JP7071437B2 - 燃焼炉の状態推定装置、プログラム及び方法並びに燃焼炉システム - Google Patents

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Description

本開示は、燃焼炉の状態推定装置、プログラム及び方法並びに燃焼炉システムに関する。
燃焼炉内を撮像して得られる画像に基づいて、燃焼炉の状態を判定したり燃焼炉の出力を予測したりすることが提案されている。
例えば、非特許文献1には、燃焼炉における燃焼状態の画像を入力とするディープニューラルネットワークを用いて、バイオマス燃焼炉の熱により生成される蒸気の温度を予測することが記載されている。
Pal Toth等著、「Image-baseddeep neural network prediction of the heat output of a step-grate biomassboiler」、Applied Energy 200、2017年、p.155-169
ところで、燃焼炉において、燃料の供給状態に応じて、排ガス組成(排ガス中の一酸化炭素(CO)濃度や窒素酸化物(NOx)濃度等)が変動することがある。例えば、ごみ等の不均質な燃料を燃焼するための燃焼炉では、燃料が過剰投入される事象(どか落ち)が発生することがあり、この場合、炉内の燃焼状態が不安定となり、排ガス中のCO濃度が急増する。そこで、燃料の過剰投入が発生した場合には、燃料の燃焼に伴うCO発生量を低減するための操作介入を迅速に行う必要がある。
従来、燃料の過剰投入の検知は、プラント運転員が、燃焼炉におけるセンサデータや燃焼炉内の画像を継続的に監視し、監視結果に基づいて燃料の過剰投入の発生有無を判定することにより行われるのが通常である。しかし、この場合、運転員毎に判定結果にバラツキがあったり、判定タイミングが遅れたりすることがある。燃料の過剰投入を適切に検知できない場合、上述の操作介入を適切に行うことができず、その結果、燃焼に伴うCO発生量を適切に抑制することができず、あるいは、燃焼炉における燃焼状態が不安定になるおそれがある。
そこで、燃焼炉における燃料供給状態(燃料の過剰投入の発生有無等)を適切に推定することができれば、この推定結果を用いることで、燃焼炉の適切な運転が容易になることが期待できる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、燃焼炉における燃料供給状態を適切に推定可能な燃焼炉の状態推定装置、プログラム及び方法並びに燃焼炉システムを提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼炉の状態推定装置は、
第1期間にわたる燃焼炉内の燃焼状態を示す時系列の複数の炉内画像データを入力とする第1モデル、及び、前記第1期間よりも長い第2期間にわたる前記燃焼炉内の状態を示す1以上の状態量の時系列の複数の計測値を入力とする第2モデルを取得するように構成されたモデル取得部と、
前記複数の炉内画像データ、及び、前記第1モデルを用いて、第1出力を算出するように構成された第1出力算出部と、
前記複数の計測値、及び、前記第2モデルを用いて、第2出力を算出するように構成された第2出力算出部と、
前記第1出力及び前記第2出力に基づいて、前記燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアを算出するスコア算出部と、
を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼炉システムは、
燃焼炉と、
前記燃焼炉の状態を推定するように構成された上述の状態推定装置と、
を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼炉の状態推定プログラムは、
コンピュータに、
第1期間にわたる燃焼炉内の燃焼状態を示す時系列の複数の炉内画像データを入力とする第1モデル、及び、前記第1期間よりも長い第2期間にわたる前記燃焼炉内の状態を示す1以上の状態量の時系列の複数の計測値を入力とする第2モデルを取得する手順と、
前記複数の炉内画像データ、及び、前記第1モデルを用いて、第1出力を算出する手順と、
前記複数の計測値、及び、前記第2モデルを用いて、第2出力を算出する手順と、
前記第1出力及び前記第2出力に基づいて、前記燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアを算出する手順と、
を実行させる。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼炉の状態推定方法は、
第1期間にわたる燃焼炉内の燃焼状態を示す時系列の複数の炉内画像データを入力とする第1モデル、及び、前記第1期間よりも長い第2期間にわたる前記燃焼炉内の状態を示す1以上の状態量の時系列の複数の計測値を入力とする第2モデルを取得するステップと、
前記複数の炉内画像データ、及び、前記第1モデルを用いて、第1出力を算出するステップと、
前記複数の計測値、及び、前記第2モデルを用いて、第2出力を算出するステップと、
前記第1出力及び前記第2出力に基づいて、前記燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアを算出するステップと、
を備える。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、燃焼炉における燃料供給状態を適切に推定可能な燃焼炉の状態推定装置、プログラム及び方法並びに燃焼炉システムが提供される。
本発明の一実施形態に係る状態推定装置が適用される燃焼炉システムの概略図である。 一実施形態に係る状態推定装置の概略的な機能ブロック図である。 一実施形態に係る状態推定方法の概略的なフローチャートである。 一実施形態に係る状態推定方法の概略的なフローチャートである。 一実施形態に係る状態推定装置による炉内状態の推定結果の一例を示す時間チャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(燃焼炉システムの構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る状態推定装置が適用される燃焼炉システムの概略図である。同図に示すように、燃焼炉システム1は、燃焼炉7と、燃焼炉7の炉内の状態を推定するように構成された状態推定装置10と、を備えている。
燃焼炉7は、都市ごみ又は産業廃棄物等を燃料Fgとするストーカ式のごみ焼却炉である。なお、本発明において、燃焼炉システムを構成する燃焼炉は、ごみ焼却炉に限定されない。図1に示す燃焼炉7は、燃焼室8と、燃焼室8の下部に位置する火格子73(ストーカ)と、燃料供給部70と、燃焼用気体供給部75と、を備えている。
燃料供給部70は、燃焼炉7に燃料Fgを供給するための燃料供給口71と、燃料供給口71に供給された燃料Fgを押し込んで火格子73上に投入するための燃料投入装置72と、を含む。燃料投入装置72により投入された燃料Fgは、火格子73上で乾燥、燃焼、おき燃焼される。燃焼室8は、火格子73上において燃料Fgが火炎を上げて盛んに燃える主燃焼領域81a及びおき燃焼するおき燃焼領域81bからなる一次燃焼領域81と、火格子73の上方における未燃分の燃料を燃焼させる二次燃焼領域82と、を含む。燃焼室8で燃焼された燃料は灰(燃焼灰)となり、灰排出口74より炉外に排出される。
燃焼用気体供給部75は、燃料Fgの燃焼に用いられる燃焼用気体を燃焼室8に供給するように構成される。燃焼用気体供給部75は、気体供給管77と、気体供給管77に設けられたブロワ76と、を含む。気体供給管77からの燃焼用気体は、第1流量調節弁78aを介して火格子73の下部から一次燃焼領域81に供給されるとともに、第2流量調節弁78bを介して燃焼炉7の側部から二次燃焼領域82に供給されるようになっていてもよい。
燃焼用気体は、空気等の可燃性気体を含むガスである。燃焼用気体は、例えば一次燃焼領域81から排出されるEGRガス(燃焼排ガス)と空気等の可燃性ガスを混合したものであってもよい。
燃料Fgが燃焼して生成される排ガスは、排ガス通路91を通って、排ガス処理装置(不図示)を経て煙突(不図示)から排出されるようになっていてもよい。
図1に示すように、燃焼炉システム1は、炉内を撮像するための(即ち、炉内における燃焼状態を示す画像を得るための)撮像装置32をさらに備えている。撮像装置32は、例えば動画像または静止画像の少なくとも一方が撮像可能な炉内カメラを含む。より具体的には、撮像装置32は、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、特定の波長を検知可能な赤外線カメラ等のカメラであっても良い。
図1に示す実施形態では、撮像装置32は、一次燃焼領域81の上方(図1では直上部)に位置する燃焼炉7の上部7cに設置されており、燃焼状態を真上から撮像するように構成されている。あるいは、幾つかの実施形態では、撮像装置32は燃焼炉7の側壁部7sなど、燃焼炉7の上部7c以外の位置に設置されても良い。例えば、側壁部7sにおける二次燃焼領域82を形成する部分や、そのさらに上の部分(上部7cにより近い部分)に撮像装置32を設置すると共に、一次燃焼領域81が位置する下方を撮像するように斜め下に向けて設置されても良い。
撮像装置32は、所定のサンプリング間隔(あるいはフレームレート)で連続的に炉内を撮像するように構成されている。撮像装置32によって撮像された燃料Fgの燃焼時の炉内の画像データ(炉内画像データ)は、状態推定装置10に送られるようになっている。なお、炉内画像データは、状態推定装置10に設けられる記憶装置に記憶(蓄積)されるようになっていてもよい。
また、図1に示すように、燃焼炉システム1は、炉内の状態を示す状態量を計測するためのセンサ34(34a~34d)を備えている。燃焼炉システム1に設けられるセンサ34は、例えば図1に示すように、炉内圧力を計測するための圧力センサ34a、炉内における燃焼温度を計測するための温度センサ34b、炉内の酸素(O)濃度を計測するための酸素濃度センサ34c、又は、炉内の一酸化炭素(CO)濃度を計測するためのCO濃度センサ34dを含んでいてもよい。なお、酸素濃度センサ34cやCO濃度センサ34dは、排ガス通路91に設けられていてもよい。
各センサ34は、所定のサンプリング間隔で連続的に上述の状態量の計測値を取得するように構成されている。各センサ34によって取得された計測値は、状態推定装置10に送られるようになっている。なお、上述の計測値は、状態推定装置10に設けられる記憶装置に記憶(蓄積)されるようになっていてもよい。
(燃焼炉の状態推定装置の構成)
図2は、一実施形態に係る状態推定装置10の概略的な機能ブロック図である。状態推定装置10は、燃焼炉7の炉内の状態を推定するように構成されるが、特に、燃焼炉7における燃料供給状態を推定するように構成されていてもよい。具体的には、図2に示す例示的な実施形態に係る状態推定装置10は、上述した燃料投入装置72によって火格子73上に燃料が過剰投入される事象(どか落ち)が発生したか否かを推定(判定)するように構成されている。
図2に示すように、状態推定装置10は、後述する第1モデルを取得するための第1モデル取得部12(モデル取得部)と、後述する第2モデルを取得するための第2モデル取得部18(モデル取得部)と、画像データ取得部14と、センサデータ取得部20と、第1出力算出部16と、第2出力算出部22と、スコア算出部24と、状態推定部26と、を備える。
なお、状態推定装置10は、プロセッサ(CPU又はGPU等)、及び記憶装置(ROM,RAM又は外部記憶装置等)を備えた計算機を含む。そして、メモリ(主記憶装置)にロードされたプログラム(状態推定プログラム)の命令に従ってプロセッサが動作(演算等)することで、状態推定装置10が備える上記の各機能部を実現する。換言すれば、上記のプログラムは、コンピュータに上記の各機能部を実現させるためのソフトウェアである。
第1モデル取得部12は、記憶部30に記憶された第1モデル40(図4参照)を取得するように構成される。第1モデル40は、第1期間T1にわたる燃焼炉7内の燃焼状態を示す時系列の複数の炉内画像データを入力とし、燃焼炉7内の状態を示す第1出力を出力するためのモデルである。
第2モデル取得部18は、記憶部30に記憶された第2モデル50(図4参照)を取得するように構成される。第2モデル50は、上述の第1期間T1よりも長い第2期間T2にわたる燃焼炉7内の状態を示す1以上の状態量の時系列の複数の計測値を入力とし、燃焼炉7内の状態を示す第2出力を出力するためのモデルである。
なお、記憶部30は、状態推定装置10を構成する計算機と同一筐体内に設けられていてもよく、あるいは、状態推定装置10を構成する計算機とは別の装置として設けられていてもよい。また、第1モデル40及び第2モデル50は、図2に示すように同一の記憶部30に記憶されていてもよく、あるいは別々の記憶部30に記憶されていてもよい。
画像データ取得部14は、撮像装置32で連続的に撮像された複数の炉内画像データを受け取るように構成される。
センサデータ取得部20は、各センサ34(34a~34d)で連続的に取得された複数の計測値を受け取るように構成される。
第1出力算出部16は、画像データ取得部14から複数の炉内画像データを受け取るとともに、第1モデル取得部12から第1モデル40を受け取り、受け取った複数の炉内画像データ及び第1モデルを用いて第1出力を算出するように構成される。
第2出力算出部22は、センサデータ取得部20から複数の複数の計測値を受け取るとともに、第2モデル取得部18から第2モデル50を受け取り、受け取った複数の計測値及び第2モデルを用いて第2出力を算出するように構成される。
スコア算出部24は、第1出力算出部16から第1出力を受け取るとともに、第2出力算出部22から第2出力を受け取り、受け取った第1出力及び第2出力を用いて、燃焼炉7における燃料供給状態を示すスコアを算出する。このスコアは、例えば、燃焼炉7において燃料Fgが過剰投入される事象(どか落ち)が発生した可能性の大きさを示すスコアであってもよい。
状態推定部26は、スコア算出部24からスコアを受け取り、該スコアに基づいて、燃料供給状態を推定(判定)するように構成されている。状態推定部26は、上述のスコアに基づいて、燃焼炉7において燃料のどか落ちが発生した否かを推定(判定)する(すなわち、どか落ちを検出する)ように構成されていてもよい。
状態推定部26での推定結果は、表示部36(ディスプレイ等)に出力されるようになっていてもよい。この場合、プラント運転員は、表示部36の表示内容に基づいて、燃焼炉7の操作を行うことができる。例えば、燃焼炉7において燃料のどか落ち発生が検出されたことが表示部36に表示されれば、プラント運転員は、この表示に基づいて、燃料の燃焼に伴うCO発生量を低減するための操作介入を行うことができる。なお、表示部36には、図5に示すチャート(後述)の形で、推定結果が表示されるようになっていてもよい。
(状態推定のフロー)
次に、図3及び図4を用いて、幾つかの実施形態における燃焼炉7の状態推定の流れについて説明する。図3及び図4は、それぞれ、一実施形態に係る状態推定方法の概略的なフローチャートである。図4では、第1モデル及び第2モデルにおけるデータの流れが模式的に示されている。なお、以下において、上述の状態推定装置10を用いて一実施形態にかかる状態推定方法を実行する場合について説明するが、幾つかの実施形態では、他の装置を用いて状態推定方法を実行するようにしてもよい。
図3に示すように、一実施形態では、第1モデル取得部12により第1モデル40を取得するとともに(S100)、画像データ取得部により、第1期間T1にわたる時系列の複数の炉内画像データを取得する(S200)。そして、第1出力算出部16により、複数の炉内画像データ及び第1モデル40を用いて第1出力を算出する(S300)。また、第2モデル取得部18により第2モデル50を取得するとともに(S400)、センサデータ取得部20により、第1期間T1よりも長い第2期間T2にわたる時系列の複数の計測値(センサデータ)を取得する(S500)。そして、第2出力算出部22により、複数の計測値及び第2モデル50を用いて第2出力を算出する(S600)。なお、S100~S600の順序は、S100及びS200の後にS300を行うこと、並びに、S400及びS500の後にS600を行うこと以外は特に限定されず、任意の順序で行ってもよい。
ステップS300における第1モデル40を用いた計算について説明する。図4に示すように、第1モデル40は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)の構造を有する第1畳み込み部42(図4では「CNN-A」と表記)及び第2畳み込み部44(図4では「CNN-B」と表記)と、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)の構造を有する第1再帰処理部46(図4では「LSTM-1」と表記)と、を含む。
第1モデル40の入力として、時刻(t-n×Δt)から時刻t(最新の時刻)までの第1期間T1にわたる、(n+1)個の各時刻における燃焼炉7内の燃焼状態を示す時系列の炉内画像データが用いられる。ただし、Δtは複数の炉内画像データのサンプリング間隔である。すなわち、第1期間T1の長さは(n×Δt)の長さに等しい。
時系列の複数の炉内画像データ、すなわち、各時刻(t,t-Δt,t-2×Δt,…,t-n×Δt)の炉内画像データは、各時刻に対応する第1畳み込み部42及び第2畳み込み部44に入力される。
なお、第1畳み込み部42と第2畳み込み部44には、それぞれ異なる画像データが入力されるようになっている。例えば、第1畳み込み部42には、各時刻において撮像して得られる画像をグレースケール処理して得られる画像データ(画像データA)が入力されるとともに、第2畳み込み部44には、各時刻において撮像して得られる画像に関してフレーム間差分処理をして得られる画像データ(画像データB)が入力されるようになっていてもよい。
第1畳み込み部42及び第2畳み込み部44では、上述の画像データを入力層の入力として、畳み込み層及びプーリング層を含む畳み込みニューラルネットワークを用いて、画像からの特徴の抽出、及び画像データの圧縮が行われる。第1畳み込み部42及び第2畳み込み部44の出力層での演算結果は、各時刻に対応する第1再帰処理部46の入力層の入力となる。
第1再帰処理部46では、時刻に関して再帰的な計算が行われる。すなわち、前の時刻(例えば時刻t-Δt)の中間層(隠れ層)の出力を次の時刻(例えば時刻t)の中間層の入力として用いて中間層の計算を行う。これを各時刻ごとに繰り返すことで、入力データの時間経過に伴う変化を考慮したモデル計算を行うことができる。なお、第1再帰処理部46を構成する再帰型ニューラルネットワークは、LSTM(Long Short-Term Memory)の構造を用いたものであってもよい。
第1再帰処理部46の出力層での演算結果に基づき、第1出力OUが得られる。第1出力OUは、時刻tにおける燃焼炉7内の状態を示すパラメータである。
ステップS600における第2モデル50を用いた計算について説明する。図4に示すように、第2モデル50は、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)の構造を有する第2再帰処理部52(図4では「LSTM-2」と表記)を含む。
第2モデル50の入力として、時刻(t-m×Δt)から時刻t(最新の時刻)までの第2期間T2にわたる、(m+1)個の各時刻における燃焼炉7内の状態を示す時系列の複数のセンサデータ(即ち、センサ34で取得される計測値)が用いられる。ただし、Δtは複数の炉内画像データのサンプリング間隔である。すなわち、第2期間T2の長さは(m×Δt)の長さに等しい。ここで、第2期間T2の長さは、第1期間T1の長さよりも長い。なお、第2モデル50の入力として、複数種類のセンサデータ(炉内圧力、燃焼温度、O濃度及びCO濃度)のうち1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
第2モデル50の入力として、上述の時系列の複数のセンサデータに加え、時刻(t-m×Δt)から時刻t(最新の時刻)までの第2期間T2にわたる、(m+1)個の各時刻における燃焼炉7の作動状態あるいは操作状態を示す時系列の複数のデータ(操作ログ)を用いてもよい。燃焼炉7の作動状態あるいは操作状態を示すデータは、例えば、燃料投入装置72の作動状態を示すデータ(例えば、ストロークが前進又は後退していることを示すパラメータ、又は、特定の操作コマンドがON又はOFFになっていることを示すパラメータ等)であってもよい。
また、第2モデル50の入力として、さらに、各時刻(例えばt)よりも1つ前の時刻(例えばt-Δt)における燃焼炉7における燃料供給状態を示すフラグ(例えば、1つ前の時刻に燃料が過剰投入される事象が生じたか否かを示すパラメータ)を用いてもよい。
時系列の複数の計測値等、すなわち、各時刻(t,t-Δt,t-2×Δt,…,t-m×Δt)のセンサデータ、及び/又は燃焼炉7の作動状態あるいは操作状態を示すデータ、及び/又は燃焼炉7における燃料供給状態を示すフラグは、それぞれ、各時刻に対応する第2再帰処理部52の入力層の入力となる。
第2再帰処理部52では、時刻に関して再帰的な計算が行われる。すなわち、前の時刻(例えば時刻t-Δt)の中間層(隠れ層)の出力を次の時刻(例えば時刻t)の中間層の入力として用いて中間層の計算を行う。これを各時刻ごとに繰り返すことで、入力データの時間経過に伴う変化を考慮したモデル計算を行うことができる。なお、第2再帰処理部52を構成する再帰型ニューラルネットワークは、LSTM(Long Short-Term Memory)の構造を用いたものであってもよい。
第2再帰処理部52の出力層での演算結果に基づき、第2出力OUが得られる。第2出力OUは、時刻tにおける燃焼炉7内の状態を示すパラメータである。
ここで、ステップS600において第2モデル50の入力となる時系列の複数のセンサデータの取得期間である第2期間T2の長さは、ステップS300において第1モデル40の入力となる時系列の複数の炉内画像データの取得期間である第1期間T1の長さの100倍以上10000倍以下であってもよい。
この場合、第1期間T1は第2期間T2に比べて大幅に短い。このため、データサイズが比較的大きい炉内画像データについて、第2期間T2よりも大幅に短い第1期間T1に取得される比較的少数のデータを用いることにより、計算負荷を効果的に低減することができる。
また、ステップS300における上述の時系列の複数の炉内画像データのサンプリング間隔Δtは、ステップS600における上述の時系列の複数のセンサデータのサンプリング間隔Δtよりも短い。
炉内燃焼状態の視覚的な情報を含む炉内画像データは、燃料供給状態の変化に対する応答が比較的速い。一方、炉内状態を示す状態量の計測値(センサデータ)は、燃料供給状態の変化に対する応答が比較的遅い。この点、上述のように、炉内画像データのサンプリング間隔Δtを比較的短く設定することにより、短時間での炉内燃焼状態の変化を第1モデル40に反映させて適切な第1出力を得ることができる。また、炉内状態を示す状態量の計測値のサンプリング間隔Δtが比較的長いので、長時間での状態量の変化を第2モデル50に反映させて適切な第2出力を得ることができるとともに、計算負荷を低減することができる。
上述のステップS300で第1出力OUが算出され、ステップS600で第2出力OUが算出されたら、第1出力OU及び第2出力OUに基づいて、時刻tでの燃焼炉7における燃料供給状態を示すスコアSを算出する(S700)。ここでは、上述のスコアは、時刻tにて燃焼炉7において燃料の過剰供給される事象(多量の燃料が一度に投入される事象;どか落ち)が発生した可能性の大きさを示すスコアである。
ステップS700では、スコアSを算出するために、第1出力OUと第2出力OUとの線形結合Bを算出するようにしてもよい(S702;図4参照)。ここで、線形結合Bは、下記式で表現できる。
B=A×OU+(1-A)×OU
また、S700では、スコアを規定範囲内に収めるため、上述の結合処理(S702)の結果に対しスケーリング処理を施すことにより、スコアを算出するようにしてもよい(S704)。ステップS704では、結合処理(S702)の結果に対し、シグモイド関数を適用することで0以上1以下の数値範囲内に調整したものをスコアSとして取得するようにしてもよい。この場合、スコアSが1に近いほど燃焼炉7にてどか落ちが発生した可能性が高く、スコアSが0に近いほどどか落ちが発生した可能性が低いことを示す。
ステップS700に次いで、スコアSを用いて、燃焼炉7の状態を推定する(S800)。具体的には、燃焼炉7にてどか落ちが発生したか否かの推定(判定)を行う。ステップS800では、ステップS700で算出したスコアSと閾値Sとの比較に基づき、時刻tにてどか落ちが発生したか否かを推定するようにしてもよい。すなわち、スコアSが閾値Sよりも大きい場合に時刻tにてどか落ちが発生したと判定し、スコアSが閾値S以下である場合に時刻tにてどか落ちが発生していないと判定してもよい。
(状態推定結果の例)
ここで、図5は、一実施形態に係る状態推定装置10を用いて上述したフローに従い算出されるスコアS、及び、スコアSに基づく炉内状態の推定結果(どか落ち検出結果)の一例を示す時間チャートである。図5のチャートにおいて、三角印は、算出したスコアSと閾値Sとの比較に基づき、どか落ちが発生したと推定(検出)されたことを示し、丸印は、実際にどか落ちが発生したことを示すものである。
図5のチャートからわかるように、実際にどか落ちが発生したタイミングで、各時刻に対応して算出されるスコアSに基いてどか落ちが発生したと推定(検出)されていることがわかる。また、実際にどか落ちが発生していないタイミングで、どか落ちが発生したと推定(検出)した誤検出の頻度は少ない。したがって、上述した状態推定装置10及びフローに基づき、燃焼炉7におけるどか落ちの発生を精度良く推定(検出)できることがわかる。
なお、上述した実施形態に係る状態推定装置10及び状態推定方法で用いる第1モデル40及び第2モデル50は、それぞれ、すでに教師データを用いて機械学習を行った学習済みのモデルである。第1モデル40及び第2モデル50をさらに学習させることで、燃料の供給状態をより精度良く推定できることが期待できる。
第1モデル40及び第2モデルの機械学習における教師データとして、熟練運転員等によるどか落ち発生の判断結果を用いるため、燃焼炉7の燃焼状態の分類や燃焼減少に関する深い知見を用いずに第1モデル40及び第2モデル50を比較的容易に学習させることができる。
なお、第1モデル40及び第2モデル50の機械学習においては、過学習を抑制するためのドロップアウト処理等を行ってもよい。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼炉(7)の状態推定装置(10)は、
第1期間(T1)にわたる燃焼炉内の燃焼状態を示す時系列の複数の炉内画像データを入力とする第1モデル(40)、及び、前記第1期間よりも長い第2期間(T2)にわたる前記燃焼炉内の状態を示す1以上の状態量の時系列の複数の計測値を入力とする第2モデル(50)を取得するように構成されたモデル取得部(12,18)と、
前記複数の炉内画像データ、及び、前記第1モデルを用いて、第1出力(OU)を算出するように構成された第1出力算出部(16)と、
前記複数の計測値、及び、前記第2モデルを用いて、第2出力(OU)を算出するように構成された第2出力算出部(22)と、
前記第1出力及び前記第2出力に基づいて、前記燃焼炉における燃料供給状態を示すスコア(S)を算出するスコア算出部(24)と、
を備える。
炉内燃焼状態の視覚的な情報を含む炉内画像データは、燃料供給状態の変化に対する応答が比較的速い。一方、炉内状態を示す状態量の計測値(センサデータ)は、燃料供給状態の変化に対する応答が比較的遅い。この点、上記(1)の構成によれば、比較的短い第1期間にわたる時系列の炉内画像データを入力とする第1モデルと、比較的長い第2期間にわたる時系列の計測値を入力とする第2モデルとを組み合わせることにより、燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアを算出する。したがって、このスコアに基づいて、燃焼炉における燃料供給状態(例えば燃料の過剰投入の発生有無)を適切に推定することができる。
また、上記(1)の構成によれば、データサイズが比較的大きい炉内画像データについて、比較的短期間に取得される比較的少数のデータを用いるので、計算負荷を低減しながら、燃焼炉における燃料供給状態を適切に推定することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記状態推定装置は、
前記スコアと閾値の比較に基づいて、前記燃料供給状態を推定する状態推定部(26)をさらに備える。
上記(2)の構成によれば、燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアと閾値との比較に基づいて、燃焼炉における燃料供給状態(例えば燃料の過剰投入の発生有無)を簡易かつ適切に推定することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記第2期間の長さは、前記第1期間の長さの100倍以上10000倍以下である。
上記(3)の構成では、第2期間の長さは、第1期間の長さの100倍以上10000倍以下であり、第1期間は第2期間に比べて大幅に短い。よって、データサイズが比較的大きい炉内画像データについて、第2期間よりも大幅に短い第1期間に取得される比較的少数のデータを用いることにより、計算負荷を効果的に低減しながら、燃焼炉における燃料供給状態を適切に推定することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記複数の炉内画像データのサンプリング間隔(Δt)は、前記複数の計測値のサンプリング間隔(Δt)よりも短い。
炉内燃焼状態の視覚的な情報を含む炉内画像データは、燃料供給状態の変化に対する応答が比較的速い。一方、炉内状態を示す状態量の計測値(センサデータ)は、燃料供給状態の変化に対する応答が比較的遅い。この点、上記(4)の構成によれば、炉内画像データのサンプリング間隔が比較的短いので、短時間での炉内燃焼状態の変化を第1モデルに反映させて適切な第1出力を得ることができる。また、炉内状態を示す状態量の計測値のサンプリングが比較的長いので、長時間での状態量の変化を第2モデルに反映させて適切な第2出力を得ることができるとともに、計算負荷を低減することができる。よって、上記(4)の構成によれば、燃焼炉における燃料供給状態をより適切に推定することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、
前記スコア算出部は、前記第1出力と前記第2出力との線形結合に基づき前記スコアを算出するように構成される。
上記(5)の構成によれば、
第1モデルからの第1出力、及び、第2モデルからの第2出力との線形結合に基づき、燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアを容易に算出することができる。よって、計算負荷を効果的に低減しながら、燃焼炉における燃料供給状態を適切に推定することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記燃料供給状態を示す前記スコアは、前記燃焼炉において燃料が過剰投入される事象が発生した可能性を示す値である。
上記(6)の構成によれば、燃焼炉において燃料の過剰投入(どか落ち)が発生した可能性を示すスコアが算出されるので、このスコアに基づいて、燃焼炉における燃料の過剰投入の発生有無を適切に推定することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記第1モデル又は前記第2モデルの少なくとも一方は、再帰型ニューラルネットワークを含む。
上記(7)の構成によれば、時系列データの扱いに適した再帰型ニューラルネットワークを含む第1モデル又は第2モデルを用いるので、燃焼炉の過去の燃焼状態を考慮に入れて算出される第1出力又は第2出力に基づいて、燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアを算出することができる。よって、このスコアに基づいて、燃焼炉における燃料供給状態をより適切に推定することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記1以上の状態量は、燃焼炉内の圧力、燃焼温度、酸素濃度又は一酸化炭素濃度を含む。
上記(8)の構成によれば、第2モデルの入力として燃焼炉内の圧力、燃焼温度、酸素濃度又は一酸化炭素濃度を採用するので、第2モデルを用いて、燃焼炉における燃料供給状態を示す第2出力を適切に算出することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、
前記第2モデルは、前記1以上の状態量の複数の計測値に加え、前記燃焼炉の作動状態を示す時系列の複数のデータを入力とする。
上記(9)の構成によれば、第2モデルの入力として、炉内状態を示す状態量に加え、燃焼炉の作動状態を示すデータを採用するので、第2モデルを用いて、燃焼炉における燃料供給状態を示す第2出力をより適切に算出することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記燃焼炉の作動状態を示すデータは、前記燃焼炉内の燃焼領域に燃料を投入するための燃料投入装置(72)の作動状態を示すデータを含む。
上記(10)の構成によれば、第2モデルの入力として、燃料投入装置の作動状態を示すデータを採用するので、第2モデルを用いて、燃焼炉における燃料供給状態を示す第2出力をより適切に算出することができる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼炉システム(1)は、
燃焼炉(7)と、
前記燃焼炉の状態を推定するように構成された上記(1)乃至(10)の何れか一項に記載の状態推定装置(10)と、
を備える。
上記(11)の構成によれば、比較的短い第1期間にわたる時系列の炉内画像データを入力とする第1モデルと、比較的長い第2期間にわたる時系列の計測値を入力とする第2モデルとを組み合わせることにより、燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアを算出する。したがって、このスコアに基づいて、燃焼炉における燃料供給状態(例えば燃料の過剰投入の発生有無)を適切に推定することができる。
また、上記(11)の構成によれば、データサイズが比較的大きい炉内画像データについて、比較的短期間に取得される比較的少数のデータを用いるので、計算負荷を低減しながら、燃焼炉における燃料供給状態を適切に推定することができる。
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼炉(7)の状態推定プログラムは、
コンピュータに、
第1期間(T1)にわたる燃焼炉内の燃焼状態を示す時系列の複数の炉内画像データを入力とする第1モデル(40)、及び、前記第1期間よりも長い第2期間(T2)にわたる前記燃焼炉内の状態を示す1以上の状態量の時系列の複数の計測値を入力とする第2モデル(50)を取得する手順と、
前記複数の炉内画像データ、及び、前記第1モデルを用いて、第1出力(OU)を算出する手順と、
前記複数の計測値、及び、前記第2モデルを用いて、第2出力(OU)を算出する手順と、
前記第1出力及び前記第2出力に基づいて、前記燃焼炉における燃料供給状態を示すスコア(S)を算出する手順と、
を実行させる。
炉内燃焼状態の視覚的な情報を含む炉内画像データは、燃料供給状態の変化に対する応答が比較的速い。一方、炉内状態を示す状態量の計測値(センサデータ)は、燃料供給状態の変化に対する応答が比較的遅い。この点、上記(12)のプログラムによれば、比較的短い第1期間にわたる時系列の炉内画像データを入力とする第1モデルと、比較的長い第2期間にわたる時系列の計測値を入力とする第2モデルとを組み合わせることにより、燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアを算出する。したがって、このスコアに基づいて、燃焼炉における燃料供給状態(例えば燃料の過剰投入の発生有無)を適切に推定することができる。
また、上記(12)のプログラムによれば、データサイズが比較的大きい炉内画像データについて、比較的短期間に取得される比較的少数のデータを用いるので、計算負荷を低減しながら、燃焼炉における燃料供給状態を適切に推定することができる。
(13)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼炉(7)の状態推定方法は、
第1期間(T1)にわたる燃焼炉内の燃焼状態を示す時系列の複数の炉内画像データを入力とする第1モデル(40)、及び、前記第1期間よりも長い第2期間(T2)にわたる前記燃焼炉内の状態を示す1以上の状態量の時系列の複数の計測値を入力とする第2モデル(50)を取得するステップ(S100,S400)と、
前記複数の炉内画像データ、及び、前記第1モデルを用いて、第1出力(OU)を算出するステップ(S300)と、
前記複数の計測値、及び、前記第2モデルを用いて、第2出力(OU)を算出するステップ(S600)と、
前記第1出力及び前記第2出力に基づいて、前記燃焼炉における燃料供給状態を示すスコア(S)を算出するステップ(S700)と、
を備える。
炉内燃焼状態の視覚的な情報を含む炉内画像データは、燃料供給状態の変化に対する応答が比較的速い。一方、炉内状態を示す状態量の計測値(センサデータ)は、燃料供給状態の変化に対する応答が比較的遅い。この点、上記(13)の方法によれば、比較的短い第1期間にわたる時系列の炉内画像データを入力とする第1モデルと、比較的長い第2期間にわたる時系列の計測値を入力とする第2モデルとを組み合わせることにより、燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアを算出する。したがって、このスコアに基づいて、燃焼炉における燃料供給状態(例えば燃料の過剰投入の発生有無)を適切に推定することができる。
また、上記(13)の方法によれば、データサイズが比較的大きい炉内画像データについて、比較的短期間に取得される比較的少数のデータを用いるので、計算負荷を低減しながら、燃焼炉における燃料供給状態を適切に推定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 燃焼炉システム
7 燃焼炉
7c 上部
7s 側壁部
8 燃焼室
10 状態推定装置
12 第1モデル取得部
14 画像データ取得部
16 第1出力算出部
18 第2モデル取得部
20 センサデータ取得部
22 第2出力算出部
24 スコア算出部
26 状態推定部
30 記憶部
32 撮像装置
34 センサ
34a 圧力センサ
34b 温度センサ
34c 酸素濃度センサ
34d CO濃度センサ
36 表示部
40 第1モデル
42 込み部
44 込み部
46 第1再帰処理部
50 第2モデル
52 第2再帰処理部
70 燃料供給部
71 燃料供給口
72 燃料投入装置
73 火格子
74 灰排出口
75 燃焼用気体供給部
76 ブロワ
77 気体供給管
78a 第1流量調節弁
78b 第2流量調節弁
81 一次燃焼領域
81a 主燃焼領域
81b 燃焼領域
82 二次燃焼領域
91 排ガス通路
Fg 燃料

Claims (13)

  1. 第1期間にわたる燃焼炉内の燃焼状態を示す時系列の複数の炉内画像データを入力とする第1モデル、及び、前記第1期間よりも長い第2期間にわたる前記燃焼炉内の状態を示す1以上の状態量の時系列の複数の計測値を入力とする第2モデルを取得するように構成されたモデル取得部と、
    前記複数の炉内画像データ、及び、前記第1モデルを用いて、第1出力を算出するように構成された第1出力算出部と、
    前記複数の計測値、及び、前記第2モデルを用いて、第2出力を算出するように構成された第2出力算出部と、
    前記第1出力及び前記第2出力に基づいて、前記燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアを算出するスコア算出部と、
    を備える燃焼炉の状態推定装置。
  2. 前記スコアと閾値の比較に基づいて、前記燃料供給状態を推定する状態推定部をさらに備える
    請求項1に記載の燃焼炉の状態推定装置。
  3. 前記第2期間の長さは、前記第1期間の長さの100倍以上10000倍以下である
    請求項1又は2に記載の燃焼炉の状態推定装置。
  4. 前記複数の炉内画像データのサンプリング間隔は、前記複数の計測値のサンプリング間隔よりも短い
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の燃焼炉の状態推定装置。
  5. 前記スコア算出部は、前記第1出力と前記第2出力との線形結合に基づき前記スコアを算出するように構成された
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の燃焼炉の状態推定装置。
  6. 前記燃料供給状態を示す前記スコアは、前記燃焼炉において燃料が過剰投入される事象が発生した可能性を示す値である
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の燃焼炉の状態推定装置。
  7. 前記第1モデル又は前記第2モデルの少なくとも一方は、再帰型ニューラルネットワークを含む
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の燃焼炉の状態推定装置。
  8. 前記1以上の状態量は、燃焼炉内の圧力、燃焼温度、酸素濃度又は一酸化炭素濃度を含む
    請求項1乃至7の何れか一項に記載の燃焼炉の状態推定装置。
  9. 前記第2モデルは、前記1以上の状態量の複数の計測値に加え、前記燃焼炉の作動状態を示す時系列の複数のデータを入力とする
    請求項1乃至8の何れか一項に記載の燃焼炉の状態推定装置。
  10. 前記燃焼炉の作動状態を示すデータは、前記燃焼炉内の燃焼領域に燃料を投入するための燃料投入装置の作動状態を示すデータを含む
    請求項9に記載の燃焼炉の状態推定装置。
  11. 燃焼炉と、
    前記燃焼炉の状態を推定するように構成された請求項1乃至10の何れか一項に記載の状態推定装置と、
    を備えることを特徴とする燃焼炉システム。
  12. コンピュータに、
    第1期間にわたる燃焼炉内の燃焼状態を示す時系列の複数の炉内画像データを入力とする第1モデル、及び、前記第1期間よりも長い第2期間にわたる前記燃焼炉内の状態を示す1以上の状態量の時系列の複数の計測値を入力とする第2モデルを取得する手順と、
    前記複数の炉内画像データ、及び、前記第1モデルを用いて、第1出力を算出する手順と、
    前記複数の計測値、及び、前記第2モデルを用いて、第2出力を算出する手順と、
    前記第1出力及び前記第2出力に基づいて、前記燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアを算出する手順と、
    を実行させるための燃焼炉の状態推定プログラム。
  13. 第1期間にわたる燃焼炉内の燃焼状態を示す時系列の複数の炉内画像データを入力とする第1モデル、及び、前記第1期間よりも長い第2期間にわたる前記燃焼炉内の状態を示す1以上の状態量の時系列の複数の計測値を入力とする第2モデルを取得するステップと、
    前記複数の炉内画像データ、及び、前記第1モデルを用いて、第1出力を算出するステップと、
    前記複数の計測値、及び、前記第2モデルを用いて、第2出力を算出するステップと、
    前記第1出力及び前記第2出力に基づいて、前記燃焼炉における燃料供給状態を示すスコアを算出するステップと、
    を備える燃焼炉の状態推定方法。
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