JP2005308362A - ごみ焼却炉の燃焼制御方法及びごみ焼却炉 - Google Patents

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拓幸 島本
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聡 藤井
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雅明 西野
Yasuhiro Miyakoshi
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Abstract

【課題】
ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近における燃焼完了位置の変動を抑制、或いは、O2 濃度の変動を抑制することで、排ガス中の有害物質の抑制、及び、ボイラ配管の高寿命化を図ることが可能なごみ焼却炉の燃焼制御方法及びごみ焼却炉を提供する。
【解決手段】
ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近の、ガス流れ方向に沿った複数個所の温度計測結果に基づいてガス燃焼完了位置を推定し、該推定したガス燃焼完了位置が所定の位置となるように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を調整する。
または、ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近の、ガス流れ方向に沿った複数個所の温度を計測し、該計測した複数個所における温度の、温度差の変化傾向に基づいて、設計上のガス燃焼完了位置から下流側での排ガス中O2濃度を所定範囲内とするように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス中の有害物質の抑制、ボイラ配管の高寿命化を目的としたごみ焼却炉の運転制御方法及びごみ焼却炉に関する。
一般に、ごみ焼却炉の燃焼用空気としては、火格子下から供給される一次燃焼用空気と炉内に直接供給される二次燃焼用空気とに分けることができる。これらの燃焼用空気量の制御、給じん速度、及び、火格子の送り速度等の調整を行うことでごみの安定燃焼を実現し、排ガス中のダイオキシン類や窒素酸化物の発生量の抑制、熱回収効率の向上を図っている。
前記炉内に供給される一次燃焼用空気と二次燃焼用空気の合計量は、従来のごみ焼却炉では、ごみの燃焼に必要な理論空気量の1.7〜1.9倍程度(空気比)の過剰な状態で操業されるのが一般的であるが、この場合、空気過剰な状態で燃焼された排ガスからの熱回収となるため、ボイラでの熱回収が効率的に行われないといった問題があった。また、ごみの燃焼によって発生する排ガス量が多くなるため、ごみ焼却プラントの下工程設備にある排ガス処理装置、誘引ブロワ等の設備も排ガス量に対応して大型の設備を必要としていた。
一方、最近では、ごみ焼却炉の上記問題点を解決するため、ごみの燃焼に必要な理論空気量の1.3倍程度の低空気比下で燃焼を行う技術が開発されている。
前記低空気比下での燃焼は、燃焼用空気量を減らして過剰な空気の供給を減らすことで、炉から排出される排ガス量が少なくなるため、下工程の排ガス処理設備の負荷が低減でき、ボイラでの熱回収効率の向上が可能である。また過剰な空気による燃焼場での温度低下が防止できるので、高温状態での可燃性(未燃)ガス滞留時間の確保が可能なため、可燃性ガスを完全燃焼させるために必要なO2量が確保できれば、ダイオキシン類や未燃ガスの発生量の抑制が可能である(例えば、特許文献1参照)。さらに、低空気比での燃焼であるため、窒素酸化物(NOx)の低減も可能である。
しかし、燃料がごみであり、その性状や供給量は変動するため、燃焼用空気量が少ないと、ごみの乾燥、燃焼、灰化までの燃焼プロセスを安定に維持することが困難となる。このため、一次燃焼用空気に酸素を富化し燃焼用空気の酸素濃度を高くする方法や、炉から排出された排ガスを再度炉内に戻し循環させる方法で燃焼を安定化させる方法がある(例えば、特許文献2参照)。
また、他の方法として、燃焼に必要な燃焼用空気の量を減らし、下工程設備の負荷を軽減し、熱回収効率を向上させるために、昇温した高温混合ガス(高温空気と排ガスとの混合ガス)をごみが燃焼している表面上に供給することで、燃焼用空気の合計量を減らし空気比1.3程度で完全燃焼を実現させようとする方法もある(例えば、特許文献3参照)。
特開平10−332120号公報 特開2002−267132号公報 特開2000−199620号公報
ごみ焼却炉の燃焼においては、ごみの性状変化やごみ供給量の変動により、燃焼温度やO2 濃度などの燃焼雰囲気の変動が発生し、炉出口付近において、ごみより発生した可燃性ガスの燃焼完了位置は変動する。炉出口付近、つまり、設計上の燃焼完了位置までに可燃性ガスの燃焼が完了せず、燃焼完了位置がガス流れ方向下流側に移行した場合、例えば、発電を目的としてボイラ設備を備えたごみ焼却炉においては、炉出口付近において可燃性ガスの完全燃焼が行われず、未燃の可燃性ガスによりボイラ配管の腐食が促進されるといった問題が発生する可能性が高い。特に、前述の低空気比運転(空気比1.3程度)の焼却炉では、通常の空気比運転(空気比1.7〜1.9程度)の焼却炉と比べ、ごみ中の可燃分に対してより少ないO2 供給比で燃焼を行っているため、ごみの性状変化やごみ供給量の変動に対して燃焼完了位置が大きく変動する可能性が高く、燃焼完了位置の変動を抑制することは、ボイラ配管の腐食防止のためにも重要である。しかし、従来から燃焼完了位置の変動に着目した制御は行われていないのが現状である。
また、ごみの性状等が変動すると、炉出口での燃焼(排気)ガス中のO2 濃度の変動が発生する。炉出口での燃焼(排気)ガス中のO2 濃度が低い場合、O2 不足によるCOを発生させ、さらに、CO濃度との相関が高いとされるダイオキシン類を発生させる原因となる。一方、炉出口での燃焼(排気)ガス中のO2 濃度が高い場合、O2 過多によるNOxや温度低下による燃焼不活性化によるCOが発生する。
従って、炉出口での燃焼(排気)ガス中のO2 濃度変動を正確に把握し、O2 供給量及び燃焼速度を制御することが、CO、ダイオキシン類、NOx等の有害物質の発生量を抑制させるために重要である。
さらに、前述の低空気比運転(空気比1.3程度)の焼却炉においては、上述したように、通常の空気比運転(空気比1.7〜1.9程度)の焼却炉と比べ、ごみ中の可燃分に対してより少ないO2 供給比で燃焼を行っているので、炉出口での燃焼(排気)ガス中のO2 濃度が大きく変動する可能性が高く、炉出口での燃焼(排気)ガス中のO2 濃度の変動を抑制することが、CO、ダイオキシン類、NOx等の有害物質の発生量を抑制するために一層重要となる。
ごみ焼却炉におけるO2 濃度管理方法としては、例えば、除塵後の燃焼ガスを、サンプリングプローブ等を使用して吸引し、排ガス分析装置を使用してO2 濃度を計測する方法が知られている。この除塵後の燃焼ガスのO2 濃度計測値を途中の流入空気等を考慮して炉出口O2 濃度に推定換算した値をフィードバックし、一次燃焼用空気、二次燃焼用空気、及び、給じん速度等を制御することでO2 濃度を安定化させていた。しかし、前記のO2 濃度の計測方式では、除塵後のガスをサンプリングプローブ等で吸引しているため、実際に管理すべき炉出口でのO2 濃度と比べ、2〜3分程度の計測遅れがある。この計測遅れの大きい方式では、燃焼の変動に対しての制御が遅くなり、CO濃度ピークが発生する頻度が高くなる。一方、サンプリングプローブを使用しない方法として、直接挿入型のジルコニアO2 濃度計を用いる方法もある。この方法は、応答速度が5秒以内と速いが、設置場所の温度やダストの条件に制限があり、それらを考慮すると炉出口位置よりかなり下流側に設置しなければならず、実際の炉出口でのO2 濃度と比べ、10〜20秒程度の遅れが発生し、前記サンプリングプローブを使用した方法に比べて少ないとはいえ、CO濃度ピークが発生する頻度が高くなる。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、炉出口付近における燃焼完了位置の変動を抑制、或いは、炉出口付近におけるO2 濃度の変動を抑制することで、排ガス中の有害物質の抑制、及び、ボイラ配管の高寿命化を図ることが可能なごみ焼却炉の燃焼制御方法及びごみ焼却炉を提供することを目的とする。
上記の課題は次の発明により解決される。
[1]ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近の、ガス流れ方向に沿った複数個所の温度計測結果に基づいてガス燃焼完了位置を推定し、
該推定したガス燃焼完了位置が所定の位置となるように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を調整することを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方法。
[2]ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近の、ガス流れ方向に沿った複数個所の温度を計測し、
該計測した複数個所における温度の、温度差の変化傾向に基づいて、設計上のガス燃焼完了位置から下流側での排ガス中O2濃度を所定範囲内とするように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を調整することを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方法。
[3]ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近の、ガス流れ方向に沿った複数個所の温度を計測し、
該計測した複数個所における温度の、温度差の変化傾向に基づいて、設計上のガス燃焼完了位置から下流側での排ガス温度、又は、排ガス中NOx濃度を所定範囲内とするように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を調整することを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方法。
[4]上記[1]乃至[3]のいずれかにおいて、ごみ焼却炉の操作端が、二次燃焼用空気及び/又はごみの給じん速度であることを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方法。
[5]ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近に、ガス流れ方向に沿って設けた複数の温度計測手段と、
該温度計測手段により計測された温度に基づいて、ガス燃焼完了位置を推定し、該推定したガス燃焼完了位置が所定の位置となるように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を制御する制御装置とを備えたことを特徴とするごみ焼却炉。
[6]ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近に、ガス流れ方向に沿って設けた複数の温度計測手段と、
該温度計測手段により計測された複数個所における温度の、温度差の変化傾向に基づいて、炉出口での排ガス中O2濃度を所定範囲内とするように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を制御する制御装置とを備えたことを特徴とするごみ焼却炉。
本発明によれば、炉出口付近における燃焼完了位置の変動を抑制、或いは、炉出口付近におけるO2 濃度の変動を抑制することで、排ガス中の有害物質の抑制、及び、ボイラ配管の高寿命化を図ることが可能なごみ焼却炉の燃焼制御方法及びごみ焼却炉が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例を説明する。
図1は、本発明に係るごみ焼却炉の一実施形態を示す概略構成図である。
図1に示すごみ焼却炉は、火格子4を有する全連型(24時間連続運転)のストーカ式ごみ焼却炉であり、ホッパ1、燃焼室2、燃焼室2の出口側に設けられたガス混合室3、ガス混合室3の下流側に設置されたボイラ7を備えている。なお、本発明が適用されるのは、ストーカ式ごみ焼却炉に限定されるものではなく、ボイラ設備が設置されている焼却炉全般或いはガスクーラー式の焼却炉にも適用可能である。
図1において、クレーンでホッパ1に投入されたごみは、給じん装置5によって燃焼室2内の火格子4上に送り込まれる。火格子4は往復運動し、その往復運動によってごみの撹拌および移動が行われる。火格子4下をごみ搬送方向に4つの領域に分割した風箱(上流側からNo.1,No.2,No.3,No.4)から燃焼室2内に一次燃焼用空気が供給される。燃焼室2内に供給された火格子上のごみは、火格子4上を移動しながら、火格子4下から供給される一次燃焼用空気によって、乾燥、燃焼、後燃焼が行われ灰となり、灰落下口6より外部に排出される。
一次燃焼用空気は、一次燃焼用空気ブロア8により各風箱を介して火格子4の下から燃焼室2内に供給される。また、各風箱に供給される一次燃焼用空気の量は、各風箱に一次燃焼用空気を供給する各配管に設けられた火格子下一次燃焼用空気ダンパ9a,9b,9c,9dにより調整される。なお、図3に示した例では、火格子4の下をごみ搬送方向に対し4つの風箱(No.1からNo.4)で分割して一次燃焼用空気を供給する構成としているが、ごみ焼却炉の規模及び目的に応じて適宜変更可能であり4つの風箱の場合に限られるものではないことは言うまでもない。
また、低空気比下での燃焼においては、燃焼室2内の火格子4上のごみが燃焼している表面上には、灯油等の燃料を燃焼させることによって加熱した高温空気とボイラ7出口から排出される排ガスを混合した混合ガスが供給され、ごみ層から発生した可燃性(未燃)ガスを燃焼させる。なお、低空気比下での燃焼方法としては、前記灯油等の燃料を燃焼させることによって加熱した高温空気とボイラ7出口から排出される排ガスを混合ガスを火格子4上のごみが燃焼している表面上に供給する方法に限られず、従来から用いられている他の方法を用いてもかまわない。
ガス混合室3内には、二次燃焼用空気ブロア10からの二次燃焼用空気が供給され、燃焼室2内で燃焼しきれなかった燃焼排ガス中の可燃性ガスを完全燃焼させる。なお、低空気比下での燃焼においては、図1にその一例を示すように、二次燃焼用空気ブロア10からの二次燃焼用空気と、ボイラ7出口から排出される排ガスとをガス混合室3内に供給し、燃焼室2内で燃焼しきれなかった燃焼排ガス中の可燃性ガスを完全燃焼させるようにしても良い。
ガス混合室3内では、燃焼室2内で燃焼しきれなかった可燃性ガスが、供給された二次燃焼用空気により、約850℃以上の温度で完全燃焼される。ガス混合室3内で二次燃焼させた後の燃焼排ガスは、下流側のボイラ7で熱エネルギーを回収され、低温化された後に外部に排出される。
ここで、燃焼室2内には図1に示すように中間天井16を設けることが好ましい。中間天井16を燃焼室内に設けることにより、燃焼室内のガスを火格子4の上流側のごみ乾燥過程で発生した可燃性ガスと下流側の後燃焼過程で発生した燃焼排ガスに2分して排出することができる。この2分して排出したガスをガス混合室3で再合流させることにより、ガス混合室3内でのガスの攪拌混合がさらに促進され、ガス混合室3内での燃焼がより安定化し、燃焼過程におけるダイオキシン類の発生のさらなる抑制、ごみ未燃の発生防止を図ることができる。なお、中間天井16を有さないごみ焼却炉においても本発明が適用できることはいうまでもない。
上記構成のごみ焼却炉において、本発明の一実施形態にかかるごみ焼却炉は、ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近に、ガス流れ方向に沿って設けた複数の温度計測手段12と、該温度計測手段12により計測された温度に基づいてガス燃焼完了位置を推定し、該推定したガス燃焼完了位置が所定の位置となるように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を制御する制御装置11とを備えるものである。
ここで、前記ガス燃焼完了位置とは、ガス混合室3内において、可燃性ガスの完全燃焼により、燃焼が完了した位置、例えば、可燃性ガスであるCOがO2と反応してほぼ無くなる位置をいう。また、前記設計上のガス燃焼完了位置とは、設計上予め設定されるガス燃焼完了位置であり、この設計上のガス燃焼完了位置を基準として、ボイラ配管等が腐食されずに、熱交換が最も効率的に行なわれるように、耐火壁或いはボイラ配管等の設置位置が決定される。例えば、図1に示す例では、前記の設計上のガス燃焼完了位置は、温度計測手段12bが設置されている位置をいう。
前記温度計測手段12としては、図1に示す例では、ガス混合室3内に、ガス流れ方向の上流側からガス流れ方向下流側に向かって、12a,12b,12cの3つが設置されている。なお、前記温度計測手段12の設置数は、ごみ焼却炉の規模或いは操業状況等により適宜変更され得るものであるが、前記設計上のガス燃焼完了位置を中心に、上流側及び下流側に略等間隔に、対称となる位置に複数設置することが好ましい。図1の例では、設計上のガス燃焼完了位置に温度計測手段12bが設置され、それぞれ等間隔に、上流側に温度計測手段12a、下流側に温度計測手段12cが設置される。なお、前記温度計測手段12としては、例えば、ガス混合室3内に設置されたガス混合室内ガス温度計を用いることができる。
前記制御装置11では、前記温度計測手段12により計測された温度に基づいて、ガス燃焼完了位置を推定し、該推定したガス燃焼完了位置が所定の位置となるように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を制御する。なお、制御装置11には例えばコンピュータを使用することができる。
この制御装置11により、ガス燃焼完了位置を推定し、該推定したガス燃焼完了位置が所定の位置となるように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を制御する方法の一例について、以下図1を適宜参照して説明する。なお、以下に示す方法に限るものではないことはいうまでもない。
前記温度計測手段12a,12b,12cによる、それぞれの温度計測値T12a,T12b,T12c,の差を見ることでガス燃焼完了位置の変動が検知できる。例えば、上流側の温度計測値から下流側の温度計測値を引いた値が、ゼロに近いか又は負の場合には、ガス燃焼完了位置が下流側の温度計測位置側にあるといえる。一方、上流側の温度計測値から下流側の温度計測値を引いた値が、正の値で大きい場合には、上流側の温度計測位置より上流側にガス燃焼完了位置があるといえる。
より具体的には、中間の温度計測手段12bと最下流の温度計測手段12cとの計測値の差(T12b−T12c)が正で小さい、つまり、温度がほぼ等しいか、又は、負になった場合には、ガス燃焼完了位置が設計上のガス燃焼完了位置より下流側にあるとして、二次燃焼用空気を増量し、給じん速度を減速する。また、最上流の温度計測手段12aと中間の温度計測手段12bとの計測値の差(T12a−T12b)が正で大きくなった場合、つまり、上流側の温度が高い場合には、ガス燃焼完了位置が設計上のガス燃焼完了位置より上流側にあるとして、二次燃焼用空気を減量、給じん速度を増速する。なお、前記温度差の大小の判断基準は、温度計測手段の設置位置或いは燃焼負荷等によって変化するものである。
これにより、ガス燃焼完了位置を所定の位置、つまり、設計上のガス燃焼完了位置付近に安定化させることが可能となり、ボイラ配管の腐食を抑制することができる。ここで、前記設計上のガス燃焼完了位置付近に安定化させるとは、例えば、ごみ焼却炉の平均的なごみ処理量及び平均的なごみの発熱量等の変動幅から算出されるガス燃焼完了位置の変動を考慮して設けられている耐火壁が設置されている範囲内で安定化させることをいう。
なお、前記温度計測手段12の一例として用いられるガス温度計は、高応答の温度計、例えば、応答時間が1秒以下の放射温度計を使用することが好ましい。このような高応答の温度計を用いることで、急激な燃焼の変動に対応が可能となる。ここで、高応答の温度計の応答時間は、少なくとも5秒以下であることが望ましい。高応答の温度計を入力とした制御を、サンプリングプローブ或いは直接挿入型のO2濃度計で計測した炉出口における排ガス中O2濃度の計算値又は計測値を入力としたO2濃度制御と共に行うことで、炉出口における排ガス中O2濃度の安定性が向上する。
上記実施形態において、二次燃焼用空気量及び給じん速度を操作するための制御手法としては、例えば、PID制御、若しくは、複数の計測値に基づいた操作量の値を決定する有効な方法としてファジィロジックを適用することができる。なお、前記ファジィロジックを適用する場合、ファジィルールとしては、例えばmin−max法、シングルトン法などを用いることができる。
また、上記実施形態においては、ごみ焼却炉の操作端として、二次燃焼用空気量及び給じん速度の調整を行ったが、その他に、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下流量配分等のガス燃焼完了位置の調整が可能な操作端であれば、それらの操作端の操作量を調整してガス燃焼完了位置を調整するようにしてもよい。
また、本発明にかかるごみ焼却炉の他の実施形態は、ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近に、ガス流れ方向に沿って設けた複数の温度計測手段12と、該温度計測手段12により計測された複数個所における温度の、温度差の変化傾向に基づいて、設計上のガス燃焼完了位置から下流側での排ガス中O2濃度を所定範囲内とするように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を制御する制御装置11とを備えるものである。
ここで、前記ガス燃焼完了位置及び設計上のガス燃焼完了位置の意味、及び、前記温度計測手段12の構成については、上述の実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
前記制御装置11では、前記温度計測手段12により計測された複数個所における温度の、温度差の変化傾向に基づいて、設計上のガス燃焼完了位置から下流側での排ガス中O2濃度を所定範囲内とするように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を制御する。なお、制御装置11には例えばコンピュータを使用することができる。
前記設計上のガス燃焼完了位置から下流側の位置とは、図1中の温度計測手段12bが設置されている位置を含み、当該位置からガス流れ方向下流側のボイラ7出口までの任意の位置をいう。当該位置における排ガス中のO2濃度を所定の濃度範囲内、つまり、実際のガス燃焼完了位置が設計上のガス燃焼完了位置付近となるような当該位置における排ガス中のO2濃度範囲内、に一定に保持することで、ガス燃焼完了位置を設計上のガス燃焼完了位置付近に制御することが可能となり、燃焼の安定化による排ガス中の有害物質の抑制、及び、ボイラ配管の高寿命化を図ることが可能となる。
なお、前記設計上のガス燃焼完了位置から下流側の位置で、排ガス中のO2濃度を計測する位置としては、設計上の燃焼完了位置に近い位置、最も好ましくは設計上の燃焼完了位置が、排ガス中のO2濃度の変化を時間遅れなく、高感度で計測する観点から好ましい。
また、前記設計上のガス燃焼完了位置付近に安定化させるとは、例えば、ごみ焼却炉の平均的なごみ処理量及び平均的なごみの発熱量等の変動幅から算出されるガス燃焼完了位置の変動を考慮して設けられている耐火壁が設置されている範囲内で安定化させることをいう。
この制御装置11により、設計上のガス燃焼完了位置での排ガス中O2濃度を所定範囲内とするように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を制御する方法の一例について、以下図1を適宜参照して説明する。なお、以下に示す方法に限るものではないことはいうまでもなく、また、排ガス中O2濃度を計測する位置は、前記設計上のガス燃焼完了位置から下流側の位置であれば同様に適用できることはいうまでもない。
前記温度計測手段12a,12b,12cによる、それぞれの温度計測値T12a,T12b,T12c の差の変化傾向を見ることで、設計上のガス燃焼完了位置での排ガス中O2濃度の変化傾向が検知できる。例えば、上流側の温度計測値と下流側の温度計測値との差が小さくなる傾向の場合には、ガス燃焼完了位置が下流側の温度計測位置側に移行し、設計上のガス燃焼完了位置での排ガス中O2 が不足の方向へ推移しているといえる。逆に、上流側の温度計測値と下流側の温度計測値との差が大きくなる傾向の場合には、上流側の温度計測位置より手前側にガス燃焼完了位置が移行し、設計上のガス燃焼完了位置での排ガス中O2 が過剰な状態へ推移しているといえる。このように、温度差の変化傾向を見ることで、設計上のガス燃焼完了位置での排ガス中O2濃度の変化傾向が検知できる。
より具体的には、制御周期、例えば、5〜10秒程度において、前記3つの温度計測手段12a,12b,12cの内、任意の二つの温度計測手段に関し、上流側の温度計測値と下流側の温度計測値との差(T上流側−T下流側)を取る。その差の、今回値−前回値の値が正である場合は、温度差が大きくなる傾向であり、設計上のガス燃焼完了位置での排ガス中O2濃度が高くなる方向に燃焼状態が変化しているといえる。
この時の、例えば、サンプリングプローブ或いは直接挿入型のO2濃度計で計測した設計上のガス燃焼完了位置における排ガス中O2濃度計測値が、所定の基準値以上の値である場合には、二次燃焼用空気を減量し、給じん速度を増速する。前記O2濃度計で計測した設計上のガス燃焼完了位置における排ガス中O2濃度計測値が、所定の基準値より低い値である場合には、設計上のガス燃焼完了位置における排ガス中O2濃度が回復傾向にあると判断できるので操作は行わない。
逆に、今回値−前回値の値が負の場合には、温度差が小さくなる傾向であり、設計上のガス燃焼完了位置での排ガス中O2濃度が低くなる方向に燃焼状態が変化しているといえる。
この時の、前記O2濃度計で計測した設計上のガス燃焼完了位置における排ガス中O2濃度計測値が、所定の基準値以下の値である場合には、二次燃焼用空気を増量し、給じん速度を減速する。前記O2濃度計で計測した設計上のガス燃焼完了位置における排ガス中O2濃度計測値が、所定の基準値より高い場合には、設計上のガス燃焼完了位置における排ガス中O2濃度が回復傾向にあると判断できるので操作は行わない。このような操作により、設計上のガス燃焼完了位置付近におけるO2 濃度の変動を抑制することで、排ガス中の有害物質の抑制、及び、ボイラ配管の高寿命化を図ることが可能となる。
なお、前記温度計測手段12の一例として用いられるガス温度計は、高応答の温度計、例えば、応答時間が1秒以下の放射温度計を使用することが好ましい。このような高応答の温度計を用いることで、急激な燃焼の変動に対応が可能となる。ここで、高応答の温度計の応答時間は、少なくとも10秒以下であることが望ましい。高応答の温度計を入力とした制御を、サンプリングプローブ或いは直接挿入型のO2濃度計で計測した設計上のガス燃焼完了位置における排ガス中O2濃度計測値を入力としたO2濃度制御と共に行うことで、設計上のガス燃焼完了位置における排ガス中O2濃度の安定性が向上する。
上記実施形態において、二次燃焼用空気量及び給じん速度を操作するための制御手法としては、例えば、PID制御、若しくは、複数の計測値に基づいた操作量の値を決定する有効な方法としてファジィロジックを適用することができる。なお、前記ファジィロジックを適用する場合、ファジィルールとしては、例えばmin−max法、シングルトン法などを用いることができる。
また、上記実施形態においては、ごみ焼却炉の操作端として、二次燃焼用空気量及び給じん速度の調整を行ったが、その他に、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下流量配分等の設計上のガス燃焼完了位置付近におけるO2 濃度の調整が可能な操作端であれば、それらの操作端の操作量を調整して設計上のガス燃焼完了位置付近におけるO2 濃度を調整するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、前記設計上のガス燃焼完了位置での排ガス中O2濃度の代わりに、設計上のガス燃焼完了位置での排ガス中NOx濃度、又は、排ガス温度を所定範囲内とするように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を調整するようにしてもよい。この場合の調整方法は、O2濃度の場合と同様に行うことができる。
本発明に係るごみ焼却炉の一実施形態を示す概略構成図である。
符号の説明
1 ホッパ
2 燃焼室
3 ガス混合室
4 火格子
5 給じん装置
6 灰落下口
7 ボイラ
8 一次燃焼用空気ブロア
9a,9b,9c,9d 火格子下一次燃焼用空気ダンパ
10 二次燃焼用空気ブロア
11 制御装置
12 温度計測手段
16 中間天井

Claims (6)

  1. ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近の、ガス流れ方向に沿った複数個所の温度計測結果に基づいてガス燃焼完了位置を推定し、
    該推定したガス燃焼完了位置が所定の位置となるように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を調整することを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  2. ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近の、ガス流れ方向に沿った複数個所の温度を計測し、
    該計測した複数個所における温度の、温度差の変化傾向に基づいて、設計上のガス燃焼完了位置から下流側での排ガス中O2濃度を所定範囲内とするように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を調整することを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  3. ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近の、ガス流れ方向に沿った複数個所の温度を計測し、
    該計測した複数個所における温度の、温度差の変化傾向に基づいて、設計上のガス燃焼完了位置から下流側での排ガス温度、又は、排ガス中NOx濃度を所定範囲内とするように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を調整することを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  4. ごみ焼却炉の操作端が、二次燃焼用空気及び/又はごみの給じん速度であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  5. ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近に、ガス流れ方向に沿って設けた複数の温度計測手段と、
    該温度計測手段により計測された温度に基づいて、ガス燃焼完了位置を推定し、該推定したガス燃焼完了位置が所定の位置となるように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を制御する制御装置とを備えたことを特徴とするごみ焼却炉。
  6. ごみ焼却炉における設計上のガス燃焼完了位置付近に、ガス流れ方向に沿って設けた複数の温度計測手段と、
    該温度計測手段により計測された複数個所における温度の、温度差の変化傾向に基づいて、炉出口での排ガス中O2濃度を所定範囲内とするように、ごみ焼却炉の操作端の操作量を制御する制御装置とを備えたことを特徴とするごみ焼却炉。
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