JP4099195B2 - ボイラ設備を持たないごみ焼却炉の燃焼制御方式 - Google Patents

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本発明はごみ焼却炉の燃焼制御方式に関し、特に燃焼排ガスを利用するボイラ設備を持たない小・中規模のごみ焼却炉に適した燃焼制御方式に関する。
都市ごみを対象としたストーカ式ごみ焼却炉では、多種多様なごみを炉内に供給し燃焼させるため、燃焼状態が時間的に変化する。一般に、燃焼の自動制御では、この変化に応じてごみの供給量、ごみの移送量、一次燃焼空気量・温度と、そのストーカゾーンへの配分比、二次燃焼空気量・温度などを操作し燃焼を安定させる。
本発明者らは、これらに加えストーカ下と炉内の差圧及びそこを流れる燃焼空気流量を計測し、ごみの無い状態で事前に測定したデータと比較してごみ層の厚さを推定し、炉内のごみの量・堆積状況として捉え、その形状を一定に制御することで燃焼の安定化を図る方法を提案(例えば、特許文献1参照)した。
また、これに加えストーカの温度を制御量、ごみ層の形状、特に厚さを操作量として想定し、それらを考慮してストーカ動作、燃焼空気量配分比を操作することで、異常高温による機器へのダメージを最小限にとどめ、さらに緊急避難的な燃焼制御による公害の発生をなくす方法も提案(例えば、特許文献2参照)した。
本発明者は更に、ごみを水分、可燃分、灰分から構成されるものとしてそのうちの灰分比率及びごみの可燃分成分組成比を一定と仮定し、可燃分の低位発熱量のみを長時間の物質収支に基づいて求め、その他必要なプロセス値については数分〜60分程度の平均値を用いて物質・熱収支の計算を行い、ごみ低位発熱量を推定することで、その変動を素早く正確に捉えることを可能とし、より安定した自動燃焼制御の実現を可能とする方法も提案(例えば、特許文献3参照)した。
また、大型施設向けの燃焼制御方式として、炉内における発生蒸気量目標値に見合った適正なごみ層の形成を、各ゾーンのごみ層厚さ指標を制御することで実現し、さらに燃焼がもっとも盛んな場所への燃焼空気の配分比とその他の部分への配分比を、発生蒸気量制御偏差のフィードバックにより操作すること、またそれに合わせて燃焼がもっとも盛んな場所へのごみ供給量の加減を行うことで、発生蒸気量を長期間にわたって安定して一定に制御する方式も提案(例えば、特許文献4参照)している。
特許第3030614号公報 特開平11−257635号公報 特開平11−094227号公報 特開2002−122317号公報 特開平11−037436号公報
しかし、上記特許文献3、4のごみ低位発熱量推定方法及びごみ可燃分発熱量推定方法、燃焼制御方式は、いずれも廃熱利用のボイラが備えられた設備における自動燃焼制御(ACC)を想定しているものであり、ボイラ設備を持たない小・中規模のごみ焼却炉では、燃焼状態の変動を示しかつ運転目標ともなる発生蒸気量を自動燃焼制御に利用することができず、また毎日立上げ、立ち下げを行う准連続運転またはバッチ運転となることが多いことなどからACCの適用が遅れていた。
近年、ダイオキシン排出抑制対策により、准連続運転またはバッチ運転を行っていた小・中規模ごみ焼却施設では、燃焼管理の適正化や連続運転の実施が必要となり、専用のACC導入ニーズが高まっている。
そこで、本発明の課題は、これまでの大型施設向けACCがその利用を前提としていた発生蒸気量を、オンラインで推定される発生熱量に置き換えることで、ボイラ設備を持たない小・中規模ごみ焼却施設において高度なACC導入を可能とし、燃焼管理の適正化や連続運転における省力化を実現する自動燃焼制御方式を提供することにある。
本発明によれば、炉内底部に設けられて燃焼すべきごみを載置して炉内をごみの入り口側から出口側に移動させる複数のゾーンからなるストーカと、前記複数のゾーン毎に前記ストーカの下側から空気量調整用のダンパを介して一次燃焼空気を供給するためのダクトとを備えたごみ焼却炉において、あらかじめ定められたアルゴリズムに基づいて当該ごみ焼却炉における発生熱量を推定し、推定された発生熱量と発生熱量目標値との間の熱量偏差に基づいて、ゾーン毎のストーカ速度を調整して発生熱量を制御する発生熱量制御系を備え、前記発生熱量制御系は、各ゾーンのストーカ温度、ごみ層厚、燃焼位置、燃え切り点の各種情報と発生熱量目標値とにより各ゾーンのストーカ速度を設定するためのごみ層厚コントローラと、前記熱量偏差と前記各種情報に基づいて、前記ごみ層厚コントローラで設定された各ゾーンのストーカ速度を補正する補正手段とを含むことを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方式が提供される。
なお、前記補正手段は、前記各ゾーンのストーカ温度、ごみ層厚、燃焼位置、燃え切り点の各種情報に基づいて燃焼が最も盛んなゾーンを検出するための知識ベースと、前記熱量偏差と前記知識ベースの検出結果とに基づいて、前記燃焼が最も盛んなゾーンとその他のゾーンのストーカ速度の補正値を算出するためのコントローラと、前記ごみ層厚コントローラで設定された各ゾーンのストーカ速度と前記コントローラで算出された各ゾーンのストーカ速度の補正値とを加算してストーカに出力する加算手段とを含む。
本発明によれば、時間当たりに発生するごみ発生熱量をオンラインで推定する方法を大型ごみ焼却施設向け自動燃焼制御と組み合わせることで、ボイラ設備を持たない小・中規模のごみ焼却施設においても、運転時の発生熱量を一定に保つことが可能となり、ごみ質の変動の影響を受けずに排ガス処理系の負荷が安定し、低公害運転と省力化が可能となる。
図1は、本発明が適用されるごみ焼却炉の構成を示し、廃熱利用のボイラドラムを備えていない中規模のごみ焼却炉の場合を示している。
図1において、焼却すべきごみ11はホッパ12に供給され、ホッパ12の底部に設けられたフィーダ13の周期的なオン/オフ動作により、焼却炉の炉内14に供給される。炉内14の底部には炉内14に供給されたごみ11を載置し、炉内14の出口15、すなわち焼却灰の出口に向かってごみを移動させるストーカ16が設けられている。ストーカ16は、ここでは4つのゾーン16−1〜16−4に分割され、各ゾーン毎にストーカ16の速度、すなわちごみの移送速度を操作できる構成になっている。
また、ストーカ16の下側には一次燃焼空気17を供給するためのダクト18が設けられている。このダクト18はストーカ16の各ゾーン16−1〜16−4の下側にそれぞれ開口する4つの開口部18−1〜18−4を備えている。4つの開口部18−1〜18−4のダクト18からの分岐部には、ストーカ16の各ゾーン16−1〜16−4への一次燃焼空気17の供給量を制御するためのダンパ19−1〜19−4が設けられている。また、各ダンパ19−1〜19−4とストーカ16の各ゾーン16−1〜16−4間の開口部18−1〜18−4内にはそれぞれ圧力計20−1〜20−4と流量計21−1〜21−4が設置されており、ストーカ16のゾーン16−1〜16−4毎の圧力、空気流量を計測できるように構成されている。
他方、炉内14には圧力計22が設けられており、炉内圧力を測定する。炉内14にはまた、二次燃焼空気供給口23が設けられ、炉内14に二次燃焼空気24が送り込まれる。更に、炉内14の出口15付近の内壁には炉内14のごみの堆積状態や燃焼状態を撮像するための炉内カメラ25が設けられている。炉内14の天井部分には燃焼排ガス26の排出ダクト27が設けられている。排出ダクト27には酸素濃度計28が設けられている。そして、一次燃焼空気17を供給するダクト18内及び二次燃焼空気供給口23内にはそれぞれ流量計29、30が設置されている。
ごみ焼却炉にはまた、温度測定装置が設けられている。すなわち、ストーカ16には各ゾーン毎にそれぞれ、ストーカの温度を測定するための温度測定装置31−1〜31−4が設けられている。ここでは、各ゾーンを代表する位置のストーカに直接熱電対が埋め込まれて温度測定が行われる。
上記のように、都市ごみを対象としたごみ焼却炉では、ストーカを3〜5ゾーンに分割し、各ゾーンに対してそれぞれストーカの速度及びON/OFF、一次燃焼空気量配分比をダンパ等で操作することができるようにしている。一次・二次燃焼空気の総量を操作することもできる。ホッパ12から炉内14へのごみの供給は、フィーダ13の動作周期操作及びON/OFFにて行う。炉内14におけるごみ層の形成に関しては、各ゾーンのごみ層厚を制御することで実現している。このごみ層厚制御は、目標値を各ストーカ温度、現在の各ごみ層厚や画像処理などによる燃え切り点の情報に基づいて知識ベース等から求め、制御偏差のフィードバックにより、ごみの供給速度及びON/OFF、ストーカ速度及びON/OFF、一次燃焼空気量配分比のダンパによる操作を行って実現している。
詳細は、上記した特許文献1、2、及び特許文献5に詳しく開示されているので、詳しい説明は省略する。
以下に、本発明で利用される燃焼ごみ低位発熱量推定方法及び燃焼ごみ可燃分発熱量推定方法のアルゴリズムについて説明する。これは、前記の特許文献3に開示されている燃焼ごみ低位発熱量推定方法及び燃焼ごみ可燃分発熱量推定方法と原理は同じである。
はじめに、下記のような前提条件のもとに行われる燃焼ごみ低位発熱量推定方法のアルゴリズムについて説明する。
(1)ごみ焼却炉の各部に設けられる測定器の測定値は数分〜60分程度の平均値を利用する。但し、可燃分発熱量については概略値を初期値としてあらかじめ別途計算する。
(2)ごみ焼却炉出口の燃焼排ガスのO濃度は、乾きベースの値である。
(3)一次押込空気(一次燃焼空気)、二次押込空気(二次燃焼空気)中の水分は無視する。
(4)尿素水、水、ろ液汚水などを炉内に噴霧する場合は、それらを考慮した計算が行われる。
(5)補助燃料を使用する場合も、その成分、発熱量、使用量など考慮した計算が行われる。
本燃焼ごみ低位発熱量推定方法においては、図2のフローチャートに示す手順に基づいて、理論空気量Lc、可燃分燃焼速度M・Rc、ごみ処理速度M、ごみ組成比−水分Rw、ごみ組成比−可燃分Rc、一次燃焼空気比(L1 /Lc・M・Rc)(但し、L1 は一次押込空気流量)、二次燃焼空気比(L2 /Lc・M・Rc)(但し、L2 は二次押込空気流量)、総空気比(L1 +L2 )/(Lc・M・Rc)、ごみ低位発熱量Huなどを計算する。なお、以降で用いられる計算式で使用される記号は、下記の表1、表2に示す通りである。表1、表2において備考欄に数字が示されているものは仮定値または理論値である。また、ごみ焼却炉出口の排ガス、燃焼空気は成分に基づいて実測値のルックアップテーブルなどを利用して求める。
Figure 0004099195
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1.ステップS1においては、可燃分の組成を一定と仮定して下記の数式(1)により理論空気量Lcを求める。
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数式(1)において、Ccはごみ可燃分組成比−炭素、CH はごみ可燃分組成比−水素、Coはごみ可燃分組成比−酸素、Csはごみ可燃分組成比−硫黄をそれぞれ表す。
2.ステップS1では更に、計算された理論空気量Lc、ごみ焼却炉出口の排ガス中のO濃度測定値OutO、あらかじめ知られている空気中のO濃度Air_O、燃焼空気量の測定値(L1 +L2 )に加えて、C_CO体積係数V_C、ごみ可燃分組成比−炭素Cc、N_NO体積係数V_N、ごみ可燃分組成比−窒素CN を基に、下記の数式(2)により可燃分燃焼速度M・Rcを計算し、燃焼したごみの可燃分量を求める。
Figure 0004099195
この数式(2)では、燃焼空気量(L1 +L2 )、O濃度測定値OutOなどから酸素の消費量が分かるので燃焼したごみの可燃分量が計算されていることを意味する。言い換えれば、可燃分燃焼速度M・Rcは、単位時間当たりに燃焼したごみの可燃分量を意味する。
3.ステップS2では燃焼したごみ中の水分量を0、すなわちごみ組成比−水分Rwを0と仮定して次のステップに移行する。
4.ステップS3では、下記の数式(3)〜数式(6)により排ガス中の各成分の量を計算する。
Figure 0004099195
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数式(3)では、C_CO体積係数V_C、可燃分燃焼速度M・Rc、ごみ可燃分組成比−炭素Ccに基づいてCOのガス量を計算する。数式(4)では、H_HO体積係数V_H、可燃分燃焼速度M・Rc、ごみ可燃分組成比−水素CH 、HO_HO体積係数V_HO、炉内噴霧水流量W、汚水ろ液噴霧量Wr、尿素噴霧量NH、尿素キャリー水量WNH、ごみ処理速度M・Rwに基づいて水蒸気量GHOが計算される。数式(5)では、N_NO体積係数V_N、可燃分燃焼速度M・Rc、ごみ可燃分組成比−窒素CN 、あらかじめ知られている空気中のN濃度Air_N及び燃焼空気量(L1 +L2 )に基づいて、窒素ガス量GNが計算される。更に、数式(6)では、あらかじめ知られている空気中のO濃度Air_O、燃焼空気量(L1 +L2 )、理論空気量Lc、可燃分燃焼速度M・Rcに基づいて酸素量GOが計算される。
5.ステップS4では、別途計算される初期値の可燃分発熱量Hcと燃焼したごみ中の可燃分量から燃焼したごみの総発熱量が分かり、排ガスに含まれる複数のガス成分などから排ガスのエンタルピを求め、下記の数式(7)でごみ焼却炉に入る熱量と出る熱量のバランス計算から燃焼したごみ中の水分量を計算する。
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すなわち、あらかじめ概算された可燃分発熱量と燃焼したごみ中の可燃分量から燃焼したごみの総発熱量を求め、ステップS3で計算された複数のガス成分の量からごみ焼却炉出口の排ガスのエンタルピを計算し、更にごみ焼却炉入り口と出口の熱量のバランス計算を行ったうえで燃焼したごみ中の水分量を計算する。
なお、数式(7)において、M・Rc・(SH_Rc・T+Hc)は、ごみ可燃分の顕熱及び燃焼熱を表し、Ea(T1)・L1+Ea(T2)・L2は1次、2次燃焼空気顕熱を表し、(1+α)・Eg(Tb,GCO,GHO,GN,GO)・{GCO+GN+GO+V_H・M・Rc・CH }は水分を除いた燃焼排ガスの顕熱及びそれによる炉体熱損失を表す。また、M・Rw・V_HO・(1+α)・Eg(Tb,GCO,GHO,GN,GO)は、燃焼排ガス中水分の顕熱及びそれによる炉体熱損失を表し、M・Rw・(λ_SH_W・T)はごみ中水分の蒸発潜熱及び顕熱を表す。
6.ステップS5では、ごみ中の水分量があらかじめ定められた値εに収束するまでステップS3、S4を繰り返し、ごみ中の水分量を求める。
7.ステップS6では、灰分比を一定と仮定して、ステップS1で計算された燃焼したごみの可燃分量とステップS4で求められたごみ中の水分量とに基づいてごみ処理速度Mを計算し、下記の数式(8)により燃焼したごみ量を求める。
Figure 0004099195
8.ステップS6では更に、可燃分発熱量Hc、水の蒸発潜熱λを用いて、下記の数式(9)により燃焼したごみの低位発熱量Huを求める。
Figure 0004099195
9.ステップS7では表1、表2にある式に従って他の計算値を計算する。
次に、本発明で利用される可燃分発熱量推定方法のアルゴリズムについて説明する。
上で述べたごみ低位発熱量推定方法から得られるごみ処理速度Mの現在からτ時間(5〜10時間)前までの間の第1の時間平均値と、ホッパ内にあるごみ量が燃焼するために必要なδ時間(1〜2時間)前から(τ+δ)時間前までの間のクレーンによるごみ投入重量の第2の時間平均値を比較する。ここで得られる第1の時間平均値と第2の時間平均値との差は、ごみ低位発熱量推定に用いた可燃分発熱量Hcの誤差とホッパ内のごみ推定量の誤差により生じたものと考えられる。このうち定常的な偏差を生む可能性がある可燃分発熱量Hcの誤差を修正するために、下記の数式(10)で得られる値を現在の可燃分発熱量Hcに加える。勿論、数式(10)における修正ゲイン、修正間隔については、ごみ低位発熱量推定を含めた全体の推定系が安定となる範囲とする。
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図3は、上記のようにして得られたごみ発生熱量に基づく燃焼制御方式の実施の形態を示し、一次燃焼空気量配分比操作による発生熱量制御系を示している。この発生熱量制御系は、燃焼が最も盛んな場所への一次燃焼空気の配分比とその他の部分への配分比を、
1)発生熱量の推定値をフィードバックして発生熱量目標値との偏差に基づいて操作すること、
2)それに合わせて燃焼がもっとも盛んな場所へのごみ供給量の加減を行うことで、発生熱量を一定に制御する自動焼制御方式である。
以下に、本形態の作用について説明する。一般的に、フィーダ13により炉内14に供給されたごみは、既に炉内14で燃焼しているごみの燃焼による輻射や、乾燥を主目的としたストーカ16のゾーン16−1のストーカ下部から供給される乾燥用燃焼空気により、ストーカ動作による移動とともに徐々に乾燥され昇温していく。燃焼を主目的とするストーカ16のゾーン16−2に移送される頃に燃焼が始まり、そのゾーン16−2の終わりに到達するまで、ストーカ下部から燃焼空気の供給を受け激しく燃焼する。後燃焼を主目的としたゾーン16−3に移送される頃には、主として燃え残った炭素成分がゆっくりと燃焼する後燃焼へと移行していく。この時もストーカ下部から燃焼空気の供給を受けるが、燃焼を主目的とした部分よりもずっと少ない量の供給となる。
燃焼プロセスの結果発生する燃焼排ガスは、ボイラ設備を持たない小・中規模のごみ焼却施設の場合、通常、急冷塔、脱硫・脱硝設備、バグフィルタ等の排ガス処理設備で処理される。
上記燃焼プロセスにおいて計測される値から、時間当たりごみ処理量、時間当たりごみ発生量及びごみ低位発熱量が常に安定して推定され、特にごみ処理量の推定値は、クレーンによる重量計測結果から得られる値と滞留時間のずれを考慮すると非常に良く一致する。
このようにして得られた時間当たりごみ発生熱量を主たる制御量として利用し、大型ごみ処理施設と同等の自動燃焼制御運転を行う。
ところで、ごみの燃焼によって時間当たりに発生する熱量をオンラインで推定する方法は、ごみの成分が安定しないながらも一定の範囲内にあると考えられることや、ごみの燃焼が安定している場合は計測されるプロセス値が燃焼プロセスの静的なバランス状態を表現しているという考え方で、妥当と思われる一連の仮定の上に、
1.燃焼プロセスの瞬間的静的バランス状態を想定した、繰返し計算による発生熱量推定手順
2.一定時間の発生熱量推定結果とごみ投入結果の比較による、発生熱量推定の前提となる可燃分発熱量の修正手順
とを逐次実施することで実現される。
これは前に引用した特許文献3の「ごみ焼却炉の燃焼ごみ低位発熱量推定方法及び可燃分発熱量推定方法」を、次の点で修正することとなる。つまり、特許文献3の「ごみ焼却炉の燃焼ごみ低位発熱量推定方法及び可燃分発熱量推定方法」では廃熱利用のボイラを備えることを前提としているので、
・ボイラ出口酸素濃度を燃焼排ガス酸素濃度に替え、
・ボイラ出口ガス温度を炉出口燃焼排ガス温度に替え、
・主蒸気に関するエンタルピ計算部分を削除し、
・ボイラに関するエンタルピ計算部分を削除し、
・発生熱量推定値を(ごみ低位発熱量×ごみ処理速度Hu・M)として追加すれば良いことになる。これらの点を考慮した説明が、上記の図2、表1、表2等を参照した説明である。
なお、急冷塔などの排ガス処理プロセスを考慮して計算することもでき、その場合は、
・ボイラ出口ガス温度を急冷塔出口ガス温度に替え、
・急冷塔噴霧水に関するエンタルピ計算を追加すれば良い。
本形態による燃焼制御方式では、プロセス全体の安定化に関しては、前に述べたようにごみ層形状、特にごみ層厚の制御により実現されているものとして、燃焼が最も盛んに起こっている部分への適切な一次燃焼空気量配分比及びそれに伴うごみ移送操作にポイントを置いている。
本形態による燃焼制御方式は、燃焼がもっとも盛んな部分の判断と、その部分への一次燃焼空気量配分比、ごみ移送の増減を逐次繰り返すことで実現される。
燃焼がもっとも盛んな部分は、各ストーカ温度、現在のごみ層厚、燃焼位置、燃え切り点等の各種情報に基づいて、燃焼ゾーン検出知識ベースによりストーカゾーンとして特定される(図3参照)。なお、ストーカ温度は温度計31−1〜31−4により測定され、ごみ層厚、燃焼位置、燃え切り点の検出方法は、前に引用した明細書に詳しく説明されているので、ここでは説明は省略する。
図4には燃焼ゾーン検出知識ベースによる燃焼が最も盛んなゾーンの検出例を示している。一例を説明すると、図4(a)では、ストーカ温度が、ゾーン16−1では適温、ゾーン16−2ではやや高温、ゾーン16−3ではやや低温、ゾーン16−4では適温であり、ごみ層厚については、ゾーン16−1〜16−4のいずれでも標準であり、燃焼位置がゾーン16−2、燃え切り点位置がゾーン16−3である場合、燃焼が最も盛んなゾーンはゾーン16−2であると検出される。
一方、一次燃焼空気量配分比操作は、図3に示されるように、知識ベースを持つ発生熱量コントローラと、一次燃焼空気量配分比コントローラとにより実現される。発生熱量コントローラは、前に述べたアルゴリズムで推定された発生熱量と目標値との偏差、燃焼ゾーン検出知識ベースで特定された燃焼がもっとも盛んなゾーン、ストーカ温度、ごみ層厚、燃焼位置、燃え切り点位置等の情報を受けて各ゾーンの燃焼空気流量比目標値を出力する。一次燃焼空気量配分比コントローラは、これらの各ゾーンの燃焼空気流量比目標値と実際の各ゾーンの燃焼空気流量比との偏差を受けて、各ゾーンの一次燃焼空気量配分比を制御する。すなわち、上記の燃焼ゾーン検出知識ベースで特定された、燃焼がもっとも盛んなストーカゾーンとその前後のストーカゾーンとの間で、プロセス全体を安定化させる目的であらかじめ決定された一次燃焼空気量配分比を、その増減幅について発生熱量と目標値との偏差及びそれに関連する値(例えば、微分値、積分値)に基づいて、ごみ層厚制御、燃焼位置・燃え切り点制御に影響を与えない範囲で発生熱量コントローラにより決定した後、増減させる。勿論、実際の各ゾーンの一次燃焼空気量配分比は、図1に示された各ダンパ19−1〜19−4の開度、圧力計20−1〜20−4、流量計21−1〜21−4の検出値により算出される。
知識ベースとしては、例えばファジー推論があげられる。
図5は、一次燃焼空気量配分比操作による発生熱量制御例を示す。例えば、発生熱量偏差が正で、燃焼位置がゾーン16−2にある場合は、燃焼を促進させることを目的として、燃焼がもっとも盛んなゾーン16−2の一次燃焼空気量配分比を発生熱量偏差及びそれに関連する値に応じて増加させ、それより後段にあるゾーン16−3、16−4の配分比をゾーン16−2の配分比を増加させた分だけ減少させる。すなわち、ゾーン16−2の配分比の増加は0.1、ゾーン16−3、16−4の配分比の減少はそれぞれ、0.03、0.07で、その和(0.03+0.07)はゾーン16−2の配分比の増加分0.1に等しい。
この時、ごみ移送操作については、一次燃焼空気量配分比の操作が燃焼プロセス全体に与える影響を少なくするため、発生熱量目標値やストーカ温度制御等を考慮したごみ層厚制御及び燃焼位置・燃え切り点制御により決定された各ゾーンのストーカ速度を、その増減幅について発生熱量の偏差及びそれに関連する値(例えば、微分値、積分値)に基づいて、ごみ層厚制御、燃焼位置・燃え切り点制御に影響を与えない範囲で発生熱量コントローラにおいて決定した後、増減させる。
図6は、ストーカによるごみ移送速度補正操作により発生熱量を制御するための制御系を示している。図6において、ごみ移送速度補正操作は、図3で説明したのと同じ燃焼ゾーン検出知識ベースと、発生熱量目標値と各ゾーンのストーカ温度、各ゾーンのごみ層厚、燃焼位置、燃え切り点等の各種情報により各ゾーンのストーカ速度を設定する、知識ベースを内蔵したごみ層厚コントローラと、知識ベースを持つ発生熱量コントローラとにより実現される。
発生熱量コントローラは、前に述べたアルゴリズムで推定された発生熱量と発生熱量目標値との偏差、燃焼ゾーン検出知識ベースで特定された燃焼がもっとも盛んなゾーンとに基づいて、ごみ層厚制御、燃焼位置・燃え切り点制御に影響を与えない範囲で各ゾーンのストーカ速度設定補正値を決定して出力する。これらのストーカ速度設定補正値は、加算器によりごみ層厚コントローラからの各ゾーンのストーカ速度設定値に加算され、ストーカ16に速度指令値として与えられる。
図7は、ストーカによるごみ移送速度補正操作による発生熱量制御例を示す。例えば、発生熱量偏差が正で、燃焼のもっとも盛んなゾーンが16−2である場合、ゾーン16−2のストーカ速度増分を他のストーカゾーンの速度増分より大きく設定し、各ゾーンのストーカ速度を増加させる。なお、ストーカ操作については、これまでのACCにおいて行われている制御と同じであるので、詳しい説明は省略する。
勿論、本発明は、図3の一次燃焼空気量配分比操作による発生熱量制御系と、図6のストーカによるごみ移送速度補正操作による発生熱量制御系の両方を備えていても良い。この場合、発生熱量コントローラは前述した2種類の機能を持つ1つのコントローラで実現でき、燃焼ゾーン検出知識ベースも1つのものを兼用することができる。
本発明が適用される水平ストーカ式ごみ焼却炉とその計装系の構成を示す概略断面図である。 本発明において利用される燃焼ごみ低位発熱量推定アルゴリズムを説明するためのフローチャート図である。 本発明による、一次燃焼空気量配分比操作による発生熱量制御系の構成を示した図である。 図3の発生熱量制御系に適用される燃焼ゾーン検出知識ベースによる燃焼が最も盛んなゾーンの検出例を説明するための図である。 図3の発生熱量制御系に適用される一次燃焼空気量配分比操作による発生熱量制御例を説明するための図である。 本発明のごみ移送操作による発生熱量制御系を示した図である。 図6の発生熱量制御系に適用されるごみ移送操作による発生熱量制御例を説明するための図である。
符号の説明
11 ごみ
12 ホッパ
13 フィーダ
14 炉内
15 出口
16 ストーカ
16−1〜16−4 ゾーン
17 一次燃焼空気
20−1〜20−4、22 圧力計
21−1〜21−4、29、30 流量計
23 二次燃焼空気供給口
24 二次燃焼空気
25 炉内カメラ
26 燃焼排ガス
27 燃焼排ガス排出口
28 酸素濃度計
31−1〜31−4 温度測定装置

Claims (2)

  1. 炉内底部に設けられて燃焼すべきごみを載置して炉内をごみの入り口側から出口側に移動させる複数のゾーンからなるストーカと、前記複数のゾーン毎に前記ストーカの下側から空気量調整用のダンパを介して一次燃焼空気を供給するためのダクトとを備えたごみ焼却炉において、
    あらかじめ定められたアルゴリズムに基づいて当該ごみ焼却炉における発生熱量を推定し、推定された発生熱量と発生熱量目標値との間の熱量偏差に基づいて、ゾーン毎のストーカ速度を調整して発生熱量を制御する発生熱量制御系を備え、
    前記発生熱量制御系は、
    各ゾーンのストーカ温度、ごみ層厚、燃焼位置、燃え切り点の各種情報と発生熱量目標値とにより各ゾーンのストーカ速度を設定するためのごみ層厚コントローラと、
    前記熱量偏差と前記各種情報に基づいて、前記ごみ層厚コントローラで設定された各ゾーンのストーカ速度を補正する補正手段とを含むことを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方式。
  2. 請求項1記載の燃焼制御方式において、
    前記補正手段は、
    前記各ゾーンのストーカ温度、ごみ層厚、燃焼位置、燃え切り点の各種情報に基づいて燃焼が最も盛んなゾーンを検出するための知識ベースと、
    前記熱量偏差と前記知識ベースの検出結果とに基づいて、前記燃焼が最も盛んなゾーンとその他のゾーンのストーカ速度の補正値を算出するためのコントローラと、
    前記ごみ層厚コントローラで設定された各ゾーンのストーカ速度と前記コントローラで算出された各ゾーンのストーカ速度の補正値とを加算してストーカに出力する加算手段とを含むことを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方式。
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