JP7428080B2 - 情報処理装置、情報処理方法、燃焼制御装置、および燃焼制御方法 - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、燃焼制御装置、および燃焼制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、情報処理装置、情報処理方法、燃焼制御装置、および燃焼制御方法に関する。
従来、低炭素社会および循環型社会を実現するために、廃棄物処理分野においても、様々な要求がなされている。このような要求に対して、具体的に、火格子式の焼却炉(以下、火格子焼却炉)内における廃棄物の燃焼状態を把握する手段として、種々の技術が提案されている。特許文献1には、火格子焼却炉の炉内画像から燃焼状態の特徴量を算出し、燃焼制御を行う技術が開示されている。特許文献2には、特定波長を透過する熱画像カメラを用いて、焼却炉内の廃棄物の量を把握する技術が開示されている。
特開2019-074240号公報 特開2019-132485号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術においては、炉内画像として輝炎を伴った炉内画像を用いているので、廃棄物が堆積した層(廃棄物層)が輝炎によって遮られ、廃棄物の燃焼状態を正確に把握することが困難であるという課題があった。特許文献2に開示された技術においては、焼却炉内の燃焼状況を廃棄物の量だけに基づいて把握することが困難であり、火炎の位置や廃棄物の燃焼量に関する情報も合わせて取得する必要が生じるため、焼却炉内の燃焼状態を適切に把握できないという課題があった。そのため、火格子焼却炉において、火格子上に供給された廃棄物の燃焼状態を正確に把握することによって廃棄物の燃焼を適切に制御でき、燃焼を安定化できる技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、廃棄物焼却炉において廃棄物の燃焼状態を正確に把握することができる情報処理装置、情報処理方法、燃焼制御装置、および燃焼制御方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、ハードウェアを有する制御部を備え、前記制御部は、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉内の前記廃棄物を含む領域が測定されて得られた熱画像情報を取得して記憶部に記憶させ、前記記憶部から読み出した前記熱画像情報に基づいて、前記廃棄物の燃焼温度が所定温度以上の燃焼領域を抽出し、抽出した前記燃焼領域に基づいて、前記燃焼領域における前記廃棄物の燃焼量と前記燃焼領域における前記廃棄物が燃え切る燃焼点の位置との少なくとも一方を導出する。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、上記の発明において、前記燃焼量が前記燃焼領域の面積、前記燃焼領域における最高温度、または前記燃焼領域における温度積算値に基づく値である。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記記憶部から読み出した前記熱画像情報から生成された画像データに対して、前記廃棄物焼却炉内における前記燃焼領域と、前記燃焼領域以外の領域との境界を識別して、前記境界の少なくとも一部を規定する境界線を生成して、前記境界線を含む処理画像データを生成する。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記記憶部から前記画像データを入力パラメータとして取得し、前記記憶部から読み出した前記画像データを燃焼状態学習モデルに入力し、前記画像データに対して前記境界線が生成された前記処理画像データを出力パラメータとして出力し、前記燃焼状態学習モデルは、前記画像データを学習用入力パラメータとし、前記画像データに対して前記境界線が描画された処理画像データを学習用出力パラメータとして、機械学習によって生成された学習モデルである。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、上記の発明において、前記廃棄物焼却炉は、前記廃棄物を移動させる火格子を備え、前記境界線は、前記画像データにおいて前記廃棄物と前記火格子との境界に生成される。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、上記の発明において、前記制御部は、抽出した前記燃焼領域に基づいて、前記燃焼量および前記燃焼点の位置を導出する。
本発明の一態様に係る燃焼制御装置は、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉内の前記廃棄物を含む領域が測定されて得られた熱画像情報から燃焼量および燃焼点の位置の少なくとも一方を導出する請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置によって得られた前記燃焼点および前記燃焼量の少なくとも一方を取得し、取得した前記燃焼点および前記燃焼量の少なくとも一方を記憶部に格納し、前記廃棄物の燃焼量と前記燃焼点の位置との少なくとも一方に基づいて、前記廃棄物焼却炉を制御する燃焼制御部を備える。
本発明の一態様に係る燃焼制御装置は、上記の発明において、前記廃棄物焼却炉は、前記廃棄物を移動させる火格子と前記廃棄物を前記火格子上に供給する廃棄物供給手段とを備え、前記燃焼制御部は、前記廃棄物の燃焼量と前記燃焼点の位置との少なくとも一方に基づいて、前記廃棄物供給手段による前記廃棄物を供給する供給速度と、前記火格子の火格子速度との少なくとも一方を制御する。
本発明の一態様に係る燃焼制御装置は、上記の発明において、前記燃焼制御部は、前記廃棄物の燃焼量と前記燃焼点の位置との少なくとも一方に基づいて、空気の送風量と空気の温度との少なくとも一方を制御する。
本発明の一態様に係る燃焼制御装置は、上記の発明において、前記燃焼制御部は、前記廃棄物焼却炉内における前記廃棄物の層の高さに対応した前記燃焼点の位置の所定範囲を基準燃焼点領域として前記記憶部から読み出し、前記情報処理装置から前記廃棄物の層の高さの情報と前記燃焼点の位置の情報とを取得し、取得した前記廃棄物の層の高さおよび前記燃焼点の位置と、前記基準燃焼点領域との乖離に基づいて、前記廃棄物焼却炉を制御する。
本発明の一態様に係る燃焼制御装置は、上記の発明において、前記燃焼制御部は、前記廃棄物焼却炉内における前記廃棄物の層の高さに対応した前記燃焼量の所定範囲を基準燃焼量領域として前記記憶部から読み出し、前記情報処理装置から前記廃棄物の層の高さの情報と前記燃焼量の情報とを取得し、取得した前記廃棄物の層の高さおよび前記燃焼量と、前記基準燃焼量領域との乖離に基づいて、前記廃棄物焼却炉を制御する。
本発明の一態様に係る情報処理方法は、ハードウェアを有する制御部を備えた情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記制御部は、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉内の前記廃棄物を含む領域が測定されて得られた熱画像情報を取得して記憶部に記憶させ、前記記憶部から読み出した前記熱画像情報に基づいて、前記廃棄物の燃焼温度が所定温度以上の燃焼領域を抽出し、抽出した前記燃焼領域に基づいて、前記燃焼領域における前記廃棄物の燃焼量と前記燃焼領域における前記廃棄物が燃え切る燃焼点の位置との少なくとも一方を導出する。
本発明の一態様に係る燃焼制御方法は、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉を制御する燃焼制御部を備えた燃焼制御装置が実行する燃焼制御方法であって、前記燃焼制御部は、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉内の前記廃棄物を含む領域が測定されて得られた熱画像情報から燃焼量および燃焼点の位置の少なくとも一方を導出する請求項12に記載の情報処理方法によって前記燃焼点および前記燃焼量の少なくとも一方を取得し、取得した前記燃焼点および前記燃焼量の少なくとも一方を記憶部に格納し、前記廃棄物の燃焼量と前記燃焼点の位置との少なくとも一方に基づいて、前記廃棄物焼却炉を制御する。
本発明に係る情報処理装置、情報処理方法、燃焼制御装置、および燃焼制御方法によれば、廃棄物焼却炉において廃棄物の燃焼状態を正確に把握することができ、把握した廃棄物の燃焼状態に基づいて廃棄物焼却炉を制御することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態による情報処理装置を適用した廃棄物焼却施設を模式的に示す全体構成図である。 図2は、本発明の一実施形態による焼却炉における廃棄物、廃棄物の火格子上への供給部分、および撮像部を示す側面図である。 図3は、本発明の一実施形態による焼却炉における撮像部の視野を示す正面図である。 図4は、本発明の一実施形態による燃焼制御装置および燃焼判定装置の構成を示すブロック図である。 図5は、本発明の一実施形態による撮像部によって撮像された燃焼中の廃棄物の透過画像データの例を示す図である。 図6は、本発明の一実施形態による撮像部により撮像した透過画像データに対して境界線を生成した境界画像データの例を示す図である。 図7は、本発明の一実施形態による境界画像データに対して燃焼部を抽出した境界線を生成した抽出画像データの例を示す図である。 図8は、本発明の一実施形態による情報処理方法を説明するためのフローチャートである。 図9は、本発明の一実施形態による情報処理方法および燃焼制御方法を説明するための焼却炉の火格子および廃棄物の側面を模式的に示す図である。 図10は、本発明の一実施形態による燃焼制御方法を説明するための燃焼点と廃棄物層高さとの間における基準燃焼点領域を示すグラフである。 図11は、本発明の一実施形態による燃焼制御方法を説明するための燃焼量と廃棄物層高さとの間における基準燃焼量領域を示すグラフである。 図12は、本発明の一実施形態による境界画像データに対して燃焼部を抽出した境界線を生成した抽出画像データの変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の一実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する一実施形態によって限定されるものではない。
まず、本発明者の知見によれば、火格子(ストーカ)式の焼却炉(以下、火格子焼却炉)を適切に制御する上で、炉内の火炎の位置、すなわち焼却炉内を撮像した画像において輝炎の前方の位置を検出することが有益である。火炎の位置を検出する方法を採用することにより、輝炎の前方の燃焼点が焼却灰の落ち口側に遷移すると、未燃ごみが発生する可能性が高くなり、反対に燃焼点が廃棄物の供給口側に遷移すると、廃棄物の供給が不足している可能性が高くなることが分かる。そこで、本発明者は、廃棄物の燃焼点を検出すれば、廃棄物の燃焼状態を把握できることを想到した。
一方、炉内を撮像した画像における輝炎は、燃焼空気の送風などの影響を受けて常に変動していることから、燃焼点の位置を正確に把握することが困難であった。そこで、本発明者は鋭意検討を行い、特定波長を透過する熱画像カメラなどの火炎を透過した状態で撮像した撮像データ(以下、透過画像データ)を用いることによって、燃焼点を正確に把握する方法を案出した。さらに本発明者は、燃焼点のみならず、透過画像データに基づいて、廃棄物が燃焼しているうちの高温の部分を抽出することによって、従来技術においては輝炎の奥に隠れて把握できなかった燃焼量を定量化し、燃焼量を指標として制御することで安定燃焼に寄与する方法を想到した。以下に説明する一実施形態は、以上の本発明者の鋭意検討に基づいて、案出されたものである。
(火格子焼却炉)
図1は、本発明の一実施形態による情報処理装置が適用される火格子式のごみ焼却炉(以下、火格子焼却炉)を示す。図1に示すように、廃棄物焼却炉としての火格子焼却炉は、廃棄物の燃焼が行われる炉1、廃棄物を投入する廃棄物投入口2、およびボイラ9を備える。蒸気発生部としてのボイラ9は、炉1の炉出口7の下流側に設置された熱交換器9aおよび蒸気ドラム9bを備える。
廃棄物投入口2から投入された廃棄物は、廃棄物供給装置3によって火格子4に搬送される。火格子4が往復運動を行うことにより、廃棄物の撹拌および移動が行われる。火格子4上の廃棄物は、火格子4の下方の風箱に燃焼用空気ブロア6により供給される燃焼用空気の吹き込みによって乾燥されながら燃焼されて、排ガスおよび灰が生成される。生成された灰は、灰落下口5を通じて落下して炉1の外部に排出される。
火格子4の下から炉1の内部に供給される燃焼用空気の総量は、押込送風機としての燃焼用空気ブロア6の直近に設けた燃焼用空気ダンパ14によって調整される。それぞれの風箱に供給される燃焼用空気の流量は、それぞれの風箱に燃焼用空気を供給する配管にそれぞれ設けられた、火格子下燃焼用空気ダンパ14a,14b,14c,14dによって調整される。換言すると、火格子下燃焼用空気ダンパ14a~14dによって、それぞれの風箱に供給される燃焼用空気の流量の比率が調整される。なお、図1においては、廃棄物の搬送方向に沿って火格子4の下を4つの風箱で分割し、それぞれの風箱を通じて燃焼用空気を供給しているが、火格子下燃焼用空気ダンパ14a~14dおよび風箱の数は必ずしも4つに限定されず、火格子焼却炉の規模や目的などに応じて適宜変更可能である。
炉壁1aに設けられた二次空気吹き込み口10からは、二次送風機としての二次空気ブロア11によって二次空気が炉1内に吹き込まれる。二次空気が炉1内に吹き込まれることによって、燃焼ガス中の未燃焼成分がさらに燃焼するとともに、炉壁の温度の過度な上昇を抑制する。二次空気吹き込み口10から炉1内に供給される二次空気の流量は、二次空気ブロア11の直近に設けられた二次空気ダンパ15によって調整される。
火格子4における廃棄物の搬送方向に沿って、上流側の廃棄物乾燥過程(乾燥段)および主燃焼過程(燃焼段)において発生した可燃性ガスと、下流側の後燃焼過程(後燃焼段)において発生した燃焼排ガスとが、炉1の炉出口7側に設けられたガス混合部において合流する。ガス混合部において合流した可燃性ガスおよび燃焼排ガスは、再度攪拌および混合された後、二次燃焼用空気の供給によって、二次燃焼が行われる。ボイラ9は、二次燃焼が行われる部分(以下、二次燃焼部)に対して、廃棄物の搬送方向に沿った下流側に設置されている。二次燃焼が行われた燃焼ガスは、ボイラ9の熱交換器9aによって熱エネルギーが回収された後に、煙突8から外部に排気される。
炉1内には、炉1の高さ方向に沿った上側の位置に中間天井16が設けられている。炉1内に流動するガスは、中間天井16によって、上流側における廃棄物乾燥過程および主燃焼過程で発生した可燃性ガスを多く含むガスと、下流側における後燃焼過程で発生した燃焼排ガスとに、分割して排出できる。具体的には、燃焼排ガスが中間天井16よりも下方の煙道(主煙道)を流れる一方、可燃性ガスを多く含むガスが中間天井16よりも上方の煙道(副煙道)を流れる。燃焼排ガスと可燃性ガスを多く含むガスとがガス混合部において合流することによって、ガス混合部でのガスの攪拌および混合がさらに促進される。これにより、二次燃焼部における燃焼がより安定化し、燃焼過程におけるダイオキシン類の発生を抑制し、廃棄物の未燃分の発生を抑制することができる。なお、炉1内に中間天井16を設けない構成にしても良い。
炉1内の複数位置に、炉1内のガス温度を計測するセンサとしての温度計が設けられている。具体的には、炉1の高さ方向に沿って、火格子4と二次空気吹き込み口10との中間位置に燃焼室ガス温度計17が設けられている。炉1の高さ方向に沿って、炉出口7より下方位置に主煙道ガス温度計18が設けられている。炉1の高さ方向に沿って、炉出口7の下部位置に炉出口下部ガス温度計19が設けられている。炉1の高さ方向に沿って、炉出口7の中部位置に炉出口中部ガス温度計20が設けられている。炉1の高さ方向に沿って、炉出口7の下流側位置に燃焼管理温度を測定する炉出口ガス温度計21が設けられている。燃焼室ガス温度計17、主煙道ガス温度計18、炉出口下部ガス温度計19、炉出口中部ガス温度計20、および炉出口ガス温度計21により計測された温度の計測値は、燃焼プロセス測定値として燃焼制御装置30に送信されて記憶部32(図4参照)に記憶される。
ボイラ9には、出口側に排ガス中の酸素(O2)の濃度を計測するボイラ出口酸素濃度計22が設けられている。煙突8の入口には、排ガス中の一酸化炭素(CO)および窒素酸化物(NOx)の濃度を計測するガス濃度計23が設けられている。ボイラ9の出口と煙突8とを接続する配管には、排ガス量を計測するための排ガス流量計24が設けられている。ボイラ出口酸素濃度計22、ガス濃度計23、および排ガス流量計24により計測されたガスの濃度や流量の計測値は、燃焼プロセス測定値として燃焼制御装置30に送信されて記憶部32に記憶される。また、ボイラ9には、ボイラ9において発生した蒸気量を計測する蒸気流量計25が設けられている。蒸気流量計25により計測されたボイラ9の蒸気発生量の計測値は、燃焼プロセス測定値として燃焼制御装置30に送信されて記憶部32に記憶される。
炉1における廃棄物の搬送方向の下流側には、撮像部26が設けられている。撮像部26は、例えば赤外線カメラから構成される火炎透過カメラ、および撮像した画像データを処理する画像処理部を有して構成される。図2は、撮像部26の設置状態を示す側面図である。撮像部26は、炉壁1aに設けられた監視窓に近接して炉外に配設されても、水冷構造を有して炉1内に配設されても良い。図2に示すように、廃棄物50は、段差壁13の部分で廃棄物供給部12から火格子4上に落下する。火格子4上に落下した廃棄物50は、火格子4の前後移動に伴う往復運動によって攪拌されつつ、撮像部26側である前方に移動される。
撮像部26は、火格子4上の廃棄物50(以下、火格子上廃棄物52)のサーモグラフィ情報を熱画像情報として取得できる。ここで、廃棄物50から放射される赤外線の波長と、空間における高温ガスおよび火炎から放射される赤外線の波長とは異なる。そのため、撮像部26においては、測定する赤外線波長を適切に選定することによって測定視野内に火炎が存在していても、火格子上廃棄物52の層の温度分布に対応する熱画像情報を得ることができる。また、撮像部26による炉長方向の測定範囲を設定して、燃焼領域より上流側位置(火炎より上流側)での火格子上廃棄物52の層の熱画像情報を得ることができる。熱画像情報は、火炎を透過した状態の映像データ、すなわち複数の画像データとして扱うことができる。
換言すると、撮像部26は、廃棄物供給部12から送り出される廃棄物50(以下、供給前廃棄物51)、廃棄物50が落下する段差を有する段差壁13、火格子上廃棄物52、および火格子4の上面を、火炎を透過した状態で撮像可能である。なお、火格子上廃棄物52の燃焼状態、すなわち火炎自体を撮像する燃焼画像撮像部をさらに設けても良い。撮像部26が撮像した火炎を透過した状態で撮像した画像データ(以下、透過画像データ)は、即時的または所定の時間間隔で、燃焼判定装置40に送信される。なお、撮像部26が撮像した透過画像データを、燃焼制御装置30の記憶部32に記憶させた後に、燃焼制御装置30から燃焼判定装置40に送信しても良い。
本実施形態において撮像部26は、例えば、廃棄物供給部12および段差壁13に対して略正対する位置に設置される。なお、撮像部26の設置は、廃棄物供給部12および段差壁13に対して略正対する位置に限定されない。撮像部26の設置位置は、少なくとも火格子上廃棄物52と、他の物体、ここでは段差壁13および火格子4との境界部分が撮像可能であれば、種々の位置に設置可能である。
図3は、撮像部26の視野の例を示す正面図である。図3に示すように、撮像部26は例えば、炉1の上下方向および炉幅方向(左右方向)に拡がる測定視野を有する。本実施形態において撮像部26の視野は、廃棄物供給部12、段差壁13、火格子4、および炉壁1aである。撮像部26の視野に含まれる炉壁1aは、廃棄物50の左右方向の外側への移動、すなわち拡がりを規制する。なお、撮像部26の視野としては、火格子4上に存在する火格子上廃棄物52と火格子4および段差壁13との境界部分を撮像可能な視野を有すればよい。また、撮像部26は、廃棄物供給部12まで搬送された廃棄物50を撮像できるのが好ましい。これにより、段差壁13の位置で落下する廃棄物50を撮像できる。
図4は、燃焼制御装置30および燃焼判定装置40の構成を示すブロック図である。燃焼制御装置30と燃焼判定装置40とは、例えば、専用線、インターネットなどの公衆通信網、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、および携帯電話などの電話通信網や公衆回線、VPN(Virtual Private Network)などの一または複数の組み合わせからなるネットワーク(図示せず)を介して、接続されている。また、燃焼制御装置30および燃焼判定装置40を一体に構成してもよく、燃焼制御装置30および燃焼判定装置40を火格子焼却炉と同じ施設内に設置しても別の施設に設置しても良い。火格子焼却炉と燃焼制御装置30と燃焼判定装置40とを別々の施設に設置する場合には、上述したネットワークを介して各種情報や各種データの通信が行われる。
図4に示すように、燃焼制御装置30は、制御部31、記憶部32、および操作量調整部33を備える。燃焼制御部としての制御部31、および操作量調整部33は、具体的に、ハードウェアを有するCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサ、およびRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの主記憶部(いずれも図示せず)を備える。記憶部32は、RAMなどの揮発性メモリ、ROMなどの不揮発性メモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、およびリムーバブルメディアなどから選ばれた記憶媒体から構成される。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、または、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、もしくはBD(Blu-ray(登録商標) Disc)のようなディスク記録媒体である。また、外部から装着可能なメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いて記憶部32を構成しても良い。
記憶部32には、燃焼制御装置30の動作を実行するための、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、各種プログラム、各種テーブル、各種データベースなどが記憶可能である。ここで、各種プログラムには、本実施形態による学習モデルや学習済みモデルなどのモデルに基づいた処理を実現する、情報処理プログラムも含まれる。これらの各種プログラムは、ハードディスク、フラッシュメモリ、CD-ROM、DVD-ROM、フレキシブルディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して広く流通させることも可能である。
燃焼制御装置30は、あらかじめ定められた操作量基準値設定関係式(以下、操作量関係式)に基づいて、それぞれの操作端の操作量として、廃棄物50の廃棄物供給速度を調整する廃棄物供給装置送り速度(給塵速度ともいう)、および廃棄物50の移動速度を調整する火格子送り速度(火格子速度とも言う)を制御する。なお、燃焼制御装置30は、廃棄物供給装置送り速度および火格子送り速度については、停止や運転操作の制御も行う。燃焼制御装置30は、必要に応じて、操作量関係式に基づいて、燃焼用空気量および二次空気量を制御する。操作量関係式は、例えば、廃棄物焼却量設定値または廃棄物質設定値と操作量基準値(操作量の目標値)との関係式であって、補正係数としての制御パラメータを含む。制御パラメータは、制御部31によって、廃棄物焼却量設定値、および廃棄物質設定値に適合するように調整される。調整された制御パラメータは、廃棄物焼却量設定値および廃棄物質設定値のうちの少なくとも一方の設定値が変更された際に、変更された設定値に対応して、制御部31により変更される。制御パラメータが変更されることにより、あらかじめ設定された操作量基準値が補正される。
制御部31は、廃棄物焼却量設定値に応じて廃棄物質(廃棄物の低位発熱量)を算出する。制御部31は、操作量関係式に含まれる制御パラメータの調整により操作量基準値を調整する。制御部31は、調整した操作量基準値を、例えばPID制御やファジィ演算などの所定の制御アルゴリズムに基づいて補正する。記憶部32は、制御部31によって参照されるデータを記憶する。記憶部32には、あらかじめ定められた操作量関係式、制御アルゴリズム、あらかじめ設定された焼却量設定値、および炉1内の燃焼状態量として取得された燃焼プロセス測定値が記憶されている。
操作量調整部33は、操作量基準値に追従するように各操作端のそれぞれの操作量を調整する。具体的に操作量調整部33は、燃焼用空気量調整部331、空気量比率調整部332、二次空気量調整部333、廃棄物供給装置送り速度調整部334、および火格子送り速度調整部335を有する。
燃焼用空気量調整部331は、燃焼用空気量が制御部31により補正された操作量基準値(以下、補正操作量基準値)に追従するように操作量を調整する。空気量比率調整部332は、火格子下燃焼用空気ダンパ14a~14dのそれぞれを制御して、それぞれの風箱における流量の相互の比率を調整する。二次空気量調整部333は、二次空気量が補正操作量基準値に追従するように操作量を調整する。ここで、燃焼用空気量および二次空気量の調整は、燃焼用空気ダンパ14、火格子下燃焼用空気ダンパ14a~14d、および二次空気ダンパ15のそれぞれの開度を制御して調整する。
廃棄物供給装置送り速度調整部334は、廃棄物供給装置送り速度が補正操作量基準値に追従するように操作量を調整する。火格子送り速度調整部335は、火格子送り速度が補正操作量基準値に追従するように操作量を調整する。操作量調整部33は、制御部31により操作量基準値が補正されなかった場合には、補正されていない操作量基準値に基づいてそれぞれの操作量を調整する。
(燃焼判定装置)
情報処理装置としての燃焼判定装置40は、制御部41、出力部42、入力部43、および記憶部44を備える。燃焼判定装置40は、燃焼点の位置を測定する燃焼点の位置測定装置や、廃棄物50の燃焼量を測定する燃焼量の測定装置として機能する。
制御部41は、機能的および物理的には、上述した制御部31と同様の構成を有し、ハードウェアを有するCPU、DSP、FPGAなどのプロセッサ、およびRAMやROMなどの主記憶部(いずれも図示せず)を備える。出力手段としての出力部42は、所定の情報を外部に通知可能に構成される。
出力部42は、制御部41による制御に従って、ディスプレイモニタに炉1内の廃棄物50の画像などを表示したり、タッチパネルディスプレイの画面上に文字や図形などを表示したり、スピーカから音声を出力したりする。入力手段としての入力部43は、キーボードや入力用のボタン、レバーや、液晶などのディスプレイに重畳して設けられる手入力のためのタッチパネル、または音声認識のためのマイクロホンなどの、ユーザインターフェースを用いて構成される。ユーザなどが入力部43を操作することによって、制御部41に所定の情報を入力可能に構成される。なお、出力部42および入力部43を一体とした入出力部とし、入出力部をタッチパネルディスプレイやスピーカマイクロホンなどから構成しても良い。
記憶部44は、機能的および物理的には、上述した記憶部32と同様の構成を有し、RAMなどの揮発性メモリ、ROMなどの不揮発性メモリ、EPROM、HDD、およびリムーバブルメディアなどから選ばれた記憶媒体から構成される。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、または、CD、DVD、もしくはBDのようなディスク記録媒体である。また、外部から装着可能なメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いて記憶部44を構成しても良い。
記憶部44には、燃焼判定装置40の動作を実行するためのOS、各種プログラム、各種テーブル、各種データベースなどが記憶可能である。ここで、各種プログラムには、本実施形態による学習モデルまたは学習済みモデルを用いた制御を実現する情報処理プログラムが含まれる。記憶部44は、種々のネットワークを介して通信可能な他のサーバに設けても良いし、燃焼制御装置30に設けても良い。
具体的に、記憶部44には、境界識別学習モデル44aおよび燃焼状態学習モデル44bが格納されている。境界識別学習モデル44aおよび燃焼状態学習モデル44bはそれぞれ、少なくとも1つの学習モデルを含む更新可能なモデルである。なお、学習モデルを更新しない場合には、学習済みモデルとして記憶部44に格納される。境界識別学習モデル44aおよび燃焼状態学習モデル44bは、両方の学習モデルを1つの学習モデル、例えば燃焼境界識別学習モデルとして構築されていても良い。また、境界識別学習モデル44aや燃焼状態学習モデル44bの代わりに、入力されたデータに対して所定の情報処理を実行する、学習などを行わずに作成されたルールベースの情報処理プログラムを用いても良い。さらに、燃焼画像撮像部によって撮像された輝炎自体の燃焼画像のデータから所定の判断を実行可能な、燃焼画像学習モデルを用いた判断処理を実現する自動判断処理プログラムが含まれていても良い。これらの各種プログラムは、ハードディスク、フラッシュメモリ、CD-ROM、DVD-ROM、フレキシブルディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して広く流通させることも可能である。
制御部41は、記憶部44に記憶されたプログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部などを制御することによって、所定の目的に合致した機能を実現できる。本実施形態においては、制御部41は、記憶部44に格納されたプログラムの実行によって、境界生成部411、燃焼判定部412、および学習部413の機能を実行する。具体的に例えば、制御部41は、記憶部44からプログラムである境界識別学習モデル44aを読み込むことによって、境界生成部411の機能を実行する。また、制御部41は、記憶部44からプログラムである燃焼状態学習モデル44bを読み込むことによって、燃焼判定部412の機能を実行する。境界生成部411、燃焼判定部412、および学習部413の機能の詳細については、後述する。
(境界識別学習モデル)
ここで、記憶部44に記憶されている境界識別学習モデル44aおよびその生成方法について説明する。図5は、本実施形態の撮像部26によって撮像された燃焼中の廃棄物の透過画像データの例を示す図である。図6は、本実施形態による撮像部26により撮像された透過画像データに対して境界線を生成した境界画像データの例を示す図である。
図5に示すように、撮像部26は、炉1内において、廃棄物供給部12ならびに火格子4上に供給される前の供給前廃棄物51、段差壁13、火格子4ならびに火格子4上の火格子上廃棄物52、および炉壁1aを、火炎を透過した状態で撮像して透過画像データとして出力する。境界識別学習モデル44aは、図6に示すように、撮像部26が撮像した透過画像データに対して、廃棄物50と他の物体との境界に対して境界線53を生成する処理を実行する。図6に示す例では、廃棄物50と、廃棄物供給部12、段差壁13および炉壁1aとの境界に境界線531が描画され、廃棄物50と、段差壁13、炉壁1aおよび火格子4との境界に境界線532が描画される。境界線53の描画によって、境界画像データは、例えば4つの領域A1,A2,A3,A4に区分けすることができる。
境界識別学習モデル44aの生成のために用いられるデータは、撮像部26が撮像した透過画像データ、および透過画像データに対して境界が識別されて上述した境界線53が描画処理された処理画像データ(以下、境界画像データ)である。透過画像データおよび境界画像データの数は、例えばそれぞれ、100以上とするのが好ましい。すなわち、生成のために用いられる境界画像データは、作業者によって、透過画像データに対して、廃棄物50と、廃棄物供給部12、段差壁13、炉壁1a、および火格子4とのそれぞれの境界に対して境界線53が描画された画像データである。境界識別学習モデル44aを生成する際の入出力データセットとしては、学習用入力パラメータとして透過画像データが用いられ、学習用出力パラメータとして境界画像データが用いられる。制御部41の学習部413は、上述した学習用入力パラメータおよび学習用出力パラメータを教師データとして、例えばニューラルネットワークを用いたディープラーニング(深層学習)などの機械学習によって、境界識別学習モデル44aを生成する。制御部41は、学習部413により学習された内容に基づいて、透過画像データから境界画像データを生成する。また、学習部413は、入力された透過画像データ、および作業者が境界を修正したり描画したりすることで得られた境界画像データを用いて、境界識別学習モデル44aを適宜更新する。
(燃焼状態学習モデル)
次に、記憶部44に格納されている燃焼状態学習モデル44bおよびその生成方法について説明する。図7は、本実施形態による境界生成部411により作成された境界画像データに対して燃焼部を抽出した抽出画像データの例を示す図である。撮像部26は、図5に示す透過画像データを制御部41に送信する。制御部41の境界生成部411は、入力された透過画像データから、燃焼状態学習モデル44bに基づいて図6に示す境界画像データを生成する。燃焼状態学習モデル44bは、図7に示すように、透過画像データや境界画像データなどの炉1内の画像データに基づいて、燃焼領域としての燃焼部52Aを抽出する処理を実行可能な学習モデルである。
燃焼状態学習モデル44bの生成のために用いられる学習用入力パラメータは、撮像部26が撮像した透過画像データ、および境界生成部411が境界識別学習モデル44aに基づいて生成した境界画像データの少なくとも一方とする。また、燃焼状態学習モデル44bの生成のために用いられる学習用出力パラメータは、作業者によって、透過画像データまたは境界画像データに対して、火格子上廃棄物52と他の領域との境界、および燃焼温度が所定温度以上の火格子上廃棄物52と所定温度未満の火格子上廃棄物52を含む他の領域との境界が描画処理された処理画像データ(以下、抽出画像データ)である。図7に示す例では、境界画像データに対して、火格子上廃棄物52の燃焼温度が所定温度以上、例えば1000K以上の部分が白抜きで描画され、所定温度未満、例えば1000K未満の部分が打点で描画されている。図7に示す火格子上廃棄物52において、燃焼温度が所定温度未満の部分の外縁には境界線532aが描画され、燃焼温度が所定温度以上の燃焼部52Aと他の領域との境界、すなわち燃焼部52Aの外縁には境界線532bが描画されている。なお、熱画像カメラなどを備えた撮像部26は、廃棄物50の温度分布に基づいた透過画像データを出力することができる。この場合、出力された透過画像データは、例えば、温度が高いほど輝度が高くされ、温度が低いほど輝度が低くされた画像データとして出力できる。これにより、透過画像データから火格子上廃棄物52を抽出し、抽出した火格子上廃棄物52において、所定温度以上となる高温の領域を燃焼部52Aとして抽出できる。このように、輝度によって温度分布が把握できる透過画像データに対して、火格子上廃棄物52と燃焼部52Aとを抽出した画像データを抽出画像データとしても良い。
学習に用いる透過画像データ、境界画像データ、および抽出画像データの数は、例えばそれぞれ、100以上が好ましい。燃焼状態学習モデル44bを生成する際の入出力データセットとしては、学習用入力パラメータとして透過画像データまたは境界画像データが用いられ、学習用出力パラメータとして抽出画像データが用いられる。制御部41の学習部413は、上述した学習用入力パラメータおよび学習用出力パラメータを教師データとして、例えばニューラルネットワークを用いたディープラーニングなどの機械学習によって、燃焼状態学習モデル44bを生成する。制御部41は、学習部413により学習された内容に基づいて、透過画像データまたは境界画像データから抽出画像データを生成する。また、学習部413は、入力された透過画像データまたは境界画像データ、および作業者が境界を修正したり描画したりすることで得られた抽出画像データを用いて、燃焼状態学習モデル44bを適宜更新する。
画像データは、撮像部26が撮像した透過画像データ、透過画像データに対して境界線53が描画処理された境界画像データ、および透過画像データまたは境界画像データに対して、火格子上廃棄物52および燃焼部52Aが抽出された抽出画像データを含む。画像データとして透過画像データを用いる場合には、撮像部26が撮像した透過画像データが用いられる。画像データとして境界画像データを用いる場合、境界識別学習モデル44aによって生成された境界画像データや、作業者によって生成または修正された境界画像データなどを用いることができる。同様に、画像データとして抽出画像データを用いる場合、燃焼状態学習モデル44bによって生成された抽出画像データや、作業者によって生成または修正された抽出画像データなどを用いることができる。
画像データからは、少なくとも以下の情報を取得できる。
火格子上廃棄物52の面積(図7中、領域A31,A32の廃棄物50の面積)
火格子上廃棄物52の高さ(図6、図7中、廃棄物の層の局所的な高さh、廃棄物の層の平均の高さH)
火格子上廃棄物52の燃焼点の位置(燃焼部52Aの撮像部26側端部)(図6、図7中、F線)
燃焼部52Aの面積(図7中、燃焼部52Aの領域A32の面積SF
燃焼部52Aの最高温度、平均温度、面積、および温度積算値(図7中、領域A32)
なお、温度積算値は、画像データの燃焼部52Aにおける例えば画素などの所定領域ごとの温度を積算した値である。
また、上述した燃焼状態学習モデル44bはさらに、火格子上廃棄物52の層(廃棄物層)の高さHを導出したり、燃焼点の位置を測定したり、燃焼量を導出したりする処理を実行可能な学習モデルを含んでいても良い。この場合、燃焼状態学習モデル44bを生成する際の入出力データセットとしては、学習用入力パラメータとして、透過画像データ、または境界画像データが用いられ、学習用出力パラメータとして抽出画像データと、廃棄物層高さHのデータ、燃焼点の位置のデータ、および燃焼量(燃焼部52Aの面積、最高温度、温度積算値)のデータが用いられる。入出力データセットの数は、例えばそれぞれ、100以上が好ましい。制御部41の学習部413は、上述した学習用入力パラメータおよび学習用出力パラメータを教師データとして、例えばニューラルネットワークを用いたディープラーニングなどの機械学習によって、燃焼状態学習モデル44bを生成する。制御部41は、学習部413により学習された内容に基づいて、透過画像データ、境界画像データから抽出画像データを生成して、廃棄物層高さH、燃焼点Fの位置、燃焼量VFをそれぞれ導出する。なお、抽出画像データから、廃棄物層高さH、燃焼点Fの位置、燃焼量VFをそれぞれ導出する学習モデルを別途生成しても良い。学習部413は、作業者に修正された抽出画像データ、画像データからルールベースの燃焼状態導出プログラムによって測定された、廃棄物層高さH、燃焼点Fの位置、および燃焼量VFの導出値を用いて、燃焼状態学習モデル44bを適宜更新してもよい。
(情報処理方法および燃焼制御方法)
次に、本発明の一実施形態による情報処理方法および燃焼制御方法について説明する。図8は、本実施形態による情報処理方法および燃焼制御方法を説明するためのフローチャートである。本実施形態において、ステップST1は炉1における撮像部26、ステップST2,ST3,ST6~ST9は燃焼判定装置40、ステップST4,ST5は作業者、およびステップST10~ST12は燃焼制御装置30が行う処理である。なお、ステップST10,ST11を燃焼判定装置40が行っても良い。
図8に示すように、ステップST1において撮像部26は、炉1内を撮像する。撮像部26は、視野内における炉1内の状況を、火炎を透過した画像として撮像する。撮像部26は具体的に、図5に示すように、廃棄物供給部12における供給前廃棄物51、段差壁13、火格子上廃棄物52、火格子4、および炉壁1aを、輝炎を透過した状態として撮像する。なお、供給前廃棄物51および炉壁1aについては撮像しなくても良い。撮像部26は、撮像した透過画像データを、燃焼判定装置40の入力部43を通じて、制御部41に送信する。制御部41は、受信した透過画像データを記憶部44に格納する。
次に、図8に示すステップST2に移行して燃焼判定装置40の境界生成部411は、境界識別学習モデル44aを読み込んで、撮像部26から取得した透過画像データ(図5参照)に対し、廃棄物50と、廃棄物供給部12、段差壁13、炉壁1a、および火格子4との境界を判断する。なお、境界生成部411は、ルールベースの画像識別アルゴリズムによって、廃棄物50と、廃棄物供給部12と、段差壁13と、炉壁1aと、火格子4とを相互に識別して、それらの境界を判断しても良い。
また、制御部41の燃焼判定部412は、燃焼状態学習モデル44bを読み込んで、火格子上廃棄物52と他の領域とを識別し、識別された火格子上廃棄物52における所定温度以上の燃焼部52A(領域A32)と所定温度未満の他の領域A31とを識別して、それらの境界を判断する。なお、燃焼判定部412は、ルールベースの画像識別アルゴリズムによって、火格子上廃棄物52と他の領域とを識別し、識別された火格子上廃棄物52における所定温度以上の燃焼部52A(領域A32)と所定温度未満の他の領域A31とを識別して、それらの境界を判断しても良い。
次に、ステップST3に移行して境界生成部411は、透過画像データに対して、廃棄物50と他の物体との境界、すなわち廃棄物50と、廃棄物供給部12、段差壁13、炉壁1a、および火格子4とのそれぞれの境界に対して境界線53を描画する。図6に示すように、境界生成部411は、例えば、透過画像データに対して、供給前廃棄物51と、廃棄物供給部12、炉壁1a、および段差壁13との境界、火格子上廃棄物52と、段差壁13、火格子4、および炉壁1aとの境界に対してそれぞれ、境界線531,532を描画する。換言すると、境界生成部411は、供給前廃棄物51の外縁を囲むように境界線531を描画する。また、境界生成部411は、火格子上廃棄物52の外縁を囲むように境界線532を描画する。以上により、境界生成部411は、透過画像データに対して境界線53が描画された境界画像データを生成する。境界生成部411は、生成した境界画像データを燃焼判定部412に出力する。
また、ステップST3において燃焼判定部412は、境界生成部411から入力された境界画像データに対して、識別された火格子上廃棄物52における所定温度以上の燃焼部52A(領域A32)と所定温度未満の他の領域A31とを識別して境界線532a,532bを描画する。換言すると、燃焼判定部412は、境界画像データに対して、燃焼部52A(領域A32)の外縁を囲むように境界線532bを描画するとともに、火格子上廃棄物52における燃焼部52A以外の領域A31の外縁を囲むように境界線532aを描画する。以上により、燃焼判定部412は、境界画像データに対して境界線532a,532bが描画された抽出画像データを生成する。なお、燃焼判定部412は、境界生成部411による境界の生成処理が行われていない透過画像データに対して、境界線532a,532bが描画された抽出画像データを生成しても良い。この場合、境界生成部411による境界画像データの生成処理は実行しなくても良い。また、境界画像データに対して、火格子上廃棄物52が存在する領域A3内において、燃焼部52Aの領域A32と火格子上廃棄物52のその他の領域A31とを分割する境界線532(532a,532b)を生成して抽出画像データを生成しても良い。すなわち、抽出画像データとしては、火格子上廃棄物52の存在領域を抽出でき、火格子上廃棄物52における燃焼部52Aと燃焼部52Aより低温の領域とが区別可能な画像データであれば良い。また、燃焼判定部412は、境界画像データにおいて所定温度以上の燃焼部52A(領域A32)と所定温度未満の他の領域A31とを識別した結果を境界生成部411に出力して、境界生成部411が、境界線532a,532bを描画しても良い。
次に、図8に示すステップST4に移行して、燃焼判定装置40の作業者は、出力部42に出力された抽出画像データを確認する。作業者は、確認した抽出画像データに描画された境界線532a,532bが正確であるか否かを判定する。作業者が、境界線532a,532bは正確ではないと判定した場合(ステップST4:No)、学習部413は、学習が必要であるフラグを立てて、ステップST5に移行する。一方、ステップST4において作業者が、境界線53は正確であると判定した場合(ステップST4:Yes)、ステップST7に移行する。ステップST7の処理については、後述する。
ステップST5において作業者は、入力部43を用いて、燃焼判定部412が生成した抽出画像データに描画されている境界線532a,532bを修正する。これにより、修正抽出画像データが作成される。なお、修正抽出画像データは、作業者が入力部43を用いて修正する方法に限定されず、抽出画像データを印刷した印刷物に対して作業者が境界線532a,532bを修正し、修正後の印刷物を入力部43としてのスキャナなどを用いて燃焼判定装置40に読み込ませて入力しても良い。
その後、ステップST6に移行して燃焼判定装置40の学習部413は、境界の識別を学習して、燃焼状態学習モデル44bを更新する。すなわち、学習部413は、ステップST1において取得した透過画像データまたはステップST3において取得した境界画像データを学習用入力パラメータ、入力部43から入力された修正抽出画像データを学習用出力パラメータとした入出力データセットを教師データとして、燃焼状態学習モデル44bを更新する。なお、学習部413は、修正抽出画像データを用いて、燃焼状態学習モデル44bに対して逆誤差伝播法などによって各パラメータの係数を修正することにより、燃焼状態学習モデル44bを更新しても良い。燃焼状態学習モデル44bの更新が終了した後、学習部413は、学習が必要であるフラグを降ろす。
また、以上の燃焼状態学習モデル44bの更新と同様の方法によって、ステップST1において取得した透過画像データを学習用入力パラメータとし、ステップST5において作業者が入力部43から入力した修正後の境界画像データを学習用出力パラメータとした入出力データセットを教師データとして、さらに境界識別学習モデル44aを更新しても良い。さらに、ルールベースの画像認識アルゴリズムを採用している場合や、境界識別学習モデル44aおよび燃焼状態学習モデル44bの更新を行わない場合には、ステップST4~ST6の処理を省略しても良い。
次に、ステップST7に移行して制御部41の燃焼判定部412は、火格子上廃棄物52の層の高さ(以下、廃棄物層高さH)を算出する。具体的に、燃焼判定装置40の燃焼判定部412は、境界線532における段差壁13と火格子上廃棄物52との境界部分に基づいて、火格子上廃棄物52の高さ(以下、廃棄物層高さH)を算出する。ここで、図6および図7に示すように、境界線532における段差壁13と火格子上廃棄物52との境界部分は凹凸状である。算出部としての燃焼判定部412は、境界画像データにおいて確定している火格子4と段差壁13との交差部分から、境界線532によって得られる火格子上廃棄物52の上部までの高さhを幅方向に対して平均化させることにより、廃棄物層高さHを算出する。
なお、境界画像データや抽出画像データにおいて、境界線532と、火格子4と段差壁13との交差部分とによって挟まれた火格子上廃棄物52の面積を導出し、導出した面積を定数である炉1の横幅(図7中、左右の幅)で除して平均化させることで、廃棄物層高さHを算出しても良い。算出された廃棄物層高さHは、火格子4上に供給された廃棄物50(火格子上廃棄物52)に対応する物理量となる。制御部41は、算出した火格子上廃棄物52の廃棄物層高さHの情報を燃焼制御装置30に送信する。燃焼制御装置30の制御部31は、受信した廃棄物層高さHの情報を記憶部32に格納する。
次に、ステップST8に移行して燃焼判定部412は、燃焼量の測定装置として機能して、火格子上廃棄物52における燃焼量を算出する。すなわち、図7に示すように、抽出画像データにおいて、火格子上廃棄物52の燃焼温度が所定温度以上の領域が境界線532bによって囲まれて燃焼部52Aとして抽出されている(図7中、白抜き部)。ここで抽出画像データにおいては、例えば画像の画素ごとに燃焼温度に対応した輝度が設定されている。なお、画素の代わりに,燃焼部53Aを複数の所定のメッシュに分割して、それぞれのメッシュ(計算格子)ごとに燃焼温度に対応した輝度が設定されていても良い。また、輝度の代わりに温度の計測値の情報を画素やメッシュに関連付けたメタ情報として抽出画像データに埋め込んでも良い。
図9は、本発明の一実施形態による情報処理方法を説明するための焼却炉の燃焼部分を模式的に示す図である。図9に示すように、炉1内においては、廃棄物供給装置3の移動に対応して供給前廃棄物51が火格子4上に落下する。火格子4においては、廃棄物50の移動方向の上流側から下流側に沿って、主に、廃棄物50を乾燥させる乾燥段、廃棄物50を燃焼させる燃焼段、および燃焼が終了した廃棄物50の燃焼灰を搬送する後燃焼段が設けられる。この場合、通常、火格子上廃棄物52の燃焼温度は燃焼段の部分で最も高温になり、図9中斜線で示す部分が燃焼部52Aの燃焼量VFに相当する。この点に関して本発明者は鋭意検討を行い、火格子上廃棄物52の燃焼量VFは、燃焼部52Aの面積、燃焼部52Aの最高温度、または燃焼部52Aの温度積算値に比例することを想到した。すなわち、燃焼判定部412が、透過画像データや境界画像データに対して熱画像処理を行うことによって、抽出画像データを生成し、燃焼部52Aにおける、面積、最高温度、または温度積算値を算出することにより、燃焼量VFを定義できる。換言すると、抽出画像データにおいて抽出された燃焼部52Aの面積、最高温度、または温度積算値によって、火格子上廃棄物52の燃焼量VFを把握できる。制御部41は、算出した燃焼部52Aにおける、面積の情報、最高温度の情報、および温度積算値の情報の少なくとも1つの情報を燃焼量VFの情報として燃焼制御装置30に送信する。燃焼制御装置30の制御部31は、受信した燃焼量VFの情報を記憶部32に格納する。
次に、図8に示すステップST9に移行して燃焼判定部412は、燃焼点の位置測定装置として機能して、燃焼点Fの位置測定方法を実行する。すなわち、火格子上廃棄物52と火格子4との境界線53cは、廃棄物50の具体的な燃焼点となる。通常、廃棄物50の具体的な燃焼点は、凹凸状である。そこで、燃焼判定部412は、図7に示すように、抽出画像データにおいて描画されている境界線532bにおける火格子4と燃焼部52Aとの境界を炉1の幅方向に平均化させる。換言すると、燃焼判定部412は、抽出画像データに描画された境界線532bに基づいて、廃棄物50(火格子上廃棄物52)の燃焼点Fが、火格子4の移動方向に沿った線上のどの位置に平均的に存在するかを算出する。これにより、燃焼判定装置40は、火格子4上における廃棄物50の燃焼点Fを導出できる。制御部41は、導出した廃棄物50の燃焼点Fの位置情報を燃焼制御装置30に送信する。燃焼制御装置30の制御部31は、受信した燃焼点Fの位置情報を記憶部32に格納する。以上のステップST7,ST8,ST9は、上述した順序に限定されず、並行して行っても、逆順に行っても、任意の順序で行っても良い。
次に、図8に示すステップST10に移行して燃焼制御装置30の制御部31は、炉1の構造に対応してあらかじめ導出されている、火格子上廃棄物52の廃棄物層高さHと燃焼点Fとの適切な関係となる所定範囲である基準燃焼点領域を記憶部32から読み出す。図10は、本発明の一実施形態による燃焼制御方法に用いられる燃焼点Fと廃棄物層高さHとの間における基準燃焼点領域を示すグラフである。
図10に示すように、火格子上廃棄物52の廃棄物層高さHと燃焼点Fとの間には適切な関係が存在し、その領域を本明細書では基準燃焼点領域という。基準燃焼点領域のデータは記憶部32に格納されている。制御部31は、記憶部32に格納された図10に示す基準燃焼点領域の情報を読み出す。一方、制御部31は、燃焼判定装置40から取得した廃棄物層高さHおよび燃焼点Fの位置情報を記憶部32から読み出す。制御部31は、読み出した廃棄物層高さHおよび燃焼点Fの位置情報と、図10に示す基準燃焼点領域とを比較する。図10に示す例では、燃焼判定装置40から送信された廃棄物層高さHと燃焼点Fとの関係が、グラフ上で例えば計測点P11の位置に存在していたり、計測点P12の位置に存在していたりする。計測点P11は、廃棄物層高さHに対して燃焼点Fが下流側、すなわち撮像部26側に位置していることを表す。計測点P12は、廃棄物層高さHに対して燃焼点Fが上流側、すなわち段差壁13側に位置していることを表す。
次に、図8に示すステップST11に移行して制御部31は、炉1の構造に対応してあらかじめ導出されている、火格子上廃棄物52の廃棄物層高さHと燃焼量VFとの適切な関係となる所定範囲である基準燃焼量領域を記憶部32から読み出す。図11は、本発明の一実施形態による燃焼制御方法に用いられる燃焼量VFと廃棄物層高さHとの間における基準燃焼量領域を示すグラフである。
図11に示すように、火格子上廃棄物52の廃棄物層高さHと燃焼量VFとの間には適切な関係が存在し、その領域を本明細書では基準燃焼量領域という。一方、制御部31は、燃焼判定装置40から取得した廃棄物層高さHおよび燃焼量VFの情報を記憶部32から読み出す。制御部31は、読み出した廃棄物層高さHおよび燃焼量VFの情報と、図11に示す基準燃焼量領域とを比較する。図11に示す例では、燃焼判定装置40から送信された廃棄物層高さHと燃焼量VFとの関係が、グラフ上で例えば計測点P21の位置に存在していたり、計測点P22の位置に存在していたりする。計測点P21は、廃棄物層高さHに対して燃焼量VFが大きく、燃焼量VFが過剰であることを表す。同様に、計測点P22は、廃棄物層高さHに対して燃焼量VFが小さく、燃焼量VFが不足していることを表す。以上のステップST10,ST11は、上述した順序に限定されず、並行して行っても、逆順で行っても良い。
次に、図8に示すステップST12に移行して制御部31は、燃焼判定装置40から送信された廃棄物層高さH、燃焼点Fの位置情報、および燃焼量VFの情報に基づいて、火格子上廃棄物52の燃焼状態が適切になるよう燃焼制御方法を実行する。すなわち、制御部31は、取得した情報に基づいて、上述した燃焼制御装置30における制御パラメータを補正して、廃棄物供給装置送り速度(給塵速度)や火格子送り速度(火格子速度)、必要に応じて燃焼用空気量や二次空気量(送風量)や燃焼空気温度を調整することにより、炉1を制御する。具体的に、燃焼点Fの位置情報に基づいた制御の例を表1に示す。
Figure 0007428080000001
表1に示すように、燃焼点Fが基準燃焼点領域に比して上流側に遷移した場合、すなわち図10において燃焼状態が例えば計測点P12に位置した場合、火格子4の速度(火格子速度)を増速させる制御を行うことが好ましい。これは、火格子上廃棄物52の量が全体的に少なくなっていることが推測されるためである。また、火格子4を増速させた場合、廃棄物層が急に薄くなる可能性があることから、給塵速度を増速させる制御を行うことが好ましい。また、燃焼点Fが基準燃焼点領域に比して上流側に遷移した場合、送風量を全体的に低下させる制御を行うことが好ましい。これは、燃焼点Fが上流側に遷移した場合は、火格子上廃棄物52が燃焼しやすいカロリーの高い廃棄物50であると推測されるためである。この場合、過剰燃焼を抑制するために、燃焼空気温度を降下させる制御を行うことが好ましい。以上により、廃棄物層高さHと燃焼点Fとの関係である燃焼状態が、図中矢印で示すように、計測点P12から基準燃焼点領域に移動する方向に制御される。
反対に、燃焼点Fが基準燃焼点領域に比して下流側に遷移した場合、すなわち図10において燃焼状態が例えば計測点P11に位置した場合、計測点P12の場合とは逆の制御を行うことが好ましい。具体的に、燃焼点Fが基準燃焼点領域に比して下流側に遷移した場合、火格子4の火格子速度を減速させる制御を行うことが好ましい。なお、減速には停止を含む。これは、火格子上廃棄物52の量が全体的に多くなっていることが推測されるためである。この場合、廃棄物50が未燃状態になる可能性が高くなるので、未燃状態の廃棄物50の発生を抑制する必要がある。また、火格子4を減速させたりさらには停止させたりした場合、火格子4の乾燥段に廃棄物50が大量に積載される可能性が高まる。そのため、廃棄物50の火格子4上への供給を低減させる必要が生じるので、給塵速度を減速させる制御を行うことが好ましい。また、送風量を全体的に増加させる制御を行う際に、未燃状態の廃棄物50の発生を抑制するために、送風量の後燃焼段の供給比率を増加させることが好ましい。以上により、廃棄物層高さHと燃焼点Fとの関係である燃焼状態を、図中矢印で示すようにして、計測点P11から基準燃焼点領域に移動する方向に制御される。
次に、燃焼量VFの情報に基づいた制御の例を表2に示す。以下の制御は、燃焼制御装置30の制御部31が実行する制御である。
Figure 0007428080000002
表2に示すように、燃焼量VFが基準燃焼量領域に比して大きい場合、すなわち図11において燃焼状態が例えば計測点P21に位置した場合、火格子速度を減速させる制御を行うことが好ましい。なお、減速には停止を含む。これは、火格子上廃棄物52において過剰燃焼が生じている可能性が高いためである。火格子速度を減速させると、火格子4の乾燥段に廃棄物50が大量に積載される可能性が高まるため、給塵速度を減速させる制御を行うことが好ましい。過剰燃焼が生じている可能性が高い場合、送風量を全体的に減少させる制御を行うとともに、燃焼空気温度を降下させる制御を行うことが好ましい。以上により、廃棄物層高さHと燃焼量VFとの関係である燃焼状態を、図中矢印で示すようにして、計測点P21から基準燃焼量領域に移動する方向に制御される。
反対に、燃焼量VFが基準燃焼量領域に比して小さい場合、すなわち図11において燃焼状態が例えば計測点P22に位置した場合、計測点P21の場合とは逆の制御を行うことが好ましい。具体的に、燃焼量VFが基準燃焼量領域に比して小さい場合、燃焼不足の状態である可能性が高いため、火格子速度、給塵速度、送風量、燃焼空気温度を、燃焼が活発化する方向に制御することが好ましい。すなわち、火格子速度を増速させる制御を行い、これに伴って給塵速度を増加させる制御を行うことが好ましい。また、送風量を全体的に増加させる制御を行うとともに、燃焼空気温度を上昇させる制御を行うことが好ましい。以上により、廃棄物層高さHと燃焼量VFとの関係である燃焼状態を、図中矢印で示すようにして、計測点P22から基準燃焼量領域に移動する方向に制御される。
以上の制御は、燃焼点Fに基づく場合と燃焼量VFに基づく場合とでそれぞれ独立に行ったり、燃焼点Fに基づく制御と燃焼量VFに基づく制御とを関連させて行ったりすることが可能である。これにより、炉1内の廃棄物50の燃焼状態を良好に維持することができる。なお、燃焼点Fに基づく制御と燃焼量VFに基づく制御とが相反する場合には、燃焼判定部412が相反する制御を総合的に判断して、最終的な制御を決定するようにしても良い。以上により、本実施形態による炉1の制御処理が終了する。
(変形例)
次に、上述した一実施形態の変形例について説明する。図12は、抽出画像データの変形例を示す図である。変形例においては、図8に示すステップST3において燃焼判定部412は、透過画像データに対して、廃棄物50と他の物体との境界、すなわち廃棄物50と、廃棄物供給部12、段差壁13、および火格子4とのそれぞれの境界に対して境界線54を描画する。図12に示すように、境界生成部411は、例えば、透過画像データに対して、供給前廃棄物51と、段差壁13との境界に対して境界線541を描画する。境界生成部411は、火格子上廃棄物52と、段差壁13および火格子4との境界に対してそれぞれ、境界線542,544を描画する。以上により、境界生成部411は、透過画像データに対して境界線53が描画された境界画像データを生成する。境界生成部411は、生成した境界画像データを燃焼判定部412に出力する。
続いて、燃焼判定部412は、境界生成部411から入力された境界画像データに対して、火格子上廃棄物52における所定温度以上の燃焼部52A(領域A32)と所定温度未満の他の領域A31とを識別して境界線543を描画する。以上により、燃焼判定部412は、境界画像データに対して境界線543が描画された抽出画像データを生成する。なお、燃焼判定部412は、識別した燃焼部52Aに基づいて、境界線544を描画しても良い。また、燃焼判定部412は、撮像部26から入力された透過画像データに対して、境界線542および境界線543,544が描画された抽出画像データを生成しても良い。この場合、境界生成部411による境界画像データの生成処理は実行しなくても良い。すなわち、抽出画像データとしては、火格子上廃棄物52の存在領域を抽出でき、火格子上廃棄物52における燃焼部52Aと燃焼部52Aより低温の領域とが区別可能な画像データであれば良い。また、燃焼判定部412は、境界画像データにおいて所定温度以上の燃焼部52A(領域A32)と所定温度未満の他の領域A31とを識別した結果を境界生成部411に出力して、境界生成部411が、境界線542,543,544を描画しても良い。その他の構成は、上述した一実施形態と同様である。
以上説明した一実施形態によれば、焼却炉の炉1内における火格子4上の火格子上廃棄物52を撮像して、火格子上廃棄物52と他の物体が存在する領域との境界に、境界線53,54を生成して重畳させて描画し、さらに火格子上廃棄物52において燃焼温度が所定温度以上の領域を燃焼部52Aとして識別して、火格子上廃棄物52内の燃焼部52Aから取得可能な情報に基づいて、燃焼状態を取得していることにより、火格子焼却炉において、火格子4上に供給された廃棄物50の燃焼状態を把握することができる。すなわち、廃棄物層高さHと、燃焼点Fの位置情報または燃焼量VFとの関係から導出される燃焼状態を把握できるので、廃棄物50の燃焼を適切に制御でき、燃焼を安定化させることができる。
また、廃棄物層高さHに対して、適切な燃焼点Fが基準燃焼点領域として存在するため、火格子4上における現在の燃焼点Fが廃棄物層高さHと比較して著しく乖離している場合、例えば計測点P11,P12にある場合、現在の燃焼点Fと基準燃焼点領域との偏差量に応じた制御を行うことによって安定した燃焼制御が可能になる。また、燃焼量VFについても同様に、廃棄物層高さHに対して、適切な燃焼量VFが基準燃焼量領域として存在するため、抽出した燃焼部52Aにおける燃焼量VFが廃棄物層高さHと比較して著しく乖離している場合、例えば計測点P21,P22にある場合、現在の燃焼量VFと基準燃焼量領域との偏差量に応じた制御を行うことによって安定した燃焼制御が可能になる。さらに、燃焼点Fに基づいた制御と燃焼量VFとに基づいた制御を行うことによって、より安定した燃焼制御を行うことが可能になる。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよく、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により本発明は限定されることはない。
例えば、上述した一実施形態においては、境界識別学習モデル44aや燃焼状態学習モデル44bを記憶部44に格納しているが、ネットワークを通じて通信可能な他のサーバの記憶部に格納することも可能である。すなわち、境界識別学習モデル44aを、公衆回路網などのネットワークを介して燃焼判定装置40と通信可能な画像サーバの記憶部に格納しておくことも可能である。この場合、撮像部26が撮像した透過画像データは、ネットワークを介して画像サーバに送信されて記憶部に格納される。その後、画像サーバの制御部は、燃焼判定装置40からの要求に対応して、透過画像データに対して境界線53,54を描画して境界画像データを生成し、燃焼判定装置40に送信する。同様に、燃焼状態学習モデル44bを、ネットワークを通じて通信可能な判定サーバの記憶部に格納しておくことも可能である。この場合、判定サーバは、画像サーバの記憶部から透過画像データや境界画像データなどの画像データを受信して取得する。判定サーバの制御部は、取得した透過画像データや境界画像データに基づいて、燃焼部52Aを抽出して、廃棄物層高さH、燃焼点Fの位置情報、および燃焼量VFを導出して、燃焼制御装置30に送信する。換言すると、境界生成部411および学習部413の機能を備えた画像学習部と、学習部413および燃焼判定部412の機能を備えた燃焼学習部とを、互いにネットワークを介して通信可能な別の装置に設けても良い。さらに、境界生成部411と、燃焼判定部412と、学習部413とをそれぞれがネットワークを介して通信可能な別の装置に設けても良い。
また、例えば、上述した一実施形態においては、機械学習の一例としてニューラルネットワークを用いたディープラーニング(深層学習)を用いたが、それ以外の方法に基づく機械学習を行っても良い。例えば、サポートベクターマシン、決定木、単純ベイズ、k近傍法など、他の教師あり学習を用いても良い。また、教師あり学習に代えて半教師あり学習を用いても良い。
また、例えば、燃焼判定装置40が抽出した火格子上廃棄物52および燃焼部52Aから導出した、廃棄物層高さHと、燃焼点Fおよび燃焼量VFの少なくとも一方とに基づいて燃焼制御装置30が炉1を制御した際の、発電量や蒸気発生量などの結果を報酬とし、強化学習や深層強化学習などの機械学習を行って、境界識別学習モデル44aや燃焼状態学習モデル44bを生成したり更新したりしても良い。
また、例えば、上述した一実施形態においては、焼却炉として段差壁を有する火格子焼却炉を採用した例について説明したが、必ずしも火格子焼却炉に限定されない。段差壁を有する火格子焼却炉以外の焼却炉の場合、抽出画像データとしては、透過画像データに対して、廃棄物50と他の領域との境界以外に、廃棄物50の燃焼温度に基づいた等温線などを境界線として生成して、画像データに重畳描画した画像データを用いても良い。この場合、廃棄物50の燃焼温度に対して、例えば100℃ごとの等温線を生成して、境界線とすることができる。また、境界画像データとして、透過画像データに対して、廃棄物50と他の領域との境界以外に、焼却炉内の廃棄物を幾何学的に区別して境界線を生成して、重畳描画した画像データを用いても良い。この場合においても、境界画像データに対して、燃焼温度が所定温度以上の領域と所定温度未満の領域とを区別する境界線が描画された抽出画像データを生成することができる。すなわち、境界画像データとして、透過画像データに対して、廃棄物50と他の領域との境界以外に、焼却炉の構造に応じた種々の境界を設定して境界線を生成し、重畳描画した画像データを用いることが可能である。さらに、抽出画像データとして、廃棄物50の燃焼温度に基づいた等温線などを境界線として生成して、画像データに重畳描画した画像データを用いても良い。
(記録媒体)
上述の一実施形態において、燃焼制御装置30、または燃焼判定装置40が実行する処理方法を実行させるプログラムを、コンピュータその他の機械やウェアラブルデバイスなどの装置(以下、コンピュータなど、という)が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータなどに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、当該コンピュータなどが移動体制御装置として機能する。ここで、コンピュータなどが読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラムなどの情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータなどから読み取ることができる非一時的な記録媒体をいう。このような記録媒体のうちのコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、BD、DAT、磁気テープ、フラッシュメモリなどのメモリカードなどがある。また、コンピュータなどに固定された記録媒体としてハードディスク、ROMなどがある。さらに、SSDは、コンピュータなどから取り外し可能な記録媒体としても、コンピュータなどに固定された記録媒体としても利用可能である。
また、一実施形態による燃焼制御装置30、および燃焼判定装置40に実行させるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
(その他の実施形態)
一実施形態においては、上述した「部」を、「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御回路に読み替えることができる。
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」などの表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。すなわち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本開示のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 炉
1a 炉壁
2 廃棄物投入口
3 廃棄物供給装置
4 火格子
5 灰落下口
6 燃焼用空気ブロア
7 炉出口
8 煙突
9 ボイラ
9a 熱交換器
9b 蒸気ドラム
10 二次空気吹き込み口
11 二次空気ブロア
12 廃棄物供給部
13 段差壁
14 燃焼用空気ダンパ
14a,14b,14c,14d 火格子下燃焼用空気ダンパ
15 二次空気ダンパ
16 中間天井
17 燃焼室ガス温度計
18 主煙道ガス温度計
19 炉出口下部ガス温度計
20 炉出口中部ガス温度計
21 炉出口ガス温度計
22 ボイラ出口酸素濃度計
23 ガス濃度計
24 排ガス流量計
25 蒸気流量計
26 撮像部
30 燃焼制御装置
31,41 制御部
32,44 記憶部
33 操作量調整部
40 燃焼判定装置
42 出力部
43 入力部
44a 境界識別学習モデル
44b 燃焼状態学習モデル
50 廃棄物
51 供給前廃棄物
52 火格子上廃棄物
52A 燃焼部
53,531,532,532a,532b,54,541,542,543,544 境界線
331 燃焼用空気量調整部
332 空気量比率調整部
333 二次空気量調整部
334 廃棄物供給装置送り速度調整部
335 火格子送り速度調整部
411 境界生成部
412 燃焼判定部
413 学習部

Claims (12)

  1. ハードウェアを有する制御部を備え、
    前記制御部は、
    廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉内の前記廃棄物を含む領域が火炎を透過した状態で撮像されて得られた透過画像データを取得して記憶部に記憶させ、
    前記記憶部から読み出した前記透過画像データに基づいて、前記廃棄物の燃焼温度が所定温度以上の燃焼領域を抽出し、
    抽出した前記燃焼領域における前記廃棄物の燃焼量と前記廃棄物が燃え切る燃焼点の位置との少なくとも一方を導出し、
    前記記憶部から前記透過画像データを取得して、入力パラメータとして燃焼状態学習モデルに入力し、
    前記透過画像データに対して、前記廃棄物焼却炉内における前記燃焼領域と前記燃焼領域以外の領域との境界を識別して、前記境界の少なくとも一部を規定する境界線を生成して前記境界線を含む処理画像データを出力パラメータとして前記燃焼状態学習モデルから出力し、
    前記燃焼量は、前記燃焼領域の面積、前記燃焼領域における最高温度、および前記燃焼領域における温度積算値に基づく値であり、
    前記燃焼状態学習モデルは、前記透過画像データを学習用入力パラメータとし、前記透過画像データに対して前記境界線が描画された処理画像データを学習用出力パラメータとして、機械学習によって生成された学習モデルであ
    情報処理装置。
  2. ハードウェアを有する制御部を備え、
    前記制御部は、
    廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉内の前記廃棄物を含む領域が火炎を透過した状態で撮像されて得られた透過画像データを取得して記憶部に記憶させ、
    前記記憶部から読み出した前記透過画像データに基づいて、前記廃棄物の燃焼温度が所定温度以上の燃焼領域を抽出し、
    抽出した前記燃焼領域における、前記廃棄物の燃焼量と前記廃棄物が燃え切る燃焼点の位置との少なくとも一方を導出し、
    前記記憶部から読み出した前記透過画像データを入力パラメータとして取得し、前記透過画像データを燃焼状態学習モデルに入力し、
    前記廃棄物焼却炉内における前記燃焼領域と、前記燃焼領域以外の領域との境界を識別して、前記境界の少なくとも一部を規定する境界線を生成して、前記境界線を含む処理画像データを生成して出力パラメータとして出力し、
    前記燃焼量は、前記燃焼領域の面積、前記燃焼領域における最高温度、および前記燃焼領域における温度積算値に基づく値であり、
    前記燃焼状態学習モデルは、前記透過画像データを学習用入力パラメータとし、前記透過画像データに対して前記境界線が描画された処理画像データを学習用出力パラメータとして、機械学習によって生成された学習モデルである
    情報処理装置。
  3. 前記廃棄物焼却炉は、前記廃棄物を移動させる火格子を備え、
    前記境界線は、前記透過画像データにおいて前記廃棄物と前記火格子との境界に生成される
    請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. ハードウェアを有する制御部を備え、
    前記制御部は、
    廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉内の前記廃棄物を含む領域が火炎を透過した状態で撮像されて得られた透過画像データを取得して記憶部に記憶させ、
    前記記憶部から読み出した前記透過画像データに基づいて、前記廃棄物の燃焼温度が所定温度以上の燃焼領域を抽出し、
    抽出した前記燃焼領域における、前記廃棄物の面積、最高温度、および温度積算値に基づく燃焼量と前記廃棄物が燃え切る燃焼点の位置との少なくとも一方を導出し、
    前記記憶部から読み出した前記透過画像データに対して、前記廃棄物焼却炉内における前記燃焼領域と、前記燃焼領域以外の領域との境界を識別して、前記境界の少なくとも一部を規定する境界線を生成して、前記境界線を含む処理画像データを生成し、
    前記廃棄物焼却炉は、前記廃棄物を移動させる火格子を備え、
    前記境界線は、前記透過画像データにおいて前記廃棄物と前記火格子との境界に生成される
    情報処理装置。
  5. 前記制御部は、
    抽出した前記燃焼領域に基づいて、前記燃焼量および前記燃焼点の位置を導出する
    請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  6. ハードウェアを有する制御部を備え、前記制御部は、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉内の前記廃棄物を含む領域が火炎を透過した状態で撮像されて得られた透過画像データを取得して記憶部に記憶させ、前記記憶部から読み出した前記透過画像データに基づいて、前記廃棄物の燃焼温度が所定温度以上の燃焼領域を抽出し、抽出した前記燃焼領域における前記廃棄物の面積、最高温度、および温度積算値に基づく燃焼量と前記廃棄物が燃え切る燃焼点の位置との少なくとも一方を導出する情報処理装置によって得られた前記燃焼点および前記燃焼量の少なくとも一方を取得し、
    取得した前記燃焼点および前記燃焼量の少なくとも一方を記憶部に格納し、
    前記廃棄物の燃焼量と前記燃焼点の位置との少なくとも一方に基づいて、前記廃棄物焼却炉を制御する燃焼制御部を備え
    前記燃焼制御部は、
    前記廃棄物焼却炉内における前記廃棄物の層の高さに対応した前記燃焼量の所定範囲を基準燃焼量領域として前記記憶部から読み出し、
    前記情報処理装置から前記廃棄物の層の高さの情報と前記燃焼量の情報とを取得し、
    取得した前記廃棄物の層の高さおよび前記燃焼量と、前記基準燃焼量領域との乖離に基づいて、前記廃棄物焼却炉を制御す
    燃焼制御装置。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理装置によって導出された前記燃焼点および前記燃焼量の少なくとも一方を取得し、
    取得した前記燃焼点および前記燃焼量の少なくとも一方を記憶部に格納し、
    前記廃棄物の燃焼量と前記燃焼点の位置との少なくとも一方に基づいて、前記廃棄物焼却炉を制御する燃焼制御部を備える
    燃焼制御装置。
  8. 前記廃棄物焼却炉は、前記廃棄物を移動させる火格子と前記廃棄物を前記火格子上に供給する廃棄物供給手段とを備え、
    前記燃焼制御部は、
    前記廃棄物の燃焼量と前記燃焼点の位置との少なくとも一方に基づいて、前記廃棄物供給手段による前記廃棄物を供給する供給速度と、前記火格子の火格子速度との少なくとも一方を制御する
    請求項またはに記載の燃焼制御装置。
  9. 前記燃焼制御部は、
    前記廃棄物の燃焼量と前記燃焼点の位置との少なくとも一方に基づいて、空気の送風量と空気の温度との少なくとも一方を制御する
    請求項のいずれか1項に記載の燃焼制御装置。
  10. 前記燃焼制御部は、
    前記廃棄物焼却炉内における前記廃棄物の層の高さに対応した前記燃焼点の位置の所定範囲を基準燃焼点領域として前記記憶部から読み出し、
    前記情報処理装置から前記廃棄物の層の高さの情報と前記燃焼点の位置の情報とを取得し、
    取得した前記廃棄物の層の高さおよび前記燃焼点の位置と、前記基準燃焼点領域との乖離に基づいて、前記廃棄物焼却炉を制御する
    請求項のいずれか1項に記載の燃焼制御装置。
  11. ハードウェアを有する制御部を備えた情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
    前記制御部は、
    廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉内の前記廃棄物を含む領域が火炎を透過した状態で撮像されて得られた透過画像データを取得して記憶部に記憶させ、
    前記記憶部から読み出した前記透過画像データに基づいて、前記廃棄物の燃焼温度が所定温度以上の燃焼領域を抽出し、
    抽出した前記燃焼領域に基づいて、前記燃焼領域における前記廃棄物の燃焼量と前記燃焼領域における前記廃棄物が燃え切る燃焼点の位置との少なくとも一方を導出し、
    前記記憶部から前記透過画像データを取得して、入力パラメータとして燃焼状態学習モデルに入力し、
    前記透過画像データに対して、前記廃棄物焼却炉内における前記燃焼領域と前記燃焼領域以外の領域との境界を識別して、前記境界の少なくとも一部を規定する境界線を生成して前記境界線を含む処理画像データを出力パラメータとして前記燃焼状態学習モデルから出力し、
    前記燃焼量は、前記燃焼領域の面積、前記燃焼領域における最高温度、および前記燃焼領域における温度積算値に基づく値であり、
    前記燃焼状態学習モデルは、前記透過画像データを学習用入力パラメータとし、前記透過画像データに対して前記境界線が描画された処理画像データを学習用出力パラメータとして、機械学習によって生成された学習モデルであ
    情報処理方法。
  12. 廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉を制御する燃焼制御部を備えた燃焼制御装置が実行する燃焼制御方法であって、
    前記燃焼制御部は、
    廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉内の前記廃棄物を含む領域が測定されて得られた透過画像データから燃焼量および燃焼点の位置の少なくとも一方を導出する請求項1に記載の情報処理方法によって前記燃焼点および前記燃焼量の少なくとも一方を導出して取得し、
    取得した前記燃焼点および前記燃焼量の少なくとも一方を記憶部に格納し、
    前記廃棄物の燃焼量と前記燃焼点の位置との少なくとも一方に基づいて、前記廃棄物焼却炉を制御する
    燃焼制御方法。
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