JP2002122317A - ごみ焼却炉の燃焼制御方式 - Google Patents

ごみ焼却炉の燃焼制御方式

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JP2002122317A
JP2002122317A JP2000315051A JP2000315051A JP2002122317A JP 2002122317 A JP2002122317 A JP 2002122317A JP 2000315051 A JP2000315051 A JP 2000315051A JP 2000315051 A JP2000315051 A JP 2000315051A JP 2002122317 A JP2002122317 A JP 2002122317A
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Wataru Nagao
亙 長尾
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉内に供給する全体としての燃焼空気量を変
えることなく発生蒸気量を従来以上に安定的に制御目標
値へと一致させることのできるごみ焼却炉の燃焼制御方
式を提供する。 【解決手段】 炉内底部に設けられて燃焼すべきごみを
載置して炉内をごみの入り口側から出口側に移動させる
複数のゾーンからなるストーカと、複数のゾーン毎にス
トーカの下側から空気量調整用のダンパを介して一次燃
焼空気を供給するためのダクトとを備え、燃焼排ガスの
出口ダクトには熱交換により蒸気を発生するためのボイ
ラを備えたごみ焼却炉に適用される。ボイラの発生蒸気
量を検出するための流量計を有し、この流量計で検出さ
れた発生蒸気量と発生蒸気量目標値との間の発生蒸気量
偏差に基づいて、ゾーン毎の一次燃焼空気量配分比を調
整して発生蒸気量を制御する発生蒸気量制御系を備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はごみ焼却炉の燃焼制
御方式に関し、特に燃焼排ガスの熱エネルギーを利用す
るボイラを備えたごみ焼却炉において、ボイラの発生蒸
気量を安定化するための燃焼制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみを対象としたストーカ式ごみ焼
却炉では、多種多様なごみを炉内に供給し燃焼させるた
め、燃焼状態が時間的に変化する。一般に、燃焼の自動
制御では、この変化に応じてごみの供給量、ごみの移送
量、一次燃焼空気量・温度と、そのストーカゾーンへの
配分比、二次燃焼空気量・温度などを操作し燃焼を安定
させる。
【0003】本発明者らは、これらに加えストーカ下と
炉内の差圧及びそこを流れる燃焼空気流量を計測し、ご
みの無い状態で事前に測定したデータと比較してごみ層
の厚さを推定し、炉内のごみの量・堆積状況として捉
え、その形状を一定に制御することで燃焼の安定化を図
る方法を提案(特許第3030614号)した。
【0004】また、これに加えストーカの温度を制御
量、ごみ層の形状、特に厚さを操作量として想定し、そ
れらを考慮してストーカ動作、燃焼空気量配分比を操作
することで、異常高温による機器へのダメージを最小限
にとどめ、さらに緊急避難的な燃焼制御による公害の発
生をなくす方法も提案(例えば、特願平10−6510
1号)した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法によ
る燃焼の安定化だけでは、廃熱有効利用の観点から求め
られている高いレベルでの発生蒸気量一定化制御を長期
間にわたって実現することは困難である。発生蒸気量一
定化制御というのは、通常、都市ごみを対象としたごみ
焼却炉では、廃熱利用の観点から、炉に続く燃焼排ガス
の排出ダクトに蒸気発生用の熱交換器(ボイラ)が配設
されており、ここで発生される蒸気量はできるだけ一定
になるように制御する必要があるからである。
【0006】一方、都市ごみを対象としたごみ焼却炉に
は、自動燃焼制御系(以下、ACCと呼ぶ)が組み合わ
されている。従来のACCでは、制御目標である発生蒸
気量の偏差に関連する値をフィードバックして、ごみの
供給速度や燃焼空気量を操作することが行われている。
しかし、ごみ焼却炉における燃焼プロセスの特徴とし
て、これらの操作に対する発生蒸気量応答の時定数は5
〜10分程度と長く、また無駄時間もあるのが普通であ
る。このため、ごみ質の変動による燃焼状態の変化に伴
って起きる発生蒸気量の変動を、ごみの供給速度や燃焼
空気量の操作によりフィードバック補償する場合、その
応答が1〜2時間にわたって振動してしまったり、場合
によっては自動燃焼制御の継続が不能となることがあ
る。
【0007】このような状況を回避するため、ごみ層厚
や燃焼位置を計測し、それらに基づいたフィードフォワ
ードによるごみの供給速度や燃焼空気量操作を加えるこ
とにより燃焼の安定化を図る方法が種々提案されている
が、フィードバック系の応答を改善する手段は提案され
ていない。
【0008】本発明の課題は、炉内に供給する全体とし
ての燃焼空気量を変えることなく発生蒸気量を従来以上
に安定的に制御目標値へと一致させることのできるごみ
焼却炉の燃焼制御方式を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるごみ焼却炉
の燃焼制御方式は、炉内底部に設けられて燃焼すべきご
みを載置して炉内をごみの入り口側から出口側に移動さ
せる複数のゾーンからなるストーカと、前記複数のゾー
ン毎に前記ストーカの下側から空気量調整用のダンパを
介して一次燃焼空気を供給するためのダクトとを備え、
燃焼排ガスの出口ダクトには熱交換により蒸気を発生す
るためのボイラを備えたごみ焼却炉において、前記ボイ
ラの発生蒸気量を検出するための流量計を有し、該流量
計で検出された発生蒸気量と発生蒸気量目標値との間の
発生蒸気量偏差に基づいて、ゾーン毎の一次燃焼空気量
配分比を調整して発生蒸気量を制御する第1の発生蒸気
量制御系を備えたことを特徴とする。
【0010】前記第1の発生蒸気量制御系は、各ゾーン
のストーカ温度、ごみ層厚、燃焼位置、燃え切り点の各
種情報に基づいて燃焼が最も盛んなゾーンを検出するた
めの知識ベースと、前記発生蒸気量偏差と前記各種情報
と前記知識ベースの検出結果とに基づいて、前記燃焼が
最も盛んなゾーンとその他のゾーンの間の一次燃焼空気
量配分比を制御するためのコントローラとを含む。
【0011】蒸気の燃焼制御方式においてはまた、前記
コントローラは、各ゾーンの一次燃焼空気量配分比を、
それらの増減分の総和が0になるように制御する。
【0012】本発明によればまた、炉内底部に設けられ
て燃焼すべきごみを載置して炉内をごみの入り口側から
出口側に移動させる複数のゾーンからなるストーカと、
前記複数のゾーン毎に前記ストーカの下側から空気量調
整用のダンパを介して一次燃焼空気を供給するためのダ
クトとを備え、燃焼排ガスの出口ダクトには熱交換によ
り蒸気を発生するためのボイラを備えたごみ焼却炉にお
いて、前記ボイラの発生蒸気量を検出するための流量計
を有し、該流量計で検出された発生蒸気量と発生蒸気量
目標値との間の発生蒸気量偏差に基づいて、ゾーン毎の
ストーカ速度を調整して発生蒸気量を制御する第2の発
生蒸気量制御系を備えたことを特徴とするごみ焼却炉の
燃焼制御方式が提供される。
【0013】前記第2の発生蒸気量制御系は、各ゾーン
のストーカ温度、ごみ層厚、燃焼位置、燃え切り点の各
種情報に基づいて燃焼が最も盛んなゾーンを検出するた
めの知識ベースと、前記発生蒸気量目標値と前記各種情
報とにより各ゾーンのストーカ速度を設定するためのご
み層厚コントローラと、前記発生蒸気量偏差と前記知識
ベースの検出結果とに基づいて、前記燃焼が最も盛んな
ゾーンとその他のゾーンのストーカ速度の補正値を算出
するための蒸気量コントローラと、前記ごみ層厚コント
ローラで設定された各ゾーンのストーカ速度と前記蒸気
量コントローラで算出された各ゾーンのストーカ速度の
補正値とを加算してストーカに出力する加算手段とを含
む。
【0014】本発明によれば更に、前記第1の発生蒸気
量制御系と前記第2の発生蒸気量制御系とを備えたこと
を特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方式が提供される。
【0015】
【作用】本発明によるごみ焼却炉の燃焼制御方式は、従
来のACCに加えて、画像処理やストーカ温度などの情
報に基づいて燃焼がもっとも盛んな場所を判断し、そこ
への一次燃焼空気量配分比を、発生蒸気量とその目標値
との間の偏差とそれに関連する値のフィードバックによ
り操作することで、炉内に供給する全体としての一次燃
焼空気量を変えることなく発生蒸気量を従来以上に安定
的に制御目標値へと一致させることができる。
【0016】これにより、従来のACCによる一次燃焼
空気量操作及びごみ供給量操作出力を小さく抑える結果
となり、相乗的に燃焼状態が安定し、長期間にわたって
安定的に発生蒸気量一定化を実現することが可能とな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明が適用さ
れるごみ焼却炉について説明する。図1は水平ストーカ
式ごみ焼却炉とその計装系の構成を示す概略断面図であ
る。焼却すべきごみ11はホッパ12に供給され、ホッ
パ12の底部に設けられたフィーダ13の周期的なオン
/オフ動作により、焼却炉の炉内14に供給される。炉
内14の底部には炉内14に供給されたごみ11を載置
し、炉内14の出口15、すなわち焼却灰の出口に向か
ってごみを移動させるストーカ16が設けられている。
ストーカ16は、ここでは4つのゾーン16−1〜16
−4に分割され、各ゾーン毎にストーカ16の速度、す
なわちごみの移送速度を操作できる構成になっている。
【0018】また、ストーカ16の下側には一次燃焼空
気17を供給するためのダクト18が設けられている。
このダクト18はストーカ16の各ゾーン16−1〜1
6−4の下側にそれぞれ開口する4つの開口部18−1
〜18−4を備えている。4つの開口部18−1〜18
−4のダクト18からの分岐部には、ストーカ16の各
ゾーン16−1〜16−4への一次燃焼空気17の供給
量を制御するためのダンパ19−1〜19−4が設けら
れている。また、各ダンパ19−1〜19−4とストー
カ16の各ゾーン16−1〜16−4間の開口部18−
1〜18−4内にはそれぞれ圧力計20−1〜20−4
と流量計21−1〜21−4が設置されており、ストー
カ16のゾーン16−1〜16−4毎の圧力、空気流量
を計測できるように構成されている。
【0019】他方、炉内14には圧力計22が設けられ
ており、炉内圧力を測定する。炉内14にはまた、二次
燃焼空気供給口23が設けられ、炉内14に二次燃焼空
気24が送り込まれる。更に、炉内14の出口15付近
の内壁には炉内14のごみの堆積状態や燃焼状態を撮像
するための炉内カメラ25が設けられている。炉内14
の天井部分には燃焼排ガス26の排出ダクト27が設け
られている。排出ダクト27には酸素濃度計28が設け
られている。そして、一次燃焼空気17を供給するダク
ト18内及び二次燃焼空気供給口23内にはそれぞれ流
量計29、30が設置されている。
【0020】ごみ焼却炉にはまた、温度測定装置が設け
られている。すなわち、ストーカ16には各ゾーン毎に
それぞれ、ストーカの温度を測定するための温度測定装
置31−1〜31−4が設けられている。ここでは、各
ゾーンを代表する位置のストーカに直接熱電対が埋め込
まれて温度測定が行われる。
【0021】ごみ焼却炉には更に、排出ダクト27に熱
交換用のボイラ40が設けられ、ボイラ40の発生する
蒸気量を検出してフィードバックするための流量計41
が設置されている。
【0022】上記のように、都市ごみを対象としたごみ
焼却炉では、ストーカを3〜5ゾーンに分割し、各ゾー
ンに対してそれぞれストーカの速度及びON/OFF、
一次燃焼空気量配分比をダンパ等で操作することができ
るようにしている。一次・二次燃焼空気の総量を操作す
ることもできる。ホッパ12から炉内14へのごみの供
給は、フィーダ13の動作周期操作及びON/OFFに
て行う。炉内14におけるごみ層の形成に関しては、各
ゾーンのごみ層厚を制御することで実現している。この
ごみ層厚制御は、目標値を各ストーカ温度、現在の各ご
み層厚や画像処理などによる燃え切り点の情報に基づい
て知識ベース等から求め、制御偏差のフィードバックに
より、ごみの供給速度及びON/OFF、ストーカ速度
及びON/OFF、一次燃焼空気量配分比のダンパによ
る操作を行って実現している。
【0023】詳細は、上記した特許第3030614
号、特願平9−190883号及び上記した特願平10
−65101号に詳しく開示されているので、詳しい説
明は省略する。
【0024】本形態は、上記の方法で安定的に自動燃焼
制御が行われているごみ焼却炉に、図2に示す、一次燃
焼空気量配分比操作による発生蒸気量制御系を備えてい
る。この発生蒸気量制御系では、燃焼が最も盛んな場所
への一次燃焼空気の配分比とその他の部分への配分比
を、発生蒸気量の検出値をフィードバックして発生蒸
気量目標値との偏差に基づいて操作すること、それに
合わせて燃焼がもっとも盛んな場所へのごみ供給量の加
減を行うことで、発生蒸気量を一定に制御する自動焼制
御方式である。
【0025】以下に、本形態の作用について説明する。
一般的に、フィーダ13により炉内14に供給されたご
みは、既に炉内14で燃焼しているごみの燃焼による輻
射や、乾燥を主目的としたストーカ16のゾーン16−
1のストーカ下部から供給される乾燥用燃焼空気によ
り、ストーカ動作による移動とともに徐々に乾燥され昇
温していく。燃焼を主目的とするストーカ16のゾーン
16−2に移送される頃に燃焼が始まり、そのゾーン1
6−2の終わりに到達するまで、ストーカ下部から燃焼
空気の供給を受け激しく燃焼する。後燃焼を主目的とし
たゾーン16−3に移送される頃には、主として燃え残
った炭素成分がゆっくりと燃焼する後燃焼へと移行して
いく。この時もストーカ下部から燃焼空気の供給を受け
るが、燃焼を主目的とした部分よりもずっと少ない量の
供給となる。
【0026】以上の燃焼プロセスの結果得られた燃焼排
ガスの熱エネルギーをボイラ40で回収していることか
ら、ボイラ40での発生蒸気量を一定に制御するために
は、1.ごみ供給、乾燥、燃焼、後燃焼といったプロセ
ス全体の安定化と、2.燃焼が最も盛んに起こっている
部分への適切な一次燃焼空気量配分比及びごみ移送が要
求される。
【0027】ここで述べた、燃焼が最も盛んに起こって
いる部分への適切な一次燃焼空気量配分比及びごみ移送
については、従来あまり考慮されていない。従来、発生
蒸気量の一定化には、全体的なごみ移送プロセスのサイ
クルを増減する方法及び全体的な一次燃焼空気量の増減
に頼っている。その場合、プロセス全体がそれらの操作
に応答するまでの時間が長く、また一次燃焼空気量の急
激な増減操作は、炉内圧力の変動につながったり、排ガ
ス処理プロセスに悪影響を与えることがあるので困難
で、このため発生蒸気量の一定化には限界があった。
【0028】本形態による燃焼制御方式では、プロセス
全体の安定化に関しては、前に述べたようにごみ層形
状、特にごみ層厚の制御により実現されているものとし
て、燃焼が最も盛んに起こっている部分への適切な一次
燃焼空気量配分比及びそれに伴うごみ移送操作にポイン
トを置いている。
【0029】本形態による燃焼制御方式は、燃焼がもっ
とも盛んな部分の判断と、その部分への一次燃焼空気量
配分比、ごみ移送の増減を逐次繰り返すことで実現され
る。
【0030】燃焼がもっとも盛んな部分は、各ストーカ
温度、現在のごみ層厚、燃焼位置、燃え切り点等の各種
情報に基づいて、知識べース等によりストーカゾーンと
して特定される(図2参照)。なお、ストーカ温度は温
度計31−1〜31−4により測定され、ごみ層厚、燃
焼位置、燃え切り点の検出方法は、上記した提案の明細
書に詳しく説明されているので、ここでは説明は省略す
る。
【0031】図3には、知識べースによる燃焼が最も盛
んなゾーンの検出例を示している。一例を説明すると、
図3(a)では、ストーカ温度が、ゾーン16−1では
適温、ゾーン16−2ではやや高温、ゾーン16−3で
はやや低温、ゾーン16−4では適温であり、ごみ層厚
については、ゾーン16−1〜16−4のいずれでも標
準であり、燃焼位置がゾーン16−2、燃え切り点位置
がゾーン16−3である場合、燃焼が最も盛んなゾーン
はゾーン16−2であると検出される。
【0032】一方、一次燃焼空気量配分比操作は、図2
に示されるように、知識ベースを持つ蒸気量コントロー
ラと、一次燃焼空気量配分比コントローラとにより実現
される。蒸気量コントローラは、流量計41で検出され
た発生蒸気量と目標値との偏差、特定された燃焼がもっ
とも盛んなゾーン、ストーカ温度、ごみ層厚、燃焼位
置、燃え切り点位置等の情報を受けて各ゾーンの燃焼空
気目標値を出力し、これらの各ゾーンの燃焼空気目標値
と実際の各ゾーンの燃焼空気流量比との偏差を受けて、
一次燃焼空気量配分比コントローラは各ゾーンの一次燃
焼空気量配分比を制御する。すなわち、上記の知識ベー
ス等で特定された、燃焼がもっとも盛んなストーカゾー
ンとその前後のストーカゾーンとの間で、プロセス全体
を安定化させる目的であらかじめ決定された一次燃焼空
気量配分比を、その増減幅について発生蒸気量と目標値
との偏差及びそれに関連する値(例えば、微分値、積分
値)に基づいて、ごみ層厚制御、燃焼位置・燃え切り点
制御に影響を与えない範囲で知識ベース等により決定し
た後、増減させる。なお、実際の各ゾーンの一次燃焼空
気量配分比は、図1に示された各ダンパ19−1〜19
−4の開度、圧力計20−1〜20−4、流量計21−
1〜21−4の検出値により算出される。
【0033】知識ベースとしては、例えばファジー推論
があげられる。
【0034】図4は、一次燃焼空気量配分比操作による
発生蒸気量制御例を示している。例えば、発生蒸気量偏
差が正で、燃焼位置がゾーン16−2にある場合は、燃
焼を促進させることを目的として、燃焼がもっとも盛ん
なゾーン16−2の一次燃焼空気量配分比を発生蒸気量
偏差及びそれに関連する値に応じて増加させ、それより
後段にあるゾーン16−3、16−4の配分比をゾーン
16−2の配分比を増加させた分だけ減少させる。すな
わち、ゾーン16−2の配分比の増加は0.1、ゾーン
16−3、16−4の配分比の減少はそれぞれ、0.0
3、0.07で、その和(0.03+0.07)はゾー
ン16−2の配分比の増加分0.1に等しい。
【0035】この時、ごみ移送操作については、一次燃
焼空気量配分比の操作が燃焼プロセス全体に与える影響
を少なくするため、発生蒸気量目標値やストーカ温度制
御等を考慮したごみ層厚制御及び燃焼位置・燃え切り点
制御により決定された各ゾーンのストーカ速度を、その
増減幅について発生蒸気量の偏差及びそれに関連する値
(例えば、微分値、積分値)に基づいて、ごみ層厚制
御、燃焼位置・燃え切り点制御に影響を与えない範囲で
知識ベース等により決定した後、増減させる。
【0036】図5は、ストーカによるごみ移送速度補正
操作により発生蒸気量を制御するための制御系を示して
いる。図5において、ごみ移送速度補正操作は、図2で
説明したのと同じストーカゾーン検出知識ベースと、発
生蒸気量目標値と各ゾーンのストーカ温度、各ゾーンの
ごみ層厚、燃焼位置、燃え切り点等の各種情報により各
ゾーンのストーカ速度を設定する、知識ベースを内蔵し
たごみ層厚コントローラと、知識ベースを持つ蒸気量コ
ントローラとにより実現される。ごみ層厚コントローラ
は上記した提案の明細書に説明されているので、詳しい
説明は省略する。
【0037】蒸気量コントローラは、流量計41で検出
された発生蒸気量と発生蒸気量目標値との偏差、知識ベ
ースで特定された燃焼がもっとも盛んなゾーンとに基づ
いて、ごみ層厚制御、燃焼位置・燃え切り点制御に影響
を与えない範囲で各ゾーンのストーカ速度設定補正値を
決定して出力する。これらのストーカ速度設定補正値
は、加算器によりごみ層厚コントローラからの各ゾーン
のストーカ速度設定値に加算され、ストーカ16に速度
指令値として与えられる。
【0038】図6は、ストーカによるごみ移送速度補正
操作による発生蒸気量制御例を示している。例えば、発
生蒸気量偏差が正で、燃焼のもっとも盛んなゾーンが1
6−2である場合、ゾーン16−2のストーカ速度増分
を他のストーカゾーンの速度増分より大きく設定し、各
ゾーンのストーカ速度を増加させる。なお、ストーカ操
作については、これまでのACCにおいて行われている
制御と同じであるので、詳しい説明は省略する。
【0039】勿論、本発明は、図2の一次燃焼空気量配
分比操作による発生蒸気量制御系と、図5のストーカに
よるごみ移送速度補正操作による発生蒸気量制御系の両
方を備ていても良い。この場合、蒸気量コントローラは
前述した2種類の機能を持つ1つのコントローラで実現
でき、ストーカゾーン検出知識ベースも1つのものを兼
用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、ボイラの発生蒸気量制御系と一般のACCとを組み
合わせることで、発生蒸気量一定化を従来以上に安定し
て達成し、蒸気タービン発電などによる廃熱利用効率の
向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される水平ストーカ式ごみ焼却炉
とその計装系の構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の一次燃焼空気量配分比操作による発生
蒸気量制御系を示した図である。
【図3】本発明に適用される知識べースによる燃焼が最
も盛んなゾーンの検出例を説明するための図である。
【図4】本発明に適用される燃焼空気配分比操作による
発生蒸気量制御例を説明するための図である。
【図5】本発明のごみ移送操作による発生蒸気量制御系
を示した図である。
【図6】本発明に適用されるごみ移送操作による発生蒸
気量制御例を説明するための図である。
【符号の説明】
11 ごみ 12 ホッパ 13 フィーダ 14 炉内 15 出口 16 ストーカ 16−1〜16−4 ゾーン 17 一次燃焼空気 20、20−1〜20−4、22 圧力計 21、21−1〜21−4、29、30 流量計 23 二次燃焼空気供給口 24 二次燃焼空気 25 炉内カメラ 26 燃焼排ガス 27 燃焼排ガス排出口 28 酸素濃度計 31−1〜31−4 温度測定装置 40 ボイラ 41 発生蒸気量を検出するための流量計

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内底部に設けられて燃焼すべきごみを
    載置して炉内をごみの入り口側から出口側に移動させる
    複数のゾーンからなるストーカと、前記複数のゾーン毎
    に前記ストーカの下側から空気量調整用のダンパを介し
    て一次燃焼空気を供給するためのダクトとを備え、燃焼
    排ガスの出口ダクトには熱交換により蒸気を発生するた
    めのボイラを備えたごみ焼却炉において、 前記ボイラの発生蒸気量を検出するための流量計を有
    し、該流量計で検出された発生蒸気量と発生蒸気量目標
    値との間の発生蒸気量偏差に基づいて、ゾーン毎の一次
    燃焼空気量配分比を調整して発生蒸気量を制御する第1
    の発生蒸気量制御系を備えたことを特徴とするごみ焼却
    炉の燃焼制御方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃焼制御方式において、 前記第1の発生蒸気量制御系は、 各ゾーンのストーカ温度、ごみ層厚、燃焼位置、及び燃
    え切り点の各種情報に基づいて燃焼が最も盛んなゾーン
    を検出するための知識ベースと、 前記発生蒸気量偏差と前記各種情報と前記知識ベースの
    検出結果とに基づいて、前記燃焼が最も盛んなゾーンと
    その他のゾーンの間の一次燃焼空気量配分比を制御する
    ためのコントローラとを含むことを特徴とするごみ焼却
    炉の燃焼制御方式。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の燃焼制御方式において、
    前記コントローラは、各ゾーンの一次燃焼空気量配分比
    を、それらの増減分の総和が0になるように制御するこ
    とを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方式。
  4. 【請求項4】 炉内底部に設けられて燃焼すべきごみを
    載置して炉内をごみの入り口側から出口側に移動させる
    複数のゾーンからなるストーカと、前記複数のゾーン毎
    に前記ストーカの下側から空気量調整用のダンパを介し
    て一次燃焼空気を供給するためのダクトとを備え、燃焼
    排ガスの出口ダクトには熱交換により蒸気を発生するた
    めのボイラを備えたごみ焼却炉において、 前記ボイラの発生蒸気量を検出するための流量計を有
    し、該流量計で検出された発生蒸気量と発生蒸気量目標
    値との間の発生蒸気量偏差に基づいて、ゾーン毎のスト
    ーカ速度を調整して発生蒸気量を制御する第2の発生蒸
    気量制御系を備えたことを特徴とするごみ焼却炉の燃焼
    制御方式。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の燃焼制御方式において、 前記第2の発生蒸気量制御系は、 各ゾーンのストーカ温度、ごみ層厚、燃焼位置、燃え切
    り点の各種情報に基づいて燃焼が最も盛んなゾーンを検
    出するための知識ベースと、 前記発生蒸気量目標値と前記各種情報とにより各ゾーン
    のストーカ速度を設定するためのごみ層厚コントローラ
    と、 前記発生蒸気量偏差と前記知識ベースの検出結果とに基
    づいて、前記燃焼が最も盛んなゾーンとその他のゾーン
    のストーカ速度の補正値を算出するための蒸気量コント
    ローラと、 前記ごみ層厚コントローラで設定された各ゾーンのスト
    ーカ速度と前記蒸気量コントローラで算出された各ゾー
    ンのストーカ速度の補正値とを加算してストーカに出力
    する加算手段とを含むことを特徴とするごみ焼却炉の燃
    焼制御方式。
  6. 【請求項6】 炉内底部に設けられて燃焼すべきごみを
    載置して炉内をごみの入り口側から出口側に移動させる
    複数のゾーンからなるストーカと、前記複数のゾーン毎
    に前記ストーカの下側から空気量調整用のダンパを介し
    て一次燃焼空気を供給するためのダクトとを備え、燃焼
    排ガスの出口ダクトには熱交換により蒸気を発生するた
    めのボイラを備えたごみ焼却炉において、 前記ボイラの発生蒸気量を検出するための流量計を有
    し、該流量計で検出された発生蒸気量と発生蒸気量目標
    値との間の発生蒸気量偏差に基づいて、ゾーン毎の一次
    燃焼空気量配分比を調整して発生蒸気量を制御する第1
    の発生蒸気量制御系と、 前記流量計で検出された発生蒸気量と発生蒸気量目標値
    との間の発生蒸気量偏差に基づいて、ゾーン毎のストー
    カ速度を調整して発生蒸気量を制御する第2の発生蒸気
    量制御系とを備えたことを特徴とするごみ焼却炉の燃焼
    制御方式。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の燃焼制御方式において、 前記第1の発生蒸気量制御系は、 各ゾーンのストーカ温度、ごみ層厚、燃焼位置、燃え切
    り点の各種情報に基づいて燃焼が最も盛んなゾーンを検
    出するための知識ベースと、 前記発生蒸気量偏差と前記各種情報と前記知識ベースの
    検出結果とに基づいて、前記燃焼が最も盛んなゾーンと
    その他のゾーンの間の一次燃焼空気量配分比を制御する
    ためのコントローラとを含み、 前記第2の発生蒸気量制御系は、 前記知識ベースと、 前記発生蒸気量目標値と前記各種情報とにより各ゾーン
    のストーカ速度を設定するためのごみ層厚コントローラ
    と、 前記発生蒸気量偏差と前記知識ベースの検出結果とに基
    づいて、前記燃焼が最も盛んなゾーンとその他のゾーン
    のストーカ速度の補正値を算出するための蒸気量コント
    ローラと、 前記ごみ層厚コントローラで設定された各ゾーンのスト
    ーカ速度と前記蒸気量コントローラで算出された各ゾー
    ンのストーカ速度の補正値とを加算してストーカに出力
    する加算手段とを含むことを特徴とするごみ焼却炉の燃
    焼制御方式。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004232960A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Kubota Corp ゴミ焼却炉
JP2014163522A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Ebara Refrigeration Equipment & Systems Co Ltd 吸収ヒートポンプ及び吸収ヒートポンプの運転方法
JP2022076570A (ja) * 2020-11-10 2022-05-20 学校法人東京電機大学 ごみ焼却処理施設の燃焼制御装置及び燃焼制御方法

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