JP2004017338A - インクジェットヘッド用充填液、インクジェットヘッド、及び記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド用充填液、インクジェットヘッド、及び記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェットヘッド1内に充填される充填液を工夫することで、インクジェットヘッド1におけるインクの吐出不良を防止する。
【解決手段】充填液に、親水基を有するシリコン系化合物の加水分解物と、水とを含有させる。これにより、インクジェットヘッド1の内表面6,7を親水性にする。
【選択図】      図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッド用充填液、該充填液が充填されるインクジェットヘッド、及び該インクジェットヘッドを備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、いわゆるピエゾ方式やバブル方式によって、ノズルからインクを吐出させて記録媒体上に画像を形成するインクジェットヘッド及び記録装置が知られている。
【0003】
このようなインクジェットヘッド(記録装置)を輸送する際(例えばメーカからの出荷の際等)には、インクジェットヘッド内に設けられたインク流路内に、インクの代わりに充填液を充填するようにしている(例えば、特開平9−327934号公報、及び特開2000−108493号公報参照)。これらの公報には、インクジェットヘッド内への充填性等の観点から、トリエチレングリコールモノメチルエーテルと、N−(β−アミノエチル)エタノールアミンとからなる充填液や、トリエチルアミン、グリセリン、ジエチレングリコール及び水から構成された充填液が開示されている。
【0004】
このように、インク流路内に充填液を充填するのは、例えばインク流路内にインクを充填したのでは、輸送中の環境変化によってインクが凝固して、インクジェットヘッドの目詰まりが生じる虞があるためである。一方、例えばインク流路内を空の状態としたのでは、ユーザが、空のインクジェットヘッド内にインクを充填する際にインク流路内に気泡が残留してしまって、吐出不良を引き起こす虞があるためである。つまり、ピエゾ方式のインクジェットヘッドでは圧電素子の変形によって、またバブル方式のインクジェットヘッドではインクの加熱により発生したバブルによって、インクジェットヘッド内のインクに圧力を加えることで、インクをノズルから吐出するようにしているが、インク流路内に気泡が残留しているとインクに加えた圧力が気泡の収縮によって吸収されてしまい、その結果、ノズルからインクが吐出されないといった、吐出不良が生じるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インクジェットヘッドに充填液を充填させた場合には、ユーザがインクジェットヘッドの使用を開始する際には、インクジェットヘッド内の充填液をインクと置換させることになるが、この充填液とインクとの置換の際に、インクジェットヘッドのインク流路内に気泡が混入してしまうことがある。
【0006】
こうしてインク流路内に混入した気泡は、充填液(及びインク)がノズルから排出されるに伴って、通常は、インクジェットヘッド内から除去される。また、インクジェットヘッドのノズルからインクを吸引する、いわゆるクリーニングによってインク流路内に混入した気泡を確実に除去することも行われる。
【0007】
ところが、上記インク流路内に混入した気泡が、インク流路を区画形成する壁面(インクジェットヘッドの内表面)に付着することがあり、こうして壁面に付着した気泡はクリーニングを行っても除去し難く、インクジェットヘッド内に残留してしまう場合がある。このため、インクジェットヘッドの輸送時に、このインクジェットヘッド内に充填液を充填させたとしても、インクジェットヘッドの吐出不良を招いてしまう場合がある。
【0008】
また、インクジェット記録に用いられるインクは、通常、色材(染料又は顔料)と、保湿剤と、水とを含有したものであるが、このインクは、記録媒体上に形成した画像の耐水性が悪い。すなわち画像が水に濡れると色材が水中に染み出してしまうインクである。
【0009】
そこで、従来から、例えば特開平10−212439号公報、特開平11−293167号公報及び特開平11−315231号公報に開示されているように、インクに加水分解性シラン化合物(有機ケイ素化合物)を含有させることにより、記録媒体上の画像の耐水性を向上させるようにした耐水性インクが知られている。このようにインクにシラン化合物を含有させることによって、インク滴が記録媒体上に付着して水分(溶媒)が蒸発したり記録媒体内に浸透したりしたときには、上記記録媒体上に残ったシラン化合物が縮重合反応し、この縮重合反応したシラン化合物が色材を取り囲むことになる。その結果、記録媒体上の画像が水に濡れても、色材がその水中に染み出すことを防止するようにしている。
【0010】
ところが、この耐水性インクは、通常のインク(加水分解性シラン化合物を含有しないインク)と比べて粘度が高いため、インクジェットヘッド内の充填液をインクと置換する際に、インク流路内に気泡が混入し易い。このため、インクジェットヘッドの内表面に気泡が付着し易く、耐水性インクを用いる場合には、通常のインクを用いる場合に比べてインクジェットヘッド内に気泡が残留し易い。そのため、耐水性インクを用いる場合には特に、インクジェットヘッドの吐出不良が生じる可能性が高くなってしまう。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インクジェットヘッド内に充填される充填液を工夫することで、インクジェットヘッドにおけるインクの吐出不良を防止することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明は、インクを吐出するインクジェットヘッド内に、該インクに代えて充填されるインクジェットヘッド用充填液に係る。そして、第1の発明に係る充填液は、親水基を有するシリコン系化合物の加水分解物と、水とを含有するものとする。
【0013】
この構成によると、インクジェットヘッド内に充填される充填液には、シリコン系化合物の加水分解物が含有されているため、この充填液が、インクジェットヘッド内に充填されれば、上記シリコン系化合物の加水分解物におけるシラノール部分が、上記インクジェットヘッドの内表面(インク及び充填液と接する表面であり、通常はステンレス鋼等の金属、ガラス、又はセラミック等により構成される)に化学吸着する。ここで、上記シリコン系化合物の加水分解物は、親水基を有しているため、このシリコン系化合物の加水分解物がインクジェットヘッドの内表面に化学吸着することで、この内表面が親水性になる。
【0014】
これにより、インクジェットヘッド内の充填液をインクと置換する際に、このインクジェットヘッド内に気泡が混入しても、この気泡がインクジェットヘッドの内表面に付着することが抑制される。その結果、インクジェットヘッド内に混入した気泡は、インクジェットヘッドから排出される充填液(又はインク)と共に排出されたり、またはクリーニング等によってノズルから排出されたりする。こうして、インクジェットヘッド内に気泡が残留することが防止され、これにより、インクジェットヘッドの吐出不良が防止される。
【0015】
また、比較的粘度の高い耐水性インク(加水分解性シラン化合物が含有されたインク)を用いる場合には、インクジェットヘッド内の充填液を耐水性インクと置換するときに、比較的多量の気泡がインクジェットヘッド内に混入するが、この場合も、混入した気泡は、上述したように、インクジェットヘッドの外に容易に排出される。その結果、インクジェットヘッドの吐出不良を防止することが可能である。
【0016】
さらに、インクジェットヘッド内の充填液をインクと置換するときだけに限らず、インクジェットヘッド内の充填液をインクと置換した後においても、例えばインクジェットヘッドに供給するインクを貯留するインクカートリッジを交換するときにも、上記インクジェットヘッド内に気泡が混入する虞があるが、こうしてインクジェットヘッド内に混入した気泡も、インクジェットヘッドの内表面が親水性であることから、インクジェットヘッドの外に容易に排出することが可能である。
【0017】
加えて、例えばインク中に溶存している気体(酸素等)がインクジェットヘッド内の圧力変動によって膨張し、気泡が発生した場合であっても、その発生した気泡も、上述したように、インクジェットヘッドの外に容易に排出することが可能になる。
【0018】
こうして、インクジェットヘッドの使用開始前に、親水基を有するシリコン系化合物の加水分解物を含有する充填液を、このインクジェットヘッド内に充填することだけで、充填液をインクと置換してインクジェットヘッドの使用を開始した後においても、インクジェットヘッド内に気泡が残留することを継続して防止することが可能になる。そのため、本発明に係る充填液を用いることによって、インクジェットヘッドの吐出特性の安定化が図られるという追加の効果が得られる。
【0019】
さらに、上述したインクジェットヘッド内の気泡の残留を防止する作用効果は、例えばインクジェットヘッドの製造の際にインクジェットヘッドの内表面の表面処理を特別に行わなくても得られるものである。つまり、インクジェットヘッド内に充填液を充填するという、インクジェットヘッドの輸送時に通常行われる処理を施すことだけで、インクジェットヘッド内の気泡の残留が防止可能になる。このため、インクジェットヘッドの製造コストの低減化も図られる。
【0020】
ここで、上記シリコン系化合物の加水分解物が有する親水基は、アミノ基とすればよい。
【0021】
また、アミノ基を有するシリコン系化合物の加水分解物は、アミノアルキルアルコキシシランの加水分解物としてもよく、又はアミノアルキルアルコキシシランとテトラアルコキシシランとの加水分解物としてもよい。
【0022】
さらに、上記充填液には、モノアルコールをさらに含有させることが好ましい。こうすることで、充填液の表面張力が低下するため、充填液の充填性が向上する。また、充填液にモノアルコールを添加しても、親水基を有するシリコン系化合物の加水分解物がインクジェットヘッドの内表面に吸着することは阻害されない。
【0023】
第2の発明は、インク流路と該インク流路に連通したノズルとを有しかつ、上記インク流路内のインクを上記ノズルから吐出するように構成されたインクジェットヘッドに係る。
【0024】
そして、第2の発明に係るインクジェットヘッドは、上記インク流路内に、上記インクに代えて充填液を充填しており、上記充填液を、アミノ基を有するシリコン系化合部の加水分解物と、水とを含有するものとする。
【0025】
ここで、「インク流路」は、インクジェットヘッドの内部においてインクが充填される部分である。具体的に、例えばピエゾ方式のインクジェットヘッドにあっては、「インク流路」には、少なくとも、インクに圧力を加える圧力室、該圧力室にインクを供給する供給用インク流路、及び上記圧力室とインクを吐出するノズルとを連通させる吐出量インク流路が含まれる。
【0026】
第3の発明は、インクジェットヘッドを有しかつ、該インクジェットヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うように構成された記録装置に係る。
【0027】
そして、第3の発明に係る記録装置は、上記インクジェットヘッド内に、上記インクに代えて充填液を充填しており、上記充填液を、アミノ基を有するシリコン系化合部の加水分解物と、水とを含有するものとする。
【0028】
これら第2又は第3の発明によると、上記第1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明におけるインクジェットヘッド用充填液、インクジェットヘッド、及び記録装置によれば、充填液が、親水基を有するシリコン系化合物の加水分解物を含有していることによって、この充填液をインクジェットヘッド内に充填させたときには、このインクジェットヘッドの内表面に、上記シリコン系化合物の加水分解物におけるシラノール部分が化学吸着し、これにより、その内表面を親水性にすることができる。このため、インクジェットヘッド内の充填液をインクと置換したときには、インクジェットヘッド内に気泡が残留することが防止され、インクジェットヘッドの吐出不良を防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
−記録装置の構成−
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置Aの概略を示し、この記録装置Aは、上面にインクを有するインクカートリッジ35が装着されかつ該インクを後述の如く記録媒体としての記録紙41に吐出するインクジェットヘッド1を備えている。このインクジェットヘッド1はキャリッジ31に支持固定され、このキャリッジ31には、図示を省略するキャリッジモータが設けられ、このキャリッジモータにより上記インクジェットヘッド1及びキャリッジ31が主走査方向(図1及び図2に示すX方向)に延びるキャリッジ軸32にガイドされてその方向に往復動するようになっている。
【0031】
上記記録紙41は、図示を省略する搬送モータによって回転駆動される2つの搬送ローラ42に挟まれていて、この搬送モータ及び各搬送ローラ42により、上記インクジェットヘッド1の下側において上記主走査方向と垂直な副走査方向(図1及び図2に示すY方向)に搬送されるようになっている。
【0032】
このように、上記キャリッジ31、キャリッジ軸32及びキャリッジモータ、並びに各搬送ローラ42及び搬送モータにより、インクジェットヘッド1と記録紙41とを相対移動させるようにしている。
【0033】
上記インクジェットヘッド1は、図2〜図4に示すように、インクを供給するための供給口3a及びインクを吐出するための吐出口3bを有する複数の圧力室用凹部3が形成されたヘッド本体2を備えている。このヘッド本体2の各凹部3は、該ヘッド本体2の上面に上記主走査方向に延びるように開口されていて、互いに上記副走査方向に略等間隔をあけた状態で並設されている。上記各凹部3の開口の全長は約1250μmに、幅は約130μmにそれぞれ設定されている。尚、上記各凹部3の開口の両端部は、略半円形状をなしている。
【0034】
上記ヘッド本体2の各凹部3の側壁部は、約200μm厚の感光性ガラス製の圧力室部品6で構成され、各凹部3の底壁部は、この圧力室部品6の下面に接着固定されかつ6枚のステンレス鋼薄板を積層してなるインク流路部品7で構成されている。このインク流路部品7内には、上記各凹部3の供給口3aとそれぞれ接続された複数のオリフィス71と、この各オリフィス71と接続されかつ上記副走査方向に延びる1つの供給用インク流路11と、上記吐出口3bとそれぞれ接続された複数の吐出用インク流路12とが形成されている。
【0035】
上記各オリフィス71は、インク流路部品7において板厚が他よりも小さい上から2番目のステンレス鋼薄板に形成されており、その径は約38μmに設定されている。また、上記供給用インク流路11は上記インクカートリッジ35と接続されており、このインクカートリッジ35より供給用インク流路11内にインクが供給されるようになっている。
【0036】
上記インク流路部品7の下面には、インク滴を上記記録紙41に向けて吐出するための複数のノズル14が形成されたステンレス鋼からなるノズル板8が接着固定されている。このノズル板8の下面は、撥水膜8aで被覆されている。上記各ノズル14は、上記吐出用インク流路12とそれぞれ接続されていて、この吐出用インク流路12を介して上記各凹部3の吐出口3bにそれぞれ連通されており、インクジェットヘッド1の下面において、上記副走査方向に列状に並ぶように設けられている。尚、上記各ノズル14は、ノズル径がノズル先端側に向かって小さくなるテーパ部と、該テーパ部のノズル先端側に連続して設けられたストレート部とからなり、このストレート部のノズル径は約20μmに設定されている。
【0037】
上記ヘッド本体2の各凹部3の上側には、圧電アクチュエータ21がそれぞれ設けられている。この各圧電アクチュエータ21は、上記ヘッド本体2の上面に接着固定された状態で該ヘッド本体2の各凹部3を塞いで該凹部3と共に圧力室4を構成するCr製振動板22を有している。この振動板22は、全ての圧電アクチュエータ21に共通の1つのものからなっていて、後述の全圧電素子23に共通の共通電極としての役割をも果たしている。
【0038】
また、上記各圧電アクチュエータ21は、上記振動板22の上記圧力室4と反対側面(上面)において圧力室4に対応する部分(凹部3開口に対向する部分)にCu製の中間層25を介してそれぞれ設けられかつチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電素子23と、この各圧電素子23の上記振動板22と反対側面(上面)にそれぞれ接合され、該振動板22と共に各圧電素子23に電圧(駆動電圧)をそれぞれ印加するためのPt製個別電極24とを有している。
【0039】
上記振動板22,各圧電素子23、各個別電極24及び各中間層25は、全て薄膜で形成されてなっており、振動板22の厚みは約6μmに、各圧電素子23の厚みは8μm以下(例えば約3μm)に、各個別電極24の厚みは約0.2μmに、各中間層25の厚みは約3μmにそれぞれ設定されている。
【0040】
上記各圧電アクチュエータ21は、その振動板22と各個別電極24とを介して各圧電素子23に駆動電圧を印加することにより該振動板22の圧力室4に対応する部分(凹部3開口部分)を変形させることで、該圧力室4内のインクを吐出口3bないしノズル14から吐出させるようになっている。すなわち、振動板22と個別電極24との間にパルス状の電圧を印加すると、そのパルス電圧の立ち上がりにより圧電素子23が圧電効果によりその厚み方向と垂直な幅方向に収縮するのに対し、振動板22、個別電極24及び中間層25は収縮しないので、いわゆるバイメタル効果により振動板22の圧力室4に対応する部分が圧力室4側へ凸状に撓んで変形する。この撓み変形により圧力室4内の圧力が高まり、この圧力で圧力室4内のインクが吐出口3b及び吐出用インク流路12を経由してノズル14から押し出される。そして、上記パルス電圧の立ち下がりにより圧電素子23が伸長して振動板22の圧力室4に対応する部分が元の状態に復帰し、このとき、上記ノズル14から押し出されていたインクがインク流路12内のインクから引きちぎられて、インク滴(例えば3pl)として記録紙41へ吐出され、該記録紙41面にドット状に付着することとなる。また、上記振動板22が凸状に撓んで変形した状態から元の状態に復帰する際に、圧力室4内には上記インクカートリッジ35より供給用インク流路11及び供給口3aを介してインクが充填される。尚、各圧電素子23に印加するパルス電圧としては、上記のように押し引きタイプのものでなくても、第1の電圧から該第1の電圧よりも低い第2の電圧まで立ち下がった後に上記第1の電圧まで立ち上がる引き押しタイプのものであってもよい。
【0041】
上記各圧電素子23への駆動電圧の印加は、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走査方向において記録紙41の一端から他端まで略一定速度で移動させているときに所定時間(例えば50μs程度:駆動周波数20kHz)毎に行われ(但し、インクジェットヘッド1が記録紙41におけるインク滴を着弾させない箇所に達したときには電圧が印加されない)、このことで、記録紙41の所定位置にインク滴を着弾させる。そして、1走査分の記録が終了すると、搬送モータ及び各搬送ローラ42により記録紙41を副走査方向に所定量搬送し、再度、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走査方向に移動させながらインク滴を吐出させて、新たな1走査分の記録を行う。この動作を繰り返すことによって、記録紙41全体に所望の画像が形成される。
【0042】
そして、上記記録装置Aには、図1に示すように、インクジェットヘッド1のクリーニングを行う吸引手段9が設けられている。
【0043】
この吸引手段9は、主走査方向に延びて配設されたキャリッジ軸32の一端部近傍であって、主走査方向に移動するインクジェットヘッド1のホーム位置に対応する位置に配設されている。尚、ホーム位置とは、インクジェットヘッド1が画像の形成を行わないときに位置付けられる位置であって、インクジェットヘッド1が、記録紙41から主走査方向にオフセットした位置である。
【0044】
上記吸引手段9は、上面が開放した略箱状のゴム製キャップ91と、該キャップ91の底部に貫通して設けられた貫通孔に接続されるチューブ92と、該チューブ92の中間位置に介設される吸引ポンプ93とから構成されている。
【0045】
上記キャップ91は上記インクジェットヘッド1の下面に対して密着するものであって、上下方向(主走査方向及び副走査方向のそれぞれに直交する方向)に移動可能に構成されている。これにより、上記キャップ91は、ホーム位置に位置付けられたインクジェットヘッド1の下面に密着した密着位置と、上記インクジェットヘッド1の下面から離れた退避位置とに相互に位置変更可能に構成されている。
【0046】
そして、インクジェットヘッド1のクリーニングは、上記キャップ91を上記密着位置にした状態で上記吸引ポンプ93を作動させることによって行われ、こうすることで、上記キャップ91とインクジェットヘッド1とで形成された密閉空間が負圧状態となってノズル14の開口からインクを吸引する。これにより、各ノズル14の開口近傍に付着したインク塊(インクが固化したもの)が除去されたり、インクジェットヘッド1内の気泡がノズル14から排出されたりするようになる。
【0047】
上記記録装置Aは、こうしたクリーニングを、長時間休止した後に画像の記録を開始するタイミングや、ユーザがクリーニングスイッチ(図示省略)を操作したタイミングで実行するように構成されている。また、例えば記録装置Aの使用開始時等のインクカートリッジ35をインクジェットヘッド1に取り付けたとき(後述するように、インクジェットヘッド1内に充填されている充填液をインクと置換するとき)にも、クリーニングを実行するように構成されている。
【0048】
−インク組成−
上記記録装置Aに用いるインクは、どのようなものであってもよいが、例えば色材と、上記インクジェットヘッド1のノズル14等での乾きを抑制する保湿剤と、該インク(溶媒)の記録紙41内への浸透性を高める浸透剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応する水溶性物質とを含有している耐水性インクとすればよい。
【0049】
この内、水溶性物質は、上記インクジェットヘッド1のノズル14から吐出されたインク滴が記録紙41上に付着して、水分(溶媒)が蒸発したり記録紙41内に浸透したりしたときに上記記録紙41上で縮重合反応をし、このときに色材を取り囲むことにより、記録紙41上の画像が水に濡れても、色材がその水中に染み出すのを防止して、その画像の耐水性を向上させる働きをするものである。具体的には、加水分解性シラン化合物や、加水分解性チタン化合物等が一例として挙げられる。この内でも、安定性の観点から、加水分解性シラン化合物(有機ケイ素化合物)が特に好ましい。
【0050】
また、水溶性物質としてはさらに、アミノ基を有する化合物とした方が、色材との相互作用が強くなり、色材を確実に取り囲むことが可能になるため、より好ましい。
【0051】
こうした水溶性物質(有機ケイ素化合物)としては、アミノ基を有する有機基を含有するアルコキシシランとアミノ基を含有しないアルコキシシランとの加水分解反応物、又はアミノ基を含有する加水分解性シランに有機モノエポキシ化合物を反応させた加水分解性シランと窒素原子を含有しない加水分解性シランとを加水分解することにより得られる有機ケイ素化合物が好ましい。
【0052】
尚、浸透剤はインクの必須の成分ではない。但し、インクに浸透剤を含有させた方が、インクの溶媒が速やかに記録紙41内に浸透するようになり、これにより、画像の耐水性をより一層向上させることができる。
【0053】
また、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質も、本実施形態に係るインクに必須の成分ではないため、インクに必ずしも含有させなくてもよい。但し、インクに水溶性物質を含有させないときには、記録紙41上に形成した画像の耐水性は低下する。
【0054】
−充填液の組成−
この記録装置A(インクジェットヘッド1)を、例えばメーカから出荷する際には、目詰まり等を防止するために、インクジェットヘッド1の内部、すなわち、圧力室4、供給用インク流路11及び吐出用インク流路12内に、インクに代えて充填液を充填するようにする。
【0055】
そして、本実施形態に係る充填液は、水と、親水基を有するシリコン系化合物の加水分解物と、モノアルコールとを含有している。
【0056】
上記シリコン系化合物が有する親水基としてはアミノ基が好ましく、アミノ基を有するシリコン系化合物の加水分解物としては、アミノアルキルアルコキシシランの加水分解物であることが好ましい。
【0057】
また、上記アミノアルキルアルコキシシランとしては、具体的には、NHCHCHCHSi(OCH、NH(CHSi(OCH、NH(CHSi(OCH、NH(CHSi(OCH、NH(CHSi(OCH、NH(CHSi(OCH、NH(CHSi(OCH、NH(CH10Si(OCH、NHCHCHNHCHCHCHSi(OCH、及び、NH(CHNHCHCHCHSi(OCH等の化合物が挙げられる。
【0058】
また、アミノ基を有するシリコン系化合物の加水分解物としては、アミノアルキルアルコキシシランとテトラアルコキシシランとの加水分解物であってもよい。
【0059】
上記モノアルコールとしては、具体的には、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等が一例として挙げられる。
【0060】
このように、本実施形態では、充填液にシリコン系化合物の加水分解物を含有させることにより、出荷時に、この充填液をインクジェットヘッド1内に充填すると、図5に示すように、上記シリコン系化合物の加水分解物におけるシラノール部分が、上記インクジェットヘッド1の内表面を構成するステンレス鋼又はガラスの表面(圧力室部品6又はインク流路部品7の表面)に化学吸着する。これと共に、上記シリコン系化合物の加水分解物が親水基(アミノ基)を有していることで、上記インクジェットヘッド1の内表面は親水性になる。
【0061】
こうして、インクジェットヘッド1内に充填液が充填された状態で出荷された記録装置Aが、ユーザの元に届けられ、ユーザが、この記録装置Aの使用開始時にインクカートリッジ35をインクジェットヘッド1に取り付けると、インクジェットヘッド1内の充填液が、インクカートリッジ35内のインクで置換される。この置換の際には、インクジェットヘッド1の圧電アクチュエータ23が適宜駆動されると共に、吸引手段9によるクリーニング動作が行われる。
【0062】
そして、インクジェットヘッド1内の充填液をインクと置換する際に、このインクジェットヘッド1内に気泡が混入しても、上述したように、インクジェットヘッド1の内表面は、充填液によって親水性とされていることで、この気泡がインクジェットヘッド1の内表面に付着することが抑制される。その結果、インクジェットヘッド1内に混入した気泡は、ノズル14から排出される充填液(又はインク)と共にインクジェットヘッド1の外に排出されたり、クリーニングによってノズル14から排出されたりする。こうして、インクジェットヘッド1内に気泡が残留することが防止され、これにより、インクジェットヘッド1の吐出不良を防止することができる。
【0063】
特に、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質としての加水分解性シラン化合物が含有された耐水性インクを用いる場合には、この耐水性インクは、比較的粘度が高いため、インクジェットヘッド1内の充填液を耐水性インクと置換するときに比較的多量の気泡がインクジェットヘッド1内に混入する。しかしながら、インクジェットヘッド1内に多量の気泡が混入したとしても、その気泡は、インクジェットヘッド1の内表面が親水性であることで、インクジェットヘッド1の外に容易に排出されるため、インクジェットヘッド1内に気泡が残留することがなく、その結果、インクジェットヘッド1の吐出不良を防止することができる。
【0064】
また、記録装置Aの使用を開始した後において、例えば空のインクカートリッジ35を新たなインクカートリッジ35と交換したときに上記インクジェットヘッド1内に気泡が混入したときでも、その混入した気泡はインクジェットヘッド1の外に容易に排出される。さらには、例えばインク中に溶存している気体(酸素等)がインクジェットヘッド1内の圧力変動によって膨張して、気泡が発生した場合であっても、その発生した気泡はインクジェットヘッド1の外に容易に排出される。
【0065】
こうして、インクジェットヘッド1の出荷時に、親水基を有するシリコン系化合物の加水分解物を含有した充填液を、インクジェットヘッド1内に充填すると、充填液をインクと置換してインクジェットヘッド1の使用を開始した後においても、インクジェットヘッド1内に気泡が残留することを継続して防止することが可能になり、インクジェットヘッド1の吐出特性の安定化を図ることもできるようになる。
【0066】
また、上記充填液に、モノアルコールを含有させることで、充填液の表面張力が低下して、この充填液をインクジェットヘッド1内に容易に充填することができる。尚、充填液にモノアルコールを添加しても、シリコン系化合物の加水分解物におけるシラノール部分がインクジェットヘッド1の内表面に付着することを阻害することはなく、インクジェットヘッド1の内表面を確実に親水性にすることができる。
【0067】
尚、本実施形態に係る充填液が充填されるインクジェットヘッド1は、上述したようにピエゾ方式のものに限らず、バブル方式のインクジェットヘッドであってもよい。
【0068】
【実施例】
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
【0069】
先ず、以下の組成(各組成物の含有量は質量百分率である)からなる10種類のインクジェットヘッド用充填液を作製した(実施例1〜実施例10)。
【0070】
(実施例1)
実施例1の充填液に含有させるアミノ基を有するシリコン系化合物の加水分解物は、以下の方法により作成したものである。すなわち、冷却器を取り付けた反応容器内に、180g(10モル)の水を入れ、これを撹拌しながら、100g(0.56モル)のNHCHCHCHSi(OCHを一滴ずつ加えた。その全量滴下後に、反応容器の温度を60℃に高めて1時間撹拌を続け、その後反応容器の温度を90℃に高めた上で、2時間撹拌しながら反応を継続させた。反応後に、生成したメタノールを蒸留により取り除いたものが、実施例1の充填液に含有させたシリコン系化合物の加水分解物(A1)である。
・シリコン系化合物の加水分解物(A1)      …5%
・純水                                        …95%。
【0071】
(実施例2)
実施例1のシリコン系化合物の加水分解物(A1)に対し、NHCHCHCHSi(OCHを、NH(CHSi(OCHに代えて、上記と同様に作成したものが、実施例2の充填液に含有させたシリコン系化合物の加水分解物(A2)である。
・シリコン系化合物の加水分解物(A2)      …5%
・純水                                        …95%。
【0072】
(実施例3)
実施例1のシリコン系化合物の加水分解物(A1)に対し、NHCHCHCHSi(OCHを、NH(CHSi(OCHに代えて、上記と同様に作成したものが、実施例3の充填液に含有させたシリコン系化合物の加水分解物(A3)である。
・シリコン系化合物の加水分解物(A3)      …5%
・純水                                        …95%。
【0073】
(実施例4)
実施例1のシリコン系化合物の加水分解物(A1)に対し、NHCHCHCHSi(OCHを、NHCHCHNHCHCHCHSi(OCHに代えて、上記と同様に作成したものが、実施例4の充填液に含有させたシリコン系化合物の加水分解物(A4)である。
・シリコン系化合物の加水分解物(A4)      …5%
・純水                                        …95%。
【0074】
(実施例5)
実施例1のシリコン系化合物の加水分解物(A1)に対し、NHCHCHCHSi(OCHを、NH(CHNHCHCHCHSi(OCHに代えて、上記と同様に作成したものが、実施例5の充填液に含有させたシリコン系化合物の加水分解物(A5)である。
・シリコン系化合物の加水分解物(A5)      …5%
・純水                                        …95%。
【0075】
(実施例6)
実施例1の充填液にエタノールをさらに含有させたものである。
・シリコン系化合物の加水分解物(A1)      …5%
・エタノール                                  …5%
・純水                                        …90%。
【0076】
(実施例7)
実施例2の充填液にイソプロピルアルコールをさらに含有させたものである。
・シリコン系化合物の加水分解物(A2)      …5%
・イソプロピルアルコール                      …5%
・純水                                        …90%。
【0077】
(実施例8)
実施例3の充填液にn−プロピルアルコールをさらに含有させたものである。
・シリコン系化合物の加水分解物(A3)      …5%
・n−プロピルアルコール                      …5%
・純水                                        …90%。
【0078】
(実施例9)
実施例4の充填液にエタノールをさらに含有させたものである。
・シリコン系化合物の加水分解物(A4)      …5%
・エタノール                            …5%
・純水                                        …90%。
【0079】
(実施例10)
実施例5の充填液にイソプロピルアルコールをさらに含有させたものである。
・シリコン系化合物の加水分解物(A5)      …5%
・イソプロピルアルコール                      …5%
・純水                                        …90%。
【0080】
続いて、比較のために、以下の組成(各組成物の含有量は質量百分率である)からなる2種類のインクジェットヘッド用充填液を作製した(比較例1,2)。これらはシリコン系化合物の加水分解物を含有しない充填液である。
【0081】
(比較例1)
・トリエチレングリコールモノメチルエーテル    …5%
・N−(β−アミノエチル)エタノールアミン    …5%
・純水                                        …90%。
【0082】
(比較例2)
・トリエチルアミン                …5%
・グリセリン                   …5%
・ジエチレングリコール              …5%
・純水                                        …85%。
【0083】
また、インクジェットヘッド1内に充填された充填液と置換するインクは、以下の組成からなるものである。このインクは、シリコン系化合物の加水分解物(A1)、つまり、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質が含有された耐水性インクである。
・C.I.アシッドレッド289                    …5%
・1,3−ブタンジオール                          …12%
・シリコン系化合物の加水分解物(A1)            …5%
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル          …5%
・2−ブトキシエタノール                          …3%
・純水                                            …70%。
【0084】
次に、上記各実施例1〜10及び比較例1,2の各充填液を、市販のプリンタ(商品名「EM−930C」:セイコーエプソン社製)に搭載されたインクジェットヘッドに充填した後、その各充填液を、上記の耐水性インクと置換した後に、上記プリンタでドットパターンを印字させることにより、インクの吐出性を確認した。
【0085】
その結果、比較例1の充填液をインクジェットヘッドに充填したときには、このインクジェットヘッドが有する全ノズルの内、7ピン(7つのノズル)が吐出不良であった。また、比較例2の充填液をインクジェットヘッドに充填したときには、5ピンが吐出不良であった。これらの場合において、インクジェットヘッドのクリーニングを10回繰り返しても、吐出不良のピン数は減少しなかった。
【0086】
これに対し、各実施例の充填液をインクジェットヘッドに充填したときには、全てのノズルにおいて吐出不良が生じなかった。
【0087】
尚、耐水性インクではなく、通常のインク(シリコン系化合物の加水分解物を含有しないインク)を用いた場合でも、各実施例の充填液を用いたときには、インクジェットヘッドの吐出不良が生じないことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置を示す概略斜視図である。
【図2】インクジェット式記録装置のインクジェットヘッドの部分底面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】インクジェットヘッドの内表面の断面を、分子レベルまで拡大して示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1            インクジェットヘッド
11          供給用インク流路
12          吐出用インク流路
14          ノズル
21          圧電アクチュエータ
23          圧電素子
35          インクカートリッジ
4            圧力室
41          記録紙(記録媒体)
6            圧力室部品
7            インク流路部品
A            インクジェット式記録装置

Claims (7)

  1. インクを吐出するインクジェットヘッド内に、該インクに代えて充填されるインクジェットヘッド用充填液であって、
    親水基を有するシリコン系化合物の加水分解物と、水とを含有している
    ことを特徴とするインクジェットヘッド用充填液。
  2. 請求項1において、
    親水基は、アミノ基である
    ことを特徴とするインクジェットヘッド用充填液。
  3. 請求項2において、
    アミノ基を有するシリコン系化合物の加水分解物は、アミノアルキルアルコキシシランの加水分解物である
    ことを特徴とするインクジェットヘッド用充填液。
  4. 請求項2において、
    アミノ基を有するシリコン系化合物の加水分解物は、アミノアルキルアルコキシシランと、テトラアルコキシシランとの加水分解物である
    ことを特徴とするインクジェットヘッド用充填液。
  5. 請求項1において、
    モノアルコールをさらに含有している
    ことを特徴とするインクジェットヘッド用充填液。
  6. インク流路と該インク流路に連通したノズルとを有しかつ、上記インク流路内のインクを上記ノズルから吐出するように構成されたインクジェットヘッドであって、
    上記インク流路内には、上記インクに代えて充填液が充填されており、
    上記充填液は、アミノ基を有するシリコン系化合部の加水分解物と、水とを含有している
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. インクジェットヘッドを有しかつ、該インクジェットヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うように構成された記録装置であって、
    上記インクジェットヘッド内には、上記インクに代えて充填液が充填されており、
    上記充填液は、アミノ基を有するシリコン系化合部の加水分解物と、水とを含有している
    ことを特徴とする記録装置。
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