JP6146701B2 - 廃棄物焼却炉の燃焼制御装置のための評価装置及び評価方法 - Google Patents

廃棄物焼却炉の燃焼制御装置のための評価装置及び評価方法 Download PDF

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Description

廃棄物焼却炉は、例えば、特許文献1に見られるように、廃棄物供給側となる炉体の上流側上部に廃棄物投入口、下流側下部に焼却後の灰のための灰落下口、下流側上部に排ガス口(炉出口)が設けられ、炉内底部には、廃棄物を上流側から下流側へ搬送する火格子が設けられ、該火格子の下方から燃焼用空気を、そして炉内上部には炉体天井部近傍を温度低下させて天井部を保護するための冷却用空気をそれぞれ受けるようになっている。
かかる廃棄物焼却炉は、炉内での燃焼を安定化させそして炉外に排出させる排ガスを無害化するために、廃棄物の焼却量そして性状にもとづいて制御装置による制御のもとに運転管理されている。
廃棄物焼却炉の運転管理においては、燃焼を安定化させるために、焼却炉から排出される排ガス中のCO,NOx等の有害物質を規制値以下に抑制させつつ、焼却量を計画どおりに確保することが最も重要となる。焼却炉を手動運転する場合、廃棄物の質の変化で刻々と変わる燃焼状態に対して燃焼用空気量、火格子送り速度、冷却用空気量などの操作量を焼却炉のオペレータの判断で変化させている。このように手動運転の場合は、焼却炉の状態変化を常に監視する必要があり、オペレータの負担が大きくなる。また、オペレータの個人差により操作量の調整が異なり燃焼状態が変わることがあるため、例えば、特許文献2のように、手動運転に代わって、自動燃焼制御装置に切り替え可能なシステムが導入されている。
廃棄物焼却炉の運転、管理はオペレータによる手動操作に加え、自動燃焼制御装置によるコンピュータ制御により、燃焼性能の高度化、燃焼の安定性向上が図られている。
自動燃焼制御装置は炉内燃焼モデルにもとづく制御を行ない、燃焼状態に応じて各操作端の各操作量を自動的に変化させるようになっている。操作量としては、燃焼用空気量、冷却用空気量、廃棄物供給装置送り速度、火格子送り速度等が挙げられる。
自動燃焼制御装置は、各操作端に対し炉内の状態量(燃焼状態情報、燃焼プロセス値情報)から所定の制御アルゴリズム(PID制御又はファジイ演算等)により操作量を決定する。具体的には、炉内の状態量と各操作端の操作量との関係のルール、関係式が作成されており、これらに従い焼却炉の状態変化に応じて、操作端を自動的に変化させるようになっている。
自動燃焼制御装置では、焼却炉へ投入される廃棄物(ごみ)の目標ごみ焼却量(重量)が設定されると、ごみ質計算を行ない、これにもとづき、各操作端についての基準値を定めて制御し、焼却中の炉内状況に応じて補正を行なっている。すなわち、自動燃焼制御装置は、次の(1)〜(3)の機能を有することで焼却炉を制御している。
<自動燃焼制御装置の主な機能>
(1)ごみ質計算:目標ごみ焼却量の設定に応じて、その他投入熱量(燃焼用加熱空気の熱量など)と、炉から排出される熱量及び熱回収されて蒸気として回収される熱量の計画値をもとにごみの低位発熱量の計算を行なう。この計算をごみ質計算という。
(2)長期的変動に対する操作量制御:目標ごみ焼却量と目標ごみ低位発熱量(目標ごみ質計算値)をベースに、予め定める関係式に基づき演算される各操作端の基準値にもとづき各操作端の操作量を制御する。火格子送り速度や燃焼用空気量などを基準値に制御させることで、ごみ質の季節的な変動や焼却量変動など長期的変動に応じた制御を行なう。
(3)短期的変動に対する制御:各操作端の操作量を基準値に制御しつつ、さらに炉内状況に応じた制御を行なう。その際、燃焼により変動する各プロセス値についてのデータを監視し、その変動量を所定範囲に抑制するために、各プロセス値の変動に応じて所定の制御アルゴリズムにより各種基準値を増減させて補正する。この補正演算結果を最適制御値として出力する。基本的には、炉が安定している状態では上記(2)の制御で動作させ、短期的変動等によるプロセス量変動に対してこの(3)による補正のもとで、燃焼の安定化を行なう。
このように自動燃焼制御装置による制御を行なう目的は、オペレータの負担の軽減とともに廃棄物の燃焼変動を抑制し、燃焼を安定化し、炉内から発生する熱量を安定化することで蒸気などの熱回収量を安定させ、熱の有効利用を促進させることにある。
特開2004−092941 特開平11−325438
自動燃焼制御装置には、既述のように、長期的な変動であるごみ質の変化や焼却量の変化に対し、各操作端の操作量を変化させるよう、調整のためのルール、関係式が設定されており、その関係式は設定変更可能な変数(制御パラメータ)を有している。
かかる自動燃焼制御装置を備えた焼却炉の建設後の稼働(運転)開始の際には、長期的変動の当初設定に対する制御のために、計画又は予定されたごみ質や焼却量に合わせて、各操作端の制御パラメータの調整を行なう。制御パラメータの調整は、専門の技術員や熟練したオペレータが過去の実績、炉内の燃焼状態等を見ながら適切な値を設定することで行なっている。
このような操作量の調整設定のもとで焼却炉が稼働しても、その後、ごみ質が変わることや焼却操業条件の変化、焼却炉の経年変化などがあり、これに対応するための自動燃焼制御装置のチューニングとして、この設定変更可能な変数(制御パラメータという)をその時点のごみ質などに合わせ調整することで、焼却炉の安定した運転ができるように調整している。
このような自動燃焼制御装置での上記変数の調整において、該変数をどの程度変更するか、また変更した場合に、その変更が有効であったかどうかを判断することは焼却炉のオペレータが行なっている。このように、変数を変更した場合に燃焼の状態、特に燃焼の安定性がどのように変化しているか見極め、その変更が有効であるかどうかを判断するのはオペレータであるので、オペレータの経験や力量により安定性に対する評価に個人差が出ることとなる。したがって、変数を変更した場合に、評価に個人差を伴うことなく、その変更した変数が適正であるかどうかを客観的な指標により判断することが必要となるが、これまで変数を変更した場合の燃焼状態や燃焼の安定性の程度を評価する装置がなかった。
本発明は、かかる事情に鑑み、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉において、燃焼安定化の制御を行なう目的で自動燃焼制御装置を用い、制御パラメータを設定して自動燃焼制御する場合に、制御パラメータを設定後の自動燃焼制御装置の使用時における燃焼制御状態を客観的に数値化して評価することで良否判定することができる廃棄物焼却炉における自動燃焼のための制御装置の評価装置及び評価方法を提供することを課題とする。
上述の課題は、本発明によると、次の評価装置そして評価方法により解決される。
<第一発明>
第一発明に係る廃棄物焼却炉の燃焼制御装置のための評価装置は、廃棄物焼却炉の焼却量設定値とごみ質設定値に基づき、予め定められた焼却量設定値又はごみ質設定値と操作量基準値との関係式により焼却炉の操作端の操作量基準値を予め設定し、焼却量設定値とごみ質設定値のうち少なくとも一方の設定値が変更された際には、変更設定値に対応して、上記関係式に含まれている補正係数としての制御パラメータを調整することにより操作量基準値を変更し、変更操作量基準値のもとでの廃棄物焼却炉の運転中に焼却炉内の燃焼状態量としての燃焼プロセス測定値を取得した後、燃焼プロセス測定値の変動に応じて、予め定められた制御アルゴリズムに基づいて上記変更操作量基準値を補正し、操作端の操作量を補正操作量基準値とするように制御する廃棄物焼却炉の燃焼制御装置に接続され、該燃焼制御装置における上記制御パラメータの調整についての評価を行う装置であって、上記制御パラメータが調整された場合、燃焼制御装置から廃棄物焼却炉内の燃焼プロセス測定値を取得し、該燃焼プロセス測定値から燃焼状態の評価指標として予め定められた複数の評価判定項目に関連する結果値を求め、該結果値を予め設定された評価判定基準と比較して上記制御パラメータの調整の適否を評価することを特徴としている。
<第二発明>
第二発明に係る廃棄物焼却炉の燃焼制御装置のための評価方法は、廃棄物焼却炉の焼却量設定値とごみ質設定値に基づき、予め定められた焼却量設定値又はごみ質設定値と操作量基準値との関係式により焼却炉の操作端の操作量基準値を予め設定し、焼却量設定値とごみ質設定値のうち少なくとも一方の設定値が変更された際には、変更設定値に対応して、上記関係式に含まれている補正係数としての制御パラメータを調整することにより操作量基準値を変更し、変更操作量基準値のもとでの廃棄物焼却炉の運転中に焼却炉内の燃焼状態量としての燃焼プロセス測定値を取得した後、燃焼プロセス測定値の変動に応じて、予め定められた制御アルゴリズムに基づいて上記変更操作量基準値を補正し、操作端の操作量を補正操作量基準値とするように制御する廃棄物焼却炉の燃焼制御装置における上記制御パラメータの調整についての評価を行う方法であって、上記制御パラメータを調整した場合、燃焼制御装置から廃棄物焼却炉内の燃焼プロセス測定値を取得し、該燃焼プロセス測定値から燃焼状態の評価指標として予め定められた複数の評価判定項目に関連する結果値を求め、該結果値を予め設定された評価判定基準と比較して上記制御パラメータの調整の適否を評価することを特徴としている。
第一発明および第二発明によれば、燃焼プロセス測定値から各評価判定項目に関連する結果値を求め、該結果値を予め設定された評価判定基準と比較することにより、この統一された評価判定基準に基づいて制御パラメータの調整の適否が客観的に評価される。
第一発明および第二発明において、複数の操作端の操作量基準値は、燃焼用空気量、冷却用空気量、火格子送り速度を含み、燃焼プロセス測定値は、実績ごみ焼却量、炉内温度、排ガス成分の濃度を含むことが好ましい。第一発明および第二発明において、評価判定項目は、炉内の所定部位におけるガス温度、各ガス成分の濃度を含むことが好ましい。
本発明では、以上のように、炉内状況の実測により取得可能な燃焼プロセス測定値から複数の評価判定項目に関連する結果値を求め、該結果値を予め設定された評価判定基準と比較して制御パラメータの調整の適否を評価することとしたので、次のような効果を得る。
(i)評価装置を自動燃焼制御装置と接続することにより炉内状態(燃焼状態)データを制御装置から収集して燃焼の制御状態の良否を数値化し表示できる。
(ii)従来、オペレータの力量で評価していた燃焼の安定性等の評価については、個人差が生じていたが、本発明の評価装置および評価方法を用いることで統一された評価判定基準での良否判定が可能となる。
(iii)燃焼の制御状態の評価を複数の項目毎に数値化評価することで、具体的な不適正項目を即座に判定できる。これにより、自動燃焼制御装置の制御パラメータを再調整する際の対象が特定されるため、再調整の効率を向上できる。
(iv)従来、自動燃焼制御装置の制御パラメータを調整して自動燃焼制御を適正化調整する際は、総合判断能力を有する特定の技量を有した技術員又は熟練したオペレータが評価する必要があったが、本発明の評価装置および評価方法を活用することで、特定の技量そして熟練を有していない各事業所の一般のオペレータにより逐次調整することが可能となり、評価の統一性が可能となり、またより操業の安定性が確保できる。
(v)評価装置をモバイル型パソコンに組み込むことにより、各ごみ焼却設備の自動燃焼制御装置にこの評価装置を接続するだけで評価装置による評価が可能となるため、評価装置を持ち運ぶことで複数の事業所での評価運用が可能となる。
本発明の実施形態における廃棄物焼却炉、燃焼制御装置および評価装置の概略構成図である。 燃焼制御装置及び評価装置の構成を示すブロック図である。 燃焼制御装置による制御動作を示すフローチャートである。 制御パラメータの調整の適否を評価するための評価判定項目、評価判定基準、燃焼プロセス値および結果値を示す表である。 制御パラメータの調整の適否の評価結果を示すグラフであり、(A)は燃焼状態の評価に関するグラフ、(B)は燃焼安定度の評価に関するグラフである。
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態における廃棄物焼却炉、燃焼制御装置および評価装置の概略構成図である。
図1に示すごみ焼却炉(廃棄物焼却炉)は火格子4を有する火格子式の焼却炉であり、ごみ投入口2、ごみの燃焼が行われる炉1、炉1の炉出口7の下流側に設置された熱交換器9a及び蒸気ドラム9bを備えたボイラ9を有している。
ごみ投入口2から投入されたごみは、ごみ供給装置3によって火格子4へ送り込まれる。火格子4は往復運動し、その往復運動によってごみの撹拌および移動が行われる。火格子4上のごみは、燃焼用空気ブロア6により火格子4の下方の風箱へ供給される燃焼用空気の吹き込みにより乾燥が行われた後に燃焼が行われ、排ガスと灰が生成される。灰は、灰落下口5から落下して炉外に排出される。
火格子4の下から炉内に供給される燃焼用空気の総量は燃焼用空気ブロア6の直近に設けた燃焼用空気ダンパ14により調整され、また、各風箱に供給される燃焼用空気の量は、各風箱に燃焼用空気を供給する各配管に設けられた火格子下燃焼用空気ダンパ14a,14b,14c,14dにより調整される。図1に示した例では、火格子4の下をごみ搬送方向に対し4つの風箱で分割して燃焼用空気を供給する構成としているが、ごみ焼却炉の規模及び目的に応じて適宜変更可能であり4つの風箱の場合に限られるものではないことは言うまでもない。
また、炉壁に設けられた冷却用空気吹き込み口10からは、冷却用空気ブロア11により冷却用空気が吹き込まれ、燃焼ガス中の未燃焼成分を完全燃焼させると共に、炉壁の温度が過度に上昇することを防止する。冷却用空気吹き込み口10から炉内に供給される冷却用空気の量は冷却用空気ブロア11の直近に設けた冷却用空気ダンパ15により調整される。
火格子4の上流側のごみ乾燥過程及び主燃焼過程で発生した可燃性ガスと下流側の後燃焼過程で発生した燃焼排ガスは、炉1の炉出口7側に設けられたガス混合部で合流し再度攪拌混合され二次燃焼用空気が供給され二次燃焼が行われる。二次燃焼部の下流側には熱交換器9a及び蒸気ドラム9bを備えたボイラ9が設置されており、燃焼ガスはここで熱エネルギーを回収された後に煙突8から外部に排気される。
また、炉1内には、該炉1の高さ方向での上側位置に中間天井16が設けられている。該中間天井16を炉内に設けることにより、炉内のガスを、火格子4の上流側のごみ乾燥過程及び主燃焼過程で発生した可燃性ガスを多く含むガスと下流側の後燃焼過程で発生した燃焼排ガスに二分して排出することができる。具体的には、上記燃焼排ガスが中間天井16よりも下方の煙道(主煙道)を流れ、上記可燃性ガスを多く含むガスが中間天井16よりも上方の煙道(副煙道)を流れる。そして、上記燃焼排ガスと上記可燃性ガスを多く含むガスとがガス混合部で合流することにより、該ガス混合部でのガスの攪拌混合がさらに促進され、二次燃焼部での燃焼がより安定化し、燃焼過程におけるダイオキシン類の発生のさらなる抑制、ごみ未燃分の発生防止を図ることができる。
また、図1に見られるように、炉1内には、炉内のガス温度を計測するための温度計が複数位置に設けられている。具体的には、炉1の高さ方向にて火格子4と冷却用空気吹き込み口10との中間位置に燃焼室ガス温度計17、炉出口7より下方位置に主煙道ガス温度計18、炉出口7の下部位置に炉出口下部ガス温度計19、炉出口7の中部位置に炉出口中部ガス温度計21、炉出口7の下流側位置に炉出口ガス温度計20が設けられている。
また、図1に見られるように、ボイラ9には、該ボイラ9の出口側に、排ガス中の酸素(O)の濃度を計測するボイラ出口酸素濃度計22が設けられている。煙突8の入口に排ガス中の一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NO)の濃度を計測するガス濃度計23が設けられ、ボイラ9の出口と煙突8とを接続する配管には、排ガス量を計測するための排ガス流量計24が設けられている。
本実施形態に係る燃焼制御装置30は、予め定められた後述の操作量基準値設定関係式に基いて、各操作端の操作量(燃焼用空気量、冷却用空気量、ごみ供給装置送り速度及び火格子送り速度)を制御する。上記操作量基準値設定関係式は、ごみ焼却量設定値又はごみ質設定値と操作量基準値(操作量の目標値)との関係式であり、補正係数としての制御パラメータを含んでいる。該制御パラメータは、後述するように、ごみ焼却量設定値そしてごみ質設定値に合わせて、後述の操作量基準値調整手段32により調整される。また、調整された制御パラメータは、焼却量設定値とごみ質設定値のうち少なくとも一方の設定値が変更された際には、変更された設定値に対応して、操作量基準値調整手段32により変更される。このように制御パラメータが変更される結果、予め設定された操作量基準値が変更されることとなる。
燃焼制御装置30には評価装置40が接続されており、該評価装置40は、後述するように燃焼制御装置30による制御パラメータの調整についての評価を行う。該評価装置40は、例えばノートパソコン等のモバイル型のコンピュータにより構成されている。
図2は、燃焼制御装置30及び評価装置40の構成を示すブロック図である。燃焼制御装置30は、ごみ焼却量設定値に応じてごみ質(ごみの低位発熱量)を算出するごみ質算出手段31と、操作量基準値設定関係式に含まれる制御パラメータの調整により操作量基準値を調整する操作量基準値調整手段32と、該操作量基準値調整手段32によって調整された操作量基準値を所定の制御アルゴリズム(PID制御やファジィ演算等)に基いて補正する操作量基準値補正手段33と、ごみ質算出手段31、操作量基準値調整手段32及び操作量基準値補正手段33によって参照されるデータを記憶する第一記憶手段34と、操作量基準値に追従するように各操作量を調整する操作量調整手段35とを有している。
第一記憶手段34は、予め定められた操作量基準値設定関係式そして制御アルゴリズムに加え、予め設定された焼却量設定値、さらに、炉内の燃焼状態量として取得された燃焼プロセス測定値を記憶している。
操作量調整手段35は、各操作端の操作量、すなわち燃焼用空気量、冷却用空気量、ごみ供給装置送り速度及び火格子送り速度を、それぞれ補正操作量基準値(操作量基準値補正手段33により補正された操作量基準値)に追従するように各操作量を調整する、燃焼用空気量調整手段36、冷却量空気量調整手段37、ごみ供給装置送り速度調整手段38及び火格子送り速度調整手段39を有している。ここで、燃焼用空気量及び冷却用空気量の調整は、燃焼用空気ダンパ14及び冷却用空気ダンパ15のそれぞれの開度を制御して調整する。また、操作量調整手段35は、操作量基準値補正手段33により操作量基準値が補正されなかった場合には、その補正されていない操作量基準値に基いて各操作量を調整する。
図3に基いて燃焼制御装置30の制御動作について説明する。図3は、燃焼制御装置30による制御動作を示すフローチャートである。まず、目標とするごみ焼却量がごみ焼却量設定値としてオペレータにより設定される(S1)。該ごみ焼却量設定値は、第一記憶手段34に記憶される。次に、ごみ質算出手段31が、第一記憶手段34に記憶されているごみ焼却量設定値に応じて、ごみ以外の投入熱量(燃焼用加熱空気の熱量など)や炉から排出される熱量及び熱回収されて蒸気として回収される熱量の計画値をもとに、ごみ質(ごみの低位発熱量)を計算し、ごみ質設定値として設定する(S2)。該ごみ質設定値は第一記憶手段34に記憶される。
次に、第一記憶手段34に記憶されている操作量基準値設定関係式に含まれる制御パラメータがオペレータにより調整される(S3)。焼却炉の建設後の稼働(運転)開始の際には、制御パラメータの調整(設定)は、長期的変動の当初設定に対する制御のために計画又は予定されたごみ質や焼却量に合わせて行われる。また、廃棄物焼却炉の稼働後、ごみ質が変わったり、焼却操業条件の変化、焼却炉の経年変化などがあった場合、換言すると、焼却量設定値及びごみ質設定値のうち少なくとも一方の設定値が変更された場合、制御パラメータは、その時点のごみ質などに合わせてオペレータにより調整(変更)される。制御パラメータの調整は、専門の技術員や熟練したオペレータが過去の実績、炉内の燃焼状態等を見ながら適切な値を設定することで行われる。
上述のように、制御パラメータが調整された後、操作量基準値調整手段32が、第一記憶手段34に記憶されている焼却量設定値及びごみ質設定値に基いて、第一記憶手段34に記憶されている操作量基準値設定関係式を参照して、各操作量基準値を算出する(S4)。このとき、S3にて制御パラメータが変更されている場合には、変更された制御パラメータを含む操作量基準値設定関係式が参照される。つまり、操作量基準値が変更される。このようにして、操作量基準値が設定又は変更された後、該操作量基準値に追従するように各操作端の操作量が制御されて廃棄物焼却炉の運転が行われる。
炉1の運転中、各燃焼プロセス測定値(例えば、各温度計17〜21、各濃度計22,23及び排ガス流量計24による計測値やごみ切出量等)を計測することにより、該燃焼プロセス測定値の変動を監視する(S5)。該燃焼プロセス測定値の変動量が所定範囲から逸脱した場合には、操作量基準値補正手段33が、第一記憶手段34に記憶されている制御アルゴリズムに基き、変動量に応じて操作量基準値(変更されている場合には変更操作量基準値)の補正量を算出し(S6)、操作量基準値を補正する(S7)。また、焼却量設定値及びごみ質設定値のいずれも変更されていない場合には、操作量基準値補正手段33は、操作量基準値を補正しない。そして、操作量調整手段35が、補正された操作量基準値に基いて各操作量を制御する(S8)。
次に、評価装置40の構成を説明する。評価装置40は、燃焼制御装置30の操作量基準値調整手段32によって操作量基準値設定関係式の制御パラメータが調整(設定及び変更)された場合に、その制御パラメータの調整の適否を評価するための装置である。具体的には、評価装置40は、燃焼制御装置30に記憶されている燃焼プロセス測定値から、予め定められた複数の評価判定項目に関連する結果値を求め、該結果値を、予め定められた評価判定基準値と比較することにより、上記制御パラメータの調整の適否を評価する。
評価装置40は、図2に見られるように、燃焼制御装置30から燃焼プロセス測定値を取得し予め定めされた複数の評価判定項目に関連する後述の結果値を上記燃焼プロセス測定値から算出する結果値算出手段41と、複数の評価判定項目のそれぞれに関連して予め設定された後述の評価判定基準値を記憶する第二記憶手段42と、結果値算出手段41で算出された結果値を第二記憶手段42に記憶されている評価判定基準値と比較して制御パラメータの調整の適否を評価する調整パラメータ評価手段43と、調整パラメータ評価手段43による評価結果を表示する表示手段44とを有している。本実施形態では、調整パラメータ評価手段43は、各評価判定項目について、燃焼プロセス測定値と評価判定基準値との差分を算出して、その差分の絶対値の大きさに応じて、制御パラメータの調整の適否を五段階に分けて評価する。
図4に基づいて、評価装置40による、制御パラメータの調整の適否の評価について説明する。図4は、制御パラメータの調整の適否を評価するための評価判定項目、評価判定基準値、燃焼プロセス測定値および結果値を示す表である。
「評価判定項目」とは、制御パラメータの調整の適否を判断するために予め定められた項目である。評価判定基準値とは、本実施形態では、評価判定項目は、炉内の燃焼状態そして燃焼安定度に関してそれぞれ複数設定されている。具体的には、図4に示されるように、炉内の燃焼状態の評価に関する項目としてNo.1〜9が設定され、燃焼の安定度の評価に関する項目としてNo.10〜17が設定されている。炉内の燃焼状態の評価に関するNo.1〜9の項目は、ごみ処理量、ごみ着火状態、燃焼室温度、燃焼完了点、灰質、空気量、ガス混合性、CO濃度、NO濃度の9項目であり、炉内の燃焼状態が適正状態であるかを評価するための項目である。また、燃焼の安定度の評価に関するNo.10〜17の項目は、炉出口温度、ごみ切出量、ごみ層厚、O濃度、蒸発量、CO濃度、排ガス量、温度パターンの8項目であり、各項目の経時変化や変動の大きさにより燃焼の安定度を評価するための項目である。
「評価判定基準値」とは、制御パラメータの調整の適否の判定のために設定された基準値であり、所定の閾値又は所定の範囲をもって設定されている。「燃焼プロセス測定値」とは、廃棄物焼却炉の運転の状態に関して取得される実測値であり、実測値自体の他、該実測値に基いて算出される算出値であってもよい。「結果値」とは、制御パラメータの調整の適否の判定のために上記評価判定基準値と比較される値であり、上記燃焼プロセス測定値自体又は該燃焼プロセス測定値に基いて算出される算出値である。
以下、各評価判定項目毎に、対応する評価判定基準値、燃焼プロセス測定値及び結果値について説明する。
[No.1:ごみ処理量]
評価判定基準値は目標焼却量基準値(t/h)、燃焼プロセス測定値はごみ切出量平均値(t/h)、結果値は焼却量結果値(t/h)である。燃焼プロセス測定値であるごみ切出量平均値は、ごみ投入口2から投入されたごみが火格子4に至るまでの滞留時間を考慮して過去の実績から算出される。ごみ切出量平均値はそのまま焼却量結果値として用いられる。
[No.2:ごみ着火状態]
ごみが適正に着火し、燃焼が適正に開始されれば、燃焼室ガス温度は所定の範囲となる。ごみ着火状態の適否は燃焼室ガス温度に基いて判定される。評価判定基準値は燃焼室ガス温度第一基準値(℃)、燃焼プロセス測定値は燃焼室ガス平均温度(℃)、結果値は燃焼室ガス温度第一結果値(℃)である。燃焼プロセス測定値である燃焼室ガス平均温度は、燃焼室ガス温度計17の測定値から得られる。該燃焼室ガス平均温度はそのまま燃焼室ガス温度第一結果値として用いられる。
[No.3:燃焼室温度]
評価判定基準値は燃焼室ガス温度第二基準値(℃)、燃焼プロセス測定値は燃焼室ガス平均温度(℃)、結果値は燃焼室ガス温度第二結果値(℃)である。燃焼プロセス測定値である燃焼室ガス平均温度は、燃焼室ガス温度計17の測定値から得られる。該燃焼室ガス平均温度はそのまま燃焼室ガス温度第二結果値として用いられる。
[No.4:燃焼完了点]
ごみが適正に燃焼完了すれば、主煙道ガス温度は所定の範囲となる。燃焼完了点の適否は主煙道ガスガス温度に基いて判定される。評価判定基準値は主煙道ガス温度第一基準値(℃)、燃焼プロセス測定値は主煙道ガス平均温度(℃)、結果値は主煙道ガス温度第一結果値(℃)である。燃焼プロセス測定値である主煙道ガス平均温度は、主煙道ガス温度計18の測定値から得られる。該主煙道ガス平均温度はそのまま主煙道ガス温度第一結果値として用いられる。
[No.5:灰質]
ごみが適正に燃焼完了し燃焼残渣である灰の灰質が適正なものとなっていれば、主煙道ガス温度は所定の範囲となっている。灰質の適否は主煙道ガスガス温度に基いて判定される。評価判定基準値は主煙道ガス温度第二基準値(℃)、燃焼プロセス測定値は主煙道ガス平均温度(℃)、結果値は主煙道ガス温度第二結果値(℃)である。燃焼プロセス測定値である主煙道ガス平均温度は、主煙道ガス温度計18の測定値から得られる。該主煙道ガス平均温度はそのまま主煙道ガス温度第二結果値として用いられる。
[No.6:空気量]
燃焼室に供給される空気量が燃焼に必要十分な量であれば、排ガスO濃度は所定の範囲となる。空気量の適否は排ガスO濃度に基づいて判定される。評価判定基準値は排ガスO濃度基準値(%)、燃焼プロセス測定値は排ガスO平均濃度(%)、結果値は排ガスO濃度結果値(%)である。燃焼プロセス測定値である排ガスO平均濃度は、ボイラ出口酸素濃度計22の測定値から得られる。排ガスO平均濃度はそのままO濃度結果値として用いられる。
[No.7:ガス混合性]
主煙道ガスと副煙道ガスとの混合が適正であれば炉出口中部と下部のガス温度の温度差は所定の範囲となる。ガス混合性の適否はこの温度差に基づいて判定される。評価判定基準値は炉出口温度差基準値(℃)、燃焼プロセス値は炉出口下部平均温度(℃)及び炉出口中部平均温度(℃)、結果値は炉出口温度差結果値(℃)である。燃焼プロセス測定値である炉出口下部平均温度及び炉出口中部平均温度は、炉出口下部ガス温度計19及び炉出口中部ガス温度計21のそれぞれの測定値から得られる。炉出口温度差結果値は、炉出口下部平均温度と炉出口中部平均温度との差として算出される。
[No.8:CO濃度]
ごみの燃焼が適正に行われば排ガスCO濃度は所定の範囲となる。評価判定基準値はCO濃度基準値(%)、燃焼プロセス測定値は排ガスCO平均濃度(%)、結果値はCO濃度結果値(%)である。燃焼プロセス測定値である排ガスCO平均濃度は、ガス濃度計23の測定値から得られる。排ガスCO平均濃度はそのままCO濃度結果値として用いられる。
[No.9:NO濃度]
ごみの燃焼が適正に行われば排ガスNO濃度は所定の範囲となる。評価判定基準値はNO濃度基準値(%)、燃焼プロセス測定値は排ガスNO平均濃度(%)、結果値はNO濃度結果値(%)である。燃焼プロセス測定値である排ガスNO平均濃度は、ガス濃度計23の測定値から得られる。排ガスNO平均濃度はそのままNO濃度結果値として用いられる。
[No.10:炉出口温度]
評価判定基準値は炉出口温度基準値(℃)、燃焼プロセス値は炉出口平均温度(℃)、結果値は炉出口温度結果値(℃)である。燃焼プロセス測定値である炉出口平均温度は、炉出口ガス温度計20の測定値から得られる。炉出口平均温度はそのまま炉出口温度結果値として用いられる。
[No.11:ごみ切出量]
焼却炉へ供給するごみ供給量をごみ切出量として評価する。評価判定基準値はごみ切出量基準値(t/h)、燃焼プロセス測定値はごみ切出量平均値(t/h)、結果値はごみ切出量結果値(t/h)である。燃焼プロセス測定値であるごみ切出量平均値は、ごみ投入口2から投入された廃棄物が火格子4に至るまでの滞留時間を考慮して過去の実績から算出される。ごみ切出量平均値はそのままごみ切出量結果値として用いられる。
[No.12:ごみ層厚]
火格子上のごみ層の厚さの変動を評価する。評価判定基準値はごみ層厚基準値(mm)、燃焼プロセス測定値はごみ切出量平均値(t/h)、結果値はごみ層厚結果値(mm)である。燃焼プロセス測定値であるごみ切出量平均値は、ごみ投入口2から投入されたごみが火格子4に至るまでの滞留時間を考慮して過去の実績から算出される。ごみ層厚結果値は、ごみ切出量平均値を火格子送り速度、ごみみかけ密度で除して算出される。
[No.13:O濃度]
評価判定基準値は排ガスO濃度基準値(%)、燃焼プロセス測定値は排ガスO平均濃度(%)、結果値は排ガスO濃度結果値(%)である。燃焼プロセス測定値である排ガスO平均濃度は、ボイラ出口酸素濃度計22の測定値から得られる。排ガスO平均濃度はそのまま排ガスO濃度結果値として用いられる。
[No.14:蒸発量]
ボイラで発生させる蒸気量を蒸発量として評価する。評価判定基準値は廃棄物発熱量(Hu)基準値(kcal/kg)、燃焼プロセス測定値は廃棄物発熱量(Hu)平滑値(kcal/kg)、結果値は廃棄物発熱量(Hu)結果値(%)である。燃焼プロセス測定値であるHu平滑値は、ごみ切出量平均値及び排ガス量に基づき熱収支計算によって廃棄物発熱量を算出したうえで平滑化処理を施して算出される。ごみ切出量平均値は、ごみ投入口2から投入されたごみが火格子4に至るまでの滞留時間を考慮して過去の実績から算出される。また、排ガス量は、排ガス流量計24の測定値から得られる。Hu平滑値はそのままHu結果値として用いられる。
[No.15:CO濃度]
評価判定基準値はCO濃度ピーク値(閾値)(%)、燃焼プロセス測定値は排ガスCO濃度(%)、結果値はCO濃度ピーク結果値(%)である。燃焼プロセス測定値である排ガスCO濃度はガス濃度計23の測定値から得られる。CO濃度ピーク結果値は、排ガスCO濃度の測定値の最大値から得られる。
[No.16:排ガス量]
評価判定基準値は排ガス量基準値(m/h)、燃焼プロセス測定値は排ガス量(m/h)、結果値は排ガス量結果値(m/h)である。燃焼プロセス測定値である排ガス量は排ガス流量計24の測定値から得られる。排ガス量はそのまま排ガス量結果値として用いられる。
[No.17:温度パターン]
「温度パターン」とは炉出口温度と主煙道ガス温度との差の変動を意味し、設定時間内での炉出口温度と主煙道ガス温度との差の平均値と標準偏差との比率を温度パターン算出値として次の式(1)により算出して求め、この温度パターン算出値が小さいほど温度パターンの安定度が高いと評価する。評価判定基準値は温度パターン基準値、燃焼プロセス測定値は温度パターン測定値であり、主煙道ガス温度は主煙道ガス温度計18により、炉出口温度は炉出口ガス温度計20により測定され、温度パターン測定値が算出される。結果値は温度パターン結果値である。温度パターン測定値はそのまま温度パターン結果値として用いられる。
温度パターン算出値=(標準偏差値/平均値)×100 (1)
評価装置40の調整パラメータ評価手段43による制御パラメータの調整の適否の評価結果は、例えば、図5(A),(B)に見られるように、各評価判定項目についての段階評価結果が示されたグラフ等によって、評価装置40の表示手段44に表示される。ここで、図5(A)は燃焼状態の評価に関するグラフ、図5(B)は燃焼安定度の評価に関するグラフである。
本実施形態では、評価判定基準値と結果値との差の大きさに応じて、制御パラメータの調整の適否が5段階に分けて評価されており、評価判定基準値と結果値との差が小さい程、評価の段階が上がる。また、本実施形態では、5段階のうち3以上であれば、制御パラメータの調整が適切(良好)であると評価されるように予め設定されている。
図5(A)に示されているように、燃焼状態に関する各評価判定項目の評価は、ごみ処理量が「5」、ごみ着火状態が「4」、燃焼室温度が「4」、燃焼完了点が「5」、灰質が「4」、空気量が「4」、ガス混合性が「5」、CO濃度が「5」、NO濃度が「5」である。つまり、全ての評価判定項目について、「3」以上の評価が得られており、燃焼状態に関しては制御パラメータの調整が適切であると判定されている。この結果、オペレータは、制御パラメータを再度調整する必要がないことを容易に認識することができる。
一方、図5(B)に示されているように、燃焼安定度に関する各評価判定項目は、炉出口温度が「5」、ごみ切出量が「5」、ごみ層厚が「4」、O濃度が「2」、蒸発量が「3」、CO濃度が「5」、排ガス量が「3」、温度パターンが「1」である。つまり、O濃度及び温度パターンの2項目についての評価が「3」よりも低くなっている。したがって、オペレータは、表示手段44の表示結果を視認することにより、これらの2項目についての評価を「3」以上とするように、制御パラメータを再度調整する必要があることを容易に認識することができる。
本実施形態では、以上のように、炉内状況の実測により取得可能な燃焼プロセス測定値から複数の評価判定項目に関連する結果値を求め、該結果値を予め設定された評価判定基準値と比較して制御パラメータの調整の適否を評価することとしたので、次のような効果を得ることができる。
(i)評価装置40を燃焼制御装置30と接続することにより炉内状態(燃焼状態)データを燃焼制御装置30から収集して燃焼の制御状態の良否を数値化し表示できる。
(ii)従来、オペレータの力量で評価していた燃焼の安定性等の評価については、個人差が生じていたが、本実施形態の評価装置40及び評価方法を用いることで統一された評価判定基準での客観的な良否判定が可能となる。
(iii)燃焼の制御状態の評価を複数の項目毎に数値化評価することで、具体的な不適正項目を即座に判定できる。これにより、燃焼制御装置30の制御パラメータを再調整する際の対象が特定されるため、再調整の効率を向上できる。
(iv)従来、燃焼制御装置30の制御パラメータを調整して自動燃焼制御を適正化調整する際は、総合判断能力を有する特定の技量を有した技術員又は熟練したオペレータが評価する必要があったが、本実施形態の評価装置40及び評価方法を活用することで、特定の技量そして熟練を有していない各事業所の一般のオペレータにより逐次調整することが可能となり、評価の統一性が可能となり、またより操業の安定性が確保できる。
(v)評価装置40をモバイル型パソコンに組み込むことにより、各ごみ焼却設備の燃焼制御装置30にこの評価装置40を接続するだけで評価装置40による評価が可能となるため、評価装置40を持ち運ぶことで複数の事業所での評価運用が可能となる。
30 燃焼制御装置
40 評価装置

Claims (6)

  1. 廃棄物焼却炉の焼却量設定値又はごみ質設定値に対して設定変更可能な補正係数としての制御パラメータを関係づけて、焼却炉の操作端の操作量基準値を導出する操作量基準値設定関係式により、焼却量設定値の変動又はごみ質設定値の季節的な変動に対応して操作量基準値を導出して設定し、
    焼却量設定値とごみ質設定値のうち少なくとも一方の設定値が、焼却操業条件の変化や焼却炉の経年変化により焼却炉の稼動開始当初の設定値から他の設定値へ外れる変動を生じた際には、上記他の設定値に変更された焼却量設定値又はごみ質設定値に対応して上記操作量基準値設定関係式の制御パラメータを調整し、焼却量設定値又はごみ質設定値に対して調整された制御パラメータを関係づけて変更された操作量基準値を変更操作量基準値として導出し、
    廃棄物焼却炉の操作端の操作量を変更操作量基準値にして運転しているとき焼却炉内の燃焼状態量としての燃焼プロセス測定値を取得した後、燃焼プロセス測定値の変動に応じて、予め定められた制御アルゴリズムに基づいて燃焼プロセス値の変動を所定範囲に抑制するように上記変更操作量基準値を増減させて補正し、操作端の操作量を補正操作量基準値とするように制御する廃棄物焼却炉の燃焼制御装置に接続され、該燃焼制御装置における上記制御パラメータの調整についての評価を行う装置であって、
    上記制御パラメータが調整された場合、燃焼制御装置から廃棄物焼却炉内の燃焼プロセス測定値を取得し、該燃焼プロセス測定値から燃焼状態の評価指標として予め定められた複数の評価判定項目に関連する結果値を求め、該結果値を予め設定された評価判定基準と比較して上記制御パラメータの調整の適否を評価することを特徴とする廃棄物焼却炉の燃焼制御装置のための評価装置。
  2. 複数の操作端の操作量基準値は、燃焼用空気量、冷却用空気量、火格子送り速度を含み、燃焼プロセス測定値は、実績ごみ焼却量、炉内温度、排ガス成分の濃度を含むこととする請求項1に記載の廃棄物焼却炉の燃焼制御装置のための評価装置。
  3. 評価判定項目は、炉内の所定部位におけるガス温度、各ガス成分の濃度を含むこととする請求項1又は請求項2に記載の廃棄物焼却炉の燃焼制御装置のための評価装置。
  4. 廃棄物焼却炉の焼却量設定値又はごみ質設定値に対して設定変更可能な補正係数としての制御パラメータを関係づけて、焼却炉の操作端の操作量基準値を導出する操作量基準値設定関係式により、焼却量設定値の変動又はごみ質設定値の季節的な変動に対応して操作量基準値を導出して設定し、
    焼却量設定値とごみ質設定値のうち少なくとも一方の設定値が、焼却操業条件の変化や焼却炉の経年変化により焼却炉の稼動開始当初の設定値から他の設定値へ外れる変動を生じた際には、上記他の設定値に変更された焼却量設定値又はごみ質設定値に対応して上記操作量基準値設定関係式の制御パラメータを調整し、焼却量設定値又はごみ質設定値に対して調整された制御パラメータを関係づけて変更された操作量基準値を変更操作量基準値として導出し、
    廃棄物焼却炉の操作端の操作量を変更操作量基準値にして運転しているとき焼却炉内の燃焼状態量としての燃焼プロセス測定値を取得した後、燃焼プロセス測定値の変動に応じて、予め定められた制御アルゴリズムに基づいて燃焼プロセス値の変動を所定範囲に抑制するように上記変更操作量基準値を増減させて補正し、操作端の操作量を補正操作量基準値とするように制御する廃棄物焼却炉の燃焼制御装置における上記制御パラメータの調整についての評価を行う方法であって、
    上記制御パラメータ調整された場合、燃焼制御装置から廃棄物焼却炉内の燃焼プロセス測定値を取得し、該燃焼プロセス測定値から燃焼状態の評価指標として予め定められた複数の評価判定項目に関連する結果値を求め、該結果値を予め設定された評価判定基準と比較して上記制御パラメータの調整の適否を評価することを特徴とする廃棄物焼却炉の燃焼制御装置のための評価方法。
  5. 複数の操作端の操作量基準値は、燃焼用空気量、冷却用空気量、火格子送り速度を含み、燃焼プロセス測定値は、実績ごみ焼却量、炉内温度、排ガス成分の濃度を含むこととする請求項4に記載の廃棄物焼却炉の燃焼制御装置のための評価方法。
  6. 評価判定項目は、炉内の所定部位におけるガス温度、各ガス成分の濃度を含むこととする請求項4又は請求項5に記載の廃棄物焼却炉の燃焼制御装置のための評価方法。
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