JP2014126886A - プラント運転支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】デジタルデータ及びアナログデータを用いて異常の原因を精度良く特定することが可能なプラント運転支援システムを提供する。
【解決手段】プラント運転支援システムとしての中央制御室20において、プラントの運転状態に関するデジタルデータD1と、アナログデータとがあり、入力装置22及び出力装置23が接続される制御装置21を備え、制御装置21は、デジタルデータD1と、アナログデータが変換されるデジタル変換データD2と、デジタルデータD1及びデジタル変換データD2に関連付けられる異常の原因を特定するための異常原因特定データD4とを格納すると共に、異常検出時におけるデジタルデータD1及びデジタル変換データD2に基づいて、異常原因特定データD4から異常の原因を探索する。
【選択図】図2
【解決手段】プラント運転支援システムとしての中央制御室20において、プラントの運転状態に関するデジタルデータD1と、アナログデータとがあり、入力装置22及び出力装置23が接続される制御装置21を備え、制御装置21は、デジタルデータD1と、アナログデータが変換されるデジタル変換データD2と、デジタルデータD1及びデジタル変換データD2に関連付けられる異常の原因を特定するための異常原因特定データD4とを格納すると共に、異常検出時におけるデジタルデータD1及びデジタル変換データD2に基づいて、異常原因特定データD4から異常の原因を探索する。
【選択図】図2
Description
本発明は、プラントの運転を支援するためのプラント運転支援システムに関するものである。
従来、プラントの運転状況、特に異常を診断するものとして、プラント運転診断装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このプラント運転診断装置では、入力されたトレンドデータから、プラントの傾向を判断し、判断された傾向から、プラントの運転状況の度合いを診断すると共に、診断されたプラントの運転状況を表示部に表示している。
ところで、プラントとして、例えば、性状が変動する可燃物を燃焼させるプラントがある。具体的に、性状が変動する可燃物としては、重油から軽油への精製過程で副生される重質残渣、バイオマス、ゴミ、廃タイヤ等がある。このような可燃物を燃焼させる場合は、プラントの運転員が可燃物の性状を判断して、プラントを運転する。このとき、可燃物の性状は、日報等に記載され、アナログな情報として取り扱われる。このように、アナログな情報として取り扱われるものとしては、例えば、可燃物の性状に限らず、プラントに設けられる独立した計器、または、運転員の点検時において確認されたプラントの異音等がある。
ここで、特許文献1のプラント運転診断装置では、検出器によって検出されたプラントデータがデータベースに記憶され、プラントデータのトレンドデータに基づいて、プラントの運転状況を診断している。このため、特許文献1のプラント運転診断装置では、検出器により検出ができない情報、すなわち、アナログな情報に基づいて、プラントの運転状況を診断することが難しく、精度良く運転状況を診断することに改善の余地がある。
そこで、本発明は、デジタルデータだけでなく、アナログデータを用いて異常の原因を精度良く特定することが可能なプラント運転支援システムを提供することを課題とする。
本発明のプラント運転支援システムは、性状が変動する可燃物を燃焼させるプラントの運転を支援するためのプラント運転支援システムにおいて、前記プラントの運転状態に関するデジタルな情報であるデジタルデータと、前記プラントの運転状態に関するアナログな情報であるアナログデータとがあり、入力装置及び出力装置が接続される制御装置を備え、前記制御装置は、前記デジタルデータと、前記アナログデータから前記入力装置を介してデジタルな情報として変換されるデジタル変換データと、前記デジタルデータ及び前記デジタル変換データに関連付けられる異常の原因を特定するための異常原因特定データとを格納すると共に、異常検出時における前記デジタルデータ及び前記デジタル変換データに基づいて、前記異常原因特定データから異常の原因を探索することを特徴とする。
この構成によれば、制御装置は、プラントの運転状態に関する情報であるデジタルデータ及びアナログデータに基づいて、異常の原因を探索することができる。このため、制御装置は、デジタルデータだけでなく、アナログデータが変換されたデジタル変換データを用いて、異常の原因を探索することができるため、プラントの異常の原因を精度良く特定することが可能となる。
この場合、前記アナログデータは、前記可燃物の性状に関する性状データを含むことが好ましい。
この構成によれば、アナログデータとなる可燃物の性状を、デジタル変換データに変換することができる。このため、デジタルな情報として取り扱うことが難しい可燃物の性状を、デジタル変換データに変換して、プラントの異常の原因を探索することができることから、プラントの異常の原因をより精度良く特定することが可能となる。
この場合、前記制御装置は、前記デジタルデータ及び前記デジタル変換データに基づいて、前記異常原因特定データから異常の原因を探索した結果、前記デジタル変換データが不足していると判定した場合、不足している前記デジタル変換データに対応する前記アナログデータを取得する旨を、前記出力装置を介して報知することが好ましい。
この構成によれば、不足しているアナログデータを、プラントの運転員に報知することができる。このため、運転員が、取得したアナログデータを、入力装置を介してデジタル変換データとして制御装置に入力することで、制御装置は、不足しているアナログデータに対応するデジタル変換データを取得することができる。そして、制御装置は、入力されたデジタル変換データに基づいて、プラントの異常の原因を探索することができることから、プラントの異常の原因をより精度良く特定することが可能となる。
この場合、前記制御装置は、前記デジタルデータ及び前記デジタル変換データに基づいて、前記異常原因特定データから異常の原因を探索した結果、異常の原因を特定した場合、特定した異常の原因に対する対策を、前記出力装置を介して報知することが好ましい。
この構成によれば、制御装置は、プラントの運転員に、特定した異常の原因に対応した対策を報知することができる。このため、運転員が、報知された対策を行うことで、プラントの異常を早期に解消して、プラントを迅速に正常運転させることができる。
以下に、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施例に係るゴミ焼却プラントの概略構成図である。プラント運転支援システムは、性状が変動する可燃物を燃焼させるプラントの運転を支援するためのシステムである。ここで、性状が変動する可燃物としては、重油から軽油への精製過程で副生される重質残渣、バイオマス(紙くず、木くず)、ゴミ、廃タイヤ等がある。以下では、可燃物としてゴミを適用し、プラントとして、ゴミ焼却プラント10に適用した場合について説明する。なお、本実施例では、ゴミ焼却プラント10に適用したが、この構成に限らない。例えば、可燃物として重質残渣を適用し、プラントとして、重質残渣を燃料として用いて発電を行う発電プラントに適用してもよい。
ここで、ゴミの性状は、例えば、生ゴミの割合によって変化する。生ゴミは、水分の含有量が多いため、焼却するゴミに対し、生ゴミの割合が多くなると燃え難くなる一方で、生ゴミの割合が少なくなると燃え易くなる。
図1に示すように、ゴミ焼却プラント10(以下、単にプラントとも言う)は、ゴミ供給機15と、焼却炉16と、排ガス処理装置17と、灰溶融装置18と、煙突19と、中央制御室20とを備えている。なお、図示は省略するが、ゴミ焼却プラント10は、ゴミを焼却する際に発生する熱により蒸気を発生させ、発生させた蒸気によりタービンを回転させて発電を行う発電設備が組み込まれる場合がある。
ゴミ供給機15は、ゴミ集積場(ゴミピット)に集積されたゴミを焼却炉16に投入する。焼却炉16は、投入されたゴミを焼却し、焼却により発生した焼却灰を炉外に排出する。また、焼却炉16は、ゴミの焼却によって発生した排ガスを、排ガス処理装置17へ向けて排気する。排ガス処理装置17は、集じん装置及び脱硝装置等を含み、集じん装置により排ガスに含まれる煤塵を除去すると共に、脱硝装置により排ガス中の窒素酸化物を除去することで、排ガスを浄化する。そして、排ガス処理装置17は、浄化された排ガスを煙突19へ向けて排気する。そして、煙突19は、浄化された排ガスを排出する。灰溶融装置18は、焼却炉16から排出された灰を溶融して溶融スラグとし、この後、溶融スラグを冷却して固化した後、排出する。
図2は、中央制御室の概略構成図である。中央制御室20は、ゴミ焼却プラント10の運転を監視したり、運転を支援したりするものである。つまり、中央制御室20は、プラント運転支援システムとして機能している。中央制御室20は、制御装置21と、入力装置22と、出力装置23とを有している。
入力装置22は、例えば、キーボード及びマウスの他、制御装置21と無線通信が可能な後述する携帯端末22a等を含んで構成されている。入力装置22は、プラント10の運転員により操作され、後述するアナログデータを制御装置21に入力するときに使用される。
出力装置23は、例えば、モニタの他、異常を報知するための警報機等を含んで構成されている。出力装置23は、プラント10の運転員に各種情報を報知したり、プラント10の運転状況を表示したりするときに使用される。
制御装置21は、各種データに基づいて、プラント10の運転を制御している。具体的に、制御装置21は、異常を検出して報知したり、異常の原因を特定したり、また、特定した異常の原因に応じた対策を報知したりする。また、制御装置21には、プラント10内の圧力を検出する圧力計及びプラント10内の温度を検出する温度計等の複数の計器31が接続されている。このため、制御装置21は、接続されている計器31からのデジタルな情報をデジタルデータとして取得する。そして、制御装置21は、デジタルデータを制御値として用いることが可能となっている。
また、制御装置21には、カメラ32が接続されており、カメラ32として、焼却炉16の炉内を撮像するカメラ32a、及び灰溶融装置18の出滓口から排出される溶融スラグを撮像するカメラ32b等を含んでいる。制御装置21は、接続されているカメラ32から撮影画像を取得する。一方で、制御装置21は、取得した撮影画像を制御値として用いることが不能となっている。また、ゴミ焼却プラント10には、制御装置21に接続されていない独立した計器33が設けられている。制御装置21は、接続されていない計器33から、その計器33の情報を取得することが不能となっている。このように、制御値として用いることができないアナログな情報であるアナログデータは、入力装置22を介して制御装置21に入力されたり、また、制御装置21により解析処理されたりすることで、デジタルな情報であるデジタル変換データとして変換される。
ここで、図3を参照して、アナログデータをデジタル変換データに変換する一例について説明する。図3は、独立した計器の情報をデジタル変換データに変換する説明図である。図4は、電子化された日報の説明図である。図5は、カメラの撮影画像をデジタル変換データに変換する説明図である。アナログデータは、上記した接続されていない計器33の情報、上記したカメラ32a,32bの撮影画像の他、プラント10の運転員による点検時において確認した情報等がある。
先ず、図3を参照して、接続されていない計器33のアナログデータをデジタル変換データに変換する場合について説明する。計器33は、目盛33aと、所定の値を指し示す針33bとを含んで構成されている。また、計器33には、2次元コードCが付されている。2次元コードCには、タグ番号(TAG No)に関する情報、及び計測箇所に関する情報が格納されている。運転員は、入力装置22である携帯端末22aを持っている。携帯端末22aは、制御装置21に無線通信により接続可能となっており、カメラを搭載している。運転員は、携帯端末22aに搭載されたカメラにより、計器33の目盛33a、針33b及び2次元コードCを含むように撮影し、カメラにより撮影した撮影画像を、制御装置21へ向けて送信する。制御装置21は、撮影画像を受信すると、撮影画像を画像解析することで、2次元コードCに格納されている情報を読み取ると共に、針33bが指し示す目盛33aの指示値を読み取る。そして、制御装置21は、これらの情報を関連付けたデジタルな情報として取得することで、デジタル変換データD2として取得することができる。計器33のデジタル変換データD2としては、タグ番号、計測箇所、計測時刻及び指示値が関連付けられたデータとなっている。なお、2次元コードCとしては、QRコード(登録商標)、またはバーコード等がある。
続いて、図4を参照して、運転員による点検時において確認された情報に基づいて作成される電子化された日報Tについて説明する。日報Tは、制御装置21に格納されており、入力装置21を介して所定の項目が入力されることで作成される。日報Tは、複数の項目を有しており、左側の列から順に、番号(No)、時刻、設備名、機器名、詳細機器名、作業種別、分類、詳細等の項目を有する。制御装置21は、日報Tに入力装置22を介して情報が入力されることで、点検時において確認されたアナログな情報を、デジタル変換データD2として取得することができる。なお、日報Tの項目は、上記の項目に限定されない。
次に、図5を参照して、カメラ32a,32bの撮影画像をデジタル変換データに変換する場合について説明する。制御装置21は、カメラ32a,32bにより撮像される撮影画像として、焼却炉16の炉内の燃焼状態を示す燃焼画像M1、及び灰溶融装置18において溶融された溶融スラグの出滓口における状態を示すスラグ排出画像M2等を取得する。制御装置21は、撮影画像M1,M2を画像解析することで、撮影画像M1,M2の輝度をデジタル変換データD2として取得する。このとき、輝度は、撮影画像M1,M2の一番明るいところの周囲の輝度を取得して平均したものとなっている。
このように、制御装置21は、接続される計器31等から取得するデジタルデータD1と、アナログな情報であるアナログデータをデジタル変換データD2として取り扱っている。このため、図2に示すように、制御装置21は、デジタルデータD1と、デジタル変換データD2とを格納している。
ここで、制御装置21は、異常が発生した場合、異常の原因を特定すべく、デジタルデータD1及びデジタル変換データD2に基づいて、異常の原因を探索する。このとき、制御装置21は、デジタルデータD1及びデジタル変換データD2から異常の原因を特定するために、判断基準設定データD3及び異常原因特定データD4を用いている。図2に示すように、判断基準設定データD3及び異常原因特定データD4は、制御装置21に格納されている。
次に、図6を参照して、判断基準設定データD3について説明する。図6は、判断基準設定データの説明図である。判断基準設定データD3は、ゴミ焼却プラント10の異常の原因に応じて、デジタルデータD1及びデジタル変換データD2のしきい値を設定するものである。判断基準設定データD3は、複数の項目を有しており、左側の列から順に、トラブル事例、デジタルデータD1、カメラ画像、日報、計器33の項目を有する。ここで、デジタルデータD1の項目は、左側の列から順に、焼却炉16の出口温度、ゴミ供給機15の電流値、煙突19のO2濃度の詳細項目を有する。カメラ画像の項目は、左側の列から順に、焼却炉16内の燃焼画像M1、灰溶融装置18内のスラグ排出画像M2の詳細項目を有する。計器33の項目は、左側の列から順に、焼却炉16の供給口であるホッパのレベル計の指示値、焼却炉16に空気を供給する押込み送風機(FDF)のダンパの開度の状態の詳細項目を有する。また、トラブル事例としては、定常状態、燃料(ゴミ)閉塞、燃料(ゴミ)過剰供給、燃料(ゴミ)性状変動がある。そして、トラブル事例の各項目に対応して、デジタルデータD1及びデジタル変換データD2のしきい値が設定されている。なお、上記した各項目は、一例であり、上記した各項目に限定されない。
次に、図7を参照して、異常原因特定データD4について説明する。図7は、異常原因特定データの説明図である。異常原因特定データD4は、例えば、ディシジョンツリー(決定木)を用いて多変数を判断することで、異常の原因を特定するデータとして構築されている。なお、図7に示す異常原因特定データD4は、ディシジョンツリーの概念的な構成を示すものである。異常原因特定データD4は、根側から枝側に向かって順に、異常予兆、予兆検知、想定要因及びデータ確認の項目となっており、これらが互いに関連付けられている。
異常予兆の項目は、発生した異常に関する項目であり、各部の詰まり及びスラグ排出不良等がある。予兆検知の項目は、発生した異常を検出する項目であり、異常予兆に対応付けられている。予兆検知の項目には、異常予兆の各部の詰まりに対応する項目として、例えば、排ガス処理装置17の集じん装置に設けられるバグフィルタの出口圧力がある。なお、バグフィルタの出口圧力は、制御装置21に接続される圧力計(計器31)により検出される。また、予兆検知の項目には、異常予兆のスラグ排出不良に対応する項目として、例えば、スラグ排出画像M2から得られるスラグ排出流量の減少、スラグ排出面積の減少、溶融スラグの粘性の減少がある。
想定要因の項目は、予兆検知から想定される異常の原因の選択肢で構成され、予兆検知の項目に対応付けられている。想定要因の項目には、予兆検知のバグフィルタの出口圧力に対応する選択肢として、例えば、燃料(ゴミ)過剰供給、バグフィルタの目詰まり、減温塔における水噴霧量の過多、二次燃焼炉の詰まり、ボイラの伝熱面の減少(灰付着)がある。なお、減温塔は、排ガス処理装置17の集じん装置の排ガスの流れ方向の上流側に設けられ、集じん装置に流入する排ガスを減温するために水を噴射する設備である。二次燃焼炉は、焼却炉16において発生した排ガスを燃焼させるための設備である。ボイラは、焼却炉16内の熱によって水を加熱するための設備である。また、想定要因の項目には、スラグ排出流量の減少、スラグ排出面積の減少、溶融スラグの粘性に対応する選択肢として、例えば、燃料(ゴミ)性状変動、FDFによる空気供給量の過多、ゴミ供給の不良がある。
データ確認の項目は、想定要因の各選択肢に対応付けられる確認すべきデータの項目であり、想定要因の各選択肢に対応付けられている。このデータ確認の項目では、確認すべきデータとして、デジタルデータD1及びデジタル変換データD2を含む。データ確認の項目として、例えば、排ガス量、燃焼画像、バグフィルタの差圧、水噴霧流量、二次燃焼炉の出口圧力、ボイラの出口温度、不燃物排出量の確認、砂層高さ、CO濃度トレンド、FDFの空気供給量、ゴミ供給機15の電流値、ゴミ供給の撮影画像がある。ここで、デジタルデータD1としては、排ガス量、水噴霧流量、二次燃焼炉の出口圧力、ボイラの出口温度、砂層高さ、CO濃度トレンド、FDFの空気供給量、ゴミ供給機15の電流値である。一方で、デジタル変換データD2としては、燃焼画像、バグフィルタの差圧、不燃物排出量の確認、ゴミ供給の撮影画像である。燃焼画像及びゴミ供給の撮影画像は、カメラ32により撮影されるものである。バグフィルタの差圧は、独立した計器33の指示値である。不燃物排出量の確認は、日報Tに入力される項目である。
データ確認の項目において、排ガス量及び燃焼状況の項目は、想定要因の燃料過剰供給の項目に対応付けられる。バグフィルタの差圧の項目は、想定要因のバグフィルタの目詰まりの項目に対応付けられる。水噴霧流量の項目は、想定要因の減温塔における水噴霧量の過多の項目に対応付けられる。二次燃焼炉の出口圧力の項目は、想定要因の二次燃焼炉の詰まりの項目に対応付けられる。ボイラの出口温度の項目は、想定要因のボイラの伝熱面の減少の項目に対応付けられる。不燃物排出量の確認及び砂層高さの項目は、想定要因の燃料性状変動の項目に対応付けられる。CO濃度トレンド及びFDFの空気供給量の項目は、FDFによる空気供給量の過多の項目に対応付けられる。ゴミ供給機15の電流値及びカメラの撮影画像の項目は、ゴミ供給の不良の項目に対応付けられる。
続いて、図8を参照し、異常の検出時において、制御装置21が異常の原因を特定する制御動作の一例について説明する。図8は、制御装置により異常の原因を特定する制御動作に関するフローチャートである。制御装置21は、格納されたデジタルデータD1、デジタル変換データD2、判断基準データD3及び異常原因特定データD4を用いて、異常の原因を特定する。
制御装置21は、接続された計器31により検出されたデジタルデータとしての制御値が、予め設定されたしきい値を超えた場合、プラント10の異常を検出する(ステップS1)。なお、制御装置21は、プラント10の異常を検出すると、警報機等の出力装置23を介してアラームを発する。
なお、図8は、焼却炉16の炉内温度が所定の温度を超えた場合において、制御装置21が異常を検出する一例となっている。制御装置21は、異常を検出すると、異常の原因を特定すべく、検出した異常(予兆検知)に応じた異常原因特定データD4を用いて、異常の原因を特定する。異常原因特定データD4は、例えば、図7に示すディシジョンツリーに基づいてツリー状の判定フローとして構築されている。この判定フローは、異常原因特定データD4に基づいて、検出した異常に応じて複数用意されている。つまり、異常原因特定データD4は、検出した異常(予兆検知)に関連付けられる想定要因と、想定要因に関連付けられるデータ確認の項目とを関連付けたツリー状の判定フローとなっており、この判定フローに含まれるデータ確認の項目のしきい値を、判断基準設定データD3に基づいて設定する。
制御装置21は、異常を検出すると、焼却炉16の出口温度が所定の温度T1℃以上であるか否かを判定する(ステップS2)。制御装置21は、焼却炉16の出口温度がT1℃以上であると判定する(ステップS2:Yes)と、煙突19内のO2濃度がW1%以下であるか否かを判定する(ステップS3)。一方で、制御装置21は、焼却炉16の出口温度がT1℃以上でない、つまりT1℃未満であると判定する(ステップS2:No)と、後述するステップS9に進む。
制御装置21は、ステップS3において、煙突19内のO2濃度がW1%以下であると判定する(ステップS3:Yes)と、スラグ排出画像M2から得られる輝度がC6(cd/m2)以上であるか否かを判定する(ステップS4)。一方で、制御装置21は、ステップS3において、煙突19内のO2濃度がW1%以下でない、つまりW1%よりも大きいと判定する(ステップS3:No)と、後述するステップS10に進む。
制御装置21は、ステップS4において、スラグ排出画像M2から得られる輝度、つまりデジタル変換データD2に基づいて判定を行う。ここで、制御装置21は、デジタル変換データD2が不足している場合、不足しているデジタル変換データD2を取得するように、出力装置23を介して、プラント10の運転員に報知している。つまり、制御装置21は、判定フローに含まれるデジタル変換データD2の有無を判定し、デジタル変換データD2が無いと判定すると、出力装置23を介して、デジタル変換データD2を取得するようにプラント10の運転員に報知する。
制御装置21は、ステップS4において、スラグ排出画像M2から得られる輝度がC6(cd/m2)以上であると判定する(ステップS4:Yes)と、異常の原因が燃料(ゴミ)の過剰供給であると特定する(ステップS5)。そして、制御装置21は、ステップS5において、燃料の過剰供給が異常の原因であると特定すると、特定した異常の原因に対する対策として、燃料の供給量を減少させる旨を、出力装置23を介してプラント10の運転員に報知する(ステップS6)。この後、制御装置21は、異常の原因を特定する制御を終了する。
一方で、制御装置21は、ステップS4において、スラグ排出画像M2から得られる輝度がC6(cd/m2)以上でない、つまり、輝度がC6(cd/m2)未満であると判定する(ステップS4:No)と、異常の原因が燃料(ゴミ)の性状変動であると特定する(ステップS7)。そして、制御装置21は、ステップS7において、燃料の性状変動が異常の原因であると特定すると、特定した異常の原因に対する対策として、燃料への水の噴霧を、出力装置23を介してプラント10の運転員に報知する(ステップS8)。この後、制御装置21は、異常の原因を特定する制御を終了する。
制御装置21は、ステップS2において、焼却炉16の出口温度がT1℃以上でないと判定する(ステップS2:No)と、ゴミ供給機15の電流値がI2A以上であるか否かを判定する(ステップS9)。制御装置21は、ゴミ供給機15の電流値がI2A以上であると判定する(ステップS9:Yes)と、異常の原因が燃料(ゴミ)の閉塞であると特定する(ステップS10)。そして、制御装置21は、ステップS10において、燃料の閉塞が異常の原因であると特定すると、特定した異常の原因に対する対策として、焼却炉16の供給口であるホッパ内の点検を促す旨を、出力装置23を介してプラント10の運転員に報知する(ステップS11)。この後、制御装置21は、異常の原因を特定する制御を終了する。
制御装置21は、ステップS9において、ゴミ供給機15の電流値がI2A以上でない、つまり、ゴミ供給機15の電流値がI2A未満であると判定する(ステップS9:No)と、異常の原因を特定する制御を終了する。
そして、プラント10の運転員は、ステップS6、ステップS8及びステップS11において報知された対策を適宜行うことで、プラント10の異常を早期に解消し、プラント10を迅速に正常運転状態とする。以上、異常の検出時において、制御装置21が異常の原因を特定する制御動作の一例について説明したが、この構成に限らない。つまり、制御装置21は、異常の検出の種類に応じた判定フローを適宜用いて、異常の原因を特定する制御動作を実行する。
以上のように、本実施例の構成によれば、制御装置21は、プラント10の運転状態に関する情報であるデジタルデータD1及びデジタル変換データD2に基づいて、異常の原因を探索することができる。このため、制御装置21は、デジタルデータD1だけでなく、アナログデータが変換されたデジタル変換データD2を用いて、異常の原因を探索することができるため、プラント10の異常の原因を精度良く特定することが可能となる。
また、本実施例の構成によれば、ゴミの性状を、デジタル変換データD2に変換することができる。このため、デジタルな情報として取り扱うことが難しいゴミの性状を、デジタル変換データD2に変換して、プラント10の異常の原因を探索することができ、これにより、プラント10の異常の原因をより精度良く特定することが可能となる。
また、本実施例の構成によれば、不足しているアナログデータを、プラント10の運転員に報知することができる。このため、運転員が、取得したアナログデータを、入力装置22を介してデジタル変換データD2として制御装置21に入力することで、制御装置21は、入力されたデジタル変換データD2に基づいて、プラント10の異常の原因を探索することができ、これにより、プラント10の異常の原因をより精度良く特定することが可能となる。
また、本実施例の構成によれば、制御装置21は、プラント10の運転員に、特定した原因に対応した対策を報知することができる。このため、運転員が、報知された対策を行うことで、プラント10の異常を早期に解消して、プラント10を迅速に正常運転させることができる。
10 ゴミ焼却プラント
15 ゴミ供給機
16 焼却炉
17 排ガス処理装置
18 灰溶融装置
19 煙突
20 中央制御室
21 制御装置
22 入力装置
22a 携帯端末
23 出力装置
31 計器
32 カメラ
33 計器
D1 デジタルデータ
D2 デジタル変換データ
D3 判断基準設定データ
D4 異常原因特定データ
C 2次元コード
T 日報
M1 燃焼画像
M2 スラグ排出画像
15 ゴミ供給機
16 焼却炉
17 排ガス処理装置
18 灰溶融装置
19 煙突
20 中央制御室
21 制御装置
22 入力装置
22a 携帯端末
23 出力装置
31 計器
32 カメラ
33 計器
D1 デジタルデータ
D2 デジタル変換データ
D3 判断基準設定データ
D4 異常原因特定データ
C 2次元コード
T 日報
M1 燃焼画像
M2 スラグ排出画像
Claims (4)
- 性状が変動する可燃物を燃焼させるプラントの運転を支援するためのプラント運転支援システムにおいて、
前記プラントの運転状態に関するデジタルな情報であるデジタルデータと、前記プラントの運転状態に関するアナログな情報であるアナログデータとがあり、
入力装置及び出力装置が接続される制御装置を備え、
前記制御装置は、前記デジタルデータと、前記アナログデータから前記入力装置を介してデジタルな情報として変換されるデジタル変換データと、前記デジタルデータ及び前記デジタル変換データに関連付けられる異常の原因を特定するための異常原因特定データとを格納すると共に、異常検出時における前記デジタルデータ及び前記デジタル変換データに基づいて、前記異常原因特定データから異常の原因を探索することを特徴とするプラント運転支援システム。 - 前記アナログデータは、前記可燃物の性状に関する性状データを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラント運転支援システム。
- 前記制御装置は、前記デジタルデータ及び前記デジタル変換データに基づいて、前記異常原因特定データから異常の原因を探索した結果、前記デジタル変換データが不足していると判定した場合、不足している前記デジタル変換データに対応する前記アナログデータを取得する旨を、前記出力装置を介して報知することを特徴とする請求項1または2に記載のプラント運転支援システム。
- 前記制御装置は、前記デジタルデータ及び前記デジタル変換データに基づいて、前記異常原因特定データから異常の原因を探索した結果、異常の原因を特定した場合、特定した異常の原因に対する対策を、前記出力装置を介して報知することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプラント運転支援システム。
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2012
- 2012-12-25 JP JP2012280651A patent/JP2014126886A/ja active Pending
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