JP5359384B2 - 循環流動層ボイラの運転制御方法および運転制御装置 - Google Patents

循環流動層ボイラの運転制御方法および運転制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、循環流動層ボイラの運転制御方法および運転制御装置に関するものである。
循環流動層炉は、石炭やオイルコークスなどの燃料、都市ごみや廃プラスチックや汚泥や製紙スラッジなどの廃棄物、RDF(燃料固形化ごみ)などの可燃物を単独或いは複数を混合投入して燃焼し、燃焼熱回収によるボイラの蒸気利用やボイラ−タービン系による発電、或いは揮発可燃ガスの回収などの、エネルギー利用を行うのに広く用いられている。
図1は、例えば特許文献1にその例示があるように、主に燃焼のための代表的な循環流動層炉(循環流動層式燃焼炉)を示す概略構成図である。
図1に示す循環流動層炉は、処理対象物を燃焼或いはガス化させるライザ1と、流動媒体を捕集してライザ1へと戻すダウンカマー2とで主に構成されている。ライザ1は炉本体3からなり、炉本体3内の下部には炉内に1次空気を吹き込む散気管4と流量を制御するダンパ(弁)や送風ファンが設けられている。また、炉本体3の側壁には、炉内に2次空気を吹き込むための2次空気吹き込み口5と、流量を制御する弁や送風ファンが設けられている。更に炉内に処理対象物を投入するための投入口6とが下方から順次設けられている。処理対象物を搬送・検量して制御する装置も設けられている。
ライザ1では、1次空気吹き込み口4及び2次空気吹き込み口5から炉内に空気を吹き込んで、投入口6から炉内に投入した処理対象物を、炉底部に充填された砂などの流動媒体とともに流動化させる。その過程で、処理対象物は、乾燥されて揮発分を放出し、燃焼する。
なお、含水率が高い処理対象物を専焼する場合や混焼割合が高く処理対象物の自燃が困難である場合は、炉本体3の側壁に補助燃料供給口を設け、この補助燃料供給口からオイルガンやガスガンなどにより炉内に補助燃料を供給する方法も用いられている。
ダウンカマー2は、流動媒体などを捕集する捕集部7と、捕集した流動媒体などをライザ1に戻す戻し管8とを備えている。ダウンカマー2には、多くの場合、ライザ1からのガスが捕集部7内を上昇するのを防止するシール部が設けられている。ダウンカマー2には、処理対象物の燃焼などにより生じた排ガスや未燃分並びに流動媒体などが、ライザ1の上部から接続配管9を介して供給される。
捕集部7では、それらを排ガスと流動媒体や比較的粒径の大きな灰などとに分離する。捕集部7で分離した排ガスは、比較的粒径の小さな灰などを同伴して排ガス処理設備へと送られ、除塵後に煙突から外部へと放出される。また、捕集部7で回収した流動媒体や比較的粒径の大きな灰などは、流動媒体として、シール部及び戻し管8を介してライザ1の下部へと戻して未燃分の再燃焼などを行う。
上述の炉本体3の炉床部に充填された流動媒体は、その下方から吹き込まれる1次空気により流動状態となり、流動媒体による濃厚層を形成し、その保有する高い熱容量および撹拌効果により処理対象物の乾燥及び揮発分の放出を促進させる。また、前記炉本体3の上方には、1次空気の吹き込み及び2次空気の吹き込みにより吹き上げられ、流動する流動媒体による希薄層が形成され、その流動する媒体の保有する熱容量および撹拌効果により処理対象物の燃焼或いはガス化を行っている。
そして、循環流動層式燃焼炉では多くの場合、ボイラ機能を有しており、循環流動層ボイラと呼ばれて、図1に示すように、炉内燃焼によって発生した熱量を炉体3〜対流伝熱部20にかけて設置されている水管(図示せず)により回収し、蒸気ドラム11で発生した飽和蒸気から過熱蒸気を作成している。
特開2003−240209号公報
上記のように、処理対象物を発生ガス分も含めて完全に燃焼させて熱エネルギーを発生させ、その熱を利用して発生する蒸気を用いるボイラを有している循環流動層ボイラの場合、エネルギーロス低減、また発電設備を有する場合にはタービントリップを防止するために、炉燃焼により発生する熱量を常にボイラ負荷の設定値に追従させて安定化させる必要がある。ボイラ負荷を表す代表的な指標としては、ボイラ発生蒸気流量が挙げられる。このボイラ発生蒸気流量が不安定になる要因としては、燃料の成分変動によるカロリー低下、熱・発電負荷設定の変更、燃料配合がある。
すなわち、近年の循環流動層炉で使用する燃料は、前述したように石炭やオイルコークスなどの燃料、都市ごみや廃プラスチックや汚泥や製紙スラッジなどの廃棄物、RDF(燃料固形化ごみ)などがあり、燃焼を安定させるために可能な限りそれらの成分(主に水分)や形状を燃焼・循環流動特性を均一に近づけるのが理想的であるが、加工・熱処理などのコストが多大にかかるため現実的には難しい場合が多い。このため、通常は投入される複数の燃料は、複数の燃料間および単体の燃料間で成分・形状は分布を持っている。そのため、投入される燃料の乾燥・燃焼速度が異なり、炉内投入後の熱量発生時間および絶対発生熱量が変動する。また、複数燃料を使用する場合は、複数燃料の配合バランスによって全体としての熱量発生時間も異なる。
加えて、ボイラ発生蒸気流量が不安定になる要因として、ボイラ発生蒸気を工場などに供給している場合、工場の稼動状況による必要とするボイラ発生蒸気流量の変動が挙げられる。
ボイラ発生蒸気流量などの発生熱量指標を設定目標に追従させるため、通常、フィードバック制御を行っているが、前述の通り、燃料単体の成分変動や複数燃料の配合バランスより応答速度が異なるため、従来の燃料投入量制御における通常のPID制御だけでは応答の仕方にバラつきが発生する。例えば、適正値と比べゲインが小さめの状態になった場合、設定したボイラ蒸気流量目標に近づくまで時間がかかり、その間に目標偏差が積分されて、その結果、長い周期で振幅的になるケースがある。一方、目標到達時間を早くするために制御ゲインを上げると、熱量発生時間がかかる燃料の場合、振幅が継続してハンチング状態になるケースが発生し、十分に性能を満足するものではなかった。
更に、PID制御では目標値との偏差情報のみで制御しているため、物理的な意味で負荷設定に応じたの適正燃料投入量になるまでに時間がかかるため、複数燃料の投入比率変更時やボイラ負荷設定変更時などの設定変更時にボイラ出口蒸気流量が設定値に収束するまで時間がかかるケースがあった。例えば、工場などに発生蒸気を供給している場合、工場の稼動状況により、随時、必要な蒸気が大きく変動するため、短時間で本来適正な燃料投入量にすることができずに、安定しない場合が見られる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、循環流動層ボイラにおける熱負荷制御の目標値追従性の向上、安定化を実現するための運転制御方法および運転制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有している。
[1]複数の燃料を使用する循環流動層ボイラにおいて、ボイラ熱負荷を設定目標に追従させるための複数燃料の投入量を決定する際に、ボイラ負荷設定値から投入熱量の基準値を演算・決定し、その投入熱量基準値に対して、最大で投入燃料のカロリー分布範囲内でボイラ熱負荷目標偏差に応じた熱量の補正を行い、その補正熱量を複数燃料の各使用カロリー比率、複数燃料の各投入燃料のカロリー平均値から実際の複数燃料の投入量に換算して制御指令値とすることを特徴とする循環流動層ボイラの運転制御方法。
[2]過去の発生熱量実績と目標の偏差で基準値を補正することを特徴とする前記[1]に記載の循環流動層ボイラの運転制御方法。
[3]複数の燃料を使用する循環流動層ボイラにおいて、ボイラ熱負荷を設定目標に追従させるための複数燃料の投入量を決定する際に、ボイラ負荷設定値から投入熱量の基準値を演算・決定し、その投入熱量基準値に対して、最大で投入燃料のカロリー分布範囲内でボイラ熱負荷目標偏差に応じた熱量の補正を行い、その補正熱量を複数燃料の各使用カロリー比率、複数燃料の各投入燃料のカロリー平均値から実際の複数燃料の投入量に換算して制御指令値とすることを特徴とする循環流動層ボイラの運転制御装置。
[4]過去の発生熱量実績と目標の偏差で基準値を補正することを特徴とする前記[3]に記載の循環流動層ボイラの運転制御装置。
本発明においては、まず、現在のボイラ蒸気流量設定から、その設定値を必要熱量に換算して熱量基準値とする。そして、その基準値だけでは、過渡的・定常的な熱量目標との偏差は解消できない場合があるため、ボイラ出口蒸気流量の現在値と目標値の大きさに応じて補正を行う。過度な投入量増減を防止するため、補正を行う大きさに制限を設けるが、これは複数燃料の分布範囲内で設けるものとする。
このように現在のボイラ負荷から熱量基準値を計算し、その基準値から大きく外れないような熱量補正を計算し、実際の燃料投入量を決定することで、燃料使用状況により変動する無駄時間などが原因で発生する制御による過度な投入熱量の増減を防止することが可能となる。また蒸気量設定目標変更があった場合でも、常に目標に応じた適切な基準値を計算するために過渡的な状態でも大きな過不足のない制御指令値が計算可能となり、目標に対する追従性が向上する。
さらに、使用燃料のカロリーがオフラインで計測した平均値からの偏差が継続した場合、基準値を実績で修正することで、制限のある補正量が常に余裕がある状態を確保、つまり基準値周りで余裕のある補正量を確保可能となり、適正な制御が実現できる。
このようにして、本発明によれば、循環流動層炉ボイラにおいて、操業変更・変動時、特に熱負荷設定変更時、燃料配合バランス変更時、および急激な燃料性状変動時に、従来の制御に比べ安定的な熱負荷制御が可能となる運転制御方法および運転制御装置が提供される。
本発明の一実施形態における循環流動層炉ボイラの概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る運転制御装置の詳細構成図である。 本発明の一実施形態における補正投入量演算フロー図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態における循環流動層炉(循環流動層ボイラ)を示す概略構成図である。なお、以下の説明においては、循環流動層炉として、例えば、投入燃料の一つである木質燃料・プラスチックの2種類の燃料を熱分解、燃焼させ、排熱ボイラにて熱回収するプロセスについて説明するが、一般の廃棄物やその他燃料に対しても同様に用いることができることはいうまでも無い。
初めに、本実施形態における対象プロセスを説明する。
図1に示す循環流動層炉は、処理対象物を燃焼或いはガス化させるライザ1と、流動媒体を捕集してライザ1へと戻すダウンカマー2とで主に構成されている。
ライザ1は炉本体3からなり、炉本体3内の下部には炉内に1次空気を吹き込む散気管4を制御する弁や送風ファンが設けられている。また、炉本体3の側壁には、炉内に2次空気を吹き込むための2次空気吹き込み口5と、流量を制御する弁や送風ファンが設けられている。更に炉内に処理対象物を投入するための投入口6とが下方から順次設けられている。そして、処理対象物を供給・搬送・検量して制御する供給・搬送・検量装置10が設けられている。また、炉下流部には対流伝熱部20が設けられており、蒸気ドラム11で発生した飽和蒸気から過熱蒸気を作成している。ライザ1では、1次空気吹き込み口4及び2次空気吹き込み口5から炉内に空気を吹き込んで、投入口6から炉内に投入した燃料を、炉底部に充填された砂などの流動媒体とともに流動化させる。その過程で、投入された燃料は、乾燥され、揮発分を放出、燃焼する。
ダウンカマー2は、流動媒体などを捕集する捕集部7と、捕集した流動媒体などをライザ1に戻す戻し管8とを備えている。ダウンカマー2には、多くの場合、ライザ1からのガスが捕集部7内を上昇するのを防止するシール部が設けられている。ダウンカマー2には、処理対象物の燃焼などにより生じた排ガスや未燃分並びに流動媒体などが、ライザ1の上部から接続配管3を介して供給される。捕集部7では、それらを排ガスと流動媒体や比較的粒径の大きな灰などとに分離する。
捕集部7で分離した排ガスは、比較的粒径の小さな灰などを同伴して排ガス処理設備21へと送られ、除塵後に煙突22から外部へと放出される。また、捕集部7で回収した流動媒体や比較的粒径の大きな灰などは、流動媒体として、シール部及び戻し管8を介してライザ1の下部へと戻して未燃分の再燃焼などを行う。
上述の炉本体3の炉床部に充填された流動媒体は、その下方から吹き込まれる1次空気により流動状態となり、流動媒体による濃厚層を形成し、その保有する高い熱容量および撹拌効果により処理対象物の乾燥及び揮発分の放出を促進させる。また、前記炉本体3の上方には、1次空気の吹き込み及び2次空気の吹き込みにより吹き上げられ、流動する流動媒体による希薄層が形成され、その流動する媒体の保有する熱容量および撹拌効果により処理対象物の燃焼を効率的に行う。
なお、図1において、燃料供給機18系統は木質燃料、およびプラスチックの2系統であるが、燃料供給機18系統は燃料数など必要に応じて増減してもかまわない。
次に、本実施形態に係る運転制御装置12の具体的な構成を示す図2について説明する。
運転制御装置12は、制御演算装置14を中心に構成される。制御演算装置14は、ローカル(現場)に設置されているローカル機器(供給・搬送・検量装置10、ボイラ出口蒸気流量計13等)から燃料検量値やボイラ発生蒸気流量値などの現場指示値、またDCSなどのMMI(マンマシンインターフェース)15からのボイラ発生蒸気流量設定値や負荷設定変更値、更にデータベース16かオフラインで計測した燃料カロリー平均値、カロリー分布などを入力データとして受け取る。そして、制御演算装置14は、受け取った入力データから演算を行って、指令値を決定し燃料供給機18に出力する。また、ローカル機器からの信号データや指令値の演算結果はMMI15に出力され表示される。MMI15では、制御に必要なパラメータの調整も可能である。
本実施形態に沿って更に具体的に説明すると、MMI15で人間が設定した木質燃料・プラスチック燃料の投入比率でボイラ出口流量を設定値に追従させるため、供給・搬送・検量装置10からの木質燃料重量およびプラスチック重量の検量データと、ボイラ出口蒸気流量計13からのボイラ出口蒸気流量の測定データ、およびデータベース16のデータを受け取り、制御演算装置14内で演算を行い、具体的な制御指令値を燃料投入系の各コンベア19に出力する。
本実施形態では負荷指標としてボイラ出口蒸気流量を使用しているが、燃料燃焼結果による熱負荷を表す計測値であれば、何を使用してもかまわない。燃焼・流動のために炉内に送られる1次空気流量や2次空気流量は、燃料投入量、各部炉内温度、炉出口ガスO濃度の現場指示値やセンサ値に応じて、運転制御装置12にて制御されるが、本発明から外れるため詳細な制御動作の説明は割愛する。
次に、本実施形態における具体的な燃料投入指令値演算について説明する。
本実施形態では木質燃料とプラスチック燃料を燃料として使用しているが、プラスチック燃料は木質燃料に比べ、熱量発生時間が早く、かつ発生熱量も高い。実際の操業では、炉内にこれらの燃料を単体もしくは混合して投入しているので、混合比率や単体燃料の成分変動により燃焼過程における熱発生の定常特性および過渡特性は複雑に変化する。基準値を設けることで、無駄時間が大きく変動する場合でも、通常のPID制御と異なり、過度に燃料投入量が増減することを防止することが可能となる。
以下、具体的な演算方法(STEP1〜6)を説明する。なお、演算のフローを図3に示す。
[STEP1]
現在の蒸気流量設定STM_SETから、必要カロリーの基準値N_CALを式1で算出する。
N_CAL=Cm×STM_SET ・・・式1
N_CAL:必要カロリー基準値[kJ/hour]
STM_SET:現在のボイラ蒸気流量設定[ton/hour]
Cm:カロリー換算係数[kJ/ton]
[STEP2]
過去のボイラ出口蒸発量実績STM_PV(i)とボイラ出口蒸発量目標STM_SET(i)の偏差から、必要カロリー基準値N_CALの修正係数Kcを算出する。修正係数Kcを算出するための偏差をとる時間は燃料の特性などを考慮し決定する。通常の場合、10〜30分を平均時間とする。
Kc=Σ[[STM_SET(i) − STM_PV(i)]/ STM_SET(i)]+1 ・・・式2
i=1~N :Nは現時点から偏差を取る時間により決定する。
[STEP3]
STEP1で求めた必要カロリー基準値N_CALと、STEP2で求めた修正係数Kcを用いて、式3で熱量修正値(熱量補正後の必要カロリー)Nc_CALを算出する
Nc_CAL= Kc×N_CAL ・・・式3
Nc_CAL:熱量補正後の必要カロリー[kJ/hour]
[STEP4]
ボイラ蒸気流量の目標偏差状態により熱量補正量の上下限の制限を求める。本実施形態では、各投入燃料のカロリー分布範囲内での補正の上下限を定めるため、各投入燃料のカロリー分布の標準偏差に係数を掛けたものを用いることとする。木質燃料の標準偏差をσw、プラスチック燃焼の標準偏差σpとして、各標準偏差σw、σpの6倍内を補正量の上下限とする。各標準偏差σw、σpを6倍した値は、各投入燃料のカロリーの最大分布以内に含まれるものとする。ただし、最大分布とすると異常値も含まれる場合があるため、分布の95%以内程度が実際には良い。
実際の熱量補正範囲の最大補正範囲(カロリー補正分上下限絶対値CP_Nc_CAL)の演算は以下の式4で規定する。
CP_Nc_CAL=Ww×σw×6+Pw×σw×6 ・・・式4
CP_Nc_CAL:カロリー補正分上下限絶対値[kJ/hour]
Ww:現在の木質燃料重量設定[kg/hour]
σw:木質燃料カロリー標準偏差[kJ/kg]
Pw:現在のプラスチック燃料重量設定[kg/hour]
σp:プラスチック燃料カロリー標準偏差[kJ/kg]
[STEP5]
次に、ボイラ蒸発量設定STM_SETとボイラ蒸発量現在値STM_PVから、補正熱量CPRを式5のように計算する。本実施形態では、比例ゲインPgによる補正のみの例であるが、基準値からの制御量偏差に制限があれば、他のPID制御などの制御手法を用いてもよい。そして、STEP4で求めた制約内になるように、補正熱量(制約後)CPR_RSを式6のように求める。下記式において、ボイラ蒸発量現在値STM_PVは、過去の蒸発量に平滑化係数を掛けて求めた蒸発量に置き換えてもよい。
CPR = Pg(STM_SET − STM_PV) ・・・式5
If CPR <Cp_Nc_CAL then CPR_RS =CPR ・・・式6
Else CPR_RS = Cp_Nc_CAL ・・・式6
CPR:カロリー補正量(制約前)[kJ/hour]
Pg:比例ゲイン[-]
STM_SET:ボイラ蒸発量目標値[ton/hour]
STM_PV:ボイラ蒸発量現在値[ton/hour]
CPR_RS:カロリー補正量(制約後)[kJ/hour]
[STEP6]
STEP3で求めた熱量修正値Nc_CALと、STEP5で求めた補正熱量(制約後)CPR_RSとから実際の投入カロリー値IN_CALを式7で計算し、その投入カロリー値IN_CALを式8で各燃料の投入量指令値(プラスチック燃料投入重量指令値P_WG、木質燃料投入重量指令値W_WG)に変換する。変換の際には、オペレータにより設定された現在の燃焼配合カロリー比率(プラスチック燃料設定投入カロリー比率Pps、木質燃料設定投入カロリー比率Wps)、およびオフラインで計測された各燃料のカロリー平均値(プラスチック燃料カロリー平均値Pcal、木質燃料カロリー平均値Wcal)を用いる。
IN_CAL= Nc_CAL + CPR_RS ・・・式7
P_WG= IN_CAL×(Pps/100)/Pcal ・・・式8
W_WG= IN_CAL×(Wps/100)/Wcal ・・・式8
IN_CAL:投入カロリー値[kJ/hour]
P_WG:プラスチック燃料投入重量指令値[kg/hour]
Pps:プラスチック燃料設定投入カロリー比率[%]
Pcal:プラスチック燃料カロリー平均値[kJ/kg]
W_WG:木質燃料投入重量指令値[kg/hour]
Wps:木質燃料設定投入カロリー比率[%]
Wcal:木質燃料カロリー平均値[kJ/kg]
上記のようにして、本実施形態では、循環流動層炉ボイラにおいて、操業変更・変動時、特に熱負荷設定変更時、燃料配合バランス変更時、および急激な燃料性状変動時に、従来の制御に比べ安定的な熱負荷制御が可能となる。
1 ライザ
2 ダウンカマー
3 炉本体
4 1次空気吹き込み口
5 2次空気吹き込み口
6 燃料供給口
7 捕集部
8 戻し管
9 接続配管
10 燃焼供給・搬送・検量装置
11 蒸気ドラム
12 運転制御装置
13 ボイラ出口蒸気流量計
14 制御演算装置
15 MMI(マンマシンインターフェース)
16 データベース
18 燃料供給機
19 供給コンベア
20 対流伝熱部
21 排ガス処理設備
22 煙突

Claims (4)

  1. 複数の燃料を使用する循環流動層ボイラにおいて、ボイラ熱負荷を設定目標に追従させるための複数燃料の投入量を決定する際に、ボイラ負荷設定値から投入熱量の基準値を演算・決定し、その投入熱量基準値に対して、最大で、予め求めておいた、投入燃料のカロリー分布範囲内でボイラ熱負荷目標偏差に応じた熱量の補正を行い、その補正熱量を複数燃料の各使用カロリー比率、複数燃料の各投入燃料のカロリー平均値から実際の複数燃料の投入量に換算して制御指令値とすることを特徴とする循環流動層ボイラの運転制御方法。
  2. 前記ボイラ熱負荷目標偏差に応じた熱量の補正に加えて、過去の発生熱量実績と目標の偏差で基準値を補正することを特徴とする請求項1に記載の循環流動層ボイラの運転制御方法。
  3. 複数の燃料を使用する循環流動層ボイラにおいて、ボイラ熱負荷を設定目標に追従させるための複数燃料の投入量を決定する際に、ボイラ負荷設定値から投入熱量の基準値を演算・決定し、その投入熱量基準値に対して、最大で、予め求めておいた、投入燃料のカロリー分布範囲内でボイラ熱負荷目標偏差に応じた熱量の補正を行い、その補正熱量を複数燃料の各使用カロリー比率、複数燃料の各投入燃料のカロリー平均値から実際の複数燃料の投入量に換算して制御指令値とすることを特徴とする循環流動層ボイラの運転制御装置。
  4. 前記ボイラ熱負荷目標偏差に応じた熱量の補正に加えて、過去の発生熱量実績と目標の偏差で基準値を補正することを特徴とする請求項3に記載の循環流動層ボイラの運転制御装置。
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