JP2004020049A - 熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラム - Google Patents

熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】むだ時間を考慮した制御を行うことにより、制御性能を向上させる。
【解決手段】制御量の目標値と実測値とに基づいて目標軌道を設定する(S1〜S2)。以後操作量を変更しなかった場合における制御量の変動分を計算する(S3)。これらから操作量不変更時における制御量と目標軌道との偏差を求める(S4)。また、プラントの状況に応じて制約条件を設定し(S5)、その制約条件に基づいて、上記偏差を補償するための制御入力偏差量を最適化する(S6)。そして、この制御入力偏差量を前制御周期の操作量に加算することにより操作入力を求める(S7)。そして、求めた操作入力により制御対象を操作する(S8)。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラムに関するものである。特に、未来の挙動を予測しながら熱分解ガス化溶融処理プラントを制御する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、都市ごみなどの廃棄物の発熱量は増加の一途をたどり、最終処分地容量の逼迫や二次公害(地下水汚染)の問題、法規制の強化などの関係から、廃棄物の溶融による減容化、固定化が進められている。さらに、ダイオキシン類などの微量汚染物質の抑制など、廃棄物処理に要求される課題が多い。このような状況において、廃棄物を還元雰囲気で熱分解ガス化し、発生した可燃ガスを高温で燃焼し、焼却残渣を溶融する熱分解ガス化溶融処理プラントが注目されている。この熱分解ガス化溶融処理プラントには、給塵機により廃棄物を投入して底部に流動粒子を備えた流動層内で熱分解する流動床ガス化炉と、該流動床ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼して灰分を溶融する溶融炉とを有しているものがある。
【0003】
熱分解ガス化溶融処理プラントには、以下のような特徴がある。
▲1▼廃棄物の持つエネルギーを利用して灰の溶融を可能にし、焼却残渣の減容化、再資源化することが可能となる。
▲2▼低温熱分解により有価金属を回収することが可能となる。
▲3▼低空気比が可能なことから、装置をコンパクトにすることが可能となる。
▲4▼溶融炉での高温燃焼により、ダイオキシン類などの微量有害物質の抑制が可能となる。
【0004】
熱分解ガス化溶融処理プラントの主な操作量としては、例えば、廃棄物を投入する量である給塵量(給塵機速度)やガス化溶融炉の流動床に空気を送り込む量である流動空気量が挙げられる。従来の技術においては、これらの操作量の操作はオペレータの手動操作で行われるか、単独の制御ループを組み合わせて行われることが基本となっていた。また、熱分解ガス化溶融処理プラントの後段に廃熱ボイラを設置し、熱回収を図るプラントにおいては、従来から、ボイラ出力側の蒸気弁の開度を調整し、ボイラドラム圧力を自動制御により一定にしていた。そして、これらの方法によって、流動床ガス化炉の流動床や熱分解ガス化溶融処理プラントの出口付近の温度、溶融炉の温度、あるいはボイラからの蒸気流量などを安定にすることが考えられる。さらに、特開2001−182925号公報では、上述の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置として、流動床温度を流動空気量にて制御し、溶融炉温度または蒸気流量を給塵量にて制御する制御系において、給塵量の操作による流動床温度への干渉を非干渉器で補償する制御手法が開示されている。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、熱分解ガス化溶融処理プラントでは、流動床が還元雰囲気に保たれており、熱分解反応は給塵量と流動空気量の微妙なバランスの上に成り立っている。即ち、酸化雰囲気でごみを焼却する流動床焼却炉に比べて、熱分解ガス化溶融処理プラントは、給塵機や流動空気量に対する流動床温度の感度が大きく、安定領域が狭いため、操作の難しい制御対象である。例えば、熱分解反応を緩慢にし、給塵量の外乱の影響を吸収するためには、流動床温度を低くする必要があるが、どか落ちなどの突発的な給塵量増大に対して流動床温度が急低下し、失速を招く危険性がある。また、溶融炉における、高温燃焼・溶融反応に際し、ごみの持つエネルギーをできるだけ有効利用するためには、流動床ガス化炉において空気比を低く保ち、燃焼量を抑制する必要がある。このように、熱分解ガス化反応を安定して促進し、維持するためには、さまざまな制約条件を満たしながら、制御操作量を決定しなければならないという問題がある。
【0006】
また、熱分解ガス化溶融処理プラントでは、給塵量や流動空気量を変更してから、流動床温度や溶融炉温度(ボイラ付属の場合には蒸気流量)が変動するまでには、無視できないむだ時間が存在しており、PID制御などのフィードバック制御ロジックでは、ゲインを大きくするとハンチングを起こし、ゲインを小さくすると応答特性が劣化するという問題がある。さらに、特開平2001−182925号公報で開示されている熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び制御装置では、給塵量から流動床温度への干渉の影響は非干渉器により補償されているが、むだ時間の影響を考慮していないため、実際の制御性能には限界があるという問題がある。また、操業上の制約条件を満たしながら、操作量を最適化するようなことは実現することができないという問題がある。
【0007】
本発明の一つの目的は、むだ時間が考慮された制御性能を向上させることができる熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラムを提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、操業上の制約条件を満たしつつ、制御性能を向上させることができる熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラムを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法は、給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法において、前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の予測値に基づいて、むだ時間が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項13に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置は、給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置において、前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の予測値に基づいて、むだ時間が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項25に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項13のような熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置として機能させるためのプログラムである。
【0012】
これらの構成によると、熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の予測値に基づいて、むだ時間が補償されるように熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定することにより、むだ時間を考慮しているため、PIDのような単純なフィードバック制御に比べて、制御ゲインを高く設定することができ、目標値への追従性を改善することができる。特に、熱分解ガス化溶融処理プラントは、むだ時間が大きく、安定領域が狭いが、未来の挙動を予測して早めに操作することにより、熟練オペレータ並みの操作を実現することができる。
【0013】
本発明の請求項2に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法は、給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法において、前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定めるステップと、前記制御量の現時点以降における予測値を求めるステップと、前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求めるステップと、前記ずれ量が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定するステップとを有することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項14に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置は、給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置において、前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定める手段と、前記制御量の現時点以降における予測値を求める手段と、前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求める手段と、前記ずれ量が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定する手段とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項26に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項14のような熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置として機能させるためのプログラムである。
【0016】
これらの構成によると、熱分解ガス化溶融処理プラントに対して、モデル予測制御を用いて、現時点における制御量の実測値と現時点以降の目標値とから定めた目標軌道と、現時点における操作量を固定した場合に予測される制御量の一定区間の変動とに基づいて、目標軌道に近づけるように操作量を決定することにより、むだ時間を考慮しているため、PIDのような単純なフィードバック制御に比べて、制御ゲインを高く設定することができ、目標値への追従性を改善することができる。特に、熱分解ガス化溶融処理プラントは、むだ時間が大きく、安定領域が狭いが、未来の挙動を予測して早めに操作することにより、熟練オペレータ並みの操作を実現することができる。なお、現時点以降の目標値としたのは、未来のある時点で目標値が変わることが予め分かっている場合、それに合わせて目標軌道を設定する趣旨である。
【0017】
前記課題を解決するために本発明の請求項3に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法は、給塵機により投入された廃棄物を流動粒子からなる流動床内で熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法において、前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の予測値に基づいて、むだ時間が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定することを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項15に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置は、給塵機により投入された廃棄物を流動粒子からなる流動床内で熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置において、前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の予測値に基づいて、むだ時間が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定することを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項27に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項15のような熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置として機能させるためのプログラムである。
【0020】
これらの構成によると、流動床型の熱分解ガス化炉を有する熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の予測値に基づいて、むだ時間が補償されるように流動床型の熱分解ガス化炉を有する熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定することにより、むだ時間を考慮しているため、PIDのような単純なフィードバック制御に比べて、制御ゲインを高く設定することができ、目標値への追従性を改善することができる。特に、流動床型の熱分解ガス化炉を有する熱分解ガス化溶融処理プラントは、むだ時間が大きく、安定領域が狭いが、未来の挙動を予測して早めに操作することにより、熟練オペレータ並みの操作を実現することができる。
【0021】
本発明の請求項4に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法は、給塵機により投入された廃棄物を流動粒子からなる流動床内で熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法において、前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定めるステップと、前記制御量の現時点以降における予測値を求めるステップと、前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求めるステップと、前記ずれ量が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定するステップとを有することを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項16に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置は、給塵機により投入された廃棄物を流動粒子からなる流動床内で熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置において、前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定める手段と、前記制御量の現時点以降における予測値を求める手段と、前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求める手段と、前記ずれ量が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定する手段とを有することを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項28に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項16のような熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置として機能させるためのプログラムである。
【0024】
これらの構成によると、流動床型の熱分解ガス化炉を有する熱分解ガス化溶融処理プラントに対して、モデル予測制御を用いて、現時点における制御量の実測値と現時点以降の目標値とから定めた目標軌道と、現時点における操作量を固定した場合に予測される制御量の一定区間の変動とに基づいて、目標軌道に近づけるように操作量を決定することにより、むだ時間を考慮しているため、PIDのような単純なフィードバック制御に比べて、制御ゲインを高く設定することができ、目標値への追従性を改善することができる。特に、流動床型の熱分解ガス化炉を有する熱分解ガス化溶融処理プラントは、むだ時間が大きく、安定領域が狭いが、未来の挙動を予測して早めに操作することにより、熟練オペレータ並みの操作を実現することができる。なお、現時点以降の目標値としたのは、未来のある時点で目標値が変わることが予め分かっている場合、それに合わせて目標軌道を設定する趣旨である。
【0025】
本発明において、前記制御量の現時点以降における予測値を求めるに当たって、前記給塵機への供給電流、前記熱分解ガス化炉の炉内圧力、前記溶融炉から排出される排ガス流量、および、誘引送風機の電流の少なくともいずれか一つが用いられてよい(請求項5、17、29)。誘引送風機(IDF)とは、炉内の排ガスを誘引して煙突から放出するための送風機であり、炉内の圧力が高くなると回転数を上げて多量のガスを誘引するなど、炉内圧を一定(負圧)に保つために動作している。
【0026】
この構成によると、給塵機への供給電流、熱分解ガス化炉の炉内圧力、排ガス流量及び誘引送風機の電流の少なくともいずれか1つを制御量として予測しているため、実際の廃棄物の給塵量を把握することができ、実際の給塵量を反映した予測を行うことができる。詳細に説明すると、給塵量は一般に給塵材の回転速度に比例するが、ごみの性状にはばらつきが多く、給塵機速度を一定にしていても、実際の給塵量はばらついてしまう。ごみ質が悪いときには、「どか落ち」と呼ばれるような一度にどさっとごみが投入される場合もある。従って、給塵機速度だけでは正確な予測ができず、これらの給塵外乱を反映する上記データを使うことにより正確な予測ができる。
【0027】
本発明において、前記操作量及び前記制御量の少なくともいずれか一方が多変数であってよい(請求項6、18、30)。
【0028】
この構成によると、操作量または制御量の少なくともいずれかを複数の変数として制御することにより、多変数制御系を構成しているため、操作量間の干渉を考慮した上でプラント全体としてバランスのよい操作を実現することができる。また、制御パラメータを変更することにより、重視する制御量を簡単に調整することができる。
【0029】
本発明において、前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量及び前記熱分解ガス化炉への給塵量の少なくともいずれか一方を操作してよい(請求項7、19、31)。
【0030】
この構成によると、少なくとも流動床に吹き込まれる空気量または熱分解ガス化炉への給塵量を操作することにより、流動床に吹き込まれる空気量と熱分解ガス化炉への給塵量の操作量間の干渉を考慮した上でプラント全体としてバランスのよい操作を実現することができる。また、流動床に吹き込まれる空気量または熱分解ガス化炉への給塵量の数値を変更することにより、重視する制御量を簡単に調整することができる。
【0031】
本発明において、前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量及び前記熱分解ガス化炉への給塵量を操作し、前記制御量として、前記流動床の温度及び前記溶融炉の温度を制御してよい(請求項8、20、32)。
【0032】
この構成によると、少なくとも流動床に吹き込まれる空気量または給塵量を操作し、少なくとも流動床温度または溶融炉の温度を制御することにより、流動床に吹き込まれる空気量と熱分解ガス化炉への給塵量の操作量間の干渉を考慮した上で、プラント全体としてバランスのよい操作を実現することができる。また、流動床に吹き込まれる空気量または熱分解ガス化炉への給塵量の操作量の数値を変更することにより、重視する流動床の温度または溶融炉の温度の制御量を簡単に調整することができる。
【0033】
本発明において、前記熱分解ガス化溶融処理プラントが、前記熱分解ガス化炉又は前記溶融炉で発生した熱を回収して蒸気を発生するボイラをさらに有しており、前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量及び前記熱分解ガス化炉への給塵量を操作し、前記制御量として、前記流動床の温度及び前記ボイラから排出される蒸気流量を制御してよい(請求項9、21、33)。
【0034】
この構成によると、溶融炉の温度とボイラから排出される蒸気流量とは相関関係があるため、溶融炉の温度の代わりにボイラから排出される蒸気流量を制御することにより、請求項8、20、32と同様の効果が得られる。
【0035】
本発明において、前記熱分解ガス化溶融処理プラントが、前記熱分解ガス化炉又は前記溶融炉で発生した熱を回収して蒸気を発生するボイラをさらに有しており、前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量、前記熱分解ガス化炉への給塵量及び前記ボイラに備えられた蒸気弁の開度を操作し、前記制御量として、前記流動床の温度、前記ボイラから排出される蒸気流量及び前記ボイラに備えられたボイラドラムの圧力を制御してよい(請求項10、22、34)。
【0036】
この構成によると、流動床に吹き込まれる空気量と、熱分解ガス化炉への給塵量と、ボイラに備えられた蒸気弁の開度を操作し、流動床の温度とボイラから排出される蒸気流量と、ボイラに備えられたボイラドラムの圧力を制御することにより、流動床に吹き込まれる空気量と、熱分解ガス化炉への給塵量と、ボイラに備えられた蒸気弁の開度の操作量間の干渉を考慮した上で、プラント全体としてバランスのよい操作を実現することができる。また、流動床に吹き込まれる空気量と、熱分解ガス化炉への給塵量と、ボイラに備えられた蒸気弁の開度の制御パラメータを変更することにより、重視する流動床の温度とボイラから排出される蒸気流量と、ボイラに備えられたボイラドラムの圧力の制御量を簡単に調整することができる。さらに、ボイラに備えられた蒸気弁の開度を操作し、ボイラに備えられたボイラドラムの圧力を制御することにより、ボイラから排出される蒸気流量の安定化を図ることが可能となる。
【0037】
本発明の請求項11に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法であって、前記熱分解ガス化溶融処理プラントの操業上の制約条件を考慮した上で前記操作量を最適化するステップをさらに有することを特徴とする。
【0038】
本発明の請求項23に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置は、請求項13〜22のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置であって、前記熱分解ガス化溶融処理プラントの操業上の制約条件を考慮した上で前記操作量を最適化する手段をさらに有することを特徴とする。
【0039】
本発明の請求項35に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項23のような熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置として機能させるためのプログラムである。
【0040】
この構成によると、操業上の制約条件を考慮して操作量を最適化しているため、プラントに合わせた最適な操作を実現することができ、熱分解ガス化反応を安定して促進し、維持することができる。
【0041】
前記操業上の制約条件は、前記熱分解ガス化溶融処理プラントの状態に応じて設定されてよい(請求項12、24、36)。
【0042】
この構成によると、操業上の制約条件は、熱分解ガス化溶融処理プラントの状況に応じて設定されるため、請求項11、23、35の効果に加えて、プラントの現状に合わせたより最適な操作を実現することができ、熱分解ガス化反応を安定して促進し、維持することができる。また、熱分解ガス化溶融炉は従来の焼却炉に比べて安定領域が狭いため、制約条件をプラントの状態に応じて設定したほうが、より安定な制御システムを構築することができる。さらに、廃棄物の持つエネルギーをできるだけ有効利用するようなぎりぎりの操業を行うことができるため、例えば、廃棄物の性質から重油を使用することが必要な場合でも、重油の使用量を抑制することができ、プラントのランニングコストを低減することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0044】
まず、本発明の実施の形態による制御方法及び装置、並びにプログラムを適用する熱分解ガス化溶融処理プラントの構成を、図1に基づいて説明する。図1は、熱分解ガス化溶融処理プラントの部分概略図を示すものである。
【0045】
図1に示すように、熱分解ガス化溶融処理プラント40は、熱分解ガス化炉10と、溶融炉20と、ボイラ30とから構成されている。
【0046】
熱分解ガス化炉10には、被焼却物である廃棄物(都市ごみ、産業廃棄物など)を投入するホッパ12が設けられており、ホッパ12に投入された廃棄物は、給塵機13によって、後述する流動床11に供給される。なお、この給塵機13によって供給される廃棄物の量(給塵量)は、給塵機13の回転数を調節することにより増減できるようになっている。また、熱分解ガス化炉10には、底部に流動粒子(例えば、砂)からなる流動床11が設けられている。流動床11の下部からは図示されない送風機により流動空気が吹き込まれ、流動床11の流動粒子及び給塵機13により供給された廃棄物が流動攪拌される。なお、この熱分解ガス化炉10は、流動床11の砂層温度が、アルミニウムの融点(600℃)以下で、鉄やアルミニウムなどの金属を未酸化状態で回収するため、約500〜600℃となるように運転される。廃棄物は、流動床11内で空気比0.2〜0.3程度の還元雰囲気の中で熱分解され、熱分解ガス(可燃性ガス)や未燃固形分(チャー、灰分など)となって、後述する溶融炉20に出て行く。
【0047】
溶融炉20は、熱分解ガス化炉10で生成された熱分解ガス、未燃固形分を約1300〜1400℃の高温で燃焼させる。また、溶融炉20は、熱分解ガス化炉10に引き続いた部分が旋回流溶融炉21になっており、後述する燃焼用空気が図の矢印に示すように強旋回される。未燃の熱分解ガスは、燃焼用空気によって高温燃焼する。燃焼用空気は、図示されない空気予熱器により予熱されて供給口22から供給される。なお、ごみ顕熱が不足する場合は、燃焼用空気の他に重油も使用する。灰分は溶融し、スラグが生成されるとともに、ダイオキシン類を分解する。溶融スラグは、スラグ流下口23より炉外へと回収されることにより有用な資源として利用される。
【0048】
ボイラ30は、熱分解ガス化炉10及び溶融炉20に付属して設置されており、ガス化溶融のプロセスで発生した熱を回収する。ボイラ30は、ガス化溶融のプロセスで発生した熱を利用して水を蒸発させるボイラドラム31、及び、ボイラドラム31の圧力やボイラドラム31から排出される蒸気流量を調節する蒸気弁32を備えている。このボイラ30で発生した蒸気のもつエネルギーは、図示されない発電機によって電気エネルギーに変換され、余剰電力や設備所要電力として回収される。また、ボイラ30の下流側には、図示されないガス冷却装置、排ガス処理装置(バグフィルタ等)、誘引送風機、煙突が順に設置されている。ここで、誘引送風機(IDF)は、炉内の排ガスを誘引して煙突から放出するための送風機であり、炉内の圧力が高くなると回転数を上げて多量のガスを誘引するなど、炉内圧を一定(負圧)に保つために動作している。
【0049】
次に、本発明の実施の形態による制御装置を、図2に基づいて説明する。図2は、本実施の形態に係る制御装置のブロック線図を示すものである。なお、本実施の形態では、制御手法としてモデル予測制御手法を用いる。
【0050】
制御装置1は、目標軌道生成部2と、操作量不変時制御量変動分計算部3と、操作量最適化計算部4と、制約条件設定部5と、制御量差分計算部6と、操作量不変時制御量偏差計算部7とを備えている。
【0051】
目標軌道生成部2は、制御量の目標値r(k+i)と、制御量の実測値y(k)に基づいて、目標軌道yr(k+i)を設定する。
【0052】
操作量不変時制御量変動分計算部3は、制御量の実測値y(k)、操作入力u(k)、その他制御対象の観測量w(k)の履歴から、以後操作量を変更しなかった場合における制御量の変動分Δy0(k+i)を計算する。このΔy0(k+i)の計算に際しては、使用するモデルの種類(ARXモデル、ステップ応答モデル、プログラムからなるシミュレータなど)や操作入力の数(単入力か多入力か)によって、u(k)を必要としなかったり、y(k)を必要としなかったり、あるいは、w(k)を現時刻以降の挙動を推定するモデルを必要としたり、その他、外乱の影響を推定する機能を含んでもよい。なお、本実施の形態では、w(k)として熱分解ガス化炉10の炉内圧力の値を使っている。
【0053】
一方、制約条件設定部5において、熱分解ガス化溶融処理プラント40の状況に応じて制約条件を設定する。制約条件としては、例えば、操作入力や制御量の上下限制約、操作入力の変動量の制約、熱分解ガス化炉10や溶融炉20の出口温度など、直接の制御量ではないが、操業上定められている制約などがあり、いずれも直接あるいは間接的に操作入力の制約条件として表すことができる。また、これらの制約条件を目標処理量や廃棄物の質(ごみ質)、流動床温度、溶融状態(溶融炉温度)、ボイラドラム31の圧力などによって変更することにより、熱分解ガス化溶融処理プラント40の状況に合わせた操作が可能となり、より安定した自動操業が実現できる。
【0054】
また、制御量差分計算部6は、目標軌道生成部2で設定した目標軌道yr(k+i)と比較した場合の、制御量の実測値y(k)との差分yr(k+i)− y(k)を計算する。
【0055】
操作量不変時制御量偏差計算部7は、制御量差分計算部6から求めた目標軌道生成部2で設定した目標軌道yr(k+i)と制御量の実測値y(k)との差分yr(k+i)− y(k)と、操作量不変時制御量変動分計算部3で求めた以後操作量を変更しなかった場合における制御量の変動分Δy0(k+i)とから、操作量不変時において制御量が目標軌道とどれだけずれるかの差Δye(k+i)を計算する。
【0056】
そして、操作量決定部4において、操作量不変時制御量偏差計算部7で計算された操作量不変時において制御量が目標軌道とどれだけずれるかの差Δye(k+i)と、制約条件設定部5で設定された制約条件、モデル、調整パラメータと、に基づいて、Δye(k+i)を補償するための制御入力偏差量Δu(k)が最適化される。このΔu(k)を前制御周期の操作量u(k−1)に加算することによって、制御対象Aに入力する制御入力u(k)が求まる。
【0057】
次に、本発明の実施の形態による制御方法を、図3のフローチャートに基づいて説明する。図3は、本実施の形態に係る制御方法のフローチャートを示すものである。なお、本実施の形態では、上述の制御装置と同様、制御手法としてモデル予測制御手法を用いる。
【0058】
まず、ステップS1で、制御量の目標値r(k+i)を設定する。ここで、目標値r(k+i)は、流動床11の温度(以下、「流動床温度」と称する。)、ボイラ30に備えられたボイラドラム31の圧力(以下、「ボイラドラム圧力」と称する。)、ボイラ30から排出される蒸気流量(以下、「蒸気流量」と称する。)のそれぞれの目標値を要素とするベクトルである。
【0059】
次に、ステップS2で、制御量の目標値r(k+i)と実測値y(k)とに基づいて、目標軌道生成部2において、目標軌道yr(k+i)を設定する。目標軌道yr(k+i)の設定方法としては、例えば、図4に示すものがある。これは、次式のように設定するものであり、y(k)からy(k+i)に一定の割合で近づけていくものである。なお、次式の行列Cを3×3の零行列にすれば、yr(k+i)はr(k+i)そのものに一致する。
【0060】
【数1】
Figure 2004020049
【0061】
次に、ステップS3で、操作量不変時制御量変動分計算部3において、モデルを用いて、操作量不変時における制御量の変動量Δy0(k+i)を計算する。ここで、モデルは、流動床11に吹き込まれる空気量(以下、「流動化空気量」と称する。)、熱分解ガス化炉10への給塵量として給塵機速度(以下、「給塵機速度」と称する。)、ボイラ30に備えられた蒸気弁32の開度(以下、「蒸気弁開度」と称する。)を入力とし、流動床温度、ボイラドラム圧力、蒸気流量を出力とし、その他観測量として熱分解ガス化炉の炉内圧力を含むモデルであり、次式で表される。
【0062】
【数2】
Figure 2004020049
【0063】
ここで、Δy0(k+i)は、今後操作量を変更しなかった場合の制御量の変動分である。従って、上述の式(数2)で表されるモデルを用いて、次式により、Δy0(k+i)が求まる。なお、次式では、観測量である熱分解ガス化炉の炉内圧力も現時刻以降の値も必要になるが、この炉内圧力の現時刻以降の値は別のモデルを使って推定している。
【0064】
【数3】
Figure 2004020049
【0065】
そして、ステップS4で、制御量差分計算部6及び操作量不変時制御量偏差計算部7において、ステップS2で求めた目標軌道yr(k+i)と、ステップS3で求めた今後操作量を変更しなかった場合の制御量の変動分Δy0(k+i)と、現時点における制御量の実測値y(k)(流動床温度、ボイラドラム圧力、蒸気流量の実測値を要素に持つベクトル)とから、操作量不変更時における制御量と目標軌道との偏差Δye(k+i)を次式により計算する。
【0066】
【数4】
Figure 2004020049
【0067】
次に、ステップS5で、制約条件設定部5において、操作入力Δu(k+i)に対し、制約条件を設定する。例えば、操作入力の上下限制約、変動幅の上下限制約は、次式で表される。
【0068】
【数5】
Figure 2004020049
【0069】
また、制御量に関する制約条件なども操作量の関数として表されるから、これらの制約条件はすべて、次式の形に帰着することができる。
【0070】
【数6】
Figure 2004020049
【0071】
そして、ステップS6で、操作量最適化計算部4において、未来の一定区間において、ステップS4で求めた偏差Δye(k+i)を補償するための偏差入力Δu(k)を、モデルを用いて求める。ここで、モデルは、流動化空気量、給塵機速度、蒸気弁開度を入力とし、流動床温度、ボイラドラム圧力、蒸気流量を出力とするモデルであり、次式で表される。
【0072】
【数7】
Figure 2004020049
【0073】
さて、上述の式(数7)で表されたモデルから、現時点以降の操作入力が制御量に及ぼす影響を表す部分Δy+(k+i)を抽出すると次式となる。
【0074】
【数8】
Figure 2004020049
【0075】
ここでの目的は、偏差Δye(k+i)を補償するための偏差入力Δu(k)を求めることである。そのためには、Δye(k+i)とΔy+(k+i)が、未来の一定区間において、できるだけ一致するような偏差入力Δu(k)を求めればよい。具体的には、上述の制約条件(数6)のもとで、次式で与えられる評価関数Jを最小化するΔu(k)を求めればよい。次式は、二次計画問題として解かれ、現時点での操作量の偏差ベクトルΔu(k)が求まる。
【0076】
【数9】
Figure 2004020049
【0077】
そして、ステップS7において、上記ステップS6で求めた操作量の偏差Δu(k)を、前時点の操作量u(k−1)に加算することによって、現時点における操作入力を行う操作量u(k)を求める。即ち、次式によって、現時点における流動化空気量、給塵機速度、蒸気弁開度を求める。
【0078】
【数10】
Figure 2004020049
【0079】
そして、ステップS8において、上記操作量u(k)を制御対象Aに入力して、操作対象を操作する。即ち、u(k)に基づいて、流動化空気量、給塵機速度、蒸気弁開度を操作する。
【0080】
ステップS8が終了するとステップS1に戻り、以上のステップS1からステップS8までの処理を制御周期ごと(本実施の形態では3秒)に繰り返す。
【0081】
次に、図5及び図6に基づいて、本実施の形態に係る制御方法を用いた場合の実験結果について説明する。図5は本実施の形態に係る制御方法を用いた場合の制御結果を示す図である。図6は従来の制御方法を用いた場合の制御結果を示す図である。ここで、制御量は流動床温度(砂層温度)、ボイラドラム圧力、蒸気流量であり、操作量は流動化空気量、給塵機速度、蒸気弁開度である。
【0082】
図6においては、ボイラドラム圧力を一定にするために、フィードバック制御(PID制御)によって蒸気弁開度を操作している。また、流動化空気量および給塵機速度については、操作員(熟練オペレータ)が状況を監視し、知識や経験に基づいて未来の挙動を予測しながら手動で操作している。なお、ここで、流動化空気量や給塵機速度をフィードバック制御手法によって自動操作せず、操作員によって手動操作しているのは、その方がフィードフォワード的な操作が実現できるので、ハンチング等を引き起こすことなく、より速やかに、より安定化できるからである。図5と図6を比べて明らかなように、本実施の形態に係る制御方法によれば、流動床温度とボイラドラム圧力と蒸気流量を安定化することができ、その結果として、溶融炉温度を安定化できていることがわかる。
【0083】
以上に説明したように、本実施の形態は、モデル予測制御を用いて、多変数モデルを使って制御量の未来の挙動を予測し、操業の制約条件を考慮した上で操作入力を最適化しているため、従来技術にはない下記の利点を有している。
【0084】
多変数制御系(流動化空気、給塵機速度、蒸気弁開度を入力とし、流動床温度、ボイラドラム圧力、蒸気流量を出力とするモデルを用いた制御系)を構成しているため(ステップS3)、操作量(流動化空気、給塵機速度、蒸気弁開度)間の干渉を考慮した上で、熱分解ガス化溶融処理プラント40全体としてバランスの良い操作を実現できる。また、流動床温度、ボイラドラム圧力、蒸気流量の内、どの制御量を重視するかも、パラメータの数値を変更するだけで、簡単に調整できる。
【0085】
モデル予測制御を用い、多変数モデル(流動化空気、給塵機速度、蒸気弁開度を入力とし、流動床温度、ボイラドラム圧力、蒸気流量を出力とするモデル)を使って未来の挙動を予測することにより(ステップS1〜S4)、むだ時間を考慮しているため、PIDのような単純なフィードバック制御に比べて、制御ゲインを高く設定できる。むだ時間が大きく、安定領域の狭い熱分解ガス化溶融炉では、後手後手の制御では制御性能にも限界があり、未来の挙動を予測して早め早めに操作する熟練オペレータ並の操作は実現不可能である。本実施の形態では、むだ時間を考慮した上で操作しているため、熟練オペレータ並の操作が実現できている。
【0086】
操業上の制約条件を考慮して操作量を最適化しているため(ステップS5〜S7)、熱分解ガス化処理プラント40の現状に合わせた最適な操作が実現できる。その結果、熱分解ガス化反応を安定して促進し、維持することができる。また、ごみの持つエネルギーをできるだけ有効利用できるような「ぎりぎりの領域」を狙って操業できるため、重油が必要なごみ質の場合にも、その使用量を抑制することができ、ランニングコストが低減できる。
【0087】
なお、本実施の形態では、モデル予測制御手法を用いているが、むだ時間を補償できる手法であれば、スミス補償など他の手法を用いても同様の効果を得ることができる。そこで、以下、スミス補償を用いた本実施の形態の変形例について簡単に説明する。
【0088】
例えば、スミス法によるむだ時間補償、特に制御器の保守性を考慮して制御器にPI制御器を用いたスミス補償型PI制御が考えられる。そこで、スミス補償を付加した閉ループのブロック線図を図7に示す。ブロック線図は、フィードバックコントローラ101と、スミス補償器102と、制御対象103とを有している。フィードバックコントローラ101ではPI制御が行われる。また、スミス補償器102はモデルGを用いて未来を予測していることに相当する。また、制御対象103は、Li秒のむだ時間を含んでいる。なお、本ブロック線図ではフィードバックコントローラ101はPI制御としているが、PI制御でなくてもよい。ここで、Grを制御対象の真の伝達関数、Gを制御器に搭載されるモデルの伝達関数(ノミナルモデル)とすると、制御器からみた制御対象は次式のようになる。
【0089】
【数11】
Figure 2004020049
【0090】
以上から、GrとGの差が十分小さいとき、制御器から見た制御対象はむだ時間を含まないモデルの伝達関数Gとなり、制御ゲインの増加による応答性の向上が期待できる。
【0091】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな設計変更が可能なものである。
【0092】
本実施の形態では、操作量として流動化空気量と給塵機13の速度と蒸気弁32の開度を操作量として用い、制御量として流動床11の温度とボイラドラム31の圧力と蒸気流量を用い、さらに、観測量として熱分解ガス化炉の炉内圧力を用いたが、それに限られない。これは、平均的に見れば、実際のごみ供給量は、給塵機13の速度におよそ比例するが、ごみ供給量の短周期的な変動(極端な場合は「ごみ切れ」や「どか落ち」)は、給塵機13の速度を一定にしていても起こり得るものであり、より正確な制御量の挙動予測のためには、実際のごみ供給量の変動を反映したモデルを使用する必要がある。そこで、実際のごみ供給量の変動に対して、熱分解ガス化炉10の炉内圧力は、制御量より早くその影響が現れるため、本実施の形態では、実際のごみ供給量と相関があるものとして、熱分解ガス化炉10の炉内圧力を制御量の挙動を予測する観測量として用いた。しかし、同様の理由から、熱分解ガス化炉の炉内圧力の他、排ガス流量などでも実際のごみ供給量を把握することができる。また、給塵機への供給電流や誘引送風機の電流でも、ごみ供給量の外乱を検出することができ、実際のごみ供給量を反映した予測をおこなうことができる。
【0093】
また、熱分解ガス化溶融炉10では、従来の焼却炉に比べて安定領域が狭いため、制約条件を炉の状態に応じて設定した方が、より安定な制御システムを構築できる。そこで、ごみ質(カロリー)や流動床11の温度、溶融炉20の温度の状況に応じて、操業制約条件を設定することによって、より安定な制御システムを構築できる。
【0094】
なお、制御量として溶融炉20の温度を用いる場合、溶融炉20の温度は、熱電対により計測されることが通常であるが、放射温度計や輝度センサなど電磁波を利用するセンサを使用することが望ましい。熱電対による温度計測は、温度変化に対する応答性が悪く、遅れ時間も無視できず、制御性能を悪化させる要因となる。特に溶融炉はいったん温度が低下してスラグの溶融が停止してしまうと再び溶融させるのに手間がかかるだけでなく、最悪の場合出滓口が閉塞する危険性があるため、この計測遅れ時間が致命的な結果を招きかねない。従って、電磁波を利用するセンサを使用すれば、ほとんど計測遅れ時間がないため、制御性能を向上することができ、安定溶融を維持することができる。
【0095】
また、上述の実施の形態では、操作量不変時の制御量変動分を予測計算しているが、操作量を変えたときの制御量変動分を予測計算してもよい。
【0096】
更に、上述の実施の形態では、熱分解ガス化溶融処理プラント40の熱分解ガス化炉10として、流動床型の熱分解ガス化炉が適用されているがそれに限られない。キルン型など他のタイプの熱分解ガス化炉であってもよい。
例えば、キルン型の熱分解ガス化炉(キルン炉)の場合は、操作量として、キルン炉への給塵量、キルン炉へ吹き込まれる空気量、キルン炉本体の回転数、そして補助バーナーがついている場合にはその供給燃料量などが考えられる。また、制御量として、キルン炉の温度、溶融炉の温度、ボイラが設けられている場合にはボイラから排出される蒸気流量やボイラに備えられたボイラドラムの圧力が考えられる。更に、モデル予測制御手法において、制御量の現時点以降における予測値を求めるに当たって、給塵機への供給電流、キルン炉の炉内圧力、溶融炉から排出される排ガス流量、及び、誘引送風機の電流が考えられる。
【0097】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、むだ時間を考慮した制御を行うことにより、制御性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱分解ガス化溶融処理プラントの部分概略図。
【図2】本実施の形態に係る制御装置のブロック線図。
【図3】本実施の形態に係る制御方法のフローチャート。
【図4】目標軌道の設定方法を表す一例の図。
【図5】本実施の形態による制御方法を行った場合の実験結果。
【図6】従来の制御方法を行った場合の実験結果。
【図7】スミス補償を付加した閉ループのブロック線図。
【符号の説明】
1  制御装置
2  目標軌道生成部
3  操作量不変時制御量変動分計算部
4  操作量最適化計算部
5  制約条件設定部
10  熱分解ガス化炉
11  流動床
13  給塵機
20  溶融炉
30  ボイラ
31  ボイラドラム
32  蒸気弁
40  熱分解ガス化溶融処理プラント

Claims (36)

  1. 給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法において、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の予測値に基づいて、むだ時間が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定することを特徴とする熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  2. 給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法において、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定めるステップと、
    前記制御量の現時点以降における予測値を求めるステップと、
    前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求めるステップと、
    前記ずれ量が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定するステップとを有することを特徴とする熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  3. 給塵機により投入された廃棄物を流動粒子からなる流動床内で熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法において、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の予測値に基づいて、むだ時間が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定することを特徴とする熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  4. 給塵機により投入された廃棄物を流動粒子からなる流動床内で熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法において、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定めるステップと、
    前記制御量の現時点以降における予測値を求めるステップと、
    前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求めるステップと、
    前記ずれ量が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定するステップとを有することを特徴とする熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  5. 前記制御量の現時点以降における予測値を求めるに当たって、前記給塵機への供給電流、前記熱分解ガス化炉の炉内圧力、前記溶融炉から排出される排ガス流量、及び、誘引送風機の電流の少なくともいずれか一つを用いることを特徴とする請求項4に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  6. 前記操作量及び前記制御量の少なくともいずれか一方が多変数であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  7. 前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量及び前記熱分解ガス化炉への給塵量の少なくともいずれか一方を操作することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  8. 前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量及び前記熱分解ガス化炉への給塵量を操作し、
    前記制御量として、前記流動床の温度及び前記溶融炉の温度を制御することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  9. 前記熱分解ガス化溶融処理プラントが、前記熱分解ガス化炉又は前記溶融炉で発生した熱を回収して蒸気を発生するボイラをさらに有しており、
    前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量及び前記熱分解ガス化炉への給塵量を操作し、
    前記制御量として、前記流動床の温度及び前記ボイラから排出される蒸気流量を制御することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  10. 前記熱分解ガス化溶融処理プラントが、前記熱分解ガス化炉又は前記溶融炉で発生した熱を回収して蒸気を発生するボイラをさらに有しており、
    前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量、前記熱分解ガス化炉への給塵量及び前記ボイラに備えられた蒸気弁の開度を操作し、
    前記制御量として、前記流動床の温度、前記ボイラから排出される蒸気流量及び前記ボイラに備えられたボイラドラムの圧力を制御することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融プラントの制御方法。
  11. 前記熱分解ガス化溶融処理プラントの操業上の制約条件を考慮した上で前記操作量を最適化するステップをさらに有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  12. 前記操業上の制約条件は、前記熱分解ガス化溶融処理プラントの状態に応じて設定されることを特徴する請求項11に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  13. 給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置において、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の予測値に基づいて、むだ時間が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定することを特徴とする熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  14. 給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置において、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定める手段と、
    前記制御量の現時点以降における予測値を求める手段と、
    前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求める手段と、
    前記ずれ量が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定する手段とを有することを特徴とする熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  15. 給塵機により投入された廃棄物を流動粒子からなる流動床内で熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置において、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の予測値に基づいて、むだ時間が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定することを特徴とする熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  16. 給塵機により投入された廃棄物を流動粒子からなる流動床内で熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置において、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定める手段と、
    前記制御量の現時点以降における予測値を求める手段と、
    前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求める手段と、
    前記ずれ量が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定する手段とを有することを特徴とする熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  17. 前記制御量の現時点以降における予測値を求めるに当たって、前記給塵機への供給電流、前記熱分解ガス化炉の炉内圧力、前記溶融炉から排出される排ガス流量、及び、誘引送風機の電流の少なくともいずれか一つを用いることを特徴とする請求項16に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  18. 前記操作量及び前記制御量の少なくともいずれか一方が多変数であることを特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  19. 前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量及び前記熱分解ガス化炉への給塵量の少なくともいずれか一方を操作することを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  20. 前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量及び前記熱分解ガス化炉への給塵量を操作し、
    前記制御量として、前記流動床の温度及び前記溶融炉の温度を制御することを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  21. 前記熱分解ガス化溶融処理プラントが、前記熱分解ガス化炉又は前記溶融炉で発生した熱を回収して蒸気を発生するボイラをさらに有しており、
    前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量及び前記熱分解ガス化炉への給塵量を操作し、
    前記制御量として、前記流動床の温度及び前記ボイラから排出される蒸気流量を制御することを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  22. 前記熱分解ガス化溶融処理プラントが、前記熱分解ガス化炉又は前記溶融炉で発生した熱を回収して蒸気を発生するボイラをさらに有しており、
    前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量、前記熱分解ガス化炉への給塵量及び前記ボイラに備えられた蒸気弁の開度を操作し、
    前記制御量として、前記流動床の温度、前記ボイラから排出される蒸気流量及び前記ボイラに備えられたボイラドラムの圧力を制御することを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融プラントの制御装置。
  23. 前記熱分解ガス化溶融処理プラントの操業上の制約条件を考慮した上で前記操作量を最適化する手段をさらに有することを特徴とする請求項13〜22のいずれか1項に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  24. 前記操業上の制約条件は、前記熱分解ガス化溶融処理プラントの状態に応じて設定されることを特徴する請求項23に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  25. 給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントを制御するためのプログラムにおいて、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の予測値に基づいて、むだ時間が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定する手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  26. 給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントを制御するためのプログラムにおいて、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定める手段、
    前記制御量の現時点以降における予測値を求める手段、
    前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求める手段、及び、
    前記ずれ量が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定する手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  27. 給塵機により投入された廃棄物を流動粒子からなる流動床内で熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントを制御するためのプログラムにおいて、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の予測値に基づいて、むだ時間が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定する手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  28. 給塵機により投入された廃棄物を流動粒子からなる流動床内で熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にこれに含まれる灰分を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントを制御するためのプログラムにおいて、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定める手段、
    前記制御量の現時点以降における予測値を求める手段、
    前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求める手段、及び、
    前記ずれ量が補償されるように前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量を決定する手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  29. 前記制御量の現時点以降における予測値を求めるに当たって、前記給塵機への供給電流、前記熱分解ガス化炉の炉内圧力、前記溶融炉から排出される排ガス流量、及び、誘引送風機の電流の少なくともいずれか一つを用いることを特徴とする請求項28に記載のプログラム。
  30. 前記操作量及び前記制御量の少なくともいずれか一方が多変数であることを特徴とする請求項25〜29のいずれか1項に記載のプログラム。
  31. 前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量及び前記熱分解ガス化炉への給塵量の少なくともいずれか一方を操作することを特徴とする請求項27〜29のいずれか1項に記載のプログラム。
  32. 前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量及び前記熱分解ガス化炉への給塵量を操作し、
    前記制御量として、前記流動床の温度及び前記溶融炉の温度を制御することを特徴とする請求項27〜29のいずれか1項に記載のプログラム。
  33. 前記熱分解ガス化溶融処理プラントが、前記熱分解ガス化炉又は前記溶融炉で発生した熱を回収して蒸気を発生するボイラをさらに有しており、
    前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量及び前記熱分解ガス化炉への給塵量を操作し、
    前記制御量として、前記流動床の温度及び前記ボイラから排出される蒸気流量を制御することを特徴とする請求項27〜29のいずれか1項に記載のプログラム。
  34. 前記熱分解ガス化溶融処理プラントが、前記熱分解ガス化炉又は前記溶融炉で発生した熱を回収して蒸気を発生するボイラをさらに有しており、
    前記操作量として、前記流動床に吹き込まれる空気量、前記熱分解ガス化炉への給塵量及び前記ボイラに備えられた蒸気弁の開度を操作し、
    前記制御量として、前記流動床の温度、前記ボイラから排出される蒸気流量及び前記ボイラに備えられたボイラドラムの圧力を制御することを特徴とする請求項27〜29のいずれか1項に記載のプログラム。
  35. 前記熱分解ガス化溶融処理プラントの操業上の制約条件を考慮した上で前記操作量を最適化する手段としてコンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項25〜34のいずれか1項に記載のプログラム。
  36. 前記操業上の制約条件は、前記熱分解ガス化溶融処理プラントの状態に応じて設定されることを特徴する請求項35に記載のプログラム。
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