JP2004020006A - 空気清浄機 - Google Patents
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Abstract
【課題】居住空間のほぼ全体に渡る大きな対流を作りながら空気清浄できる空気清浄機を提供する。
【解決手段】収納室3aを有し180cm程度の丈を有する収納庫型のキャビネット3に側方から見てコ字形のダクト13を設け、ダクト13の吸気口14aをキャビネット3の前面下端部に開口させ、排気口15aをキャビネット3の前面上端部に開口させる。ダクト13内には、その下端部14に吸気口14a側からフィルターユニット24、吸気ファン20、オゾン発生器27をこの順で設け、上端部15には排気口15a側からマイナスイオン発生器35、排気ファン21、電子フィルター33、オゾン除去フィルター30、31をこの順で設けた。室内の空気は床面近くからダクト13に入って天井近くから排出されるため室内全体に渡る大きなサーキュレーションが作られ、ダクト13通過中に除塵、殺菌される。
【選択図】 図2
【解決手段】収納室3aを有し180cm程度の丈を有する収納庫型のキャビネット3に側方から見てコ字形のダクト13を設け、ダクト13の吸気口14aをキャビネット3の前面下端部に開口させ、排気口15aをキャビネット3の前面上端部に開口させる。ダクト13内には、その下端部14に吸気口14a側からフィルターユニット24、吸気ファン20、オゾン発生器27をこの順で設け、上端部15には排気口15a側からマイナスイオン発生器35、排気ファン21、電子フィルター33、オゾン除去フィルター30、31をこの順で設けた。室内の空気は床面近くからダクト13に入って天井近くから排出されるため室内全体に渡る大きなサーキュレーションが作られ、ダクト13通過中に除塵、殺菌される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気清浄機に係り、特に、居住空間のほぼ全体に渡る大きな対流を伴って空気浄化を行うことができる新規な空気清浄機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
室内の空気を浄化する機器として空気清浄機がある。今日の空気清浄機は、除塵フィルターの他に、オゾン発生器やマイナスイオン発生器などを付設することでダストの殺菌や分解なども行う機能を持たせた多機能のものが多く出回って来ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、家庭やオフィスなどの居住空間で用いられる従来の空気清浄機は、通常、正面外形が縦横数10cm程度で奥行きの小さい箱形に形成されたキャビネットにフィルターと吸気用ファンやオゾン発生器などの部材をコンパクトに収めた構造になっているため、床に置いたり、壁に掛けて使用するには置き場所を取らないという利点がある反面、空気浄化が室内全体に行き届き難く、オゾン発生器を備えている場合でもその効能が十分果されないという問題があった。
【0004】
すなわち、当該キャビネットの前面を為す吸気口から取り込まれた空気はその吸気口辺りでフィルターを通った後、直ぐにケーシングの側面にある排気口から放出されてしまうため、オゾンとの接触時間や接触量が少なく、また、吸気と排気による空気の流れは当該ケーシングの付近に起こるだけであって室内のほぼ全体に対流を起こすことは無いので、室内の空気を常時満遍なく浄化することが不可能だからである。
【0005】
本発明は上記した従来の問題点に鑑みて為されたものであり、家屋における室内など居住空間のほぼ全体に渡る大きな対流を伴って空気浄化を行うことができると共に、オゾン発生器の機能を十分果すことができ、また、意匠的効果にも優れ室内に出っ張らないすっきりした状態で設置することができる新規な空気清浄機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載した空気清浄機は、前面に排気口と吸気口がある通気路を備えており、該通気路に、吸気口から吸引されて排気口から排出される空気流を作るためのファンと、吸気口又はその近くに着脱自在に取り付けられた除塵フィルターと、排気口近くに配置されたマイナスイオン発生器と、これら除塵フィルターとマイナスイオン発生器との間の区間における風上側に配置されたオゾン発生器とこの区間における風下側に配置されたオゾン除去フィルターとを設けたことを特徴とするものである。
【0007】
この空気清浄機によれば、吸気口から通気路に入った空気は、先ず除塵フィルターで除塵された後、オゾン発生器から発生するオゾンによって殺菌されながら通気路を流れて行き、排気口から出る前にオゾン除去フィルターによってオゾンを取り除かれる。そして、マイナスイオン発生器から発生するマイナスイオンを伴って排気口から室内に放出され、そのマイナスイオンによって更に室内の空気が浄化される。特に、従来一般的な空気清浄機とは違って、吸気口から排気口までの距離がかなり長いため、通気路を流れる空気をオゾン発生器から発生するオゾンに長い時間接触させることができ、それによってオゾンによる殺菌を十分行うことができる。
従って、本発明によれば、室内の空気をほぼ全体に渡って常時満遍なく浄化することができる。
【0008】
通気路内を流れる空気がオゾンに接する時間を長くするためには、オゾン発生器をなるべく吸気口に近いところに配置しオゾン除去フィルターはなるべく排気口に近いところに配置してこれらの間の区間をできるだけ長く取ると良い。
オゾン除去フィルターを設けたので、オゾンが機外へ出るのを防止できる。従って、10ppm程度の高濃度のオゾンを発生させて極めて効果的な殺菌を行うことが可能となる。なお、開放された空間で発生させても人体に害のないオゾン濃度は、0.1ppm程度である。
除塵フィルターは、開口度が異なるものを複数枚組み合わせて設けると良く、更には、脱臭材を付与した脱臭フィルターを併用するのが望ましい。
場合によっては、排気口側にもフィルターを設けると良く、この場合のフィルターとしては電子フィルターを用いることも考えられる。
【0009】
請求項2に記載した空気清浄機は、請求項1に記載した空気清浄機において、排気口は前面の上端部に配置され、吸気口は前面の下端部に配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
この空気清浄機によれば、吸気口が床面近くに来るように置くと、室内の空気はその床面近くから通気路に吸引されて天井近くから排出されるため、室内の空気が全体的にサーキュレーションされると共に、その空気が主として通気路を通る間に清浄される。
【0011】
請求項3に記載した空気清浄機は、請求項1または2に記載した空気清浄機において、物品収納部を有する収納庫型のキャビネットを備えており、このキャビネットに当該物品収納部を避けて通気路を設けると共に、該通気路の吸気口は当該キャビネットの下端部側面に開口し排気口は当該キャビネットの上端部外面に開口したことを特徴とするものである。
【0012】
この請求項3に記載した空気清浄機は、本発明を収納庫型に具体化したものである。所謂洋ダンスとか多目的収納庫などの収納庫は、一般に全高が180cm程度あるキャビネットを備えており、その幕板や天板下部と背面部には多少の空間が残されることが多いので、その空間を利用して通気路を設けることは比較的容易である。
従って、この請求項3の発明によれば、空気清浄機自体が特別場所を取らない形で設置することができるし、空気清浄機を意識させない意匠的美観を奏する。
【0013】
請求項4に記載した空気清浄機は、請求項1または2に記載した空気清浄機において、通気路は総体的に上下方向へ延びる形にし、この通気路の前面とほぼ同じ面上に吸気口と排気口を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
通気路の形をこのようにすると、奥行きサイズをかなり小さくすることができるので、室内に設置する場合でも場所を取らないし、壁に裏側から取り付ける所謂ビルドインタイプにすることも容易になる。
具体的には、通気路を画するダクトを総体的に上下方向へ延びる縦長の形にし、吸気口と排気口はそのダクトの前面の上下両端部に設けるか又はダクトの前面より多少前側へ突出するように設ければ、奥行きをかなり薄型にできるし、その吸気口と排気口が臨む孔を壁材に穿つだけで、当該壁材の内面沿いに通気路を配置することができる。このようにして壁の裏側に取り付ければ、室内には出っ張らないすっきりした状態で設置することができる。
【0015】
請求項5に記載した空気清浄機は、請求項1から4のいずれかに記載した空気清浄機において、通気路のうちオゾン発生器とオゾン除去フィルターとの間の区間に空気流を蛇行させるための風向板を設けたことを特徴とするものである。
このようにすると、通気路の外形寸法の割に空気が流れる実質的距離が長くなるし、ここを流れる空気が撹拌され易くなるため、その分、通気路を流れる空気とオゾン発生器から発生したオゾンとの接触が十分行われて、オゾンによる殺菌効果がより高まる。
【0016】
請求項6に記載した空気清浄機は、請求項1から5のいずれかに記載した空気清浄機において、ファンは、吸気用ファンと排気用ファンを備えたことを特徴とするものである。
このようにすると、通気路における空気流が滑らかになって処理能力が向上すると共に、ファンに掛かる圧力が低下するために騒音も小さくなる。
【0017】
請求項7に記載した空気清浄機は、請求項1から6のいずれかに記載した空気清浄機において、吸気口とオゾン発生器との間の区間にもオゾン除去フィルターを設けたことを特徴とするものである。
このようにすると、何らかの原因でファンが停止してオゾン発生器だけが駆動し続けるような事態が起こっても、吸気口側へ向かうオゾンは、吸気口とオゾン発生器との間の区間に設けられているオゾン除去フィルターによって除去されるため、オゾンによる事故の発生を確実に防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係る空気清浄機を図面に従って説明する。
〔1.第一の実施の形態〕(図1〜図3)
図1から図3は、第一の実施の形態に係る空気清浄機1を示すものであり、この空気清浄機1は、収納庫型のキャビネット3に空気清浄部11を組み込んだ構造になっている。
【0019】
〔A.キャビネット〕(図1、図2)
キャビネット3は大部分を木材やプラスチックで形成したもので、1.8メートル程度の丈を有する縦長矩形をしている。キャビネット3の内部には、背面部(図1における右上方へ向かう方向を後側とし、同図における左上方へ向かう方向を左側とする。)と上下両端部に渡る部分を空気清浄部組込み空間として残して、前面が開口した箱形の内壁4(図2参照)を取り付けることで収納室3aを設けてある。この収納室3aの前面にはここを開閉する扉5を取り付けてあり、収納室3aを上下に2分している仕切り壁6の前面には、空気清浄部11に対する操作を行うための操作パネル7(図1参照)が設けられている。
【0020】
〔B.空気清浄部〕(図1〜図3)
空気清浄部11は、通気路を画成するダクト13と、このダクト13の中に配置された吸気ファン20及び排気ファン21と、4枚のフィルターを着脱自在に装着したフィルターユニット24と、オゾン発生器27と、3つのオゾン除去フィルター29、30及び31と、電子フィルター33と、マイナスイオン発生器35などで構成されている。
【0021】
〔B−1.ダクト〕(図1〜図3)
ダクト13は、右側から見てその全体がほぼコ字形に屈曲しており、その横断面は左右方向に比較的細長い矩形を為し、下端部14の前端開口が吸気口14aで、上端部15の前端開口が排気口15aになっている。これら上端部15と下端部14をつないだ垂直部16はその左右幅を上端部15及び下端部14の左右幅のほぼ半分にされると共に上端と下端は先拡がりの形で上端部15と下端部14にそれぞれ連続している。
下端部14のほぼ中間位置はそれより前側が後側より低くなるようにクランク形に屈曲し、上端部15の排気口15a寄りの位置もそれより前側が後側より高くなるようにクランク形に屈曲している。
【0022】
垂直部16における上下両端以外の内部には多数の風向板17が取り付けられている。この風向板17は、前後両側壁の内面から上下方向で交互に突出するように取り付けられると共に、それぞれ上向きにほぼ45゜傾斜した姿勢になっていて、この姿勢での水平前後幅は垂直部16の前後幅の半分余りになっている。このようなダクト13は、キャビネット3に残されている空気清浄部配置空間に収められ、その吸気口14aはキャビネット3の前面下端部に開口し、吸気口15aはキャビネット3の前面上端部に開口する。
排気口15aには横桟形の排気口パネル18が着脱自在に取り付けられる。
【0023】
〔B−2.ファン、フィルターユニット〕(図1〜図3)
ダクト13の下端部14における前記クランク形の屈曲部にはここをほぼ塞ぐ形で吸気ファン20が配置され、上端部15におけるクランク形の屈曲部にはここをほぼ塞ぐ形で排気ファン21が配置されている。これらファン20、21には横長のシロッコファンが用いられ、吸気ファン20は吸気口14aからダクト13内に空気を吸引する方向へ回転され、排気ファン21はダクト13内の空気を排気口15aから機外へ排出する方向へ回転される。従って、ファン20、21が回転すると、ダクト13内に吸気口14aから排気口15aへ向かって流れる空気流が発生し、この空気流は垂直部16を通る際に風向板17によって蛇行させられる。
【0024】
フィルターユニット24は、後側面と上面が開口し前面が横桟付きの開口に形成された箱形のフレーム25を有する。このフレーム25は、前方から見て吸気口14aにほぼぴったり収まる大きさの外形を有すると共に、一定間隔で前後に並んだ4つの縦溝が設けられていて、この4つの縦溝にそれぞれ除塵フィルター26a、26b、脱臭フィルター26c、26dが交換可能に装着される。以下の説明において、これら除塵フィルター26a、26b、脱臭フィルター26c、26dを、4枚まとめてフィルター26と称する。
このようなフィルターユニット24は、図2に示すように吸気口14aからダクト13内に装填され、その前面が吸気口14aのパネルを兼ねる。
吸気口14aからダクト13内に吸引されて行く機外の空気は、先ず4枚のフィルター26を通されることで除塵や脱臭を施される。
【0025】
〔B−3.オゾン発生器、オゾン除去フィルター等〕(図2、図3)
オゾン発生器27には既知の放電生成式のものを使用している。このオゾン発生器27は、ダクト13の下端部15における吸気ファン20から後側の位置に取り付けられており、その電源はダクト13の外に配置されている。従って、フィルター26を通してダクト13内に吸引された空気は、オゾン発生器27から発生するオゾンに触れることにより殺菌されて上に流れて行く。この空気がダクト13の垂直部16を通るときは風向板17によって繰り返し蛇行するので、この蛇行による撹拌作用により、空気とオゾンとの混合が促進されて空気とオゾンとが隈なく接触する。
【0026】
オゾン除去フィルター29、30、31は、波形に成形した活性炭シートを積層してハニカム構造化したフィルターを触媒としたものである。オゾン除去フィルター29はダクト13の下端部14における吸気ファン20とオゾン発生器25との間に配置され、オゾン除去フィルター30、31はダクト13の上端部15における後端部に互いに前後に並んで配置されている。従って、垂直部16の下端辺りからオゾンを混合された空気は、上側のオゾン除去フィルター30、31を通る際にオゾンを除去されて上端部15に送り出されて行く。
【0027】
また、オゾン発生器27が駆動している状態で、何らかの原因により吸気ファン20等が停止した場合は、オゾンを含んだ空気が吸気口14a側へ逆流するおそれがあるが、その場合の空気は必ず下側のオゾン除去フィルター29を通されるので、そのオゾンはこのオゾン除去フィルター29で除去されて機外に放出されることは無い。
【0028】
電子フィルター33は、高圧電線とメッシュフィルターを組み合わせた既知の形式のもので、上側のオゾン除去フィルター30、31と排気ファン21との間に配置されており、その電源はダクト13の外に配置されている。
マイナスイオン発生器35は、排気口15a近くに配置されており、これの電源もダクト13の外に配置されている。
従って、オゾン除去フィルター30、31でオゾンを除去された空気は、電子フィルター33を通る際に最終的な除塵を施された後、マイナスイオン発生器35から発生するマイナスイオンを拾って排気口15aから機外に放出される。
空気清浄機1は以上のように構成されている。
【0029】
〔C.作用〕
この空気清浄機1を室内の壁際などに設置すると、吸気口14aが床面近くに来て、排気口15aが天井近くに位置するので、室内の空気はその床面近くからダクト13内に吸引されて天井近くから排出され、それにより、室内の空気が全体的にサーキュレーションされると共に、ダクト13を通る間に清浄される。即ち、室内の空気は、先ず吸気口14aからダクト13に入る際に各種のフィルター26で除塵や脱臭をされた後、オゾン発生器27から発生するオゾンによって殺菌され、その殺菌に使用されたオゾンは排気口15aから機外に出る前にオゾン除去フィルター30、31で除去され、最終的に電子フィルター33によって除塵され、マイナスイオン発生器35から発生するマイナスイオンを伴って排気口から室内に放出される。ダクト13内のオゾン濃度は10ppm程度となり極めて効果的な殺菌を行うことができる。このようにオゾン濃度を高いものとしても、オゾンは排気口15aから機外に出る前にオゾン除去フィルター30、31で除去されので、人体に害を及ぼすことはない。
【0030】
この空気清浄機1が運転している状態の室内は、そのほぼ全体に渡って、清浄で且つマイナスイオンを大量に含む空気で満たされると共に、除塵や脱臭、殺菌が循環的に繰り返されることで常に清浄な雰囲気が保たれる。
しかも、この空気清浄機1は、その躯体の半分以上を占める空間を収納室3aとして有効に使用することができるし、空気清浄に働く部分すなわち空気清浄部11は吸気口14aと排気口15aが見えるだけであるから、これを空気清浄機として意識することが少なく、インテリアとしても違和感が生じない。
【0031】
〔2.第二の実施の形態〕(図4、図5)
図4及び図5は、第二の実施の形態に係る空気清浄機41を示すものである。この空気清浄機41は、前記空気清浄機1のような収納庫タイプのものでは無く、キャビネット43に空気清浄部11Aを収めただけの構造になっている。この空気清浄部11Aが前記空気清浄機1における空気清浄部11と相違するところは、主として、ダクトを総体的に縦長に構えた点と、このことに伴う各部材の配置形態だけである。従って、説明はこれら相違点だけについて行い、その他の部分については、図面の各部に前記空気清浄機1における同様の部位に付した符号と同じ符号、又はそれにダッシュ記号を付けた符号を付することで説明の重複を避ける。このような符号の使い方とその意味は、後述する第三の実施の形態においても同様とする。
【0032】
キャビネット43は、奥行きが比較的小さい縦長のもので、2メートル程度の丈を有し、その前面パネル45における上下両端部に横長の口45aが形成されている。
ダクト13′は、その下端寄りの部分51と上端寄りの部分52が右側から見ていずれもほぼコ字形に屈曲しており、下端寄り部分51の下部前端開口が吸気口51aで、上端寄り部分52の上部前端口が排気口52aになっている。
下端寄り部分51における上側の角部には吸気ファン20が配置され、上端寄り部分52における下部の前寄り位置には排気ファン21が配置されている。
【0033】
吸気口51aの近くには除塵フィルター26aが着脱自在に取り付けられ、吸気ファン20の下には除塵フィルター26b、脱臭フィルター26c、26dが水平姿勢で互いに重なるように着脱自在に設けられている。排気口52a近くにはマイナスイオン発生器35が配置されている。
ダクト13′の垂直部16内には、その下端近くにオゾン発生器27が取り付けられ、その上側に風向板17が取り付けられ、更にこの上側にオゾン除去フィルター30、31と電子フィルター33が下からこの順序で水平姿勢で取り付けられている。
【0034】
このように組み立てられた空気清浄部11Aは、吸気口51aが前面パネル45の下側の口45aに収まり排気口52aが前面パネル45の上側の口45aに収まる状態でキャビネット43内に取り付けられる。吸気口51aには排気口パネル18と同様の吸気口パネル18′が着脱自在に取り付けられる。
【0035】
この空気清浄機41においても、これを図5に示すように例えば室内の壁47際で床に置くと、吸気口51aが床面近くに来て、排気口52aが天井近くに位置するので、室内の空気はその床面近くからダクト13′内に吸引されたのち天井近くから排出されて、室内の空気が全体的にサーキュレーションされる。このようにサーキュレーションされる空気は、ダクト13′に入ったところで各種のフィルター26で除塵や脱臭をされた後、オゾン発生器27から発生するオゾンによって殺菌され、その殺菌に使用されたオゾンは排気口52aから機外に出る前にオゾン除去フィルター30、31で除去され、電子フィルター33によって最終的に除塵され、マイナスイオン発生器35から発生するマイナスイオンを拾って排気口52aから室内に放出される。
【0036】
〔3.第三の実施の形態〕(図6〜図8)
図6から図8は、第三の実施の形態に係る空気清浄機11A′を示すものである。この空気清浄機11A′はその大部分が壁47に裏側から取り付けられる所謂ビルドインタイプのもので、格別なキャビネットは備えておらず、構造は前記第二の実施の形態で示した空気清浄機41における空気清浄部11と大部分同じであり、吸気口51aと排気口52aに多少の長さを持たせたことだけが相違する。即ち、図7を見て分かるように、吸気口51aと排気口52aはダクト13′の前面13′aより壁47の厚さ分程度前に突出させてある。
【0037】
この空気清浄機11A′の取付けに当たっては、壁47に上下2箇所孔47aを明け、この孔47aに吸気口51aと排気口52aの各先端部を壁の裏側から差し込んだ状態でダクト13´を当該壁57に固定する。
従って、この空気清浄機11A′を室内側から見たときは、図6に示すように、吸気口51aを塞いだ吸気口パネル18′と排気口52aを塞いだ排気口パネル18が壁47の床近くと天井近くに各別に現れるだけで、他は壁47に隠れるため、室内には出っ張らないすっきりした状態で設置される。
【0038】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の具体的構成がこの実施の形態に限定されるものでは無く、本発明の要旨から外れない範囲での設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、排気口を上端部に、吸気口を下端部に配置した空気清浄機を示したが、これとは逆に排気口を下端部に、吸気口を上端部に配置する構成としてもよい。このような構成とすると、例えば部屋の上層部に滞留する煙草の煙等を除去するのに有効である。
上記実施の形態では電子フィルター33を排気ファン21とオゾン除去フィルター31との間に設けたが、電子フィルター33をオゾン除去フィルター31とオゾン除去フィルター30との間に配置してもよい。電子フィルターの中には、特に高電圧をかけるとオゾンを発生するものがあるが、このような構成にすれば、電子フィルター33からオゾンが発生しても、このオゾンが機外に漏れるのを防止できる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、居住空間のほぼ全体に渡る大きな対流を伴って空気浄化を行うことができると共に、オゾン発生器の機能を十分果すことができる。また、意匠的効果にも優れ室内に出っ張らないすっきりした状態で設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る空気清浄機の外観を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿って切断した拡大断面図である。
【図3】図1に示す空気清浄機における空気清浄部の斜視図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態に係る空気清浄機の斜視図である。
【図5】図4の空気清浄機を壁沿いに設置した状態において同図のB−B線に沿って切断した断面図である。
【図6】本発明の第三の実施の形態に係る空気清浄機を壁の裏側に取り付けた状態で示す正面図である。
【図7】図6のC−C線に沿って切断した拡大断面図である。
【図8】図6に示す空気清浄機における空気清浄部を拡大した斜視図である。
【符号の説明】
1…空気清浄機 3…キャビネット 3a…物品収納部
13…通気路 14a…吸気口 15a…排気口 17…風向板
20…ファン(吸気用ファン) 21…(排気用ファン)
26…除塵フィルター 27…オゾン発生器
29…吸気口とオゾン発生器との間の区間に設けたオゾン除去フィルター
30…風下側に配置されたオゾン除去フィルター
31…風下側に配置されたオゾン除去フィルター
35…マイナスイオン発生器
41…空気清浄機 13′…通気路 51a…吸気口
52a…排気口
11A′…空気清浄機 13′a…通気路の前面
【発明の属する技術分野】
本発明は空気清浄機に係り、特に、居住空間のほぼ全体に渡る大きな対流を伴って空気浄化を行うことができる新規な空気清浄機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
室内の空気を浄化する機器として空気清浄機がある。今日の空気清浄機は、除塵フィルターの他に、オゾン発生器やマイナスイオン発生器などを付設することでダストの殺菌や分解なども行う機能を持たせた多機能のものが多く出回って来ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、家庭やオフィスなどの居住空間で用いられる従来の空気清浄機は、通常、正面外形が縦横数10cm程度で奥行きの小さい箱形に形成されたキャビネットにフィルターと吸気用ファンやオゾン発生器などの部材をコンパクトに収めた構造になっているため、床に置いたり、壁に掛けて使用するには置き場所を取らないという利点がある反面、空気浄化が室内全体に行き届き難く、オゾン発生器を備えている場合でもその効能が十分果されないという問題があった。
【0004】
すなわち、当該キャビネットの前面を為す吸気口から取り込まれた空気はその吸気口辺りでフィルターを通った後、直ぐにケーシングの側面にある排気口から放出されてしまうため、オゾンとの接触時間や接触量が少なく、また、吸気と排気による空気の流れは当該ケーシングの付近に起こるだけであって室内のほぼ全体に対流を起こすことは無いので、室内の空気を常時満遍なく浄化することが不可能だからである。
【0005】
本発明は上記した従来の問題点に鑑みて為されたものであり、家屋における室内など居住空間のほぼ全体に渡る大きな対流を伴って空気浄化を行うことができると共に、オゾン発生器の機能を十分果すことができ、また、意匠的効果にも優れ室内に出っ張らないすっきりした状態で設置することができる新規な空気清浄機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載した空気清浄機は、前面に排気口と吸気口がある通気路を備えており、該通気路に、吸気口から吸引されて排気口から排出される空気流を作るためのファンと、吸気口又はその近くに着脱自在に取り付けられた除塵フィルターと、排気口近くに配置されたマイナスイオン発生器と、これら除塵フィルターとマイナスイオン発生器との間の区間における風上側に配置されたオゾン発生器とこの区間における風下側に配置されたオゾン除去フィルターとを設けたことを特徴とするものである。
【0007】
この空気清浄機によれば、吸気口から通気路に入った空気は、先ず除塵フィルターで除塵された後、オゾン発生器から発生するオゾンによって殺菌されながら通気路を流れて行き、排気口から出る前にオゾン除去フィルターによってオゾンを取り除かれる。そして、マイナスイオン発生器から発生するマイナスイオンを伴って排気口から室内に放出され、そのマイナスイオンによって更に室内の空気が浄化される。特に、従来一般的な空気清浄機とは違って、吸気口から排気口までの距離がかなり長いため、通気路を流れる空気をオゾン発生器から発生するオゾンに長い時間接触させることができ、それによってオゾンによる殺菌を十分行うことができる。
従って、本発明によれば、室内の空気をほぼ全体に渡って常時満遍なく浄化することができる。
【0008】
通気路内を流れる空気がオゾンに接する時間を長くするためには、オゾン発生器をなるべく吸気口に近いところに配置しオゾン除去フィルターはなるべく排気口に近いところに配置してこれらの間の区間をできるだけ長く取ると良い。
オゾン除去フィルターを設けたので、オゾンが機外へ出るのを防止できる。従って、10ppm程度の高濃度のオゾンを発生させて極めて効果的な殺菌を行うことが可能となる。なお、開放された空間で発生させても人体に害のないオゾン濃度は、0.1ppm程度である。
除塵フィルターは、開口度が異なるものを複数枚組み合わせて設けると良く、更には、脱臭材を付与した脱臭フィルターを併用するのが望ましい。
場合によっては、排気口側にもフィルターを設けると良く、この場合のフィルターとしては電子フィルターを用いることも考えられる。
【0009】
請求項2に記載した空気清浄機は、請求項1に記載した空気清浄機において、排気口は前面の上端部に配置され、吸気口は前面の下端部に配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
この空気清浄機によれば、吸気口が床面近くに来るように置くと、室内の空気はその床面近くから通気路に吸引されて天井近くから排出されるため、室内の空気が全体的にサーキュレーションされると共に、その空気が主として通気路を通る間に清浄される。
【0011】
請求項3に記載した空気清浄機は、請求項1または2に記載した空気清浄機において、物品収納部を有する収納庫型のキャビネットを備えており、このキャビネットに当該物品収納部を避けて通気路を設けると共に、該通気路の吸気口は当該キャビネットの下端部側面に開口し排気口は当該キャビネットの上端部外面に開口したことを特徴とするものである。
【0012】
この請求項3に記載した空気清浄機は、本発明を収納庫型に具体化したものである。所謂洋ダンスとか多目的収納庫などの収納庫は、一般に全高が180cm程度あるキャビネットを備えており、その幕板や天板下部と背面部には多少の空間が残されることが多いので、その空間を利用して通気路を設けることは比較的容易である。
従って、この請求項3の発明によれば、空気清浄機自体が特別場所を取らない形で設置することができるし、空気清浄機を意識させない意匠的美観を奏する。
【0013】
請求項4に記載した空気清浄機は、請求項1または2に記載した空気清浄機において、通気路は総体的に上下方向へ延びる形にし、この通気路の前面とほぼ同じ面上に吸気口と排気口を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
通気路の形をこのようにすると、奥行きサイズをかなり小さくすることができるので、室内に設置する場合でも場所を取らないし、壁に裏側から取り付ける所謂ビルドインタイプにすることも容易になる。
具体的には、通気路を画するダクトを総体的に上下方向へ延びる縦長の形にし、吸気口と排気口はそのダクトの前面の上下両端部に設けるか又はダクトの前面より多少前側へ突出するように設ければ、奥行きをかなり薄型にできるし、その吸気口と排気口が臨む孔を壁材に穿つだけで、当該壁材の内面沿いに通気路を配置することができる。このようにして壁の裏側に取り付ければ、室内には出っ張らないすっきりした状態で設置することができる。
【0015】
請求項5に記載した空気清浄機は、請求項1から4のいずれかに記載した空気清浄機において、通気路のうちオゾン発生器とオゾン除去フィルターとの間の区間に空気流を蛇行させるための風向板を設けたことを特徴とするものである。
このようにすると、通気路の外形寸法の割に空気が流れる実質的距離が長くなるし、ここを流れる空気が撹拌され易くなるため、その分、通気路を流れる空気とオゾン発生器から発生したオゾンとの接触が十分行われて、オゾンによる殺菌効果がより高まる。
【0016】
請求項6に記載した空気清浄機は、請求項1から5のいずれかに記載した空気清浄機において、ファンは、吸気用ファンと排気用ファンを備えたことを特徴とするものである。
このようにすると、通気路における空気流が滑らかになって処理能力が向上すると共に、ファンに掛かる圧力が低下するために騒音も小さくなる。
【0017】
請求項7に記載した空気清浄機は、請求項1から6のいずれかに記載した空気清浄機において、吸気口とオゾン発生器との間の区間にもオゾン除去フィルターを設けたことを特徴とするものである。
このようにすると、何らかの原因でファンが停止してオゾン発生器だけが駆動し続けるような事態が起こっても、吸気口側へ向かうオゾンは、吸気口とオゾン発生器との間の区間に設けられているオゾン除去フィルターによって除去されるため、オゾンによる事故の発生を確実に防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係る空気清浄機を図面に従って説明する。
〔1.第一の実施の形態〕(図1〜図3)
図1から図3は、第一の実施の形態に係る空気清浄機1を示すものであり、この空気清浄機1は、収納庫型のキャビネット3に空気清浄部11を組み込んだ構造になっている。
【0019】
〔A.キャビネット〕(図1、図2)
キャビネット3は大部分を木材やプラスチックで形成したもので、1.8メートル程度の丈を有する縦長矩形をしている。キャビネット3の内部には、背面部(図1における右上方へ向かう方向を後側とし、同図における左上方へ向かう方向を左側とする。)と上下両端部に渡る部分を空気清浄部組込み空間として残して、前面が開口した箱形の内壁4(図2参照)を取り付けることで収納室3aを設けてある。この収納室3aの前面にはここを開閉する扉5を取り付けてあり、収納室3aを上下に2分している仕切り壁6の前面には、空気清浄部11に対する操作を行うための操作パネル7(図1参照)が設けられている。
【0020】
〔B.空気清浄部〕(図1〜図3)
空気清浄部11は、通気路を画成するダクト13と、このダクト13の中に配置された吸気ファン20及び排気ファン21と、4枚のフィルターを着脱自在に装着したフィルターユニット24と、オゾン発生器27と、3つのオゾン除去フィルター29、30及び31と、電子フィルター33と、マイナスイオン発生器35などで構成されている。
【0021】
〔B−1.ダクト〕(図1〜図3)
ダクト13は、右側から見てその全体がほぼコ字形に屈曲しており、その横断面は左右方向に比較的細長い矩形を為し、下端部14の前端開口が吸気口14aで、上端部15の前端開口が排気口15aになっている。これら上端部15と下端部14をつないだ垂直部16はその左右幅を上端部15及び下端部14の左右幅のほぼ半分にされると共に上端と下端は先拡がりの形で上端部15と下端部14にそれぞれ連続している。
下端部14のほぼ中間位置はそれより前側が後側より低くなるようにクランク形に屈曲し、上端部15の排気口15a寄りの位置もそれより前側が後側より高くなるようにクランク形に屈曲している。
【0022】
垂直部16における上下両端以外の内部には多数の風向板17が取り付けられている。この風向板17は、前後両側壁の内面から上下方向で交互に突出するように取り付けられると共に、それぞれ上向きにほぼ45゜傾斜した姿勢になっていて、この姿勢での水平前後幅は垂直部16の前後幅の半分余りになっている。このようなダクト13は、キャビネット3に残されている空気清浄部配置空間に収められ、その吸気口14aはキャビネット3の前面下端部に開口し、吸気口15aはキャビネット3の前面上端部に開口する。
排気口15aには横桟形の排気口パネル18が着脱自在に取り付けられる。
【0023】
〔B−2.ファン、フィルターユニット〕(図1〜図3)
ダクト13の下端部14における前記クランク形の屈曲部にはここをほぼ塞ぐ形で吸気ファン20が配置され、上端部15におけるクランク形の屈曲部にはここをほぼ塞ぐ形で排気ファン21が配置されている。これらファン20、21には横長のシロッコファンが用いられ、吸気ファン20は吸気口14aからダクト13内に空気を吸引する方向へ回転され、排気ファン21はダクト13内の空気を排気口15aから機外へ排出する方向へ回転される。従って、ファン20、21が回転すると、ダクト13内に吸気口14aから排気口15aへ向かって流れる空気流が発生し、この空気流は垂直部16を通る際に風向板17によって蛇行させられる。
【0024】
フィルターユニット24は、後側面と上面が開口し前面が横桟付きの開口に形成された箱形のフレーム25を有する。このフレーム25は、前方から見て吸気口14aにほぼぴったり収まる大きさの外形を有すると共に、一定間隔で前後に並んだ4つの縦溝が設けられていて、この4つの縦溝にそれぞれ除塵フィルター26a、26b、脱臭フィルター26c、26dが交換可能に装着される。以下の説明において、これら除塵フィルター26a、26b、脱臭フィルター26c、26dを、4枚まとめてフィルター26と称する。
このようなフィルターユニット24は、図2に示すように吸気口14aからダクト13内に装填され、その前面が吸気口14aのパネルを兼ねる。
吸気口14aからダクト13内に吸引されて行く機外の空気は、先ず4枚のフィルター26を通されることで除塵や脱臭を施される。
【0025】
〔B−3.オゾン発生器、オゾン除去フィルター等〕(図2、図3)
オゾン発生器27には既知の放電生成式のものを使用している。このオゾン発生器27は、ダクト13の下端部15における吸気ファン20から後側の位置に取り付けられており、その電源はダクト13の外に配置されている。従って、フィルター26を通してダクト13内に吸引された空気は、オゾン発生器27から発生するオゾンに触れることにより殺菌されて上に流れて行く。この空気がダクト13の垂直部16を通るときは風向板17によって繰り返し蛇行するので、この蛇行による撹拌作用により、空気とオゾンとの混合が促進されて空気とオゾンとが隈なく接触する。
【0026】
オゾン除去フィルター29、30、31は、波形に成形した活性炭シートを積層してハニカム構造化したフィルターを触媒としたものである。オゾン除去フィルター29はダクト13の下端部14における吸気ファン20とオゾン発生器25との間に配置され、オゾン除去フィルター30、31はダクト13の上端部15における後端部に互いに前後に並んで配置されている。従って、垂直部16の下端辺りからオゾンを混合された空気は、上側のオゾン除去フィルター30、31を通る際にオゾンを除去されて上端部15に送り出されて行く。
【0027】
また、オゾン発生器27が駆動している状態で、何らかの原因により吸気ファン20等が停止した場合は、オゾンを含んだ空気が吸気口14a側へ逆流するおそれがあるが、その場合の空気は必ず下側のオゾン除去フィルター29を通されるので、そのオゾンはこのオゾン除去フィルター29で除去されて機外に放出されることは無い。
【0028】
電子フィルター33は、高圧電線とメッシュフィルターを組み合わせた既知の形式のもので、上側のオゾン除去フィルター30、31と排気ファン21との間に配置されており、その電源はダクト13の外に配置されている。
マイナスイオン発生器35は、排気口15a近くに配置されており、これの電源もダクト13の外に配置されている。
従って、オゾン除去フィルター30、31でオゾンを除去された空気は、電子フィルター33を通る際に最終的な除塵を施された後、マイナスイオン発生器35から発生するマイナスイオンを拾って排気口15aから機外に放出される。
空気清浄機1は以上のように構成されている。
【0029】
〔C.作用〕
この空気清浄機1を室内の壁際などに設置すると、吸気口14aが床面近くに来て、排気口15aが天井近くに位置するので、室内の空気はその床面近くからダクト13内に吸引されて天井近くから排出され、それにより、室内の空気が全体的にサーキュレーションされると共に、ダクト13を通る間に清浄される。即ち、室内の空気は、先ず吸気口14aからダクト13に入る際に各種のフィルター26で除塵や脱臭をされた後、オゾン発生器27から発生するオゾンによって殺菌され、その殺菌に使用されたオゾンは排気口15aから機外に出る前にオゾン除去フィルター30、31で除去され、最終的に電子フィルター33によって除塵され、マイナスイオン発生器35から発生するマイナスイオンを伴って排気口から室内に放出される。ダクト13内のオゾン濃度は10ppm程度となり極めて効果的な殺菌を行うことができる。このようにオゾン濃度を高いものとしても、オゾンは排気口15aから機外に出る前にオゾン除去フィルター30、31で除去されので、人体に害を及ぼすことはない。
【0030】
この空気清浄機1が運転している状態の室内は、そのほぼ全体に渡って、清浄で且つマイナスイオンを大量に含む空気で満たされると共に、除塵や脱臭、殺菌が循環的に繰り返されることで常に清浄な雰囲気が保たれる。
しかも、この空気清浄機1は、その躯体の半分以上を占める空間を収納室3aとして有効に使用することができるし、空気清浄に働く部分すなわち空気清浄部11は吸気口14aと排気口15aが見えるだけであるから、これを空気清浄機として意識することが少なく、インテリアとしても違和感が生じない。
【0031】
〔2.第二の実施の形態〕(図4、図5)
図4及び図5は、第二の実施の形態に係る空気清浄機41を示すものである。この空気清浄機41は、前記空気清浄機1のような収納庫タイプのものでは無く、キャビネット43に空気清浄部11Aを収めただけの構造になっている。この空気清浄部11Aが前記空気清浄機1における空気清浄部11と相違するところは、主として、ダクトを総体的に縦長に構えた点と、このことに伴う各部材の配置形態だけである。従って、説明はこれら相違点だけについて行い、その他の部分については、図面の各部に前記空気清浄機1における同様の部位に付した符号と同じ符号、又はそれにダッシュ記号を付けた符号を付することで説明の重複を避ける。このような符号の使い方とその意味は、後述する第三の実施の形態においても同様とする。
【0032】
キャビネット43は、奥行きが比較的小さい縦長のもので、2メートル程度の丈を有し、その前面パネル45における上下両端部に横長の口45aが形成されている。
ダクト13′は、その下端寄りの部分51と上端寄りの部分52が右側から見ていずれもほぼコ字形に屈曲しており、下端寄り部分51の下部前端開口が吸気口51aで、上端寄り部分52の上部前端口が排気口52aになっている。
下端寄り部分51における上側の角部には吸気ファン20が配置され、上端寄り部分52における下部の前寄り位置には排気ファン21が配置されている。
【0033】
吸気口51aの近くには除塵フィルター26aが着脱自在に取り付けられ、吸気ファン20の下には除塵フィルター26b、脱臭フィルター26c、26dが水平姿勢で互いに重なるように着脱自在に設けられている。排気口52a近くにはマイナスイオン発生器35が配置されている。
ダクト13′の垂直部16内には、その下端近くにオゾン発生器27が取り付けられ、その上側に風向板17が取り付けられ、更にこの上側にオゾン除去フィルター30、31と電子フィルター33が下からこの順序で水平姿勢で取り付けられている。
【0034】
このように組み立てられた空気清浄部11Aは、吸気口51aが前面パネル45の下側の口45aに収まり排気口52aが前面パネル45の上側の口45aに収まる状態でキャビネット43内に取り付けられる。吸気口51aには排気口パネル18と同様の吸気口パネル18′が着脱自在に取り付けられる。
【0035】
この空気清浄機41においても、これを図5に示すように例えば室内の壁47際で床に置くと、吸気口51aが床面近くに来て、排気口52aが天井近くに位置するので、室内の空気はその床面近くからダクト13′内に吸引されたのち天井近くから排出されて、室内の空気が全体的にサーキュレーションされる。このようにサーキュレーションされる空気は、ダクト13′に入ったところで各種のフィルター26で除塵や脱臭をされた後、オゾン発生器27から発生するオゾンによって殺菌され、その殺菌に使用されたオゾンは排気口52aから機外に出る前にオゾン除去フィルター30、31で除去され、電子フィルター33によって最終的に除塵され、マイナスイオン発生器35から発生するマイナスイオンを拾って排気口52aから室内に放出される。
【0036】
〔3.第三の実施の形態〕(図6〜図8)
図6から図8は、第三の実施の形態に係る空気清浄機11A′を示すものである。この空気清浄機11A′はその大部分が壁47に裏側から取り付けられる所謂ビルドインタイプのもので、格別なキャビネットは備えておらず、構造は前記第二の実施の形態で示した空気清浄機41における空気清浄部11と大部分同じであり、吸気口51aと排気口52aに多少の長さを持たせたことだけが相違する。即ち、図7を見て分かるように、吸気口51aと排気口52aはダクト13′の前面13′aより壁47の厚さ分程度前に突出させてある。
【0037】
この空気清浄機11A′の取付けに当たっては、壁47に上下2箇所孔47aを明け、この孔47aに吸気口51aと排気口52aの各先端部を壁の裏側から差し込んだ状態でダクト13´を当該壁57に固定する。
従って、この空気清浄機11A′を室内側から見たときは、図6に示すように、吸気口51aを塞いだ吸気口パネル18′と排気口52aを塞いだ排気口パネル18が壁47の床近くと天井近くに各別に現れるだけで、他は壁47に隠れるため、室内には出っ張らないすっきりした状態で設置される。
【0038】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の具体的構成がこの実施の形態に限定されるものでは無く、本発明の要旨から外れない範囲での設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、排気口を上端部に、吸気口を下端部に配置した空気清浄機を示したが、これとは逆に排気口を下端部に、吸気口を上端部に配置する構成としてもよい。このような構成とすると、例えば部屋の上層部に滞留する煙草の煙等を除去するのに有効である。
上記実施の形態では電子フィルター33を排気ファン21とオゾン除去フィルター31との間に設けたが、電子フィルター33をオゾン除去フィルター31とオゾン除去フィルター30との間に配置してもよい。電子フィルターの中には、特に高電圧をかけるとオゾンを発生するものがあるが、このような構成にすれば、電子フィルター33からオゾンが発生しても、このオゾンが機外に漏れるのを防止できる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、居住空間のほぼ全体に渡る大きな対流を伴って空気浄化を行うことができると共に、オゾン発生器の機能を十分果すことができる。また、意匠的効果にも優れ室内に出っ張らないすっきりした状態で設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る空気清浄機の外観を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿って切断した拡大断面図である。
【図3】図1に示す空気清浄機における空気清浄部の斜視図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態に係る空気清浄機の斜視図である。
【図5】図4の空気清浄機を壁沿いに設置した状態において同図のB−B線に沿って切断した断面図である。
【図6】本発明の第三の実施の形態に係る空気清浄機を壁の裏側に取り付けた状態で示す正面図である。
【図7】図6のC−C線に沿って切断した拡大断面図である。
【図8】図6に示す空気清浄機における空気清浄部を拡大した斜視図である。
【符号の説明】
1…空気清浄機 3…キャビネット 3a…物品収納部
13…通気路 14a…吸気口 15a…排気口 17…風向板
20…ファン(吸気用ファン) 21…(排気用ファン)
26…除塵フィルター 27…オゾン発生器
29…吸気口とオゾン発生器との間の区間に設けたオゾン除去フィルター
30…風下側に配置されたオゾン除去フィルター
31…風下側に配置されたオゾン除去フィルター
35…マイナスイオン発生器
41…空気清浄機 13′…通気路 51a…吸気口
52a…排気口
11A′…空気清浄機 13′a…通気路の前面
Claims (7)
- 前面に排気口と吸気口がある通気路を備えており、該通気路に、吸気口から吸引されて排気口から排出される空気流を作るためのファンと、吸気口又はその近くに着脱自在に取り付けられた除塵フィルターと、排気口近くに配置されたマイナスイオン発生器と、これら除塵フィルターとマイナスイオン発生器との間の区間における風上側に配置されたオゾン発生器とこの区間における風下側に配置されたオゾン除去フィルターとを設けたことを特徴とする空気清浄機。
- 請求項1に記載した空気清浄機において、排気口は前面の上端部に配置され、吸気口は前面の下端部に配置されていることを特徴とする空気清浄機。
- 請求項1または2に記載した空気清浄機において、物品収納部を有する収納庫型のキャビネットを備えており、このキャビネットに当該物品収納部を避けて通気路が設けられていることを特徴とする空気清浄機。
- 請求項1または2に記載した空気清浄機において、通気路は総体的に上下方向へ延びる形にし、この通気路の前面とほぼ同じ面上に吸気口と排気口を設けたことを特徴とする空気清浄機。
- 請求項1から4のいずれかに記載した空気清浄機において、通気路のうちオゾン発生器とオゾン除去フィルターとの間の区間に空気流を蛇行させるための風向板を設けたことを特徴とする空気清浄機。
- 請求項1から5のいずれかに記載した空気清浄機において、ファンは、吸気用ファンと排気用ファンを備えたことを特徴とする空気清浄機。
- 請求項1から6のいずれかに記載した空気清浄機において、吸気口とオゾン発生器との間の区間にもオゾン除去フィルターを設けたことを特徴とする空気清浄機。
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