JP2006046716A - 熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラム - Google Patents

熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ごみカロリーやごみ供給量等の変動により熱分解ガス化溶融処理プラントの燃焼状況の変化が生じた場合でも、安定して操業する。
【解決手段】制御量の目標値と実測値とに基づいて目標軌道を設定する(S1〜S2)。以後操作量を変更しなかった場合における制御量の変動分を計算する(S3)。これらから操作量不変更時における制御量と目標軌道との偏差を求める(S4)。また、プラントの状況に応じて制約条件を設定し(S5)、その制約条件に基づいて、上記偏差を補償するための制御入力偏差量を最適化する(S6)。尚、制御入力偏差量の最適化において、実測値と操作入力に基づいて計算した制御対象特性の結果から、必要に応じてルールベースを元にモデルの切換を行う。そして、求めた操作入力により制御対象を操作する(S8)。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラムに関するものである。特に、未来の挙動を予測しながら熱分解ガス化溶融処理プラントを制御する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラムに関する。
近年、都市ごみなどの廃棄物の発熱量は増加の一途をたどり、最終処分地容量の逼迫や二次公害(地下水汚染)の問題、法規制の強化などの関係から、廃棄物の溶融による減容化、固定化が進められている。さらに、ダイオキシン類などの微量汚染物質の抑制など、廃棄物処理に要求される課題が多い。このような状況において、廃棄物を還元雰囲気で熱分解ガス化し、発生した可燃ガスを高温で燃焼し、焼却残渣を溶融する熱分解ガス化溶融処理プラントが注目されている。この熱分解ガス化溶融処理プラントには、給塵機により廃棄物を投入して底部に流動粒子を備えた流動層内で熱分解する流動床ガス化炉と、この流動床ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼して灰分を溶融する溶融炉とを有しているものがある。
熱分解ガス化溶融処理プラントには、以下のような特徴がある。
1.廃棄物の持つエネルギーを利用して灰の溶融を可能にし、焼却残渣の減容化、再資源化が可能となる。
2.低温熱分解により有価金属を回収することが可能となる。
3.低空気比が可能なことから、装置をコンパクトにすることが可能となる。
4.溶融炉での高温燃焼により、ダイオキシン類などの微量有害物質の抑制が可能となる。
そして、排ガス成分の発生抑制、操炉オペレータの負荷低減、機械のメンテナンス性の向上などの観点から、このような熱分解ガス化溶融処理プラントのガス化溶融炉の操業(燃焼温度、蒸気発生量等)を安定化させる必要がある。
そこで、近年、熱分解ガス化溶融処理プラントの安定化を実現するために、未来の挙動を予測しながら熱分解ガス化溶融処理プラントを制御する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、蒸気流量、ボイラ圧力、砂層温度を利用し、ごみ供給量、蒸気弁開度、空気量等による影響度合いをモデル化し、モデル及び実績値を用いて制御量の未来の変化を予測し、予測値と目標量の偏差を元に操作量を計算し、制御量を所望の目標値に追従させることにより、熱分解ガス化溶融処理プラントを安定させて制御する技術が開示されている。
また、特許文献2には、燃焼炉の制御量と操作量のシステム特性をモデルとしてオンライン同定し、そのモデルにて予測制御部で制御量を予測し、予測制御部での参照軌道の時定数及び操作量に関する重み定数のいずれかを調整し、制御量を所望の目標値に追従させることにより、熱分解ガス化溶融処理プラントを安定させて制御する技術が開示されている。
特開平11−325433号公報 特許第3217774号公報
しかしながら、前述の特許文献1の技術では、モデルの精度により熱分解ガス化溶融処理プラントの制御精度が左右されるという問題がある。また、ごみ質変化や水分変化などのモデル変化が大きな場合は十分に制御を行うことができず、モデル変化をするためには再度モデル構築が必要であるという問題がある。また、前述の特許文献2の技術では、モデル誤差あるいは外乱による影響が考慮されておらず、フィードフォワードによる予測制御であるため、モデル誤差あるいは外乱が生じた場合は、熱分解ガス化溶融処理プラントの制御性能を低下させてしまうという問題がある。また、参照軌道の時定数を変更したとして、逆効果となる場合があり、熱分解ガス化溶融処理プラントの制御性能を安定化することが難しいという問題がある。
本発明の目的は、ごみカロリーやごみ供給量等の変動により熱分解ガス化溶融処理プラントの燃焼状況の変化が生じた場合でも、安定して操業することができる熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラムを提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明に係る熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法は、給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にその熱を利用して焼却残渣を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法において、前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定める目標軌道設定ステップと、前記制御量の現時点以降における予測値を求める予測値算出ステップと、前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求めるずれ量算出ステップと、前記熱分解ガス化溶融処理プラントの状態に応じて操業上の制約条件を設定する制約条件設定ステップと、前記熱分解ガス化溶融処理プラントの燃焼状況の変化を検出する燃焼状況変化検出ステップと、前記変化に応じて、予め用意された前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量と前記制御量との関係を表すモデルを切り換えるモデル切換ステップと、前記制約条件のもとで与えられる評価関数を考慮した上で、前記ずれ量を補償するように、前記モデルを用いて前記操作量を最適化する操作量最適化ステップと、を有することを特徴とする。
本発明に係る熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置は、給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にその熱を利用して焼却残渣を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置において、前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定める目標軌道設定手段と、前記制御量の現時点以降における予測値を求める予測値算出手段と、前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求めるずれ量算出手段と、前記熱分解ガス化溶融処理プラントの状態に応じて操業上の制約条件を設定する制約条件設定手段と、前記熱分解ガス化溶融処理プラントの燃焼状況の変化を検出する燃焼状況変化検出手段と、前記変化に応じて、予め用意された前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量と前記制御量との関係を表すモデルを切り換えるモデル切換手段と、前記制約条件のもとで与えられる評価関数を考慮した上で、前記ずれ量を補償するように、前記モデルを用いて前記操作量を最適化する操作量最適化手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを上述したような熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置として機能させることが可能なプログラムである。
これによると、ごみカロリーやごみ供給量等の変動により熱分解ガス化溶融処理プラントの燃焼状況の変化が生じる場合でも、操作量を最適化する際のモデルを切り換えることにより、制御量の予測精度低下を抑制し、熱分解ガス化溶融処理プラントの安定化を実現することができる。
尚、本発明に係る熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラムにおいて、前記モデルは、予め用意したルールベースに従って切り換えてよい。
これによると、ルールベースを用いることにより、不定期外乱による影響等でモデルの切り換えが必要である場合と周期外乱による影響等でモデルの切り換えが必要でない場合とを区別することができるとともに、モデルの切り換えが必要な場合に切り換えるモデルを容易に選択することができ、熱分解ガス化溶融処理プラントをより安定して操業することができる。
また、本発明に係る熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラムにおいて、前記ルールベースは、前記モデルの時定数及びゲインと関連付けて設定してよい。
これによると、モデルの時定数及びゲインをパラメータとして、簡易にルールベースを設定することができる。
尚、本発明に係るプログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)ディスク、フレキシブルディスク(FD)、MO(Magneto Optical)ディスクなどのリムーバブル型記録媒体や、ハードディスクなどの固定型記録媒体に記録して配布可能である他、有線又は無線の電気通信手段によってインターネットなどの通信ネットワークを介して配布可能である。ここで、コンピュータは、パーソナルコンピュータのような汎用型に限らず、特定用途を有する装置に組み込まれたものであってもよい。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。
まず、本発明の実施形態による制御方法及び装置、並びにプログラムを適用する熱分解ガス化溶融処理プラントの構成を、図1に基づいて説明する。図1は、熱分解ガス化溶融処理プラントの部分概略図を示すものである。
図1に示すように、熱分解ガス化溶融処理プラント40は、熱分解ガス化炉10と、溶融炉20と、ボイラ30とから構成されている。
熱分解ガス化炉10には、被焼却物である廃棄物(都市ごみ、産業廃棄物など)を投入するホッパ12が設けられており、ホッパ12に投入された廃棄物は、給塵機13によって、後述する流動床11に供給される。なお、この給塵機13によって供給される廃棄物の量(給塵量)は、給塵機13の回転数を調節することにより増減できるようになっている。また、熱分解ガス化炉10には、底部に流動粒子(例えば、砂)からなる流動床11が設けられている。流動床11の下部からは図示されない送風機により流動空気が吹き込まれ、流動床11の流動粒子及び給塵機13により供給された廃棄物が流動撹拌される。なお、この熱分解ガス化炉10は、流動床11の流動粒子の流動層温度(砂層温度)が、アルミニウムの融点(600℃)以下で、鉄やアルミニウムなどの金属を未酸化状態で回収するため、約500〜600℃となるように運転される。廃棄物は、流動床11内で空気比0.2〜0.3程度の還元雰囲気の中で熱分解され、熱分解ガス(可燃性ガス)や未燃固形分(チャー、灰分など)となって、後述する溶融炉20に出て行く。
溶融炉20は、熱分解ガス化炉10で生成された熱分解ガス、未燃固形分を約1300〜1400℃の高温で燃焼させる。また、溶融炉20は、熱分解ガス化炉10に引き続いた部分が旋回流溶融炉21になっており、後述する燃焼用空気が図の矢印に示すように強旋回される。未燃の熱分解ガスは、燃焼用空気によって高温燃焼する。燃焼用空気は、図示されない空気予熱器により予熱されて供給口22から供給される。なお、ごみ顕熱が不足する場合は、燃焼用空気の他に重油も使用する。灰分は溶融し、スラグが生成されるとともに、ダイオキシン類を分解する。溶融スラグは、スラグ下流口23より炉外へと回収されることにより有用な資源として利用される。
ボイラ30は、熱分解ガス化炉10及び溶融炉20に付属して設置されており、ガス化溶融のプロセスで発生した熱を回収する。ボイラ30は、ガス化溶融のプロセスで発生した熱を利用して水を蒸発させるボイラドラム31、及び、ボイラドラム31の圧力(以下、「ボイラドラム圧力」と称する。)やボイラドラム31から排出される蒸気流量(以下、「蒸気流量」と称する。)を調節する蒸気弁32を備えている。このボイラ30で発生した蒸気の持つエネルギーは、図示されない発電機によって電気エネルギーに変換され、余剰電力や設備所要電力として回収される。また、ボイラ30の下流側には、図示されないガス冷却装置、排ガス処理装置(バグフィルタ等)、誘引送風機、煙突が順に設置されている。ここで、誘引送風機(IDF)は、炉内の排ガスを誘引して煙突から放出するための送風機であり、炉内の圧力が高くなると回転数を上げて多量のガスを誘引するなど、炉内圧を一定(負圧)に保つために動作している。
次に、本発明の実施形態に係る熱分解ガス化溶融処理プラント40(制御対象A)の制御装置を、図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態に係る制御装置のブロック線図を示すものである。なお、本実施形態では、制御手法としてモデル予測制御手法を用いる。
尚、以下で説明する本実施の形態に係る制御装置は、コンピュータにおいても同様に、プログラムとしてCPUにより読み出して実行することができる。また、このプログラムは、CD−ROMやFD、MOなどのリムーバブルな記憶媒体に記録しておくことにより、様々なコンピュータの記憶装置にインストールすることが可能である。
制御装置1は、目標軌道生成部(目標軌道設定手段)2と、操作量不変時制御量変動分計算部(予測値算出手段)3と、操作量最適化計算部(操作量最適化手段)4と、制約条件設定部(制約条件設定手段)5と、制御対象特性推定計算部(燃焼状況変化検出手段)6a及び制御対象特性切換計算部(モデル切換手段)6bを有する適応計算部6と、制御量差分計算部(ずれ量算出手段)7及び操作量不変時制御量偏差計算部(ずれ量算出手段)8と、を備えている。
目標軌道生成部(目標軌道設定手段)2は、制御量の目標値r(k+i)と、制御量の実測値y(k)に基づいて、目標軌道yr(k+i)を設定する。
操作量不変時制御量変動分計算部(予測値算出手段)3は、制御量の実測値y(k)、操作入力u(k)、その他制御対象Aの観測量w(k)の履歴から、以後操作量を変更しなかった場合における制御量の変動分(現時点の値からの変動分)Δy0(k+i)を計算する。この操作量不変時における制御量の変動分Δy0(k+i)の計算に際しては、使用するモデルの種類(ARXモデル、ステップ応答モデル、プログラムからなるシミュレータなど)や操作入力の数(単入力か多入力か)によって、操作入力u(k)を必要としなかったり、制御量の実測値y(k)を必要としなかったり、あるいは、その他制御対象Aの観測量w(k)の現時刻以降の挙動を推定するモデルを必要としたり、その他、外乱の影響を推定する機能を含んでも良い。なお、本実施形態では、その他制御対象Aの観測量w(k)として熱分解ガス化炉10の炉内圧力の値を使っている。
一方、制約条件設定部(制約条件設定手段)5において、熱分解ガス化溶融処理プラント40の状況に応じて制約条件を設定する。制約条件としては、例えば、操作入力や制御量の上下限制約、操作入力の変動量の制約、熱分解ガス化炉10や溶融炉20の出口温度など、直接の制御量ではないが、操業上定められている制約などがあり、いずれも直接あるいは間接的に操作入力の制約条件として表すことができる。また、これらの制約条件を目標処理量や廃棄物の質(ごみ質)、流動床温度、溶融状態(溶融炉温度)、ボイラドラム31の圧力などによって変更することにより、熱分解ガス化溶融処理プラント40の状況に合わせた操作が可能となり、より安定した自動操業が実現できる。
また、制御量差分計算部(ずれ量算出手段)7は、目標軌道生成部2で設定した目標軌道yr(k+i)と比較した場合の、制御量の実測値y(k)との差分yr(k+i)- y(k)を計算する。
操作量不変時制御量偏差計算部(ずれ量算出手段)8は、制御量差分計算部7から求めた目標軌道生成部2で設定した目標軌道yr(k+i)と制御量の実測値y(k)との差分yr(k+i)- y(k)と、操作量不変時制御量変動分計算部3で求めた以後操作量を変更しなかった場合における制御量の変動分Δyr(k+i)とから、操作量不変時において制御量が目標軌道とどれだけずれるかの差Δye(k+i)を計算する。
適応計算部6では、まず、制御対象特性推定計算部(燃焼状況変化検出手段)6aにおいて、過去の実測値y(k)と操作入力u(k)から制御対象特性(特に、ごみカロリー、水分)を計算する。そして、制御対象特性切換計算部(モデル切換手段)6bにおいて、制御対象特性推定計算部6aでの計算結果を元に操作量最適化計算部4で用いるモデルの切換の必要性の有無及び切換の際の計算を行う。
そして、操作量最適化計算部(操作量最適化手段)4において、操作量不変時制御量偏差計算部8で計算された操作量不変時において制御量が目標軌道とどれだけずれるかの差Δye(k+i)と、制約条件設定部5で設定された制約条件、調整パラメータと、適応計算部6で必要に応じて切り換えたモデル、に基づいて、Δye(k+i)を補償するための制御入力偏差量Δu(k)が最適化される。このΔu(k)を前制御周期の操作量u(k-1)に加算することによって、制御対象Aに入力する制御入力u(k)が求まる。
次に、本発明の実施形態に係る制御装置1を用いた熱分解ガス化溶融処理プラント40(制御対象A)の制御方法を、図3のフローチャートに基づいて説明する。図3は、本実施形態に係る制御方法のフローチャートを示すものである。なお、本実施形態では、上述の制御装置と同様、制御手法としてモデル予測制御手法を用いる。
まず、制御量の目標値r(k+i)を設定する(ステップS1:目標軌道設定ステップ)。ここで、目標値r(k+i)は、流動床温度、ボイラドラム圧力、蒸気流量のそれぞれの目標値を要素とするベクトルである。
次に、制御量の目標値r(k+i)と制御量の実測値y(k)とに基づいて、目標軌道生成部2が目標軌道yr(k+i)を設定する(ステップS2:目標軌道設定ステップ)。目標軌道yr(k+i)の設定方法としては、例えば、図5に示すものがある。これは、次式(数1)のように設定するものであり、制御量の実測値y(k)から制御量の目標値r(k+i)に一定の割合で近づけていくものである。なお、次式(数1)の行列Cを3×3の零行列にすれば、目標軌道yr(k+i)は制御量の目標値r(k+i)そのものに一致する。
Figure 2006046716
次に、操作量不変時制御量変動分計算部3が、モデルを用いて操作量不変時における制御量の変動分Δy0(k+i)を計算する(ステップS3:予測値算出ステップ)。ここで、モデルは、流動床11に吹き込まれる空気量(以下、「流動化空気量」と称する。)、熱分解ガス化炉10への給塵量としての給塵機速度(以下、「給塵機速度」と称する。)、ボイラ30に備えられた蒸気弁32の開度(以下、「蒸気弁開度」と称する。)を入力とし、流動床温度、ボイラドラム圧力、蒸気流量を出力とし、その他観測量として熱分解ガス化炉の炉内圧力を含んでなる。このモデルは次式(数2)で表される。
Figure 2006046716
ここで、操作量不変時における制御量の変動分Δy0(k+i)を用いて、j≧0のときΔu0(k+j)=0とすれば、上述の式(数2)で表されるモデルを用いて、次式(数3)により、操作量不変時における制御量の変動分Δy0(k+i)が求まる。なお、次式(数3)では、観測量である熱分解ガス化炉の炉内圧力も現時刻以降の値も必要になるが、この炉内圧力の現時刻以降の値は別のモデルを使って推定している。
Figure 2006046716
次に、制御量差分計算部7及び操作量不変時制御量偏差計算部8において、ステップS2で求めた目標軌道yr(k+i)と、ステップS3で求めた操作量不変時における制御量の変動分Δy0(k+i)と、現時点における制御量の実測値y(k)(流動床温度、ボイラドラム圧力、蒸気流量の実測値を要素に持つベクトル)とから、操作量不変時における制御量と目標軌道との偏差Δye(k+i)を次式(数4)により計算する(ステップS4:ずれ量算出ステップ)。
Figure 2006046716
次に、制約条件設定部5において、操作入力Δu(k+i)に対し、制約条件を設定する(ステップS5:制約条件設定ステップ)。例えば、操作入力の上下限制約、変動幅の上下限制約は、次式(数5)で表される。
Figure 2006046716
また、制御量に関する制約条件なども操作量の関数として表されるから、これらの制約条件はすべて、次式(数6)の形に帰着することができる。
Figure 2006046716
そして、操作量最適化計算部4において、未来の一定区間において、ステップS4で求めた偏差Δye(k+i)を補償するための偏差入力Δu(k)を、適応計算部6(制御対象特性推定計算部6a及び制御対象特性切換計算部6b)で必要に応じて切り換えたモデルを用いて求める(ステップS6:燃焼状況変化検出ステップ、モデル切換ステップ、操作量最適化ステップ)。ここで、モデルは、流動化空気量、給塵機速度、蒸気弁開度を入力とし、流動床温度、ボイラドラム圧力、蒸気流量を出力とするモデルであり、次式(数7)で表される。
Figure 2006046716
さて、上述の式(数7)で表されたモデルから、現時点以降の操作入力が制御量に及ぼす影響を表す部分Δy+(k+i)を抽出すると次式(数8)となる。
Figure 2006046716
ここでの目的は、偏差Δye(k+i)を補償するための偏差入力Δu(k)を求めることである。そのためには、Δye(k+i)とΔy+(k+i)が、未来の一定区間において、できるだけ一致するような偏差入力Δu(k)を求めればよい。具体的には、上述の制約条件(数6)のもとで、次式(数9)で与えられる評価関数Jを最小化するΔu(k)を求めればよい。次式(数9)は、二次計画問題として解かれ、現時点での操作量の偏差ベクトルΔu(k)が求まる。
Figure 2006046716
そして、上記ステップS6で求めた操作量の偏差Δu(k)を、前時点の操作量u(k-1)に加算することによって、現時点における操作入力を行う操作量u(k)を求める(ステップS7:操作量最適化ステップ)。即ち、次式(数10)によって、現時点における流動化空気量、給塵機速度、蒸気弁開度を求める。
Figure 2006046716
そして、上記操作量u(k)を制御対象Aに入力して、操作対象を操作する(ステップS8)。即ち、u(k)に基づいて、流動化空気量、給塵機速度、蒸気弁開度を操作する。
ステップS8が終了するとステップS1に戻り、以上のステップS1からステップS8までの処理を制御周期ごと(本実施の形態では3秒)に繰り返す。
ここで、ステップS6での偏差入力Δu(k)の詳細な計算方法を図4のフローチャートに基づいて説明する。図4は、偏差入力Δu(k)の詳細な計算方法のフローチャートを示すものである。
まず、制御対象特性推定計算部6aにおいて、過去の操作量u(k)と実測値y(k)の時系列を元に、次式(数11)で表される現状の制御対象の特性の変更量を計算する(ステップS61:燃焼状況変化検出ステップ)。計算にあたっては種々の手法が適用可能であるが、例えば、最小二乗方法、部分空間法等が挙げられる。
Figure 2006046716
そして、ステップS61で計算したパラメータ推定値を元に、特性切換指標であるカロリー(Cal)を計算する(ステップS62:燃焼状況変化検出ステップ)。計算にあたっては、例えば、過去の実機でのステップ応答実験結果を元にカロリー計算を行う、或いは、モデルでの時定数及びゲインを計算し、オフラインシミュレータを元にカロリー計算を行う等の方法が挙げられる。
次に、制御対象特性切換計算部6bにおいて、ステップS62で得られたカロリー計算値Calと、前回計算した際のカロリー計算値preCalとの差を用いて、次式(数12)に従って、モデル切換有無を計算する(ステップS63:モデル切換ステップ)。尚、初回の計算時には、前回計算した際のカロリー計算値preCalとして、今回の計算値であるカロリー計算値Calを用いることとする。
Figure 2006046716
尚、数12中、αはごみ供給量(突発的過剰供給(突発的に廃棄物が過剰に入ってしまうような給塵外乱を意味する。)、ごみ切れ等)、ごみ発熱量の急激な変化への対応を抑制するパラメータであり、過去の操業データにより設定する。また、βは不感帯の役割をするものであり、計算誤差等の影響を吸収する値を求めることにより設定する。
ステップS63において、数12の式を満たさない場合(ステップS63:False)は、モデルの変更を行わない。即ち、次式(数13)に従い、ステップS3で用いたモデル(数2)を用いて、数7の式に従って偏差入力Δu(k)を計算する(ステップS65:操作量最適化ステップ)。
Figure 2006046716
一方、ステップS63において、数12の式を満たす場合(ステップS63:True)は、モデルの変更を行う(ステップS64:モデル切換ステップ)。モデルの変更の具体的な方法としては、オンラインにて制御周期毎に逐次的に変更する手法も考えられるが、この方法では、例えば、周期的な外乱が印加されている場合にはその影響を低減することが困難である。即ち、周期外乱による影響をモデル特性の変動と誤認識してしまうために、常にモデル特性の変更を続けることとなり、熱分解ガス化溶融処理プラント40を安定化させることが困難になる。従って、本実施の形態では、変更を必要とする場合と、それ以外の場合と、を分離することとし、その判断手法としてルールベースによる手法を用いる。本実施の形態では、ルールベースとして、基準カロリーごみを想定したモデルとの差によりモデルを切り換える方法を用いる。具体的には、基準カロリーごみを想定したモデルを用いて計算した基準モデルの時定数Tg及びゲインGainの値と、ステップS61で求まるパラメータ推定値を用いて計算した現状のモデルの時定数T^g及びゲインG^ainの値と、の差が、図6のいずれの領域に属するかを計算する。計算の結果、前回計算時と異なる領域に属する場合は、予め用意されているその領域の代表モデルにモデルの変更を行う。尚、代表モデルは領域毎に予め用意する。一方、前回計算時と同じ領域に属する場合は、モデルに変更を行わない。そして、次式(数14)に従い、属する領域の代表モデルを用いて、数7の式に従って偏差入力Δu(k)を計算する(ステップS65:操作量最適化ステップ)。
Figure 2006046716
次に、上述した本実施形態に係る熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラムを用いた場合の実験結果について、図7及び図8に基づいて、説明する。図7は従来の制御方法、装置並びにプログラムを用いた場合の制御結果を示す図である。図8は本実施形態に係る制御方法、装置並びにプログラムを用いた場合の制御結果を示す図である。
図7に示すように、従来技術の制御方法、装置並びにプログラムを用いた場合は、制御開始直後は蒸気流量を目標値(図7の目標蒸気流量)に追従させているのが、カロリーが上昇した時点(T)以降は蒸気流量も安定せず、それに従ってごみ供給量も振動的になっているのが確認される。このように、従来技術の制御方法を用いた場合は、カロリーが変動した場合に予測制御でのモデルが一致しないために、蒸気流量を目標値(図7の目標蒸気流量)へ追従させることができず、熱分解ガス化溶融処理プラントを安定して操業できないことがわかる。
一方、図8に示すように、本実施形態に係る制御方法、装置並びにプログラムを用いた場合は、カロリーが上昇した時点(T)直後は蒸気流量が一時的に大きく変動しているが、次第に蒸気流量が安定するのが確認される。このように、本実施形態に係る制御方法を用いた場合は、は、カロリーが変動した場合に予測制御でのモデルを切り換えることにより、ごみ供給量を適切に操作でき、蒸気流量を目標値(図8の目標蒸気流量)へ追従させることができ、熱分解ガス化溶融処理プラントを安定して操業できることがわかる。
以上に説明したように、本実施形態に係る熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法及び装置、並びにプログラムによると、ごみカロリーやごみ供給量等の変動により熱分解ガス化溶融処理プラントの燃焼状況の変化が生じる場合でも、適応計算部6において操作量を最適化する際のモデルを変更することにより、制御量の予測精度低下を抑制し、熱分解ガス化溶融処理プラント40の安定化を実現することができる。
また、適応計算部6においてルールベースを用いることにより、不定期外乱による影響等でモデルの変更が必要である場合と周期外乱による影響等でモデルの必要でない場合とを区別することができるとともに、モデルの変更が必要な場合に変更するモデルを容易に選択することができ、熱分解ガス化溶融処理プラント40をより安定して操業することができる。
更に、適応計算部6においてモデルの時定数及びゲインをパラメータとしているため、簡易にルールベースを設定することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその趣旨を超えない範囲において変更が可能である。
本実施の形態では、操作量として流動化空気量と給塵機速度と蒸気弁開度を操作量として用い、制御量として流動床温度とボイラドラム圧力と蒸気流量を用い、さらに、観測量として熱分解ガス化炉の炉内圧力を用いたが、それに限られない。これは、平均的に見れば、実際の給塵量は、給塵機速度におよそ比例するが、給塵量の短周期的な変動(極端な場合は「ごみ切れ」や「突発的過剰供給」)は、給塵機速度を一定にしていても起こり得るものであり、より正確な制御量の挙動予測のためには、実際の給塵量の変動を反映したモデルを使用する必要がある。そこで、実際の給塵量の変動に対して、熱分解ガス化炉の炉内圧力は、制御量より早くその影響が現れるため、本実施形態では、実際の給塵量と相関があるものとして、熱分解ガス化炉の炉内圧力を制御量の挙動を予測する観測量として用いた。しかし、同様の理由から、熱分解ガス化炉の炉内圧力の他、排ガス流量などでも実際の給塵量を把握することができる。また、給塵機への供給電流や誘引送風機の電流でも、給塵外乱を検出することができ、実際の給塵量を反映した予測をおこなうことができる。
また、熱分解ガス化溶融炉では、従来の焼却炉に比べて安定領域が狭いため、制約条件を炉の状態に応じて設定した方が、より安定な制御システムを構築できる。即ち、上記の流動床温度に応じた制約条件の他にも、ごみ質(カロリー)や流動床温度、溶融炉20の温度の状況に応じた制約条件を更に設定することによって、より安定な制御システムを構築できる。
なお、制御量として溶融炉の温度を用いる場合、溶融炉の温度は、熱電対により計測されることが通常であるが、放射温度計や輝度センサなど電磁波を利用するセンサを使用することが望ましい。熱電対による温度計測は、温度変化に対する応答性が悪く、遅れ時間も無視できず、制御性能を悪化させる要因となる。特に溶融炉はいったん温度が低下してスラグの溶融が停止してしまうと再び溶融させるのに手間がかかるだけでなく、最悪の場合、スラグ下流口23が閉塞する危険性があるため、この計測遅れ時間が致命的な結果を招きかねない。従って、電磁波を利用するセンサを使用すれば、ほとんど計測遅れ時間がないため、制御性能を向上することができ、安定溶融を維持することができる。
また、上述の実施形態では、操作量不変時の制御量変動分を予測計算しているが、操作量を変えたときの制御量変動分を予測計算してもよい。
更に、上述の実施形態では、熱分解ガス化溶融処理プラント40の熱分解ガス化炉10として、流動床型の熱分解ガス化炉が適用されているがそれに限られない。キルン型など他のタイプの熱分解ガス化炉であってもよい。
例えば、キルン型の熱分解ガス化炉(キルン炉)の場合は、操作量として、キルン炉への給塵量、キルン炉へ吹き込まれる空気量、キルン炉本体の回転数、そして補助バーナーがついている場合にはその供給燃料量などが考えられる。また、制御量として、キルン炉の温度、溶融炉の温度、ボイラが設けられている場合にはボイラから排出される蒸気流量やボイラに備えられたボイラドラムの圧力が考えられる。更に、モデル予測制御手法において、制御量の現時点以降における
予測値を求めるに当たって、給塵機への供給電流、キルン炉の炉内圧力、溶融炉
から排出される排ガス流量、及び、誘引送風機の電流が考えられる。
また、熱分解ガス化溶融処理プラントの制御プログラムは、記憶部のROMに予め読み出し専用に書き込まれていても良いし、CD等の記録媒体に記録されたものが必要時に読み出されて記憶部に書き込まれても良いし、さらにはインターネット等の電気通信回線を介して伝送されて記憶部に書き込まれても良い。
熱分解ガス化溶融処理プラントの部分概略図である。 本実施の形態に係る制御装置のブロック線図である。 本実施の形態に係る制御方法のフローチャートである。 偏差入力の詳細な計算方法のフローチャートである。 目標軌道の設定方法を表す一例の図である。 ルールベースとして用いる基準モデルとモデルとの時定数及びゲインの差とその領域の関係を示す図である。 従来の制御方法、装置並びにプログラムを行った場合の実験結果である。 本実施の形態による制御方法、装置並びにプログラムを行った場合の実験結果である。
符号の説明
1 制御装置
2 目標軌道生成部(目標軌道設定手段)
3 操作量不変時制御量変動分計算部(予測値算出手段)
4 操作量最適化計算部(操作量最適化手段)
5 制約条件設定部(制約条件設定手段)
6 適応計算部
6a 制御対象特性推定計算部(燃焼状況変化検出手段)
6b 制御対象特性切換計算部(モデル切換手段)
7 制御量差分計算部(ずれ量算出手段)
8 操作量不変時制御量偏差計算部(ずれ量算出手段)
10 熱分解ガス化炉
11 流動床
12 ホッパ
13 給塵機
20 溶融炉
21 旋回流溶融炉
22 供給口
23 スラグ下流口
30 ボイラ
31 ボイラドラム
32 蒸気弁
40 熱分解ガス化溶融処理プラント
S1、S2 目標軌道設定ステップ
S3 予測値算出ステップ
S4 ずれ量算出ステップ
S5 制約条件設定ステップ
S6 燃焼状況変化検出ステップ、モデル切換ステップ、操作量最適化ステップ
S61、S62 燃焼状況変化検出ステップ
S63、S64 モデル切換ステップ
S65 操作量最適化ステップ
S7 操作量最適化ステップ

Claims (9)

  1. 給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にその熱を利用して焼却残渣を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法において、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定める目標軌道設定ステップと、
    前記制御量の現時点以降における予測値を求める予測値算出ステップと、
    前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求めるずれ量算出ステップと、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントの状態に応じて操業上の制約条件を設定する制約条件設定ステップと、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントの燃焼状況の変化を検出する燃焼状況変化検出ステップと、
    前記変化に応じて、予め用意された前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量と前記制御量との関係を表すモデルを切り換えるモデル切換ステップと、
    前記制約条件のもとで与えられる評価関数を考慮した上で、前記ずれ量を補償するように、前記モデルを用いて前記操作量を最適化する操作量最適化ステップと、
    を有することを特徴とする熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  2. 前記モデルは、予め用意したルールベースに従って切り換えることを特徴とする請求項1に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  3. 前記ルールベースは、前記モデルの時定数及びゲインと関連付けて設定することを特徴とする請求項2に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御方法。
  4. 給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にその熱を利用して焼却残渣を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置において、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定める目標軌道設定手段と、
    前記制御量の現時点以降における予測値を求める予測値算出手段と、
    前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求めるずれ量算出手段と、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントの状態に応じて操業上の制約条件を設定する制約条件設定手段と、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントの燃焼状況の変化を検出する燃焼状況変化検出手段と、
    前記変化に応じて、予め用意された前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量と前記制御量との関係を表すモデルを切り換えるモデル切換手段と、
    前記制約条件のもとで与えられる評価関数を考慮した上で、前記ずれ量を補償するように、前記モデルを用いて前記操作量を最適化する操作量最適化手段と、
    を有することを特徴とする熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  5. 前記モデルは、予め用意したルールベースに従って切り換えることを特徴とする請求項4に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  6. 前記ルールベースは、前記モデルの時定数及びゲインと関連付けて設定することを特徴とする請求項5に記載の熱分解ガス化溶融処理プラントの制御装置。
  7. 給塵機により投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス化炉と、前記熱分解ガス化炉から排出される熱分解ガスを燃焼させると共にその熱を利用して焼却残渣を溶融する溶融炉とを有する熱分解ガス化溶融処理プラントを制御するプログラムにおいて、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る制御量の現時点における実測値及び現時点以降の目標値から、前記制御量の目標軌道を定める目標軌道設定手段、
    前記制御量の現時点以降における予測値を求める予測値算出手段、
    前記目標軌道と前記予測値とのずれ量を求めるずれ量算出手段、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントの状態に応じて操業上の制約条件を設定する制約条件設定手段、
    前記熱分解ガス化溶融処理プラントの燃焼状況の変化を検出する燃焼状況変化検出手段、
    前記変化に応じて、予め用意された前記熱分解ガス化溶融処理プラントに係る操作量と前記制御量との関係を表すモデルを切り換えるモデル切換手段、
    前記制約条件のもとで与えられる評価関数を考慮した上で、前記ずれ量を補償するように、前記モデルを用いて前記操作量を最適化する操作量最適化手段、
    としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  8. 前記モデルは、予め用意したルールベースに従って切り換えることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
  9. 前記ルールベースは、前記モデルの時定数及びゲインと関連付けて設定することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
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