JP2003277664A - インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録用ノズル板、インクジェットヘッド、及び記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録用ノズル板、インクジェットヘッド、及び記録装置

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JP2003277664A
JP2003277664A JP2002353175A JP2002353175A JP2003277664A JP 2003277664 A JP2003277664 A JP 2003277664A JP 2002353175 A JP2002353175 A JP 2002353175A JP 2002353175 A JP2002353175 A JP 2002353175A JP 2003277664 A JP2003277664 A JP 2003277664A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水がない状態で縮重合反応する水溶性物質
(例えば加水分解性シラン化合物)を含有するインクを
ノズルから吐出して画像を形成する場合において、ノズ
ル板にインクが付着することに伴うインクの着弾ずれ等
を防止し、画像の高画質化を図る。 【解決手段】 水がない状態で縮重合反応する水溶性物
質にフッ化アルキル基を含有させる。又は、ノズル板9
の撥水膜9aに、トリアルキルシラン化合物による表面
処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録に好適なインクジェット記録用インク、インクカート
リッジ、インクジェット記録用ノズル板、インクジェッ
トヘッド及び記録装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録に用いら
れるインクとして、色材(染料又は顔料)と、保湿剤
と、水とを含有したものがよく知られている。ところ
が、色材を含有したインクにより記録紙等の記録媒体上
に画像を形成すると、その画像の耐水性、すなわち画像
が水に濡れると色材が水中に染み出してしまうことが問
題となる。特に普通紙(広範な市販の紙で、とりわけ電
子写真方式の複写機に用いられる紙であって、インクジ
ェット記録用として最適な構造、組成、特性等を有する
ように意図して製造されてはいない紙)に記録した場合
は、耐水性が非常に悪くなる。
【0003】そこで、従来、例えば特許文献1〜特許文
献4に示されているように、インクに加水分解性シラン
化合物(有機ケイ素化合物)を含有させることにより、
記録媒体上の画像の耐水性を向上させるようにすること
が提案されている。このものでは、インク滴が記録媒体
上に付着して水分(溶媒)が蒸発したり記録媒体内に浸
透したりしたときに、上記記録媒体上に残った上記シラ
ン化合物が縮重合反応し、この縮重合反応したシラン化
合物が色材を取り囲むため、記録媒体上の画像が水に濡
れても、色材がその水中に染み出すことはなく、その画
像の耐水性が向上する。
【0004】ところで、インクジェット式の記録装置は
ノズルが形成されたノズル板を備え、このノズルからイ
ンクを吐出することによって、記録媒体にインクを着弾
させるように構成されている。ここで、上記ノズル板に
おけるノズル周辺の撥水性が不十分であるとインクがノ
ズル周辺に付着しやすく、その付着したインクによって
新たなインクを吐出する際にそのインクの吐出方向が偏
向されて、その結果、画質が低下してしまうという不都
合がある。
【0005】そこで、ノズル板におけるインクの吐出側
表面に撥水膜を形成することが知られている。例えば特
許文献5には、ノズル板の表面にフッ素重合膜を形成す
ることが記載されている。また、例えば特許文献6に
は、ノズル板の表面を、ポリテトラフルオロエチレン微
粒子膜を分散させた無電解ニッケルメッキ膜でコートす
ることが記載されている。さらに、特許文献7には、ノ
ズル板表面に、フッ化アルキルシランを含有するゾル/
ゲル膜を形成することが記載されている。加えて、特許
文献8には、ノズル板の表面に、有機シリコン化合物を
原料とした高周波プラズマCVD法による撥水膜を形成
することが記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開平10−212439号公報
【特許文献2】特開平11−293167号公報
【特許文献3】特開平11−315231号公報
【特許文献4】特開2000−178494号公報
【特許文献5】特開平6−8448号公報
【特許文献6】特開平9−164689号公報
【特許文献7】特開2000−280481号公報
【特許文献8】特開2001−63043号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の特許文献5〜特
許文献8に記載されたような撥水膜を、ノズル板の表面
に形成すれば、通常のインク、つまり、加水分解性シラ
ン化合物が含有していないインクを用いた場合には、十
分な撥水効果が得られノズル板9へのインクの付着を防
止することができる。
【0008】ところが、ノズル板9の表面(撥水膜9a
の表面)には、図7に示すように、水酸基、カルボキシ
ル基、又はシラノール基等の活性水素が存在する。この
ため、加水分解性シラン化合物を含有することで耐水性
を高めたインクを用いた場合には、上記ノズル板9の表
面に存在する活性水素と、インク成分中のシラン化合物
とが反応してシラン化合物(インク)がノズル板9の表
面に付着してしまう。こうしてシラン化合物がノズル板
9の表面に付着してしまうと、このシラン化合物には色
材と相互作用させるためにアミノ基が含有されているの
で、そのアミノ基がノズル板9の表面を親水性にしてし
まう。このため、新たなインクをノズルから吐出する際
には、そのインクの吐出方向がノズル板9に付着したイ
ンクによって偏向されて、インクの着弾ずれが生じるよ
うになってしまう。また、ノズル板9にインクが一旦付
着するとそのノズル板9の表面が親水性になることで、
新たなインクの付着を招くことになる。こうして、ノズ
ル板9に付着するインクの量が増加すると、ノズル14
を閉塞してしまってインクがノズルから吐出されなくな
る虞もある。
【0009】また、通常の記録装置においては、ゴム製
のブレード等によってノズル板の表面に付着したインク
を拭き取るクリーニングが定期的に行われる。ところ
が、加水分解性シラン化合物を含有したインクがノズル
板に付着しているときに上記のクリーニングを行うと、
ノズル板表面の活性水素とシラン化合物との反応を促進
してしまうことになる。このため、ノズル板からインク
を拭き取ることができない。このように、加水分解性シ
ラン化合物を含有したインクを用いたときには、ノズル
板のクリーニングを行ってもインクの着弾ずれやノズル
の閉塞を防止できないという問題がある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、加水分解性シ
ラン化合物のような水がない状態で縮重合反応する水溶
性物質を含有するインクをノズルから吐出して画像を形
成する場合において、ノズルが形成されたノズル板にイ
ンクが付着することに伴うインクの着弾ずれ、及びノズ
ルの閉塞を防止し、それによって画像の高画質化を図る
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明では、インクの成分を工夫することで、
ノズル板にインクが付着しても、それに伴うインクの着
弾ずれが生じないようにした。
【0012】具体的に、本発明によるインクジェット記
録用インクは、色材と、保湿剤と、水と、この水がない
状態で縮重合反応する水溶性物質を含有する耐水性イン
クである。そして、上記インクジェット記録用インク
は、上記水溶性物質に、フッ化アルキル基を含有するも
のである。
【0013】ここで、上記水溶性物質は、加水分解性シ
ラン化合物としてもよい。すなわち、チタンカップリン
グ剤やゼラチンのような水溶性高分子をインクに含有さ
せても、耐水性に対して効果があるが、インク中での安
定性の点から加水分解性シランが望ましい。
【0014】上述したように、水がない状態で縮重合反
応する水溶性物質(加水分解性シラン化合物)を含有す
るインクは、その水分が蒸発するに伴いノズル板の表面
に存在する活性水素とインク中のシラン化合物とが反応
して、撥水膜が形成されたノズル板の表面に付着してし
まう。このとき、上記水溶性物質が含有するアミノアル
キル基によってこのノズル板の表面が親水性になってし
まう。
【0015】ところが上記の構成によれば、インクがノ
ズル板の表面に付着したときでも、上記水溶性物質がフ
ッ化アルキル基を含有していることで、このノズル板の
表面の撥水性を低下させない。そればかりか、フッ化ア
ルキル基によって、ノズル板の表面に撥水性を付与する
ことができる。
【0016】こうして、ノズル板の表面にインクが付着
していてもこのノズル板が親水性にならないことで、新
たなインクを吐出する際にノズル板の表面に付着してい
るインクによってインクの吐出方向が偏向されることが
防止される。その結果、インクの直進性を向上させるこ
とができる。また、インクがノズル板の表面に一旦付着
すれば、そのインクによってノズル板の表面が撥水性を
有するため、それ以上のインクがノズル板の表面に付着
することがない。このため、ノズル板の表面に付着する
インクの量は増加しない。その結果、ノズルの閉塞が防
止されて、インクを安定して吐出することが可能にな
る。こうして、記録の高画質化が図られる。
【0017】ここで、上記インクジェット記録用インク
には、浸透剤をさらに含有させることが好ましい。
【0018】こうすることで、保湿剤と浸透剤と水とか
らなるインクの溶媒は、インクが記録媒体(例えば紙)
上に付着した後、速やかにその記録媒体内に浸透する。
これにより、水溶性物質の縮重合反応が速やかに行われ
て色材(染料又は顔料)を確実に取り囲む。その結果、
画像の耐水性がより一層向上する。
【0019】上記水溶性物質がフッ化アルキル基とアミ
ノアルキル基とを含有するものとしたときには、上記フ
ッ化アルキル基の鎖の長さは、上記アミノアルキル基の
鎖と同じ長さか、またはそれよりも長くすることが好ま
しい。
【0020】こうすることで、インクがノズル板表面に
付着したときには、親水性であるアミノ基ではなく疎水
性のフッ化アルキル基が、ノズル板の表面に現れる。そ
の結果、ノズル板の表面の撥水性を、より確実に確保す
ることができる。
【0021】上記フッ化アルキル基の含有量は、上記ア
ミノアルキル基の含有量に対して0.1以上1以下の割
合となるように設定することが好ましい。つまり、イン
クがノズル板表面に付着したときに、ノズル板表面にお
ける上記フッ化アルキル基の被覆率が、約10%〜50
%となるようにすることが好ましい。
【0022】水溶性物質は、アミノ基と色材とが相互作
用することによって、その縮重合反応の際に色材を取り
囲むことになる。従って、アミノ基はインクの耐水性に
関与する。これに対し、フッ化アルキル基は色材との相
互作用が弱く、インクの耐水性には関与しない。このた
め、フッ化アルキル基を余りに多量に含有させた場合、
水溶性物質による色材の取り囲みに支障が生じ、インク
の耐水性が低下する虞がある。従って、フッ化アルキル
基の含有量は、上記アミノアルキル基の含有量に対して
1以下に設定することが好ましい。一方、フッ化アルキ
ル基の含有量がアミノアルキル基の1/10であれば、
つまり、上記フッ化アルキル基の被覆率が約10%であ
れば、ノズル板の表面に十分な撥水性が付与される。こ
のため、フッ化アルキル基の含有量は、上記アミノアル
キル基の含有量に対して0.1以上に設定することが好
ましい。
【0023】本発明によるインクカートリッジは、色材
と、保湿剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応す
る水溶性物質とを含有するインクジェット記録用インク
を備えたカートリッジである。そして、上記水溶性物質
が、フッ化アルキル基を含有するものとする。この構成
により、上述した作用効果が得られる。
【0024】本発明による記録装置は、色材と、保湿剤
と、水と、この水がない状態で縮重合反応する水溶性物
質とを含有するインクジェット記録用インクを備え、該
インクを記録媒体に吐出して記録を行う装置である。そ
して、上記水溶性物質に、フッ化アルキル基を含有させ
るものとする。この構成により、上述した作用効果が得
られる。
【0025】第2の発明は、第1の発明とは異なり、ノ
ズル板の表面処理を工夫することで、水がない状態で縮
重合反応する水溶性物質を含有するインクジェット記録
用インクがノズル板の表面に付着しないようにした。
【0026】具体的に、本発明によるインクジェット記
録用ノズル板は、色材と、保湿剤と、水と、水がない状
態で縮重合反応する水溶性物質とを含有するインクジェ
ット記録用インクを吐出するためのノズルが形成された
ノズル板である。
【0027】そして、上記インクジェット記録用ノズル
板における上記インクの吐出側表面に、撥水膜を形成し
て、この撥水膜に、トリアルキルシラン化合物による表
面処理を施すものである。ここで、上記水溶性物質は、
加水分解性シラン化合物としてもよい。
【0028】こうすることで、撥水膜が形成されたノズ
ル板の表面に存在する活性水素と、トリアルキルシラン
化合物とが反応して、ノズル板表面の活性水素がなくな
る。このため、このノズル板に形成されたノズルから、
水がない状態で縮重合反応する水溶性物質を含有するイ
ンクを吐出させても、ノズル板の表面には活性水素がな
いことから、そのインクはノズル板の表面に付着しな
い。このため、インクの吐出方向が偏向されることが防
止されてインクの直進性を向上させることができる。ま
た、ノズルの閉塞も防止されるため、インクを安定して
吐出することが可能になる。その結果、記録の高画質化
が図られる。
【0029】ここで、トリアルキルシラン化合物は、ト
リアルキルクロロシランとしてもよい。また、トリアル
キルシラン化合物は、トリアルキルアルコキシシランと
してもよい。
【0030】トリアルキルクロロシランの方が、トリア
ルキルアルコキシシランよりも活性水素との反応性が高
い。このため、ノズル板の撥水膜には、トリアルキルク
ロロシランによる表面処理を施した方が、その撥水膜の
活性水素を確実になくすことができ好ましい。
【0031】また、トリアルキルシラン化合物は、トリ
アルキルクロロシランにおけるアルキル基の一部又は全
部が、フッ化アルキル基に置換されたものとしてもよ
い。
【0032】さらに、トリアルキルシラン化合物は、ト
リアルキルアルコキシシランにおけるアルキル基の一部
又は全部が、フッ化アルキル基に置換されたものとして
もよい。
【0033】トリアルキルクロロシランやトリアルキル
アルコキシシランによる表面処理をノズル板の撥水膜に
施したときには、それらのアルキル基が疎水性を有する
ため、ノズル板の表面にインクが付着することが抑制さ
れる。一方、トリアルキルクロロシランやトリアルキル
アルコキシシランにおけるアルキル基の一部又は全部を
フッ化アルキル基に置換したときには、フッ化アルキル
基が撥水性を有するため、ノズル板の表面にインクが付
着することがさらに抑制される。
【0034】本発明によるインクジェットヘッドは、色
材と、保湿剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応
する水溶性物質とを含有するインクジェット記録用イン
クを吐出するためのノズルが形成されたノズル板を有す
るインクジェットヘッドである。そして、上記ノズル板
におけるインクの吐出側表面に、撥水膜を形成すると共
に、その撥水膜に、トリアルキルシラン化合物による表
面処理を施すものである。この構成により、上述した作
用効果が得られる。
【0035】本発明による他の記録装置は、色材と、保
湿剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応する水溶
性物質とを含有するインクジェット記録用インクを吐出
するためのノズルが形成されたノズル板を備え、上記ノ
ズルから記録媒体にインクを吐出して記録を行う装置で
ある。
【0036】そして、上記記録装置は、上記ノズル板に
おけるインクの吐出側表面に、撥水膜を形成し、この撥
水膜に、トリアルキルシラン化合物による表面処理を施
すものである。この構成により、上述した作用効果が得
られる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録用インク、インクカートリッジ及び記録装置
によれば、インク成分である、水がない状態で縮重合反
応する水溶性物質(例えば加水分解性シラン化合物)
に、フッ化アルキル基を含有させることで、撥水膜が形
成されたノズル板表面にこのインクが付着しても、上記
フッ化アルキル基によってノズル板表面の撥水性を維持
することができる。
【0038】こうして、ノズル板の表面にインクが付着
してもこのノズル板が親水性にならないことでインクの
吐出方向が偏向されること及びノズルが閉塞することが
それぞれ防止されて、記録の高画質化を図ることができ
る。
【0039】また、本発明のインクジェット記録用ノズ
ル板、インクジェットヘッド及び記録装置によれば、撥
水膜を形成したノズル板の表面に、トリアルキルシラン
化合物による表面処理を施すことで、上記ノズル板表面
に存在する活性水素とトリアルキルシラン化合物との反
応によってノズル板表面の活性水素をなくすことができ
る。
【0040】このため、このノズル板に形成されたノズ
ルから、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質を含
有するインクを吐出させても、このインクがノズル板に
付着することがなくなり、インクの吐出方向が偏向され
ること及びノズルが閉塞することがそれぞれ防止され
て、記録の高画質化を図ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0042】<第1実施形態>第1実施形態は、インク
に係る実施形態である。図1は、本発明の実施形態に係
るインクジェット記録用インクを備えたインクジェット
式記録装置Aの概略を示す。この記録装置Aは、上面に
上記インクを有するインクカートリッジ35が装着され
かつ該インクを後述の如く記録媒体としての記録紙41
に吐出するインクジェットヘッド1を備えている。この
インクジェットヘッド1はキャリッジ31に支持固定さ
れている。このキャリッジ31には、図示を省略するキ
ャリッジモータが設けられている。上記インクジェット
ヘッド1及びキャリッジ31は、主走査方向(図1及び
図2に示すX方向)に延びるキャリッジ軸32にガイド
されて、上記キャリッジモータによりその方向に往復動
する。
【0043】上記記録紙41は、図示を省略する搬送モ
ータによって回転駆動される2つの搬送ローラ42に挟
まれている。上記記録紙41は、この搬送モータ及び各
搬送ローラ42により、上記インクジェットヘッド1の
下側において上記主走査方向と直交する副走査方向(図
1及び図2に示すY方向)に搬送される。
【0044】上記インクジェットヘッド1は、図2〜図
4に示すように、それぞれインクを供給するための供給
口3a及びインクを吐出するための吐出口3bを有する
複数の圧力室用凹部3が形成されたヘッド本体2を備え
ている。このヘッド本体2の各凹部3は、該ヘッド本体
2の上面に上記主走査方向に延びるように開口されてい
て、互いに上記副走査方向に略等間隔をあけた状態で並
設されている。上記各凹部3の開口の全長は約1250
μmに、幅は約130μmにそれぞれ設定されている。
尚、上記各凹部3の開口の両端部は、略半円形状をなし
ている。
【0045】上記ヘッド本体2の各凹部3の側壁部は、
約200μm厚の感光性ガラス製の圧力室部品6で構成
されている。各凹部3の底壁部は、この圧力室部品6の
下面に接着固定されかつ6枚のステンレス鋼薄板を積層
してなるインク流路部品7で構成されている。このイン
ク流路部品7内には、上記各凹部3の供給口3aとそれ
ぞれ接続された複数のオリフィス8と、この各オリフィ
ス8と接続されかつ上記副走査方向に延びる1つの供給
用インク流路11と、上記吐出口3bとそれぞれ接続さ
れた複数の吐出用インク流路12とが形成されている。
【0046】上記各オリフィス8は、インク流路部品7
において板厚が他よりも小さい上から2番目のステンレ
ス鋼薄板に形成されている。その径は約38μmに設定
されている。また、上記供給用インク流路11は上記イ
ンクカートリッジ35と接続されており、このインクカ
ートリッジ35から供給用インク流路11内にインクが
供給されるようになっている。
【0047】上記インク流路部品7の下面には、インク
滴を上記記録紙41に向けて吐出するための複数のノズ
ル14が形成されたステンレス鋼からなるノズル板9が
接着固定されている。このノズル板9の下面は、撥水膜
9aで被覆されている。この撥水膜9aは、例えばフッ
素重合膜、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散さ
せた無電解ニッケルメッキ膜、フッ化アルキルシランを
含有するゾル/ゲル膜、又は有機シリコン化合物を原料
とした高周波プラズマCVD膜等としてもよい。これら
の撥水膜は、公知の方法に形成することが可能である。
【0048】上記各ノズル14は、上記吐出用インク流
路12とそれぞれ接続されていて、この吐出用インク流
路12を介して上記各凹部3の吐出口3bにそれぞれ連
通されている。上記ノズル14は、インクジェットヘッ
ド1の下面において、上記副走査方向に列状に並ぶよう
に設けられている。尚、上記各ノズル14は、ノズル径
がノズル先端側に向かって小さくなるテーパ部と、該テ
ーパ部のノズル先端側に連続して設けられたストレート
部とからなる。このストレート部のノズル径は約20μ
mに設定されている。
【0049】上記ヘッド本体2の各凹部3の上側には、
圧電アクチュエータ21がそれぞれ設けられている。こ
の各圧電アクチュエータ21は、上記ヘッド本体2の上
面に接着固定された状態で該ヘッド本体2の各凹部3を
塞いで該凹部3と共に圧力室4を構成するCr製振動板
22を有している。この振動板22は、全ての圧電アク
チュエータ21に共通の1つのものからなっていて、後
述の全圧電素子23に共通の共通電極としての役割をも
果たしている。
【0050】また、上記各圧電アクチュエータ21は、
上記振動板22の上記圧力室4と反対側面(上面)にお
いて圧力室4に対応する部分(凹部3開口に対向する部
分)にCu製の中間層25を介してそれぞれ設けられか
つチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電素子2
3と、この各圧電素子23の上記振動板22と反対側面
(上面)にそれぞれ接合され、該振動板22と共に各圧
電素子23に電圧(駆動電圧)をそれぞれ印加するため
のPt製個別電極24とを有している。
【0051】上記振動板22,各圧電素子23、各個別
電極24及び各中間層25は、全て薄膜で形成されてな
っている。振動板22の厚みは約6μmに、各圧電素子
23の厚みは8μm以下(例えば約3μm)に、各個別
電極24の厚みは約0.2μmに、各中間層25の厚み
は約3μmにそれぞれ設定されている。
【0052】上記各圧電アクチュエータ21は、その振
動板22と各個別電極24とを介して各圧電素子23に
駆動電圧を印加することにより該振動板22の圧力室4
に対応する部分(凹部3の開口部分)を変形させること
で、該圧力室4内のインクを吐出口3bないしノズル1
4から吐出させるようになっている。すなわち、振動板
22と個別電極24との間にパルス状の電圧を印加する
と、そのパルス電圧の立ち上がりにより圧電素子23が
圧電効果によりその厚み方向と垂直な幅方向に収縮する
のに対し、振動板22、個別電極24及び中間層25は
収縮しないので、いわゆるバイメタル効果により振動板
22の圧力室4に対応する部分が圧力室4側へ凸状に撓
んで変形する。この撓み変形により圧力室4内の圧力が
高まり、この圧力で圧力室4内のインクが吐出口3b及
び吐出用インク流路12を経由してノズル14から押し
出される。そして、上記パルス電圧の立ち下がりにより
圧電素子23が伸長して振動板22の圧力室4に対応す
る部分が元の状態に復帰し、このとき、上記ノズル14
から押し出されていたインクがインク流路12内のイン
クから引きちぎられて、インク滴(例えば3pl)とし
て記録紙41へ吐出され、該記録紙41面にドット状に
付着することとなる。また、上記振動板22が凸状に撓
んで変形した状態から元の状態に復帰する際に、圧力室
4内には上記インクカートリッジ35より供給用インク
流路11及び供給口3aを介してインクが充填される。
尚、各圧電素子23に印加するパルス電圧としては、上
記のように押し引きタイプのものでなくても、第1の電
圧から該第1の電圧よりも低い第2の電圧まで立ち下が
った後に上記第1の電圧まで立ち上がる引き押しタイプ
のものであってもよい。
【0053】上記各圧電素子23への駆動電圧の印加
は、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走
査方向において記録紙41の一端から他端まで略一定速
度で移動させているときに所定時間(例えば50μs程
度:駆動周波数20kHz)毎に行われる(但し、イン
クジェットヘッド1が記録紙41におけるインク滴を着
弾させない箇所に達したときには電圧が印加されな
い)。このことで、記録紙41の所定位置にインク滴を
着弾させる。そして、1走査分の記録が終了すると、搬
送モータ及び各搬送ローラ42により記録紙41を副走
査方向に所定量搬送し、再度、インクジェットヘッド1
及びキャリッジ31を主走査方向に移動させながらイン
ク滴を吐出させて、新たな1走査分の記録を行う。この
動作を繰り返すことによって、記録紙41全体に所望の
画像が形成される。
【0054】上記記録装置Aに用いるインクは、色材
(染料又は顔料)と、上記インクジェットヘッド1のノ
ズル14等での乾きを抑制する保湿剤と、該インク(溶
媒)の記録紙41内への浸透性を高める浸透剤と、水
と、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質としての
加水分解性シラン化合物とを含有している。
【0055】上記シラン化合物は、上記インクジェット
ヘッド1のノズル14から吐出されたインク滴が記録紙
41上に付着して、水分(溶媒)が蒸発したり記録紙4
1内に浸透したりしたときに上記記録紙上41で縮重合
反応をし、このときに色材を取り囲むものである。上記
シラン化合物が色材を取り囲むことにより、記録紙41
上の画像が水に濡れても、色材がその水中に染み出すの
が防止され、その結果、その画像の耐水性が向上する。
上記シラン化合物は、アミノ基を有する有機基を含有す
るアルコキシシランとフッ化アルキルアルコキシシラン
とアミノ基を含有しないアルコキシシランとの加水分解
反応物、又は、アミノ基を含有する加水分解性シランに
有機モノエポキシ化合物を反応させた加水分解性シラン
とフッ化アルキルアルコキシシランと窒素原子を含有し
ない加水分解性シランとを加水分解することにより得ら
れる有機ケイ素化合物であることが望ましい。
【0056】ここで、上記フッ化アルキルアルコキシシ
ランの具体例としては、例えば以下の各化合物(化1〜
化10)が挙げられる。
【0057】
【化1】
【0058】
【化2】
【0059】
【化3】
【0060】
【化4】
【0061】
【化5】
【0062】
【化6】
【0063】
【化7】
【0064】
【化8】
【0065】
【化9】
【0066】
【化10】
【0067】上記色材としての染料は、どのようなもの
であってもよいが、水溶性の酸性染料又は直接染料であ
ることが好ましい。
【0068】一方、色材としての顔料は、次のものが好
ましい。つまり、黒顔料としては、カーボンブラック表
面をジアゾニウム塩で処理したものや、ポリマーをグラ
フト重合して表面処理したものが好適である。
【0069】また、カラー顔料としては、顔料を、ナフ
タレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、リグニスルホ
ン酸、ジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン、又は脂肪酸エステル等の界面活性
剤で処理したものが好ましい。具体的には、シアン顔料
では、例えばピグメントブルー15:3、ピグメントブ
ルー15:4、又はアルミニウムフタロシアニン等が挙
げられる。また、マゼンタ顔料では、例えばピグメント
レッド122、又はピグメントバイオレット19等が挙
げられる。さらに、イエロー顔料としては、例えばピグ
メントイエロー74、ピグメントイエロー109、ピグ
メントイエロー110、又はピグメントイエロー128
等が挙げられる。
【0070】上記保湿剤は、グリセリン等の多価アルコ
ール、又は2−ピロリドンやN−メチル−2−ピロリド
ンのような水溶性の窒素複素環化合物であることが望ま
しい。
【0071】上記浸透剤は、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等のような、多価アルコールのモノアル
キルエーテルであることが好ましい。尚、浸透剤はイン
クの必須成分ではないが、浸透剤のインクに対する含有
量を調整することによってインク(又は溶媒)の表面張
力を適宜設定することができる。これにより、インク滴
が記録紙41上に付着した後、上記溶媒が記録紙41内
に速やかに浸透することになる。その結果、インク滴が
記録紙41上に付着した後に、シラン化合物の縮重合反
応が速やかにかつ十分に行われて、このシラン化合物に
よって色材が速やかにかつ確実に取り囲まれる。こうし
て、浸透剤をインクに含有させたときには、画像の形成
直後においても高レベルな画像の耐水性を得ることがで
きるようになる。
【0072】また、浸透剤の補助剤としてアニオン界面
活性剤又は非イオン活性剤を添加してもよい。
【0073】このように、第1実施形態におけるインク
ジェット記録用インクは、色材と、保湿剤と、水と、こ
の水がない状態で縮重合反応する水溶性物質(加水分解
性シラン化合物)とを含有しかつ、この水溶性物質が、
アミノアルキル基及びフッ化アルキル基を含有してい
る。
【0074】上記インクをノズル14から吐出した際に
は、上記ノズル板9の撥水膜9aに活性水素が存在して
いることで、このインクが撥水膜9aの活性水素と反応
してノズル板9の表面に付着する。このときには、図5
に示すように、水溶性物質のフッ化アルキル基がノズル
板9の表面に現れるようになる。これによりノズル板9
の表面に撥水性を付与することができる。新たなインク
がノズル14から吐出される際に、この新たなインクの
吐出方向がノズル板9の表面に付着したインクによって
偏向されることが防止される。また、インクがノズル板
9の表面に付着すればノズル板9の撥水性が維持され
る。このことで、新たにノズル14から吐出されるイン
クはノズル板9の表面に付着しない。つまり、ノズル板
9の表面にインクが一旦付着した後は、そのノズル板9
の表面にインクが付着しなくなる。このようにノズル板
9に付着するインクの量は増加しないため、ノズルの閉
塞を防止してインクを安定して吐出することが可能にな
る。その結果、記録の高画質化を図ることができる。
【0075】特に、図5に示すように、親水性であるア
ミノアルキル基よりもフッ化アルキル基がノズル板9の
表面に現れるときには、撥水性をより確実に確保するこ
とができる。つまり、フッ化アルキル基の鎖の長さは、
アミノアルキル基の鎖と同じ長さか、又はそれよりも長
くするのが好ましい。
【0076】ここで、インク成分中のフッ化アルキル基
の含有量は、アミノアルキル基10に対して、1〜10
の割合とするのが好ましい。つまり、インクがノズル板
9の表面に付着したときに、そのノズル板9の表面にお
ける上記フッ化アルキル基の被覆率が、約10%〜50
%となるようにすることが好ましい。これは、水溶性物
質にフッ化アルキル基を多量に含有させる一方で、アミ
ノアルキル基の含有量を少なくすると、水溶性物質によ
る色材の取り囲みに支障が生じる虞があるためである。
一方、フッ化アルキル基の被覆率が約10%以上であれ
ばノズル板9に十分な撥水性が付与されるため、フッ化
アルキル基の含有量はアミノアルキル基の1/10であ
ればよい。
【0077】<第2実施形態>第1実施形態は、インク
に係る実施形態であったが、第2実施形態は、ノズル板
9の表面処理に係る実施形態である。
【0078】尚、第2実施形態に係るインクジェット式
記録装置Aの基本的な構造は、上記第1実施形態と略同
様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
【0079】第2実施形態に係るインクジェット式記録
装置Aは、そのインクジェットヘッド1におけるノズル
板9の撥水膜9aが、第1実施形態と異なる。
【0080】この撥水膜9aは、上述したように、公知
の方法で形成することが可能である。例えばフッ素重合
膜、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散させた無
電解ニッケルメッキ膜、フッ化アルキルシランを含有す
るゾル/ゲル膜、又は有機シリコン化合物を原料として
高周波プラズマCVD膜等によって形成することができ
る。
【0081】こうして形成された撥水膜9aに対して、
第2実施形態においては、トリアルキルシラン化合物に
よる表面処理が施される。
【0082】具体的には、上記撥水膜9aを形成したノ
ズル板9を、トリアルキルシラン化合物の溶液に一定時
間浸漬した後、加熱乾燥させ、さらに水洗して余分なト
リアルキルシラン化合物を取り除くようにすればよい。
【0083】こうすることで、図6に例示するように、
トリアルキルシラン化合物(図例ではトリアルキルクロ
ロシラン)と、ノズル板9(撥水膜9a)の表面に存在
する活性水素とが脱塩化水素反応により結合し、ノズル
板9表面の活性水素がなくなる。その結果、このノズル
板9のノズル14から、水がない状態で縮重合反応する
水溶性物質(例えば加水分解性シラン化合物)を含有す
るインクを吐出させても、インク中のシラン化合物と反
応する活性水素がノズル板9の表面にないことから、こ
のインクはノズル板9に付着しなくなる。こうして、イ
ンクの吐出方向が偏向されることが防止され、インクの
直進性を向上させることができる。また、ノズル14の
閉塞も防止されるため、インクを安定して吐出すること
が可能になり、その結果、記録の高画質化が図られる。
【0084】ここで、上記トリアルキルシラン化合物と
しては、トリアルキルクロロシラン、又はトリアルキル
アルコキシシランが挙げられる。撥水膜9aの表面処理
は、トリアルキルクロロシラン及びトリアルキルアルコ
キシシランのいずれで行ってもよいが、活性水素との反
応性を考慮すれば、トリアルキルクロロシランの方がよ
り好ましい。
【0085】また、上記トリアルキルシラン化合物とし
ては、トリアルキルクロロシランのアルキル基の一部或
いは全部がフッ化アルキル基に置換されたもの、又はト
リアルキルアルコキシシランのアルキル基の一部或いは
全部がフッ化アルキル基に置換されたものとしてもよ
い。フッ化アルキル基が撥水性を有するため、ノズル板
9の表面にインクが付着することがさらに抑制される。
【0086】上記トリアルキルクロロシランの具体例と
しては、例えば以下の各化合物が挙げられる(化11〜
化34)。
【0087】
【化11】
【0088】
【化12】
【0089】
【化13】
【0090】
【化14】
【0091】
【化15】
【0092】
【化16】
【0093】
【化17】
【0094】
【化18】
【0095】
【化19】
【0096】
【化20】
【0097】
【化21】
【0098】
【化22】
【0099】
【化23】
【0100】
【化24】
【0101】
【化25】
【0102】
【化26】
【0103】
【化27】
【0104】
【化28】
【0105】
【化29】
【0106】
【化30】
【0107】
【化31】
【0108】
【化32】
【0109】
【化33】
【0110】
【化34】
【0111】上記トリアルキルクロロシランのアルキル
基の一部又は全部がフッ化アルキル基に置換されたもの
の具体例としては、例えば以下の各化合物が挙げられる
(化35〜化64)。
【0112】
【化35】
【0113】
【化36】
【0114】
【化37】
【0115】
【化38】
【0116】
【化39】
【0117】
【化40】
【0118】
【化41】
【0119】
【化42】
【0120】
【化43】
【0121】
【化44】
【0122】
【化45】
【0123】
【化46】
【0124】
【化47】
【0125】
【化48】
【0126】
【化49】
【0127】
【化50】
【0128】
【化51】
【0129】
【化52】
【0130】
【化53】
【0131】
【化54】
【0132】
【化55】
【0133】
【化56】
【0134】
【化57】
【0135】
【化58】
【0136】
【化59】
【0137】
【化60】
【0138】
【化61】
【0139】
【化62】
【0140】
【化63】
【0141】
【化64】
【0142】上記トリアルキルアルコキシシランの具体
例としては、例えば以下の各化合物が挙げられる(化6
5〜化96)。
【0143】
【化65】
【0144】
【化66】
【0145】
【化67】
【0146】
【化68】
【0147】
【化69】
【0148】
【化70】
【0149】
【化71】
【0150】
【化72】
【0151】
【化73】
【0152】
【化74】
【0153】
【化75】
【0154】
【化76】
【0155】
【化77】
【0156】
【化78】
【0157】
【化79】
【0158】
【化80】
【0159】
【化81】
【0160】
【化82】
【0161】
【化83】
【0162】
【化84】
【0163】
【化85】
【0164】
【化86】
【0165】
【化87】
【0166】
【化88】
【0167】
【化89】
【0168】
【化90】
【0169】
【化91】
【0170】
【化92】
【0171】
【化93】
【0172】
【化94】
【0173】
【化95】
【0174】
【化96】
【0175】上記トリアルキルアルコキシシランのアル
キル基の一部又は全部がフッ化アルキル基に置換された
ものの具体例としては、例えば以下の各化合物が挙げら
れる(化97〜化132)。
【0176】
【化97】
【0177】
【化98】
【0178】
【化99】
【0179】
【化100】
【0180】
【化101】
【0181】
【化102】
【0182】
【化103】
【0183】
【化104】
【0184】
【化105】
【0185】
【化106】
【0186】
【化107】
【0187】
【化108】
【0188】
【化109】
【0189】
【化110】
【0190】
【化111】
【0191】
【化112】
【0192】
【化113】
【0193】
【化114】
【0194】
【化115】
【0195】
【化116】
【0196】
【化117】
【0197】
【化118】
【0198】
【化119】
【0199】
【化120】
【0200】
【化121】
【0201】
【化122】
【0202】
【化123】
【0203】
【化124】
【0204】
【化125】
【0205】
【化126】
【0206】
【化127】
【0207】
【化128】
【0208】
【化129】
【0209】
【化130】
【0210】
【化131】
【0211】
【化132】
【0212】ここで、ノズル板9(撥水膜9a)に対す
るトリアルキルシラン化合物の溶液による表面処理につ
いて、さらに詳しく説明する。
【0213】上記トリアルキルシラン化合物としてトリ
アルキルクロロシランを用いるときには、このトリアル
キルクロロシランは水と反応しやすいため、その溶媒は
非水溶媒が好ましい。非水溶媒としては、例えばn−ヘ
キサン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン、n
−ドデカン、シクロヘキサン、パーフロオロオクタン、
トルエン等が具体例として挙げられる。
【0214】一方、トリアルキルシラン化合物として、
トリアルキルアルコキシシランを用いる場合は、その溶
媒は水溶性溶媒が好ましい。水溶性溶媒としては、例え
ばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプ
ロパノールなどの一価アルコール、又はこれら一価アル
コールと水との混合溶媒が具体例として挙げられる。
【0215】また、トリアルキルシラン化合物の濃度と
しては、0.1〜30wt%が好ましい。これは濃度が
0.1wt%以下では、トリアルキルシラン化合物と、
ノズル板9の表面に存在する全ての活性水素が反応せ
ず、ノズル板9の表面に活性水素が一部残存する虞があ
るためである。また、濃度が30wt%であれば、反応
が100%進むため、それ以上に濃度を高める必要がな
いためである。
【0216】ノズル板9をトリアルキルシラン化合物の
溶液に浸漬する時間は、3〜120分が好ましい。例え
ば3分以下では、トリアルキルシラン化合物とノズル板
9表面の全ての活性水素とが反応せずに、活性水素が一
部残存するおそれがあるためである。また、トリアルキ
ルシラン化合物の濃度に依存するものの、30〜120
分程度で反応が終点に達することになるため、120分
以上反応させる必要がないためである。
【0217】また、トリアルキルシラン化合物の溶液に
浸漬したノズル板9を加熱乾燥する際の温度は、トリア
ルキルシラン化合物を溶解した溶媒の沸点よりも20〜
30℃程度高い温度にすることが、乾燥が容易に進むた
め好ましい。尚、乾燥温度をさらに高めてもよいが、乾
燥の観点からは溶媒の沸点よりも30℃以上に高める必
要はない。例えば溶媒としてn−ヘキサン(沸点69
℃)を用いたときには、乾燥温度を89〜99℃とする
のが好ましく、水−エタノール混合溶媒を用いたときに
は、乾燥温度を120〜140℃とするのが好ましい。
【0218】また、トリアルキルシラン化合物がアルコ
キシシランの場合は、例えば塩酸に代表される酸触媒を
0.1wt程度、その溶液に加えることによって、反応
がよりスムースに進むようになる。
【0219】尚、第2実施形態に係る記録装置Aに用い
るインクとしては、上記第1実施形態に係るインクを用
いてもよい。また、第2実施形態においては、ノズル板
9の表面処理を行うことでノズル板9に対するインクの
付着を防止しているため、以下の組成のインクを用いて
も、ノズル板9の撥水性を阻害することはない。
【0220】すなわち、インクとしては、色材(染料又
は顔料)と、保湿剤と、浸透剤と、水と、加水分解性シ
ラン化合物とを含有したものとする。上記シラン化合物
は、第1実施形態のものとは異なり、アミノ基を有する
有機基を含有するアルコキシシランとアミノ基を含有し
ないアルコキシシランとの加水分解反応物、又は、アミ
ノ基を含有する加水分解性シランに有機モノエポキシ化
合物を反応させた加水分解性シランと窒素原子を含有し
ない加水分解性シランとを加水分解することにより得ら
れる有機ケイ素化合物であればよい。
【0221】
【実施例】<第1実施例>次に、上記第1実施形態に係
るインクジェット記録用インクについて、具体的に実施
した実施例について説明する。
【0222】先ず、以下の組成(各組成物の含有量は質
量百分率である)からなる37種類のインクジェット記
録用インクを作製した(実施例1−1〜実施例1−3
7)。
【0223】尚、上記実施例1−1〜実施例1−37の
全てにおいて、保湿剤としてグリセリンを含有させた。
また、実施例1−6〜実施例1−37については、浸透
剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルを含
有させた。
【0224】また、色材としては、実施例1−1〜実施
例1−28及び実施例1−34〜実施例1−37におい
ては染料を含有させる一方、実施例1−29〜実施例1
−33においては顔料を含有させた。尚、染料として
は、基本的にC.I.アシッドブラック2を含有させ、
実施例1−26〜実施例1−28においては異なる色の
染料を含有させた。
【0225】(実施例1−1)反応容器に入れた180
g(10モル)の水に、100g(0.56モル)のH
2NCH2CH2CH2Si(OCH33と、61.1g
(0.28モル)の「化1」で表されるフッ化アルキル
アルコキシシランと、166g(1.1モル)のSi
(OCH34との混合物を室温で一滴一滴加えて、その
全量滴下後に60℃で1時間攪拌することにより得たも
のが、実施例1−1における有機ケイ素化合物(A1)
である。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A1) …10% 純水 …68%。
【0226】(実施例1−2)実施例1−1において、
「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン
を、「化2」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ン75.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化合
物(A2)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A2) …10% 純水 …68%。
【0227】(実施例1−3)実施例1−1において、
「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン
を、「化3」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ン89.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化合
物(A3)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A3) …10% 純水 …68%。
【0228】(実施例1−4)実施例1−1において、
「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン
を、「化4」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ン103.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化
合物(A4)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A4) …10% 純水 …68%。
【0229】(実施例1−5)実施例1−1において、
「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン
を、「化5」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ン117.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化
合物(A5)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A5) …10% 純水 …68%。
【0230】(実施例1−6)実施例1−1のインク
に、浸透剤としてのジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルをさらに含有させた。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A1) …10% 純水 …63%。
【0231】(実施例1−7)実施例1−2のインク
に、浸透剤としてのジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルをさらに含有させた。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A2) …10% 純水 …63%。
【0232】(実施例1−8)実施例1−3のインク
に、浸透剤としてのジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルをさらに含有させた。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A3) …10% 純水 …63%。
【0233】(実施例1−9)実施例1−4のインク
に、浸透剤としてのジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルをさらに含有させた。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A4) …10% 純水 …63%。
【0234】(実施例1−10)実施例1−5のインク
に、浸透剤としてのジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルをさらに含有させた。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A5) …10% 純水 …63%。
【0235】(実施例1−11)実施例1−6におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化6」で表されるフッ化アルキルアルコキシシ
ラン131.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素
化合物(A6)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A6) …10% 純水 …63%。
【0236】(実施例1−12)実施例1−6におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化7」で表されるフッ化アルキルアルコキシシ
ラン145.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素
化合物(A7)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A7) …10% 純水 …63%。
【0237】(実施例1−13)実施例1−6におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化8」で表されるフッ化アルキルアルコキシシ
ラン159.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素
化合物(A8)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A8) …10% 純水 …63%。
【0238】(実施例1−14)実施例1−6におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化9」で表されるフッ化アルキルアルコキシシ
ラン173.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素
化合物(A9)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A9) …10% 純水 …63%。
【0239】(実施例1−15)実施例1−6におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化10」で表されるフッ化アルキルアルコキシ
シラン187.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ
素化合物(A10)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A10) …10% 純水 …63%。
【0240】(実施例1−16)反応容器に入れた10
0g(0.56モル)のH2NCH2CH2CH2Si(O
CH33に、49g(0.66モル)の2,3−エポキ
シ−1−プロパノールを一滴一滴加えて、その全量滴下
後に80℃で5時間攪拌することにより、アミノ基とエ
ポキシ基とを反応させた加水分解性シラン(B)を得、
次に、新たな反応容器に、120g(6.67モル)の
水と、50.6g(0.2モル)の上記加水分解性シラ
ン(B)と、21.8g(0.1モル)の「化1」で表
されるフッ化アルキルアルコキシシランと、30.4g
(0.2モル)のSi(OCH34との混合物を一滴一
滴加えて、その全量滴下後に60℃で1時間反応させる
ことにより得たものが、実施例1−16における有機ケ
イ素化合物(C1)である。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(C1) …10% 純水 …63%。
【0241】(実施例1−17)実施例1−16におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化2」で表されるフッ化アルキルアルコキシシ
ラン26.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合
物(C2)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(C2) …10% 純水 …63%。
【0242】(実施例1−18)実施例1−16におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化3」で表されるフッ化アルキルアルコキシシ
ラン31.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合
物(C3)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(C3) …10% 純水 …63%。
【0243】(実施例1−19)実施例1−16におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化4」で表されるフッ化アルキルアルコキシシ
ラン36.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合
物(C4)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(C4) …10% 純水 …63%。
【0244】(実施例1−20)実施例1−16におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化5」で表されるフッ化アルキルアルコキシシ
ラン41.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合
物(C5)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(C5) …10% 純水 …63%。
【0245】(実施例1−21)実施例1−16におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化6」で表されるフッ化アルキルアルコキシシ
ラン46.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合
物(C6)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(C6) …10% 純水 …63%。
【0246】(実施例1−22)実施例1−16におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化7」で表されるフッ化アルキルアルコキシシ
ラン51.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合
物(C7)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(C7) …10% 純水 …63%。
【0247】(実施例1−23)実施例1−16におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化8」で表されるフッ化アルキルアルコキシシ
ラン56.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合
物(C8)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(C8) …10% 純水 …63%。
【0248】(実施例1−24)実施例1−16におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化9」で表されるフッ化アルキルアルコキシシ
ラン61.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合
物(C9)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(C9) …10% 純水 …63%。
【0249】(実施例1−25)実施例1−16におい
て、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラ
ンを、「化10」で表されるフッ化アルキルアルコキシ
シラン66.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化
合物(C10)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(C10) …10% 純水 …63%。
【0250】(実施例1−26)実施例1−6のインク
において、C.I.アシッドブラック2を、C.I.ア
シッドイエロー23に代えた。 C.I.アシッドイエロー23 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A1) …10% 純水 …63%。
【0251】(実施例1−27)実施例1−6のインク
において、C.I.アシッドブラック2を、C.I.ア
シッドレッド52に代えた。 C.I.アシッドレッド52 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A1) …10% 純水 …63%。
【0252】(実施例1−28)実施例1−6のインク
において、C.I.アシッドブラック2を、C.I.ア
シッドブルー86に代えた。 C.I.アシッドブルー86 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A1) …10% 純水 …63%。
【0253】(実施例1−29)実施例1−6のインク
において、C.I.アシッドブラック2を、黒顔料に代
えた。 カーボンブラック(商品名「CAB-O-JETTM-200」:キャボット社製) …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A1) …10% 純水 …63%。
【0254】(実施例1−30)実施例1−6のインク
において、C.I.アシッドブラック2を、黒顔料に代
えた。 カーボンブラック(商品名「CAB-O-JETTM-300」:キャボット社製) …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A1) …10% 純水 …63%。
【0255】(実施例1−31)実施例1−6のインク
において、C.I.アシッドブラック2を、カラー顔料
に代えた。 イエロー顔料(商品名「FUJI SP YELLOW 4223」:富士色素社製) …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A1) …10% 純水 …63%。
【0256】(実施例1−32)実施例1−6のインク
において、C.I.アシッドブラック2を、カラー顔料
に代えた。 マゼンタ顔料(商品名「FUJI SP MAGENTA 9338」:富士色素社製)…5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A1) …10% 純水 …63%。
【0257】(実施例1−33)実施例1−6のインク
において、C.I.アシッドブラック2を、カラー顔料
に代えた。 シアン顔料(商品名「FUJI SP BULE 6403」:富士色素社製) …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A1) …10% 純水 …63%。
【0258】(実施例1−34)実施例1−6におい
て、フッ化アルキルアルコキシシランの量を、61.1
g(0.28モル)から244.4g(1.12モル)
に変えて有機ケイ素化合物(A11)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A11) …10% 純水 …63%。
【0259】(実施例1−35)実施例1−6におい
て、フッ化アルキルアルコキシシランの量を、61.1
g(0.28モル)から122.2g(0.56モル)
に変えて有機ケイ素化合物(A12)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A12) …10% 純水 …63%。
【0260】(実施例1−36)実施例1−6におい
て、フッ化アルキルアルコキシシランの量を、61.1
g(0.28モル)から24.4g(0.112モル)
に変えて有機ケイ素化合物(A13)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A13) …10% 純水 …63%。
【0261】(実施例1−37)実施例1−6におい
て、フッ化アルキルアルコキシシランの量を、61.1
g(0.28モル)から10.1g(0.056モル)
に変えて有機ケイ素化合物(A14)を作製した。 C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A15) …10% 純水 …63%。
【0262】続いて、比較のために、以下の組成(各組
成物の含有量は質量百分率である)からなる2種類のイ
ンクを作製した(比較例1−1及び比較例1−2)。
【0263】尚、比較例1−1における有機ケイ素化合
物は、実施例1−1における有機ケイ素化合物(A1)
の作製の際に、フッ化アルキルアルコキシシランを用い
ずに同様の反応をさせたもの(有機ケイ素化合物(A1
6))である。
【0264】これに対し、比較例1−2の有機ケイ素化
合物は、実施例1−16における有機ケイ素化合物の作
製(C1)の際に、フッ化アルキルアルコキシシランを
用いずに同様の反応をさせたもの(有機ケイ素化合物
(C11))である。
【0265】 (比較例1−1) C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(A16) …10% 純水 …68%。
【0266】 (比較例1−2) C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコール …7% 有機ケイ素化合物(C11) …10% 純水 …68%。
【0267】次に、上記実施例1−1〜実施例1−3
7、並びに比較例1−1,比較例1−2の各インクを用
いて、上記実施形態と同様の圧電アクチュエータにより
インクを吐出させるプリンタで普通紙(商品名「Xer
ox4024」:ゼロックス社製)に画像を形成した。
ここで、上記プリンタのインクジェットヘッドにおける
ノズル板には、撥水性ゾル/ゲル膜が形成されたもの、
ポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散させた無電解
ニッケルメッキ膜が形成されたもの、フッ素重合体膜が
形成されたもの、及びフッ素系のシランカップリング剤
コート膜が形成されたもの、をそれぞれ用いた。いずれ
のノズル板においても初期のインクに対する接触角は6
0°以上であって、インクに対する撥水性は優れてい
た。
【0268】そして、上記各比較例のインクを用いた場
合には、連続印字を行うと次第に画像のゆがみが生じる
と共に、約3分でインクが吐出し難くなって、画像には
白すじが生じ始めた。さらに印字を継続すると、インク
が吐出されないノズルの数が増加して、約30分後に
は、形成された画像(文字)が判読できない状態となっ
た。ノズル板を観察したところ、ノズルの周囲にインク
が付着しており、このノズル周囲のインクをゴム製のブ
レードによって拭き取るクリーニングを行った後に、イ
ンクに対する接触角を測定したところ、その値は15〜
20°であった。
【0269】一方、各実施例のインクを用いた場合に
は、連続印字を行ってもインクの吐出状態は初期と変わ
らず、画像に白すじや白抜け等は生じなかった。さら
に、印字を継続させてもインクの吐出は安定であって、
画像に白すじや白抜け等が生じず、また、画像のゆがみ
も全く観察されなかった。30分間の連続印字の後にノ
ズル板を観察したところ、ノズルの周囲にわずかにイン
クが付着していた。このノズル周囲のインクをゴム製の
ブレードによって拭き取るクリーニングを行った後に、
インクに対する接触角を測定したところ、その値は初期
値に対して±2°であった。
【0270】また、この画像を形成した用紙を純水に浸
漬した後、室温で放置して乾燥させ、画像のにじみが生
じるが否かを調べた。実施例の各インクで形成した画像
では、にじみは全く見られず、実施例の各インクは優れ
た耐水性を発揮した。
【0271】従って、各実施例のインクのように、イン
ク成分である水がない状態で縮重合反応する水溶性物質
(加水分解性シラン化合物)に、フッ化アルキル基を含
有させることによって、連続印字を行ってもノズル板表
面の撥水性を低下させずに撥水性を確保することができ
る。これにより、インクの着弾ずれに伴う画像のゆがみ
や、ノズル14の閉塞を防止して、高画質の画像を形成
することができる。
【0272】<第2実施例>次に、上記第2実施形態に
係るインクジェット記録用ノズル板について、具体的に
実施した実施例について説明する。
【0273】実施例2−1〜実施例2−124について
は、ノズル板にフッ化アルキルシランを含有するゾル/
ゲル膜からなる撥水膜を形成し、実施例2−125〜実
施例2−127については、これと異なる撥水膜を形成
した。
【0274】実施例2−1〜実施例2−124における
撥水膜は、以下の方法により形成した。すなわち、先
ず、以下の組成からなる2種類の液(A液、B液)を準
備する。
【0275】(A液) CF3(CF2)724Si(OCH3)3 …4ml テトラエトキシシラン …25ml 2,2,2−トリフルオロエタノール …50ml (B液) 塩酸 …0.4ml 2,2,2−トリフルオロエタノール …50ml 水 …7ml。
【0276】次に、上記A液を内容積200mlのビー
カーに入れ、マグネチックスターラーで撹拌しながらB
液をスポイトを用いて一滴づつ滴下し、A液とB液との
混合溶液(コート液)を作製した。
【0277】一方、ノズル板となる長さ10mm、幅1
0mm、厚さ0.2mmのステンレス製基材を界面活性
剤で洗浄し、さらにそれを流水洗浄して上記基材の表面
の汚染物を除去した。
【0278】次に、この基材をスピンコーターに装着
し、上記コート液を滴下した後、500rpmの回転数
で5秒間、さらに300rpmの回転数で20秒間回転
させることにより、コート液を基材表面に塗布した。
【0279】そして、この基材をスピンコーターから取
り外し、室温で1時間乾燥させた後、200℃の温度で
30分間焼成した。こうして、基材表面に厚さ0.2μ
m程度の撥水性薄膜(撥水膜)を形成した。
【0280】こうして撥水性薄膜を形成した基材に、ピ
コ秒レーザを用いて所定の貫通孔(ノズル)を形成し、
ノズル板を作製した。
【0281】(実施例2−1)上記撥水膜を形成したノ
ズル板を「化11」のトリメチルクロロシラン5wt%
のn−オクタン溶液に60分間浸漬した後、140℃で
30分間乾燥させた。これにより、上記ノズル板(撥水
膜)に表面処理を施した。
【0282】(実施例2−2)実施例2−1における
「化11」のトリメチルクロロシランを、「化12」の
ジメチルエチルクロロシランに代えて、上記と同様の表
面処理をノズル板に施した。
【0283】(実施例2−3〜実施例2−54)実施例
2−1における「化11」のトリメチルクロロシラン
を、それぞれ「化13」〜「化64」のクロロシランに
代えて、上記と同様の表面処理をノズル板に施した。
【0284】(実施例2−55)実施例2−1における
「化11」のトリメチルクロロシラン5wt%のn−オ
クタン溶液を、「化65」のトリメチルメトキシシラン
5wt%の水−エタノール(1:1重量比)混合溶液
(0.1wt%の塩酸を含有)に代え、これにノズル板
を60分間浸漬した後、120℃で30分間乾燥させ
た。これにより、上記ノズル板に表面処理を施した。
【0285】(実施例2−56)実施例2−55におけ
る「化65」のトリメチルメトキシシランを、「化6
6」のジメチルエチルメトキシシランに代えて、上記と
同様の表面処理をノズル板に施した。
【0286】(実施例2−57〜実施例2−122)実
施例2−55における「化65」のトリメチルメトキシ
シランを、それぞれ「化67」〜「化132」のメトキ
シシラン又はエトキシシランに代えて、上記と同様の表
面処理をノズル板に施した。
【0287】(実施例2−123)実施例2−1におけ
るトリメチルクロロシランの濃度を5wt%から0.1
wt%に変えて、上記と同様の表面処理をノズル板に施
した。
【0288】(実施例2−124)実施例2−1におけ
るトリメチルクロロシランの濃度を5wt%から30w
t%に変えて、上記と同様の表面処理をノズル板に施し
た。
【0289】(実施例2−125)ノズル板の撥水膜
を、フッ素重合体(商品名「サイトップ」:旭化成社
製)膜に代えた。尚、撥水膜の形成方法は、特許文献5
に記載の撥水膜形成方法に準じて行った。その上で、こ
のノズル板に、実施例2−1と同様の表面処理を施し
た。
【0290】(実施例2−126)ノズル板の撥水膜
を、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散させた無
電解ニッケルメッキ(商品名「ニムロン」:上村工業社
製)膜に代えた。尚、撥水膜の形成方法は、特許文献6
に記載の撥水膜形成方法に準じて行った。その上で、こ
のノズル板に、実施例2−1と同様の表面処理を施し
た。
【0291】(実施例2−127)ノズル板の撥水膜
を、トリメチルメトキシシランの高周波プラズマCVD
膜に代えた。尚、撥水膜の形成方法は、特許文献8に記
載の撥水膜形成方法に準じて行った。その上で、このノ
ズル板に、実施例2−1と同様の表面処理を施した。
【0292】続いて、比較のために、以下の構成のノズ
ル板を作製した(比較例2−1〜比較例2−6)。
【0293】(比較例2−1)実施例2−1において、
フッ化アルキルシランを含有するゾル/ゲル膜形成後の
ノズル板に対する、トリメチルクロロシランの溶液によ
る表面処理を省略した。
【0294】(比較例2−2)実施例2−1におけるト
リメチルクロロシランの濃度を5wt%から0.01w
t%に変えて、同様の表面処理をノズル板に施した。
【0295】(比較例2−3)実施例2−1において、
トリメチルクロロシランの溶液へのノズル板の浸漬時間
を、60分から1分に変えて、同様の表面処理をノズル
板に施した。
【0296】(比較例2−4)実施例2−125におい
て、フッ素重合体膜形成後のノズル板に対する、トリメ
チルクロロシランの溶液による表面処理を省略した。
【0297】(比較例2−5)実施例2−126におい
て、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散させた無
電解ニッケルメッキ膜形成後のノズル板に対する、トリ
メチルクロロシランの溶液による表面処理を省略した。
【0298】(比較例2−6)実施例2−127におい
て、トリメチルメトキシシランの高周波プラズマCVD
膜形成後のノズル板に対する、トリメチルクロロシラン
の溶液による表面処理を省略した。
【0299】次に、第2実施例に用いたインクについて
説明する。ここでは、以下の4種類のインク(インク1
〜インク4)をそれぞれ作製した。尚、これらのインク
に含有する有機ケイ素化合物は、以下の有機ケイ素化合
物(A)又は有機ケイ素化合物(C)である。
【0300】すなわち、反応容器に入れた180g(1
モル)の水に、100g(0.56モル)のH2NCH2
CH2CH2Si(OCH33と、166g(1.1モ
ル)のSi(OCH34との混合物を室温で一滴一滴加
えて、その全量滴下後に60℃で1時間攪拌することに
より得たものが、有機ケイ素化合物(A)である。
【0301】一方、反応容器に入れた100g(0.5
6モル)のH2NCH2CH2CH2Si(OCH33に、
49g(0.66モル)の2,3−エポキシ−1−プロ
パノールを一滴一滴加えて、その全量滴下後に80℃で
5時間攪拌することにより、アミノ基とエポキシ基とを
反応させた加水分解性シラン(B)を得、次に、新たな
反応容器に、120g(6.67モル)の水と、50.
6g(0.2モル)の上記加水分解性シラン(B)と、
30.4g(0.2モル)のSi(OCH34との混合
物を一滴一滴加えて、その全量滴下後に60℃で1時間
反応させることにより得たものが、有機ケイ素化合物
(C)である。
【0302】 (インク1) C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% 有機ケイ素化合物(A) …10% 純水 …75%。
【0303】 (インク2) C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% 有機ケイ素化合物(A) …10% 純水 …70%。
【0304】 (インク3) C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% 有機ケイ素化合物(C) …5% 純水 …80%。
【0305】 (インク4) C.I.アシッドブラック2 …5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5% 有機ケイ素化合物(C) …5% 純水 …75%。
【0306】上記実施例2−1〜実施例2−127の各
ノズル板、及び比較例2−1〜比較例2−6の各ノズル
板について、水に対する接触角を測定したところ、いず
れも105〜110°であった。
【0307】これらの各実施例及び各比較例のノズル板
を、上記の各インク(インク1〜インク4)に24時間
浸漬した後、流水洗浄した。ノズル板の乾燥後に、水に
対する接触角を測定したところ、各実施例のノズル板は
接触角の値が初期値と変わらず105〜110°の値を
示したのに対し、各比較例のノズル板は、接触角が30
°以下の値を示しており、親水性に変化していた。
【0308】また、上記各実施例及び各比較例のノズル
板をプリンターに取り付けて、インク1及びインク2を
用いた画像形成を行った。
【0309】各比較例のノズル板を用いたときには、連
続印字を行うと次第に画像のゆがみが生じると共に、約
3分でインクが吐出し難くなって、画像には白すじが生
じ始めた。さらに印字を継続すると、インクが吐出され
ないノズルの数が増加して、約30分後には、画像(文
字)が判読できない状態となった。ノズル板を観察した
ところ、ノズルの周囲にインクが付着していた。このノ
ズル周囲のインクをゴム製のブレードによって拭き取る
クリーニングを行った後に、インクに対する接触角を測
定したところ、その値は20〜30°であった。
【0310】これに対し、各実施例のノズル板を用いた
ときには、連続印字を行ってもインクの吐出状態は初期
と変わらず、画像に白すじや白抜け等は生じなかった。
さらに印字を継続させてもインクの吐出は安定であっ
て、画像に白すじや白抜け等が生じず、また、画像のゆ
がみも全く観察されなかった。30分間の連続印字の後
にノズル板を観察したところ、ノズルの周囲にわずかに
インクが付着していた。このノズル周囲のインクをゴム
製のブレードによって拭き取るクリーニングを行った後
に、インクに対する接触角を測定したところ、その値は
初期値に対して±2°であった。
【0311】従って、各実施例のノズル板のように、ト
リアルキルシラン化合物の溶液による表面処理が施すこ
とによって、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質
(加水分解性シラン化合物)を含有するインクを用いて
連続印字を行っても、ノズル板表面の撥水性を低下させ
ずに撥水性を確保することができる。これにより、イン
クの着弾ずれに伴う画像のゆがみやノズルの閉塞を防止
して、高画質の画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット記録用
インクを備えたインクジェット式記録装置を示す概略斜
視図である。
【図2】インクジェット式記録装置のインクジェットヘ
ッドの部分底面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】第1実施形態に係るインクを用いたときのノズ
ル板の断面を分子レベルまで拡大して示す拡大断面図で
ある。
【図6】第2実施形態に係るノズル板の断面を分子レベ
ルまで拡大して示す図5対応図である。
【図7】従来のインクを用いたときのノズル板の断面を
分子レベルまで拡大して示す図5対応図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 9 ノズル板 9a 撥水膜 14 ノズル 21 圧電アクチュエータ 23 圧電素子 35 インクカートリッジ 41 記録紙(記録媒体) A インクジェット式記録装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FA04 FC02 2C057 AF72 AP13 AP60 2H086 BA02 BA59 4J039 AE11 BE01 BE02 BE12 BE15 CA06 GA24

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材と、保湿剤と、水と、この水がない
    状態で縮重合反応する水溶性物質とを含有するインクジ
    ェット記録用インクであって、 上記水溶性物質は、フッ化アルキル基を含有しているこ
    とを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 水溶性物質は、加水分解性シラン化合物であることを特
    徴とするインクジェット記録用インク。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 浸透剤をさらに含有していることを特徴とするインクジ
    ェット記録用インク。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 水溶性物質は、フッ化アルキル基とアミノアルキル基と
    を含有しており、 上記フッ化アルキル基の鎖の長さは、上記アミノアルキ
    ル基の鎖と同じ長さか、またはそれよりも長くされてい
    ることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 水溶性物質は、フッ化アルキル基とアミノアルキル基と
    を含有しており、 上記フッ化アルキル基の含有量は、上記アミノアルキル
    基の含有量に対して0.1以上1以下に設定されている
    ことを特徴とするインクジェット記録用インク。
  6. 【請求項6】 色材と、保湿剤と、水と、この水がない
    状態で縮重合反応する水溶性物質とを含有するインクジ
    ェット記録用インクを備えたインクカートリッジであっ
    て、 上記水溶性物質は、フッ化アルキル基を含有しているこ
    とを特徴とするインクカートリッジ。
  7. 【請求項7】 色材と、保湿剤と、水と、この水がない
    状態で縮重合反応する水溶性物質とを含有するインクジ
    ェット記録用インクを備え、該インクを記録媒体に吐出
    して記録を行う記録装置であって、 上記水溶性物質は、フッ化アルキル基を含有しているこ
    とを特徴とする記録装置。
  8. 【請求項8】 色材と、保湿剤と、水と、この水がない
    状態で縮重合反応する水溶性物質を含有するインクジェ
    ット記録用インクを吐出するためのノズルが形成された
    インクジェット記録用ノズル板であって、 上記インクの吐出側表面には、撥水膜が形成されてお
    り、 上記撥水膜には、トリアルキルシラン化合物による表面
    処理が施されていることを特徴とするインクジェット記
    録用ノズル板。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 トリアルキルシラン化合物は、トリアルキルクロロシラ
    ンであることを特徴とするインクジェット記録用ノズル
    板。
  10. 【請求項10】 請求項8において、 トリアルキルシラン化合物は、トリアルキルアルコキシ
    シランであることを特徴とするインクジェット記録用ノ
    ズル板。
  11. 【請求項11】 請求項8において、 トリアルキルシラン化合物は、トリアルキルクロロシラ
    ンにおけるアルキル基の一部又は全部が、フッ化アルキ
    ル基に置換されたものであることを特徴とするインクジ
    ェット記録用ノズル板。
  12. 【請求項12】 請求項8において、 トリアルキルシラン化合物は、トリアルキルアルコキシ
    シランにおけるアルキル基の一部又は全部が、フッ化ア
    ルキル基に置換されたものであることを特徴とするイン
    クジェット記録用ノズル板。
  13. 【請求項13】 色材と、保湿剤と、水と、この水がな
    い状態で縮重合反応する水溶性物質とを含有するインク
    ジェット記録用インクを吐出するためのノズルが形成さ
    れたノズル板を有するインクジェットヘッドであって、 上記ノズル板におけるインクの吐出側表面には、撥水膜
    が形成されており、 上記撥水膜には、トリアルキルシラン化合物による表面
    処理が施されていることを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  14. 【請求項14】 色材と、保湿剤と、水と、この水がな
    い状態で縮重合反応する水溶性物質とを含有するインク
    ジェット記録用インクを吐出するためのノズルが形成さ
    れたノズル板を備え、上記ノズルから記録媒体にインク
    を吐出して記録を行う記録装置であって、 上記ノズル板におけるインクの吐出側表面には、撥水膜
    が形成されており、 上記撥水膜には、トリアルキルシラン化合物による表面
    処理が施されていることを特徴とする記録装置。
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