算した加熱時間に基づいて前記マグネトロン(6)を制御するものとしてもよい。これによれば、被加熱調理品(H)の個数に応じて被加熱調理品(H)の加熱時間が加算されるので、複数の被加熱調理品(H)をより簡単かつ確実に加熱調理することができる。
【0067】
また、情報提示物質情報として、情報提示物質の種類や含有量等に加えてあるいは代えて、情報提示物質の時間的減衰特性を用いてもよい。この情報提示物質の時間的減衰特定とは、図8に示すように、横軸を時間とした場合における情報提示物質の蛍光強度の減衰についての特性のことをいう(図8では3種類の情報提示物質の時間的減衰特性を図示している)。例えば、情報提示物質の各時間的特性(la、lb、lc、…)と各被加熱調理品情報(10秒、20秒、30秒、…)とが対応するようにした場合、情報提示物質の時間的特性(lb)が特定されれば被加熱調理品情報(20秒)が特定される。
【0068】
また、この発明を電子レンジ装置(A)に適用するものとしたが、オーブン装置やグリル装置など、その他の加熱調理装置に適用してもよい。
[実施形態2]
次にこの発明の他の実施形態について説明する。
【0069】
この実施形態では、図9に示すように、複数の電子レンジ装置(A’)と一のサーバ(B)がネットワーク(NW)に接続され、実施形態1で説明した情報提示物質情報を特定する機能や被加熱調理品情報を特定する機能をサーバ(B)で実行するものとなされている。
【0070】
図10は、この実施形態に係る電子レンジ装置(A’)のハードウェア構成を示す図である。
【0071】
図10において、(11)は各部の制御や、各種画面の表示、データの転送、種々の演算等を行う中央演算処理装置(CPU)を有する制御部、(12)は各種処理を実行するためのプログラムが格納されているROM、(13)は前記制御部(1)が各種処理を実行するときに必要なデータやプログラムなどが適宜記憶されるRAM、(15)は被加熱調理品(H)に対して所定の波長領域の電磁波を照射し、その電磁波の照射に伴って被加熱調理品(H)から放射された蛍光を検出する検出部、(16)は加熱室内に装入された被加熱調理品(H)を加熱調理するためのマグネトロン、(17)は電子レンジ装置(A’)の右側前面に設けられた各種操作ボタンや表示部からなる操作部、(18)は加熱室(9)内のターンテーブル、ライト、およびファン等の各駆動部、(19)はネットワーク(NW)を介して前記サーバ(B)とデータの授受等を行う通信部である。
【0072】
なお、ROM(12)、RAM(13)、検出部(15)、マグネトロン(16)、操作部(17)、および各駆動部(18)は、実施形態1に示した電子レンジ装置(A)のものと同一である。
【0073】
前記制御部(11)は、前記検出部(15)による情報提示物質の蛍光の検出結果を通信部(19)によりネットワーク(NW)を介して前記サーバ(B)に送信する機能を有する。また、前記制御部(11)は、前記サーバ(B)からネットワークを介して送信されてきた被加熱調理品情報を通信部(19)により受信する機能を有する。さらに、前記制御部(11)は、通信部(19)により受信した被加熱調理品情報に基づいて前記マグネトロン(16)や各駆動部(18)を制御する機能を有する。
【0074】
図11は、前記サーバ(B)のハードウェア構成を示す図である。
【0075】
図11において、(21)は各部の制御や、各種画面の表示、データの転送、種々の演算等を行う中央演算処理装置(CPU)を有する制御部、(22)は各種処理を実行するためのプログラムが格納されているROM、(23)は前記制御部(1)が各種処理を実行するときに必要なデータやプログラムなどが適宜記憶されるRAM、(24)は被加熱調理品情報と情報提示物質情報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを記憶する記憶部、(30)はネットワークを介して前記電子レンジ装置(A’)とデータの授受等を行う通信部である。
【0076】
前記制御部(21)は、前記電子レンジ装置(A’)からネットワークを介して送信されてきた前記検出部(15)による情報提示物質の蛍光の検出結果を通信部(29)により受信する機能を有する。また、制御部(21)は、通信部(29)により受信した前記検出部(15)による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて、情報提示物質情報を特定する機能を有する。また、前記制御部(21)は、前記記憶部(24)に記憶されている参照テーブルを参照することにより、前記情報提示物質情報に対応する被加熱調理品情報を特定する機能を有する。さらにまた、前記制御部(21)は、その特定した被加熱調理品情報を通信部よりネットワーク(NW)を介して前記電子レンジ装置(A’)に送信する機能を有する。
【0077】
図12は、この実施形態に係る自動加熱調理システムの動作を示すフローチャートである。なお、以下の説明および図面において、「ステップ」を「S」と略記する。
【0078】
まず、S11では、電子レンジ装置(A’)において、前記検出部(15)が、前記制御部(11)の指令に従って、発光部(15a)から所定領域の電磁波を発光することにより被加熱調理品(H)に対して該電磁波を照射し、その電磁波の照射に伴って被加熱調理品(H)から放射された蛍光を受光部(15b)により受光することにより検出し、S12に進む。
【0079】
S12では、前記制御部(11)が、前記検出部(15)による情報提示物質の蛍光の検出結果を前記通信部(19)よりネットワーク(NW)を介して前記サーバ(B)に送信し、S13に進む。
【0080】
S13では、サーバ(B)において、前記制御部(21)が、前記電子レンジ装置(A’)からネットワーク(NW)を介して送信されてきた前記検出部(15)による情報提示物質の蛍光の検出結果を前記通信部(29)により受信し、S14に進む。
【0081】
S14では、前記制御部(21)が、前記通信部(19)により受信した前記検出部(15)による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質情報(例えば情報提示物質の種類b)を特定し、S15に進む。
【0082】
S15では、前記制御部(21)は、前記記憶部(24)に記憶されている参照テーブル(例えば図4)を参照することにより、S14の処理で特定した情報提示物質情報(例えば情報提示物質の種類b)に対応する被加熱調理品情報(例えば加熱時間20秒)を特定し、S16に進む。
【0083】
S16では、前記制御部(21)は、S15の処理で特定した被加熱調理品情報を前記通信部(29)によりネットワーク(NW)を介して前記電子レンジ装置(A’)に送信し、S17に進む。
【0084】
S17では、前記電子レンジ装置(A’)において、前記制御部(11)は、前記サーバ(B)からネットワーク(NW)を介して送信されてきた被加熱調理品情報を前記通信部(19)により受信し、S18に進む。
【0085】
S18では、前記制御部(11)は、前記通信部(19)により受信した前記被加熱調理情報(例えば加熱時間20秒)に基づいて、前記マグネトロン(16)や各駆動部(18)を制御し、被加熱調理品(H)を加熱せしめ、処理を終了する。
【0086】
この自動加熱調理システムによれば、サーバ(B)により複数の電子レンジ装置(A’)を一局集中的に管理することができる。
【0087】
なお、この実施形態では、前記被加熱調理品情報特定手段により特定された被加熱調理品(H)に関する情報は、電子レンジ装置(A’)における被加熱調理品(H)の加熱調理にのみ用いられるものとしたが、サーバ(B)とは別の管理サーバ(図示略)にネットワーク(NW)または専用回線を介して送信し、その管理サーバにおいて管理されるものとしてもよいし、あるいはサーバ(B)にそのまま記憶し、そのサーバ(B)において管理されるものとしてもよい。これによれば、各電子レンジ装置(A)において加熱調理された被加熱調理品(H)に関する情報を管理サーバあるいはサーバ(B)において一局集中的に管理することができる
【0088】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、被加熱調理品に付与された情報提示物質を読み取らせるだけで被加熱調理品が加熱調理されるので、操作者は加熱出力や加熱時間等の加熱条件の設定に煩われることがなく、被加熱調理品を簡単に加熱調理することができる。
【0089】
また、被加熱調理品はその被加熱調理品に関する情報に応じて加熱調理されるので、被加熱調理品が熱くなりすぎたり、ぬるくなりすぎたりすることが防止され、被加熱調理品を確実に加熱調理することができる。
【0090】
さらに、被加熱調理品に情報提示物質が付与されていない場合には、被加熱調理品が加熱調理されることがないので、本来温めてはいけないものを子供等が温めてしまう事故を防止することができ、安全性が向上する。
【0091】
さらにまた、被加熱調理品に情報提示物質を広範囲に亘って付与するものとすれば、被加熱調理品の一部のみに情報が付与された場合と異なり、被加熱調理品の様々な箇所から情報提示物質を検出することができる。このため、情報提示物質をより簡単かつ確実に検出することができ、被加熱調理品の加熱調理の操作性がより一層向上する。
【0092】
請求項2に係る発明によれば、サーバにより複数の加熱調理装置を一局集中的に管理することができる。
【0093】
請求項3に係る発明によれば 各加熱調理装置において加熱調理された被加熱調理品に関する情報を管理サーバにおいて一局集中的に管理することができる。このため、どのような被加熱調理品がよく温められているかや、夏季と冬季といった季節ごとの同一被加熱調理品のレンジ使用の割合を集計することができ、被加熱調理品の様々な販売戦略が可能となる。
【0094】
請求項4に係る発明によれば、一度加熱調理した被加熱調理品が再び加熱調理されることを防止することができる。
【0095】
請求項5に係る発明によれば、被加熱調理品の個数に応じて被加熱調理品の加熱時間が加算されるので、複数の被加熱調理品をより簡単かつ確実に加熱調理することができる。
【0096】
請求項6に係る発明によれば、開閉扉を閉めるだけで被加熱調理品から情報提示物質が検出されるので、情報提示物質の検出を手動で操作する必要がなくなり、被加熱調理品をより一層簡単に加熱調理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る自動加熱調理システム(電子レンジ装置)の外観斜視図である。
【図2】図1の電子レンジ装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】情報提示物質の蛍光の検出結果の一例を示すスペクトル分析図である。
【図4】情報提示物質情報と被加熱調理品情報の対応関係が設定された参照テーブルの一例を示す図である。
【図5】情報提示物質情報と被加熱調理品情報の対応関係が設定された参照テーブルの他の例を示す図である。
【図6】図1の電子レンジ装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】情報提示物質から放射される蛍光の線スペクトルの模式図である。
【図8】情報提示物質の時間的減衰特性を示す図である。
【図9】この発明の他の実施形態に係る自動加熱調理システムの構成概略図である。
【図10】図9の電子レンジ装置のハードウェア構成を示す図である。
【図11】図9のサーバのハードウェア構成を示す図である。
【図12】図9の自動加熱調理システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・制御部
2・・・ROM
3・・・RAM
4・・・記憶部
5・・・検出部
6・・・マグネトロン
7・・・操作部
8・・・駆動部
9・・・加熱室
Claims (6)
- 被加熱調理品を加熱手段により自動的に加熱調理する自動加熱調理システムであって、
一種ないし二種以上の元素または化合物からなり、かつ被加熱調理品に関する情報が関連付けられた情報提示物質が付与された被加熱調理品について、情報提示物質に関する情報と被加熱調理品に関する情報とが互いに対応するように設定された参照テーブルを記憶する記憶手段と、
前記被加熱調理品に対して所定波長領域の電磁波を照射し、その照射に伴って前記情報提示物質から放射される蛍光を検出する検出手段と、
該検出手段による情報提示物質の蛍光の検出結果に基づいて情報提示物質に関する情報を特定する情報提示物質情報特定手段と、
前記記憶手段に記憶されている参照テーブルを参照することにより、前記情報提示物質情報特定手段により特定された情報提示物質に関する情報に対応する被加熱調理品に関する情報を特定する被加熱調理品情報特定手段と、
該被加熱調理品情報特定手段により特定された前記被加熱調理品に関する情報に基づいて前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、
を備えてなることを特徴とする自動加熱調理システム。 - 前記記憶手段、情報提示物質情報特定手段、および被加熱調理品情報特定手段はネットワークに接続されたサーバに設けられるとともに、前記検出手段、制御手段、および加熱手段はネットワークに接続された複数の加熱調理装置にそれぞれ設けられ、
各加熱調理装置の検出手段により検出された情報提示物質の蛍光の検出結果はネットワークを介して前記サーバに送信されるとともに、前記被加熱調理品情報特定手段により特定された被加熱調理品に関する情報はネットワークを介して対応する加熱調理装置に送信されるものとなされている請求項1に記載の自動加熱調理システム。 - 前記被加熱調理品情報特定手段により特定された被加熱調理品に関する情報は、被加熱調理品に関する情報を管理するサーバにネットワークを介して送信されるものとなされている請求項1または請求項2に記載の自動加熱調理システム。
- 被加熱調理品の温度を測定する温度センサが設けられ、該温度センサにより測定された被加熱調理品の温度が一定以上であると判定した場合は、前記加熱手段による被加熱調理品の再加熱を禁止する再加熱禁止手段が設けられている請求項1ないし請求項3に記載の自動加熱調理システム。
- 前記被加熱調理品に関する情報は少なくとも被加熱調理品の加熱時間を含むものとなされ、被加熱調理品が複数ある場合において各被加熱調理品の加熱時間を加算する加算手段が設けられ、前記制御手段は前記加算手段により加算された加熱時間に基づいて前記加熱手段を制御する請求項1ないし請求項4に記載の自動加熱調理システム。
- 当該自動加熱調理システムに設けられた開閉扉の開閉を感知する開閉感知手段が設けられ、
前記検出手段は、前記開閉感知手段により開閉扉が閉まったことを感知したときに、前記被加熱調理品に対して所定波長領域の電磁波を照射し、その照射に伴って前記情報提示物質から放射される蛍光を検出する請求項1ないし請求項5に記載の自動加熱調理システム。
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