JP2022161065A - ごみ質予測装置、焼却炉の燃焼制御装置、ごみ質予測方法、ごみ質予測モデルの学習方法およびごみ質予測モデルプログラム - Google Patents

ごみ質予測装置、焼却炉の燃焼制御装置、ごみ質予測方法、ごみ質予測モデルの学習方法およびごみ質予測モデルプログラム Download PDF

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【課題】廃棄物の燃焼前に、当該廃棄物のごみ質を早く、かつ精度よく予測することができるごみ質予測装置、焼却炉の燃焼制御装置、ごみ質予測方法、ごみ質予測モデルの学習方法およびごみ質予測モデルプログラムを提供すること。【解決手段】ごみ質予測装置は、焼却炉内の廃棄物のごみ質を予測するごみ質予測装置であって、外部で撮影された廃棄物の撮影画像情報を入力可能な入力部と、撮影画像情報の温度変化量を算出する温度変化量算出手段と、廃棄物の温度変化量と廃棄物の質とを対応付けた関係モデルを記憶した記憶部と、制御手段と、を有し、制御手段が、入力部から入力される、焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物を撮影した撮影画像情報から、温度変化量算出手段により供給前廃棄物の温度変化量を算出し、記憶部に記憶される関係モデルに基づき供給前廃棄物のごみ質を予測する。【選択図】図4

Description

本発明は、ごみ質予測装置、焼却炉の燃焼制御装置、ごみ質予測方法、ごみ質予測モデルの学習方法およびごみ質予測モデルプログラムに関する。
焼却炉等の廃棄物処理プラントでは、投入されるごみ(以下、「廃棄物」という)のごみ質(例えばごみカロリー)を予め把握しておくことが、炉内で廃棄物を安定燃焼させるために非常に有効である。しかしながら、廃棄物が焼却炉で燃焼される際に発生するごみカロリーは、例えば当該ごみカロリーの変動が緩慢であるという前提のもとで、廃棄物の燃焼後の情報に基づいて計算されることが通常である。そのため、廃棄物の燃焼前にごみ質を予め把握することは一般的に困難であった。
廃棄物の状態を予測する技術として、例えば特許文献1には、焼却炉の乾燥帯の所定領域を熱画像カメラで撮像し、撮影した熱画像情報に基づいて火格子上における廃棄物の移動速度を予測する技術が開示されている。
また、特許文献2には、ごみピット内の廃棄物の画像を解析し、教師画像との比較によりごみ質を予測する技術が開示されている。また、特許文献3には、ごみピット内の廃棄物を観察することによりごみ質を予測し、予測したごみ質を焼却炉の燃焼制御に用いる技術が開示されている。
特開2019-86255号公報 特許第6603822号公報 特開2001-33019号公報 特開平6-174219号公報
特許文献1で開示された技術では、熱画像情報を用いることにより、火格子上における廃棄物の移動速度を把握することができるが、廃棄物の燃焼前にごみ質を把握することはできなかった。また、特許文献2,3で開示された技術では、ごみピット内の廃棄物のごみ質を予測しているが、ごみピットから燃焼炉に廃棄物が搬送されて炉内で燃焼するまでにはタイムラグがあるため、ごみ質を精度よく予測して焼却炉の燃焼制御を行うことは困難であった。
また、特許文献4では、ごみが燃焼帯に搬送される前にごみの厚み方向断面の温度分布に基づいてごみの含水量を推定する技術が開示されている。しかし、特許文献4では、厚み方向断面の温度分布を把握する必要があり、ごみの比較的広い領域の温度情報が必要となる。そのため、温度分布把握に時間が掛かり、ごみが落下する前の炉内滞留時間に前記温度分布が左右されるため、ごみ質把握の点でもあまり精度が高くない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、廃棄物の燃焼前に、当該廃棄物のごみ質を早く、かつ精度よく予測することができるごみ質予測装置、焼却炉の燃焼制御装置、ごみ質予測方法、ごみ質予測モデルの学習方法およびごみ質予測モデルプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るごみ質予測装置は、焼却炉内の廃棄物のごみ質を予測するごみ質予測装置であって、外部で撮影された前記廃棄物の撮影画像情報を入力可能な入力部と、前記撮影画像情報の温度変化量を算出する温度変化量算出手段と、前記廃棄物の温度変化量と前記廃棄物の質とを対応付けた関係モデルを記憶した記憶部と、制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記入力部から入力される、前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物を撮影した前記撮影画像情報から、前記温度変化量算出手段により前記供給前廃棄物の温度変化量を算出し、前記記憶部に記憶される前記関係モデルに基づき前記供給前廃棄物のごみ質を予測することを特徴とする。
なお、本発明でいう「廃棄物の質(廃棄物のごみ質)」とは、ごみカロリー(発熱量)、水蒸気量、ごみに含まれる水分、灰分、可燃分、単位体積重量、ごみの種類別組成、元素組成のうち、少なくとも一つを含むものである。
また、本発明に係るごみ質予測装置は、上記発明において、前記制御手段で予測された前記供給前廃棄物のごみ質の予測値を出力する出力部を有することを特徴とする。
また、本発明に係るごみ質予測装置は、上記発明において、前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度変化量と、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質との関係から学習して得られた学習済ごみ質予測モデルであることを特徴とする。
また、本発明に係るごみ質予測装置は、上記発明において、前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度変化量を入力値とし、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質を出力値とするルックアップテーブルまたは所定の関数であることを特徴とする。
また、本発明に係るごみ質予測装置は、上記発明において、前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度上昇している部分のみの温度変化量と、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質との関係から学習して得られた学習済ごみ質予測モデルであることを特徴とする。
また、本発明に係るごみ質予測装置は、上記発明において、前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度上昇している部分のみの温度変化量を入力値とし、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質を出力値とするルックアップテーブルまたは所定の関数であることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る焼却炉の燃焼制御装置は、廃棄物を燃焼させる焼却炉を制御する燃焼制御部を備える燃焼制御装置であって、前記燃焼制御部は、上記のごみ質予測装置から出力されたごみ質の予測値に基づいて、前記焼却炉における燃焼を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る焼却炉の燃焼制御装置は、上記発明において、前記焼却炉は、前記廃棄物を移動させる火格子と、前記火格子上に前記廃棄物を供給する廃棄物供給装置と、前記焼却炉内に空気を送風する送風機と、を備え、前記燃焼制御部は、前記ごみ質の予測値に基づいて、前記火格子上における前記廃棄物の移動速度、前記廃棄物供給装置による前記廃棄物の供給速度、前記送風機による空気の送風量、前記送風機による空気の温度のうち、少なくとも一つを制御することを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るごみ質予測方法は、焼却炉内の廃棄物のごみ質を予測するごみ質予測方法であって、廃棄物を焼却する焼却炉内において、火格子に供給される前の供給前廃棄物の撮影画像情報を取得する画像取得工程と、前記画像取得工程で取得された供給前廃棄物の撮影画像情報から前記供給前廃棄物の温度変化量を算出する温度変化量算出工程と、前記温度変化量算出工程で算出された前記供給前廃棄物の温度変化量から、前記供給前廃棄物のごみ質を予測するごみ質予測工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係るごみ質予測方法は、上記発明において、前記ごみ質予測工程は、前記供給前廃棄物の温度変化量と前記供給前廃棄物のごみ質とを予め対応付けた関係モデルを用いて予測することを特徴とする。
また、本発明に係るごみ質予測方法は、上記発明において、前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度変化量と、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質との関係から学習して得られた学習済ごみ質予測モデルであることを特徴とする。
また、本発明に係るごみ質予測方法は、上記発明において、前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度変化量を入力値とし、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質を出力値とするルックアップテーブルまたは所定の関数であることを特徴とする。
また、本発明に係るごみ質予測方法は、上記発明において、前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度上昇している部分のみの温度変化量と、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質との関係から学習して得られた学習済ごみ質予測モデルであることを特徴とする。
また、本発明に係るごみ質予測方法は、上記発明において、前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度上昇している部分のみの温度変化量を入力値とし、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質を出力値とするルックアップテーブルまたは所定の関数であることを特徴とする。
また、本発明に係るごみ質予測方法は、上記発明において、前記ごみ質予測工程で予測されたごみ質に基づいて、前記焼却炉の燃焼を制御する燃焼制御工程を更に有することを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るごみ質予測モデルの学習方法は、焼却炉内の廃棄物のごみ質を予測するごみ質予測モデルの学習方法であって、廃棄物を焼却する焼却炉内において、火格子に供給される前の供給前廃棄物の撮影画像情報に基づいて算出された前記供給前廃棄物の温度変化量を入力値とし、前記供給前廃棄物のごみ質を出力値として、過去の前記供給前廃棄物の温度変化量とそれに対する前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質との関係を、前記ごみ質予測モデルに学習させることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るごみ質予測モデルプログラムは、記録媒体に記録可能な、焼却炉内の廃棄物のごみ質を予測するごみ質予測モデルプログラムであって、火格子に供給される前の供給前廃棄物の温度変化量が入力された際に、前記供給前廃棄物のごみ質を出力するように学習されたことを特徴とする。
本発明に係るごみ質予測装置、焼却炉の燃焼制御装置、ごみ質予測方法、ごみ質予測モデルの学習方法およびごみ質予測モデルプログラムによれば、廃棄物の燃焼前に、当該廃棄物のごみ質を精度よく予測することができ、予測したごみ質に基づいて、焼却炉等の廃棄物処理プラントを効率よく制御することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態に係るごみ質予測装置を適用した焼却炉の全体構成を模式的に示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係る焼却炉において、廃棄物、廃棄物の火格子上への供給部分および撮像部を示す側面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る焼却炉において、撮像部の視野を示す正面図である。 図4は、本発明の実施形態に係る焼却炉の燃焼制御装置およびごみ質予測装置の構成を示すブロック図である。 図5は、本発明の実施形態に係る焼却炉において、撮像部によって撮像された撮影画像情報の一例を示す図である。 図6は、温度変化量(特に温度上昇部分の温度変化量)とごみカロリーとの相関関係を示すグラフである。 図7は、温度変化量とごみカロリーとの相関関係を示すグラフである。 図8は、本発明の実施形態に係るごみ質予測モデルの学習方法の処理手順を示すフローチャートである。 図9は、本発明の実施形態に係るごみ質予測方法の処理手順を示すフローチャートである。
本発明の実施形態に係るごみ質予測装置、焼却炉の燃焼制御装置、ごみ質予測方法、ごみ質予測モデルの学習方法およびごみ質予測モデルプログラムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態で参照する図面では、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は、以下の実施形態によって限定されるものではない。
ここで、例えば火格子(ストーカ)式の焼却炉等を効率よく制御するためには、廃棄物が焼却炉で燃焼される際に発生するごみ質を、当該廃棄物の燃焼前に予め把握することが重要である。そこで、本発明者は、燃焼前、すなわち火格子に供給される前の廃棄物の温度変化量に基づいて、当該廃棄物の燃焼時のごみ質を予測する方法を案出した。具体的には、火格子に供給される前の廃棄物の温度変化量から当該廃棄物のごみ質を予測するごみ質予測モデルを予め生成し、当該ごみ質予測モデルを用いて、廃棄物のごみ質を予測(推定)する。以下で説明する実施形態は、以上の本発明者の鋭意検討に基づいて案出されたものである。
(焼却炉)
本発明の実施形態に係るごみ質予測装置が適用される焼却炉について、図1を参照しながら説明する。焼却炉は、例えば火格子式の焼却炉であり、廃棄物を用いて発電を行うプラント等に設けられる。焼却炉は、廃棄物の燃焼が行われる炉1と、廃棄物を投入する廃棄物投入口2と、炉1内に空気を送風する送風機(燃焼用空気ブロア6、二次空気ブロア11)と、蒸気を発生させるボイラ9と、を備えている。ボイラ9は、炉1の炉出口7の下流側に設置された熱交換器9aおよび蒸気ドラム9bを備えている。
廃棄物投入口2から投入された廃棄物は、廃棄物供給装置3によって火格子4上に供給(搬送)される。そして、この火格子4が往復運動を行うことにより、廃棄物の撹拌および移動が行われる。火格子4上の廃棄物は、燃焼用空気ブロア6から火格子4の下方の風箱に対して、燃焼用空気が吹き込まれることにより、乾燥されながら燃焼される。このように、火格子4上の廃棄物が乾燥されながら燃焼されることにより、排ガスおよび灰が生成される。また、生成された灰は、灰落下口5を通じて落下し、炉1の外部へと排出される。
火格子4の下から炉1の内部に供給される燃焼用空気の総量は、燃焼用空気ブロア6の直近に設けた燃焼用空気ダンパ14によって調整される。それぞれの風箱に供給される燃焼用空気の流量は、それぞれの風箱に燃焼用空気を供給する配管にそれぞれ設けられた、火格子下燃焼用空気ダンパ14a,14b,14c,14dによって調整される。換言すると、火格子下燃焼用空気ダンパ14a~14dによって、それぞれの風箱に供給される燃焼用空気の流量の比率が調整される。なお、図1では、廃棄物の搬送方向に沿って火格子4の下を四つの風箱で分割し、それぞれの風箱を通じて燃焼用空気を供給しているが、火格子下燃焼用空気ダンパ14a~14dおよび風箱の数は必ずしも四つに限定されず、焼却炉の規模または目的等に応じて適宜変更可能である。
炉壁1aに設けられた二次空気吹き込み口10からは、二次空気ブロア11によって二次空気が炉1内に吹き込まれる。二次空気が炉1内に吹き込まれることにより、燃焼ガス中の未燃焼成分が更に燃焼するとともに、炉壁1aの温度の過度な上昇が抑制される。二次空気吹き込み口10から炉1内に供給される二次空気の流量は、二次空気ブロア11の直近に設けられた二次空気ダンパ15によって調整される。
上流側の廃棄物乾燥過程(乾燥段)および主燃焼過程(燃焼段)において発生した可燃性ガスと、下流側の後燃焼過程(後燃焼段)において発生した燃焼排ガスとは、火格子4における廃棄物の搬送方向に沿って、炉1の炉出口7側に設けられたガス混合部において合流する。ガス混合部において合流した可燃性ガスおよび燃焼排ガスは、再度攪拌および混合された後、二次燃焼用空気の供給によって、二次燃焼が行われる。ボイラ9は、二次燃焼が行われる部分(以下、「二次燃焼部」という)に対して、廃棄物の搬送方向に沿った下流側に設置されている。二次燃焼が行われた燃焼ガスは、ボイラ9の熱交換器9aによって熱エネルギーが回収された後に、煙突8から外部へと排気される。
炉1内には、炉1の高さ方向に沿った上側の位置に中間天井16が設けられている。炉1内に流動するガスは、中間天井16によって、上流側における廃棄物乾燥過程および主燃焼過程で発生した可燃性ガスを多く含むガスと、下流側における後燃焼過程で発生した燃焼排ガスとに、分割して排出できる。具体的には、燃焼排ガスが中間天井16よりも下方の煙道(主煙道)を流れる一方、可燃性ガスを多く含むガスが中間天井16よりも上方の煙道(副煙道)を流れる。燃焼排ガスを多く含むガスと、可燃性ガスを多く含むガスとがガス混合部において合流することによって、ガス混合部でのガスの攪拌および混合が更に促進される。これにより、二次燃焼部における燃焼がより安定化し、燃焼過程におけるダイオキシン類の発生が抑制され、廃棄物の未燃分の発生が抑制される。なお、炉1内に中間天井16を設けない構成としてもよい。
炉1内の複数位置に、炉1内のガス温度を計測する温度計が設けられている。具体的には、炉1の高さ方向に沿って、火格子4と二次空気吹き込み口10との中間位置に燃焼室ガス温度計17が設けられている。また、炉1の高さ方向に沿って、炉出口7より下方位置に主煙道ガス温度計18が設けられている。また、炉1の高さ方向に沿って、炉出口7の下部位置に炉出口下部ガス温度計19が設けられている。また、炉1の高さ方向に沿って、炉出口7の中部位置に炉出口中部ガス温度計20が設けられている。また、炉1の高さ方向に沿って、炉出口7の下流側位置に燃焼管理温度を測定する炉出口ガス温度計21が設けられている。燃焼室ガス温度計17、主煙道ガス温度計18、炉出口下部ガス温度計19、炉出口中部ガス温度計20および炉出口ガス温度計21によって計測された温度の計測値は、燃焼プロセス測定値として燃焼制御装置30に送信され、記憶部32(図4参照)に記憶される。
ボイラ9には、出口側に排ガス中の酸素(O)の濃度を計測するボイラ出口酸素濃度計22が設けられている。また、煙突8の入口には、排ガス中の一酸化炭素(CO)および窒素酸化物(NO)の濃度を計測するガス濃度計23が設けられている。また、ボイラ9の出口と煙突8とを接続する配管には、排ガス量を計測するための排ガス流量計24が設けられている。ボイラ出口酸素濃度計22、ガス濃度計23、および排ガス流量計24により計測されたガスの濃度や流量の計測値は、燃焼プロセス測定値として燃焼制御装置30に送信され、記憶部32に記憶される。また、ボイラ9には、当該ボイラ9において発生した蒸気量を計測する蒸気流量計25が設けられている。この蒸気流量計25により計測されたボイラ9の蒸気発生量の計測値は、燃焼プロセス測定値として燃焼制御装置30に送信され、記憶部32に記憶される。
炉1における廃棄物の搬送方向の下流側には、撮像部26が設けられている。撮像部26は、例えば赤外線カメラから構成される火炎透過カメラ、および撮像した画像データを処理する画像処理部を有して構成される。
撮像部26の設置状態について、図2を参照しながら説明する。撮像部26は、同図に示すように、炉1外であって、炉壁1aに設けられた監視窓に近接して配設されている。なお、撮像部26は、例えば水冷構造を付加して、炉1内に配設されてもよい。廃棄物50は、段差壁13の部分で廃棄物供給部12から火格子4上に落下する。火格子4上に落下した廃棄物50は、火格子4の前後移動に伴う往復運動によって攪拌されつつ、撮像部26側である前方に移動される。
撮像部26は、火格子4上の廃棄物50(以下、「火格子上廃棄物52」という)のサーモグラフィ情報を撮影画像情報(熱画像情報)として取得する。ここで、廃棄物50から放射される赤外線の波長と、空間における高温ガスおよび火炎から放射される赤外線の波長とは異なる。そのため、撮像部26においては、測定する赤外線波長を適切に選定することにより、測定視野内に火炎が存在していても、火格子上廃棄物52の層の温度分布に対応する撮影画像情報を得ることができる。また、撮像部26は、炉長方向の測定範囲を設定することにより、燃焼領域より上流側位置(火炎より上流側)での火格子上廃棄物52の層の撮影画像情報を得ることができる。撮影画像情報は、火炎を透過した状態の映像データ、すなわち複数の画像データとして扱うことができる。
換言すると、撮像部26は、廃棄物供給部12から送り出される廃棄物50(以下、「供給前廃棄物51」という)と、廃棄物50が落下する段差を有する段差壁13と、火格子上廃棄物52と、火格子4の上面とを、火炎を透過した状態で撮像可能である。なお、焼却炉では、火格子上廃棄物52の燃焼状態、すなわち火炎自体を撮像する燃焼画像撮像部を更に設けてもよい。撮像部26が撮像した火炎を透過した状態で撮像した撮影画像情報は、即時または所定の時間間隔で、ごみ質予測装置40に送信される。なお、撮像部26が撮像した撮影画像情報を、燃焼制御装置30の記憶部32に記憶させた後に、燃焼制御装置30からごみ質予測装置40に送信してもよい。
撮像部26は、例えば廃棄物供給部12および段差壁13に対して略正対する位置に設置される。なお、撮像部26の設置は、廃棄物供給部12および段差壁13に対して略正対する位置に限定されない。
撮像部26の視野の一例について、図3を参照しながら説明する。同図に示すように、撮像部26は、例えば炉1の上下方向および炉幅方向(左右方向)に拡がる測定視野を有している。撮像部26の視野は、廃棄物供給部12、段差壁13、火格子4および左右の炉壁1aである。また、撮像部26の視野に含まれる炉壁1aは、廃棄物50の左右方向の外側への移動、すなわち拡がりを規制する。なお、撮像部26は、廃棄物供給部12まで搬送された廃棄物50を撮像できるように構成することが好ましい。これにより、段差壁13の位置で落下する廃棄物50を撮像することができる。
燃焼制御装置30およびごみ質予測装置40の構成について、図4を参照しながら説明する。燃焼制御装置30とごみ質予測装置40とは、例えば専用線、インターネット等の公衆通信網(例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)および携帯電話等の電話通信網、公衆回線、VPN(Virtual Private Network))等の一または複数の組み合わせからなるネットワーク(図示せず)を介して、接続されている。
燃焼制御装置30およびごみ質予測装置40は、図4に示すようにそれぞれ別々に構成されてもよく、あるいは一体で構成されてもよい。また、燃焼制御装置30およびごみ質予測装置40は、焼却炉と同じ施設内に設置されてもよく、あるいは焼却炉と別の施設内に設置されてもよい。燃焼制御装置30およびごみ質予測装置40がそれぞれ別の施設内に設置される場合、上述したネットワークを介して各種情報や各種データの通信が行われる。
燃焼制御装置30は、制御部31と、記憶部32と、操作量調整部33と、を備えている。制御部31および操作量調整部33は、焼却炉を制御する燃焼制御部として機能する。制御部31および操作量調整部33は、具体的には、ハードウェアを有するCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のプロセッサと、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の主記憶部(いずれも図示せず)と、を備えている。
記憶部32は、RAM等の揮発性メモリ、ROM等の不揮発性メモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、リムーバブルメディア等の記憶媒体により構成される。なお、リムーバブルメディアとしては、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等のディスク記録媒体が挙げられる。また、外部から装着可能なメモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いて、記憶部32を構成してもよい。
記憶部32には、燃焼制御装置30の動作を実行するためのオペレーティングシステム(Operating System:OS)、各種プログラム、各種テーブル、各種データベース等が記憶可能である。ここで、各種プログラムには、本実施形態による学習モデルや学習済みモデル等のモデルに基づいた処理を実現する、情報処理プログラムも含まれる。これらの各種プログラムは、ハードディスク、フラッシュメモリ、CD-ROM、DVD-ROM、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して広く流通させることも可能である。
燃焼制御装置30は、ごみ質予測装置40から出力された供給前廃棄物51のごみ質(例えば供給前廃棄物51のごみカロリー、ボイラ9から発生する水蒸気量)の予測値に基づいて、それぞれの操作端の操作量として、焼却炉における廃棄物50の燃焼を制御する燃焼制御工程を行う。燃焼制御装置30は、具体的には、ごみ質の予測値に基づいて、火格子4上における廃棄物50の移動速度(「火格子送り速度」ともいう)、廃棄物供給装置3による廃棄物50の供給速度(「廃棄物供給装置送り速度」ともいう)、燃焼用空気ブロア6による燃焼用空気の送風量および温度、二次空気ブロア11による二次空気の送風量および温度のうち、少なくとも一つを制御する。
なお、燃焼制御装置30は、ごみ質予測装置40から取得したごみ質の予測値に加えて、予め定められた操作量基準値設定関係式(以下、「操作量関係式」という)を考慮して、上記の操作量を制御してもよい。この操作量関係式は、例えば廃棄物焼却量設定値と操作量基準値(操作量の目標値)との関係式であって、補正係数としての制御パラメータを含む。制御パラメータは、制御部31によって、廃棄物焼却量設定値に適合するように調整される。調整された制御パラメータは、廃棄物焼却量設定値が変更された際に、変更された設定値に対応して、制御部31により変更される。制御パラメータが変更されることにより、予め設定された操作量基準値が補正される。
制御部31は、ごみ質予測装置40から取得したごみ質の予測値と、必要に応じて考慮される操作量関係式における制御パラメータの調整とに基づいて、操作量基準値を調整する。制御部31は、調整した操作量基準値を、例えばPID制御やファジィ演算等の所定の制御アルゴリズムに基づいて補正する。記憶部32は、制御部31によって参照されるデータを記憶する。記憶部32には、例えば予め定められた操作量関係式、制御アルゴリズム、予め設定された焼却量設定値、炉1内の燃焼状態量として取得された燃焼プロセス測定値等が記憶されている。
操作量調整部33は、操作量基準値に追従するように各操作端のそれぞれの操作量を調整する。操作量調整部33は、具体的には、燃焼用空気調整部331と、空気量比率調整部332と、二次空気調整部333と、廃棄物供給装置送り速度調整部334と、火格子送り速度調整部335を備えている。
燃焼用空気調整部331は、燃焼用空気の送風量および温度が、制御部31により補正された操作量基準値(以下、「補正操作量基準値」という)に追従するように操作量を調整する。また、空気量比率調整部332は、火格子下燃焼用空気ダンパ14a~14dのそれぞれを制御して、それぞれの風箱における流量の相互の比率を調整する。また、二次空気調整部333は、二次空気の風量および温度が、補正操作量基準値に追従するように操作量を調整する。ここで、燃焼用空気および二次空気の送風量は、燃焼用空気ダンパ14、火格子下燃焼用空気ダンパ14a~14dおよび二次空気ダンパ15のそれぞれの開度を制御することにより、調整される。
廃棄物供給装置送り速度調整部334は、廃棄物供給装置送り速度が補正操作量基準値に追従するように操作量を調整する。また、火格子送り速度調整部335は、火格子送り速度が補正操作量基準値に追従するように操作量を調整する。操作量調整部33は、制御部31によって操作量基準値が補正されなかった場合には、補正されていない操作量基準値に基づいて、それぞれの操作量を調整する。
ごみ質予測装置40は、制御部(制御手段)41と、出力部42と、入力部43と、記憶部44と、を備えている。制御部41は、機能的および物理的には、上述した制御部31と同様の構成を有し、ハードウェアを有するCPU、DSP、FPGA等のプロセッサと、RAMやROM等の主記憶部(いずれも図示せず)と、を備えている。制御部41は、具体的には、温度変化量算出部411と、学習部412と、ごみ質予測部413として機能する。
温度変化量算出部411は、炉1内における火格子4上へ供給される前でまだ燃焼していない供給前廃棄物51の撮影画像情報に基づいて、当該供給前廃棄物51の温度変化量を算出する。温度変化量算出部411は、具体的には、撮像部26によって撮像された撮影画像情報を解析することにより、火格子4に供給される前の廃棄物50、すなわち廃棄物供給部12付近(以下、「給じん口領域」ともいう)に位置する供給前廃棄物51の温度上昇量を算出する。なお、ここで温度変化量とは、特定領域(例えば給じん口領域)を撮影した撮影画像中の異なる時刻での温度差を指し、特定領域全体の平均温度から算出しても特定領域を複数部分に分割した上でそれぞれの温度差を積算する等して算出してもよい。
ここで、図5は、撮像部26によって撮像された炉1内の撮影画像情報の一例を示している。ここで領域Aが、前述した廃棄物供給部12付近(「給じん口領域」)を示している。
図6では、特に温度上昇部分の温度変化量とカロリーとの相関関係を、図7では、温度上昇部分に限らない温度変化量とカロリーとの相関関係を示している。これらを見れば明らかな通り、図6に示した温度上昇部分の温度変化量とカロリーとが高い相関関係を有している(実線と破線とがほぼ近似している)のに対し、図7に示した温度変化量とカロリーとの相関関係は、図6と比較して近似している度合いが低い。
この理由は、ごみカロリーが高い供給前廃棄物51の場合、当該供給前廃棄物51に含まれる水分が少ないため比熱が小さく温度上昇速度が大きく、反対にごみカロリーが低い供給前廃棄物51の場合、当該供給前廃棄物51に含まれる水分が多いため、比熱が大きく温度上昇速度が小さいためと考えられる。
なお、図7における、領域Aの単位時間当たりのごみの温度変化量については、ごみの温度下降分を除いた温度上昇分だけを積算している。ごみの温度下降分を除くことで相関が高まったのは、ごみが落下して新たなごみ層の断面ができる場合に温度が下降することが観察されるが、これはごみカロリーとは関係が少ないため、これを除外することで相関が高まったと考えられる。このように、炉内の燃焼前のごみの温度は、炉内の高温あるいは放射熱により上昇するが、その上昇速度とごみ質には密接な関係がある。単にごみの温度分布を測定することでは把握することができないごみカロリーの推定が、ごみの温度変化量を測定することで可能となる。このような新たな知見に基づいて、温度変化量算出部411では、供給前廃棄物51のごみカロリーと相関の高い、廃棄物供給部12付近の供給前廃棄物51の温度上昇量を算出する。
なお、温度変化量算出部411は、学習部412におけるごみ質予測モデル44aの学習時(図8のステップS2参照)と、ごみ質予測部413におけるごみ質の予測時(図9のステップS12参照)とのそれぞれにおいて、供給前廃棄物51の温度変化量を算出する。
学習部412は、温度変化量算出部411によって算出された供給前廃棄物51の温度変化量を入力値とし、当該供給前廃棄物51のごみ質を出力値として、過去の供給前廃棄物51の温度変化量とそれに対する過去の供給前廃棄物51のごみ質との関係を、ごみ質予測モデル44aに学習させる。
学習部412は、具体的には、炉1内の撮影画像情報から温度変化量算出部411によって算出された、廃棄物供給部12付近の供給前廃棄物51の温度上昇量(温度上昇している部分のみの温度変化量)を入力値とし、当該供給前廃棄物51のごみ質を出力値として、過去の供給前廃棄物51の温度上昇量とそれに対する過去の供給前廃棄物51のごみ質との関係を、ごみ質予測モデル44aに学習させる。そして、学習部412は、供給前廃棄物51の温度変化量と当該供給前廃棄物51のごみ質とを対応付けた関係モデルであるごみ質予測モデル(学習済みごみ質予測モデル)44aを、記憶部44に格納する。
ごみ質予測モデル44aの学習方法は特に限定されないが、例えばRNN(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short Term Memory)、逐次線形予測等の、時系列データの学習に適した機械学習手法を用いることができる。
また、ごみ質予測モデル44aは、特に学習済モデルには限定されない。すなわち、これからごみ質を予測し制御する焼却炉における過去の供給前廃棄物51の温度上昇量(温度上昇している部分のみの温度変化量)を入力値とし、当該供給前廃棄物51のごみ質を出力値として、それらの対応付けを示すLUT(ルックアップテーブル)または所定の関数であってもよい。そして予測する際には、入力される供給前廃棄物51の温度変化量値をこれらのLUTや所定の関数を用いて適宜近似や補間等を行ってごみ質の予測値を算出するものであってもよい。なお、ごみ質の予測値は連続値でなくても所定ステップで離散化した離散値であってもよい。
ここで、ごみ質予測モデル44aが学習する「供給前廃棄物51のごみ質」には、供給前廃棄物51の燃焼時に発生するごみカロリー(発熱量)、供給前廃棄物51の燃焼時にボイラ9から発生する水蒸気量、供給前廃棄物51に含まれる水分、灰分、可燃分、単位体積重量、供給前廃棄物51の種類別組成、元素組成のうち、少なくとも一つが含まれる。
ごみ質予測部413は、ごみ質予測モデル44aに対して、炉1内の撮影画像情報から温度変化量算出部411によって算出された、供給前廃棄物51の温度変化量を入力することにより、当該供給前廃棄物51のごみ質を予測する。ごみ質予測部413は、具体的には、ごみ質予測モデル44aに対して、廃棄物供給部12付近の供給前廃棄物51の温度下降量を除去して温度上昇量のみを入力値として入力することにより、当該供給前廃棄物51のごみ質(ごみカロリー、水蒸気量等)の予測値を出力値として得る。なお、温度変化量として、供給前廃棄物51の温度上昇量のみを入力値に用いるのは、上述した通り、よりごみ質と相関の高い廃棄物データを用いて精度の高いごみ質予測を行うためである。
出力部42は、所定の情報を外部に出力する。出力部42は、制御部41による制御に従って、ディスプレイモニタに炉1内の廃棄物50の画像、ごみ質の予測結果等を表示したり、タッチパネルディスプレイの画面上に文字や図形等を表示したり、スピーカから音声を出力したりする。出力部42は、具体的には、ごみ質予測部413で予測された供給前廃棄物51のごみ質の予測値を出力する。
入力部43は、キーボード、入力用のボタン、レバー、液晶等のディスプレイに重畳して設けられる手入力のためのタッチパネル、音声認識のためのマイクロホン等の、ユーザインターフェースを用いて構成される。ユーザ等が入力部43を操作することによって、制御部41に所定の情報が入力される。なお、出力部42および入力部43を一体とした入出力部とし、入出力部をタッチパネルディスプレイやスピーカマイクロホン等から構成してもよい。入力部43は、具体的には、外部で撮影された廃棄物50の撮影画像情報を入力可能に構成されている。
記憶部44は、機能的および物理的には、上述した記憶部32と同様の構成を有し、RAM等の揮発性メモリ、ROM等の不揮発性メモリ、EPROM、HDD、およびリムーバブルメディア等の記憶媒体により構成される。
記憶部44には、ごみ質予測装置40の動作を実行するためのOS、各種プログラム、各種テーブル、各種データベース等が記憶可能である。ここで、各種プログラムには、本実施形態による学習モデルまたは学習済みモデルを用いた制御を実現する情報処理プログラムが含まれる。記憶部44は、種々のネットワークを介して通信可能な他のサーバに設けてもよいし、燃焼制御装置30に設けてもよい。記憶部44には、具体的には、ごみ質予測モデル44aが格納されている。
ごみ質予測モデル44aは、学習部412によって学習が施されたモデルであり、炉1内で燃焼される前の供給前廃棄物51の温度変化量から、当該供給前廃棄物51の燃焼時におけるごみ質を予測するモデルである。また、ごみ質予測モデル44aは、供給前廃棄物51の温度変化量が入力された際に、当該供給前廃棄物51のごみ質を出力するように学習されている。
ごみ質予測モデル44aは、例えば人工知能ソフトウエアの一部であるプログラムモジュールとしての利用が想定されており、CPUおよび記憶装置を備えるコンピュータ(ごみ質予測装置40)において用いられる。また、ごみ質予測モデル44aは、CD、DVD、フラッシュメモリ、磁気テープ等の記録媒体に記録し、読み取り可能としてもよい。
(ごみ質予測モデルの学習方法)
本発明の実施形態に係るごみ質予測モデルの学習方法について、図8を参照しながら説明する。ごみ質予測モデルの学習方法では、画像取得工程と、温度変化量算出工程と、学習工程と、を行う。
まず、画像取得工程において、撮像部26は、焼却炉の炉1内の廃棄物50を撮像し、撮影画像情報を取得する(ステップS1)。続いて、温度変化量算出工程において、温度変化量算出部411は、ステップS1で取得した撮影画像情報から、給じん口領域(廃棄物供給部12付近)の供給前廃棄物51の温度変化量(具体的には温度上昇量)を算出する(ステップS2)。続いて、学習工程において、学習部412は、ステップS2で算出した給じん口領域の供給前廃棄物51の温度変化量と、それに対する供給前廃棄物51のごみ質(例えばごみカロリー)との関係を、ごみ質予測モデル44aに学習させ(ステップS3)、本フローを完了する。
(ごみ質予測方法)
本発明の実施形態に係るごみ質予測方法について、図9を参照しながら説明する。ごみ質予測方法では、画像取得工程と、温度変化量算出工程と、ごみ質予測工程と、を行う。
まず、画像取得工程において、撮像部26は、焼却炉の炉1内の廃棄物50を撮像し、撮影画像情報を取得する(ステップS11)。続いて、温度変化量算出工程において、温度変化量算出部411は、ステップS11で取得した撮影画像情報から、給じん口領域(廃棄物供給部12付近)の供給前廃棄物51の温度変化量(具体的には温度上昇量)を算出する(ステップS12)。続いて、ごみ質予測工程において、ごみ質予測部413は、ステップS2で算出した給じん口領域の供給前廃棄物51の温度変化量を、ごみ質予測モデル44aに対して入力することにより、当該供給前廃棄物51のごみ質(例えばごみカロリー)を予測し(ステップS13)、本フローを完了する。
以上説明した実施形態に係るごみ質予測装置、焼却炉の燃焼制御装置、ごみ質予測方法、ごみ質予測モデルの学習方法およびごみ質予測モデルプログラムによれば、廃棄物50の燃焼前に、当該廃棄物50のごみ質を精度よく予測することができ、予測したごみ質に基づいて、焼却炉等の廃棄物処理プラントを効率よく制御することが可能となる。
例えば供給前廃棄物51の温度上昇量が小さい(温度上昇速度が遅い)場合、供給前廃棄物51に含まれる水分が多く、ごみカロリーが低いことが推定される。一方、供給前廃棄物51の温度上昇量が大きい(温度上昇速度が速い)場合、供給前廃棄物51に含まれる水分が少なく、ごみカロリーが高いことが推定される。このように、実施形態に係るごみ質予測装置、ごみ質予測方法およびごみ質予測モデルの学習方法では、供給前廃棄物51の温度上昇量とごみ質との関係を、予めごみ質予測モデル44aに学習させることにより、供給前廃棄物51のごみ質を高精度に予測することができる。
また、実施形態に係る焼却炉の燃焼制御装置および焼却炉の燃焼制御方法では、例えば予測したごみカロリーが高い場合は、火格子4に載せる廃棄物50の量(すなわち廃棄物供給装置送り速度)を少なくする制御を行い、予測したごみカロリーが低い場合は、火格子4に載せる廃棄物50の量を多くする制御を行う。これにより、廃棄物50の燃焼の安定化を図り、ボイラ9から発生する水蒸気量や発電量の安定化を実現することができる。
更なる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本開示のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 炉
1a 炉壁
2 廃棄物投入口
3 廃棄物供給装置
4 火格子
5 灰落下口
6 燃焼用空気ブロア
7 炉出口
8 煙突
9 ボイラ
9a 熱交換器
9b 蒸気ドラム
10 二次空気吹き込み口
11 二次空気ブロア
12 廃棄物供給部
13 段差壁
14 燃焼用空気ダンパ
14a,14b,14c,14d 火格子下燃焼用空気ダンパ
15 二次空気ダンパ
16 中間天井
17 燃焼室ガス温度計
18 主煙道ガス温度計
19 炉出口下部ガス温度計
20 炉出口中部ガス温度計
21 炉出口ガス温度計
22 ボイラ出口酸素濃度計
23 ガス濃度計
24 排ガス流量計
25 蒸気流量計
26 撮像部
30 燃焼制御装置
31 制御部
32 記憶部
33 操作量調整部
331 燃焼用空気調整部
332 空気量比率調整部
333 二次空気調整部
334 廃棄物供給装置送り速度調整部
335 火格子送り速度調整部
40 ごみ質予測装置
41 制御部
411 温度変化量算出部
412 学習部
413 ごみ質予測部
42 出力部
43 入力部
44 記憶部
44a ごみ質予測モデル
50 廃棄物
51 供給前廃棄物
52 火格子上廃棄物

Claims (17)

  1. 焼却炉内の廃棄物のごみ質を予測するごみ質予測装置であって、
    外部で撮影された前記廃棄物の撮影画像情報を入力可能な入力部と、
    前記撮影画像情報の温度変化量を算出する温度変化量算出手段と、
    前記廃棄物の温度変化量と前記廃棄物の質とを対応付けた関係モデルを記憶した記憶部と、
    制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記入力部から入力される、前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物を撮影した前記撮影画像情報から、前記温度変化量算出手段により前記供給前廃棄物の温度変化量を算出し、前記記憶部に記憶される前記関係モデルに基づき前記供給前廃棄物のごみ質を予測することを特徴とするごみ質予測装置。
  2. 前記制御手段で予測された前記供給前廃棄物のごみ質の予測値を出力する出力部を有することを特徴とする請求項1に記載のごみ質予測装置。
  3. 前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度変化量と、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質との関係から学習して得られた学習済ごみ質予測モデルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のごみ質予測装置。
  4. 前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度変化量を入力値とし、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質を出力値とするルックアップテーブルまたは所定の関数であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のごみ質予測装置。
  5. 前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度上昇している部分のみの温度変化量と、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質との関係から学習して得られた学習済ごみ質予測モデルであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のごみ質予測装置。
  6. 前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度上昇している部分のみの温度変化量を入力値とし、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質を出力値とするルックアップテーブルまたは所定の関数であることを特徴とする請求項1、2、4のいずれか一項に記載のごみ質予測装置。
  7. 廃棄物を燃焼させる焼却炉を制御する燃焼制御部を備える燃焼制御装置であって、
    前記燃焼制御部は、
    請求項2に記載のごみ質予測装置から出力されたごみ質の予測値に基づいて、前記焼却炉における燃焼を制御することを特徴とする焼却炉の燃焼制御装置。
  8. 前記焼却炉は、前記廃棄物を移動させる火格子と、前記火格子上に前記廃棄物を供給する廃棄物供給装置と、前記焼却炉内に空気を送風する送風機と、を備え、
    前記燃焼制御部は、前記ごみ質の予測値に基づいて、前記火格子上における前記廃棄物の移動速度、前記廃棄物供給装置による前記廃棄物の供給速度、前記送風機による空気の送風量、前記送風機による空気の温度のうち、少なくとも一つを制御することを特徴とする請求項7に記載の焼却炉の燃焼制御装置。
  9. 焼却炉内の廃棄物のごみ質を予測するごみ質予測方法であって、
    廃棄物を焼却する焼却炉内において、火格子に供給される前の供給前廃棄物の撮影画像情報を取得する画像取得工程と、
    前記画像取得工程で取得された供給前廃棄物の撮影画像情報から前記供給前廃棄物の温度変化量を算出する温度変化量算出工程と、
    前記温度変化量算出工程で算出された前記供給前廃棄物の温度変化量から、前記供給前廃棄物のごみ質を予測するごみ質予測工程と、
    を有することを特徴とするごみ質予測方法。
  10. 前記ごみ質予測工程は、前記供給前廃棄物の温度変化量と前記供給前廃棄物のごみ質とを予め対応付けた関係モデルを用いて予測することを特徴とする請求項9に記載のごみ質予測方法。
  11. 前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度変化量と、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質との関係から学習して得られた学習済ごみ質予測モデルであることを特徴とする請求項10に記載のごみ質予測方法。
  12. 前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度変化量を入力値とし、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質を出力値とするルックアップテーブルまたは所定の関数であることを特徴とする請求項10に記載のごみ質予測方法。
  13. 前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度上昇している部分のみの温度変化量と、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質との関係から学習して得られた学習済ごみ質予測モデルであることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のごみ質予測方法。
  14. 前記関係モデルは、過去の廃棄物の前記焼却炉内の火格子に供給前の供給前廃棄物の温度上昇している部分のみの温度変化量を入力値とし、前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質を出力値とするルックアップテーブルまたは所定の関数であることを特徴とする請求項10または請求項12に記載のごみ質予測方法。
  15. 前記ごみ質予測工程で予測されたごみ質に基づいて、前記焼却炉の燃焼を制御する燃焼制御工程を更に有することを特徴とする請求項9から請求項14のいずれか一項に記載のごみ質予測方法。
  16. 焼却炉内の廃棄物のごみ質を予測するごみ質予測モデルの学習方法であって、
    廃棄物を焼却する焼却炉内において、火格子に供給される前の供給前廃棄物の撮影画像情報に基づいて算出された前記供給前廃棄物の温度変化量を入力値とし、前記供給前廃棄物のごみ質を出力値として、過去の前記供給前廃棄物の温度変化量とそれに対する前記過去の前記供給前廃棄物のごみ質との関係を、前記ごみ質予測モデルに学習させることを特徴とするごみ質予測モデルの学習方法。
  17. 記録媒体に記録可能な、焼却炉内の廃棄物のごみ質を予測するごみ質予測モデルプログラムであって、
    火格子に供給される前の供給前廃棄物の温度変化量が入力された際に、前記供給前廃棄物のごみ質を出力するように学習されたことを特徴とするごみ質予測モデルプログラム。
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