JP2021173495A - 廃棄物供給異常検知方法、廃棄物供給制御方法、廃棄物供給異常検知装置および廃棄物供給制御装置 - Google Patents

廃棄物供給異常検知方法、廃棄物供給制御方法、廃棄物供給異常検知装置および廃棄物供給制御装置 Download PDF

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Yoshiyuki Tochisawa
太一 薄木
Taichi Usuki
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Tomohiro Denda
剛 中山
Takeshi Nakayama
啓二 戸村
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【課題】燃焼室への廃棄物の供給異常を早期に検知する。【解決手段】廃棄物供給異常検知装置は、基準時刻より過去の時刻から該基準時刻までの所定期間の蒸気発生量を説明変数とし、前記基準時刻より未来の予測時刻の蒸気発生量である予測蒸気発生量を目的変数とする、重回帰分析、決定木、ランダムフォレストおよびディープラーニングのいずれかを用いた予測モデルを、前記説明変数と前記目的変数の実績値を用いて学習させる学習部45と、学習させた予測モデルに現在時刻を基準時刻として前記説明変数のデータを入力し、予測蒸気発生量を求める予測部41aと、前記予測時刻より過去の時刻の蒸気発生量から前記予測蒸気発生量を減じて蒸気発生量の差分を算出する差分算出部41bと、前記差分に基づいて廃棄物供給の異常の有無を検知する検知部41cとを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、廃棄物供給異常検知方法、廃棄物供給制御方法、廃棄物供給異常検知装置および廃棄物供給制御装置に関する。
廃棄物を燃焼室で燃焼しボイラで蒸気を発生させる廃棄物焼却炉として、特許文献1の火格子(ストーカ)式の焼却炉が知られている。この焼却炉の燃焼室(炉本体)には、廃棄物(ごみ)の搬送方向での下流側の天井に撮像手段としての2つの赤外線カメラ(近赤外線カメラおよび中赤外線カメラ)が設けられている。これらの撮像手段は火格子上を搬送される廃棄物の熱画像を炎越しに撮像する。
上記撮像手段は制御手段(コントローラ)に接続されており、上記撮像手段により撮像された熱画像データはリアルタイムで制御手段へ送られる。制御手段は熱画像データのオプティカルフローに基づいて燃焼室の幅方向での両側の内壁面と火格子上の廃棄物との境界線を検出し、乾燥火格子上および燃焼火格子上のそれぞれの廃棄物の体積を推定する。さらに、上記制御手段は推定した廃棄物の体積(推定量)に基づいて火格子速度や給塵速度等を増減させ、焼却炉での自動燃焼制御を行う。
特開2019−132485
ところで、廃棄物焼却炉へ供給される廃棄物の性状は不均一であることから廃棄物を一定速度で燃焼室へ供給することは容易ではなく、特に、シュート内で廃棄物が固着して詰まった場合、燃焼室への廃棄物の供給が停滞して燃焼室内の廃棄物の量が一時的に不足する、いわゆる「ゴミ枯れ」と呼ばれる現象が発生し、また、その後、固着していた大量の廃棄物が一度に燃焼室へ供給される、いわゆる「ドカ落ち」と呼ばれる現象が発生し、燃焼室内の廃棄物の量が過剰となる。このゴミ枯れやドカ落ちが生じると、燃焼室への廃棄物の供給量が不安定となり、廃棄物の燃焼状態が急激に変化することとなるので、安定した燃焼制御が非常に困難となる。すなわち、廃棄物焼却炉の自動燃焼制御においては、ゴミ枯れやドカ落ちによる廃棄物供給の異常(供給異常)を早期に検知し、それに応じた燃焼制御を行うことが重要である。
しかし、特許文献1に開示された技術では、撮像手段からリアルタイムで送られる熱画像データに基づいて制御手段が廃棄物の体積を推定し燃焼制御を行うので、ゴミ枯れやドカ落ちによる廃棄物の供給異常は事後的に検知されることとなる。つまり、廃棄物の供給異常を早期に検知できないので、廃棄物の供給異常への対処が事後的になってしまい、燃焼制御が不安定になるおそれがある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、燃焼室への廃棄物の供給異常を早期に検知することができる廃棄物供給異常検知方法、廃棄物供給制御方法、廃棄物供給異常検知装置および廃棄物供給制御装置を提供することを課題とする。
本発明によれば、上述の課題は、次の第一発明および第二発明に係る廃棄物供給異常検知方法、第三発明に係る廃棄物供給制御方法、第四発明および第五発明に係る廃棄物供給異常検知装置、第六発明および第七発明に係る廃棄物供給制御装置により解決される。
<第一発明>
第一発明に係る廃棄物供給異常検知方法は、廃棄物を燃焼室で燃焼しボイラで蒸気を発生させる廃棄物焼却炉における前記燃焼室への廃棄物供給の異常を検知する廃棄物供給異常検知方法であって、基準時刻より過去の時刻から該基準時刻までの所定期間の蒸気発生量を説明変数とし、前記基準時刻より未来の予測時刻の蒸気発生量である予測蒸気発生量を目的変数とする、重回帰分析、決定木、ランダムフォレストおよびディープラーニングのいずれかを用いた予測モデルを、前記説明変数と前記目的変数の実績値を用いて学習させる学習ステップと、学習させた予測モデルに現在時刻を基準時刻として前記説明変数のデータを入力し、予測蒸気発生量を求める予測ステップと、前記予測時刻より過去の時刻の蒸気発生量から前記予測蒸気発生量を減じて蒸気発生量の差分を算出する差分算出ステップと、前記差分に基づいて廃棄物供給の異常の有無を検知する検知ステップと、を備える。
<第二発明>
第二発明に係る廃棄物供給異常検知方法は、廃棄物を燃焼室で燃焼しボイラで蒸気を発生させる廃棄物焼却炉における前記燃焼室への廃棄物供給の異常を検知する廃棄物供給異常検知方法であって、過去の時刻の蒸気発生量から現在時刻の蒸気発生量を減じて蒸気発生量の差分を算出する差分算出ステップと、前記差分に基づいて廃棄物供給の異常の有無を検知する検知ステップと、を備える。
第一発明および第二発明において、前記検知ステップは、前記差分が所定の設定値より大きい場合に、前記燃焼室への正常な供給量での廃棄物供給の停滞による廃棄物供給の異常の発生を検知するようになっていてもよい。
<第三発明>
第三発明に係る廃棄物供給制御方法は、第一発明または第二発明に係る廃棄物供給異常検知方法の各ステップと、前記検知ステップにおける検知結果に基づいて廃棄物焼却炉の操作端の操作量を制御する制御ステップと、を備える。
<第四発明>
第四発明に係る廃棄物供給異常検知装置は、廃棄物を燃焼室で燃焼しボイラで蒸気を発生させる廃棄物焼却炉における前記燃焼室への廃棄物供給の異常を検知する廃棄物供給異常検知装置であって、基準時刻より過去の時刻から該基準時刻までの所定期間の蒸気発生量を説明変数とし、前記基準時刻より未来の予測時刻の蒸気発生量である予測蒸気発生量を目的変数とする、重回帰分析、決定木、ランダムフォレストおよびディープラーニングのいずれかを用いた予測モデルを、前記説明変数と前記目的変数の実績値を用いて学習させる学習部と、学習させた予測モデルに現在時刻を基準時刻として前記説明変数のデータを入力し、予測蒸気発生量を求める予測部と、前記予測時刻より過去の時刻の蒸気発生量から前記予測蒸気発生量を減じて蒸気発生量の差分を算出する差分算出部と、前記差分に基づいて廃棄物供給の異常の有無を検知する検知部と、を備える。
<第五発明>
第五発明に係る廃棄物供給異常検知装置は、廃棄物を燃焼室で燃焼しボイラで蒸気を発生させる廃棄物焼却炉における前記燃焼室への廃棄物供給の異常を検知する廃棄物供給異常検知装置であって、過去の時刻の蒸気発生量から現在時刻の蒸気発生量を減じて蒸気発生量の差分を算出する差分算出部と、前記差分に基づいて廃棄物供給の異常の有無を検知する検知部と、を備える。
第四発明および第五発明において、前記検知部は、前記差分が所定の設定値より大きい場合に、前記燃焼室への正常な供給量での廃棄物供給の停滞による廃棄物供給の異常の発生を検知するようになっていてもよい。
<第六発明>
第六発明に係る廃棄物供給制御装置は、第四発明に係る廃棄物供給異常検知装置の前記予測部、前記差分算出部および前記検知部を有する制御部を備え、前記制御部が前記検知部における検知結果に基づいて廃棄物焼却炉の操作端の操作量を制御する。
<第七発明>
第七発明に係る廃棄物供給制御装置は、第五発明に係る廃棄物供給異常検知装置の前記差分算出部および前記検知部を有する制御部を備え、前記制御部が前記検知部における検知結果に基づいて廃棄物焼却炉の操作端の操作量を制御する。
本発明によれば、燃焼室への廃棄物の供給異常を早期に検知することができる。
図1は、本発明の一実施形態による廃棄物供給制御装置を適用した焼却施設を模式的に示す全体構成図である。 図2は、本発明の一実施形態による燃焼制御装置および監視センタの構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の一実施形態による廃棄物供給制御方法を説明するためのフローチャートである。 図4は、本発明の一実施形態による廃棄物供給制御方法における介入操作を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の一実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する一実施形態によって限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態による廃棄物供給制御装置が適用される火格子式のごみ焼却炉を示す。図1に示すように、廃棄物焼却炉であるごみ焼却炉は、ごみの燃焼が行われる燃焼室としての炉1、ごみを投入するごみ投入口2、およびボイラ9を備える。なお、ボイラ9は、炉1の炉出口7の下流側に設置された熱交換器9aおよび蒸気ドラム9bを備える。
ごみ投入口2から投入されたごみは、ごみ供給装置3によって火格子4に搬送される。火格子4が往復運動を行うことにより、ごみの撹拌および移動が行われる。火格子4の下方の風箱に燃焼用空気ブロア6から燃焼用空気が供給され、供給された燃焼用空気の吹き込みによって火格子4上のごみが乾燥されながら燃焼されて、排ガスおよび灰が生成される。生成された灰は、灰落下口5を通じて落下して炉1の外部に排出される。
火格子4の下から炉1の内部に供給される燃焼用空気の総量は、燃焼用空気ブロア6の直近に設けた燃焼用空気ダンパ14によって調整される。それぞれの風箱に供給される燃焼用空気の流量は、それぞれの風箱に燃焼用空気を供給する配管にそれぞれ設けられた、火格子下燃焼用空気ダンパ14a,14b,14c,14dによって調整される。すなわち、火格子下燃焼用空気ダンパ14a〜14dによって、それぞれの風箱に供給される燃焼用空気の流量の比率が調整される。なお、図1においては、ごみの搬送方向に沿って火格子4の下を4つの風箱で分割し、それぞれの風箱を通じて燃焼用空気を供給しているが、火格子下燃焼用空気ダンパ14a〜14dおよび風箱の数は必ずしも4つに限定されず、ごみ焼却炉の規模や目的などに応じて適宜変更可能である。
炉壁に設けられた冷却用空気吹き込み口10からは、冷却用空気ブロア11によって冷却用空気が炉1内に吹き込まれる。冷却用空気が炉1内に吹き込まれることによって、燃焼ガス中の未燃焼成分がさらに燃焼するとともに、炉壁の温度が過度に上昇することを抑制する。冷却用空気吹き込み口10から炉1内に供給される冷却用空気の流量は、冷却用空気ブロア11の直近に設けられた冷却用空気ダンパ15によって調整される。
また、火格子4におけるごみの搬送方向に沿って、上流側のごみ乾燥過程および主燃焼過程において発生した可燃性ガスと、下流側の後燃焼過程において発生した燃焼排ガスとは、炉1の炉出口7側に設けられたガス混合部において合流する。ガス混合部において合流した可燃性ガスおよび燃焼排ガスは、再度攪拌および混合された後、二次燃焼用空気の供給によって、二次燃焼が行われる。ボイラ9は、二次燃焼が行われる部分(以下、二次燃焼部)に対して、ごみの搬送方向に沿った下流側に設置されている。二次燃焼が行われた燃焼ガスは、ボイラ9の熱交換器9aによって熱エネルギーが回収された後に、煙突8から外部に排気される。
炉1内には、炉1の高さ方向に沿った上側の位置に中間天井16が設けられている。炉1内に流動するガスは、中間天井16によって、上流側におけるごみ乾燥過程および主燃焼過程で発生した可燃性ガスを多く含むガスと、下流側における後燃焼過程で発生した燃焼排ガスとに、分割して排出できる。具体的には、燃焼排ガスが中間天井16よりも下方の煙道(主煙道)を流れる一方、可燃性ガスを多く含むガスが中間天井16よりも上方の煙道(副煙道)を流れる。燃焼排ガスと可燃性ガスを多く含むガスとがガス混合部において合流することによって、ガス混合部でのガスの攪拌および混合がさらに促進される。これにより、二次燃焼部における燃焼がより安定化し、燃焼過程におけるダイオキシン類の発生を抑制し、ごみの未燃分の発生を抑制することができる。なお、炉1内に中間天井16を設けない構成にしてもよい。
また、炉1内の複数位置に、炉1内のガス温度を計測するセンサとしての温度計が設けられている。具体的には、炉1の高さ方向に沿って、火格子4と冷却用空気吹き込み口10との中間位置に燃焼室ガス温度計17が設けられている。炉1の高さ方向に沿って、炉出口7より下方位置に主煙道ガス温度計18が設けられている。炉1の高さ方向に沿って、炉出口7の下部位置に炉出口下部ガス温度計19が設けられている。炉1の高さ方向に沿って、炉出口7の中部位置に炉出口中部ガス温度計20が設けられている。炉1の高さ方向に沿って、炉出口7の下流側位置に燃焼管理温度を測定する炉出口ガス温度計21が設けられている。燃焼室ガス温度計17、主煙道ガス温度計18、炉出口下部ガス温度計19、炉出口中部ガス温度計20、および炉出口ガス温度計21により計測された温度の計測値は、燃焼プロセス測定値として燃焼制御装置30の記憶部34(図2参照)に記憶される。記憶部34に記憶された温度の計測値は、燃焼制御装置30から監視センタ40に送信されて記憶部44に記憶される。
ボイラ9には、出口側に排ガス中の酸素(O)の濃度を計測するボイラ出口酸素濃度計22が設けられている。煙突8の入口には、排ガス中の一酸化炭素(CO)および窒素酸化物(NO)の濃度を計測するガス濃度計23が設けられている。ボイラ9の出口と煙突8とを接続する配管には、排ガス量を計測するための排ガス流量計24が設けられている。ボイラ出口酸素濃度計22、ガス濃度計23、および排ガス流量計24により計測されたガスの濃度や流量の計測値は、燃焼プロセス測定値として燃焼制御装置30の記憶部34に記憶される。計測されたガスの濃度や流量の計測値は、燃焼制御装置30から監視センタ40に送信されて記憶部44に記憶される。
炉1の内部におけるごみの搬送方向の下流側には、燃焼画像撮像部25が設けられている。燃焼画像撮像部25は、火格子4上のごみの燃焼状態を撮像して、撮像した燃焼画像データを燃焼制御装置30の記憶部34に記憶させる。記憶部34に記憶された燃焼画像データは所定の時間間隔で燃焼制御装置30から監視センタ40に送信される。
燃焼制御装置30は、例えば、専用線、インターネットなどの公衆通信網、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、および携帯電話などの電話通信網や公衆回線、VPN(Virtual Private Network)などの一または複数の組み合わせからなるネットワーク(図示せず)を介して、監視センタ40に接続されている。
図2は、燃焼制御装置30および監視センタ40の構成を示すブロック図である。図2に示すように、自動燃焼制御装置としての燃焼制御装置30は、ごみ質算出部31、操作量基準値調整部32、操作量基準値補正部33、記憶部34、および操作量調整部35を備える。ごみ質算出部31、操作量基準値調整部32、操作量基準値補正部33、および操作量調整部35は、具体的に、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサ、およびRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの主記憶部(いずれも図示せず)を備える。記憶部34は、RAM等の揮発性メモリ、ROM等の不揮発性メモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、およびリムーバブルメディアなどから選ばれた記憶媒体から構成される。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、または、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、もしくはBD(Blu-ray(登録商標) Disc)のようなディスク記録媒体である。また、外部から装着可能なメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いて記憶部34を構成してもよい。
記憶部34には、燃焼制御装置30の動作を実行するための、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル、各種データベースなどが記憶可能である。ここで、各種プログラムには、本実施形態による学習済みモデルに基づいた処理を実現する自動燃焼制御プログラムも含まれる。これらの各種プログラムは、ハードディスク、フラッシュメモリ、CD−ROM、DVD−ROM、フレキシブルディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して広く流通させることも可能である。
燃焼制御装置30は、従来公知のあらかじめ定められた操作量基準値設定関係式に基づいて、それぞれの操作端の操作量として、燃焼用空気量、冷却用空気量、ごみ供給装置送り速度、および火格子送り速度を制御する。なお、燃焼制御装置30は、ごみ供給装置送り速度および火格子送り速度については、停止や運転操作の制御も行う。操作量基準値設定関係式は、ごみ焼却量設定値またはごみ質設定値と操作量基準値(操作量の目標値)との関係式であって、補正係数としての制御パラメータを含む。制御パラメータは、操作量基準値調整部32によって、ごみ焼却量設定値、およびごみ質設定値に適合するように調整される。調整された制御パラメータは、ごみ焼却量設定値およびごみ質設定値のうちの少なくとも一方の設定値が変更された際に、変更された設定値に対応して、操作量基準値調整部32により変更される。制御パラメータが変更されることにより、あらかじめ設定された操作量基準値が補正される。
ごみ質算出部31は、ごみ焼却量設定値に応じてごみ質(ごみの低位発熱量)を算出する。操作量基準値調整部32は、操作量基準値設定関係式に含まれる制御パラメータの調整により操作量基準値を調整する。操作量基準値補正部33は、操作量基準値調整部32によって調整された操作量基準値を所定の制御アルゴリズム(PID制御やファジィ演算等)に基づいて補正する。記憶部34は、ごみ質算出部31、操作量基準値調整部32、および操作量基準値補正部33によって参照されるデータを記憶する。記憶部34は、あらかじめ定められた操作量基準値設定関係式そして制御アルゴリズムに加え、あらかじめ設定された焼却量設定値、さらに炉内の燃焼状態量として取得された燃焼プロセス測定値を記憶している。
操作量調整部35は、操作量基準値に追従するように各操作端のそれぞれの操作量を調整する。具体的に操作量調整部35は、燃焼用空気量調整部36、空気量比率調整部36A、冷却用空気量調整部37、ごみ供給装置送り速度調整部38、および火格子送り速度調整部39を有する。燃焼用空気量調整部36は、燃焼用空気量が操作量基準値補正部33により補正された操作量基準値(以下、補正操作量基準値)に追従するように操作量を調整する。空気量比率調整部36Aは、火格子下燃焼用空気ダンパ14a〜14dのそれぞれを制御して、それぞれの風箱における流量の相互の比率を調整する。冷却用空気量調整部37は、冷却用空気量が補正操作量基準値に追従するように操作量を調整する。ここで、燃焼用空気量および冷却用空気量の調整は、燃焼用空気ダンパ14、火格子下燃焼用空気ダンパ14a〜14d、および冷却用空気ダンパ15のそれぞれの開度を制御して調整する。ごみ供給装置送り速度調整部38は、ごみ供給装置送り速度が補正操作量基準値に追従するように操作量を調整する。火格子送り速度調整部39は、火格子送り速度が補正操作量基準値に追従するように操作量を調整する。操作量調整部35は、操作量基準値補正部33により操作量基準値が補正されなかった場合には、その補正されていない操作量基準値に基づいてそれぞれの操作量を調整する。
監視センタ40は、制御部41、出力部42、入力部43、記憶部44、および学習部45を備える。制御部41は、具体的に、CPU、DSP、FPGAなどのプロセッサ、およびRAMやROMなどの主記憶部(いずれも図示せず)を備える。出力部42は、制御部41による制御に従って、ディスプレイモニタに炉1内の燃焼画像などを表示したり、タッチパネルディスプレイの画面上に文字や図形などを表示したり、スピーカから音声を出力したりして、所定の情報を外部に通知可能に構成される。入力部43は、キーボードや入力用のボタン、レバーや、液晶などのディスプレイに重畳して設けられる手入力のためのタッチパネル、または音声認識のためのマイクロホンなどの、ユーザインターフェースを用いて構成される。ユーザなどが入力部43を操作することによって、制御部41に所定の情報を入力可能に構成される。なお、出力部42および入力部43を一体とした入出力部とし、入出力部をタッチパネルディスプレイやスピーカマイクロホンなどから構成してもよい。監視センタ40は種々の形態で構成することができ、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)や携帯端末等によって構成されていてもよい。
本実施形態では、監視センタ40が燃焼制御装置30とは別個の装置として構成されているが、燃焼制御装置30と別個であることは必須ではない。監視センタ40は、例えば、燃焼制御装置30と一体をなす装置として構成されていてもよく、また、燃焼制御装置30に含まれる構成となっていてもよい。
記憶部44は、RAM等の揮発性メモリ、ROM等の不揮発性メモリ、EPROM、HDD、およびリムーバブルメディアなどから選ばれた記憶媒体から構成される。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、または、CD、DVD、もしくはBDのようなディスク記録媒体である。また、外部から装着可能なメモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いて記憶部44を構成してもよい。記憶部44には、監視センタ40の動作を実行するためのOS、各種プログラム、各種テーブル、各種データベースなどが記憶可能である。ここで、各種プログラムには、本実施形態による学習済み予測モデルを用いたごみ供給異常検知プログラムや、操作学習済みモデルを用いた制御を実現する自動燃焼制御プログラムや、燃焼画像学習済みモデルを用いた判断処理を実現する自動判断処理プログラムも含まれる。具体的に、記憶部44には、過去データ44a、設定値44b、予測モデル44c、操作学習済みモデル44d、および燃焼画像学習済みモデル44eが格納されている。ここで、過去データ44aは、現在時刻よりも過去におけるプロセス値のデータである。設定値44bは、ごみ供給の異常の有無を検知する際に使用される所定の基準値である。設定値44bは、例えば、ごみが通常の供給量で炉1内へ供給されているときの蒸気発生量と、いわゆるゴミ枯れが生じたときの蒸気発生量との差分に相当する値に設定される。予測モデル44cは、現在時刻に至るまで学習部45によって生成された学習済みの予測モデルである。なお、記憶部44は種々のネットワークを介して通信可能な他のサーバに設けてもよいし、燃焼制御装置30に設けてもよい。また、これらの各種プログラムは、ハードディスク、フラッシュメモリ、CD−ROM、DVD−ROM、フレキシブルディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して広く流通させることも可能である。
制御部41は、記憶部44に記憶されたプログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部などを制御することによって、所定の目的に合致した機能を実現できる。本実施形態においては、制御部41によるプログラムの実行によって、プログラムである予測モデル44c、操作学習済みモデル44dおよび燃焼画像学習済みモデル44eの処理が実行される。
学習部45は、現在時刻(基準時刻)より過去の時刻から現在時刻までの所定期間の蒸気発生量を説明変数とし、現在時刻より未来の予測時刻の蒸気発生量である予測蒸気発生量を目的変数とする機械学習を用いた予測モデル44cを、説明変数と目的変数の実績値を用いて学習させて、学習済み予測モデルを生成する。上記予測モデルで用いられる機械学習は、重回帰分析、決定木、ランダムフォレストおよびディープラーニングのいずれかである。また、説明変数の実績値としては、記憶部44に記憶されている過去データ44aのうち、所定期間の蒸気発生量の測定値が用いられる。後述するように、生成された学習済み予測モデルは、制御部41にて実行されるごみの供給異常の検知に利用される。学習済み予測モデルは、予測モデル44cとして記憶部44に記憶される。また、学習済み予測モデルは定期的に生成(更新)されてもよい。この場合、予測モデル44cは、新たに生成された学習済み予測モデルに合わせて更新されることとなる。
制御部41は、ごみの供給異常を検知するための予測部41a、差分算出部41b、および検知部41cを備える。予測部41aは、学習部45によって学習させた予測モデル44c(学習済み予測モデル)に、現在時刻を基準時刻として説明変数のデータを入力し、現在時刻よりも未来の予測時刻の予測蒸気発生量を求める。差分算出部41bは、現在時刻の蒸気発生量から予測蒸気発生量を減じて蒸気発生量の差分を算出する。ここで、「現在時刻」および「予測時刻」は、時間幅をもたない時刻であるが、これに代えて、その時刻を含む所定期間としてもよい。この場合、「現在時刻の蒸気発生量」は、例えば、現在時刻を含む所定期間における蒸気発生量の加重平均値として求めることができる。また、「予測時刻の蒸気発生量」は、例えば、予測時刻を含む所定期間における蒸気発生量の加重平均値として求めることができる。検知部41cは、差分算出部41bで算出された差分が所定の設定値44bより大きい場合には、炉1への正常な供給量でのごみ供給の停滞により、ごみの供給異常が発生していることを検知する。ごみの供給異常が検知されたとき、供給異常が発生したことを出力部42がディスプレイに表示するなどしてオペレータに通知するようになっていてもよい。
制御部41は、後述するように、検知部41cによってごみの供給異常が検知されたとき、焼却炉の運転を、燃焼制御装置30による自動燃焼制御(ACC)から、操作学習済みモデル44dに基づいた制御に切り替える。ここで、記憶部44に記憶されているプログラムである操作学習済みモデル44dの生成方法について説明する。すなわち、操作学習済みモデル44dは、焼却炉の運転管理業務におけるオペレータが経験から得た介入運転制御において、介入操作を行う判断条件、介入操作時の操作量、および介入操作から自動燃焼制御に復帰する際の復帰条件などをクラスター分析により導出することによって生成される。例えば、オペレータの操作によって火格子4の速度を増速させたり減速させたりするポイントを、燃焼管理温度と燃焼室温度との関係からクラスター分析によって抽出したり、燃焼管理温度とNO濃度との関係からクラスター分析によって抽出したりする。
操作学習済みモデル44dの生成のために用いられるデータは、火格子4の速度以外にも、学習用センサ情報としての燃焼制御に関わるセンサから得られるプロセス値、およびプロセス値から計算された運転管理の制御において利用する値、および燃焼数値化データなどを含む。なお、燃焼数値化データは、燃焼画像撮像部25によって定期的に得られる燃焼画像から燃焼画像学習済みモデル44eによって得られる燃焼状態が数値化された燃焼数値化データである。操作学習済みモデル44dの生成に用いられるデータはさらに、学習用制御値として、燃焼制御装置30による制御値を含む。これらの学習用センサ情報および学習用制御値は、操作学習済みモデル44dを生成する際の学習用入力パラメータとなる。
操作学習済みモデル44dを生成する際の、学習用出力パラメータは、オペレータが操作した制御値から得られる補正量である。また、学習用出力パラメータは、オペレータが介入操作を行った際の燃焼制御装置30による自動燃焼制御と監視センタ40による制御との制御モードの切換の開始タイミング、制御モードの切り替え後に監視センタ40による制御の継続時間、および監視センタ40による制御の終了タイミングのパラメータを含む。
また、監視センタ40の学習部45は、上述した学習用入力パラメータおよび学習用出力パラメータから、オペレータが介入操作を行う際のデータの相関関係をクラスター分析などの機械学習により導出する。これにより、オペレータが介入操作を行う運転操作パターンが、操作学習済みモデル44dとして生成される。生成された操作学習済みモデル44dは記憶部44に格納される。制御部41は、学習部45が生成した操作学習済みモデル44dによる運転動作パターンに従って、各種の介入操作の制御を実行する。なお、他のコンピュータなどにおいてクラスター分析などの機械学習を行うことによって、オペレータが介入操作を行う際のデータの相関関係を導出して、操作学習済みモデル44dを生成してもよい。この場合、生成された操作学習済みモデル44dは、機械学習を行ったコンピュータから学習部45に供給され、記憶部44に格納される。また、機械学習以外にも、平均や四分位数、相関分析などの統計的手法によって相関関係を導出して、操作学習済みモデル44dを生成してもよい。すなわち、機械学習および統計的手法の少なくとも一方によって、オペレータごとに判断が異なる複雑な介入操作に関する複数の条件を分析することによって、複数のオペレータが行う介入操作の開始および終了の判断のポイント、およびオペレータにより設定される各操作端の補正量などを抽出できる。
また、上述した燃焼画像学習済みモデル44eは、学習用入力パラメータとして、燃焼画像撮像部25が撮像した複数の学習用燃焼画像データを用いる。また、燃焼画像学習済みモデル44eは、学習用出力パラメータとして、燃焼状態の強弱を数値化したデータ、燃焼の燃切点の位置を数値化したデータ、および未燃物の発生の程度を数値化したデータを用いる。燃焼画像学習済みモデル44eは、上述した学習用入力パラメータおよび学習出力パラメータを教師データとして、例えばディープラーニングなどの機械学習によって生成される。燃焼画像学習済みモデル44eは、燃焼画像が入力されると、入力された燃焼画像に基づいて燃焼状態を数値化する。具体的に燃焼画像学習済みモデル44eは、燃焼状態を複数通り、例えば8通りの種別に分類し、8通りの種別のそれぞれに対して確信度を決定し、それぞれの確信度に基づいて数値化を行う。なお、7通り以下の種別や8通りよりも多い種別に分類してもよい。
ここで、上述した操作学習済みモデル44dに用いられる測定対象および操作対象と、使用パラメータとの例を表1に示す。
Figure 2021173495
なお、表1において、瞬時値は所定時点における計測値であり、1時間平均値は、瞬時値から1時間前までの1時間移動平均の値である。目標値との差は、あらかじめ設定された目標値に対する瞬時値との差である。数分〜数十分の傾きは、瞬時値の数分間の傾きから数十分間の傾きのいずれかの傾きを意味する。数分〜数十分の平均値は、瞬時値の数分間での平均値から数十分間での平均値のいずれかの平均値を意味する。ここで、数分は1〜9分のいずれの値でもよく、数十分は10分〜60分のいずれの値でもよい。1時間平均値、数分〜数十分の傾き、および数分〜数十分の平均値は、所定時間における変動傾向を示す指標である。制御値は、燃焼制御装置30により制御される操作端の種類ごとの制御値であり、運転値は、運転している操作端の種類における実際の値である。
次に、本発明の一実施形態による廃棄物供給制御方法について説明する。図3は、本実施形態による廃棄物供給制御方法を説明するための、燃焼制御装置30および監視センタ40による制御動作を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートにおいて、ステップST1〜ST3,ST5が燃焼制御装置30により実行され、ステップST4が監視センタ40により実行される処理である。
図3に示すように、燃焼制御装置30が実行するステップST1において、オペレータにより目標とするごみ焼却量が焼却量設定値として設定される。なお、焼却量設定値の代わりに、オペレータにより目標とするごみ焼却量を蒸発量設定値として設定してもよい。設定された焼却量設定値は、記憶部34に記憶される。これにより、焼却炉に対する自動燃焼制御が開始される。
次に、ステップST2に移行して、ごみ質算出部31は、記憶部34に記憶されたごみ焼却量設定値に応じて、燃焼用加熱空気の熱量などのごみ以外の投入熱量や、炉1から排出される熱量、および熱回収されて蒸気として回収される熱量の計画値に基づいて、ごみの低位発熱量であるごみ質を計算して、ごみ質設定値として設定する。ごみ質設定値は記憶部34に記憶される。
次に、ステップST3に移行して、操作量基準値調整部32は、記憶部34に記憶されている焼却量設定値およびごみ質設定値を含む設定値に基づいて、記憶部34に記憶されている操作量基準値設定関係式を参照して、各操作量の基準値を算出する。このようにして、操作量基準値が設定された後、該操作量基準値に追従するように各操作端の操作量が制御されて廃棄物焼却炉の運転が行われる。
次に、監視センタ40が実行するステップST4に移行する。ステップST4において監視センタ40には、炉1が稼働している間、表1に示す測定対象の瞬時値がセンサ情報として入力される。センサ情報は、炉1の内部の状態、および炉1に関連する施設、具体的には、例えば電力を発電するための発電施設において測定されたセンサ情報である。入力されたセンサ情報はパラメータとして記憶部44に記憶される。監視センタ40の制御部41は、記憶部44に記憶された測定対象の瞬時値の変動を監視するとともに、燃焼制御装置30から入力され、記憶部44から読み出したそれぞれの測定対象の瞬時値から、使用パラメータを算出する。
図4は、図3のステップST4において監視センタ40による介入操作の判断および補正量の導出を説明するためのフローチャートである。図4に示すフローチャートに沿って、制御ステップが実行される。図4に示すように、まず、ステップST41において、制御部41の予測部41aが、学習済み予測モデルに、現在時刻を基準時刻として説明変数のデータを入力し、予測蒸気発生量を求める。次に、ステップST42において、制御部41の差分算出部41bが、現在時刻の蒸気発生量から予測蒸気発生量を減じて蒸気発生量の差分を算出する。ステップST43において、制御部41の検知部41cは、差分算出部41bで算出された差分と所定の設定値44bとを比較する。ステップST43において、差分が所定の設定値44bより大きい場合(ステップST43:Yes)、ステップST44において、検知部41cが、炉1への正常な供給量でのごみ供給が停滞する、いわゆるゴミ枯れに起因する、ごみの供給異常の発生を検知する。ステップST44において検知部41cがごみの供給異常を検知した場合、ステップST45に移行する。一方、ステップST43において、差分が所定の設定値44b以下である場合(ステップST43:No)、ステップST41へ戻る。
ステップST45において監視センタ40の制御部41は、焼却炉の運転を、燃焼制御装置30による自動燃焼制御(ACC)から、操作学習済みモデル44dに基づいた制御に切り替える。制御部41は、使用パラメータに基づいて、操作量基準値を補正する補正量(補正操作量基準値)を導出する。
ステップST46において制御部41は、補正操作量基準値を出力する。ステップST47に移行して、図2に示すように、導出された補正操作量基準値を、燃焼用空気量調整部36、冷却用空気量調整部37、ごみ供給装置送り速度調整部38、および火格子送り速度調整部39を含む操作量調整部35に供給する。これにより、制御部41は、各操作端である、燃焼用空気ダンパ14、冷却用空気ダンパ15、火格子下燃焼空気ダンパ14a〜14d、ごみ供給装置3、および火格子4を制御する。
図4に示すように、制御部41は、操作学習済みモデル44dに基づいて、介入操作を終了する時間の上限値になった場合(ステップST48A)、または使用パラメータが介入を終了する条件になった場合(ステップST48B)、ステップST49に移行する。ステップST49において制御部41は、介入操作を終了することによって、焼却炉の運転制御を、操作学習済みモデル44dに基づいた制御から、燃焼制御装置30による自動燃焼制御(ACC)に切り替える。
ステップST49において、監視センタ40の処理から燃焼制御装置30による自動燃焼制御に切り換えられると、図3に戻ってステップST5に移行する。ステップST5において燃焼制御装置30のごみ質算出部31は、ごみの投入の有無を判定する。ごみ質算出部31において、ごみの投入があると判定された場合(ステップST5:Yes)、ステップST2に復帰する。ごみ質算出部31において、ごみの投入はないと判定された場合(ステップST5:No)、ステップST4に復帰する。以上により、機械学習による学習済みモデルを用いた焼却炉の自動燃焼制御が実行される。
以上説明した本実施形態によれば、現在時刻よりも未来の予測時刻における蒸気発生量(予測蒸気発生量)を予測して、予測蒸気発生量と現在時刻より過去の時刻の蒸気発生量との差分に基づいて、ゴミ枯れ等に起因するごみの供給異常の発生を事前に、すなわち早期に検知することができる。したがって、ごみの供給異常が検知されたときには、直ちに介入操作による制御に切り換えて、将来的に発生し得るゴミ枯れおよびドカ落ちに備えて操作端の操作量基準値を補正して操作端の操作量を適切に制御することにより、安定した燃焼状態を実現できる。
また、本実施形態では、制御部41の差分算出部41bによって、現在時刻の蒸気発生量と未来の予測時刻の予測蒸気発生量との差分を算出することとしたが、予測時刻の予測蒸気量との差分を算出する蒸気発生量は、予測時刻より過去の時刻の蒸気発生量であればよく、現在時刻の蒸気発生量には限定されない。ここで、「予測時刻より過去の時刻」とは、時間幅をもたない時刻であってもよいし、その時刻を含む所定期間であってもよい。また、「予測時刻より過去の時刻」が上記所定期間である場合には、その所定期間における蒸気発生量の加重平均値を「予測時刻より過去の時刻の蒸気発生量」としてもよい。
また、本実施形態によれば、廃棄物焼却炉において、熟練または経験を積んだオペレータ(以下、熟練オペレータ)が各自の判断により行っていた介入操作を、熟練オペレータに代わって、例えばクラスター分析による機械学習によって生成されたプログラムである操作学習済みモデル44dに基づいて制御部41が実行することにより、監視センタ40の制御部41による安定した燃焼制御が可能になるので、オペレータによる介入操作を大幅に低減でき、廃棄物焼却炉の運転管理の自動化を実行することができる。
すなわち、従来の自動燃焼制御は、プロセスの数値のみに基づいて行っていたのに対し、一実施形態による自動燃焼制御においては、熟練オペレータの判断と同様の燃焼状態の判断を取り入れた制御を追加することができる。これにより、人の目と熟練技術による燃焼状態の判断を、学習済みモデルを用いた人工知能によって代替した技術を確立できる。従って、プロセスの信号に加えて燃焼状態を含めた燃焼制御が可能になる。
本発明は、介入条件判断を多くの実績データの分析により、運転介入の開始の判断、運転介入における操作量基準値の補正値、運転介入の終了または平均介入時間の設定を実行できる。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよく、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により本発明は限定されることはない。
例えば、上述の実施形態において挙げた入力パラメータや出力パラメータはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる入力パラメータや出力パラメータを用いてもよい。
また、本実施形態では、現在時刻よりも未来に発生し得るごみの供給異常を検知することとしたが、これに替えて、あるいは、これとともに、現在時刻におけるごみの供給異常を検知するようになっていてもよい。この場合、制御部41にて、差分算出部41bが現在時刻よりも過去の時刻の蒸気発生量から現在時刻の蒸気発生量を減じて蒸気発生量の差分を算出し、算出された差分が所定の設定値より大きいとき、検知部41cが、炉1への正常な供給量でのごみ供給の停滞により、ごみの供給異常が発生していることを検知する。つまり、制御部41の予測部41aが学習済み予測モデルに基づいて予測蒸気発生量を求めることはない。したがって、現在時刻におけるごみの供給異常の検知のみを行う場合には、制御部41から予測部41aを設けることは必須ではない。なお、ここで、「現在時刻」は、時間幅を有していないが、これに代えて、現在時刻を含む所定期間を「現在時刻」としてもよい。この場合、現在時刻の蒸気発生量は、例えば、現在時刻を含む上記所定期間における蒸気発生量の加重平均値として求められてもよい。
1 炉(燃焼室)
3 ごみ供給装置(操作端)
4 火格子(操作端)
14 燃焼用空気ダンパ(操作端)
14a,14b,14c,14d 火格子下燃焼用空気ダンパ(操作端)
15 冷却用空気ダンパ(操作端)
41 制御部
41a 予測部
41b 差分算出部
41c 検知部
45 学習部

Claims (9)

  1. 廃棄物を燃焼室で燃焼しボイラで蒸気を発生させる廃棄物焼却炉における前記燃焼室への廃棄物供給の異常を検知する廃棄物供給異常検知方法であって、
    基準時刻より過去の時刻から該基準時刻までの所定期間の蒸気発生量を説明変数とし、前記基準時刻より未来の予測時刻の蒸気発生量である予測蒸気発生量を目的変数とする、重回帰分析、決定木、ランダムフォレストおよびディープラーニングのいずれかを用いた予測モデルを、前記説明変数と前記目的変数の実績値を用いて学習させる学習ステップと、
    学習させた予測モデルに現在時刻を基準時刻として前記説明変数のデータを入力し、予測蒸気発生量を求める予測ステップと、
    前記予測時刻より過去の時刻の蒸気発生量から前記予測蒸気発生量を減じて蒸気発生量の差分を算出する差分算出ステップと、
    前記差分に基づいて廃棄物供給の異常の有無を検知する検知ステップと、
    を備える廃棄物供給異常検知方法。
  2. 廃棄物を燃焼室で燃焼しボイラで蒸気を発生させる廃棄物焼却炉における前記燃焼室への廃棄物供給の異常を検知する廃棄物供給異常検知方法であって、
    過去の時刻の蒸気発生量から現在時刻の蒸気発生量を減じて蒸気発生量の差分を算出する差分算出ステップと、
    前記差分に基づいて廃棄物供給の異常の有無を検知する検知ステップと、
    を備える廃棄物供給異常検知方法。
  3. 前記検知ステップは、前記差分が所定の設定値より大きい場合に、前記燃焼室への正常な供給量での廃棄物供給の停滞による廃棄物供給の異常の発生を検知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃棄物供給異常検知方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の廃棄物供給異常検知方法の各ステップと、
    前記検知ステップにおける検知結果に基づいて廃棄物焼却炉の操作端の操作量を制御する制御ステップと、
    を備える廃棄物供給制御方法。
  5. 廃棄物を燃焼室で燃焼しボイラで蒸気を発生させる廃棄物焼却炉における前記燃焼室への廃棄物供給の異常を検知する廃棄物供給異常検知装置であって、
    基準時刻より過去の時刻から該基準時刻までの所定期間の蒸気発生量を説明変数とし、前記基準時刻より未来の予測時刻の蒸気発生量である予測蒸気発生量を目的変数とする、重回帰分析、決定木、ランダムフォレストおよびディープラーニングのいずれかを用いた予測モデルを、前記説明変数と前記目的変数の実績値を用いて学習させる学習部と、
    学習させた予測モデルに現在時刻を基準時刻として前記説明変数のデータを入力し、予測蒸気発生量を求める予測部と、
    前記予測時刻より過去の時刻の蒸気発生量から前記予測蒸気発生量を減じて蒸気発生量の差分を算出する差分算出部と、
    前記差分に基づいて廃棄物供給の異常の有無を検知する検知部と、
    を備える廃棄物供給異常検知装置。
  6. 廃棄物を燃焼室で燃焼しボイラで蒸気を発生させる廃棄物焼却炉における前記燃焼室への廃棄物供給の異常を検知する廃棄物供給異常検知装置であって、
    過去の時刻の蒸気発生量から現在時刻の蒸気発生量を減じて蒸気発生量の差分を算出する差分算出部と、
    前記差分に基づいて廃棄物供給の異常の有無を検知する検知部と、
    を備える廃棄物供給異常検知装置。
  7. 前記検知部は、前記差分が所定の設定値より大きい場合に、前記燃焼室への正常な供給量での廃棄物供給の停滞による廃棄物供給の異常の発生を検知することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の廃棄物供給異常検知装置。
  8. 請求項5に記載の廃棄物供給異常検知装置の前記予測部、前記差分算出部および前記検知部を有する制御部を備え、
    前記制御部が前記検知部における検知結果に基づいて廃棄物焼却炉の操作端の操作量を制御する廃棄物供給制御装置。
  9. 請求項6に記載の廃棄物供給異常検知装置の前記差分算出部および前記検知部を有する制御部を備え、
    前記制御部が前記検知部における検知結果に基づいて廃棄物焼却炉の操作端の操作量を制御する廃棄物供給制御装置。
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