JP3553483B2 - ごみガス化溶融炉における溶融炉燃焼制御方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チャー分離方式のごみガス化溶融炉において、ごみ発熱量変動があってもチャー供給量、助燃量、空気量が最適となる溶融炉のマップ燃焼制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ごみガス化溶融プラントは、ガス化炉でごみを一旦ガス化した後、発生した未燃灰の持つ熱量を利用してごみ中の灰分を溶融しスラグとする。ごみ燃焼の特徴のひとつに、燃料としてのごみは物理的・化学的性状が不均一であることが挙げられる。このため、給じん装置速度が一定であっても、ごみの形状や容積の不均一性から、炉内に供給されるごみの供給量が変動する。また、含有水分比など、ごみの成分比が変化するため、ごみ低位発熱量が変動する。これらの変動がごみ焼却プラントの安定性を阻害する「外乱要因」となる。
したがって、ガス化炉で発生した未燃ガスと未燃灰(以下、チャーと称する)を溶融炉に投入し同時に処理を行うチャー非分離方式のごみガス化溶融システムでは、ごみの供給量変動と発熱量変動が相乗の形で外乱要因として働き、その影響が大きい。
【0003】
また、従来技術として、例えば、特開2000−154913号公報には、ガス化炉でごみをガス化し、生成した可燃ガス(未燃ガス)及び未燃チャーを溶融炉で高温燃焼させて燃焼排ガスとスラグを排出するシステムにおいて、可燃ガスのCO、CO濃度を測定し、CO/COの演算結果に基づいてガス化炉に供給する空気量を制御する方法等が記載されている。
上記のごみガス化溶融システムはチャー非分離方式であり、溶融炉へチャーと未燃ガスが同時に投入されるため、考慮すべき外乱の影響が相乗される。また、上記のシステムでは、溶融炉での燃焼制御操作が行われていない。さらに、上記の技術は、CO計、CO計による可燃ガス分析が前提となっており、ごみ燃焼における計測の困難性から有用性に疑問がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
溶融炉を助燃量を低減し目標温度を保ちつつ運転するには、溶融炉入熱量を負荷設定に応じて安定させ、かつ、燃焼空気比を1近傍にて保持することが要求される。しかし、上記のように、ガス化炉で発生した未燃ガスとチャーを溶融炉へ同時に投入するチャー非分離方式のガス化溶融システムでは、チャー供給量変動とチャー発熱量変動が相乗の形で外乱要因として働くので、燃焼空気比が1近傍での運転に制御することは困難である。すなわち、チャー供給量変動とチャー発熱量変動が相乗した非分離方式の場合は、炉内ガス温度の変動が大きく、溶融炉の安定燃焼は著しく阻害される。
【0005】
これに対して、ガス化炉で発生したチャーと未燃ガスからチャーを分離して溶融炉に供給するチャー分離方式のごみガス化溶融システムでは、チャーの安定供給が可能であり、考慮すべき外乱としては、チャー発熱量変動に絞ることができる。この場合、燃焼空気比を1近傍に保持して運転するために、チャー発熱量変動に対して、助燃量や空気量の系統制御で対応すると、目標炉内ガス温度特性の非線形性により、要求運転条件を満たすのが困難である。
【0006】
本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、チャー分離方式のごみガス化溶融炉において、その特長であるチャー安定供給を十分に活かすとともに、マップ制御による手法を用いることで、ごみ発熱量変動などの外乱があっても、チャー供給量、助燃量、空気量などの操作量を、炉内ガス温度などの制御量が運転条件を満足するように算出することができ、燃焼空気比が1近傍での運転が可能となることにより、助燃量を低減して目標温度を保持した安定・低コスト操業を実現することができる溶融炉の燃焼制御方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のごみガス化溶融炉における溶融炉燃焼制御方法は、ガス化炉でごみをガス化してチャー及び灰を含む未燃ガスを発生させ、未燃ガスからチャー及び灰を分離した後、未燃ガスを燃焼させて熱回収し、分離したチャー及び灰を溶融炉に供給しチャーを燃焼させて灰を溶融しスラグとするごみガス化溶融炉において、溶融炉のプロセスデータからチャー発熱量及び溶融炉空気比を推定して溶融炉の燃焼制御の補正に用いるように構成されている。
【0008】
また、本発明の方法は、ガス化炉でごみをガス化してチャー及び灰を含む未燃ガスを発生させ、未燃ガスからチャー及び灰を分離した後、未燃ガスを燃焼させて熱回収し、分離したチャー及び灰を溶融炉に供給しチャーを燃焼させて灰を溶融しスラグとするごみガス化溶融炉において、溶融炉のプロセスデータから溶融炉燃焼制御マップを作成し、マップ制御による溶融炉運転を行うことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の方法は、ガス化炉でごみをガス化してチャー及び灰を含む未燃ガスを発生させ、未燃ガスからチャー及び灰を分離した後、未燃ガスを燃焼させて熱回収し、分離したチャー及び灰を溶融炉に供給しチャーを燃焼させて灰を溶融しスラグとするごみガス化溶融炉において、溶融炉のプロセスデータからチャー発熱量及び溶融炉空気比を推計し、チャー発熱量推計値からチャー発熱量設定値を補正して溶融炉燃焼制御マップに従って制御を行い、溶融炉空気比推計値から溶融炉空気比設定値を補正して溶融炉燃焼制御マップと連動して制御を行うことで、溶融炉を運転することを特徴としている。
【0010】
また、本発明の方法は、ガス化炉でごみをガス化してチャー及び灰を含む未燃ガスを発生させ、未燃ガスからチャー及び灰を分離した後、未燃ガスを燃焼させて熱回収し、分離したチャー及び灰を溶融炉に供給しチャーを燃焼させて灰を溶融しスラグとするごみガス化溶融炉において、溶融炉のプロセスデータからチャー発熱量及び溶融炉空気比を推計し、チャー発熱量推計値からチャー発熱量設定値を補正し、炉内ガス温度、チャー処理量、チャー発熱量等より溶融炉燃焼制御マップに従って助燃量、空気量等を算出して制御を行い、溶融炉空気比推計値から溶融炉空気比設定値を補正して溶融炉燃焼制御マップと連動して制御を行うことで、溶融炉を運転することを特徴としている。
【0011】
本発明のごみガス化溶融炉における溶融炉燃焼制御装置は、ごみを還元雰囲気でガス化処理するガス化炉と、このガス化炉のガス出口に接続されたサイクロンと、このサイクロンの上部に未燃ガス導管を介して接続されたボイラと、前記サイクロンの下部にチャー・灰搬送ラインを介して接続された溶融炉とを備えたごみガス化溶融炉において、炉内ガス温度等の制御量が運転条件を満足するように運転条件(炉内ガス温度、チャー処理量、チャー発熱量等)より操作量(助燃量、空気量等)を算出可能な演算回路を組み込んだ主制御装置と、運転条件(チャー発熱量等)の設定値を補正する補正装置と、主制御装置から出力された操作量に従って各制御量を制御する各系統制御装置とから構成されたことを特徴としている。
【0012】
また、本発明の装置は、ごみを還元雰囲気でガス化処理するガス化炉と、このガス化炉のガス出口に接続されたサイクロンと、このサイクロンの上部に未燃ガス導管を介して接続されたボイラと、前記サイクロンの下部にチャー・灰搬送ラインを介して接続された溶融炉とを備えたごみガス化溶融炉において、溶融炉のプロセスデータからチャー発熱量及び溶融炉空気比を推計するチャー発熱量・溶融炉空気比推計回路と、チャー発熱量推計値からチャー発熱量設定値を補正する運転条件設定補正回路と、炉内ガス温度、チャー処理量及びチャー発熱量より溶融炉燃焼制御マップに従って助燃量及び空気量を算出する演算回路と、溶融炉燃焼制御マップに従って演算回路で算出された助燃量及び空気量に基づいて各制御量が系統制御され、かつ、溶融炉空気比推計値から溶融炉空気比設定値を補正して溶融炉燃焼制御マップと連動して制御が行われる制御回路とから構成されたことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。図1は、本発明の実施の第1形態で用いるごみガス化溶融システムを示している。本実施形態では、ガス化炉として流動床ガス化炉、溶融炉として旋回溶融炉を用いる場合を示しているが、他の形式のガス化炉、溶融炉を用いることも可能である。
図1において、10は流動床ガス化炉で、このガス化炉10のフリーボード12にサイクロン14が接続されている。流動床ガス化炉10は、図1では散気管タイプのものを示しているが、空気分散板タイプのものを用いることも、勿論可能である。サイクロン14の上部は部分燃焼ガス導管16を介してボイラ18の再燃焼部(再燃室)20の下部近傍の炉壁に設けられたバーナ(図示略)と接続されている。ボイラ18の熱回収部22には、過熱器24、26、蒸発器28、30が設けられている。32は蒸気タービン、34は発電機である。なお、図示を省略しているが、このボイラ18に排ガス導管を介して、空気予熱器が接続され、この空気予熱器に排ガス導管を介して減温塔が接続されている。
【0014】
また、サイクロン14の下部にはチャー・灰搬送ライン36を介して旋回溶融炉38が接続されている。40は、未燃チャー及び灰を一旦貯留するホッパである。この旋回溶融炉38は、チャー及び灰、燃焼用空気、必要に応じて補助燃料を供給して予燃焼させる予燃焼部42と、この予燃焼部42が接線方向に連結された略円筒形の旋回溶融部44と、この旋回溶融部44の下面にスラグ流下口46を介して連結されたスラグ水封ホッパ48とからなっている。
溶融炉38の旋回溶融部44の排ガス出口は溶融炉排ガス導管50を介してボイラ18の熱回収部22(例えば、過熱器より下流側)に接続されている。
【0015】
つぎに、図1に示す装置の作用について説明する。部分燃焼炉である流動床ガス化炉10に給じん装置52により投入されたごみは、500〜600℃程度の流動層内で空気比0.2〜0.3程度の還元雰囲気で熱分解し、部分燃焼ガス(未燃ガス)と未燃チャー及び灰とが生成する。チャー及び灰を含む部分燃焼ガスは、ガス化炉10のフリーボード12からサイクロン14に導入され、部分燃焼ガスとチャー及び灰とに分離される。
分離された部分燃焼ガスは、部分燃焼ガス導管16を通って、ボイラ18の再燃焼部20の下部近傍の炉壁に設けられたバーナ(図示略)に導入される。バーナにおいて、部分燃焼ガスは燃焼用空気と混合されて燃焼し、その燃焼排ガスが再燃焼部20に導入される。そして、ボイラ18の熱回収部22(過熱器)で高温の過熱蒸気を発生させることで蒸気タービン発電機による発電が行われる。
一方、分離されたチャー及び灰は、旋回溶融炉38の予燃焼部42に、燃焼用空気、必要に応じて補助燃料とともに供給され、ここでチャーの大部分は燃焼する。予燃焼部42からの予燃焼ガスは略円筒形の旋回溶融部44に接線方向に導入され、残りのチャーが1300〜1400℃程度で高温燃焼するとともに、灰の大部分が溶融してスラグとなりスラグ水封ホッパ48内に落下し冷却されて水冷スラグとなり、コンベア等の排出機により取り出される。旋回溶融部44からの高温排ガスは、溶融炉排ガス導管50を介してボイラ18の熱回収部22(例えば、過熱器より下流側)に導入される。
【0016】
上述したチャー分離方式のごみガス化溶融システムでは、溶融炉へのチャー供給量の定量化が可能であることから、溶融炉の安定燃焼を阻害する外乱要因をチャー発熱量変動に絞ることができ、ごみ燃焼の外乱要因を抑制して、以下に示すマップ制御による燃焼空気比が1近傍での運転が可能となる。これにより、助燃量を低減して目標温度を保持した安定・低コスト操業を実現することができる。図2は、本発明の実施の第1形態によるごみガス化溶融炉における溶融炉燃焼制御方法を実施する装置の構成を示している。本実施形態における構成は、図2に示すように、溶融炉運転マップ回路54と、チャー発熱量・溶融炉空気比推計回路56と、運転条件設定補正回路58と、各系統制御回路60の4システムからなる。これら各回路は、ディジタルコンピュータ内に内蔵されて機能する。
【0017】
つぎに、溶融炉運転マップ(溶融炉燃焼制御マップ)の作成、及びチャー発熱量、溶融炉空気比の推計について説明する。
旋回溶融炉を集中化して、エネルギバランス式を中心に記述する。理論空気量、理論ガス量はRosinの式に従うものとする。数式群の一例を下記の数1〜数9に示す。また、本数式群で用いた記号は表1に示す通りである。なお、数4の式(3)におけるa、b、a、bは、λt<1の式がλt≧1の式と連続性を保つように決定された定数である。
【0018】
【数1】
Figure 0003553483
【0019】
【数2】
Figure 0003553483
【0020】
【数3】
Figure 0003553483
【0021】
【数4】
Figure 0003553483
【0022】
【数5】
Figure 0003553483
【0023】
【数6】
Figure 0003553483
【0024】
【数7】
Figure 0003553483
【0025】
【数8】
Figure 0003553483
【0026】
【数9】
Figure 0003553483
【0027】
【表1】
Figure 0003553483
【0028】
(1)溶融炉燃焼制御マップ作成
プロセスデータを数式群に代入し、溶融炉燃焼制御マップを算出する。計算過程を以下に示す。また、計算過程のフローを図3に示す。
▲1▼ Qts(入熱量設定)、Gcs(チャー処理量設定)より、基準Huc(チャー発熱量)を入力して、Goil(助燃量)を(1)’式より算出する(Huoil(重油発熱量)固定)。
▲2▼ 式(2)に、空気比λt=1、Huc、Goil、Huoilを代入し、Ga(空気量)を算出する。
▲3▼ Gc(チャー処理量)、λt、Ga、Huc、Goil、Huoil、Tg(炉内ガス温度)を式(1)、式(3)に代入し、Ql(放熱量)を算出する。式(6)へQlを代入して、kq(放熱係数)が求まる。
▲4▼ Gc、kqの値を固定し、各HucのGa、Goilを式(1)〜(3)に代入し、Tgの各Hucに対する値を得る。Tgのパターンが目標炉内ガス温度を満足していることを確認する。
【0029】
(2)チャー発熱量、溶融炉空気比推計
上記の数式群を制御装置内で解き、チャー発熱量、溶融炉空気比などを推定して燃焼制御の補正に用いる。
溶融炉の運転は、チャー発熱量推計値から、チャー発熱量設定値を補正して、上記の制御マップに従って制御を行う。また、溶融炉空気比推計値から、溶融炉空気比設定値を補正して、上記の制御マップと連動して制御を行う。
【0030】
上述したように、チャー分離方式のガス化溶融炉とすることにより、チャーの安定供給が可能であり、考慮すべき外乱要因として、チャー発熱量変動に絞りうる。前述の数式群による炉内ガス温度の感度解析の結果、図4、図5に示すように、λt=1近傍で運転した場合が炉内ガス温度Tgが最も高く、λt<1となった場合も、λt>1となった場合も、λt=1の場合に比べてTgは低下する傾向にある。一方、チャー供給量変動とチャー発熱量変動が相乗したチャー非分離方式の場合は、炉内ガス温度の変動は大きく、溶融炉の安定燃焼が著しく阻害される。本発明のチャー分離方式の場合は、チャー発熱量外乱への対応のみであるため、λt=1近傍での運転により、助燃量を最小とした溶融炉運転が可能となり、コスト削減に寄与し得る。
【0031】
チャー発熱量Hucやチャー供給量Gcの外乱により、炉内ガス温度Tgが下がった場合の制御方法として、マップ制御による手法、Goil+Gaを増やす手法、Gc+Gaを増やす手法等が考えられる。そこで、マップ制御を用いた場合と、Goil+GaやGc+Gaによる制御を用いた場合の制御系の特性の比較検討を実施した。外乱としてチャー発熱量Hucを増加させた場合と減少させた場合のそれぞれについて、操作量を変化させない場合と上記の3つの制御を用いた場合でシミュレーションを行った。下記の表2に示す8つのケースのシミュレーション結果を図6〜図13に示す。ケース1、2(制御なし)の結果が図6、図7であり、ケース3、4(マップ制御)の結果が図8、図9であり、ケース5、6(Goil増、Ga増)の結果が図10、図11であり、ケース7、8(Gc増、Ga増)の結果が図12、図13である。
【0032】
【表2】
Figure 0003553483
【0033】
図8、図9に示すように、マップ制御を用いた場合は炉内ガス温度Tgが初期値まで回復したが、その他の手法では炉内ガス温度Tgは低下した。これは、マップ制御はλt=1となるように操作量を決めることができるが、助燃量Goilやチャー供給量Gcを増やしそれに見合った空気量Gaを増やす手法では、λt=1を保つことができないためである。したがって、λt=1となるように操作量を決めることができるマップ制御は、炉内ガス温度Tgを高温に保つために有効な制御手法である。
【0034】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1) チャー分離方式のごみガス化溶融システムでは、チャーの安定供給が可能であり、考慮すべき外乱として、チャー発熱量変動に絞ることができるので、高度な制御性を発揮することが可能である。
(2) 燃焼空気比が1近傍での運転が可能となり、これにより、助燃量を低減して目標温度を保持した安定・低コスト操業を実現することができる。
(3) O計無しで、チャー発熱量推定・補正が可能であり、実用性が高い。
(4) 炉内温度計測が高温などの環境条件により困難である場合には、溶融炉冷却水量、水温より熱回収量と計測炉内温度との校正曲線をあらかじめ得ておくことにより、代替え可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態で用いるごみガス化溶融システムを示す系統的概略構成説明図である。
【図2】本発明の実施の第1形態によるごみガス化溶融炉における溶融炉燃焼制御方法を実施する装置を示す系統的概念構成説明図である。
【図3】溶融炉燃焼制御マップの計算過程を示すフローチャートである。
【図4】チャー供給量のみを変化させた場合の炉内ガス温度の感度解析結果を示すグラフである。
【図5】チャー発熱量のみを変化させた場合の炉内ガス温度の感度解析結果を示すグラフである。
【図6】チャー発熱量変動(増加)に対し操作量を変化させない場合のシミュレーション結果(ケース1)を示すグラフである。
【図7】チャー発熱量変動(減少)に対し操作量を変化させない場合のシミュレーション結果(ケース2)を示すグラフである。
【図8】チャー発熱量変動(増加)に対しマップ制御を用いた場合のシミュレーション結果(ケース3)を示すグラフである。
【図9】チャー発熱量変動(減少)に対しマップ制御を用いた場合のシミュレーション結果(ケース4)を示すグラフである。
【図10】チャー発熱量変動(増加)に対しGoil+Gaによる制御を用いた場合のシミュレーション結果(ケース5)を示すグラフである。
【図11】チャー発熱量変動(減少)に対しGoil+Gaによる制御を用いた場合のシミュレーション結果(ケース6)を示すグラフである。
【図12】チャー発熱量変動(増加)に対しGc+Gaによる制御を用いた場合のシミュレーション結果(ケース7)を示すグラフである。
【図13】チャー発熱量変動(減少)に対しGc+Gaによる制御を用いた場合のシミュレーション結果(ケース8)を示すグラフである。
【符号の説明】
10 流動床ガス化炉
12 フリーボード
14 サイクロン
16 部分燃焼ガス導管
18 ボイラ
20 再燃焼部(再燃室)
22 熱回収部
24、26 過熱器
28、30 蒸発器
32 蒸気タービン
34 発電機
36 チャー・灰搬送ライン
38 旋回溶融炉
40 ホッパ
42 予燃焼部
44 旋回溶融部
46 スラグ流下口
48 スラグ水封ホッパ
50 溶融炉排ガス導管
52 給じん装置
54 溶融炉運転マップ回路
56 チャー発熱量・溶融炉空気比推計回路
58 運転条件設定補正回路
60 各系統制御回路

Claims (6)

  1. ガス化炉でごみをガス化してチャー及び灰を含む未燃ガスを発生させ、未燃ガスからチャー及び灰を分離した後、未燃ガスを燃焼させて熱回収し、分離したチャー及び灰を溶融炉に供給しチャーを燃焼させて灰を溶融しスラグとするごみガス化溶融炉において、溶融炉のプロセスデータからチャー発熱量及び溶融炉空気比を推定して溶融炉の燃焼制御の補正に用いることを特徴とするごみガス化溶融炉における溶融炉燃焼制御方法。
  2. ガス化炉でごみをガス化してチャー及び灰を含む未燃ガスを発生させ、未燃ガスからチャー及び灰を分離した後、未燃ガスを燃焼させて熱回収し、分離したチャー及び灰を溶融炉に供給しチャーを燃焼させて灰を溶融しスラグとするごみガス化溶融炉において、溶融炉のプロセスデータから溶融炉燃焼制御マップを作成し、マップ制御による溶融炉運転を行うことを特徴とするごみガス化溶融炉における溶融炉燃焼制御方法。
  3. ガス化炉でごみをガス化してチャー及び灰を含む未燃ガスを発生させ、未燃ガスからチャー及び灰を分離した後、未燃ガスを燃焼させて熱回収し、分離したチャー及び灰を溶融炉に供給しチャーを燃焼させて灰を溶融しスラグとするごみガス化溶融炉において、溶融炉のプロセスデータからチャー発熱量及び溶融炉空気比を推計し、チャー発熱量推計値からチャー発熱量設定値を補正して溶融炉燃焼制御マップに従って制御を行い、溶融炉空気比推計値から溶融炉空気比設定値を補正して溶融炉燃焼制御マップと連動して制御を行うことで、溶融炉を運転することを特徴とするごみガス化溶融炉における溶融炉燃焼制御方法。
  4. ガス化炉でごみをガス化してチャー及び灰を含む未燃ガスを発生させ、未燃ガスからチャー及び灰を分離した後、未燃ガスを燃焼させて熱回収し、分離したチャー及び灰を溶融炉に供給しチャーを燃焼させて灰を溶融しスラグとするごみガス化溶融炉において、溶融炉のプロセスデータからチャー発熱量及び溶融炉空気比を推計し、チャー発熱量推計値からチャー発熱量設定値を補正し、炉内ガス温度、チャー処理量及びチャー発熱量より溶融炉燃焼制御マップに従って助燃量及び空気量を算出して制御を行い、溶融炉空気比推計値から溶融炉空気比設定値を補正して溶融炉燃焼制御マップと連動して制御を行うことで、溶融炉を運転することを特徴とするごみガス化溶融炉における溶融炉燃焼制御方法。
  5. ごみを還元雰囲気でガス化処理するガス化炉と、このガス化炉のガス出口に接続されたサイクロンと、このサイクロンの上部に未燃ガス導管を介して接続されたボイラと、前記サイクロンの下部にチャー・灰搬送ラインを介して接続された溶融炉とを備えたごみガス化溶融炉において、
    制御量が運転条件を満足するように運転条件より操作量を算出可能な演算回路を組み込んだ主制御装置と、
    運転条件の設定値を補正する補正装置と、
    主制御装置から出力された操作量に従って各制御量を制御する各系統制御装置とから構成されたことを特徴とするごみガス化溶融炉における溶融炉燃焼制御装置。
  6. ごみを還元雰囲気でガス化処理するガス化炉と、このガス化炉のガス出口に接続されたサイクロンと、このサイクロンの上部に未燃ガス導管を介して接続されたボイラと、前記サイクロンの下部にチャー・灰搬送ラインを介して接続された溶融炉とを備えたごみガス化溶融炉において、
    溶融炉のプロセスデータからチャー発熱量及び溶融炉空気比を推計するチャー発熱量・溶融炉空気比推計回路と、
    チャー発熱量推計値からチャー発熱量設定値を補正する運転条件設定補正回路と、
    炉内ガス温度、チャー処理量及びチャー発熱量より溶融炉燃焼制御マップに従って助燃量及び空気量を算出する演算回路と、
    溶融炉燃焼制御マップに従って演算回路で算出された助燃量及び空気量に基づいて各制御量が系統制御され、かつ、溶融炉空気比推計値から溶融炉空気比設定値を補正して溶融炉燃焼制御マップと連動して制御が行われる制御回路とから構成されたことを特徴とするごみガス化溶融炉における溶融炉燃焼制御装置。
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