JPH1122904A - 火力発電用流動床ボイラ制御方法および装置 - Google Patents

火力発電用流動床ボイラ制御方法および装置

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JPH1122904A
JPH1122904A JP19655597A JP19655597A JPH1122904A JP H1122904 A JPH1122904 A JP H1122904A JP 19655597 A JP19655597 A JP 19655597A JP 19655597 A JP19655597 A JP 19655597A JP H1122904 A JPH1122904 A JP H1122904A
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fluidized
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heat
boiler
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JP19655597A
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Yoshimasa Tsunoda
善正 角田
Toshimasa Kamishiro
俊昌 神代
Koji Sasazu
浩司 笹津
Toshiro Ito
俊郎 伊藤
Toru Kasai
透 笠井
Muneyasu Kitamura
宗靖 北村
Katsumi Fujita
克己 藤田
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GIJUTSU SOKEN KK
KAIHATSU DENKI KK
Electric Power Development Co Ltd
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
GIJUTSU SOKEN KK
KAIHATSU DENKI KK
Electric Power Development Co Ltd
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セル分割方式を採用した火力発電用流動床ボ
イラにおける、大幅な負荷変化要求に対して蒸発量変動
を最小限に抑制するようなセル操作タイミングを決定す
る。また、負荷変化時の要求蒸発量に対する過不足をで
きるだけ抑制し、蒸発量の偏差が小さくなるようにし
て、負荷変化時の蒸発量の変化を滑らかにする。 【解決手段】 負荷変化過程に対してセルの起動停止を
伴う火力発電用流動床ボイラにおいて、流動床ボイラが
有すべき熱量の変化指標である入熱指標SVとセル毎の
保有熱量Hに基づいて、セル数増減による入熱変化と入
熱指標との偏差Aがより小さくなるようにセル起動停止
タイミングを決めることを特徴とする。特に、熱量偏差
Aが起動停止しようとする単数または複数のセルの保有
熱量Hのほぼ半分になった時をもって、セル起動停止タ
イミングとすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動床燃焼を用い
た火力発電用ボイラであってセル分割方式を採用するも
のを対象として、セルの起動停止を伴うような負荷変化
に対して蒸発量変動を最小限に抑制することができるよ
うなセル操作タイミングを決定するための火力発電用流
動床ボイラ制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】流動床ボイラは、微粉炭化加工をしない
粗粉砕状態の石炭を利用することができ、負荷変化に対
する応答性も遜色なく、また流動媒体に石灰石を利用す
ると石炭燃焼により発生する硫化物の吸収をするため、
排煙の脱硫負荷が小さくなる。このため近年、流動床ボ
イラが火力発電用ボイラとして注目されるようになって
きた。火力発電に用いられる流動床ボイラは、石灰石等
の流動媒体を多孔板からなる分散板の上に載せて下から
適当な流速範囲の空気流を供給して流動媒体を安定した
沸騰状態にして流動床とし、この流動床を加熱して粗粉
砕した石炭を若干の石灰石と共に連続的に供給すること
により効率よく燃焼するようにしたボイラで、流動床中
に水や蒸気が通る熱交換器が挿入されている。給水ポン
プから送り込まれる給水は流動床ボイラの側壁と流動床
中に設けられた蒸発器により蒸気となり、流動床中に設
けられた過熱器により過熱蒸気となる。過熱蒸気はター
ビンに送られブレードを回転し回転軸につながった発電
機を駆動して発電する。
【0003】流動床ボイラは、流動状態では熱交換器へ
の伝熱効率がきわめて良好であるのに対して、流動状態
でなくなると殆ど熱の伝達がなくなる特徴を有する。火
力発電に用いる流動床ボイラは、流動床には仕切りはな
いが床の下から供給される流動化用空気の供給ノズルが
セルと呼ばれる群毎に複数に分割されており、セル毎に
起動停止を行うことにより、流動部分の面積を変化させ
ることができる。流動床のセルは、分割されたセル毎に
流動化用空気を供給するのに併せて燃料となる石炭を搬
送投入開始することにより起動し、空気の供給を止める
と同時に石炭の供給を止めることにより停止する。
【0004】火力発電用流動床ボイラにおける負荷変化
は、給炭量制御と併せてこのセル起動停止により稼働セ
ル面積を増減させる伝熱面積制御によって入熱量を変化
させて制御することができる。セルの起動停止による制
御は、負荷変化の進行に合わせて適切な時点で適切なセ
ル面積及びセル構成になるようにするものである。流動
床を区画するセルの数が多いほど伝熱面積調整が容易に
なるのは明らかであるが、セルを起動停止制御するため
には各セル毎に空気の供給や石灰石を混合した粒状石炭
の供給を行うための付属機器および制御機器を備えるこ
とが必要となるため、全体の建設費用や運転費用を勘案
してできるだけ少ないセル分割をするように設計され
る。
【0005】また、流動床ボイラの立ち上げは、起動用
のSセルに熱風を供給して該セル中に500℃程度の流
動層を形成した後石炭を供給して着火させ、次いで隣接
のAセルを流動化して等温化すると共に粒状石炭を供給
し、稼働する流動床面積を該隣接セルAまで拡大する。
なお、着火を素早く行うために起動セルSは適当に小さ
くしてあり、隣接するAセルは起動セルSとほぼ同じ程
度の大きさに選ばれている。次にAセルに隣接するBセ
ルを流動化し石炭供給して流動床面積を拡大する。この
ようにして次々に隣接セルを立ち上げていき、最大の負
荷時には例えばSセルからEセルまでのすべてのセルを
稼働させることになる。
【0006】なお、石炭は低温で燃焼させるとイオウ酸
化物が多量に発生し、高温で燃焼させると窒素酸化物が
多量に発生する。そこで、大気汚染を防止して環境を保
全するため燃焼温度には厳しい制限範囲が設けられてい
る。したがって、上記の隣接セルを起動する時にも既に
立ち上がっているセルの温度を過剰に上昇させたり起動
するセル等の層温度を余り低下させることはできない。
このように経済的および技術的な制約があるため、セル
の分割比率は起動用セルSを最小として起動用セルから
離れるに従って大きくなるように設計される。
【0007】これらの結果として、流動床ボイラの運転
可能範囲内における出力と層温度の関係は図8に示した
ような鋸型の特性を示す。図8は代表的な例について稼
働するセルの組み合わせをパラメータとして表したもの
である。図中最も右に描かれた曲線S−EはSセルから
Eセルまで全部のセルを稼働させるときのボイラ出力と
層温度の関係を示す。流動床内の層温度は極めて均一で
あるので稼働セル内は同じになる。
【0008】最低燃焼温度から石炭供給量を増加してい
くにつれて出力が上昇して蒸気発生量が増加する。最高
温度まで運転が可能であるが、定格値P100における
温度は運転余裕を見込んで最高温度より若干低く設定さ
れている。小さな出力偏差は、この特性曲線に沿って給
炭量による層温度制御を行うことで解消することができ
る。曲線S−Eの左に描いた曲線S−Dは上記のセル組
み合わせからEセルを停止してSセルからDセルを稼働
させるときの特性曲線で、例えば、この線上のP75で
定格に対して75%の負荷で運転する条件がある。さら
に左に描いた曲線S−CはSセルからCセルまでを稼働
させたときの特性曲線で、この曲線上に50%負荷率の
動作点P50と運用最低負荷である40%負荷率の動作
点P40が存在している。最も左に描いた曲線S−Bは
SセルとAセルとBセルを稼働させた場合であるが、最
低負荷出力が不足するので通常の運転は行われない。
【0009】なお、発電ユニットに対する発電量すなわ
ち負荷の要求は需要に従って変化するが、ユニットの構
造に対応して、例えば定格に対して100%、75%、
67%、50%、40%の負荷等、最大負荷と最小負荷
の間の予め決めた負荷率を有する定点における運転を目
標とするのが普通である。範囲内の任意の負荷で自由に
運転できるようにすると設備費用が大きくなり、また運
転の安定性が確保しにくくなるからである。発電ユニッ
トで用いる流動床ボイラについても、これら予め決めら
れた運転条件における安定運転を保証するような設計が
なされていて、それぞれの運転条件下で稼働すべきセル
とその時の層温度の組み合わせは、図8に示したように
予め決まっている。
【0010】ただし、この発電ユニットにおける急激な
出力変化を他の発電ユニットでカバーしながら電力実需
に対応する必要があるため、流動床ボイラの負荷変化は
適度に緩やかな曲線を描くようにしなければならない。
従ってボイラの負荷変化も、これら予め決められた運転
条件の間を所定の速度で円滑に移動することが要求され
る。そこで、例えば最大負荷100%の運転から最小負
荷の40%の運転条件に移動させるなど、稼働セルの組
み合わせが変わるような負荷変化指令があったときに、
どのようにセルを切り換えていけばよいのかが問題とな
る。
【0011】実際の流動床ボイラにおいては供給した粒
状石炭が熱量に変わるまでの時間が長いことなどから給
炭量変化から蒸気圧力までの伝達関数に含まれる伝達遅
れが大きく応答性が悪い一方、セルの発停による入熱量
変化は即応性がある代わりに大きな段差を有する階段状
に行われる。このように流動床ボイラは非線形要素を含
むため、従来のアナログ的な制御技術では十分な制御結
果を期待することはできない。ところが、通常型のボイ
ラにおける負荷変化過程中の圧力や変化速度の制御は主
として給炭量を調整することにより行ってきたため、流
動床ボイラの制御においても給炭量制御が主体でセルの
起動停止のタイミングについては従属的に扱われ、予定
の変化軌跡を挟む適当な範囲から大きくずれることがな
ければ良しとする技術的思想が主流であった。このよう
な従来の制御方法では、セルの起動停止タイミングが適
切でないために生じる入熱量のアンバランスは最終的に
給炭量制御により解消させるようにしていた。
【0012】しかし、例えば負荷変化速度を毎分2%と
する、あるいは100%負荷から40%負荷までの変化
時間を30分とする、など所定の負荷変化レートが要求
される中で、給炭量調整により負荷変化速度に追従しな
がら主蒸気圧力を制御することは難しいばかりか、負荷
変化後に大きな偏差が残るため整定までの制御性が著し
く阻害される結果となることがシミュレーションからも
裏付けられている。
【0013】従来技術では、流動床ボイラの負荷変化に
伴うセル起動停止タイミングは、あらかじめプログラム
された時間に基づいて決定されるか、発電ユニット制御
装置で算出される負荷または燃料の要求指令信号等を基
準として決定されていた。時間によるタイミング決定方
式は、負荷変化指令に基づいて最適な負荷増減勾配が算
定されると、これに合わせて変化開始時刻から計った適
当なタイミングで適当なセルを起動したり停止したりす
ることにより期待される負荷変化パターンにできるだけ
沿うようにするものである。
【0014】例えば、図8に例示した特性において10
0%負荷P100から40%負荷P40に変化させよう
とすると、図8に破線で示すように、出力低下指示に従
い特性曲線S−Eに沿って石炭供給量を減少させていき
予め決めた適当な時点でEセルを停止すると、動作点は
特性曲線S−D上の同温度の点に跳躍して移り、今度は
特性曲線S−Dに沿って石炭供給量と共に出力を低下さ
せていきやがて予定の時点で特性曲線S−Cに移って最
終的な動作点P40に達する。
【0015】図9は、時間を横軸とし出力を縦軸とした
図表に上記の過程を表したものである。図中の斜めの線
が目標とする変化パターンで上位の制御系から負荷要求
指令として与えられるものである。制御結果を見ると、
セル切換に伴い発生するセル保有熱量分の大きな段を有
しており、目標パターンからの乖離を避けることはでき
ない。ここでこの偏差を最小にするため、負荷変化のパ
ターンとボイラの静特性に基づき適当な切り換えタイミ
ングを選択するようにしている。ところが、移動元や移
動先の負荷水準や、変化過程における負荷変化率を変え
たり、静特性が変化して参照した特性曲線が変わると、
それらに対応して適切なタイミングが大幅に変化する。
そこで、負荷変化の度に条件に合わせて設定を最適化す
る必要がある。
【0016】また、負荷要求指令信号に基づいてタイミ
ングを決定する方式では、要求される負荷変化幅や負荷
変化率に基づいて演算される逐次の負荷指令信号を用い
るため負荷変化幅変化等に対する柔軟性の問題は解消す
るが、石炭の種類が変わったりしてボイラの静特性が変
わったときの対処が困難である。また、ある水準から別
の水準へ負荷変更する要求に対応して出力される予め定
めた負荷変化パターン上の適当な位置でセルの起動停止
タイミングを発生するものであるため、負荷変化過程中
に予定と異なる挙動をする実際のプロセス変数の状態を
反映することはできない。さらに、負荷要素とボイラ側
状況に基づいて修正を行って燃料の供給を指示するボイ
ラ指令信号に基づく場合は、ボイラの静特性を加味して
指令信号を生成するが、例えば炭種が異なる毎に異なる
係数を用いるように再調整する必要があり、また操業中
に何らかの原因で特性変化が起こったときに対処できな
いという問題がある。
【0017】これら従来の方式はいずれも、セルの起動
停止タイミングを負荷変化開始時点からの絶対値で設定
する方式であり、試行錯誤により負荷変化を繰り返して
最も良好な結果が得られる組み合わせを見いだす手順が
必要である。実機による試験を避けるためシミュレーシ
ョンによる検討も行われるが、正確なモデルを構築する
ことは容易でない。特に、流動床ボイラは炭種により静
特性が大幅に変化するため、しばしば行われる炭種変更
に合わせて炭種毎の設定値の組を準備しておく必要があ
る。
【0018】なお、セルの起動停止に伴い蒸発量は階段
状に変化するため、滑らかな変化を求める要求蒸発量に
対して常に過不足が生じる。この結果は例えば主蒸気圧
力の基準値からの偏差という形で現れる。この過不足は
給炭量を加減してボイラ蓄熱を有効利用することである
程度は縮小されるが、給炭量変化による蒸発量変化は応
答が非常に遅いため大きな偏差が生じると稼働セルの保
有熱量では吸収できず、整定まで十分長い時間が必要と
なる。また、セル起動停止操作に伴い層内伝熱管の収熱
が大きく変動するため、セル起動停止操作は負荷変化の
過程で適切なタイミングで行われないと、負荷変化スケ
ジュールに対し大きな偏差を生じることがある。
【0019】このように、最適なセル起動停止タイミン
グはボイラの保有熱量状態や停止セルの層温度等の条件
によって左右されるため、従来の時間またはボイラ指令
信号等を指標とする方法ではいつも最適なセル起動停止
タイミングが得られるわけではなかった。また、たとえ
最適タイミングが得られても、セル面積の大きなセルを
起動停止した際には層内伝熱管収熱に大きな変動をもた
らすため、ある程度の蒸発量変動は避けることができな
かった。給炭量は蒸気に与える総エネルギ量を規制する
ものであるから給炭量制御がボイラには必須であるが、
上記のように流動床ボイラでは負荷変化時の制御性が問
題であるため、これを改善するものとして、給炭量制御
と組み合わせて使用する適切なセルタイミング制御方法
の開発が期待されてきた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、セル分割方式を採用した火力発電
用流動床ボイラを対象として、セルの起動停止を伴うよ
うな負荷変化要求に対して蒸発量変動を最小限に抑制す
ることができるようなセル操作タイミングを決定するた
めに好適な火力発電用流動床ボイラ制御方法及び装置を
提供することである。また、負荷変化時の要求蒸発量に
対する過不足をできるだけ抑制し、蒸発量の偏差が最小
になるような適切なセル起動停止タイミング信号を提供
することができる制御方法と装置を提供して、負荷変化
時の蒸発量の変化を滑らかにすることである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の火力発電用流動床ボイラ制御方法は、セル
分割方式を用い負荷変化過程に対してセルの起動停止を
伴う制御を行う火力発電用流動床ボイラに対して、負荷
変化過程を実現するために流動床ボイラが有すべき熱量
の変化指標である入熱指標とセル毎の保有熱量に基づい
て、セル数増減による入熱変化と前記入熱指標との偏差
がより小さくなるようにセルを起動停止するタイミング
を決めることを特徴とする。また、上記の火力発電用流
動床ボイラにおいて、負荷変化過程を実現するために流
動床ボイラが有すべき入熱指標と実際に流動床ボイラが
有する熱量との偏差を算出しこの値と、同時に起動停止
する単数または複数のセルの総合した保有熱量とを対比
することにより、これらのセルを起動停止するタイミン
グを決めるようにするものであってよい。
【0022】なお、上記の熱量偏差が起動停止の対象と
する単数または複数のセルの保有熱量のほぼ半分になっ
た時をもって、セルを起動停止するタイミングとするこ
とが好ましい。さらに、流動床ボイラの入熱指標は、流
動床ボイラの静特性を基に算出されることが好ましい。
また、出力を随時観察して、その出力に基づいて流動床
ボイラの入熱指標を補正することがより好ましい。さら
に、静特性は所定の運転状態における実際の出力に基づ
いて随時補正するようにしてもよい。なお、負荷変化過
程中において起動停止するセルの順序は予め決めておい
てもよい。また、保有熱量の大きいセルの起動または停
止と同期させて保有熱量の小さいセルを停止または起動
することにより保有熱量を相殺して、流動床ボイラの保
有熱量の変化量を実質的に細分することがより好まし
い。
【0023】また、上記課題を解決する本発明の火力発
電用流動床ボイラ制御装置は、セル分割方式を用い負荷
変化過程に対してセルの起動停止を伴う制御を行う火力
発電用流動床ボイラにおいて、ボイラ負荷変化指令を入
力し、この指令を実現するために必要なボイラへの入熱
指標をボイラの静特性に基づいて発生する入熱指標作成
部と、各セルにおける層温度を入力してセル毎の実入熱
量を算出して流動床の実入熱量を求める熱量評価部と、
前記入熱指標と前記実入熱量を比較して各セル毎の起動
停止タイミングを指示するタイミング判定部を備えるこ
とを特徴とする。
【0024】本発明の火力発電用流動床ボイラ制御方法
によれば、流動床ボイラのセルの起動停止を伴う負荷変
化過程に対して、目標とする流動床ボイラの熱量変化す
なわち入熱指標と現状におけるセル毎の保有熱量に基づ
き、算定されたセル数増減による入熱変化とボイラ入熱
指標との偏差がより小さくなるようにセルの起動停止タ
イミングを決めるようにしたもので、負荷変化を実現す
るための入熱指標を連続的に作成し、さらにボイラの有
効保有熱量を例えばセル内の燃焼温度と面積などから常
時定量的に評価し、増減させようとするセルの入熱変化
量を算定し、これらをセル起動タイミング判定の指標と
している。
【0025】ここで負荷変化中のセル保有熱量はセル起
動停止操作に伴い階段状に変化するにもかかわらず、目
標とする保有熱量すなわち入熱指標は連続的に変化して
いるため、両者の間にはセル起動停止時を挟んで大きな
偏差が生じる。本発明の制御方法では、例えば最適なセ
ル起動停止タイミングは前記偏差を過剰また不足する面
積としてとらえ、この合計面積が最小となるように制御
することにより、目標が達成できるようになった。本発
明の制御法によれば、タイミング決定をする制御系にフ
ィードバックループが存在することになり常にプラント
の現状を反映するので、流動床ボイラの特性が変化して
も制御性能に大きな影響を与えないようにできる。ま
た、目標とする熱量変化パターンに対して流動床ボイラ
の入熱量の偏差が小さくなり、目標に対する追従性が向
上し制御性能が良化した。
【0026】またさらに、与えられた負荷変化過程を実
現するために流動床ボイラの入熱指標と実際に流動床ボ
イラが有する熱量との偏差を算出し、これから起動しよ
うとしているセルの保有熱量と停止しようとしているセ
ルの保有熱量の符号を加味した総和と前記の熱量偏差と
を対比してこれらのセルを起動停止するタイミングを決
めるようにした場合は、対象となる保有熱量の大きなセ
ルに保有熱量の小さなセルを緩衝セルとして組み合わせ
て入熱量を制御することも容易にできるため入熱量変化
に現れる階段の幅を細かくして期待される指標熱量への
追従性をより向上させることができる。また、熱量変化
過程中の各時点において注目する操作対象が限られるた
め制御アルゴリズムがより単純になり、制御系が構築し
やすくなる。
【0027】なお、ここで緩衝セルを対象セルに先立ち
事前に起動または停止を行っておき、対象セルの起動停
止に合わせて保有熱量を相殺する方向に緩衝セルを運用
するようにすることもできる。このような運用をするこ
とにより蒸発量変化の直線性はさらに向上する。また、
熱量偏差が起動停止の対象とするセルの保有熱量のほぼ
半分である時に起動停止タイミングとするようにした場
合は、比較的簡単な論理により熱量偏差の過不足が相殺
されて、容易に良好な制御結果を得ることができるよう
になる。
【0028】さらに、流動床ボイラの目標熱量変化また
は入熱指標を流動床ボイラの静特性を加味して算出する
ようにすれば、制御論理にオーバファイアやアンダファ
イアを自動的に取り込んで、目標変化に対してより良好
な追従性を得ることができる。なお、ボイラ静特性をプ
ラントの実変数により自動的に修正するようにした場合
は、炭種変更などプラント環境の変化があっても常時正
しい特性を使って制御することができる。発電ユニット
の運転は予め決められた負荷条件付近で行われるので、
静特性の修正には所定の運転条件の近傍における測定結
果を用いれば十分である。
【0029】また、随時観察する出力に基づいて流動床
ボイラの入熱指標を補正するようにした場合は、ボイラ
の運転期間が比較的長時間にわたるため往々にして生じ
易い環境変化を入熱指標に随時反映して補正するため、
制御性の悪化や整定時間の延長などの問題を避けること
ができる。なお、負荷変化過程中において起動停止する
セルの順序を予め決めておけば、制御論理が簡素化さ
れ、簡単な演算装置により迅速に実時間演算が行われる
ようになる。
【0030】また、本発明の火力発電用流動床ボイラ制
御装置によれば、上記説明したボイラ制御方法を実現す
ることができるので、火力発電用流動床ボイラの負荷変
化時における最適なセル起動停止タイミングが得られ、
負荷変化過程においてセルの起動停止に伴う期待する負
荷変化カーブとのずれを最小限に抑制する効果がある。
【0031】
【発明の実施の形態】発電用流動床ボイラの運用負荷領
域は、通常たとえば40%負荷から100%負荷という
ように決められている。さらに実際の運転は、この運用
範囲の中でも特に決められた例えば40%、50%、7
5%、100%負荷点等の定点付近で給炭量制御を行う
ことにより安定した電力提供を実現している。これら定
点負荷において稼働するセルの組み合わせはプラント設
計時点で決められているのが普通である。
【0032】したがって、電力需要量変化に伴い発電ユ
ニットに対して大きな負荷変更要求が発せられるとき
は、これら定点相互間で運転条件を変化させる要求とい
う形で行われることになる。この変更を必要とする定点
相互の関係によっては、流動床ボイラ中の稼働セルを増
減させる必要が生じる。このような場合には、給炭量調
整と並行してセルの起動停止を適切なタイミングで行わ
ないと、目標とする所定のレートによる滑らかな負荷増
減推移パターンから大きく外れることになる。そこで、
上記のような負荷増減パターンに対して流動床ボイラの
出力推移を滑らかに追従させるために適切なセルの起動
停止スケジュール制御を構築しなければならない。セル
の起動停止スケジュール制御は、負荷変化に見合った稼
働セル数と稼働セルの組み合わせの決定、セルの適切な
起動停止順序の決定、セルの起動停止タイミングの決定
のそれぞれを適切に行う3個の機能を有する必要があ
る。
【0033】本発明の発電用流動床ボイラ制御方法およ
び装置は、上記3個の機能のうち、セルの起動停止タイ
ミングを適切に指示するためのものである。従来の負荷
変化時のセル起動停止タイミングは、負荷変化要求に対
応して要求される変化レートを満たす負荷変化パターン
を生成しこれを指標として、この条件を満たすシーケン
ス操作に適合するように決定したり、負荷変化パターン
を実現させるために生成される給炭量変化信号等を基準
として予め絶対値的に決定していた。これらの指標はセ
ルの起動停止に伴う操作量の変化と直接的な関係が希薄
であるため、環境が変化するとこれらを基準として決め
たセル起動停止タイミングが適切でなくなるおそれがあ
った。
【0034】本発明における考え方の基本は、セル増減
に伴う入熱変化量が容易に予測可能なことに着目して、
要求される負荷変化に対応しボイラの静特性を基にして
ボイラの入熱変化パターンを生成して入熱指標とし、こ
れら同じ次元を持つプロセス変数である入熱指標とセル
数増減による入熱変化量を比較して得られる偏差信号に
よりセルの入り切りタイミングを決定する点にある。セ
ル自動化制御装置は本発明のセル起動停止タイミング信
号に基づいて、負荷変化に伴う一連のセル起動停止シー
ケンス操作を自動的に行うことができる。本発明におけ
る制御論理を採用することにより、従来のタイミング決
定方法では不可能だった、プラントの静特性の変化にも
対処し得る円滑な出力変化を容易に実現することができ
る。
【0035】さらに詳細に本発明のボイラ制御方法につ
いて説明する。発電用流動床ボイラは公害防止のため炉
床負荷すなわち層温度の制約を受けるため給炭量変化で
対応できる負荷範囲に限界がある。そこで、流動床ボイ
ラの負荷変化は、セル数増減すなわち伝熱面積変化と給
炭量変化の2つの要素を協調しながら制御することによ
り行われる。このうち給炭量変化は、従来から使用され
てきた給炭制御装置によるアナログ的な連続制御により
実施される。しかし、流動床ボイラにおいては主蒸気圧
力等のボイラ出力の給炭量変化に対する伝達関数に含ま
れる遅れがきわめて大きいため、例えば毎分2%という
高速な負荷変化に追従するような出力制御を給炭量変化
により行うことはできない。また大きな偏差が生ずると
稼働セルの保有熱量では吸収できない。
【0036】一方、セル数変化により伝熱面積を変化さ
せて蒸気流量を変化させる場合の応答は極めて速いた
め、流動床ボイラにおけるセルの起動停止に伴う蒸発量
変化は階段状になる。したがって、要求される滑らかな
蒸発量変化パターンに対して常に過不足が生じる。この
蒸発量の波動はボイラ蓄熱力を有効利用することにより
ある程度は緩和されるが、この結果は例えば協調モード
運転においては主蒸気圧力の偏差という形で現れること
になる。
【0037】そこで、本発明の流動床ボイラ制御方法
は、セル数変化を主体として負荷変化中の主蒸気圧力制
御を行い、給炭量制御を補助として用いることにより、
良好な負荷変化追従性を達成し、かつ負荷変化後の整定
時にも熱量の過不足が生じないようにしたものである。
ここで、セル数増減操作は、負荷変化の進行にあわせて
適切な時点で適切なセルを選択して発停することにより
流動床が適切なセル面積とセル構成を持つようにするこ
とが要求される。さらに、これを自動的に実施するため
には負荷変化要求が異なる場合に対応できるばかりでな
く、例えば炭種の変化等の環境変化によりボイラの静特
性が変化する場合にも自動的に対応できるような論理が
必要とされる。
【0038】本発明の制御方法は、アナログ制御におけ
る給炭量制御で生成される指標の一部を用いてセル数制
御を行うことにより給炭量とセル操作タイミングを関連
づけて、的確なセル起動停止タイミングを指示すること
ができるようにしたものである。すなわち、負荷変化時
の負荷変化パターン等に基づいて要求される蒸気量変化
パターンを求め、これとセルの起動停止によって予測さ
れる蒸発量との偏差が最小になるような最適なセル起動
停止タイミングを設定することによって、蒸発量を期待
される変化パターンに沿って滑らかに制御するようにし
た。具体的には、次に起動あるいは停止する予定のセル
について入熱変化量の評価演算を常時行い、当該セルを
起動または停止した場合に入熱指標すなわち蒸発量の要
求値に対する偏差が最小となる時点で入り切り指示を発
生する。ボイラの動特性に特別な問題がない場合は、入
熱指標との偏差がセルの入熱変化量の1/2となる時点
を選択することが好ましい。
【0039】本発明の流動床ボイラ制御方法によれば、
ボイラの静特性が明らかであれば、試行錯誤法によらず
に自動的に的確なセル起動停止タイミングが決定でき
る。さらに、起動停止するセルの層温度に応じてタイミ
ングを自動的に修正する機能を有する。また、起動停止
するセルの数や順序を変更した場合にも、起点と終点に
おける静特性が変化しない限り的確な起動停止タイミン
グを得ることができる。さらに負荷変化課程の最終段階
でオーバファイアやアンダファイアが必要な場合におい
ても、過剰にセルを起動停止する必要性を自動的に判定
し、その復帰操作を自動的に行うことが可能となる。ま
た、主蒸気圧力補正機能を付加すれば、セルの起動停止
タイミングがさらに的確になる。
【0040】
【実施例】以下、本発明に係る発電用流動床ボイラ制御
方法と装置を、図面を用い実施例に基づいて詳細に説明
する。図1は、本実施例の適用対象となった流動床ボイ
ラの概念図、図2はその蒸気系のフロー図、図3は本発
明のタイミング決定論理に基づいて制御したときの入熱
量変化を表した図面、図4は入熱量変化を初めの数ステ
ップについて拡大して表示したもの、図5はセル起動停
止タイミングの決定をするための制御回路図である。
【0041】本実施例の対象とする流動床ボイラは、図
1に示したように下段ベッド11と上段ベッド12を有
する主燃焼炉1と、再燃焼炉2を備えている。主燃焼炉
1の上下段ベッドにおける石炭の燃焼温度は排煙中の硫
黄酸化物と窒素酸化物の濃度を抑制するため760℃か
ら860℃の間に管理されている。また再燃焼炉2では
下段ベッド11と上段ベッド12における未燃分を含む
石炭灰を回収して有効活用するため980℃で燃焼させ
ている。下段ベッド11の流動床は始動用のLSセル、
それに隣接するLAセル、さらにこれらに隣接するLB
セル、LCセル、LDセル、LEセルに分割されてい
て、それぞれ独立に制御できる多数の圧空ノズルと燃料
供給ノズルが設備されている。LSセルに接続された圧
空配管の途中には着火用の熱風炉31が設けられてい
る。上段ベッド12の流動床も、同様に熱風炉32と繋
がる始動用のUSセル、さらにUAセル、UBセル、U
Cセル、UDセル、UEセルに分割されている。また再
燃焼炉2の流動床21は熱風炉33と繋がり始動もでき
るCAセルと、隣接するCBセルおよびCCセルに分割
されている。
【0042】蒸気系統は図2に示すように、給水は給水
ポンプ4により供給され節炭器51と蒸発器52で加熱
されて蒸発し、複数の過熱器6を通過する間に所定の蒸
気圧力と温度を有する過熱蒸気となり高圧タービン71
に供給され、高圧タービン71を通った蒸気は再熱器8
で適合する温度まで再熱されて中圧低圧タービン72に
供給され、タービン軸を回転させて発電機73で発電
し、復水器74を通って凝縮して貯水タンク9に回収さ
れ、再び給水ポンプ4により流動床ボイラに供給され
る。節炭器51は主燃焼炉1出口と再燃焼炉2出口の空
塔部に、蒸発器52は上段ベッド12及び再燃焼炉ベッ
ド21の層内および炉壁部分に、また過熱器6と再熱器
8は下段ベッド11およびボイラ出口の空塔部に配置さ
れている。
【0043】蒸発量に対して大きな比重を有するのは蒸
発器52が設置されている上段ベッド12と再燃焼炉ベ
ッド21であるから、負荷変化時における蒸発量の変化
を滑らかにすることを目的としてセルの起動停止を適切
なタイミングで行うのであるならば、上段ベッド12と
再燃焼炉ベッド21におけるセルに対してのみタイミン
グ決定すればよい。しかし、下段ベッド11との流動伝
熱面比の大幅な変動は減温器における蒸気温度調整に必
要なスプレ量に影響を与え、結局ボイラ全体の制御性に
関与することから、本実施例では両者を総合してセル起
動停止タイミングの自動決定操作を適用することとし
た。このように上段と下段及び再燃焼炉のベッドの全て
を総合して管理するようにしたことにより、起動停止の
順位が逆転することがないこと、複数セルが同時に起動
あるいは停止して負荷の急変を招くことがないこと、万
一セルの起動停止操作に不具合が生じてもセル構成がそ
の状態で凍結するので、故障を無視して他のセルが起動
停止することにより上下段の熱量バランスが大きく崩れ
る事態を避けることができることなどの利益が生じる。
【0044】本実施例においてセルの起動停止を決定す
るために使用する指標は、与えられた負荷変化に対応す
るために必要とされる入熱量を刻々に算定した変化パタ
ーンを意味する入熱指標である。セルの起動停止による
セル層内の収熱量の変化量が定量的に把握できることに
着目して、このセル保有熱量を利用することにより期待
される収熱量変化パターンにできるだけ沿うように制御
しようとするからである。入熱指標は給炭量とは直接の
関連を有せず、流動床ボイラが蒸気に与える熱量と直接
的な関係を持っている。なおここで、セルの起動停止と
はセル部分の流動床ベッド層内における流動媒体の流動
を開始あるいは停止することを意味する。
【0045】ある負荷状態における入熱量は、流動媒体
が流動して稼働状態にあるセルについて、セル毎の保有
熱量を層温度×セル面積×補正係数の算式により算出
し、稼働セル全体の保有熱量の合計をとることにより求
められる。上記保有熱量の算出式に補正係数を使用する
のは、例えば下段ベッド11の層内収熱変化を上段ベッ
ド12と同等に扱うと蒸発量変化に対する過大評価とな
り負荷変化の円滑性を損ねる懸念があるなどのため蒸発
量に対する補正が必要だからである。補正係数は、上段
ベッドに対して1.0を用い、下段ベッドのためには
1.0より小さな値を用いて適当な静特性指標を得るよ
うにしてある。なお、流動床の運転開始時における初め
の石炭着火に用いる始動セル(Sセル)は熱交換器に対
する伝熱面を有しないので、上記の補正係数に小さな値
を代入することにより蒸発量変化に対する過大評価を回
避している。また、各ベッドの両端部にあるセルについ
ても過大な評価を避けるため、適当な補正係数を用いて
入熱量を算出する。各負荷における入熱量はこれら補正
係数を乗じて求めた稼働セルの保有熱量の加算値として
得られる。
【0046】流動床ボイラに与えられた負荷条件に対し
て適切なセル構成と層温度は静特性試験による実測ある
いは正確なシミュレーションにより決定され、負荷整定
時における再現性は良好であることが確認されている。
ただし、ボイラの静特性は炭種変更等の環境変化によっ
て変るので、考えられる条件に伴い、いくつかの静特性
を試験等により求めておく必要がある。負荷変化時に
は、定格負荷に対して40%、50%、75%、100
%などあらかじめ決めた主要負荷の状態の間を、計画さ
れた負荷変化率に応じて変化するように要求される。こ
れらの主要負荷状態における稼働セルの組み合わせと層
温度は設計に基づいて決まっており、入熱量は静特性に
従って予め算出できる。
【0047】本実施例の制御方法は、上記状態間を遷移
させる負荷変化指示があったときに、所定の負荷変化率
に応じて両者間を滑らかに変化するために上記入熱量が
時々刻々にとるべき値を入熱指標と呼んで、この入熱指
標により忠実に沿う運転をすることにより、負荷変化す
なわち蒸発量変化を滑らかに行うことを主な目的とす
る。さらに、流動床ボイラは熱容量が大きく、また粒状
の石炭を用いるため、伝達関数に大きな伝達遅れを有す
る。このため、所定の負荷変化を予め決めた変化パター
ンで行わせるには、負荷変化制御中のボイラ指示信号に
加速信号を加えて、負荷変化に先立って給炭量を加減す
るオーバファイアあるいはアンダファイアと呼ばれる予
測的な制御を行う必要がある。本実施例においても、負
荷変化を良好に行わせるため入熱指標に加速成分を加味
することが好ましく、1次微分回路を並列に取り込ん
で、この目的を達成している。特に負荷を減少する場合
に加速成分を付加することが有効で、整定過程では過剰
にセル停止をした後に再び起動する操作が必要となる場
合もある。
【0048】以下、セルの起動停止タイミングを決定す
る論理について説明する。図3は、代表的な例として1
00%負荷から40%負荷へ減少させる減負荷の場合に
ついて説明する図面である。図4は、入熱量変化を初め
の数ステップについて拡大して表示したもので、後のス
テップを省略してある。図5はセル起動停止タイミング
の決定をするための制御回路図である。停止すべきセル
の順序は、現状の稼働セルから目標とする負荷水準にお
ける稼働セルの組み合わせに従って、例えばUE−LE
2−LE1−UD−LD2−LD1−CBという風に予
め設定されている。ここでUは上段ベッドに存在するセ
ルを表し、Lは下段ベッドに存在するセルを表し、Cは
再燃焼炉ベッドのセルを表している。各セルについての
セル保有熱量は、セルの層温度とセルの面積を掛け合わ
せて求める指標値で、予め知られているセルの面積と刻
々に測定される層温度から逐次算出することができる。
【0049】負荷変化が開始されると共に入熱指標SV
は連続的に変化を開始するが、層温度の変化は遅いため
層内保有熱量PVの実測値はセルの入切りが行われるま
で大きな変化はない。したがって入熱指標と層内保有熱
量の偏差Aは次第に大きくなっていく。ここで、層内保
有熱量PVは稼働セルのセル保有熱量を稼働しているセ
ル全体について合計したものである。100%負荷水準
から負荷変化するときに初めに停止するUEセルは、入
熱指標と層内保有熱量の偏差AがUEセルの面積と層温
度から算出したセル保有熱量HUEの1/2になった時点
で停止させる。すると、停止の時点で入熱指標と層内保
有熱量の偏差Aは−1/2HUEとなり、今度は時間の経
過と共に入熱指標の低下に従って絶対値が減少してい
く。やがて入熱指標SVと層内保有熱量PVの値が交差
し、さらに偏差Aが次第に大きくなっていって、次に停
止するLE2セルのセル保有熱量HLE2の1/2に達し
た時点でLE2セルを停止させる。設定されているセル
の停止順序に従い、順次この論理の下にセル停止のタイ
ミングを判定していく。
【0050】このような方式では、偏差Aは最大セルの
セル保有熱量の半分以上に拡大しないから、層内保有熱
量が入熱指標から大きく乖離しない良好な入熱制御がで
きる。なお、他の負荷水準同士の間で減負荷する場合も
それぞれ適当な停止セル順序が決められており、上記と
同様の手順に従って停止タイミングが決定される。ま
た、増負荷の場合も、入熱指標と保有熱量の関係が反対
になるだけで、同様の論理に従った判定を行えばよい。
なお、給炭量は別途制御されていて、上記の過程が進行
するのと同期して目的とする負荷状態において必要とさ
れる給炭量に収束するようになっている。
【0051】図5はこのようなアルゴリズムを実行する
ために使用される制御回路の1例を示す図である。ユニ
ットマスタ101から出力された所定の変化率を有する
負荷変化指令BMBに、主蒸気圧力検出器102から与
えられる主蒸気圧力偏差信号に比例積分処理を加えて得
た補正成分を加味した制御信号を、ボイラ入力指令演算
装置103に供給すると、ボイラ入力指令演算装置10
3はさらにその制御信号の変化速度を微分回路で検出し
これを加えて得られる加速成分を含んだボイラ入力指令
信号BIDを発生する。流動床ボイラの給炭量は、この
ボイラ入力指令信号BIDに対する偏差を最小に抑える
ために算出される給炭量指令により制御される。
【0052】一方、本発明の主体となるセル起動停止タ
イミング発生装置200は、入熱指標作成部210と熱
量評価部220とタイミング判定部230とからなる。
入熱指標作成部210は、負荷変化指令BMBを受け
取り、ボイラ静特性を記憶している関数発生器211で
その指令に対応する入熱量に換算することで入熱指標S
Vを与える。また、熱量評価部220では、各セル毎に
設けた層温度検出器221で流動しているセルにおける
層温度を測定して、各セル毎の面積値と補正係数を記憶
している演算器222により流動化しているセル毎の収
熱量を算出し、加算器223で合計して層内保有熱量P
Vを求める。タイミング判定部230では、比較器23
1で入熱指標SVと層内保有熱量PVの偏差Aを算出
し、この偏差Aがこれから操作しようとするセルの保有
熱量Hの半分に達する時に、操作器232を介して切換
操作指令を発生する。
【0053】なお、流動床ボイラにおいては、給炭量変
化から蒸発量変化までの時間遅れが大きいため、負荷変
化中に主蒸気圧力を給炭量調整により制御することは殆
ど不可能で、無理に行うと圧力制御を行おうとするため
負荷変更に伴って必要となる給炭量変化を実現すること
ができず、負荷変化後の整定が著しく阻害される。従っ
て、負荷変化中は給炭量による主蒸気圧力制御を制限
し、代わりに主蒸気圧力を考慮に入れたセル起動停止タ
イミング判定を行うことにより、主蒸気圧力に大きな偏
差が発生しないようにするためである。
【0054】具体的には、入熱指標作成部210には加
算器212を備え、入熱指標に所定の割合で主蒸気圧力
の偏差成分を加えることにより、負荷を減少させる時に
主蒸気圧力が上昇する場合にはセルの停止タイミングを
早めて入熱を抑えることにより対処し、主蒸気圧力が低
下する場合は停止タイミングを遅延させて入熱を増加す
ることにより対処できるようにする。負荷を増加する場
合は同じ回路により逆の動作が行われる。なお、主蒸気
圧力をタービンガバナで行うモードを選択する場合は、
主蒸気圧力は安定に制御できるので、入熱指標に主蒸気
圧力偏差を加算する代わりに発電出力の偏差を加えて、
発電出力の変化に対する追従性を向上させるようにし
た。
【0055】また、入熱指標作成部210には微分器2
13と加算器214を備えてもよい。負荷変化を良好に
行わせるため入熱指標SVに加速成分を加味することに
より、オーバファイアあるいはアンダファイアに対応す
る予測制御的な操作を行うことが好ましい場合があるか
らである。図6は、このような加速成分を付加した入熱
指標SVを用いてセル起動停止タイミングを決定した場
合の負荷変化過程を表したタイムチャートである。図は
負荷を減少させる場合について表示してある。点線で表
した元の指標に対して加速成分を付加すると、入熱指標
SVは負荷変化開始時に急激に低下する。この場合もセ
ル操作タイミングは、入熱指標値と実入熱量との偏差が
セル保有熱量の半分を越える時点とする。図示したケー
スでは、負荷変化終了の直前で、整定状態では稼働して
いなければならないセルを積極的に停止させてアンダフ
ァイアを行い、その後にそのセルを起動することによ
り、理想的な負荷変化曲線に対する追従性が向上してい
る。
【0056】なお、ボイラの静特性は運転条件が変わる
ことにより変化するので、関数発生器211に記憶して
いるボイラ静特性は、随時プラント特性を測定して書き
換えるようにする。流動床ボイラは所定の負荷点付近で
安定運転されることから、ある負荷水準で安定に運転し
ている期間における出力を測定することにより、ボイラ
静特性は容易に把握することができる。また、この測定
結果は直接的に関数発生器211に取り込んで、自動的
に記憶内容の更新をするようにもできる。関数発生器2
11は、このような測定結果をオンラインで反映できる
ようになっていることが好ましい。
【0057】図7は、より精密な収熱制御を行う場合の
セル起動停止タイミング決定方法を説明するタイムチャ
ートである。装置の経済性を考慮するとセル数を余り多
くすることはできないため、流動床ボイラ中には容量の
大きなセルが存在する。このような大容量セルを起動停
止するとその瞬間に大きな階段状の入熱変化を起こし
て、変化前後の負荷水準における静特性に基づいて作成
した負荷変化過程で期待される入熱指標からの偏差が大
きくなることは避けられない。そこで、大容量のセルを
起動停止するときに、比較的面積の小さいセルを緩衝セ
ルとして併せて起動停止して、入熱変化幅を実質的に縮
小させることにより、層内収熱を入熱指標に一段と近づ
けるようにした。
【0058】図中点線で示したように、例えば面積の大
きなUEセルを停止すると、きわめて大きなセル保有熱
量HUEの幅を有する階段状収熱変化を生じるため、期待
される入熱指標SVから大きく逸脱する。そこで、UE
セルの前に、より小さな面積を持つUSセルとUAセル
を緩衝セルとしてそれぞれのセル保有熱量HUS、HUA
基づいて決定される停止タイミングで順次に停止し、U
Eセルを停止するときは同時にUSセルとUAセルを起
動することとして、この時の実質的なセル保有熱量をH
UE−HUS−HUAから算出しこれに基づいてタイミングを
判定するようにする。すると、大容量のUEセルの代わ
りに、それぞれHUS、HUA、(HUE−HUS−HUA)とい
うずっと小さなセル保有熱量を持った3個の小容量のセ
ルを順次停止させる場合と同じ効果が生じることにな
り、入熱指標からの偏差が小さく入熱指標に対してより
滑らかに適応した良好な収熱変化を招来する。
【0059】なお、特に蒸発器と過熱器の両方を収容し
た流動床ボイラにおいて、両者を収容する流動床につい
てセル起動停止タイミングを総合的に行う場合に、収熱
変化の段数を実質的に増加させると両者間の収熱量比率
の変動幅が減少するため、過熱蒸気に対するスプレの安
定化および蒸気温度変動の抑制につながり、温度制御性
能が改善される効果も併せ持つ場合があることがわかっ
た。このように、緩衝セルの利用はセルの起動停止回数
が増大するなどの不利はあるが、負荷変化特性の向上や
蒸気温度特性の向上等に大きな効果がある。また、入熱
指標の基準となる負荷変更指令は、負荷水準の変更指示
に応じ、記憶されている静特性を参照してユニット制御
装置により発生されるものであって、普通は負荷変化開
始時点で確定され、負荷変化過程中には再調整すること
はなかった。しかし、負荷変化過程中にボイラの静特性
が環境変化に応じて変化する場合には、実際の出力が目
標値と大きく乖離してしまい問題があった。そこで、入
力する負荷変更指令に随時測定するプラントの静特性の
変化を反映させるようにすると、目標入熱量に対する追
従制御の成績が向上する。
【0060】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の火力発電用
流動床ボイラ制御方法と装置によれば、負荷変化時にお
ける蒸発量の直線性を向上させるための最適なセル起動
停止タイミングを得ることができる。また同時に負荷変
化時の負荷変化スケジュールに対する偏差も最小に抑制
する運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流動床ボイラ制御装置の実施例の適用
対象となった流動床ボイラの概念図である。
【図2】上記流動床ボイラにおける蒸気系のフロー図で
ある。
【図3】本実施例における負荷変化の場合について入熱
量変化を示す図面である。
【図4】上記入熱量変化の一部拡大図である。
【図5】本実施例におけるセル起動停止タイミングの決
定をするための制御回路図である。
【図6】本実施例において加速成分を付加した入熱指標
SVを用いた場合の負荷変化過程を表したタイムチャー
トである。
【図7】本実施例において、より精密な収熱制御を行う
場合のセル起動停止タイミング決定方法を説明するタイ
ムチャートである。
【図8】流動床ボイラの出力特性図である。
【図9】従来方法によるセル操作タイミングによる出力
変化図である。
【符号の説明】
1 主燃焼炉 11 下段ベッド 12 上段ベッド 2 再燃焼炉 21 再燃焼炉ベッド 31、32、33 熱風炉 4 給水ポンプ 51 節炭器 52 蒸発器 53 蒸気ドラム 6 過熱器 71 高圧タービン 72 中圧低圧タービン 73 発電機 74 復水器 8 再熱器 9 脱気器 101 ユニットマスタ 102 主蒸気圧力検出器 103 給炭制御装置 200 セル起動停止タイミング発生装置 210 入熱指標作成部 211 関数発生器 212 加算器 213 微分器 214 加算器 220 熱量評価部 221 層温度検出器 222 演算器 223 加算器 230 タイミング判定部 231 比較器 232 操作器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591195031 開発電気株式会社 東京都千代田区九段北4丁目2番5号 (72)発明者 角田 善正 東京都中央区銀座6丁目15番1号 電源開 発株式会社内 (72)発明者 神代 俊昌 東京都中央区銀座6丁目15番1号 電源開 発株式会社内 (72)発明者 笹津 浩司 東京都中央区銀座6丁目15番1号 電源開 発株式会社内 (72)発明者 伊藤 俊郎 東京都江東区南砂2丁目11番1号 川崎重 工業株式会社東京設計事務所内 (72)発明者 笠井 透 東京都中央区築地6丁目19番20号 株式会 社技術綜研内 (72)発明者 北村 宗靖 東京都千代田区九段北4丁目2番5号 開 発電気株式会社内 (72)発明者 藤田 克己 東京都千代田区九段北4丁目2番5号 開 発電気株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セル分割方式を用い負荷変化過程に対し
    てセルの起動停止を伴う制御を行う火力発電用流動床ボ
    イラにおいて、負荷変化過程を実現するために流動床ボ
    イラが有すべき熱量の変化を示す入熱指標とセル毎の保
    有熱量に基づいて、セル数増減による入熱変化と前記入
    熱指標との偏差がより小さくなるようにセルを起動停止
    するタイミングを決めることを特徴とする火力発電用流
    動床ボイラ制御方法。
  2. 【請求項2】 セル分割方式を用い負荷変化過程に対し
    てセルの起動停止を伴う制御を行う火力発電用流動床ボ
    イラにおいて、負荷変化過程を実現するために流動床ボ
    イラが有すべき入熱指標と実際に流動床ボイラが有する
    熱量との偏差を算出しこの値と、同時に起動停止する単
    数または複数のセルの総合した保有熱量とを対比するこ
    とにより、該セルを起動停止するタイミングを決めるこ
    とを特徴とする火力発電用流動床ボイラ制御方法。
  3. 【請求項3】 前記熱量偏差が前記起動停止の対象とす
    る単数または複数のセルの保有熱量のほぼ半分である時
    をもって該セルを起動停止するタイミングとすることを
    特徴とする請求項1または2記載の火力発電用流動床ボ
    イラ制御方法。
  4. 【請求項4】 前記流動床ボイラの入熱指標が該流動床
    ボイラの静特性を基に算出されるものであることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の火力発電用
    流動床ボイラ制御方法。
  5. 【請求項5】 出力を随時観察して、該出力に基づいて
    前記流動床ボイラの入熱指標が補正されることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の火力発電用流
    動床ボイラ制御方法。
  6. 【請求項6】 前記静特性が所定の運転状態における実
    際の出力に基づいて随時補正されることを特徴とする請
    求項4または5記載の火力発電用流動床ボイラ制御方
    法。
  7. 【請求項7】 前記負荷変化過程中において起動停止す
    るセルの順序をあらかじめ決めておくことを特徴とする
    請求項1ないし6のいずれかに記載の火力発電用流動床
    ボイラ制御方法。
  8. 【請求項8】 保有熱量の大きいセルの起動または停止
    と同期させて保有熱量の小さいセルを停止または起動す
    ることにより保有熱量を相殺して、流動床ボイラの熱量
    の変化量を実質的に細分することを特徴とする請求項1
    ないし7のいずれかに記載の火力発電用流動床ボイラ制
    御方法。
  9. 【請求項9】 セル分割方式を用い負荷変化過程に対し
    てセルの起動停止を伴う制御を行う火力発電用流動床ボ
    イラにおいて、ボイラ負荷変化指令を入力し該指令を実
    現するために必要なボイラへの入熱指標をボイラの静特
    性に基づいて発生する入熱指標作成部と、各セルにおけ
    る層温度を入力してセル毎の実入熱量を算出して流動床
    の実入熱量を求める熱量評価部と、前記入熱指標と前記
    実入熱量を比較して各セル毎の起動停止タイミングを指
    示するタイミング判定部を備える火力発電用流動床ボイ
    ラ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010203710A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Jfe Engineering Corp 循環流動層ボイラの運転制御方法および運転制御装置
CN103557523A (zh) * 2013-11-21 2014-02-05 国家电网公司 燃用高热值烟煤循环流化床锅炉首次带满负荷调整方法
JP2014105941A (ja) * 2012-11-28 2014-06-09 Sumitomo Heavy Ind Ltd 循環流動層ボイラ、及び循環流動層ボイラの起動方法

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