JP2003119413A - インクジェット記録用シアンインク及び記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用シアンインク及び記録装置

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JP2003119413A
JP2003119413A JP2001313072A JP2001313072A JP2003119413A JP 2003119413 A JP2003119413 A JP 2003119413A JP 2001313072 A JP2001313072 A JP 2001313072A JP 2001313072 A JP2001313072 A JP 2001313072A JP 2003119413 A JP2003119413 A JP 2003119413A
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JP
Japan
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dye
ink
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mol
och
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Withdrawn
Application number
JP2001313072A
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English (en)
Inventor
Kenji Oshima
賢司 大島
Sanemori Soga
眞守 曽我
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な印字画像が得られ且つ優れた耐水性を発
揮するシアンインクと、該シアンインクを用いた記録装
置とを提供する。 【解決手段】水溶性染料化合物として、ダイレクトブル
ー199染料を用いる。有機ケイ素化合物を作製するた
めに用いられる窒素原子含有有機基を含有する加水分解
性シラン(A)を、ダイレクトブルー199染料の親水
基1モルに対し、0.5〜3.0モル含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用シアンインク及び記録装置に関し、特に、シアンイ
ンクの耐水性の向上対策及び画像品質の向上対策に係る
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録に用いら
れるインクとしては、色材としての染料と、保湿剤と、
浸透剤と、水とを含有したものはよく知られている。と
ころが、染料を含有したインクにより記録紙等の記録媒
体上に画像を形成すると、その画像の耐水性が問題とな
る。特に普通紙(広範な市販の紙で、とりわけ電子写真
方式の複写機に用いられる紙であって、インクジェット
記録用として最適な構造、組成、特性等を有するように
意図して製造されてはいない紙)に記録した場合には、
耐水性が非常に悪くなる。
【0003】そこで、従来、例えば特開平10−212
439号公報、特開平11−293167号公報及び特
開平11−315231号公報に示されているように、
加水分解性シラン化合物(有機ケイ素化合物)を含有さ
せることにより、記録媒体上の画像の耐水性を向上させ
るようにすることが提案されている。すなわち、インク
滴が記録媒体上に付着してそのインク滴中の水が蒸発し
たり記録媒体内に浸透したりしたときに、染料分子中の
親水基と有機ケイ素化合物中の窒素原子含有有機基との
相互作用により、有機ケイ素化合物が染料を取り囲むた
め、記録媒体上の画像が水に濡れても、染料がその水中
に染み出すことはなく、その画像の耐水性が向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インクジェット記録用インクのうち、シアンインクに
は、インクとしての耐水性、色彩安定性又は吐出安定性
が十分でないという問題があった。つまり、染料分子中
の親水基に対する有機ケイ素化合物中の窒素原子含有有
機基の比率が低過ぎると十分な耐水性が得られない一
方、その比率が高過ぎると染料化合物の変質による色相
の変化が生じたり、吐出特性が低下したりして良好な印
字画像が得られなくなるという問題があった。
【0005】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、良好な印字画像が得られ且つ優れた耐水性を発
揮するシアンインクと、該シアンインクを用いた記録装
置とを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、ダイレクトブルー199染料の親水基1
モルに対し、窒素原子含有有機基を有する加水分解性シ
ラン(A)を0.5〜3.0モル含有するようにしたも
のである。
【0007】具体的に、第1の解決手段は、水溶性染料
化合物と、一般式YR1 mSiR2 3-m(式中、R1は炭素数
1〜8の一価炭化水素基又は該一価炭化水素基中の水素
原子の一部若しくは全部を窒素原子を含有しない基で置
換した置換一価炭化水素基であり、R2は炭素数1〜4
のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、Yは窒素原子
含有有機基であり、且つmは0又は1である)で表され
る加水分解性シラン(A)と、一般式R3 nSiR4 4-n(式
中、R3は炭素数1〜8の一価炭化水素基又は該一価炭
化水素基中の水素原子の一部若しくは全部を窒素原子を
含有しない基で置換した置換一価炭化水素基であり、R
4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であ
り、且つnは0、1又は2である)で表される加水分解
性シラン(B)とを加水分解することによって得られる
有機ケイ素化合物と、水とを含有するインクジェット記
録用シアンインクを前提として、上記水溶性染料化合物
は、ダイレクトブルー199染料であり、上記加水分解
性シラン(A)は、上記ダイレクトブルー199染料の
親水基1モルに対し、0.5〜3.0モル含有されてい
る。
【0008】また、第2の解決手段は、上記第1の解決
手段によるインクジェット記録用シアンインクを前提と
して、ダイレクトブルー199染料の含有率は、質量百
分率で2〜6%である。
【0009】また、第3の解決手段は、少なくとも上記
第1又は第2の解決手段によるインクジェット記録用シ
アンインクを用いるようにし、記録媒体に記録を行うよ
うにした。
【0010】すなわち、上記第1の解決手段では、ダイ
レクトブルー199染料の親水基1モルに対する窒素原
子含有有機基を有する加水分解性シラン(A)の含有率
が0.5モル未満では、良好な印字画像が得られるもの
の、十分な耐水性が得られない。一方、上記含有率が
3.0モルを越えると、十分な耐水性が得られるもの
の、水溶性染料化合物の変質による色相の変化が生じた
り、吐出特性が低下したりして良好な印字画像が得られ
ない。そこで、上記含有率を0.5〜3.0モルに特定
することにより、十分な色彩安定性及び吐出安定性を有
することにより良好な印字画像を得ることができると共
に、優れた耐水性を発揮することができる。
【0011】また、上記第2の解決手段では、ダイレク
トブルー199染料の含有率が質量百分率で2%未満で
は、普通紙への記録画像において、十分な画像濃度が得
られず、また上記含有量が質量百分率で6%を超える
と、インクの高粘度化により安定吐出が行えなくなった
り、インクジェットヘッドの目詰まりを生じたりするこ
とにより、良好な記録が行えなくなる。そこで、上記含
有率を質量百分率で2〜6%に特定することで、良好な
印字画像を得ることができる。
【0012】また、上記第3の解決手段では、上記第1
又は第2の解決手段によるシアンインクを記録装置に用
いるようにしたために、上記第1又は第2の解決手段と
同様の作用効果を有効に発揮することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るイ
ンクジェット記録用インクを備えたインクジェット式記
録装置Aを概略的に示し、この記録装置Aは、上面に上
記インクを有するインクカートリッジ35が装着されか
つ該インクを後述の如く記録媒体としての記録紙41に
吐出するインクジェットヘッド1を備えている。このイ
ンクジェットヘッド1はキャリッジ31に支持固定さ
れ、このキャリッジ31には、図示を省略するキャリッ
ジモータが設けられ、このキャリッジモータにより上記
インクジェットヘッド1及びキャリッジ31が主走査方
向(図1及び図2に示すX方向)に延びるキャリッジ軸
32にガイドされてその方向に往復動するようになって
いる。このキャリッジ31、キャリッジ軸32及びキャ
リッジモータにより、インクジェットヘッド1と記録紙
41とを主走査方向に相対移動させる相対移動手段が構
成されている。
【0014】上記記録紙41は、図示を省略する搬送モ
ータによって回転駆動される2つの搬送ローラ42に挟
まれていて、この搬送モータ及び各搬送ローラ42によ
り、上記インクジェットヘッド1の下側において上記主
走査方向と垂直な副走査方向(図1及び図2に示すY方
向)に搬送されるようになっている。この搬送モータ及
び各搬送ローラ42により、インクジェットヘッド1と
記録紙41とを副走査方向に相対移動させる相対移動手
段が構成されている。
【0015】上記インクジェットヘッド1は、図2〜図
4に示すように、インクを供給するための供給口3a及
びインクを吐出するための吐出口3bを有する複数の圧
力室用凹部3が形成されたヘッド本体2を備えている。
このヘッド本体2の各凹部3は、該ヘッド本体2の上面
に上記主走査方向に延びるように開口されていて、互い
に上記副走査方向に略等間隔をあけた状態で並設されて
いる。上記各凹部3開口の全長は約1250μmに、幅
は約130μmにそれぞれ設定されている。尚、上記各
凹部3の開口の両端部は、略半円形状をなしている。
【0016】上記ヘッド本体2の各凹部3の側壁部は、
約200μm厚の感光性ガラス製の圧力室部品6で構成
され、各凹部3の底壁部は、この圧力室部品6の下面に
接着固定されかつ6枚のステンレス鋼薄板を積層してな
るインク流路部品7で構成されている。このインク流路
部品7内には、上記各凹部3の供給口3aとそれぞれ接
続された複数のオリフィス8と、この各オリフィス8と
接続されかつ上記副走査方向に延びる1つの供給用イン
ク流路11と、上記吐出口3bとそれぞれ接続された複
数の吐出用インク流路12とが形成されている。
【0017】上記各オリフィス8は、インク流路部品7
において板厚が他よりも小さい上から2番目のステンレ
ス鋼薄板に形成されており、その径は約38μmに設定
されている。また、上記供給用インク流路11は上記イ
ンクカートリッジ35と接続されており、このインクカ
ートリッジ35より供給用インク流路11内にインクが
供給されるようになっている。
【0018】上記インク流路部品7の下面には、インク
滴を上記記録紙41に向けて吐出するための複数のノズ
ル14が形成されたステンレス鋼製のノズル板9が接着
固定されている。このノズル板9の下面は、撥水膜9a
で被覆されている。上記各ノズル14は、上記吐出用イ
ンク流路12とそれぞれ接続されていて、この吐出用イ
ンク流路12を介して上記各凹部3の吐出口3bにそれ
ぞれ連通されており、インクジェットヘッド1の下面に
おいて、上記副走査方向に列状に並ぶように設けられて
いる。尚、上記各ノズル14は、ノズル径がノズル先端
側に向かって小さくなるテーパ部と、該テーパ部のノズ
ル先端側に設けられたストレート部とからなり、このス
トレート部のノズル径は約20μmに設定されている。
【0019】上記ヘッド本体2の各凹部3の上側には、
圧電アクチュエータ21がそれぞれ設けられている。こ
の各圧電アクチュエータ21は、上記ヘッド本体2の上
面に接着固定された状態で該ヘッド本体2の各凹部3を
塞いで該凹部3と共に圧力室4を構成するCr製振動板
22を有している。この振動板22は、全ての圧電アク
チュエータ21に共通の1つのものからなっていて、後
述の全圧電素子23に共通の共通電極としての役割をも
果たしている。
【0020】また、上記各圧電アクチュエータ21は、
上記振動板22の上記圧力室4と反対側面(上面)にお
いて圧力室4に対応する部分(凹部3開口に対向する部
分)にCu製の中間層25を介してそれぞれ設けられか
つチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電素子2
3と、この各圧電素子23の上記振動板22と反対側面
(上面)にそれぞれ設けられ、該振動板22と共に各圧
電素子23に電圧(駆動電圧)をそれぞれ印加するため
のPt製個別電極24とを有している。
【0021】上記振動板22、各圧電素子23、各個別
電極24及び各中間層25は、全て薄膜で形成されてな
っており、振動板22の厚みは約6μmに、各圧電素子
23の厚みは8μm以下(例えば約3μm)に、各個別
電極24の厚みは約0.2μmに、各中間層25の厚み
は約3μmにそれぞれ設定されている。
【0022】上記各圧電アクチュエータ21は、その振
動板22ないし各中間層25と各個別電極24とを介し
て各圧電素子23に駆動電圧を印加することにより該振
動板22の圧力室4に対応する部分を変形させること
で、該圧力室4内のインクを吐出口3bないしノズル1
4から吐出させるようになっている。すなわち、振動板
22と個別電極24との間にパルス状の電圧を印加する
と、そのパルス電圧の立ち上がりにより圧電素子23が
圧電効果によりその厚み方向と垂直な幅方向に収縮する
のに対し、振動板22、個別電極24及び中間層25は
収縮しないので、いわゆるバイメタル効果により振動板
22の圧力室4に対応する部分が圧力室4側へ凸状に撓
んで変形する。この撓み変形により圧力室4内に圧力が
生じ、この圧力で圧力室4内のインクが吐出口3b及び
吐出用インク流路12を経由してノズル14よりインク
滴として記録紙41へ吐出されて、該記録紙41上にド
ット状に付着することとなる。
【0023】そして、上記パルス電圧の立ち下がりによ
り圧電素子23が伸長して振動板22の圧力室4に対応
する部分が元の状態に復帰する。このとき、圧力室4内
には上記インクカートリッジ35より供給用インク流路
11及び供給口3aを介してインクが充填される。尚、
各圧電素子23に印加するパルス電圧としては、上記の
ように押し引きタイプのものでなくても、第1の電圧か
ら該第1の電圧よりも低い第2の電圧まで立ち下がった
後に上記第1の電圧まで立ち上がる引き押しタイプのも
のであってもよい。
【0024】上記各圧電素子23への駆動電圧の印加
は、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走
査方向において記録紙41の一端から他端まで略一定速
度で移動させているときに所定時間(例えば50μs程
度:駆動周波数20kHz)毎に行われ(但し、インク
ジェットヘッド1が記録紙41においてインク滴を着弾
させない箇所に達したときには電圧が印加されない)、
このことで、記録紙41の所定位置にインク滴を着弾さ
せる。そして、一走査分の記録が終了すると、搬送モー
タ及び各搬送ローラ42により記録紙41を副走査方向
に所定量搬送し、再度、インクジェットヘッド1及びキ
ャリッジ31を主走査方向に移動させながらインク滴を
吐出させて、新たな1走査分の記録を行う。この動作を
繰り返すことによって、記録紙41全体に所望の画像が
形成される。
【0025】上記記録装置Aに用いるインクは、水溶性
染料と、水と、この水がない状態で縮重合反応する加水
分解性の有機ケイ素化合物とを含有している。
【0026】上記有機ケイ素化合物は、インクの耐水性
を向上させる働きをするものである。つまり、インクジ
ェットヘッド1のノズル14から吐出されたインク滴が
記録紙41上に付着すると、そのインク滴中の水が蒸発
したり記録紙41内に浸透したりしたときに縮重合反応
し、このときに染料を取り囲む。このことにより、記録
紙41上の画像が水に濡れても、染料がその水中に染み
出すのを防止する。
【0027】上記有機ケイ素化合物は、下記一般式
(1) YR1 mSiR2 3-m …(1) (式中、R1は炭素数1〜8の一価炭化水素基又は該一
価炭化水素基中の水素原子の一部若しくは全部を窒素原
子を含有しない基で置換した置換一価炭化水素基であ
り、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ
基であり、Yは窒素原子含有有機基であり、且つmは0
又は1である)で表される窒素原子含有有機基を含有す
る加水分解性シラン(A)を100質量部と、下記一般
式(2) R3 nSiR4 4-n …(2) (式中、R3は炭素数1〜8の一価炭化水素基又は該一
価炭化水素基中の水素原子の一部若しくは全部を窒素原
子を含有しない基で置換した置換一価炭化水素基であ
り、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ
基であり、且つnは0、1又は2である)で表される加
水分解性シラン(B)を5〜200質量部とを加水分解
することによって得られるものである。
【0028】ここで、上記一般式(1)で示される窒素
原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)は、
系を水溶性にするために用いられる成分であり、目的と
する有機ケイ素化合物に水溶性を付与させるために、そ
の1種又は2種以上を適宜選定して用いられる。また、
その部分加水分解物を用いることもできる。
【0029】上記一般式(1)中R1は、炭素数1〜8
の一価炭化水素基又は置換一価炭化水素基であり、アル
キル基、アルケニル基、アニール基、アラルキル基等の
一価炭化水素基、又はこれらの基の水素原子の一部又は
全部をハロゲン原子などで置換した、例えばハロゲン化
アルキル基などの置換一価炭化水素基が挙げられる。但
し、置換基は窒素原子を含まないものであることが必要
である。具体的には、−CH3、−CH2CH3、−CH2
CH2CH3、−CH(CH3)2、−CH2CH2CH2
3、−CH(CH3)CH2CH3、−CH2CH(CH3)C
3、−C(CH3)3、−C65、−C613等が例示され
る。
【0030】また、R2は、具体的には、−OCH3、−
OCH2CH3、−OCH2CH2CH 3、−OCH(CH3)
2、−OCH2CH2CH2CH3、−OCH(CH3)CH2
CH3、−OCH2CH(CH3)CH3、−OC(CH3)3
−OCOCH3、−OCOCH 2CH3等が例示される。
【0031】上記一般式(1)中、Yは窒素原子含有有
機基であり、例えば式(3)〜(7)で示されるものが
挙げられる。
【0032】
【化1】
【0033】(式中、R5、R6、R9〜R13、及びR16
は、水素原子又は炭素数1〜8の一価炭化水素基であ
り、R12は、炭素数1〜8のアルコキシ基であってもよ
い。尚、R5とR6、R9とR10とR11、R12とR13とは
互いに同一であっても異なっていてもよい。式(4)
中、Rθはハロゲン原子を示す。R7、R8、R14及びR
15は、炭素数1〜8の二価炭化水素基である。尚、R7
とR8、R14、R15とは互いに同一であっても異なって
いてもよい。pは0,1,2又は3の整数である。) 尚、炭素数1〜8の一価炭化水素基は、R1で説明した
ものと同様である。炭素数1〜8の二価炭化水素基とし
ては、アルキレン基等が挙げられる。
【0034】また、Yは、具体的には下記式で示される
ものを挙げることができる。H2NCH2CH2−,H(C
3)NCH2CH2−,H2NCH2CH2CH2−,H(C
3)NCH2CH2CH2−,(CH3)2NCH2CH2CH2
−,H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2−,H(C
3)NCH2CH2NHCH2CH2CH2−,(CH3)2
CH2CH2NHCH2CH2CH2−,H2NCH2CH2
HCH2CH2NHCH2CH2CH2−,H(CH3)NCH
2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2−,Cl-
(CH3)3N+CH2CH2CH2−,Cl-(CH3)2(C65
−CH2−)N+CH 2CH2CH2−,
【0035】
【化2】
【0036】これらの中では、以下のものが好ましい。
2NCH2CH2NHCH2CH2CH2−,H2NCH2
2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2−,
【0037】
【化3】
【0038】なお、mは0又は1であり、好ましくは0
である。
【0039】上記式(1)の窒素原子含有有機基を含有
する加水分解性シラン(A)としては、下記のものを例
示することができる。H2NCH2Si(OCH3)3,H2
NCH2Si(OCH2CH3)3,H2NCH2SiCH3(O
CH3)2,H2NCH2SiCH3(OCH2CH3)2,H2
CH2CH2Si(OCH3)3,H2NCH2CH2Si(OC
2CH3)3,H2NCH2CH2SiCH3(OCH3)2,H
2NCH2CH2SiCH3(OCH2CH3)2,H2NCH2
CH2CH2Si(OCH3)3,H2NCH2CH 2CH2Si
(OCH2CH3)3,H2NCH2CH2CH2SiCH3(O
CH3)2,H2NCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH
3)2,H(CH3)NCH2CH2CH2Si(OCH3)3,H
(CH3)NCH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3,H(C
3)NCH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2,H(C
3)NCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH3)2,(C
3)2NCH2CH2CH2Si(OCH3)3,(CH3)2NC
2CH2CH2Si(OCH2CH3)3,Cl-(CH3)3N+
CH2CH2CH2Si(OCH3)3,Cl-(CH3)3N+C
2CH2CH2Si(OCH2CH3)3,Cl-(CH3)2(C
65−CH2−)N+CH2CH2CH2Si(OCH3)3,C
l-(CH3)2(C65−CH2−)N+CH2CH2CH2Si
(OCH2CH3)3,H2NCH2CH2NHCH 2CH2CH
2Si(OCH3)3,H2NCH2CH2NHCH2CH2CH
2Si(OCH 2CH3)3,H2NCH2CH2NHCH2CH
2CH2SiCH3(OCH3)2,H2NCH2CH2NHCH
2CH2CH2SiCH3(OCH2CH3)2,H2NCH2
2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OC
3)3,H2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2
CH2Si(OCH2CH3)3,H2NCH2CH2NHCH2
CH2NHCH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2,H2
CH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2SiC
3(OCH2CH3)2
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】これらの中で特に好ましくは以下に示すも
のである。尚、これらの部分加水分解物を用いてもよ
い。H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OC
3)3,H2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2
CH2Si(OCH3)3,H2NCH2CH2NHCH2CH2
CH2Si(OC25)3,H2NCH2CH2NHCH2CH
2NHCH2CH2CH2Si(OC25)3
【0043】
【化6】
【0044】次に、上記加水分解性シラン(B)は、そ
の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いること
ができ、その部分加水分解物を使用してもよい。ここ
で、R 3の炭素数1〜8の一価炭化水素基又は該一価炭
化水素基中の水素原子の一部若しくは全部を窒素原子を
含有しない基で置換した置換一価炭化水素基としては、
上記R1で説明したものと同様である。具体的には、−
CH3,−CH2CH3,−CH2CH2CH3,−CH(C
3)2,−CH2CH2CH2CH3,−CH(CH3)CH2
CH3,−CH2CH(CH3)CH3,−C(CH3)3,−C
65,−C613などが例示される。
【0045】また、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基
又はアシロキシ基であり、具体的には、−OCH3,−
OCH2CH3,−OCH2CH2CH3,−OCH(CH3)
2,−OCH2CH2CH2CH3,−OCH(CH3)CH2
CH3,−OCH2CH(CH3)CH3,−OC(CH3)3
−OCOCH3,−OCOCH2CH3などが例示され
る。
【0046】なお、nは0,1又は2である。
【0047】加水分解性シラン(B)としては、以下の
ものを例示することができる。Si(OCH3)4,Si
(OCH2CH3)4,Si(OCH2CH2CH3)4,Si(O
CH2CH2CH2CH3)4,CH3Si(OCH3)3,CH3
Si(OCH2CH3)3,CH3Si(OCH2CH2
3)3,CH3Si(OCH2CH2CH2CH3)3,(CH3)
2Si(OCH3)2,(CH3)2Si(OCH2CH3)2,(C
3)2Si(OCH2CH2CH3)2,(CH3)2Si(OCH
2CH2CH2CH3)2
【0048】
【化7】
【0049】これらの中で特に好ましくは、Si(OC
3)4、Si(OCH2CH3)4、CH3Si(OCH3)3
又はCH3Si(OCH2CH3)3及びこれらの部分加水分
解物である。
【0050】上記窒素原子含有有機基を含有する加水分
解性シラン(A)又はその部分加水分解物に式(2)の
加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物を混合
して用いる場合、その混合比は、窒素原子含有有機基を
含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解
物100質量部に対し加水分解性シラン(B)又はその
部分加水分解物5〜200質量部の割合であり、より好
ましくは加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解
物の量が10〜150質量部である。この量が200質
量部を超えるとアルカリ領域での安定性が悪化する。
【0051】尚、有機ケイ素化合物を得る場合には、溶
媒は主として水を使用するが、必要に応じて水溶性有機
溶媒を使用することができる。水溶性有機溶媒として
は、アルコール、エステル、ケトン、グリコール類を水
に添加して用いることができる。
【0052】上記水溶性染料は、シアンインク以外のイ
ンクについてはどのようなものであってもよいが、水溶
性の酸性染料又は直接染料であることが好ましい。尚、
一般的に、水溶性の酸性染料や直接染料には親水性を与
えるために、−SO3M又は−COOM(但し、M=
H,NH4,アルカリ金属等)が1つ以上含まれる。
【0053】本発明の特徴として、上記シアンインク
は、水溶性染料としてダイレクトブルー199染料が使
用されている。そして、シアンインクには、ダイレクト
ブルー199染料の親水基1モルに対し、窒素原子含有
有機基を含有する加水分解性シラン(A)が0.5〜3
モル配合されている。尚、ダイレクトブルー199染料
には一般に複数個の親水基が存在しているが、後述の実
施例では、1分子中に平均3個の親水基を有するダイレ
クトブルー199染料を用いた。
【0054】つまり、ダイレクトブルー199染料の親
水基1モルに対する窒素原子含有有機基を有する加水分
解性シラン(A)の含有率が0.5モル未満では、良好
な印字画像が得られるものの、十分な耐水性が得られな
い。一方、上記含有率が3.0モルを越えると、十分な
耐水性が得られるものの、染料の変質による色相の変化
が生じたり、吐出特性が低下したりして良好な印字画像
が得られない。そこで、上記含有率を0.5〜3.0モ
ルに特定することにより、十分な色彩安定性及び吐出安
定性を有することにより良好な印字画像を得ることがで
きると共に、優れた耐水性を発揮することができる。
【0055】また、ダイレクトブルー199染料の含有
率は質量百分率で2〜6%とすることが望ましい。2%
未満では、普通紙への記録画像において、十分な画像濃
度が得られず、また上記含有率が6%を超えると、イン
クの高粘度化により安定吐出が行えなくなったり、イン
クジェットヘッドの目詰まりを生じたりすることによ
り、良好な記録が行えなくなる。
【0056】上記インクは、上記インクジェットヘッド
1のノズル14等での乾きを抑制して目詰まりを抑制す
る保湿剤と、該インクの記録紙41への浸透性を高める
浸透剤とを含有するのが望ましい。
【0057】上記保湿剤は、グリセリン等の多価アルコ
ール又は2−ピロリドンやN−メチル−2−ピロリドン
のような水溶性の窒素複素環化合物であることが望まし
い。
【0058】上記浸透剤は、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等のような、多価アルコールのモノアル
キルエーテルであることが好ましく、その含有量は、イ
ンク全体に対して、質量百分率で1〜50%であること
が好ましい。これは、1%よりも少ないと、インクを記
録紙41へ浸透させる効果が十分に得られない一方、5
0%よりも多いと、染料及びシラン化合物の水に対する
溶解性が悪化するからである。
【0059】以上のように、本実施形態に係るシアンイ
ンクによれば、良好な印字画像を得ることができると共
に耐水性を向上することができる。したがって、普通紙
上に高印字品質および高画質の記録を長期間にわたって
保持することができる。
【0060】
【実施例】次に、具体的に実施した実施例について説明
する。
【0061】先ず、以下の組成から成る14種類のイン
クジェット記録用シアンインクを作製した(実施例1〜
6、比較例1〜8)。
【0062】実施例1〜3において、有機ケイ素化合物
は、特開平10−212439号公報に開示されている
合成例1に従って合成した(以下、合成Aという)。つ
まり、反応容器に水120g(6.67モル)を入れ、
この水に窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラ
ン(A)としてのH2NCH2CH2HNCH2CH2CH2
Si(OCH3)3を0.2モルと、加水分解性シラン(B)
としてのSi(OCH3) 4を0.1モルとを混合したものを
一滴ずつ滴下して、60℃で1時間反応させることによ
り、有機ケイ素化合物を得た。また、比較例1,2,5
及び6についても、同様にして合成Aにより有機ケイ素
化合物を得た。
【0063】実施例4〜6において、有機ケイ素化合物
は、特開平11−293167号公報に開示されている
合成例1に従って合成した(以下、合成Bという)。つ
まり、反応容器に水120g(6.67モル)を入れ、
この水に窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラ
ン(A)としての(CH3)2NCH2CH2CH2Si(OCH
3)3を0.2モルと、加水分解性シラン(B)としての
CH3Si(OCH3)3を0.1モルとを混合したものを一
滴ずつ滴下して、60℃で1時間反応させることによ
り、有機ケイ素化合物を合成した。また、比較例3,
4,7及び8についても、同様にして合成Bにより有機
ケイ素化合物を得た。
【0064】各実施例及び比較例において、保湿剤とし
てグリセリンを質量百分率で8%、浸透剤としてジエチ
レングリコール(DEG)を質量百分率で5%それぞれ
含有させた。各実施例及び比較例のシアンインクについ
て、組成割合を質量百分率で以下に示す。尚、表1中、
配合量の値は、インク100g中のグラム数又はモル数
を示している。
【0065】
【表1】
【0066】 (実施例1) ダイレクトブルー199染料 … 4% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成A) … 6.9% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 76.1% 実施例1では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.0075モル
含有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記
シラン(A)のモル数は0.5モルとなっている。ま
た、ダイレクトブルー199染料4gは0.0050モ
ルに相当するので、インク100g中には、染料の酸性
基が0.015モル含有されている。 (実施例2) ダイレクトブルー199染料 … 4% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成A) … 20.8% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 62.2% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 1.5モル 実施例2では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.023モル含
有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記シ
ラン(A)のモル数は1.5モルとなっている。また、
ダイレクトブルー199染料4gは0.0050モルに
相当するので、インク100g中には、染料の酸性基が
0.015モル含有されている。 (実施例3) ダイレクトブルー199染料 … 4% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成A) … 41.5% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 41.5% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 3.0モル 実施例3では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.045モル含
有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記シ
ラン(A)のモル数は3.0モルとなっている。また、
ダイレクトブルー199染料4gは0.0050モルに
相当するので、インク100g中には、染料の酸性基が
0.015モル含有されている。 (実施例4) ダイレクトブルー199染料 … 4% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成B) … 6.5% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 76.5% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 0.5モル 実施例4では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.0076モル
含有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記
シラン(A)のモル数は0.5モルとなっている。ま
た、ダイレクトブルー199染料4gは0.0050モ
ルに相当するので、インク100g中には、染料の酸性
基が0.015モル含有されている。 (実施例5) ダイレクトブルー199染料 … 4% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成B) … 19.5% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 63.5% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 1.5モル 実施例5では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.023モル含
有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記シ
ラン(A)のモル数は1.5モルとなっている。また、
ダイレクトブルー199染料4gは0.0050モルに
相当するので、インク100g中には、染料の酸性基が
0.015モル含有されている。 (実施例6) ダイレクトブルー199染料 … 4% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成B) … 39.0% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 44.0% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 3.0モル 実施例6では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.045モル含
有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記シ
ラン(A)のモル数は3.0モルとなっている。また、
ダイレクトブルー199染料4gは0.0050モルに
相当するので、インク100g中には、染料の酸性基が
0.015モル含有されている。 (比較例1) ダイレクトブルー199染料 … 4% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成A) … 2.8% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 80.2% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 0.2モル 比較例1では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.0030モル
含有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記
シラン(A)のモル数は0.2モルとなっている。ま
た、ダイレクトブルー199染料4gは0.0050モ
ルに相当するので、インク100g中には、染料の酸性
基が0.015モル含有されている。 (比較例2) ダイレクトブルー199染料 … 4% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成A) … 69.2% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 13.8% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 5.0モル 比較例2では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.075モル含
有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記シ
ラン(A)のモル数は5.0モルとなっている。また、
ダイレクトブルー199染料4gは0.0050モルに
相当するので、インク100g中には、染料の酸性基が
0.015モル含有されている。 (比較例3) ダイレクトブルー199染料 … 4% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成B) … 2.6% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 80.4% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 0.2モル 比較例3では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.0030モル
含有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記
シラン(A)のモル数は0.2モルとなっている。ま
た、ダイレクトブルー199染料4gは0.0050モ
ルに相当するので、インク100g中には、染料の酸性
基が0.015モル含有されている。 (比較例4) ダイレクトブルー199染料 … 4% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成B) … 65.0% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 18.0% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 5.0モル 比較例4では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.076モル含
有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記シ
ラン(A)のモル数は5.0モルとなっている。また、
ダイレクトブルー199染料4gは0.0050モルに
相当するので、インク100g中には、染料の酸性基が
0.015モル含有されている。 (比較例5) アシッドブルー92染料 … 5% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成A) … 29.8% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 52.2% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 1.5モル 比較例5では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.032モル含
有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記シ
ラン(A)のモル数は1.5モルとなっている。尚、ア
シッドブルー92染料は、1分子中に3個の親水基を有
している。 (比較例6) アシッドブルー9染料 … 3% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成A) … 20.9% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 63.1% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 1.5モル 比較例6では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.023モル含
有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記シ
ラン(A)のモル数は1.5モルとなっている。尚、ア
シッドブルー9染料は、1分子中に3個の親水基を有し
ている。 (比較例7) アシッドブルー92染料 … 5% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成B) … 27.9% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 54.1% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 1.5モル 比較例7では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.032モル含
有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記シ
ラン(A)のモル数は1.5モルとなっている。尚、ア
シッドブルー92染料は、1分子中に3個の親水基を有
している。 (比較例8) アシッドブルー9染料 … 3% 有機ケイ素化合物30%水溶液(合成B) … 19.6% グリセリン … 8% ジエチレングリコール(DEG) … 5% 純水 … 64.4% 染料の親水基1モル当たりのシラン(A)のモル数 1.5モル 比較例8では、インク100g中に窒素原子含有有機基
を含有する加水分解性シラン(A)が0.023モル含
有されているので、染料の親水基1モル当たりの上記シ
ラン(A)のモル数は1.5モルとなっている。尚、ア
シッドブルー9染料は、1分子中に3個の親水基を有し
ている。
【0067】次に、上記実施例及び比較例の各シアンイ
ンクを用いて、市販の水性インクジェットプリンター
(エプソン社製EM−900C)で普通紙(商品名「X
erox4024」:ゼロックス社製)に単色画像を形
成し、以下の耐水性、色彩及び吐出安定性の各試験を行
った。
【0068】耐水性試験は、単色画像が形成された用紙
を純水に5分間浸漬した後、室温で放置して乾燥させ、
画像のにじみが生じるか否か、及び濃度の低下が生じる
か否かを調べることにより行った。また、色彩試験は、
比較用インクにより形成した単色画像と上記各例の単色
画像との目視比較を色相及び彩度の観点から、また上記
プリンター用のシアンインク(市販されているもの)に
より形成した単色画像と上記各例の単色画像との目視比
較を色相及び彩度の観点からそれぞれ行うことにより行
った。尚、比較用インクとは、有機ケイ素化合物を配合
していない点を除き、上記実施例及び比較例のシアンイ
ンクと同様の組成を有するシアンインクである。また、
吐出安定性の試験は、連続印字を行って、濃度むらやか
すれが生ずるか否かを調べることにより行った。各試験
の結果を、表2に示す。尚、表2中の「○」、「△」及
び「×」は、以下に示す通りである。 (耐水性試験) ○;にじみ及び濃度低下が全くない、又はほとんどな
い。 ×;激しいにじみ又は濃度低下が確認された。 (色彩試験) ○;比較用インクによる単色画像と同等の色相及び彩度
を有し、且つ市販のプリンター用シアンインクによる単
色画像と同等の良好なシアン色彩及び彩度を有する。 △;比較用インクによる単色画像と比べ、若干の色相変
化及び彩度低下が確認された。 ×;市販のプリンター用シアンインクによる単色画像と
比べ、色相が顕著に劣る(インクジェットプリンター用
シアンインクとして十分なシアン色相を有していな
い。) (吐出安定性の試験) ○;印字面が均一で、濃度むらやかすれが生じていな
い。 ×;印字面に濃度むらやかすれが確認された。
【0069】
【表2】
【0070】各実施例のシアンインクは、耐水性試験に
おいて、表2中に「○」で示すように、にじみ及び濃度
の低下が全くないか、又はほとんどなかった。また、各
実施例のシアンインクは、色彩試験において、表2中に
「○」で示すように、比較用インクと同等の色彩及び彩
度を有し、市販の上記プリンター用シアンインクと同等
の良好なシアン色相及び彩度を有すると判断することが
できた。また、各実施例のシアンインクは、吐出安定性
の試験において、表2中に「○」で示すように、濃度む
らやかすれが全く生じていなかった。
【0071】つまり、ダイレクトブルー199染料の親
水基1モル当たりの加水分解性シラン(A)のモル数が
0.5〜3.0の各実施例のシアンインクは、十分な色
彩安定性及び吐出安定性を有すると共に、優れた耐水性
を有していると言える。
【0072】これに対し、ダイレクトブルー199染料
を使用した比較例のうち、染料の親水基1モル当たりの
加水分解性シラン(A)のモル数が3.0モルを越える
比較例2及び4では、色彩試験において、表2中に
「△」で示すように、比較用インクと比べ、若干の色相
変化及び彩度低下が見られ、吐出安定性の試験におい
て、表2中に「×」で示すように、印字面に濃度むらや
かすれが確認された。この濃度むらやかすれは、印刷ド
ットの抜けや不均一に起因するものと考えられる。
【0073】また、ダイレクトブルー199染料を使用
した比較例のうち、染料の親水基1モル当たりの加水分
解性シラン(A)のモル数が0.5モル未満である比較
例1及び3では、耐水性試験において、表2中に「×」
で示すように、激しいにじみ又は濃度低下が確認され
た。
【0074】また、アシッドブルー92染料を使用した
比較例5及び7では、色彩試験において、表2中に
「×」で示すように、市販の上記プリンター用シアンイ
ンクと比べ、色相が顕著に劣っていた。つまり、アシッ
ドブルー92染料を使用した場合には、使用染料の親水
基1モル当たりの加水分解性シラン(A)のモル数が
0.5〜3.0モルの範囲内にあっても、色相が顕著に
劣る。
【0075】また、アシッドブルー9染料を使用した比
較例6及び8では、耐水性試験において、激しいにじみ
又は濃度低下が確認された。つまり、アシッドブルー9
染料を使用した場合には、染料の親水基1モル当たりの
加水分解性シラン(A)のモル数が0.5〜3.0モル
の範囲内にあっても、耐水性が劣る。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ダイレクトブルー199染料の親水基1モル当たりの加
水分解性シラン(A)のモル数を0.5〜3.0モルに
特定するようにしたために、十分な色彩安定性及び吐出
安定性を有することにより良好な印字画像を得ることが
できると共に、優れた耐水性を発揮することができる。
したがって、普通紙上に高印字品質および高画質の記録
を長期間にわたって保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式記録装置の要部の斜視図であ
る。
【図2】インクジェットヘッドの部分底面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【符号の説明】
A インクジェット式記録装置 1 インクジェットヘッド 4 圧力室 14 ノズル 21 圧電アクチュエータ 23 圧電素子 35 インクカートリッジ 41 記録紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 2H086 BA53 BA56 BA59 BA60 BA62 4J039 AE11 BE03 BE06 EA16 GA24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性染料化合物と、 一般式YR1 mSiR2 3-m(式中、R1は炭素数1〜8の一
    価炭化水素基又は該一価炭化水素基中の水素原子の一部
    若しくは全部を窒素原子を含有しない基で置換した置換
    一価炭化水素基であり、R2は炭素数1〜4のアルコキ
    シ基又はアシロキシ基であり、Yは窒素原子含有有機基
    であり、且つmは0又は1である)で表される加水分解
    性シラン(A)と、一般式R3 nSiR4 4-n(式中、R3
    炭素数1〜8の一価炭化水素基又は該一価炭化水素基中
    の水素原子の一部若しくは全部を窒素原子を含有しない
    基で置換した置換一価炭化水素基であり、R4は炭素数
    1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、且つn
    は0、1又は2である)で表される加水分解性シラン
    (B)とを加水分解することによって得られる有機ケイ
    素化合物と、 水とを含有するインクジェット記録用シアンインクにお
    いて、 上記水溶性染料化合物は、ダイレクトブルー199染料
    であり、 上記加水分解性シラン(A)は、上記ダイレクトブルー
    199染料の親水基1モルに対し、0.5〜3.0モル
    含有されていることを特徴とするインクジェット記録用
    シアンインク。
  2. 【請求項2】ダイレクトブルー199染料の含有率は、
    質量百分率で2〜6%であることを特徴とする請求項1
    記載のインクジェット記録用シアンインク。
  3. 【請求項3】少なくとも請求項1又は2記載のインクジ
    ェット記録用シアンインクを用いるようにし、記録媒体
    に記録を行うようにしたことを特徴とする記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6988794B2 (en) * 2001-03-08 2006-01-24 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Inkjet recording ink, method for producing said ink, and ink cartridge and recording device having said ink
US7368007B2 (en) 2003-05-29 2008-05-06 Ricoh Company, Ltd. Ink-jet recording ink, image forming method, ink-jet recording apparatus and imaged article

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