JP4187604B2 - 被燃焼物における放射エネルギーの計測方法および計測装置 - Google Patents
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Description
この種の技術として、赤外線カメラを用いて、燃焼により放出される放射量を計測することにより、燃焼状態を把握してその燃焼過程の制御に活かそうとしているものが、例えば特許文献1に開示されている。
被燃焼物の燃焼表面から放出される放射エネルギー量を、検出センサにより所定の検出周期でもって検出する検出ステップと、
上記検出ステップにて連続的に検出される検出値と、前回までの検出値の最小値とを比較して放射エネルギー量が小さい方を選択値として選択する選択ステップと、
上記複数回の検出周期よりなる計測周期でもって、上記選択ステップで選択された放射エネルギー量が最も小さい選択値を、計測結果として決定する決定ステップとを有し、
且つ上記計測周期として、被燃焼物の表面から立ち上がる輝炎が揺れる時間間隔またはそれ以上に設定する方法である。
被燃焼物の燃焼表面から放出される放射エネルギー量を、検出センサにより所定の検出周期でもって検出するとともに、当該検出された各検出値を記憶させる検出ステップと、
上記複数回の検出周期よりなる計測周期でもって、上記検出ステップで記憶された全検出値から最小値を選択するとともにこの最小値の検出値を計測結果として決定する選択決定ステップとを有し、
且つ上記計測周期として、被燃焼物の表面に立ち上がる輝炎が揺れる時間間隔またはそれ以上に設定する方法である。
被燃焼物の燃焼表面から放出される放射エネルギー量を、所定の検出周期でもって検出し得る複数個のセンサが平面状に配置されてなる二次元センサと、
上記連続的に検出した二次元センサによる検出値を時系列でもって記憶する第1記憶手段および前回の検出周期における検出値を記憶する第2記憶手段と、
上記第1記憶手段にて記憶された検出値と第2記憶手段にて記憶された前回の検出周期に係る検出値とを同一のセンサ毎に比較してその小さい方の検出値を選択して第2記憶手段に記憶させる選択手段と、
上記複数回の検出周期よりなる計測周期でもって、上記選択手段にて第2記憶手段に記憶された検出値を、計測結果として決定する決定手段とを具備し、
且つ上記計測周期として、被燃焼物の表面から立ち上がる輝炎が揺れる時間間隔またはそれ以上に設定するようにしたものである。
被燃焼物の燃焼表面から放出される放射エネルギー量を、所定の検出周期でもって検出し得る複数個のセンサが平面状に配置されてなる二次元センサと、
上記連続的に検出された二次元センサによる検出値を、時系列でもって記憶する記憶手段と、
上記複数回の検出周期よりなる計測周期でもって、上記記憶手段にて記憶された全検出値から各センサ毎に最小値を選択するとともにこの最小値の検出値を計測結果として決定する選択決定手段とを具備し、
且つ上記計測周期として、被燃焼物の表面に立ち上がる輝炎が揺れる時間間隔またはそれ以上に設定するようにしたものである。
二次元センサの替わりに、複数個のセンサが直線状に配置されてなるラインセンサを用いたものである。
[実施の形態1]
本実施の形態1に係る被燃焼物における放射エネルギーの計測方法および計測装置を用いて、被燃焼物、例えばごみを焼却するためのごみ焼却炉内にて、ごみの燃焼温度を計測する場合について説明する。
このごみ焼却炉1は例えばストーカ炉であり、その炉本体2内には、燃焼火格子3が乾燥段、燃焼段および後燃焼段に亘って配置されてなる燃焼床4が設けられた燃焼室5が具備されるとともに、炉本体2の一端側には、ごみ投入ホッパ6が接続されたごみ投入口2aが形成され、またその他端側には焼却残渣の排出口2bが形成されたものである。
この輝炎の揺らぎの原因は、例えば炉内に投入されるごみ量およびごみ質の不均一性、火格子上のごみの不均一な分布によるごみ山の崩れ、火格子下の風箱からの空気供給圧の変動などが考えられ、またこの輝炎は、蝋燭の火と同様に、上部表面に行くほど、ごみ表面の温度に比べて高温となるため、この部分をできるだけ避けて計測を行うことが重要となる。すなわち、輝炎が揺らぐとごみ表面が現われて、その計測温度が低下することになり、この低下した温度を計測値とすることにより、より実際的な燃焼温度の計測を行うことができる。
以下、検出周期、計測周期および二次元センサの設置位置について説明する。
また、検出周期についてはセンサ自体の検出能力により決定される(最短時間が決定される)。
(ステップ1)
計測開始に際し、まず第1および第2記憶手段22,23を初期化する。
(ステップ2)
検出周期が来たら入力手段21にて、二次元センサ11からの検出値(放射エネルギー量)をA/D変換して取り込むとともに第1記憶手段22に記憶する(検出ステップ)。これにより二次元の検出データ(デジタルデータである)が得られたことになる。
(ステップ3)
ステップ2の終了後、選択手段24にて第1記憶手段22に記憶された今回の検出データを読み込むとともに第2記憶手段23に記憶されている前回までの選択結果のデータ(以下、選択データと称す)を読み込み、各センサ毎にそのデータを比較するとともに放射エネルギー量が小さい方のデータを選択して新たな選択データを形成し、そしてこの新たな選択データを第2記憶手段23上に記憶(上書き)する。但し、検出スタート時または新たな計測周期の最初においては第2記憶手段23が初期化されているため、読み込んだ検出データが初期値である場合は、放射エネルギーの大小を比較する選択データがないため、今回の検出データがそのまま選択データとして第2記憶手段23に記憶される。上記ステップ2およびステップ3が計測周期の間だけ繰り返し行われる。
(ステップ4)
1計測周期が経過すると(終了時であり、新たな計測周期の開始時でもある)、決定手段25にて第2記憶手段23に記憶されている選択データ(放射エネルギー量の大きさを示すデータ)を計測結果として読み出す(決定する)(決定ステップ)。
(ステップ5)
上記決定手段25からの計測結果を受け取った温度変換手段26は、放射エネルギーのデータを公知の変換式に基づき温度データ(計測温度)に変換する(温度変換ステップ)。
(ステップ6)
上記温度変換手段26から温度データを受け取った温度分布作成手段27では、予め定められた温度幅と対応付けられた色データの情報を参照し各センサで検出された温度データを、そのセンサの配置(座標)とその座標における色データに変換して温度分布画像データを作成する(温度分布画像作成ステップ)。
(ステップ7)
そして、上記ステップ4にて得られた選択データ、ステップ5で得られた温度データ、およびステップ6で得られた温度分布画像データが、必要(要求)に応じて出力手段14を通じて表示装置等に対して出力される(出力ステップ)。
(ステップ8)
上記1回の計測周期による温度計測が終わると、引き続いて、ステップ1と同様に、第1および第2記憶手段22,23を初期化した後、ステップ2以降の動作が行われて、次の計測周期での計測が行われる。これらのステップが順次繰り返して行われる。
次に、本発明の実施の形態2に係る被燃焼物における放射エネルギーの計測方法および計測装置を用いて、ごみ焼却炉内での燃焼温度を計測する場合について説明する。
(ステップ1)
計測開始に際し、まず記憶手段31を初期化する。
(ステップ2)
検出周期が来たら入力手段21にて、二次元センサ11からの検出値(放射エネルギー量)をA/D変換して取り込むとともに記憶手段31に記憶する。この検出値の取り込みおよび記憶作業を、1計測周期内における全ての検出周期毎に行う(検出ステップ)。したがって、1計測周期において、n回の検出が行われる場合には、記憶手段31にn個の検出データが記憶されていることになる。
(ステップ3)
1計測周期が経過すると(新たな計測周期の開始時)、選択決定手段32により、ステップ2で記憶手段31に記憶されたn回分の検出データが取り出されるとともに、各センサ毎に検出データが比較されて最も小さい値が選択され、そして全てのセンサにおける最小値を集めたものが計測結果として決定される(選択決定ステップ)。
(ステップ4)
上記選択決定手段32からの計測結果を受け取った温度変換手段26は、放射エネルギーのデータを公知の変換式に基づき温度データに変換する(温度変換ステップ)。
(ステップ5)
上記温度変換手段26から温度データを受け取った温度分布作成手段27では、予め定められた温度幅と対応付けられた色データの情報を参照して面状センサの各センサで検出された温度データを、そのセンサの配置(座標)とその座標における色データに変換して温度分布画像データを作成する(温度分布画像作成ステップ)。
(ステップ6)
そして、上記ステップ3にて得られた選択データ、ステップ4で得られた温度データ、およびステップ5で得られた温度分布画像データを必要(要求)に応じて、出力手段14を通じて表示装置等に対して出力される(出力ステップ)。
(ステップ7)
上記1回の計測周期による温度計測が終わると、引き続いて、ステップ1と同様に、記憶手段31を初期化した後、ステップ2以降の動作が行われて、次の計測周期での計測が行われる。これらのステップが順次繰り返して行われる。
ところで、上記各実施の形態においては、被燃焼物であるごみから放出される放射エネルギーを検出するのに二次元センサを用いたが、各センサが直線状に配置されてなるラインセンサを用いてもよい。
なお、このとき、m回の走査で二次元領域をカバーするとした場合、走査周期のm倍が検出周期に等しくなる(m×走査周期=検出周期)。
5 燃焼室
11 二次元センサ
12 輝炎処理部
13 温度検出部
21 入力手段
22 第1記憶手段
23 第2記憶手段
24 選択手段
25 決定手段
26 温度変換手段
27 温度分布作成手段
28 出力手段
31 記憶手段
32 選択決定手段
Claims (5)
- 被燃焼物の燃焼表面から放出される放射エネルギー量を、検出センサにより所定の検出周期でもって検出する検出ステップと、
上記検出ステップにて連続的に検出される検出値と、前回までの検出値の最小値とを比較して放射エネルギー量が小さい方を選択値として選択する選択ステップと、
上記複数回の検出周期よりなる計測周期でもって、上記選択ステップで選択された放射エネルギー量が最も小さい選択値を、計測結果として決定する決定ステップとを有し、
且つ上記計測周期として、被燃焼物の表面から立ち上がる輝炎が揺れる時間間隔またはそれ以上に設定することを特徴とする被燃焼物における放射エネルギーの計測方法。 - 被燃焼物の燃焼表面から放出される放射エネルギー量を、検出センサにより所定の検出周期でもって検出するとともに、当該検出された各検出値を記憶させる検出ステップと、
上記複数回の検出周期よりなる計測周期でもって、上記検出ステップで記憶された全検出値から最小値を選択するとともにこの最小値の検出値を計測結果として決定する選択決定ステップとを有し、
且つ上記計測周期として、被燃焼物の表面に立ち上がる輝炎が揺れる時間間隔またはそれ以上に設定することを特徴とする被燃焼物における放射エネルギーの計測方法。 - 被燃焼物の燃焼表面から放出される放射エネルギー量を、所定の検出周期でもって検出し得る複数個のセンサが平面状に配置されてなる二次元センサと、
上記連続的に検出した二次元センサによる検出値を時系列でもって記憶する第1記憶手段および前回の検出周期における検出値を記憶する第2記憶手段と、
上記第1記憶手段にて記憶された検出値と第2記憶手段にて記憶された前回の検出周期に係る検出値とを同一のセンサ毎に比較してその小さい方の検出値を選択して第2記憶手段に記憶させる選択手段と、
上記複数回の検出周期よりなる計測周期でもって、上記選択手段にて第2記憶手段に記憶された検出値を、計測結果として決定する決定手段とを具備し、
且つ上記計測周期として、被燃焼物の表面から立ち上がる輝炎が揺れる時間間隔またはそれ以上に設定するようにしたことを特徴とする被燃焼物における放射エネルギーの計測装置。 - 被燃焼物の燃焼表面から放出される放射エネルギー量を、所定の検出周期でもって検出し得る複数個のセンサが平面状に配置されてなる二次元センサと、
上記連続的に検出された二次元センサによる検出値を、時系列でもって記憶する記憶手段と、
上記複数回の検出周期よりなる計測周期でもって、上記記憶手段にて記憶された全検出値から各センサ毎に最小値を選択するとともにこの最小値の検出値を計測結果として決定する選択決定手段とを具備し、
且つ上記計測周期として、被燃焼物の表面に立ち上がる輝炎が揺れる時間間隔またはそれ以上に設定するようにしたことを特徴とする被燃焼物における放射エネルギーの計測装置。 - 二次元センサの替わりに、複数個のセンサが直線状に配置されてなるラインセンサを用いたことを特徴とする請求項3または4に記載の被燃焼物における放射エネルギーの計測装置。
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