JPH0675719B2 - 汚泥の加温、乾燥装置 - Google Patents

汚泥の加温、乾燥装置

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JPH0675719B2
JPH0675719B2 JP1112854A JP11285489A JPH0675719B2 JP H0675719 B2 JPH0675719 B2 JP H0675719B2 JP 1112854 A JP1112854 A JP 1112854A JP 11285489 A JP11285489 A JP 11285489A JP H0675719 B2 JPH0675719 B2 JP H0675719B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、下水汚泥などの汚泥を加温し、その後乾燥す
るための装置に関する。
従来の技術 たとえば特開昭62-294481には、溶融炉からの排ガスを
熱風乾燥機に導いて、その廃熱を利用し、熱風乾燥炉で
汚泥を乾燥して、溶融炉に送入するようにした構成が開
示されている。
従来では、1基の熱風炉を汚泥乾燥機と濃縮汚泥を加温
する汚泥加温機とに用いて、効率よく安定運転を行う構
成が実現されていない。
すなわち濃縮汚泥消化ガスの発生を増進するために、濃
縮汚泥を加温する汚泥加温機が利用されることが望ま
れ、この消化脱水汚泥を乾燥するための汚泥乾燥機とし
て、専ら気流乾燥機が使用されている。このような汚泥
加温機と汚泥乾燥機とにおいては、それぞれ適正な熱量
が必要であり、したがつて1基の熱風炉で両方の装置で
要求される熱量をバランスよく制御することが必要とな
つている。
発明が解決すべき課題 本発明の目的は、熱風炉から汚泥乾燥機と汚泥加温機と
においてそれぞれ必要とされる熱量をバランスよく供給
して制御を行うことができるようにした新規な汚泥の加
温、乾燥装置を提供することである。
課題を解決するための手段 本発明は、空気を加熱して供給する熱風炉と、 熱風炉からの空気を導く第1管路と、 第1管路からの空気が供給される循環経路を有し、汚泥
を乾燥する汚泥乾燥機と、 汚泥を加温する汚泥加温機と、 汚泥乾燥機の循環経路から分岐した空気を汚泥加温機に
導く第2管路と、 汚泥加温機からの空気を、熱交換器に導く第3管路と、 汚泥乾燥機に必要な熱量を検出する手段と、 循環経路と第2管路との間に介在される乾燥空気流量制
御弁と、 前記検出手段の出力に応答して、乾燥に必要な熱量が大
きくなると乾燥空気流量制御弁の開度を大きく制御する
制御手段とを含むことを特徴とする汚泥の加温・乾燥装
置である。
また本発明は、第1管路の途中に介在される加熱空気流
量制御弁を備え、 前記制御手段は、乾燥に必要な熱量が過度に増大したと
き、加熱空気流量制御弁の開度を大きく開くことを特徴
とする。
また本発明は、熱風炉は、補助バーナを有し、 前記制御手段は、乾燥に必要な熱量が過度に増大したと
き、補助バーナの燃料量を増大することを特徴とする。
さらにまた本発明は、汚泥加温機の汚泥温度を検出する
手段を設け、 前記制御手段は、乾燥に必要な熱量と、汚泥を加温する
に必要な熱量とのうち、大きい方の必要熱量に応じて、
加熱空気流量制御弁の開度を制御することを特徴とす
る。
作用 本発明に従えば、1基の熱風炉から、濃縮汚泥を加温す
る汚泥加温機と汚泥を乾燥する汚泥乾燥機との双方に必
要な適正熱量を連続的に制御することが可能になる。熱
風炉にはたとえば間接熱交換器が設けられて、そこで空
気を加熱し、この加熱空気は、たとえば約500℃であ
り、この加熱空気を、汚泥乾燥機と汚泥加温機に分配し
て使用する。汚泥乾燥機の循環経路と、その循環経路か
らの空気を汚泥加温機に導く第2管路との間には、乾燥
空気流量制御弁が介在されており、制御手段は、汚泥乾
燥機に必要な熱量を検出する検出手段からの出力に応答
して、乾燥に必要な熱量、すなわち乾燥負荷が大きくな
ると乾燥空気流量制御弁の開度を大きく制御する。これ
によつて汚泥乾燥機に必要な熱量がいわば優先的に決め
られ、残熱量を汚泥加温機に有効に利用する。これによ
つて1基の熱風炉で汚泥乾燥機と汚泥加温機の温度制御
を両立させ、安定した運転を行うことができる。つまり
熱風炉から発生する加熱空気の一部が汚泥乾燥機で使用
され、その余剰熱量が第2管路を介して汚泥加温機に送
られる仕組みとなつており、1基の熱風炉によつて容易
に総必要熱量を制御することができる。汚泥乾燥機の必
要熱量、すなわちこれに対応する出口乾燥空気温度の管
理は、生成される乾粉汚泥の含水率を一定にする目的か
ら、非常に重要であるのに対して、汚泥加温機に必要な
熱量は、後工程にある加温濃縮汚泥消化槽の容量を考慮
すれば、短時間周期の精密な汚泥温度制御が必要でな
い。この観点から、汚泥乾燥機に必要な熱量制御をいわ
ば優先し、余剰熱量によつて汚泥加温を行うようにして
いる。前述の検出手段が検出する汚泥乾燥機に必要な熱
量というのは、たとえば汚泥乾燥機の循環経路に設けら
れて、汚泥を乾燥した後の空気の温度を検出する温度計
によつて実現することができる。
なお、汚泥乾燥機の循環経路に流れる乾燥空気流量を一
定に制御するために、その流量を測定してバイパス循環
経路に設けられた流量制御弁を制御することができる。
こうして汚泥乾燥機として気流乾燥機を用いる場合の要
件として、循環空気流量と、汚泥乾燥後の空気温度を制
御する必要があり、上述の構成によつて、これら2つの
用件を満たすことができる。
汚泥乾燥機に必要な熱量は、上述のように乾燥空気流量
制御弁によつて専ら制御されており、その必要熱量が過
度に増大したときには、本発明に従つて、第1管路の途
中に介在される加熱空気流量制御弁を操作することによ
つて、その必要熱量を確保する。
さらにまた本発明に従えば、汚泥加温機に必要な熱量を
制御するために、濃縮汚泥温度を検出する手段を設け、
乾燥に必要な熱量と、汚泥を加温するのに必要な熱量と
を比較し、要求度の高い方の値を選択して前記第1管路
に介在されている加熱空気流量制御弁を操作して、総必
要熱量を得る。
本発明では、気流乾燥機以外の乾燥機を用いるようにし
てもよい。
実施例 第1図は本発明の一実施例の全体の系統図である。下水
汚泥などの濃縮汚泥は管路1から汚泥加温機2に供給さ
れて加温が行われ、乾燥加熱空気の除湿が行われる。こ
こで加温された濃縮汚泥は、管路3から消化槽4に供給
されて消化が行われる。消化した汚泥は、管路5から脱
出機6に導かれて脱出され、管路7から気流乾燥機であ
る汚泥乾燥機8の投入口9に供給される。この汚泥乾燥
機8において乾燥された乾粉である乾燥物は、管路10を
経て燃料の1つとして、溶融炉11に供給される。
溶融炉11は、いわゆる旋回溶融炉であり、乾燥汚泥と空
気とを水平軸線を有する円筒炉内の接線方向に高速度で
供給し、内部は高速度の旋回流を起こさせながら還元雰
囲気下で高温高負荷燃焼して、たとえば約1400℃で汚泥
を溶融してスラグを得る。
溶融炉11からの高温度の還元未燃焼ガスは、後続の熱風
炉12において、補助バーナ13に供給される管路38からの
燃料としての消化ガスとともに完全燃焼され、その排ガ
スは管路13から集塵機14を経て管路15から排気フアン16
を経て誘引され、管路17から煙突18に導かれる。
汚泥乾燥機8において、シユート9からの脱水汚泥は解
砕機20から気流管21に導かれて乾燥され、その乾燥され
た乾粉はサイクロン22で捕集され、乾粉ホッパ23に貯留
され、乾粉供給機24から管路10に、調節計WIC3で切り出
された量だけ、供給される。サイクロン22で清浄化され
た空気は、循環フアン25からバイパス管路27を経て循環
され、こうして空気の循環経路が形成される。
熱風炉12には間接熱交換器28が設けられており、この熱
交換器28で加熱された空気は第1管路29a,29bを経て汚
泥乾燥機8のバイパス管路27と合流し、管路30から解砕
機20に導かれる。
汚泥乾燥機8からの空気は、第2管路32a,32bを経て汚
泥加温機2に供給される。汚泥加温機2からの空気は、
第3管路33a,33bを経て、フアン34によつて圧送され、
熱交換器28に導かれる。
熱交換器28の出口からの加熱された空気は管路34を経て
流量制御弁35から溶融炉11に供給される。溶融炉11の燃
料として、上述のように管路10を経て乾粉が供給される
とともに、消化槽4からの消化ガスが管路36および37を
経て供給される。この消化ガスの一部は管路36から管路
38へ分岐され、補助バーナ13の燃料として供給される。
溶融炉11にはまた管路39を介して液化石油ガス(略称LP
G)が供給される。
第3管路33bからは、補助バーナ13および熱風炉12に管
路39を介して燃焼用空気が供給される。
なお排気ファン16からの排ガスは、管路41を介して熱風
炉12に戻されて、熱風炉12の温度の異常な上昇が後述の
ように防がれる。
溶融炉11の燃焼のためには前述のように3種類の燃料、
すなわち乾粉汚泥と消化ガスおよびLPGが用いられ、炉
内での還元燃焼の作用によつて溶融汚泥を生成する。溶
融炉11内での燃焼負荷は、乾粉汚泥と、管路37に流れる
消化ガスと、管路39に流れるLPGとのそれぞれの燃料送
入量と単位発熱量と燃焼空気比とに依存し、その総燃焼
負荷計算を、第1演算回路44において行う。これによつ
て燃焼負荷の目的値HtOに対して偏差が生じた場合に
は、LPGの送入量を管路39に設けられた流量制御弁45の
によって制御する。
第2図を参照して、第1演算回路44では、溶融炉11内の
総燃焼負荷Ht(kcal/h)が一定となる演算を行う。この第
1演算回路44には、溶融炉11の総燃焼負荷目標値設定回
路45からの目標値HtOが与えられる。また第1演算回路4
4には、消化ガス発熱量設定回路46から消化ガスの発熱
量Hg(kcal/Nm3)が与えられ、また乾粉汚泥発熱量設定
回路47からは乾粉の発熱量Hs(kcal/kg)が与えられ、ま
たLPG発熱量設定回路48からはLPGの発熱量Hl(kcal/N
m3)が与えられる。
総燃焼負荷Htは第1式によつて示される。
Ht=Wg1・Hg+Ws・Hs+Wl・Hl ……(1) ここでWg1は、溶融炉11に管路37から供給される消化ガ
スの流量(Nm3/h)であり、Wsは溶融炉11に供給される
乾粉供給機24からの乾粉汚泥流量(kg/h)であり、Wlは溶
融炉11に供給される管路39からのLPG流量(Nm3/h)であ
る。
Wg1,Ws,Wlは流量計42、乾粉供給機24、および流量計43
によつてそれぞれ計測される実流量または実重量であ
り、Wg1およびWsについては、調節計FIC4と調節計WIC3
とにそれぞれ運転状態に応じて任意に設定値として与え
られ、これによつて管路37に設けられている流量制御弁
53の開度が制御されて、Wg1が流れ、また乾粉供給機24
からWsで乾粉が切り出される。
総燃焼負荷Htが乾粉汚泥供給量Wsの変動などによつて、
溶融炉11の総燃焼負荷目標値Ht0から偏差を生じたとき
は、次の第2式に基づいてLPG送入量の設定値Wl0が第1
演算回路44からライン52aを介して調節計FIC6に与えら
れ、これによつて管路39に設けられている流量制御弁45
の開度が制御されて、Wlが操作される。
ただしLPGの非効率的な使用を避けるため、LPG流量Wlの
上限値Wlhを設定し、それ以上になることを防ぐ。
また溶融炉11における部分燃焼率を決定するための空気
比、たとえば約0.8は、第2演算回路55で演算し、これ
によつて調節計FIC1にライン56を介して、溶融炉11のた
めの燃焼空気流量(Nm3/h)の目標値が与えられて、管
路34に設けられている流量計54によつて検出される流量
値が前記目標値となるように流量制御弁35の開度を制御
する。第2演算回路55の演算回路部分58には、設定回路
59から消化ガス理論燃焼空気量Qg[Nm3(空気)/Nm
3(消化ガス)]が設定され、また設定回路60において
乾粉汚泥理論燃焼空気量Qs[Nm3(空気)/kg]が与えら
れ、また設定回路61からはLPG理論燃焼空気量Ql[Nm
3(空気)/Nm3(LPG)]与えられる。したがつて演算
回路部分58からライン62には、溶融炉11の総理論燃焼空
気量Qts(Nm3/h)が第3式に基づいて演算されて出力さ
れる。
Qts=Wg1・Qg+Ws・Qs+Wl・Ql ……(3) 空気比設定回路63では、設定回路64において設定される
空気比αより、第4式の演算を行つて、溶融炉11の燃焼
空気量Qts0(Nm3/h)が演算される。
Qts0=α・Qts ……(4) この空気比αは、溶融炉11内での部分燃焼率すなわち還
元燃料率を考慮し、任意に設定する。通常は、αは、 0.7<α<0.9 ……(5) であり、たとえば0.8であつてもよい。
この空気比設定回路63からの出力は、前述のライン56を
介して調節計FIC1に与えられて、その目標値である燃焼
空気量Qts0(Nm3/h)となるように、流量制御弁35が制
御される。
熱風炉補助バーナ13は、管路38からの消化ガスの専焼
で、熱風炉出口排ガス温度が温度計65で検出され、調節
計TIC7によつて、管路38に設けられている流量制御弁66
の開度が制御される。
熱交換器28は、熱風炉12の出口付近に設けられており、
したがつて汚泥乾燥機8の乾燥負荷、すなわち乾燥のた
めに必要な熱量に応じて、温度計65によつて検出される
温度が変化する。この交換熱量は、熱交換器28を通過す
る循環空気の流量および温度と、熱風炉12内の温度など
によつて決まる。循環空気温度は、後で述べる汚泥乾燥
機8および汚泥加温機2に必要な熱量などによつて変化
する。つまり汚泥乾燥機8および汚泥加温機2に必要な
熱量は、熱風炉出口、換言すると熱交換器28の出口の排
ガス温度が、温度計65によつて検出され、その値が予め
定める値たとえば250℃になるように、調節計TIC7は流
量制御弁66の開度を制御して、その補助バーナ13の燃焼
量を制御して、上述のように必要な熱量を確保する。
熱風炉12内での燃焼空気量は、補助バーナ13の燃料用お
よび溶融炉11からの還元未燃焼ガス用であつて、第2図
に示される第3演算回路68によつて演算して求められ
る。第3演算回路68の演算回路部分69には、管路36に設
けられている流量計70によつて検出される総消化ガス流
量Wg0(Nm3/h)と、前述の乾粉汚泥流量Ws(kg/h)、LPG
流量Wl(Nm3/h)、および設定回路59,60,61からの設定
値Qg,Qs,Qlがそれぞれ与えられ、第6式の演算を行つ
て、総合理論燃焼空気量Qt(Nm3/h)を求める。
Qt=Wg0・Qg+Ws・Qs+Wl・Ql ……(6) この第3演算回路68における空気比設定回路71では、空
気比βを設定する設定回路72からの値に基づき、総合燃
焼空気量Qt0(Nm3/h)を求める。
Qt0=β・Qt ……(7) ここで空気比βは、管路または炉本体の漏れ空気および
循環排ガスに含まれる空気などを考慮し、熱風炉12内で
の燃焼が安定し、余剰空気が最小となる適当な値に設定
し、たとえば通常、 1.2<β<1.4 ……(8) ただし β>1>α ……(9) 第3演算回路68における減算回路73は、この総合燃焼空
気量Qt0と、第2演算回路55において演算されたライン5
6からの溶融炉燃焼空気量Qts0との減算を第10式に示す
ように行う。
Qth=Qt0−Qts0 ……(10) 第10式に前述の第3式、第4式、第6式、および第7式
を代入すると第11式が得られる。
Qth=(β−α)・(Ws・Qs+Wl・Ql)+(βWg0−aWg0
−α・Wg1)・Qg ……(11) この減算回路73からの熱風炉燃焼空気量Qth(Nm3/h)を
表す信号はライン75から調節計FIC2に与えられる。これ
によつて流量計76によつて検出される流量が前記目標値
である熱風炉燃焼空気量Qthとなるように、管路39に設
けられている流量制御弁77の開度が制御される。
溶融炉11に必要な燃焼用空気は、その溶融炉11の安定運
転の要件である炉内高温状態の確保の目的で、第1管路
29aから加熱空気を抽気して使用する。熱風炉12に必要
な燃焼用空気は、NOX発生抑制を考慮し、外気である低
温空気を管路80から流量制御弁81を介して第3管路33a
に注入した後、第3管路33bから抽気して使用する。熱
風炉12からの排ガスは、前述のように集塵器14と排気フ
アン16とを介して煙突18から大気に放出されるが、その
一部は、前述のように、熱風炉12に管路41を介して循環
され、熱風炉12内が高温度となつて多量のNOXが発生し
ないようにして、高温度燃焼ガスの希釈用に使われる。
熱風炉12に循環される希釈用の排ガス量は、熱風炉12に
設けられた温度計82の出力を調節計TIC12に与え、この
温度計82によつて検出される温度が、予め定めた値とな
るように、調節計TIC12は、管路41に介在されている流
量制御弁83の開度を制御する。第2管路32bには、空気
静圧を検出する圧力計84が設けられ、この圧力計84の出
力は調節計PIC8に与えられ、この調節計PIC8は圧力計84
によつて検出される圧力が、予め定める値となるよう
に、管路80に介在されている流量制御弁81の開度を制御
し、これによつて外気から必要空気量を補充し、循環空
気の第3管路33bおよび第1管路29aから抽気して使用し
た燃焼空気分が補充されることになる。
熱風炉12内で燃焼を安定化させるために、熱風炉内圧は
圧力計85によつて検出され、その出力が調節計PIC11に
与えられ、これによつて煙突18への管路17に介在されて
いる流量制御弁86の開度が制御され、燃焼炉内圧が調節
計PIC11で設定されている値に保たれる。
気流乾燥機である汚泥乾燥機8の安定運転の用件は、
(i)汚泥乾燥機8内の汚泥の対流時間を一定にするた
めの乾燥空気の速度ないしは流量を一定にすること、お
よび(ii)その汚泥乾燥機8内で乾燥した汚泥の含水率
を所定の値に保つことである。これらの要件(i),
(ii)を満足させるために、次のように構成される。す
なわち汚泥乾燥機8に必要な乾燥空気は、熱風炉12の熱
交換器28から第1管路29a,29bおよび管路30を経て解砕
機20に導かれ、脱出汚泥とともに、気流管21内に送られ
る。脱出汚泥は、気流管21内を乾燥空気によつて乾燥さ
れながら空気輸送され、サイクロン22によつて乾燥空気
と乾粉汚泥とが分離される。乾粉汚泥はホツパ23に貯留
され、乾粉供給機24を経て前述のように管路10から溶融
炉11に送られる。一方、サイクロン22によつて分離され
た空気は、循環フアン25によつて誘引され、第2管路32
a,32bとバイパス循環空気管路27とに分配されて循環さ
れる。この分配率は、汚泥乾燥機8内を通過する乾燥空
気流量が管路26に設けられた流量計87によつて検出さ
れ、その出力が調節計FIC10に与えられ、これによつて
バイパス循環空気管路27に介在されている流量制御弁88
の開度が制御されて、予め定める値とされる。すなわち
気流管21における乾燥すべき脱水汚泥と空気との混合物
の流速を一定にする必要があり、そのとき、次に述べる
ように、第2管路32aに設けられている流量制御弁90の
開度が変化しても、流量計87によつて検出される流量が
一定となるように、流量制御弁88の開度が制御されるの
である。これは、汚泥乾燥機8に必要とする乾燥空気、
すなわち第1管路29bから導入される乾燥空気の流量
が、汚泥乾燥機8内で脱出汚泥の輸送に必要な空気流
量、すなわち流量計87によつて検出される流量よりも小
さいためである。
一方、汚泥乾燥機8内で汚泥乾燥に必要な乾燥空気量
は、循環フアン25の出口の循環空気温度を検出する温度
計91と、その検出温度が与えられる調節計TIC9と、第1
選択回路92との働きによつて、流量制御弁90の開度を操
作することによつて制御する。調節計TIC9は、温度計91
によつて検出される温度が予め定める値となるのに必要
な流量制御弁90の開度を表す信号X1をライン93を介して
第1選択回路92に与える。
たとえば気流管21での脱水汚泥の水分蒸発量が大きいと
きには、温度計91によつて検出される温度が低下し、こ
れによつて調節計TIC9は流量制御弁90の開度を大きくす
るための信号X1をライン93に導出し、流量制御弁90の開
度が大きくなると、熱交換器28から第1管路29a,29bを
介して汚泥乾燥機8に取り込まれる熱風流量が多くな
る。流量制御弁90を操作することによつて、第1管路29
bを経て汚泥乾燥機8に導入される乾燥空気の流量が上
述のように調整され、その結果、汚泥乾燥機8に取り込
まれる乾燥熱量が調節され、乾粉汚泥の含水率を所定の
値に保つことができる。このようにして上述のように汚
泥乾燥機8の安定運転の要件(i)および(ii)が満た
される。
流量制御弁90を経て管路32aを流れる乾燥空気および第
1管路29aから管路94に流れる乾燥空気とは合流点95で
合流され、第2管路32bを経て汚泥加温機に送られて、
汚泥乾燥機8内で生じた水蒸気が除去されると同時に、
管路1からの濃縮汚泥の加温に使用される。
バイパス循環空気管路27を設ける理由は、もしも仮に、
第1管路29bからの乾燥空気だけで気流管21において必
要な空気流量、したがつて、空気流速を確保しようとす
れば、温度計91によつて検出される汚泥乾燥機8の出口
空気温度が制御できなくなつてしまうからであり、この
ような問題を解決するために、バイパス循環空気管路27
を通して低温度の乾燥空気を循環させ、気流管21におけ
る所定の空気流量を得る。
バイパス循環空気管路27と第2管路32aとの分配率とい
うのは、これらの管路27,32aに流れる流量F27とF32aと
の比率F27/F32aを言う。この分配率を第1選択回路92と
もう1つの第2選択回路96とを用いて、流量制御弁90、
および第1管路29aに介在されている流量制御弁97とを
制御することによつて、1基の熱風炉12における熱交換
器28からの加熱空気を用いて、汚泥乾燥機8および汚泥
加温機2にそれぞれ必要な熱量をバランスよく制御す
る。
選択回路92の構成は、第3図に示される特性を有する。
第3図の横軸は、調節計TIC9の出力mが、この選択回路
92の入力X1として与えられ、ライン98,99には出力Y1,Y2
がそれぞれ導出される。出力Y1はライン98を介して流量
制御弁90に与えられ、出力Y2はライン99を介してもつ1
つの選択回路96に与えられる。入力X1、すなわち調節計
TIC9の出力mが小さく、たとえば第3図の横軸の0〜m1
の範囲では、汚泥乾燥機8の出口空気温度の制御は、も
つぱら、流量制御弁90によつて、出力Y1に応じて行う。
調節計TIC9の出力mが前記値m1以上になつたときには、
ライン99を介して出力Y2を第2選択回路96に与えて後述
のように流量制御弁97を制御するように働き、これによ
つて総必要熱量を確保する。出力Y1によつて流量制御弁
90が全開となる調節計TIC9の出力mの値をm2とすると
き、 m1<m2 ……(12) このように流量制御弁90が全開となる前に流量制御弁97
を操作する理由は、汚泥乾燥機8自体に熱容量を持つて
いることによる温度制御の応答遅れを改善するためであ
る。出力Y2は、調節計TIC9の出力mが前記値m1未満では
Y2aである。
出力Y1は、入力X1が0%からm2の間で0%から100%ま
で直線的に変化する。m2点は可変で任意に設定できる。
また出力Y2は、入力X1が0〜m1の間では、一定の値Y2a
となり、入力X1がm1〜100%の間ではY2aから100%まで
直線的に変化する。m1およびY2aはそれぞれ可変で任意
に設定できる。
汚泥加温機2は、汚泥乾燥機8内で生じた水蒸気を除去
するとともに、管路1からの濃縮汚泥の加熱を行う。汚
泥加温機に必要な熱量は、その下部に貯留した濃縮汚泥
100の温度を温度計101によつて検出して計測することが
できる。この温度計101によつて検出される濃縮汚泥温
度は、調節計TIC10に与えられ、予め定める値との偏差
より演算された出力信号がゲイン調整回路102に与えら
れる。ゲイン調整回路102は、調節計TIC10の出力、すな
わち温度計101の検出温度と設定値とから演算される出
力信号X2に比例定数Kを乗じた値である。
Y3=K・X2 ……(13) このゲイン調整回路102からの出力Y3は、ライン103を介
して、選択回路96に与えられる。
選択回路96では、汚泥乾燥機8において要求される熱量
に相当するライン99からの出力Y2と、汚泥加温機2にお
いて要求される熱量に相当するライン103からの出力Y3
とを比較し、いずれか大きい方の値をライン104を介し
て流量制御弁97に与えて、流量制御弁97の開度を操作
し、これによつて総必要熱量を確保する。選択回路96の
出力をY4とし、ライン99,103の信号を前述のようにY2,Y
3とするとき、次の動作が達成される。ここでHSは、大
きい方の値を導出することを表し、ハイセレクトを意味
する。
HS(Y2,Y3)=Y4 ……(14) 第4図は、本発明の他の実施例の一部のブロツク図であ
る。この実施例では、第2図の第3演算回路68における
演算回路部分69に与えられる総消化ガス流量Wg0は、第
1演算回路44のライン50から導出される溶融炉11の消化
ガス流量Wg1と、ライン38に流れる熱風炉消化ガス流量W
g2とを加算回路105で加算して演算する。熱風炉消化ガ
ス流量Wg2は、管路38に設けた流量計によつて検出され
る値である。
第5図は、本発明の他の実施例の一部のブロツク図であ
る。この実施例では、熱交換器28の出口の加熱空気の温
度を管路29aにおいて温度計106によつて検出し、調節計
TIC11に与える。調節計TIC11は、消化ガスを供給する管
路38に介在されている流量制御弁107の開度を制御し、
これによつて温度計106によつて検出される温度が調節
計TIC11において設定した値となるように制御が行われ
る。
第6図は、本発明のさらに他の実施例の系統図である。
この実施例では、管路29aに温度計108を設け、その出力
を調節計TIC12に与える。この調節計TIC12には、第2選
択回路96の出力Y4を目標値として与える。調節計TIC12
は、消化ガスを導く管路38に介在されている流量制御弁
109の開度を制御して、温度計108によつて検出される温
度が、第2選択回路96の出力Y4の表す値に等しくなるよ
うに制御する。これによつて、温度の制御の応答性を向
上することができる。管路29aには、絞り110を介在して
もよい。
本発明は、溶融炉11が旋回溶融炉だけでなく、そのほか
の構成を有する溶融炉に関してもまた実施することがで
きる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、1基の熱風炉によつて加
熱した空気を用いて、汚泥乾燥機で必要な熱量をいわば
優先的に確保し、余剰の熱量を用いて汚泥加温機で汚泥
の加温を行つて、汚泥消化ガスの発生を増進させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の全体の系統図、第2図は第
1演算回路44、第2演算回路55および第3演算回路68の
構成を示すブロツク図、第3図は第1選択回路92の動作
を説明するためのグラフ、第4図は本発明の他の実施例
の一部の構成を示すブロツク図、第5図は本発明の他の
実施例の一部の構成を示す系統図、第6図は本発明のさ
らに他の実施例の一部の構成を示す系統図である。 2……汚泥加温機、4……消化槽、8……汚泥乾燥機、
11……溶融炉、12……熱風炉、13……補助バーナ、21…
…気流管、22……サイクロン、28……熱交換器、29a,29
b……第1管路、32a,32b……第2管路、33a,33b……第
3管路、27……バイパス循環空気管路、44……第1演算
回路、55……第2演算回路、68……第3演算回路、92…
…第1選択回路、96……第2選択回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢井 正和 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気を加熱して供給する熱風炉と、 熱風炉からの空気を導く第1管路と、 第1管路からの空気が供給される循環経路を有し、汚泥
    を乾燥する汚泥乾燥機と、 汚泥を加温する汚泥加温機と、 汚泥乾燥機の循環経路から分岐した空気を汚泥加温機に
    導く第2管路と、 汚泥加温機からの空気を、熱交換器に導く第3管路と、 汚泥乾燥機に必要な熱量を検出する手段と、 循環経路と第2管路との間に介在される乾燥空気流量制
    御弁と、 前記検出手段の出力に応答して、乾燥に必要な熱量が大
    きくなると乾燥空気流量制御弁の開度を大きく制御する
    制御手段とを含むことを特徴とする汚泥の加温、乾燥装
    置。
  2. 【請求項2】第1管路の途中に介在される加熱空気流量
    制御弁を備え、 前記制御手段は、乾燥に必要な熱量が過度に増大したと
    き、加熱空気流量制御弁の開度を大きく開くことを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の汚泥の加温、乾燥装
    置。
  3. 【請求項3】熱風炉は、補助バーナを有し、 前記制御手段は、乾燥に必要な熱量が過度に増大したと
    き、補助バーナの燃料量を増大することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の汚泥の加温、乾燥装置。
  4. 【請求項4】汚泥加温機の汚泥温度を検出する手段を設
    け、 前記制御手段は、乾燥に必要な熱量と、汚泥を加温する
    に必要な熱量とのうち、大きい方の必要熱量に応じて、
    加熱空気流量制御弁の開度を制御することを特徴とする
    特許請求の範囲第2項または第3項記載の汚泥の加温、
    乾燥装置。
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