JP2014077597A - ストーカ式焼却炉 - Google Patents

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【課題】燃焼状態を悪化させることなく従来よりも空気比を下げることができるストーカ式焼却炉を提供する。
【解決手段】ストーカ式焼却炉1は、ストーカ4に沿って延びる主燃焼室21と、主燃焼室21から流出する排ガスの燃焼を完結させる再燃焼室22と、再燃焼室22と連続する放射室31を含むボイラ3と、制御装置9と、を備えている。ボイラ3を通過した排ガスの一部は、循環路7を通じて主燃焼室21に戻される。再燃焼室22または放射室31には、排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度計8が設けられている。制御装置9は、酸素濃度計8の測定値に基づいて、主燃焼室21に供給される二次空気の量を調整する二次空気調整装置62〜66を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ごみなどの廃棄物を焼却するストーカ式焼却炉に関する。
一般的に、ストーカ式焼却炉では、ホッパーに投入された廃棄物が給じん装置により燃焼室内に送り込まれ、燃焼室内では廃棄物がストーカにより搬送されながらストーカ越しに供給される一次空気およびストーカの上方で供給される二次空気と共に燃焼される。また、ストーカ式焼却炉は燃焼室から排出される排ガスから熱を回収するボイラを含み、ボイラを通過した排ガスは無害化処理された後に大気中へ放出される。
このようなストーカ式焼却炉では、設備のコンパクト化およびボイラでの熱回収の高効率化の観点から、排ガス量を低減させることが望まれる。排ガス量を低減させるには、ごみの燃焼に必要な理論空気量に対する一次空気量と二次空気量の合計の比、いわゆる空気比を小さくすることが有効である。従来のストーカ式焼却炉では空気比が1.7〜1.9程度であるが、近年では空気比を1.3程度と小さくする技術が開発されてきている。
例えば、特許文献1には、ボイラを通過した排ガスの一部を燃焼室に戻すように構成されたストーカ式焼却炉が開示されている。特許文献1には、低空気比での燃焼には炉出口での排ガス中の酸素濃度を正確に把握して酸素供給量および燃焼速度を制御することが重要であることが記載されている。しかし、従来の酸素濃度計はダスト環境下で使用することが困難であり、かつその応答速度が遅いために、特許文献1に開示されたストーカ式焼却炉は、ボイラに設けた複数の温度検出器を使用することにより酸素濃度の測定を不要とした制御を可能にしている。
具体的には、設計上のガス燃焼完了位置に基準温度検出器を配置するとともに、ガスの流れ方向において基準温度検出器の上流側および下流側にそれぞれ温度検出器を配置する。そして、下流側温度検出器の計測値が基準温度検出器の計測値とほぼ等しいかそれよりも大きい場合は、ガス燃焼完了位置が設計位置よりもガス流れの下流側にあると判断して、二次空気量を増やすとともに給じん速度を下げる。一方、上流側温度検出器の計測値が基準温度検出器の計測値よりも十分に大きい場合は、ガス燃焼完了位置が設計位置よりもガス流れの上流側にあると判断して、二次空気量を減らすとともに給じん速度を上げる。また、特許文献1には、温度検出器として応答速度が5秒以下のガス温度計を用いることが望ましいことが記載されている。
特開2005−308362号公報
しかしながら、ボイラ内を流れる排ガスの温度は当該排ガス中の酸素濃度と完全に一致して変動するわけではない。従って、温度検出器の測定値に基づいた制御では、二次空気量を精密に調整することができず、空気比をあまり下げることができない。一方で、ボイラよりも下流側に酸素濃度計を設置し、この酸素濃度計により測定される排ガス中の酸素濃度に基づいて二次空気量を制御した場合には、排ガスが測定位置まで到達するのにかかる時間が応答遅れとなるため、その応答遅れ時間分だけ余裕を見て空気比を決定する必要がある。
そこで、本発明は、燃焼状態を悪化させることなく従来よりも空気比を下げることができるストーカ式焼却炉を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のストーカ式焼却炉は、廃棄物を供給側から排出側に移動させるストーカと、前記廃棄物の流れと同方向の燃焼ガスの流れを形成するように前記ストーカに沿って延び、前記ストーカ越しに一次空気が供給されるとともに前記ストーカの上方で二次空気が供給される主燃焼室と、前記主燃焼室から流出する排ガスを前記燃焼ガスに対して反転させるとともに前記排ガスの燃焼を完結させる再燃焼室と、前記再燃焼室と連続する放射室を含むボイラと、前記ボイラを通過した前記排ガスの一部を前記主燃焼室に戻す循環路と、前記主燃焼室に供給される前記二次空気の量を調整する二次空気調整装置と、前記再燃焼室または前記放射室に設けられた、前記排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、前記酸素濃度計の測定値に基づいて前記二次空気調整装置を制御する制御装置と、を備える。
上記の構成によれば、主燃焼室に隣接する再燃焼室またはこれと連続する放射室に酸素濃度計が設けられているので、二次空気量を調整する際の応答遅れを短くすることができる。これにより、測定された酸素濃度に基づいて二次空気量を精密に調整することができるため、燃焼状態を悪化させることなく空気比を可能な限り小さくすることができる。しかも、主燃焼室は廃棄物と燃焼ガスが同方向に流れるいわゆる並行流が形成されるように構成されているので、燃焼ガスからの輻射熱により廃棄物の乾燥および熱分解が効率よく行われるとともに、循環路から主燃焼室に戻される排ガス(循環ガス)によって燃焼ガスが撹拌され、さらに主燃焼室から再燃焼室にかけての燃焼ガスに対する排ガスの反転によって燃焼ガスと循環ガスの混合物である排ガスが撹拌される。その結果、再燃焼室での排ガスの燃焼が主燃焼室に近い位置で完結する。従って、酸素濃度計が再燃焼室または放射室に設けてられていても、燃焼完結後の排ガス中の酸素濃度を測定することができる。
前記酸素濃度計は、応答速度が5秒以下のものであることが望ましい。例えば、前記酸素濃度計は、レーザ式ガス分析計である。
前記酸素濃度計は、前記排ガスが前記再燃焼室に流入してから当該酸素濃度計に到達するまでの時間が2秒以上となる位置に配置されてもよい。この構成によれば、酸素濃度計が配置される位置での酸素濃度を安定させることができ、酸素濃度を高精度に測定することができる。
前記制御装置は、前記酸素濃度計の測定値から、サンプリング時間を10秒〜1分として前記酸素濃度の移動平均値を算出し、算出した前記移動平均値が第1設定値を上回ったときに前記二次空気量が減少するように前記二次空気調整装置を操作し、算出した前記移動平均値が前記第1設定値よりも低い第2設定値を下回ったときに前記二次空気量が増大するように前記二次空気調整装置を操作してもよい。この構成によれば、二次空気量をスムーズに変化させながら排ガス中の酸素濃度の変動幅を規制することができる。
前記ストーカは、上流側から下流側に並ぶ乾燥段、燃焼段および後燃焼段を含み、上記のストーカ式焼却炉は、前記乾燥段、前記燃焼段および前記後燃焼段に別々に前記一次空気を導く一次空気流路と、前記後燃焼段に導かれる前記一次空気の量を調整する後燃焼段用一次空気調整装置と、をさらに備え、前記制御装置は、算出した前記移動平均値が前記第1設定値を上回ったときに前記後燃焼段に導かれる一次空気量が減少するように、あるいは算出した前記移動平均値が前記第2設定値を下回ったときに前記後燃焼段に導かれる一次空気量が増加するように、前記後燃焼段用一次空気調整装置も操作してもよい。この構成によれば、一次空気量を減少(あるいは増加)させるときに、乾燥段および燃焼段に導かれる一次空気量は変更せずに後燃焼段に導かれる一次空気量のみを減少(あるいは増加)させることにより、廃棄物の燃焼を妨げることなく排ガス中の酸素濃度を迅速に低下(あるいは上昇)させることができる。
上記のストーカ式焼却炉は、前記ストーカ上に廃棄物を送り込む、所定のインターバルで間欠的に駆動する給じん装置をさらに備え、前記制御装置は、算出した前記移動平均値が前記第2設定値よりも低い第3設定値を下回っている期間は、前記給じん装置の駆動を禁止してもよい。この構成によれば、給じん装置による廃棄物の投入時に酸素不足となることを防ぐことができる。
前記ストーカは、所定のインターバルで一定の動作を繰り返すように構成されており、前記制御装置は、算出した前記移動平均値が前記第2設定値よりも低い第3設定値を下回っている期間は、前記ストーカの駆動を禁止してもよい。この構成によれば、ストーカの駆動による燃焼促進時に酸素不足となることを防ぐことができる。
本発明によれば、燃焼状態を悪化させることなく従来よりも空気比を下げて排ガス量を低減することができる。
本発明の一実施形態に係るストーカ式焼却炉の概略構成を示す図 酸素濃度計の一例であるレーザ式ガス分析計を示す図 ジルコニアセンサを用いた酸素濃度計を示す図 本実施形態および従来技術における酸素濃度の時間平均値の経時的変化を示すグラフ
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係るストーカ式焼却炉1を示す。この焼却炉1は、廃棄物を燃焼させる燃焼炉2と、燃焼炉2から排出される排ガスによって水蒸気を生成するボイラ3を備えている。燃焼炉2の前工程側には、ホッパー11および給じん装置12が配置されており、ボイラ3の後工程側には、エコノマイザ13、集塵機14、誘引送風機15および煙突16が配置されている。また、焼却炉1は、全ての機器を総合的に制御する制御装置9(図1では一部の信号線のみを図示)を備えている。
ホッパー11には、図略のピットに貯められた廃棄物が図略のクレーンにより投入される。給じん装置12は、所定のインターバル(例えば、0.5〜3分)で間欠的に駆動することにより、ホッパー11に投入された廃棄物を燃焼炉2内に送り込む。
燃焼炉2は、廃棄物を搬送するストーカ4と、ストーカ4に沿って延びる主燃焼室21と、主燃焼室21の末端の上部に接続された再燃焼室22とを含む。すなわち、主燃焼室21の床面はストーカ4により構成されている。また、主燃焼室21の末端の下部には、ストーカ4から送り出される廃棄物の燃焼後の灰を排出するための排出口23が設けられている。
ストーカ4は、所定のインターバル(例えば、0.5〜10分)で一定の動作を繰り返すことにより、給じん装置12から当該ストーカ4上に送り込まれた廃棄物を供給側から排出側(図1の左側から右側)に移動させる。より詳しくは、ストーカ4は、乾燥段41、燃焼段42および後燃焼段43を含んでおり、これらの段41〜43はこの順に上流側から下流側に並んでいる。本実施形態では、全ての段41〜43が水平であり、乾燥段41と燃焼段42が同位置、後燃焼段43が少し下方に位置している。ただし、後燃焼段43は、乾燥段41および燃焼段42と同位置に位置していてもよい。あるいは、乾燥段41、燃焼段42および後燃焼段43は、全てが傾斜した姿勢でそれらの間に段差が形成されるように並んでいてもよい。また、乾燥段41、燃焼段42および後燃焼段43のそれぞれがさらに複数の段に分かれていてもよい。
主燃焼室21は、ストーカ4上の廃棄物の流れと同方向の燃焼ガスの流れを形成するようにストーカ4に沿って延びている。燃焼ガスは、主燃焼室21における廃棄物の燃焼により排ガスに変わる。再燃焼室22は、主燃焼室21から流出する排ガスの燃焼が完結するまでの滞留時間を確保するためのものである。再燃焼室22は、燃焼ガスの流れ方向において主燃焼室21の下流側端部から主燃焼室21と重なるように斜め上向きに延びている。すなわち、主燃焼室21および再燃焼室22は、ガスの流れ方向を反転させる流路を形成する。
主燃焼室21には、ストーカ4越しに一次空気が供給されるとともにストーカ4の上方で二次空気が供給される。一次空気は第1ブロア51により一次空気流路5を通じて供給され、二次空気は第2ブロア61により二次空気流路6を通じて供給される。なお、第1ブロア51と第2ブロア61とは1台のブロアで兼用されていてもよい。
一次空気流路5は、ストーカ4の乾燥段41、燃焼段42および後燃焼段43に別々に一次空気を導くように構成されており、一次空気流路5の下流側部分が乾燥段41、燃焼段42および後燃焼段43に対応して3つの分岐路に分岐している。それらの分岐路には、乾燥段用第1ダンパ52、燃焼段用第1ダンパ53および後燃焼段用第1ダンパ(本発明の後燃焼段用一次空気調整装置に相当)54が設けられている。第1ダンパ52〜54は、対応する段に導かれる一次空気の量を調整するものである。
主燃焼室21には、二次空気を吹き出すための吹出口A〜Eが適所に設けられている。二次空気流路6の下流側部分は、吹出口A〜Eに対応して複数の分岐路に分岐している。各分岐路には、主燃焼室21に供給される二次空気の量を、対応する吹出口ごとに調整する第2ダンパ(本発明の二次空気調整装置)62〜66が設けられている。
燃焼炉2に併設されたボイラ3は、再燃焼室22の上方に配置された放射室31と、放射室31の側方に配置された第1煙道32および第2煙道33を含む。第1煙道32および第2煙道33は共に上下に延びており、その下部同士がつながっている。放射室31は再燃焼室22と連続しており、主燃焼室21から流出した排ガスは再燃焼室22を通って放射室31に流入する。放射室31は、斜めに延びる再燃焼室22の上部から鉛直上向きに立ち上がっている。
さらに、ボイラ3は、放射室31、第1煙道32および第2煙道33で構成される排ガス経路を区画する壁上に設けられた水管35と、水管35内に水を供給するとともに水管35内で発生した水蒸気を収集するボイラドラム36を含む。ボイラドラム36に収集された水蒸気は、第2煙道33中に配置された過熱器37に送られて過熱され、その後に発電機18と連結されたタービン17に送られて発電に利用される。
ボイラ3を通過した排ガスは、エコノマイザ13、集塵機14および誘引送風機15を経て、煙突16から大気中へ放出される。本実施形態では、集塵機14と誘引送風機15の間の流路から循環路7が分岐している。この循環路7は、ボイラ3を通過した排ガスの一部を主燃焼室21に戻すためのものである。すなわち、循環路7の先端は、主燃焼室21に設けられた循環ガス吹出口71に接続されている。
さらに、本実施形態では、再燃焼室22または放射室31に、排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度計8が設けられている。酸素濃度計8としては、応答速度が5秒以下のものを用いることが望ましい。本実施形態では、応答速度が5秒以下の酸素濃度計8として、図2に示すような発光器81および受光器82を有するレーザ式ガス分析計が用いられている。レーザ式ガス分析計を再燃焼室22または放射室31に取り付けるには、それらの互いに対向する壁部にフランジ付きの開口を設ければよい。
あるいは、応答速度が5秒以下の酸素濃度計としては、図3に示すようなジルコニアセンサ83を用いた酸素濃度計80を用いることも可能である。この酸素濃度計80は、先端が斜めにカットされた筒状のケース84を有し、このケース84内にジルコニアセンサ83が収容される。ケース84には、ジルコニアセンサ83の上方に開口85が設けられており、ケース84の先端から内部に流れ込んだ排ガスがジルコニアセンサ83に接触した後に開口85からケース84外に流出する。
酸素濃度計8は再燃焼室22と放射室31のどちらに設けられてもよいが、排ガスが再燃焼室22に流入してから酸素濃度計8に到達するまでの時間が2秒以上となる位置に配置されることが望ましい。これは、酸素濃度計8が配置される位置での酸素濃度を安定させることができ、酸素濃度を高精度に測定することができるからである。
前記制御装置9は、酸素濃度計8の測定値に基づいて第2ダンパ62〜66を制御する。具体的に、制御装置9は、まず、酸素濃度計8の測定値から、サンプリング時間を10秒〜1分として酸素濃度の移動平均値を算出する。そして、制御装置9は、図4に示すように、算出した移動平均値が第1設定値V1を上回ったときに二次空気量が減少するように第2ダンパ62〜66を操作し、算出した移動平均値が第1設定値V1よりも低い第2設定値V2を下回ったときに二次空気量が増大するように第2ダンパ62〜66を操作する。なお、第2ダンパ62〜66を操作する場合は、予め設定した割合に基づいてそれぞれのダンパを調整する。
本実施形態の焼却炉1では、酸素濃度計8が主燃焼室21に隣接する再燃焼室22またはこれと連続する放射室31に設けられているので、二次空気量を調整する際の応答遅れを短くすることができる。これにより、測定された酸素濃度に基づいて二次空気量を精密に調整することができるため、燃焼状態を悪化させることなく空気比を可能な限り小さくすることができる。しかも、主燃焼室21は廃棄物と燃焼ガスが同方向に流れるいわゆる並行流が形成されるように構成されているので、燃焼ガスからの輻射熱により廃棄物の乾燥および熱分解が効率よく行われるとともに、循環路7から主燃焼室21に戻される排ガス(循環ガス)によって燃焼ガスが撹拌され、さらに主燃焼室21から再燃焼室22にかけての燃焼ガスに対する排ガスの反転によって燃焼ガスと循環ガスの混合物である排ガスが撹拌される。その結果、再燃焼室22での排ガスの燃焼が主燃焼室21に近い位置で完結する。従って、酸素濃度計8が再燃焼室22または放射室31に設けてられていても、燃焼完結後の排ガス中の酸素濃度を測定することができる。
ここで、本実施形態の効果を検証するために、エコノマイザ13の出口に酸素濃度計を設けた仮想例を想定する。この仮想例では、排ガスが再燃焼室22、ボイラ3およびエコノマイザ13を通過するのに要する時間が応答遅れとなり、酸素濃度計による応答遅れ時間が長くなる。図4に示すように、排ガスの燃焼を完結させるためには排ガス中の酸素濃度を常に下限値VLよりも高く保つ必要がある。酸素濃度計による応答遅れ時間が長い場合、酸素濃度計で下限値VLに近い酸素濃度を測定したときには主燃焼室21出口では排ガス中の酸素濃度が下限値VLを下回っている可能性がある。従って、二次空気量を増大させる第2設定値を下限値VLからある程度高くする必要がある。その結果、仮想例の酸素濃度の平均値ACも高くなり、これが空気比および排ガス量の増加を招くことになる。
これに対し、本実施形態では、酸素濃度計による応答遅れ時間が短いために、第2設定値V2を下限値VL近くに設定することができる。それ故に、酸素濃度の平均値AEが低くなり、空気比および排ガス量を低減することができる。
さらに、本実施形態では、酸素濃度の移動平均値を算出し、算出した移動平均値を第1設定値V1および第2設定値V2と比較して第2ダンパ62〜66を操作することにより、二次空気量をスムーズに変化させながら排ガス中の酸素濃度の変動幅を規制することができる。
ところで、制御装置9は、算出した酸素濃度の移動平均値が第1設定値V1を上回ったときにストーカ4の後燃焼段43に導かれる一次空気量が減少するように後燃焼段用第1ダンパ54も操作してもよい。あるいは、制御装置9は、算出した酸素濃度の移動平均値が第2設定値V2を下回ったときにストーカ4の後燃焼段43に導かれる一次空気量が増加するように後燃焼段用第1ダンパ54も操作してもよい。このようにすれば、一次空気量を減少または増加させるときに、乾燥段41および燃焼段42に導かれる一次空気量は変更せずに後燃焼段43に導かれる一次空気量のみを減少または増加させることにより、廃棄物の燃焼を妨げることなく排ガス中の酸素濃度を迅速に低下または上昇させることができる。
また、制御装置9は、算出した酸素濃度の移動平均値が第2設定値V2よりも低い第3設定値V3(図4参照)を下回っている期間は、給じん装置12とストーカ4の少なくとも一方の駆動を禁止してもよい。給じん装置12の駆動を禁止すれば、給じん装置12による廃棄物の投入時に酸素不足となることを防ぐことができ、ストーカ4の駆動を禁止すれば、ストーカ4の駆動による燃焼促進時に酸素不足となることを防ぐことができる。
1 ストーカ式焼却炉
12 給じん装置
2 焼却炉
21 主燃焼室
22 再燃焼室
3 ボイラ
31 放射室
4 ストーカ
41 乾燥段
42 燃焼段
43 後燃焼段
5 一次空気流路
52 乾燥段用第1ダンパ
53 燃焼段用第1ダンパ
54 後燃焼段用第1ダンパ(後燃焼段用一次空気調整装置)
6 二次空気流路
62〜66 第2ダンパ(二次空気調整装置)
7 循環路
8,80 酸素濃度計
9 制御装置

Claims (8)

  1. 廃棄物を供給側から排出側に移動させるストーカと、
    前記廃棄物の流れと同方向の燃焼ガスの流れを形成するように前記ストーカに沿って延び、前記ストーカ越しに一次空気が供給されるとともに前記ストーカの上方で二次空気が供給される主燃焼室と、
    前記主燃焼室から流出する排ガスを前記燃焼ガスに対して反転させるとともに前記排ガスの燃焼を完結させる再燃焼室と、
    前記再燃焼室と連続する放射室を含むボイラと、
    前記ボイラを通過した前記排ガスの一部を前記主燃焼室に戻す循環路と、
    前記主燃焼室に供給される前記二次空気の量を調整する二次空気調整装置と、
    前記再燃焼室または前記放射室に設けられた、前記排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、
    前記酸素濃度計の測定値に基づいて前記二次空気調整装置を制御する制御装置と、
    を備えた、ストーカ式焼却炉。
  2. 前記酸素濃度計は、応答速度が5秒以下のものである、請求項1に記載のストーカ式焼却炉。
  3. 前記酸素濃度計は、レーザ式ガス分析計である、請求項2に記載のストーカ式焼却炉。
  4. 前記酸素濃度計は、前記排ガスが前記再燃焼室に流入してから当該酸素濃度計に到達するまでの時間が2秒以上となる位置に配置される、請求項1〜3の何れか一項に記載のストーカ式焼却炉。
  5. 前記制御装置は、前記酸素濃度計の測定値から、サンプリング時間を10秒〜1分として前記酸素濃度の移動平均値を算出し、算出した前記移動平均値が第1設定値を上回ったときに前記二次空気量が減少するように前記二次空気調整装置を操作し、算出した前記移動平均値が前記第1設定値よりも低い第2設定値を下回ったときに前記二次空気量が増大するように前記二次空気調整装置を操作する、請求項1〜4の何れか一項に記載のストーカ式焼却炉。
  6. 前記ストーカは、上流側から下流側に並ぶ乾燥段、燃焼段および後燃焼段を含み、
    前記乾燥段、前記燃焼段および前記後燃焼段に別々に前記一次空気を導く一次空気流路と、前記後燃焼段に導かれる前記一次空気の量を調整する後燃焼段用一次空気調整装置と、をさらに備え、
    前記制御装置は、算出した前記移動平均値が前記第1設定値を上回ったときに前記後燃焼段に導かれる一次空気量が減少するように、あるいは算出した前記移動平均値が前記第2設定値を下回ったときに前記後燃焼段に導かれる一次空気量が増加するように、前記後燃焼段用一次空気調整装置も操作する、請求項5に記載のストーカ式焼却炉。
  7. 前記ストーカ上に廃棄物を送り込む、所定のインターバルで間欠的に駆動する給じん装置をさらに備え、
    前記制御装置は、算出した前記移動平均値が前記第2設定値よりも低い第3設定値を下回っている期間は、前記給じん装置の駆動を禁止する、請求項5または6に記載のストーカ式焼却炉。
  8. 前記ストーカは、所定のインターバルで一定の動作を繰り返すように構成されており、
    前記制御装置は、算出した前記移動平均値が前記第2設定値よりも低い第3設定値を下回っている期間は、前記ストーカの駆動を禁止する、請求項5〜7の何れか一項に記載のストーカ式焼却炉。
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