JP7456312B2 - 情報処理装置、情報処理方法、プログラム、薬剤供給装置、排ガス処理装置、および排ガス処理方法 - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、プログラム、薬剤供給装置、排ガス処理装置、および排ガス処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、薬剤供給装置、排ガス処理装置、および排ガス処理方法に関する。
従来、廃棄物焼却炉から排出される排ガスに含まれる酸性ガスの物質量を適正に制御するための装置が提案されている。例えば特許文献1には、処理後の排ガス中の塩化水素(HCl)濃度などの変動を低減して、脱塩剤の使用量を低減する技術が開示されている。
特許文献1に記載された技術においては具体的に、廃棄物焼却炉からの排ガス中の酸性ガスを消石灰などの薬剤の吹込みによって中和し除去する方法において、排ガスの流れ方向に沿ったバグフィルタより上流側に設けられたHClレーザー計などの酸性ガス濃度計の計測値に基づくフィードフォワード制御(FF制御)と、バグフィルタより下流側に設けられた他の酸性ガス濃度計によるフィードバック制御(FB制御)とを組み合わせて薬剤の供給量を決定している。特許文献1に記載された技術においては、バグフィルタなどの排ガス処理部より上流側の酸性ガス濃度計を用いることによって、排ガス処理部より下流側の酸性ガス濃度計のみを用いた場合に比して、排ガス処理部で処理される前の排ガスにおける酸性ガス濃度の急激な変化を早い段階で検知でき、薬剤の供給量を低減できる。
特開2006-075758号公報
しかしながら、廃棄物焼却炉の排ガス中に含まれる酸性ガスの量は変動が大きい一方、酸性ガスの除去に用いられる薬剤は、酸性ガスとの反応に時間を要する。そのため、排ガス処理部の上流側の酸性ガスの量が急に上昇した場合、排ガス処理部の流入側の酸性ガスの量が上昇した後に薬剤の供給量(以下、薬剤供給量)を変化させても、薬剤と酸性ガスとの反応に対して酸性ガスの上昇分が上回る形になり、排ガス処理部の下流側の酸性ガスの濃度や物質量(以下、酸性ガス濃度と総称)が上昇してしまう。この場合、酸性ガス濃度の上昇を抑制するために、薬剤供給量を大きく増加させる必要があり、薬剤の過度の供給は薬剤を無駄に消費することになる。そのため、排ガスに含まれる酸性ガス濃度を予測して、予測した酸性ガス濃度に基づいて切り出す薬剤の供給量を制御することによって、薬剤の消費量を低減する技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、排ガスに含まれる酸性ガス濃度を予測できる情報処理装置、情報処理方法、ならびにプログラム、および予測した酸性ガス濃度に基づいて薬剤供給量を制御して、排ガス処理に使用する薬剤の薬剤供給量を低減可能な薬剤供給装置、排ガス処理装置、ならびに排ガス処理方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガス中の前記酸性ガスの濃度または物質量を予測する制御部を備えた情報処理装置であって、前記制御部は、前記酸性ガスの濃度または物質量の計測値を取得して酸性ガス計測値として記憶部に格納し、前記廃棄物焼却炉から、前記廃棄物焼却炉における運転に関連した情報を取得してプロセスデータとして前記記憶部に格納し、前記記憶部から読み出した、所定時点における前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータに基づいて、前記所定時点から所定の予測時間後の前記酸性ガスの濃度または物質量を予測して、濃度予測値を出力する。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記記憶部から、前記所定時点における前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータを入力パラメータとして取得し、前記記憶部から読み出した前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータを予測学習モデルに入力し、前記濃度予測値を出力パラメータとして出力し、前記予測学習モデルは、所定期間における、前記酸性ガスの濃度または物質量の計測値および前記プロセスデータを学習用入力パラメータとし、前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータを取得した前記所定時点から前記予測時間経過後の前記酸性ガス計測値を学習用出力パラメータとした入出力データセットを用いて、機械学習によって生成された学習モデルである。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、上記の発明において、前記排ガスに対して排ガス処理を実行する排ガス処理部における、前記排ガス処理が実行される前の前記排ガスに含まれる前記酸性ガスの濃度または物質量を予測する。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、上記の発明において、前記廃棄物焼却炉が、前記廃棄物を移動させる火格子および蒸気を発生させる蒸気発生部を備え、前記プロセスデータは、前記排ガスにおける、温度、酸素濃度、NOx濃度、ならびに流量、前記廃棄物における、体積、ならびに嵩密度、前記火格子における、速度、ならびに火格子下空気圧力、および前記蒸気発生部の出口の圧力ならびに温度から選ばれた少なくとも1種類の物理量を含む。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、上記の発明において、前記廃棄物焼却炉が、前記廃棄物焼却炉内の前記廃棄物を含む領域を撮像する撮像部を備え、前記プロセスデータは、前記撮像部が撮像した、火炎の燃焼状態を示す燃焼画像データ、および熱画像情報に基づいて前記火炎を透過した状態を示す透過画像データの少なくとも一方から得られた特徴量を含む。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、上記の発明において、前記廃棄物焼却炉が、蒸気を発生させる蒸気発生部を備え、前記プロセスデータは、前記蒸気発生部におけるスートブロー運転の有無の情報を含む。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、上記の発明において、前記酸性ガスが塩化水素ガスである。
本発明の一態様に係る情報処理方法は、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガス中の前記酸性ガスの濃度または物質量を予測する制御部を備えた情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記制御部は、前記酸性ガスの濃度または物質量の計測値を取得して酸性ガス計測値として記憶部に格納し、前記廃棄物焼却炉から、前記廃棄物焼却炉における運転に関連した情報を取得してプロセスデータとして前記記憶部に格納し、前記記憶部から読み出した所定時点における前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータに基づいて、前記所定時点から所定の予測時間後の前記酸性ガスの濃度または物質量を予測して、濃度予測値を出力する。
本発明の一態様に係るプログラムは、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガス中の前記酸性ガスの濃度または物質量を予測する制御部を備えた情報処理装置に、前記酸性ガスの濃度または物質量の計測値を取得して酸性ガス計測値として記憶部に格納し、前記廃棄物焼却炉から、前記廃棄物焼却炉における運転に関連した情報を取得してプロセスデータとして前記記憶部に格納し、前記記憶部から読み出した所定時点における前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータに基づいて、前記所定時点から所定の予測時間後の前記酸性ガスの濃度または物質量を予測して、濃度予測値を出力することを実行させる。
本発明の一態様に係る薬剤供給装置は、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガスに排ガス処理を実行する排ガス処理部によって、前記排ガス処理が実行される前の前記排ガスに薬剤を供給する薬剤供給装置であって、前記排ガス処理が実行される前の前記排ガスに薬剤を供給する薬剤供給部と、前記薬剤供給部に対して前記薬剤の供給量を指示する供給量制御値を出力する薬剤供給制御部と、を備え、前記薬剤供給制御部は、上記の発明に係る情報処理装置から出力された濃度予測値を取得して、記憶部に格納し、前記記憶部から前記濃度予測値を取得して、前記濃度予測値に基づいて前記供給量制御値を導出する。
本発明の一態様に係る排ガス処理装置は、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガスに対して排ガス処理を実行する排ガス処理装置であって、前記排ガスの煙道に設けられた排ガス処理部と、前記排ガス処理部における前記排ガスの流れ方向に沿った上流側に薬剤を供給する薬剤供給部と、前記薬剤供給部に対して前記薬剤の供給量を指示する供給量制御値を出力する薬剤供給制御部と、を備え、前記薬剤供給制御部は、上記の発明に係る情報処理装置から出力された濃度予測値を取得して、記憶部に格納し、前記記憶部から前記濃度予測値を取得して、前記濃度予測値に基づいて前記供給量制御値を導出する。
本発明の一態様に係る排ガス処理方法は、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガスに対して排ガス処理を実行する排ガス処理方法であって、前記排ガスの煙道に設けられた排ガス処理部において行われる排ガス処理工程と、薬剤を供給可能に構成された薬剤供給部から、前記排ガス処理部における前記排ガスの流れ方向に沿った上流側に薬剤を供給する薬剤供給工程と、薬剤供給制御部が、前記薬剤供給部に対して前記薬剤の供給量を指示する供給量制御値を出力する薬剤供給制御工程と、を含み、前記薬剤供給制御工程は、前記薬剤供給制御部が上記発明の一態様に係る情報処理装置から出力された濃度予測値を取得して記憶部に格納し、前記記憶部から前記濃度予測値を取得して、前記濃度予測値に基づいて前記供給量制御値を導出する工程を含む。
本発明に係る情報処理装置、情報処理方法、プログラム、薬剤供給装置、排ガス処理装置、および排ガス処理方法によれば、排ガスに含まれる酸性ガス濃度を予測して、予測した酸性ガス濃度に基づいて薬剤供給量を制御することができるので、排ガス処理に使用する薬剤の薬剤供給量を低減することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態による情報処理装置が適用される排ガス処理設備の構成を模式的に示す全体構成図である。 図2は、本発明の一実施形態による排ガス処理施設における焼却炉を模式的に示す全体構成図である。 図3は、本発明の一実施形態による情報処理装置を含むシステムの構成の一例を示すブロック図である。 図4は、本発明の一実施形態による薬剤供給制御方法を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の一実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する一実施形態によって限定されるものではない。
(排ガス処理設備)
図1は、本発明の一実施形態による情報処理方法としての薬剤供給制御方法が適用される排ガス処理設備の構成の一例を示す図である。図1に示すように、廃棄物処理施設1は、焼却炉100、排ガスダクト130,150、集塵器140、および煙突160を備える。
焼却炉100から排出された処理前の排ガスは、排ガスダクト130を通過して集塵器140に供給される。排ガスダクト130における集塵器140の前段には、例えば水酸化カルシウム(Ca(OH)2)(消石灰)や重曹(NaHCO3)などの薬剤が供給される供給口131が設けられている。供給口131を通じて集塵器140の前段に供給される薬剤は、集塵器140のフィルタの表面に層を形成し、排ガス中の塩化水素(HCl)、二酸化硫黄(SO2)、または三酸化硫黄(SO3)などと反応して反応生成物を生成する。反応生成物が生成される反応式の例を以下の化学反応式(1-1)~(3)に挙げる。なお、反応生成物の生成については、以下に挙げる化学反応に限定されない。
Ca(OH)2+HCl → CaClOH+H2O ……(1-1)
CaClOH+HCl → CaCl2+H2O ……(1-2)
Ca(OH)2+SO2 → CaSO3+H2O ……(2-1)
2CaSO3+O2 → 2CaSO4 ……(2-2)
Ca(OH)2+SO3 → CaSO4+H2O ……(3)
これらの反応生成物は、排ガス処理工程を行う排ガス処理部としての集塵器140において他のダストとともに回収されて処理される。塩化水素などが除去された処理後の排ガスは、排ガスダクト150を通過して煙突160から系外に排出される。
廃棄物処理施設1はさらに、薬剤供給制御装置32、薬剤供給部33、上流酸性ガス濃度計34、下流酸性ガス濃度計35、およびガス濃度予測装置40を備える。なお、廃棄物処理施設1は、ガス濃度予測装置40を備えない構成でも良い。また、薬剤供給制御装置32および薬剤供給部33によって、本実施形態による薬剤供給装置が構成される。
薬剤供給制御装置32は、薬剤供給部33を制御することによって、集塵器140の前段に設けられた供給口131に供給する薬剤の量を制御する。上流酸性ガス濃度計34は、排ガスの流れ方向に沿った集塵器140の上流側に設けられる。上流酸性ガス濃度計34は、集塵器140の前段の排ガスダクト130における、処理前の排ガス中の酸性ガス濃度を計測可能に構成される。下流酸性ガス濃度計35は、排ガスの流れ方向に沿った集塵器140の下流側に設けられる。下流酸性ガス濃度計35は、集塵器140の後段の排ガスダクト150における、処理後の排ガス中の酸性ガス濃度を計測可能に構成される。なお、下流酸性ガス濃度計35は、煙突160やその入口付近などに設けられていても良い。
ガス濃度予測装置40には、焼却炉100における種々のプロセス計測値(以下、プロセスデータ)が入力される。ガス濃度予測装置40は、酸性ガス計測値としての、上流酸性ガス濃度計34から排ガス処理前の酸性ガスの濃度(以下、処理前酸性ガス濃度)の計測値、および下流酸性ガス濃度計35から排ガス処理後の酸性ガスの濃度(以下、処理後酸性ガス濃度)の計測値がそれぞれ入力される。なお、酸性ガス濃度の代わりに酸性ガスの物質量としても良く、以下の説明においては、酸性ガス濃度および酸性ガスの物質量を、「酸性ガス濃度」と総称する。
ガス濃度予測装置40は、各種プロセスデータ、処理前酸性ガス濃度、および処理後酸性ガス濃度のそれぞれの現在の計測値に基づいて、現在から所定の予測時間後の処理前酸性ガス濃度を予測して予測値(以下、濃度予測値)を導出できる。なお、予測時間は、薬剤供給量の変化が処理後酸性ガス濃度に影響を及ぼすまでの時間以上に選択され、本実施形態において具体的に例えば、15秒以上5分以下の範囲、本実施形態においては、例えば1分に選ばれる。ガス濃度予測装置40は、導出した濃度予測値を薬剤供給制御装置32に出力することができる。
薬剤供給制御装置32は、ガス濃度予測装置40から入力された濃度予測値に基づいて、集塵器140の前段に供給する薬剤の供給量を導出する。薬剤供給制御装置32は、導出した薬剤の供給量の情報(以下、供給量制御値)を薬剤供給部33に出力する。薬剤供給部33は、入力された供給量制御値に基づいた薬剤の量を、供給口131を通じて集塵器140の前段に供給することによって薬剤供給工程を行う。
(廃棄物焼却炉)
次に、廃棄物焼却炉としての焼却炉100について説明する。図2は、本発明の一実施形態による廃棄物処理施設における焼却炉を模式的に示す全体構成図である。図2に示すように、焼却炉100は、廃棄物の燃焼が行われる炉101、廃棄物を投入する廃棄物投入口102、およびボイラ109を備える。蒸気発生部としてのボイラ109は、炉101の炉出口107の下流側に設置された熱交換器109aおよび蒸気ドラム109bを備える。
廃棄物投入口102から投入された廃棄物は、廃棄物供給装置103によって火格子104に搬送される。火格子104が往復運動を行うことにより、廃棄物の撹拌および移動が行われる。火格子104上の廃棄物は、火格子104の下方の風箱に燃焼用空気ブロア106から供給される燃焼用空気の吹き込みによって乾燥されながら燃焼されて、排ガスおよび灰が生成される。生成された灰は、灰落下口105を通じて落下して炉101の外部に排出される。
火格子104の下から炉101の内部に供給される燃焼用空気の総量は、押込送風機としての燃焼用空気ブロア106の直近に設けた燃焼用空気ダンパ114によって調整される。それぞれの風箱に供給される燃焼用空気の流量は、それぞれの風箱に燃焼用空気を供給する配管にそれぞれ設けられた、火格子下燃焼用空気ダンパ114a,114b,114c,114dによって調整される。換言すると、火格子下燃焼用空気ダンパ114a~114dによって、それぞれの風箱に供給される燃焼用空気の流量の比率が調整される。なお、図においては、廃棄物の搬送方向に沿って火格子104の下を4つの風箱で分割し、それぞれの風箱を通じて燃焼用空気を供給しているが、火格子下燃焼用空気ダンパ114a~114dおよび風箱の数は必ずしも4つに限定されず、火格子焼却炉の規模や目的などに応じて適宜変更可能である。
炉壁に設けられた二次空気吹き込み口110からは、二次送風機としての二次空気ブロア111によって二次空気が炉101内に吹き込まれる。二次空気が炉101内に吹き込まれることによって、燃焼ガス中の未燃焼成分がさらに燃焼するとともに、炉壁の温度の過度な上昇を抑制する。二次空気吹き込み口110から炉101内に供給される二次空気の流量は、二次空気ブロア111の直近に設けられた二次空気ダンパ115によって調整される。
火格子104における廃棄物の搬送方向に沿って、上流側の廃棄物乾燥過程および主燃焼過程において発生した可燃性ガスと、下流側の後燃焼過程において発生した燃焼排ガスとが、炉101の炉出口107側に設けられたガス混合部において合流する。ガス混合部において合流した可燃性ガスおよび燃焼排ガスは、再度攪拌および混合された後、二次燃焼用空気の供給によって、二次燃焼が行われる。ボイラ109は、二次燃焼が行われる部分(以下、二次燃焼部)に対して、廃棄物の搬送方向に沿った下流側に設置されている。二次燃焼が行われた燃焼ガスは、ボイラ109の熱交換器109aによって熱エネルギーが回収された後に、排ガスダクト130を通じて焼却炉100から排気される。
炉101内には、炉101の高さ方向に沿った上側の位置に中間天井116が設けられている。炉101内に流動するガスは、中間天井116によって、上流側における廃棄物乾燥過程および主燃焼過程で発生した可燃性ガスを多く含むガスと、下流側における後燃焼過程で発生した燃焼排ガスとに、分割して排出できる。具体的には、燃焼排ガスが中間天井116よりも下方の煙道(主煙道)を流れる一方、可燃性ガスを多く含むガスが中間天井116よりも上方の煙道(副煙道)を流れる。燃焼排ガスと可燃性ガスを多く含むガスとがガス混合部において合流することによって、ガス混合部でのガスの攪拌および混合がさらに促進される。これにより、二次燃焼部における燃焼がより安定化し、燃焼過程におけるダイオキシン類の発生を抑制し、廃棄物の未燃分の発生を抑制することができる。なお、炉101内に中間天井116を設けない構成にしても良い。
炉101内の複数位置に、炉101内のガス温度を計測するセンサとしての温度計が設けられている。具体的には、炉101の高さ方向に沿って、火格子104と二次空気吹き込み口110との中間位置に燃焼室ガス温度計117が設けられている。炉101の高さ方向に沿って、炉出口107より下方位置に主煙道ガス温度計118が設けられている。炉101の高さ方向に沿って、炉出口107の下部位置に炉出口下部ガス温度計119が設けられている。炉101の高さ方向に沿って、炉出口107の中部位置に炉出口中部ガス温度計120が設けられている。炉101の高さ方向に沿って、炉出口107の下流側位置に燃焼管理温度を測定する炉出口ガス温度計121が設けられている。燃焼室ガス温度計117、主煙道ガス温度計118、炉出口下部ガス温度計119、炉出口中部ガス温度計120、および炉出口ガス温度計121により計測された温度の計測値は、プロセスデータを含む燃焼プロセス測定値として、燃焼制御装置31に送信され、記憶部312(図3参照)に記憶される。
ボイラ109には、出口側に排ガス中の酸素(O2)の濃度を計測するボイラ出口酸素濃度計122が設けられている。排ガスダクト130の入口には、排ガス中の一酸化炭素(CO)や窒素酸化物(NOx)などの濃度を計測するガス濃度計123が設けられている。ボイラ109の出口側には、排ガス量を計測するための排ガス流量計124が設けられている。ボイラ出口酸素濃度計122、ガス濃度計123、および排ガス流量計124により計測されたガスの濃度や流量の計測値は、プロセスデータとして燃焼制御装置31の記憶部312に記憶される。また、ボイラ109には、ボイラ109において発生した蒸気量を計測する蒸気流量計125が設けられている。蒸気流量計125により計測されたボイラ109の蒸気量の計測値は、プロセスデータとして燃焼制御装置31の記憶部312に記憶される。
炉101における廃棄物の搬送方向の下流側には、撮像部126が設けられている。撮像部126は、例えば赤外線カメラから構成される火炎透過カメラ、および撮像した画像データを処理する画像処理部を有して構成される。撮像部126は、炉壁に設けられた監視窓に近接して炉外に配設されても、水冷構造を有して炉101内に配設されても良い。廃棄物は、段差壁113の部分で廃棄物供給部112から火格子104上に落下する。火格子104上に落下した廃棄物は、火格子104の前後移動に伴う往復運動によって攪拌されつつ、撮像部126側である前方に移動される。
撮像部126は、火格子104上の廃棄物のサーモグラフィ情報を熱画像情報として取得できる透過画像撮影部を有していても良い。ここで、廃棄物から放射される赤外線の波長と、空間における高温ガスおよび火炎から放射される赤外線の波長とは異なる。そのため、撮像部126においては、測定する赤外線波長を適切に選定することによって測定視野内に火炎が存在していても、廃棄物の層の温度分布に対応する熱画像情報を得ることができる。また、撮像部126による炉長方向の測定範囲を設定して、燃焼領域より上流側位置(火炎より上流側)での火格子104上の廃棄物の層の熱画像情報を得ることができる。熱画像情報は、火炎を透過した状態の映像データ、すなわち複数の透過画像データとして扱うことができる。
燃焼制御装置31は、取得した透過画像データに基づいて、廃棄物の落下面積、落下高さ、燃え切り点の位置などのプロセスデータを生成できる。燃焼制御装置31は、透過画像データに基づいて、供給前の廃棄物の平均温度、領域面積、および温度重心などのプロセスデータを導出できる。燃焼制御装置31は、段差壁113の平均温度、領域面積、および温度重心、火格子104上の廃棄物の平均温度、領域面積、および温度重心、火格子104の平均温度、領域面積、および温度重心などのプロセスデータを導出できる。また、燃焼制御装置31は、取得した透過画像データにおける層別メッシュ温度や等分メッシュ温度などのプロセスデータを導出できる。これらのプロセスデータの導出は、画像処理に関する画像処理学習モデルを用いて行うことが可能である。
また、撮像部126は、火格子104上の廃棄物の燃焼状態、すなわち火炎を撮像する燃焼画像撮像部をさらに有していても良い。撮像部126の燃焼画像撮像部によって燃焼画像を撮像することによって、燃焼画像に基づいて燃焼状態を数値化して特徴量とした燃焼数値化データを生成することが可能になる。燃焼数値化データの生成は、所定の燃焼画像学習モデルを用いて行うことができる。燃焼数値化データは、プロセスデータとして燃焼制御装置31の記憶部312に格納される。
(排ガス処理システム)
次に、以上説明した廃棄物処理施設1における排ガスに供給する薬剤の供給量を導出する排ガス処理装置としての排ガス処理システムについて説明する。図3は、本発明の一実施形態による情報処理装置を含む排ガス処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、排ガス処理方法を実行する排ガス処理システムは、廃棄物処理施設1における制御装置群30およびガス濃度予測装置40を備える。制御装置群30は、燃焼制御装置31および薬剤供給制御装置32を備える。排ガス処理システムは、さらに廃棄物処理施設1とは独立した学習サーバ50を有していても良い。この場合、ガス濃度予測装置40を備えた廃棄物処理施設1と、学習サーバ50とは、ネットワーク2を介して接続される。
廃棄物処理施設1内において、制御装置群30とガス濃度予測装置40とは、ネットワーク2を介して接続されている。ネットワーク2は、例えば、専用線、インターネットなどの公衆通信網、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、および携帯電話などの電話通信網や公衆回線、VPN(Virtual Private Network)などの一または複数の組み合わせからなる。
なお、ガス濃度予測装置40を廃棄物処理施設1とは独立してネットワーク2に接続させても良く、ガス濃度予測装置40と制御装置群30とをそれぞれ、別々の施設に設置しても良い。ガス濃度予測装置40と制御装置群30とを別々の施設に設置する場合、上述したネットワーク2を介して各種情報や各種データの通信が行われる。また、ガス濃度予測装置40と学習サーバ50とを一体に構成しても良い。
廃棄物処理施設1の制御装置群30における燃焼制御装置31は、制御部311、および記憶部312を備える。なお、燃焼制御を行うための操作量調整部をさらに備えていても良い。燃焼制御部としての制御部311は、具体的に、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサ、およびRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの主記憶部(いずれも図示せず)を備える。記憶部312は、RAMなどの揮発性メモリ、ROMなどの不揮発性メモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD、Solid State Drive)、およびリムーバブルメディアなどから選ばれた記憶媒体から構成される。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、または、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、もしくはBD(Blu-ray(登録商標) Disc)のようなディスク記録媒体である。また、外部から装着可能なメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いて記憶部312を構成しても良い。
記憶部312には、燃焼制御装置31の動作を実行するための、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、各種プログラム、各種テーブル、各種データベースなどが記憶可能である。ここで、各種プログラムには、上述した燃焼画像学習モデルや画像処理学習モデルなどの学習モデルや学習済みモデルに基づいた処理を実現する情報処理プログラムも含まれる。すなわち、各種プログラムには、燃焼画像撮像部によって撮像された燃焼画像から所定の判断を実行可能な、燃焼画像学習モデルや画像処理学習モデルを用いた判断処理を実現する自動判断処理プログラムが含まれていても良い。これらの各種プログラムは、HDD、SSD、フラッシュメモリ、CD-ROM、DVD-ROM、フレキシブルディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して広く流通させることも可能である。
燃焼制御装置31は、あらかじめ定められた操作量関係式に基づいて、それぞれの操作端の操作量を制御する。操作端の操作量としては、例えば、廃棄物の廃棄物供給速度を調整するための廃棄物供給装置送り速度や、廃棄物の移動速度を調整する火格子送り速度などの操作量である。燃焼制御装置31は、必要に応じて、操作量関係式に基づいて、燃焼用空気量や二次空気量を制御する。
記憶部312は、制御部311によって参照されるデータを記憶する。記憶部312には、あらかじめ定められた操作量関係式、制御アルゴリズム、あらかじめ設定された焼却量設定値、および炉101内の燃焼状態量として取得された、上述した各種のプロセスデータが記憶されている。
廃棄物処理施設1における薬剤供給制御装置32は、制御部321、記憶部322、および通信部323を備える。制御部321は、機能的および物理的には、上述した制御部311と同様の構成を有し、CPU、DSP、FPGAなどのプロセッサ、およびRAMやROMなどの主記憶部(いずれも図示せず)を備える。
記憶部322は、機能的および物理的には、上述した記憶部312と同様の構成を有し、RAMなどの揮発性メモリ、ROMなどの不揮発性メモリ、EPROM、HDD、SSD、およびリムーバブルメディアなどから選ばれた記憶媒体から構成される。記憶部322には、薬剤供給制御装置32の動作、すなわち薬剤供給制御工程を実行するためのOS、各種プログラム、各種データベースなどが記憶可能である。記憶部322には、具体的に、薬剤供給部33を制御するためのプログラム、薬剤の供給量を算出するためのプログラム、および薬剤の供給量制御値が記憶されている。
制御部321は、記憶部322に記憶されたプログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部などを制御することによって、所定の目的に合致した機能を実現できる。本実施形態において制御部321は、記憶部322に格納されたプログラムの実行によって、薬剤量算出部324の機能を実行する。具体的に例えば、制御部321は、記憶部322から薬剤量を算出するプログラムを読み込むことによって薬剤量算出部324として機能して、現在の処理前酸性ガス濃度ならびに処理後酸性ガス濃度、および予測時間後の濃度予測値の少なくとも1つの情報から、排ガスダクト130に供給する薬剤量を導出する。
薬剤供給制御装置32における通信部323は、例えばLAN(Local Area Network)インターフェースボード、無線通信のための無線通信回路等から構成される。通信部323はネットワーク2と接続されている。ネットワーク2に接続された通信部323は、ガス濃度予測装置40および学習サーバ50と通信可能に構成される。なお、燃焼制御装置31と通信部323とを通信可能とし、通信部323を介して、燃焼制御装置31をネットワーク2に接続しても良い。
(ガス濃度予測装置)
情報処理装置としてのガス濃度予測装置40は、制御部41、記憶部42、入力部43、出力部44、および通信部45を備える。ガス濃度予測装置40は、排ガスダクト130における予測時間後の処理前酸性ガス濃度、すなわち濃度予測値を算出する。制御部41、記憶部42、および通信部45はそれぞれ、機能的および物理的には、上述した制御部311,321、記憶部312,322、および通信部323と同様の構成を有する。
記憶部42には、ガス濃度予測装置40の動作を実行するためのOS、各種プログラム、各種テーブル、各種データベースなどが記憶可能である。ここで、各種プログラムには、本実施形態による予測学習モデルを用いた処理を実現する情報処理プログラムが含まれる。記憶部42は、ネットワーク2を介して通信可能な学習サーバ50などの他のサーバに設けても良いし、燃焼制御装置31または薬剤供給制御装置32に設けても良い。
具体的に、記憶部42には、予測学習モデル421、ガス濃度データベース(ガス濃度DB)422、およびプロセスデータデータベース(プロセスデータDB)423が格納されている。予測学習モデル421は少なくとも1つの学習モデルを含む。予測学習モデル421は、更新可能なモデルである。なお、学習モデルを更新しない場合には、予測学習済みモデルとして記憶部42に格納される。これらの各種プログラムは、SSD、HDD、フラッシュメモリ、CD-ROM、DVD-ROM、フレキシブルディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して広く流通させることも可能である。ガス濃度DB422は、排ガスダクト130,150内を流動する種々のガス、特に酸性ガスの濃度のデータから構成される。ガス濃度DB422は、日時の情報に関連付けされた処理前酸性ガス濃度および処理後酸性ガス濃度のデータが、時系列で格納されている。プロセスデータDB423は、上述した焼却炉100の各所において測定されて取得した各種プロセスデータから構成される。
制御部41は、記憶部42に記憶されたプログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部などを制御することによって、所定の目的に合致した機能を実現できる。本実施形態において制御部41は、記憶部42に格納されたプログラムの実行によって、予測部411、および学習部412の機能を実行できる。なお、学習部412の機能は設けなくても良い。具体的に例えば、制御部41は、記憶部42からプログラムである予測学習モデル421を読み込むことによって、予測部411の機能を実行する。予測部411および学習部412の機能の詳細については、後述する。
入力手段としての入力部43は、キーボードや入力用のボタン、レバーや、液晶などのディスプレイに重畳して設けられる手入力のためのタッチパネル、または音声認識のためのマイクロホンなどの、ユーザインターフェースを用いて構成される。ユーザなどが入力部43を操作することによって、制御部41に所定の情報を入力可能に構成される。出力手段としての出力部44は、所定の情報を外部に通知可能に構成される。出力部44は、制御部41による制御に従って、ディスプレイモニタに炉101内の廃棄物の画像などを表示したり、タッチパネルディスプレイの画面上に文字や図形などを表示したり、スピーカから音声を出力したりする。なお、入力部43および出力部44を一体として入出力部を構成し、入出力部をタッチパネルディスプレイやスピーカマイクロホンなどから構成しても良い。
(予測学習モデル)
ここで、記憶部42に記憶されている予測学習モデル421およびその生成方法について説明する。予測学習モデル421は、説明変数として、過去から現在までの間における、上流酸性ガス濃度計34により計測された処理前酸性ガス濃度、上述した各種プロセスデータ、燃焼画像データや透過画像データに基づいて導出された廃棄物の燃焼状態を示す特徴量、およびスートブロー運転の有無などを入力パラメータとする。なお、入力パラメータに処理後酸性ガス濃度を含めても良い。また、プロセスデータは、上述した各種のガス温度や空気流量などのプロセスデータ以外にも、廃棄物の体積や嵩密度などから選ばれる物理量からなるデータを含めても良い。具体的に、プロセスデータは、排ガス温度、排ガス中酸素濃度、排ガス中のNOx濃度、排ガス流量、廃棄物体積、廃棄物嵩密度、火格子速度、火格子下空気圧力、ボイラ109の過熱器出口の温度や圧力などの物理量から選ばれたデータを含めることができる。予測学習モデル421は、目的変数として、現在から予測時間後における酸性ガス濃度または酸性ガス量を出力パラメータとする。なお、酸性ガスは、典型的には塩化水素ガス(HCl)であるが、その他の酸性ガスであっても良い。なお、予測学習モデル421における「現在」は、「任意の時刻」に言い換えることができる。
予測学習モデル421の生成のために用いられるデータは、例えば、過去から現在までの間における、処理前酸性ガス濃度、各種プロセスデータ、燃焼画像データや透過画像データに基づいて導出された廃棄物の燃焼状態を示す特徴量、およびスートブロー運転の有無などである。これらのデータはそれぞれ、例えば過去1週間以上1か月間以下の運転データに基づくことが好ましく、本実施形態においては例えば2週間の運転データに基づいているが限定されない。すなわち、予測学習モデル421を生成する際の入出力データセットとしては、学習用入力パラメータとして、過去から所定時点までの間における、処理前酸性ガス濃度、上述した各種プロセスデータ、廃棄物の燃焼状態を示す特徴量、およびスートブロー運転の有無などのデータが用いられ、学習用出力パラメータとして、所定時点から予測時間経過した後の処理前酸性ガス濃度が用いられる。また、ある異常な状態をより良く学習するために、特定の状態に対するオーバーサンプリングなどの方法によってデータを加工しても良い。
制御部41の学習部412は、上述した学習用入力パラメータおよび学習用出力パラメータを教師データとして、例えばニューラルネットワークを用いたディープラーニング(深層学習)などの機械学習によって、回帰分析の予測学習モデル421を生成する。制御部41は、学習部412により学習された内容に基づいて、処理前酸性ガス濃度、各種プロセスデータ、廃棄物の燃焼状態を示す特徴量、およびスートブロー運転の有無の群から選ばれた少なくとも1種類のパラメータから、予測時間経過後の処理前酸性ガス濃度を導出する。また、学習部412は、所定時点における上述した入力パラメータ、および所定時点から予測時間経過した後に上流酸性ガス濃度計34によって計測された処理前酸性ガス濃度を用いて、予測学習モデル421を適宜更新する。
(学習サーバ)
情報処理装置としての学習サーバ50は、制御部51、記憶部52、入力部53、出力部54、および通信部55を備える。学習サーバ50は、上述した予測学習モデル421と同様の予測学習モデル521を生成する。制御部51、記憶部52、入力部53、出力部54、および通信部55はそれぞれ、機能的および物理的には、上述した制御部311,321,41、記憶部312,322,42、入力部43、出力部44、および通信部323,45と同様の構成を有する。
記憶部52には、学習サーバ50の動作を実行するためのOS、各種プログラム、各種テーブル、各種データベースなどが記憶可能である。ここで、各種プログラムには、本実施形態による予測学習モデルを用いた処理を実現する情報処理プログラムが含まれる。記憶部52は、ネットワーク2を介して通信可能な他のサーバに設けても良い。具体的に記憶部52には、予測学習モデル521、およびビッグデータ522が格納されている。予測学習モデル521は、上述した予測学習モデル421と同様の学習モデルを含む。ビッグデータ522は、廃棄物処理施設1における過去の運転データ、すなわち、処理前酸性ガス濃度、各種プロセスデータ、廃棄物の燃焼状態を示す特徴量、およびスートブロー運転の有無などのデータを含む。すなわち、学習サーバ50は、ネットワーク2を介して廃棄物処理施設1における種々の運転データを受信して取得し、ビッグデータ522として記憶部52に格納する。
本実施形態において学習サーバ50の制御部51は、記憶部52に記憶されたプログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部などを制御することによって、学習部511の機能を実現できる。学習部511の機能は、上述した学習部412と同様である。制御部51の学習部511は、ビッグデータ522に含まれる過去の運転データに基づいて、上述した予測学習モデル421の生成方法や更新方法と同様にして、予測学習モデル521を生成したり更新したりする。制御部51は、生成した予測学習モデル521を、ネットワーク2を通じてガス濃度予測装置40に送信する。ガス濃度予測装置40は、受信した予測学習モデル521を予測学習モデル421として、記憶部42に格納する。これにより、ガス濃度予測装置40において予測学習モデル421を生成する必要がなくなることから、制御部41の負荷を低減できる。
また、学習サーバ50の制御部51に予測部411と同様の機能を実現させることも可能である。この場合、記憶部52には予測部411の機能を実現するプログラムが格納されていても良い。これにより、学習サーバ50において、ガス濃度予測装置40が実行する機能、すなわち濃度予測値の導出を実現できる。換言すると、学習サーバ50とガス濃度予測装置40とを一体に構成して、学習サーバ50において導出された濃度予測値の情報を、ネットワーク2を介して廃棄物処理施設1に送信することも可能である。これにより、廃棄物処理施設1における処理の負荷を低減できる。
(薬剤供給制御方法)
次に、上述したガス濃度予測装置40を用いて排ガスダクト130に供給する薬剤の量を制御する薬剤供給制御方法について説明する。図4は、本実施形態による薬剤供給制御方法を説明するための図である。
図4に示すように、まず、運転開始時において、焼却炉100の運転中において燃焼制御装置31が取得した、燃焼状態の特徴量、スートブロー運転の有無の情報、および各種プロセスデータ(以下、各種プロセスデータと総称)が、燃焼制御装置31からガス濃度予測装置40に送信される。ガス濃度予測装置40は取得した各種プロセスデータを、記憶部42のプロセスデータDB423に格納する。また、上流酸性ガス濃度計34によって計測された処理前酸性ガス濃度の計測値が、ガス濃度予測装置40に送信されて、ガス濃度DB422に格納される。
(プロセスデータ取得処理)
ガス濃度予測装置40において予測部411は、予測学習モデル421のプログラムを読み込む一方、取得した各種プロセスデータおよび処理前酸性ガス濃度の計測値を記憶部42から取得する。
(処理前酸性ガス濃度の予測処理)
予測部411は、入力された各種プロセスデータおよび処理前酸性ガス濃度に基づいて、予測時間後の処理前酸性ガスの濃度予測値を導出する予測処理を行う。ガス濃度予測装置40の制御部41は、予測時間後の濃度予測値の情報を、薬剤供給制御部としての薬剤供給制御装置32に出力する。
(薬剤量の算出処理)
薬剤供給制御装置32の制御部321がガス濃度予測装置40から濃度予測値を取得すると、取得した濃度予測値を記憶部322に格納する。また、薬剤供給制御装置32は、下流酸性ガス濃度計35から処理後酸性ガス濃度の計測値を取得して、記憶部322に格納する。続いて、薬剤量算出部324は、記憶部322から読み出した濃度予測値に基づいて、排ガスダクト130に供給する薬剤量を算出する。なお、薬剤量算出部324は、濃度予測値と処理後酸性ガス濃度の計測値とに基づいて薬剤量を算出しても良い。薬剤量算出部324は、薬剤量の算出値に基づいて、排ガスダクト130に供給する薬剤量に関する供給量制御値を生成して、薬剤供給部33に出力する。
(薬剤の供給処理)
薬剤供給部33は、入力された供給量制御値に基づいた量の薬剤を、供給口131を通じて排ガスダクト130に供給する。排ガスダクト130においては、上述した反応式(1-1)~(3)などの反応が生じて酸性ガス濃度が低減される。
(処理後酸性ガス濃度)
集塵器140によって処理された排ガスに対して、下流酸性ガス濃度計35により処理後酸性ガス濃度が計測される。計測された処理後酸性ガス濃度は、ガス濃度予測装置40に供給されて、ガス濃度DB422に格納される一方、薬剤供給制御装置32に供給されて記憶部322に格納される。排ガスは、各種の処理によって清浄化されて、大気に放出される。以上により、薬剤供給制御処理が実行される。薬剤供給制御処理は、排ガス処理が継続している間、繰り返し実行される。
(予測学習モデルの更新)
また、以上のように実行された薬剤供給制御処理においては、燃焼制御装置31から取得した各種プロセスデータがプロセスデータDB423に蓄積されるとともに、処理前酸性ガス濃度および処理後酸性ガス濃度の計測値がガス濃度DB422に蓄積される。ガス濃度予測装置40の制御部41における学習部412は、蓄積された各種プロセスデータおよびガス濃度を教師データとして、予測学習モデル421を適宜、更新することができる。なお、予測学習モデル421の更新は、所定期間ごとの頻度で行っても良く、処理前酸性ガス濃度の計測値と濃度予測値との二乗平均平方根誤差(RMSE:Root Mean Square Error)が更新時点のRMSEより一定割合、例えば30%以上大きくなった段階で行うようにしても良い。
酸性ガスは、廃棄物の燃焼によって発生するものであることから、燃焼状況を推定して、燃焼状況の変化を予測できれば、酸性ガス濃度を予測可能であると考えられる。しかしながら、燃焼プロセスが複雑であることから、酸性ガス濃度の予測は困難であった。これに対し、以上説明した一実施形態によれば、焼却炉100において計測された各種プロセスデータからガス濃度予測装置40によって酸性ガス濃度を予測し、予測した酸性ガス濃度の増減に基づいて、薬剤供給量を調整することができる。これにより、従来に比して、薬剤供給量を低減して、薬剤の過剰投入を抑制できる。本発明では、過去のプロセスデータから機械学習を用いて予測することで、酸性ガス濃度の予測が可能となった。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いても良く、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により本発明は限定されることはない。
例えば、上述した一実施形態においては、予測学習モデル421を廃棄物処理施設1に設けられたガス濃度予測装置40の記憶部42に格納しているが、ネットワーク2を通じて通信可能な他のサーバの記憶部に格納することも可能である。すなわち、予測学習モデル421を、ネットワーク2を介して薬剤供給制御装置32と通信可能な予測サーバに格納しておくことも可能である。この場合、予測サーバの制御部は、薬剤供給制御装置32からの要求に対応して、上述した燃焼制御装置31やガス濃度計34,35などからプロセスデータなどの各種の入力パラメータを取得して、予測時間後の濃度予測値を導出し、薬剤供給制御装置32に送信する。換言すると、予測部411の機能を備えた制御部を、ネットワーク2を介して通信可能な廃棄物処理施設1とは別体の情報処理装置に設けても良い。さらに、予測部411と学習部412とをそれぞれ、互いにネットワーク2を介して通信可能な別の装置に設けても良い。
また、例えば、上述した一実施形態においては、数値予測の一例として機械学習におけるニューラルネットワークを用いたディープラーニングを用いたが、それ以外の方法に基づく数値予測を行っても良い。例えば、以下の三種類の方法を採用することも可能である。第1に、リカレントニューラルネットワークを用いた時系列予測で、LSTMやGRUなどの方法を採用できる。第2に、回帰的な機械学習を用いた教師あり学習を採用できる。機械学習としては例えば、XGBOOSTやLIGHTGBMなどの勾配ブースティング、ランダムフォレストなどのバギング、ELASTICNET回帰などの正則化線形回帰、PLS回帰、直交マッチング追跡、サポートベクターマシン、決定木、ナイーブベイズ、k近傍法などの方法を用いても良い。さらに、これらの複数の方法を組み合わせたアンサンブルモデルや、スタッキングなどを行っても良い。これらの方法を採用する場合、説明変数として時系列情報を含んだ形にセンサーデータを加工した特徴量を用いても良い。特徴量としては、ウィンドウサイズ、時間遅れ、集計関数などにより複数の種類があり、例えば酸性ガス濃度の三分移動平均などを特徴量としても良い。また、回帰のみならず分類を行って、その結果を回帰に使用したり、教師あり学習に代えて半教師あり学習を用いたりしても良い。第3に、統計モデリングによる方法であって、例えばARIMAモデルや、カルマンフィルタを用いた線形ガウス状態空間モデルなどの状態空間モデルを採用しても良い。
また、例えば、上述した一実施形態においては、焼却炉として段差壁を有する火格子焼却炉を採用した例について説明したが、必ずしも火格子焼却炉に限定されない。
(記録媒体)
上述の一実施形態において、燃焼制御装置31、薬剤供給制御装置32、またはガス濃度予測装置40にそれらの処理方法を実行させるプログラムを、コンピュータその他の機械やウェアラブルデバイスなどの装置(以下、コンピュータなど、という)が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータなどに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、当該コンピュータなどが移動体制御装置として機能する。ここで、コンピュータなどが読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラムなどの情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータなどから読み取ることができる非一時的な記録媒体をいう。このような記録媒体のうちのコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、BD、DAT、磁気テープ、フラッシュメモリなどのメモリカードなどがある。また、コンピュータなどに固定された記録媒体としてハードディスク、ROMなどがある。さらに、SSDは、コンピュータなどから取り外し可能な記録媒体としても、コンピュータなどに固定された記録媒体としても利用可能である。
また、一実施形態による燃焼制御装置31、薬剤供給制御装置32、およびガス濃度予測装置40に実行させるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
(その他の実施形態)
一実施形態においては、上述した「部」を、「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御回路に読み替えることができる。
なお、本明細書における薬剤供給制御方法の説明では、「まず」、「その後」、「続いて」などの表現を用いて処理の前後関係を明示していたが、本実施形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。すなわち、本明細書で記載した薬剤供給制御方法における処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本開示のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 廃棄物処理施設
2 ネットワーク
30 制御装置群
31 燃焼制御装置
32 薬剤供給制御装置
33 薬剤供給部
34 上流酸性ガス濃度計
35 下流酸性ガス濃度計
40 ガス濃度予測装置
41,51,311,321 制御部
42,52,312,322 記憶部
43,53 入力部
44,54 出力部
45,55,323 通信部
50 学習サーバ
100 焼却炉
101 炉
102 廃棄物投入口
103 廃棄物供給装置
104 火格子
105 灰落下口
106 燃焼用空気ブロア
107 炉出口
109 ボイラ
109a 熱交換器
109b 蒸気ドラム
110 二次空気吹き込み口
111 二次空気ブロア
112 廃棄物供給部
113 段差壁
114 燃焼用空気ダンパ
114a,114b,114c,114d 火格子下燃焼用空気ダンパ
116 中間天井
117 燃焼室ガス温度計
118 主煙道ガス温度計
119 炉出口下部ガス温度計
120 炉出口中部ガス温度計
121 炉出口ガス温度計
122 ボイラ出口酸素濃度計
123 ガス濃度計
124 排ガス流量計
125 蒸気流量計
126 撮像部
130,150 排ガスダクト
131 供給口
140 集塵器
160 煙突
324 薬剤量算出部
411 予測部
412,511 学習部
421,521 予測学習モデル
422 ガス濃度DB
423 プロセスデータDB
522 ビッグデータ

Claims (11)

  1. 廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガス中の前記酸性ガスの濃度または物質量を予測する制御部を備えた情報処理装置であって、
    前記制御部は、
    前記酸性ガスの濃度または物質量の計測値を取得して酸性ガス計測値として記憶部に格納し、
    前記廃棄物焼却炉から、前記廃棄物焼却炉における運転に関連した情報を取得してプロセスデータとして前記記憶部に格納し、
    前記記憶部から読み出した、所定時点における前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータに基づいて、前記所定時点から所定の予測時間後の前記酸性ガスの濃度または物質量を予測して、濃度予測値を出力する場合に、
    前記記憶部から、前記所定時点における前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータを入力パラメータとして取得し、前記記憶部から読み出した前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータを予測学習モデルに入力し、
    前記濃度予測値を出力パラメータとして出力し、
    前記予測学習モデルは、所定期間における、前記酸性ガスの濃度または物質量の計測値および前記プロセスデータを学習用入力パラメータとし、前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータを取得した前記所定時点から前記予測時間経過後の前記酸性ガス計測値を学習用出力パラメータとした入出力データセットを用いて、機械学習によって生成された学習モデルであり、
    前記予測学習モデルの更新を、前記酸性ガス計測値と前記濃度予測値との二乗平均平方根誤差が更新時点の二乗平均平方根誤差より30%以上大きくなった段階で行う
    情報処理装置。
  2. 前記排ガスに対して排ガス処理を実行する排ガス処理部における、前記排ガス処理が実行される前の前記排ガスに含まれる前記酸性ガスの濃度または物質量を予測する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記廃棄物焼却炉が、前記廃棄物を移動させる火格子および蒸気を発生させる蒸気発生部を備え、
    前記プロセスデータは、前記排ガスにおける、温度、酸素濃度、NOx濃度、および流量、前記廃棄物における、体積、および嵩密度、前記火格子における、速度、および火格子下空気圧力、ならびに前記蒸気発生部の出口の圧力および温度から選ばれた少なくとも1種類の物理量を含む
    請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 前記廃棄物焼却炉が、前記廃棄物焼却炉内の前記廃棄物を含む領域を撮像する撮像部を備え、
    前記プロセスデータは、前記撮像部が撮像した、火炎の燃焼状態を示す燃焼画像データ、および熱画像情報に基づいて前記火炎を透過した状態を示す透過画像データの少なくとも一方から得られた特徴量を含む
    請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  5. 前記廃棄物焼却炉が、蒸気を発生させる蒸気発生部を備え、
    前記プロセスデータは、前記蒸気発生部におけるスートブロー運転の有無の情報を含む
    請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記酸性ガスが塩化水素ガスである
    請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  7. 廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガス中の前記酸性ガスの濃度または物質量を予測する制御部を備えた情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
    前記制御部は、
    前記酸性ガスの濃度または物質量の計測値を取得して酸性ガス計測値として記憶部に格納し、
    前記廃棄物焼却炉から、前記廃棄物焼却炉における運転に関連した情報を取得してプロセスデータとして前記記憶部に格納し、
    前記記憶部から読み出した所定時点における前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータに基づいて、前記所定時点から所定の予測時間後の前記酸性ガスの濃度または物質量を予測して、濃度予測値を出力する場合に、
    前記記憶部から、前記所定時点における前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータを入力パラメータとして取得し、前記記憶部から読み出した前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータを予測学習モデルに入力し、
    前記濃度予測値を出力パラメータとして出力し、
    前記予測学習モデルは、所定期間における、前記酸性ガスの濃度または物質量の計測値および前記プロセスデータを学習用入力パラメータとし、前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータを取得した前記所定時点から前記予測時間経過後の前記酸性ガス計測値を学習用出力パラメータとした入出力データセットを用いて、機械学習によって生成された学習モデルであり、
    前記予測学習モデルの更新を、前記酸性ガス計測値と前記濃度予測値との二乗平均平方根誤差が更新時点の二乗平均平方根誤差より30%以上大きくなった段階で行う
    情報処理方法。
  8. 廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガス中の前記酸性ガスの濃度または物質量を予測する制御部を備えた情報処理装置に、
    前記酸性ガスの濃度または物質量の計測値を取得して酸性ガス計測値として記憶部に格納し、
    前記廃棄物焼却炉から、前記廃棄物焼却炉における運転に関連した情報を取得してプロセスデータとして前記記憶部に格納し、
    前記記憶部から読み出した所定時点における前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータに基づいて、前記所定時点から所定の予測時間後の前記酸性ガスの濃度または物質量を予測して、濃度予測値を出力する場合に、
    前記記憶部から、前記所定時点における前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータを入力パラメータとして取得し、前記記憶部から読み出した前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータを予測学習モデルに入力し、
    前記濃度予測値を出力パラメータとして出力し、
    前記予測学習モデルは、所定期間における、前記酸性ガスの濃度または物質量の計測値および前記プロセスデータを学習用入力パラメータとし、前記酸性ガス計測値および前記プロセスデータを取得した前記所定時点から前記予測時間経過後の前記酸性ガス計測値を学習用出力パラメータとした入出力データセットを用いて、機械学習によって生成された学習モデルであり、
    前記予測学習モデルの更新を、前記酸性ガス計測値と前記濃度予測値との二乗平均平方根誤差が更新時点の二乗平均平方根誤差より30%以上大きくなった段階で行う
    ことを実行させるプログラム。
  9. 廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガスに排ガス処理を実行する排ガス処理部によって、前記排ガス処理が実行される前の前記排ガスに薬剤を供給する薬剤供給装置であって、
    前記排ガス処理が実行される前の前記排ガスに薬剤を供給する薬剤供給部と、
    前記薬剤供給部に対して前記薬剤の供給量を指示する供給量制御値を出力する薬剤供給制御部と、を備え、
    前記薬剤供給制御部は、
    請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理装置から出力された濃度予測値を取得して、記憶部に格納し、
    前記記憶部から前記濃度予測値を取得して、前記濃度予測値に基づいて前記供給量制御値を導出する
    薬剤供給装置。
  10. 廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガスに対して排ガス処理を実行する排ガス処理装置であって、
    前記排ガスの煙道に設けられた排ガス処理部と、
    前記排ガス処理部における前記排ガスの流れ方向に沿った上流側に薬剤を供給する薬剤供給部と、
    前記薬剤供給部に対して前記薬剤の供給量を指示する供給量制御値を出力する薬剤供給制御部と、を備え、
    前記薬剤供給制御部は、
    請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理装置から出力された濃度予測値を取得して、記憶部に格納し、
    前記記憶部から前記濃度予測値を取得して、前記濃度予測値に基づいて前記供給量制御値を導出する
    排ガス処理装置。
  11. 廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガスに対して排ガス処理を実行する排ガス処理方法であって、
    前記排ガスの煙道に設けられた排ガス処理部において行われる排ガス処理工程と、
    薬剤を供給可能に構成された薬剤供給部から、前記排ガス処理部における前記排ガスの流れ方向に沿った上流側に薬剤を供給する薬剤供給工程と、
    薬剤供給制御部が、前記薬剤供給部に対して前記薬剤の供給量を指示する供給量制御値を出力する薬剤供給制御工程と、を含み、
    前記薬剤供給制御工程は、
    前記薬剤供給制御部が請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理装置から出力された濃度予測値を取得して記憶部に格納し、前記記憶部から前記濃度予測値を取得して、前記濃度予測値に基づいて前記供給量制御値を導出する工程を含む
    排ガス処理方法。
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