JP6400415B2 - ガス化複合発電設備及びその制御装置並びに制御方法 - Google Patents

ガス化複合発電設備及びその制御装置並びに制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガス化複合発電設備及びその制御装置並びに制御方法に関するものである。
例えば、石炭ガス化複合発電プラントは、炭素水素起源燃料(例えば、石炭、バイオマス、石油残渣油等)をガス化して得られる可燃性ガス(以下「システムガス」ともいう)を燃料として運転するガスタービンと、ガスタービンの排熱を回収して得られる蒸気により運転する蒸気タービンとを備えた構成とされている。炭化水素起源燃料(例えば、石炭)をガス化するガス化炉への酸化剤として空気及び酸素富加酸化剤が用いられ、石炭ガス化複合発電プラントの運転負荷によりガス化炉へ供給される炭素水素起源燃料の性状に変動が生じると、酸化剤の流量を変動させる。
石炭ガス化複合発電プラントの運転においては、発電機出力を要求指令(MWD;mega Watt Demand)に一致するよう制御する負荷制御と、石炭ガス化複合発電プラントを適正に運転するために必要なシステムガス圧力を適正に保つシステムガス圧力制御が上位制御(統括制御)として用いられる(例えば、下記特許文献1)。
図8には、従来の石炭ガス化複合発電設備の制御装置の機能ブロック図が示されている。図8の矢印で示される信号の流れにより、ガス化炉に投入される炭素水素起源燃料流量及び酸化剤流量の指令値が生成される。例えば、要求指令(MWD)を指標とする関数によりガス化炉の要求負荷となるガス化炉入力指令(GID0)が生成され、加算器66´に出力される。
減算器62´は、要求指令(MWD)に基づいて制御器(関数発生器)Fxにより設定される目標圧力と、計測されたシステムガス圧力との差を算出する。目標圧力とシステムガス圧力に偏差がある場合、システムガス圧力制御器63´は、システムガス圧力が目標圧力となるように制御するための制御量を加算器66´に出力する(フィードバック(FB)制御)。
また、負荷変化等の外乱に対応するために、要求指令(MWD)に対するガス化炉入力加速度信号(GIR)生成回路が用意されており、その制御量が加算器66´に出力される(フィードフォワード(FF)制御)。
加算器66´は、ガス化炉入力指令(GID0)と、システムガス圧力制御器63´からの制御量と、ガス化炉入力加速度信号(GIR)とに基づいて、ガス化炉入力指令(GID)を算出する。さらに、ガス化炉入力指令(GID)に基づいて、マスヒートバランス計画により予め用意されたそれぞれの関数発生器により炭素水素起源燃料流量及び酸化剤流量が生成される。
このように、石炭ガス化複合発電プラントは、発電機出力を発電機の要求指令(MWD)に一致させつつ、プラントのシステムガス圧力を設定値になるように制御されている。
特開2010−285564号公報
しかしながら、負荷制御の指令が一定である場合に、ガス化炉を循環するチャーの性状変化等のガス化炉運転に異常が生じ、システムガス圧力に変動があっても、システムガス圧力はフィードバック制御によって制御されているため、整定に時間が掛かり、制御性がよくないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、システムガス圧力の制御性を向上させるガス化複合発電設備及びその制御装置並びに制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、燃料と酸化剤とを反応させて可燃性ガスを生成するガス化炉と、前記可燃性ガスを燃焼させて発生した燃焼ガスを用いて駆動するガスタービンの出力により発電する発電機と、前記可燃性ガスが流通する経路上に接続され、前記可燃性ガスの圧力を計測する圧力計測手段とを備えるガス化複合発電設備の制御装置であって、発電機出力の要求指令に基づいて決定される前記可燃性ガスの目標圧力と前記圧力計測手段によって計測された計測圧力との圧力差を出力する圧力差出力部と前記圧力差出力部の出力である前記圧力差と、前記発電機出力の要求指令に応じて決定される前記ガス化炉の要求負荷に基づいて、前記ガス化炉に投入する仮の前記燃料及び仮の前記酸化剤の流量を決定する第1制御手段と、前記圧力差出力部の出力である前記圧力差を抑えるように、前記圧力差に基づき酸化剤のバイアス量を決定する第2制御手段と、前記ガス化炉の出口熱量が変化しないように前記酸化剤のバイアス量にて燃料のバイアス量を決定し、仮の前記酸化剤の流量と前記酸化剤のバイアス量とに基づいて前記ガス化炉に投入する酸化剤流量を決定し、仮の前記燃料の流量と前記燃料のバイアス量とに基づいて前記ガス化炉に投入する燃料流量を決定する第制御手段とを具備するガス化複合発電設備の制御装置を提供する。
本発明の構成によれば、燃料と酸化剤とを反応させて生成された可燃性ガスを燃焼させて燃焼ガスを発生させ、燃焼ガスを用いてガスタービンが駆動され、ガスタービンの出力により発電機が発電し、可燃性ガスが流通する経路上で可燃性ガスの計測圧力が計測されるガス化複合発電設備の制御装置であって、発電機出力の要求指令に基づいて決定される可燃性ガスの目標圧力と計測圧力との圧力差と、発電機出力の要求指令に応じて決定されるガス化炉の要求負荷に基づいてガス化炉に投入する仮の酸化剤の流量が決定される。圧力差に応じた酸化剤のバイアス量が決定され、決定された酸化剤のバイアス量と仮の酸化剤の流量とに基づいて、ガス化炉に投入する酸化剤流量が決定される。
これにより、従来のフィードバック制御による可燃性ガス(システムガス)の圧力制御に加え、圧力差に応じた酸化剤のバイアス量を決定して、酸化剤流量をフィードフォワード制御することにより、可燃性ガスの圧力制御性を向上させることができる。このように、可燃性ガスの圧力制御性の向上により、より安定したプラント運用が可能となる。
また、酸化剤の流量が調整されることによって、可燃性ガスの発熱量が変化することが推定されるが、発熱量の変化を抑制する燃料のバイアス量の燃料を投入させることによって、発熱量を安定させ、バランスを安定させることができる。
上記ガス化複合発電設備の制御装置は、前記圧力差出力部の出力である前記圧力差を入力とし、前記圧力差の不感帯を設定する不感帯設定部を備え、前記不感帯設定部は、前記圧力差が第1所定値以下である場合前記圧力差をゼロとし、前記圧力差が第2所定値以上である場合は前記圧力差を第2所定値とすることが好ましい。
酸化剤の第1調整量をゼロとする不感帯を設けることにより、過敏(過度)に調整を行うことを抑制し、運転の安定性をより向上させることができる。
上記ガス化複合発電設備の制御装置において、前記ガス化炉の異常状態を検出する検出手段と、前記ガス化炉の異常状態に対して、推定される前記ガス化炉の運転状態の変動分に相当する燃の第2バイアス量び酸化剤の第2バイアス量を決定し、前記第2制御手段に出力する第制御手段とを具備することとしてもよい。
検出されたガス化炉の異常状態から将来発生すると推定されるガス化炉の運転状態の変動に応じて、燃料の第2バイアス量と酸化剤の第2バイアス量を先行的に(フィードフォワード)制御することによって、より安定したプラント運用が可能となる。
上記ガス化複合発電設備の制御装置の前記第制御手段は、前記ガス化炉の異常状態が解除されたことを検出した場合に、前記ガス化炉の運転状態の変動分に相当する前記燃料の第2バイアス量及び前記酸化剤の第2バイアス量を徐々に低減させることとしてもよい。
ガス化炉の異常状態に応じて入力された燃料の第2バイアス量及び前記酸化剤の第2バイアス量を徐々に低減させることにより、その調整が外乱とならないように制御でき、安定したプラント運用に繋がる。
本発明は、上記いずれかに記載のガス化複合発電設備の制御装置と、燃料と酸化剤とを反応させて可燃性ガスを生成するガス化炉と、前記可燃性ガスを燃焼させて発生した燃焼ガスを用いて駆動するガスタービンの出力により発電する発電機と、前記可燃性ガスが流通する経路上に接続され、前記可燃性ガスの圧力を計測する圧力計測手段とを備えるガス化複合発電設備を提供する。
本発明は、燃料と酸化剤とを反応させて可燃性ガスを生成するガス化炉と、前記可燃性ガスを燃焼させて発生した燃焼ガスを用いて駆動するガスタービンの出力により発電する発電機と、前記可燃性ガスが流通する経路上に接続され、前記可燃性ガスの圧力を計測する圧力計測手段とを備えるガス化複合発電設備の制御方法であって、発電機出力の要求指令に基づいて決定される前記可燃性ガスの目標圧力と前記圧力計測手段によって計測された計測圧力との圧力差を出力する圧力差出力過程と前記圧力差出力過程の出力である前記圧力差と、前記発電機出力の要求指令に応じて決定される前記ガス化炉の要求負荷に基づいて、前記ガス化炉に投入する仮の前記燃料及び仮の前記酸化剤の流量を決定する第1過程と、前記圧力差出力過程の出力である前記圧力差を抑えるように、前記圧力差に基づき前記酸化剤のバイアス量を決定する第2過程と、前記ガス化炉の出口熱量が変化しないように前記酸化剤のバイアス量にて燃料のバイアス量を決定し、仮の前記酸化剤の流量と前記酸化剤のバイアス量とに基づいて前記ガス化炉に投入する酸化剤流量を決定し、仮の前記燃料の流量と前記燃料のバイアス量とに基づいて前記ガス化炉に投入する燃料流量を決定する第3過程と、を有するガス化複合発電設備の制御方法を提供する。
本発明は、システムガス圧力の制御性を向上させるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係るガス化複合発電設備の全体構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るガス化複合発電設備の制御装置の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係るガス化複合発電設備の制御装置の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係るガス化炉制御異常時の補償回路の動作について説明するための図である。 負荷変化時のシステムガス圧力に対する制御器の出力とシステムガス圧力偏差の関係の一例を示す図である。 従来技術によって得られる負荷一定時のシステムガス圧力制御器の出力とシステムガス圧力偏差の関係の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る制御装置によって得られる、負荷一定時のシステムガス圧力制御器の出力とシステムガス圧力偏差とシステムガス差圧に対する制御器の出力との関係の一例を示す図である。 従来のガス化複合発電設備の制御装置の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。
以下に、本発明に係るガス化複合発電設備及びその制御装置並びに制御方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕
図1に示す本実施形態のガス化複合発電設備は、空気及び空気分離装置18からの余剰酸素を酸化剤としてガス化炉3で可燃性ガスを生成する空気吹きガス化方式を採用し、生成された可燃性ガス(システムガス)をガスタービン9へ供給する。すなわち、図1に示すガス化複合発電設備は、空気吹きガス化方式の石炭ガス化複合発電設備(以下「IGCC」(Integrated coal Gasification Combined Cycle)という。)1である。以下では、炭化水素起源燃料として石炭を用いる場合について説明するが、炭化水素起源燃料(以下「燃料」ともいう)は、石炭以外に、バイオマス又は石油残渣油等でもよく、特に限定されない。
ガス化炉3の上流側には、ガス化炉3へと微粉炭を供給する石炭供給設備2が設けられている。この石炭供給設備2の微粉炭機(図示略)では、乾燥用ガスにより供給された石炭を加熱し、石炭中の水分を除去しながら細かい粒子状に粉砕して微粉炭を製造する。
こうして製造された微粉炭は、微粉炭ビン22へ搬送される。粒子成分の微粉炭は、重力により落下してホッパ23に供給される。
各ホッパ23に貯留された微粉炭は微粉炭ビン22と切り離され、加圧、空気分離装置18から供給される窒素とともにガス化炉3へと搬送される。
ホッパ23内に回収された微粉炭は、窒素供給路27を介して空気分離装置18から供給される加圧搬送用の窒素ガスにより、ガス化炉3内へ搬送される。空気分離装置18は、大気から空気を導入して窒素及び酸素のガスに分離する装置であり、例えば、ASU(Air Separation Unit:深冷空気分離装置)である。また、空気分離装置18は、PSA(圧力変動吸着)方式でもよい。
空気分離装置18の内部は、空気圧縮機17によって昇圧される。空気分離装置18で生成された窒素は、圧縮機20によって昇圧されて、微粉炭やチャーの搬送ガスとして使用されたり、チャー回収装置4へ供給されたりする。空気分離装置18で生成された酸素は、圧縮機19によって昇圧されてガス化炉3へ供給される。空気分離装置18からガス化炉3まで至る酸素は、酸素供給路26を介して供給される。
ガス化炉3では、可燃性ガスの原料としての微粉炭と、ガスタービン空気圧縮機(以下「GT空気圧縮機」という。)10からの圧縮空気や空気分離装置18からの酸素によって、微粉炭がガス化されて、可燃性ガスが生成される。GT空気圧縮機10からの圧縮空気は、昇圧機15によって昇圧され、空気供給路25を経由して、ガス化炉3へ供給される。
ガス化炉3は、下方から上方へとガスが流されるように形成された石炭ガス化部3aと、石炭ガス化部3aの下流側に接続されて、上方から下方へとガスが流されるように形成された熱交換部3bとを備えている。
熱交換部3bは石炭ガス化部3aの上部に設置しても良い。
石炭ガス化部3aには、下方から、コンバスタ3cおよびリダクタ3dが設けられている。コンバスタ3cは、微粉炭およびチャーの一部分を燃焼させ、残りは熱分解により揮発分(CO,H2,低級炭化水素)として放出させる部分である。コンバスタ3cには噴流床が採用されている。しかし、流動床式や固定床式であっても構わない。
石炭ガス化部3aで生成された可燃性ガスは、石炭ガス化部3aの上部から熱交換部3bへ導かれて冷却される。この可燃性ガスは、熱交換部3bで冷却された後にチャー回収装置4へ供給される。
チャー回収装置4では、ガス化炉3で可燃性ガスとともに生成されたチャーが分離される。チャー回収装置4には、チャーの流動化及びチャーの搬送のため、空気分離装置18から窒素が供給される。可燃性ガスは、チャー回収装置4の上部から流出し、ガス精製設備5へ供給される。分離されたチャーは、空気分離装置18から供給される加圧搬送用の窒素ガスにより、ガス化炉3内へ搬送される。
ガス精製設備5は、例えば、脱硫装置や二酸化炭素回収装置などから構成され、可燃性ガスから硫黄又は硫黄化合物や二酸化炭素等を除去する。
精製された可燃性ガスは、ガスタービン燃焼器(以下「GT燃焼器」という。)8の燃料ガスとして使用される。この燃料ガスをGT燃焼器8に供給して燃焼させることにより、高温高圧の燃焼排ガスが生成される。可燃性ガスは、図示しない圧力調整弁や燃料流量調整弁によって圧力及び流量が調整されて、GT燃焼器8へ供給される。GT燃焼器8には、大気を吸引して昇圧するGT空気圧縮機10から空気が供給される。
チャー回収装置4とガス精製設備5との間には、圧力計測部(圧力計測手段)6を備えている。圧力計測部6は、可燃性ガスの圧力を計測するものである。圧力計測部6は、本実施形態においてはチャー回収装置4とガス精製設備5との間に接続されているが、圧力計測部6の配置位置はこれに限定されず、可燃性ガスが流通するガス化炉3とGT燃焼器8との間の経路上に設けられればよく、例えば、GT燃焼器8とガス精製設備5との間に設けられていてもよい。
GT燃焼器8で生成された燃焼排ガスは、ガスタービン9を駆動した後、高温の排ガスとして排出される。こうして駆動されたガスタービン9は、回転する主軸が発電機12と連結されているので、発電機12を駆動して発電を行うことができる。
ガスタービン9から排出された高温の排ガスは、排熱回収ボイラ13に供給されて蒸気を生成する熱源として使用される。排熱回収ボイラ13から排出される排ガスは、必要な処理を施した後に煙突14から大気へ排気される。
排熱回収ボイラ13で生成された蒸気は、発電用の蒸気タービン11等に供給される。本実施形態では、蒸気タービン11は、ガスタービン9と連結され、発電機12を駆動して発電を行う。
図2は、本実施形態に係るIGCC1の制御装置100の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。
制御装置100は、例えば、図示しないCPU(中央演算装置)、RAM(Random Access Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。
具体的に、制御装置100は、第1制御部(第1制御手段)60と、調整量決定部(第2制御手段)70と、第2制御部(第制御手段)80と、ガスタービン制御器(以下「GT制御器」という)52とを備えている。
GT制御器52は、差分器51により算出された、IGCC1全体の目標発電量であり、発電機12の目標出力値となる発電機出力の要求指令MWD(Mega Watt Demand)と、発電機12の実際の発電機出力Aとの差に基づいて、ガスタービン9の制御量を算出し、制御量は、図示しないガスタービンガバナ(GT GOV)の開度指令値として出力する。
第1制御部60は、発電機出力の要求指令MWD(Mega Watt Demand)に基づいて決定される可燃性ガスの目標圧力と圧力計測部6によって計測された計測圧力との圧力差、及び発電機出力の要求指令MWDに応じて決定されるガス化炉3の要求負荷に基づいて、ガス化炉3に投入する燃料及び酸化剤の仮の流量を決定する。具体的には、第1制御部60は、第1の演算器61と、第2の演算器64と、第3の演算器65と、減算器(圧力差出力部)62と、システムガス圧力制御器63と、加算器66と、仮流量演算部67とを備えている。
第1の演算器61は、要求指令MWDに対する可燃性ガスの目標圧力を算出するものであり、例えば、テーブルや関数等を有しており、テーブルや関数等に基づいて目標圧力が算出される。
第2の演算器64は、発電機12の要求指令MWDに基づいてガス化炉入力指令GID0を算出する。
第3の演算器65は、負荷変化等の外乱に対応するため、発電機12の要求指令MWDに対するガス化炉入力加速度(GIR)信号生成回路を有しており、生成されたガス化炉入力加速度信号を加算器66に出力して、ガス化炉入力指令GIDに対してガス化炉3の運転状態を促進させ、フィードフォワード制御する。
減算器62は、第1の演算器61により出力される可燃性ガスの目標圧力と、圧力計測部6によって計測された実際の計測ガス圧力(システムガス圧力)Bとの圧力差を算出し、システムガス圧力制御器63に出力する。
システムガス圧力制御器63は、取得した圧力差を低減するようにPIまたはPID制御することにより、ガス化炉入力指令GIDの補正分を算出し、加算器66に出力する。
加算器66は、要求指令MWDに応じて決定されるガス化炉3の要求負荷であるガス化炉入力指令GID0と、ガス化炉の運転をフィードフォワード制御するガス化炉入力加速度GIRと、ガス化炉入力指令GIDの補正分とを加算して、ガス化炉入力指令GIDを算出する。
仮流量演算部67は、マスヒートバランス計画により用意された関数発生器に基づいて、ガス化炉入力指令GIDから仮の燃料流量及び酸化剤流量を算出して、第4の演算器81及び第6の演算器83に入力する。
調整量決定部70は、圧力差に応じた酸化剤のバイアス量(酸化剤流量バイアス値)を決定する。具体的には、調整量決定部70は、不感帯設定器(不感帯設定部)71と、制御器72と、H/L(ハイロー)回路73とを備えている。
不感帯設定器71は、圧力差が第1所定値(例えば、0.03〔MPa〕)以下の場合に、圧力差をゼロとして出力することで、酸化剤のバイアス量をゼロとし、酸化剤流量バイアス値を出力しないようにする。このように圧力偏差入力に不感帯(デッドバンド)を設けることにより、微小な圧力変動による酸化剤流量バイアス値の加算を防止する。
また、不感帯設定器71は、圧力差に対して所定上限値(例えば、0.1〔MPa〕)を設けておき、圧力差が所定上限値以上の場合には、所定上限値(例えば、0.1〔MPa〕)を圧力差として出力する。
このように、不感帯設定器71にデッドバンドを設けることによりある程度の圧力差以下に対しては、従来通りの圧力フィードバック制御によるシステム圧力制御機能が働くことになる。
なお、所定上限値及び不感帯とする第1所定値等は、プラント規模、プラント運転圧力により適宜決定されるものとし、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で設定されるものとする。
制御器72は、不感帯設定器71により入力された圧力差を抑える酸化剤流量バイアス値を算出し、H/L回路73に出力する。具体的には、制御器72は、P動作またはPD動作により、圧力差を抑制するための酸化剤流量バイアス値を算出する。なお、制御器72がP動作またはPD動作する根拠は、I(積分)動作を含めた場合、揺り戻しが生じ、制御値が適正な範囲内になったとしても積分動作が作用して偏差がとれなくなり、本来のフィードバック制御であるシステムガス圧力制御器63に負担をかける恐れがあるため、これを防止するためである。
または、制御器72は、予め設定された関数発生器を用いて酸化剤流量バイアス値を生成してもよい。
H/L回路73は、制御器72から入力される酸化剤流量バイアス値に下限値及び上限値を設ける。これにより、ガス化炉3の運転における極端なアンバランスを避ける。
本実施形態においては、制御器72の出力側にH/L回路73を設けていたが、これに限定されず、H/L回路73に加えてレートリミッターを設け、酸化剤流量バイアス値の増減量割合を調整することとしてもよい。また、不感帯設定器71における入力値に対する出力値を得るための傾き(変化の割合)を調整して、可変ゲイン機能を持たせ、酸化剤流量バイアス値を調整してもよい。
第2制御部80は、第1制御部60により決定された仮の酸化剤の流量と、調整量決定部70により決定された酸化剤のバイアス量とに基づいて、ガス化炉3に投入する酸化剤流量を決定する。また、第2制御部80は、調整量決定部70によって決定された可燃性ガスの発熱量の変化を抑制させるための燃料のバイアス量と、仮の燃料の流量とに基づいて、ガス化炉3に投入する燃料流量を決定する。
具体的には、第2制御部80は、第4の演算器81と、第5の演算器82と、第6の演算器83とを備えている。
第4の演算器81は、ガス化炉入力指令GIDに基づいて算出された仮の酸化剤の流量及び酸化剤流量バイアス値に基づいて、最終的な酸化剤流量指令を演算する。さらに、第4の演算器81は、最終的に演算された酸化剤流量指令に基づいて、空気供給路25や酸素供給路26に設けられた流量調整弁(図示略)の開度が制御される(図示略)。
第5の演算器82は、仮の酸化剤の流量に酸化剤バイアス値が加えられることにより推定される可燃性ガスの発熱量(例えば、ガス化炉3の出口発熱量)の変化を抑制させるための燃料のバイアス量(燃料流量バイアス値)を決定し、第6の演算器83に出力する。
第6の演算器83は、ガス化炉入力指令GIDに基づいて算出された仮の燃料流量及び燃料流量バイアス値に基づいて、最終的な燃料流量指令を演算する。さらに、第6の演算器83は、最終的に演算された燃料流量指令に基づいて、ガス化燃料流路28に設けられた流量調整弁(図示略)の開度が制御される(図示略)。
次に、上記構成のIGCC1の動作について説明する。
原料炭は粉砕機(図示せず)で粉砕され微粉炭となった後、微粉炭ビン22へと導かれて貯留され、供給ホッパ23に移送・加圧後、微粉炭は、空気分離装置15において分離された窒素とともに、リダクタバーナ及びコンバスタバーナへと供給される。さらに、コンバスタ3cには、コンバスタバーナ微粉炭だけでなく、チャー回収装置において回収されたチャーがチャーバーナより供給される。
コンバスタバーナ及びチャーバーナの燃焼用気体としては、ガスタービン設備のGT空気圧縮機10から抽気された圧縮空気を抽気空気昇圧機15によってさらに昇圧された圧縮空気に、空気分離機18において分離された酸素が添加された空気が使用される。コンバスタ3cでは、微粉炭およびチャーが燃焼用空気によって部分燃焼させられ、残部は揮発分(CO,H2,低級炭化水素)へと熱分解させられる。
リダクタ3dでは、リダクタバーナから供給された微粉炭およびコンバスタ3c内で揮発分を放出したチャーが、コンバスタ3cから上昇してきた高温ガスによりガス化され、COやH2等の可燃性ガスが生成される。
リダクタ3dを通過したガスは、ガス化炉3の熱交換部3bを通過しつつ各熱交換器にその顕熱を与え、蒸気を発生させる。熱交換部3bで発生させた蒸気は、HRSGに導入され、主として、蒸気タービン11の駆動のために用いられる。
熱交換部3bを通過したガスは、チャー回収装置4へと導かれ、チャーが回収される。
回収されたチャーは、ガス化炉3へと返送される。
チャー回収装置4を通過したガスは、ガス精製設備5にて精製され、ガスタービン設備のGT燃焼器8へと導かれ、GT空気圧縮機10から供給される圧縮空気とともに燃焼させられる。この燃焼ガスによってガスタービン9が回転させられ、回転軸が駆動させられる。
ガスタービン9を通過した燃焼排ガスは、排熱回収ボイラ13へと導かれ、この燃焼排ガスの顕熱を利用することによって蒸気が発生させられる。排熱回収ボイラ13において発生した蒸気は、主として、蒸気タービン11の駆動のために用いられる。
蒸気タービン11は、ガス化炉3からの蒸気および排熱回収ボイラ13からの蒸気によって回転させられ、ガスタービン設備と同一の回転軸を駆動させる。回転軸の回転力は、発電機12によって電気出力へと変換される。
次に、本実施形態に係るIGCC1の制御装置100の制御について、図1及び図2を用いて説明をする。
発電機12の要求指令MWDを取得すると、要求指令MWDに応じて決定されるガス化炉の要求負荷GID0と、要求指令MWDに基づいて決定されるシステムガスの目標圧力及びシステムガス計測圧力との圧力差と、ガス化炉3の運転状態を促進させるガス化炉入力加速度(GIR)信号とに基づいて、ガス化炉入力指令GIDが算出される。
システムガスの目標圧力と計測圧力との圧力差から、不感帯と所定上限値を勘案して酸化剤流量バイアス値を求めるための圧力差が決定され、決定されたシステムガスの圧力差を抑制するような酸化剤流量バイアス値が生成される。酸化剤流量バイアス値は、上限値を超えない値であり、かつ、下限値を下回らない値となるように調整される。
ガス化炉入力指令GIDに基づいて仮の酸化剤流量が算出されるとともに、仮の酸化剤流量指令に酸化剤流量バイアス値が加算され、最終的な酸化剤流量指令が決定される。また、酸化剤流量バイアス値が加算され酸化剤流量が調整された場合に、ガス化炉3の出口発熱量が変化することが推定される。これに対し、ガス化炉3の出口発熱量が変化しないための燃料流量バイアス値を算出し、仮の燃料流量に加算して、最終的な燃料流量指令が決定される。これにより、発熱量の変化を確実に抑制できる。
また、燃料は流量を調整してからシステムガス圧力に変化が生じるまでに時間が掛かる(燃料を燃焼させてガス化して、カロリが変動して、システムガス圧力が変化する)ので、システムガス圧力の変化に感度がある酸化剤流量を燃料流量よりも先に調整する(燃料流量は酸化剤流量見合いで調整する)ことが好ましい。これにより速やかにシステムガス圧力の偏差を抑制できる。
以上説明してきたように、本実施形態に係るIGCC1及びその制御装置100並びに制御方法によれば、発電機12の要求指令MWDに基づいて決定されるシステムガスの目標圧力と計測圧力との圧力差と、発電機12の要求指令MWDに応じて決定されるガス化炉入力指令GID0とに基づいて、ガス化炉3に投入する仮の酸化剤の流量と仮の燃料の流量を決定する。これとともに、システムガスの目標圧力と計測圧力との圧力差に基づく酸化剤のバイアス量を決定し、決定された酸化剤のバイアス量と仮の酸化剤の流量とに基づいて、ガス化炉3に投入する酸化剤流量を決定する。また、システムガス圧力の変化に感度がある酸化剤の流量を、燃料流量よりも先に調整する(燃料流量は酸化剤流量見合いで調整する)ことにより、効果的にシステムガス圧力偏差を低減できる。
これにより従来のフィードバック制御によるシステムガス圧力制御では外乱を抑えられない、或いは、システムガス圧力の整定に時間が掛かっていたが、本実施形態によれば、調整量決定部70及び第2制御部80を設けることにより、酸化剤流量及び燃料流量にバイアス値を設けてフィードフォワード制御機能を持たせることによりシステムガス圧力の制御性が向上する。システムガス圧力の制御性が向上することにより、より安定したプラント運用が可能となる。
また、調整量決定部70に不感帯を設けることにより、圧力差が第1所定値以下の場合には酸化剤流量及び燃料流量にバイアス値を加算させないので、微小な圧力変動によってプラント動作に影響することはない。
〔第2の実施形態〕
以下、本発明の第2の実施形態について図1及び図3から図7を用いて説明する。本第2の実施形態に係る制御装置100aは、ガス化炉3の異常状態を検出して、検出された異常に応じて制御量を決定する点で第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
図3は、本実施形態に係るガス化複合発電設備の制御装置100aの機能的な構成を概略的に示すブロック図である。上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、制御装置100aは、第1の実施形態における構成に加え、ガス化炉制御異常時補償回路200を備えている。具体的には、ガス化炉制御異常時補償回路200は、検出部(検出手段)110と、第3制御部(第制御手段)120と、対応情報Xとを備えている。
対応情報Xは、ガス化炉3の異常状態(例えば、異常1,異常2・・・)と、ガス化炉3の異常状態によって将来発生すると推定されるガス化炉3の運転状態の変動分に相当する制御量(例えば、燃料流量や酸化剤流量)とが対応付けられており、例えば、データベース等に格納される情報である。
検出部110は、ガス化炉3の異常状態を検出する。具体的には、検出部110は、正常時出力SG1と取得した情報とを比較し、ガス化炉3の異常状態を検出すると、対応情報Xに基づいて検出された異常状態に応じたガス化炉3の運転状態の変動を抑制するのに必要な制御量を第3制御部120に出力する。ここで、ガス化炉3の異常状態とは、例えば、弁が閉となり、固着されている等である。
第3制御部120は、検出された異常状態に応じたガス化炉3の運転状態の変動を抑制するのに必要な制御量に基づいて、燃料の第2バイアス量及び酸化剤の第2バイアス量を決定し、第2制御部80に出力する。第3制御部120は、ガス化炉3の異常状態が解除されたことを検出した場合に、ガス化炉3の運転状態の変動分に相当する燃料の第2バイアス量及び酸化剤の第2バイアス量を徐々に低減させる。第3制御部120は、例えば、TRF(トランスバーサルフィルタ)回路とする。
図4は、ガス化炉制御異常時補償回路200の制御の一例を説明するための図である。
ガス化炉3の異常状態が検出された(異常ON)場合には、異常を速やかに抑制させるようにステップ的に制御量を与え、ガス化炉3の異常状態が不検出となり正常状態に戻った(異常OFF)場合には、所定割合の制御量で低減させる。これは、異常OFFとなった場合に制御量を即座に大幅に落としてしまうと外乱になることが懸念されるので、所定割合を持たせることによって、フィードバック制御(システムガス圧力制御器の制御系)の回路の信号が制御できるようにしている。
なお、本実施形態においては、異常状態が検出(異常ON)された場合にステップ状に制御量を与えることとして説明していたが、これに限定されず、異常OFFの場合と同様に所定割合の制御量で増加させてもよい。
このように、本実施形態によれば、検出されたガス化炉3の異常状態から将来発生すると推定されるガス化炉3の運転状態の変動分相当の燃料の第2バイアス量及び酸化剤の第2バイアス量を先行的に(フィードフォワード)制御することによって、より安定したプラント運用が可能となる。
以下に、従来技術によってシステムガス圧力を制御する場合と、第1の実施形態及び第2の実施形態による制御を行った場合のシステムガス圧力変化について、図5から図7を用いて説明する。
図5は、従来技術によって得られる、負荷が変化した場合のシステムガス圧力制御器の出力とシステムガス圧力偏差の履歴を示している。要求指令MWDが増加傾向である場合(図5(a))には、ガスタービンが許容される変化レート以内において発電機の要求指令MWDに対して追従が速く(図5(c))、蒸気タービンはガスタービンの排ガスを熱交換して動作するため遅れが生じる(図5(d))。このように要求指令MWDのデマンド通り出力を持たせようとするとガスタービンは一時期先行的に動作するが、蒸気タービンは遅れて出力が上がる分、後からガスタービンの出力が下がっている。
ガスタービンの飲み込み燃料流量(GT飲込燃料流量)は、ガスタービンの出力と同様に上がる(図5(e))。このとき、ガス化炉入力指令GIDは、トータルとしてシステムガス圧力を保持することを目的とした場合には、発電機出力が増える=ガスタービンの飲み込み流量が増えることになるので、ガス化炉入力指令GIDも増加する(図5(f))。ベース信号であるガス化炉入力指令GID0は、負荷と入力が1対1となるように設計されているので、ガス化炉入力指令GIDと同様の動きとなる(図5(g))。
ガスのボリュームが多いと、これを補うためのガス化炉入力加速度GIR信号が入れられる(図5(h))。ガスタービンが先行的に、バランス点以上の量のガスを飲み込むので、当初システムガス圧力は下がる(図5(i))。これに応じて、システムガス圧力制御器はシステムガス圧力を上げるために出力を上げる信号が出力される(図5(j))。
負荷変化が終わった時点でGT飲み込みガス流量はバランス点に向かい(遅れる蒸気タービンの動きを保証する動作)、結果、圧力偏差はフィードバック制御により設定値に向け、なくなる方向に制御され整定する。
図6には、従来技術により得られる、負荷が一定の場合のシステムガス圧力制御器の出力とシステムガス圧力偏差との関係の一例を示している。
負荷が一定の時(図6(a))に、チャー(灰分及びガス化していない部分の微粉炭)はガス化炉3の中に循環していなければならないにも関わらず入らない状況等があると、ガス化炉にて生成されたシステムガスのカロリが下がる。これにより、ガスタービンは、同じ出力を維持するためにGT飲み込み燃料流量を増やす(図6(e))。
ガスタービンは、ガス飲込燃料流量を増やすとガスを多く引き抜くが、ガス化炉3の入力は変化しないのでシステムガス圧力が低減する(図6(i))。
このとき、負荷は変化していないので、ベース信号のガス化炉入力指令GID0と入力ガス化炉加速度GIRは変化しない(図6(g)及び図6(h))。システムガス圧力が下がると、システムガス圧力制御器は、システムガス圧力低減を抑えるよう、システムガス圧力を上げるために出力を上げる信号を出力する(図6(j))。このように、従来技術では、システムガス圧力偏差が大きくなった場合に、システムガス圧力制御器のフィードバック制御量が大きくなる。
図7には、負荷が一定の場合に、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る制御装置によって得られる、システムガス圧力に対する制御器72の出力(図3のY点にて計測)と、システムガス圧力制御器63によるシステムガス圧力偏差の結果の一例を示している。
システムガスの圧力偏差が生じた場合に、所定のタイミング(例えば、時刻t1)で、システムガスの圧力偏差に応じた酸化剤流量バイアス値が酸化剤流量に加えられ、燃料流量バイアス値が燃料流量に加えられるフィードフォワード制御がなされることにより(図7(k))、ガス化炉入力指令GID(最終的な酸化剤流量及び燃料流量を含む)は大きな値となる(図7(f))。
これにより、先行的にシステムガス圧力が制御されるので、その後のシステムガス圧力偏差の拡大が、従来技術(図6(i))よりも抑えられる(図7(i))。また、システムガス圧力をフィードフォワード制御しているので、システムガス圧力制御器出力も、従来技術(図6(j))より抑えられる。
システムガス圧力がある範囲内となると、所定割合の制御量を与えて緩やかに制御量を低減させることによって、システムガス圧力制御器の出力が本発明の制御器出力の下がり分(図7(k))を補償し、システムガス圧を抑えながら整定する(図7(j))。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
1 石炭ガス化複合発電設備
2 石炭供給設備
3 ガス化炉
4 チャー回収装置
5 ガス精製設備
60 第1制御部
70 調整量決定部(第2制御手段)
80 第2制御部(第3制御手段)
100,100a 制御装置
110 検出部
120 第3制御部(第4制御手段)

Claims (6)

  1. 燃料と酸化剤とを反応させて可燃性ガスを生成するガス化炉と、前記可燃性ガスを燃焼させて発生した燃焼ガスを用いて駆動するガスタービンの出力により発電する発電機と、
    前記可燃性ガスが流通する経路上に接続され、前記可燃性ガスの圧力を計測する圧力計測手段とを備えるガス化複合発電設備の制御装置であって、
    発電機出力の要求指令に基づいて決定される前記可燃性ガスの目標圧力と前記圧力計測手段によって計測された計測圧力との圧力差を出力する圧力差出力部と
    前記圧力差出力部の出力である前記圧力差と、前記発電機出力の要求指令に応じて決定される前記ガス化炉の要求負荷に基づいて、前記ガス化炉に投入する仮の前記燃料及び仮の前記酸化剤の流量を決定する第1制御手段と、
    前記圧力差出力部の出力である前記圧力差を抑えるように、前記圧力差に基づき酸化剤のバイアス量を決定する第2制御手段と、
    前記ガス化炉の出口熱量が変化しないように前記酸化剤のバイアス量にて燃料のバイアス量を決定し、仮の前記酸化剤の流量と前記酸化剤のバイアス量とに基づいて前記ガス化炉に投入する酸化剤流量を決定し、仮の前記燃料の流量と前記燃料のバイアス量とに基づいて前記ガス化炉に投入する燃料流量を決定する第制御手段とを具備するガス化複合発電設備の制御装置。
  2. 前記圧力差出力部の出力である前記圧力差を入力とし、前記圧力差の不感帯を設定する不感帯設定部を備え、
    前記不感帯設定部は、前記圧力差が第1所定値以下である場合前記圧力差をゼロとし、前記圧力差が第1所定値よりも大きい第2所定値以上である場合は前記圧力差を第2所定値とする請求項1に記載のガス化複合発電設備の制御装置。
  3. 前記ガス化炉の異常状態を検出する検出手段と、
    前記ガス化炉の異常状態に対して、推定される前記ガス化炉の運転状態の変動分に相当する燃の第2バイアス量び酸化剤の第2バイアス量を決定し、前記第2制御手段に出力する第制御手段とを具備する請求項1または請求項に記載のガス化複合発電設備の制御装置。
  4. 前記第制御手段は、前記ガス化炉の異常状態が解除されたことを検出した場合に、前記ガス化炉の運転状態の変動分に相当する前記燃料の第2バイアス量及び前記酸化剤の第2バイアス量を徐々に低減させる請求項に記載のガス化複合発電設備の制御装置。
  5. 請求項1から請求項のいずれかに記載のガス化複合発電設備の制御装置と、
    燃料と酸化剤とを反応させて可燃性ガスを生成するガス化炉と、
    前記可燃性ガスを燃焼させて発生した燃焼ガスを用いて駆動するガスタービンの出力により発電する発電機と、
    前記可燃性ガスが流通する経路上に接続され、前記可燃性ガスの圧力を計測する圧力計測手段とを備えるガス化複合発電設備。
  6. 燃料と酸化剤とを反応させて可燃性ガスを生成するガス化炉と、前記可燃性ガスを燃焼させて発生した燃焼ガスを用いて駆動するガスタービンの出力により発電する発電機と、前記可燃性ガスが流通する経路上に接続され、前記可燃性ガスの圧力を計測する圧力計測手段とを備えるガス化複合発電設備の制御方法であって、
    発電機出力の要求指令に基づいて決定される前記可燃性ガスの目標圧力と前記圧力計測手段によって計測された計測圧力との圧力差を出力する圧力差出力過程と
    前記圧力差出力過程の出力である前記圧力差と、前記発電機出力の要求指令に応じて決定される前記ガス化炉の要求負荷に基づいて、前記ガス化炉に投入する仮の前記燃料及び仮の前記酸化剤の流量を決定する第1過程と、
    前記圧力差出力過程の出力である前記圧力差を抑えるように、前記圧力差に基づき前記酸化剤のバイアス量を決定する第2過程と、
    前記ガス化炉の出口熱量が変化しないように前記酸化剤のバイアス量にて燃料のバイアス量を決定し、仮の前記酸化剤の流量と前記酸化剤のバイアス量とに基づいて前記ガス化炉に投入する酸化剤流量を決定し、仮の前記燃料の流量と前記燃料のバイアス量とに基づいて前記ガス化炉に投入する燃料流量を決定する第3過程と、
    を有するガス化複合発電設備の制御方法。
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