JP4227401B2 - インクジェット記録用ノズル板、インクジェットヘッド、及び記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用ノズル板、インクジェットヘッド、及び記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録に好適なインクジェット記録用ノズル板、インクジェットヘッド及び記録装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクジェット記録に用いられるインクとして、色材(染料又は顔料)と、保湿剤と、水とを含有したものがよく知られている。ところが、色材を含有したインクにより記録紙等の記録媒体上に画像を形成すると、その画像の耐水性、すなわち画像が水に濡れると色材が水中に染み出してしまうことが問題となる。特に普通紙(広範な市販の紙で、とりわけ電子写真方式の複写機に用いられる紙であって、インクジェット記録用として最適な構造、組成、特性等を有するように意図して製造されてはいない紙)に記録した場合は、耐水性が非常に悪くなる。
【0003】
そこで、従来、例えば特許文献1〜特許文献4に示されているように、インクに加水分解性シラン化合物(有機ケイ素化合物)を含有させることにより、記録媒体上の画像の耐水性を向上させるようにすることが提案されている。このものでは、インク滴が記録媒体上に付着して水分(溶媒)が蒸発したり記録媒体内に浸透したりしたときに、上記記録媒体上に残った上記シラン化合物が縮重合反応し、この縮重合反応したシラン化合物が色材を取り囲むため、記録媒体上の画像が水に濡れても、色材がその水中に染み出すことはなく、その画像の耐水性が向上する。
【0004】
ところで、インクジェット式の記録装置はノズルが形成されたノズル板を備え、このノズルからインクを吐出することによって、記録媒体にインクを着弾させるように構成されている。ここで、上記ノズル板におけるノズル周辺の撥水性が不十分であるとインクがノズル周辺に付着しやすく、その付着したインクによって新たなインクを吐出する際にそのインクの吐出方向が偏向されて、その結果、画質が低下してしまうという不都合がある。
【0005】
そこで、ノズル板におけるインクの吐出側表面に撥水膜を形成することが知られている。例えば特許文献5には、ノズル板の表面にフッ素重合膜を形成することが記載されている。また、例えば特許文献6には、ノズル板の表面を、ポリテトラフルオロエチレン微粒子膜を分散させた無電解ニッケルメッキ膜でコートすることが記載されている。さらに、特許文献7には、ノズル板表面に、フッ化アルキルシランを含有するゾル/ゲル膜を形成することが記載されている。加えて、特許文献8には、ノズル板の表面に、有機シリコン化合物を原料とした高周波プラズマCVD法による撥水膜を形成することが記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−212439号公報
【特許文献2】
特開平11−293167号公報
【特許文献3】
特開平11−315231号公報
【特許文献4】
特開2000−178494号公報
【特許文献5】
特開平6−8448号公報
【特許文献6】
特開平9−164689号公報
【特許文献7】
特開2000−280481号公報
【特許文献8】
特開2001−63043号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献5〜特許文献8に記載されたような撥水膜を、ノズル板の表面に形成すれば、通常のインク、つまり、加水分解性シラン化合物が含有していないインクを用いた場合には、十分な撥水効果が得られノズル板9へのインクの付着を防止することができる。
【0008】
ところが、ノズル板9の表面(撥水膜9aの表面)には、図7に示すように、水酸基、カルボキシル基、又はシラノール基等の活性水素が存在する。このため、加水分解性シラン化合物を含有することで耐水性を高めたインクを用いた場合には、上記ノズル板9の表面に存在する活性水素と、インク成分中のシラン化合物とが反応してシラン化合物(インク)がノズル板9の表面に付着してしまう。こうしてシラン化合物がノズル板9の表面に付着してしまうと、このシラン化合物には色材と相互作用させるためにアミノ基が含有されているので、そのアミノ基がノズル板9の表面を親水性にしてしまう。このため、新たなインクをノズルから吐出する際には、そのインクの吐出方向がノズル板9に付着したインクによって偏向されて、インクの着弾ずれが生じるようになってしまう。また、ノズル板9にインクが一旦付着するとそのノズル板9の表面が親水性になることで、新たなインクの付着を招くことになる。こうして、ノズル板9に付着するインクの量が増加すると、ノズル14を閉塞してしまってインクがノズルから吐出されなくなる虞もある。
【0009】
また、通常の記録装置においては、ゴム製のブレード等によってノズル板の表面に付着したインクを拭き取るクリーニングが定期的に行われる。ところが、加水分解性シラン化合物を含有したインクがノズル板に付着しているときに上記のクリーニングを行うと、ノズル板表面の活性水素とシラン化合物との反応を促進してしまうことになる。このため、ノズル板からインクを拭き取ることができない。このように、加水分解性シラン化合物を含有したインクを用いたときには、ノズル板のクリーニングを行ってもインクの着弾ずれやノズルの閉塞を防止できないという問題がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加水分解性シラン化合物のような水がない状態で縮重合反応する水溶性物質を含有するインクをノズルから吐出して画像を形成する場合において、ノズルが形成されたノズル板にインクが付着することに伴うインクの着弾ずれ、及びノズルの閉塞を防止し、それによって画像の高画質化を図ることにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ノズル板の表面処理を工夫することで、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質を含有するインクジェット記録用インクがノズル板の表面に付着しないようにした。
【0026】
具体的に、本発明によるインクジェット記録用ノズル板は、色材と、保湿剤と、水と、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質とを含有するインクジェット記録用インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル板である。
【0027】
そして、上記インクジェット記録用ノズル板における上記インクの吐出側表面に、撥水膜を形成して、この撥水膜に、トリアルキルシラン化合物による表面処理を施すものである。ここで、上記水溶性物質は、加水分解性シラン化合物としてもよい。
【0028】
こうすることで、撥水膜が形成されたノズル板の表面に存在する活性水素と、トリアルキルシラン化合物とが反応して、ノズル板表面の活性水素がなくなる。このため、このノズル板に形成されたノズルから、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質を含有するインクを吐出させても、ノズル板の表面には活性水素がないことから、そのインクはノズル板の表面に付着しない。このため、インクの吐出方向が偏向されることが防止されてインクの直進性を向上させることができる。また、ノズルの閉塞も防止されるため、インクを安定して吐出することが可能になる。その結果、記録の高画質化が図られる。
【0029】
ここで、トリアルキルシラン化合物は、トリアルキルクロロシランとしてもよい。また、トリアルキルシラン化合物は、トリアルキルアルコキシシランとしてもよい。
【0030】
トリアルキルクロロシランの方が、トリアルキルアルコキシシランよりも活性水素との反応性が高い。このため、ノズル板の撥水膜には、トリアルキルクロロシランによる表面処理を施した方が、その撥水膜の活性水素を確実になくすことができ好ましい。
【0031】
また、トリアルキルシラン化合物は、トリアルキルクロロシランにおけるアルキル基の一部又は全部が、フッ化アルキル基に置換されたものとしてもよい。
【0032】
さらに、トリアルキルシラン化合物は、トリアルキルアルコキシシランにおけるアルキル基の一部又は全部が、フッ化アルキル基に置換されたものとしてもよい。
【0033】
トリアルキルクロロシランやトリアルキルアルコキシシランによる表面処理をノズル板の撥水膜に施したときには、それらのアルキル基が疎水性を有するため、ノズル板の表面にインクが付着することが抑制される。一方、トリアルキルクロロシランやトリアルキルアルコキシシランにおけるアルキル基の一部又は全部をフッ化アルキル基に置換したときには、フッ化アルキル基が撥水性を有するため、ノズル板の表面にインクが付着することがさらに抑制される。
【0034】
本発明によるインクジェットヘッドは、色材と、保湿剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応する水溶性物質とを含有するインクジェット記録用インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル板を有するインクジェットヘッドである。そして、上記ノズル板におけるインクの吐出側表面に、撥水膜を形成すると共に、その撥水膜に、トリアルキルシラン化合物による表面処理を施すものである。この構成により、上述した作用効果が得られる。
【0035】
本発明による他の記録装置は、色材と、保湿剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応する水溶性物質とを含有するインクジェット記録用インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル板を備え、上記ノズルから記録媒体にインクを吐出して記録を行う装置である。
【0036】
そして、上記記録装置は、上記ノズル板におけるインクの吐出側表面に、撥水膜を形成し、この撥水膜に、トリアルキルシラン化合物による表面処理を施すものである。この構成により、上述した作用効果が得られる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクジェット記録用ノズル板、インクジェットヘッド及び記録装置によれば、撥水膜を形成したノズル板の表面に、トリアルキルシラン化合物による表面処理を施すことで、上記ノズル板表面に存在する活性水素とトリアルキルシラン化合物との反応によってノズル板表面の活性水素をなくすことができる。
【0040】
このため、このノズル板に形成されたノズルから、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質を含有するインクを吐出させても、このインクがノズル板に付着することがなくなり、インクの吐出方向が偏向されること及びノズルが閉塞することがそれぞれ防止されて、記録の高画質化を図ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0042】
参考形態>
この参考形態は、インクに係る。図1は、本発明の実施形態及び参考形態に係るインクジェット記録用インクを備えたインクジェット式記録装置Aの概略を示す。この記録装置Aは、上面に上記インクを有するインクカートリッジ35が装着されかつ該インクを後述の如く記録媒体としての記録紙41に吐出するインクジェットヘッド1を備えている。このインクジェットヘッド1はキャリッジ31に支持固定されている。このキャリッジ31には、図示を省略するキャリッジモータが設けられている。上記インクジェットヘッド1及びキャリッジ31は、主走査方向(図1及び図2に示すX方向)に延びるキャリッジ軸32にガイドされて、上記キャリッジモータによりその方向に往復動する。
【0043】
上記記録紙41は、図示を省略する搬送モータによって回転駆動される2つの搬送ローラ42に挟まれている。上記記録紙41は、この搬送モータ及び各搬送ローラ42により、上記インクジェットヘッド1の下側において上記主走査方向と直交する副走査方向(図1及び図2に示すY方向)に搬送される。
【0044】
上記インクジェットヘッド1は、図2〜図4に示すように、それぞれインクを供給するための供給口3a及びインクを吐出するための吐出口3bを有する複数の圧力室用凹部3が形成されたヘッド本体2を備えている。このヘッド本体2の各凹部3は、該ヘッド本体2の上面に上記主走査方向に延びるように開口されていて、互いに上記副走査方向に略等間隔をあけた状態で並設されている。上記各凹部3の開口の全長は約1250μmに、幅は約130μmにそれぞれ設定されている。尚、上記各凹部3の開口の両端部は、略半円形状をなしている。
【0045】
上記ヘッド本体2の各凹部3の側壁部は、約200μm厚の感光性ガラス製の圧力室部品6で構成されている。各凹部3の底壁部は、この圧力室部品6の下面に接着固定されかつ6枚のステンレス鋼薄板を積層してなるインク流路部品7で構成されている。このインク流路部品7内には、上記各凹部3の供給口3aとそれぞれ接続された複数のオリフィス8と、この各オリフィス8と接続されかつ上記副走査方向に延びる1つの供給用インク流路11と、上記吐出口3bとそれぞれ接続された複数の吐出用インク流路12とが形成されている。
【0046】
上記各オリフィス8は、インク流路部品7において板厚が他よりも小さい上から2番目のステンレス鋼薄板に形成されている。その径は約38μmに設定されている。また、上記供給用インク流路11は上記インクカートリッジ35と接続されており、このインクカートリッジ35から供給用インク流路11内にインクが供給されるようになっている。
【0047】
上記インク流路部品7の下面には、インク滴を上記記録紙41に向けて吐出するための複数のノズル14が形成されたステンレス鋼からなるノズル板9が接着固定されている。このノズル板9の下面は、撥水膜9aで被覆されている。この撥水膜9aは、例えばフッ素重合膜、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散させた無電解ニッケルメッキ膜、フッ化アルキルシランを含有するゾル/ゲル膜、又は有機シリコン化合物を原料とした高周波プラズマCVD膜等としてもよい。これらの撥水膜は、公知の方法に形成することが可能である。
【0048】
上記各ノズル14は、上記吐出用インク流路12とそれぞれ接続されていて、この吐出用インク流路12を介して上記各凹部3の吐出口3bにそれぞれ連通されている。上記ノズル14は、インクジェットヘッド1の下面において、上記副走査方向に列状に並ぶように設けられている。尚、上記各ノズル14は、ノズル径がノズル先端側に向かって小さくなるテーパ部と、該テーパ部のノズル先端側に連続して設けられたストレート部とからなる。このストレート部のノズル径は約20μmに設定されている。
【0049】
上記ヘッド本体2の各凹部3の上側には、圧電アクチュエータ21がそれぞれ設けられている。この各圧電アクチュエータ21は、上記ヘッド本体2の上面に接着固定された状態で該ヘッド本体2の各凹部3を塞いで該凹部3と共に圧力室4を構成するCr製振動板22を有している。この振動板22は、全ての圧電アクチュエータ21に共通の1つのものからなっていて、後述の全圧電素子23に共通の共通電極としての役割をも果たしている。
【0050】
また、上記各圧電アクチュエータ21は、上記振動板22の上記圧力室4と反対側面(上面)において圧力室4に対応する部分(凹部3開口に対向する部分)にCu製の中間層25を介してそれぞれ設けられかつチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電素子23と、この各圧電素子23の上記振動板22と反対側面(上面)にそれぞれ接合され、該振動板22と共に各圧電素子23に電圧(駆動電圧)をそれぞれ印加するためのPt製個別電極24とを有している。
【0051】
上記振動板22,各圧電素子23、各個別電極24及び各中間層25は、全て薄膜で形成されてなっている。振動板22の厚みは約6μmに、各圧電素子23の厚みは8μm以下(例えば約3μm)に、各個別電極24の厚みは約0.2μmに、各中間層25の厚みは約3μmにそれぞれ設定されている。
【0052】
上記各圧電アクチュエータ21は、その振動板22と各個別電極24とを介して各圧電素子23に駆動電圧を印加することにより該振動板22の圧力室4に対応する部分(凹部3の開口部分)を変形させることで、該圧力室4内のインクを吐出口3bないしノズル14から吐出させるようになっている。すなわち、振動板22と個別電極24との間にパルス状の電圧を印加すると、そのパルス電圧の立ち上がりにより圧電素子23が圧電効果によりその厚み方向と垂直な幅方向に収縮するのに対し、振動板22、個別電極24及び中間層25は収縮しないので、いわゆるバイメタル効果により振動板22の圧力室4に対応する部分が圧力室4側へ凸状に撓んで変形する。この撓み変形により圧力室4内の圧力が高まり、この圧力で圧力室4内のインクが吐出口3b及び吐出用インク流路12を経由してノズル14から押し出される。そして、上記パルス電圧の立ち下がりにより圧電素子23が伸長して振動板22の圧力室4に対応する部分が元の状態に復帰し、このとき、上記ノズル14から押し出されていたインクがインク流路12内のインクから引きちぎられて、インク滴(例えば3pl)として記録紙41へ吐出され、該記録紙41面にドット状に付着することとなる。また、上記振動板22が凸状に撓んで変形した状態から元の状態に復帰する際に、圧力室4内には上記インクカートリッジ35より供給用インク流路11及び供給口3aを介してインクが充填される。尚、各圧電素子23に印加するパルス電圧としては、上記のように押し引きタイプのものでなくても、第1の電圧から該第1の電圧よりも低い第2の電圧まで立ち下がった後に上記第1の電圧まで立ち上がる引き押しタイプのものであってもよい。
【0053】
上記各圧電素子23への駆動電圧の印加は、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走査方向において記録紙41の一端から他端まで略一定速度で移動させているときに所定時間(例えば50μs程度:駆動周波数20kHz)毎に行われる(但し、インクジェットヘッド1が記録紙41におけるインク滴を着弾させない箇所に達したときには電圧が印加されない)。このことで、記録紙41の所定位置にインク滴を着弾させる。そして、1走査分の記録が終了すると、搬送モータ及び各搬送ローラ42により記録紙41を副走査方向に所定量搬送し、再度、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走査方向に移動させながらインク滴を吐出させて、新たな1走査分の記録を行う。この動作を繰り返すことによって、記録紙41全体に所望の画像が形成される。
【0054】
上記記録装置Aに用いるインクは、色材(染料又は顔料)と、上記インクジェットヘッド1のノズル14等での乾きを抑制する保湿剤と、該インク(溶媒)の記録紙41内への浸透性を高める浸透剤と、水と、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質としての加水分解性シラン化合物とを含有している。
【0055】
上記シラン化合物は、上記インクジェットヘッド1のノズル14から吐出されたインク滴が記録紙41上に付着して、水分(溶媒)が蒸発したり記録紙41内に浸透したりしたときに上記記録紙上41で縮重合反応をし、このときに色材を取り囲むものである。上記シラン化合物が色材を取り囲むことにより、記録紙41上の画像が水に濡れても、色材がその水中に染み出すのが防止され、その結果、その画像の耐水性が向上する。
上記シラン化合物は、アミノ基を有する有機基を含有するアルコキシシランとフッ化アルキルアルコキシシランとアミノ基を含有しないアルコキシシランとの加水分解反応物、又は、アミノ基を含有する加水分解性シランに有機モノエポキシ化合物を反応させた加水分解性シランとフッ化アルキルアルコキシシランと窒素原子を含有しない加水分解性シランとを加水分解することにより得られる有機ケイ素化合物であることが望ましい。
【0056】
ここで、上記フッ化アルキルアルコキシシランの具体例としては、例えば以下の各化合物(化1〜化10)が挙げられる。
【0057】
【化1】
Figure 0004227401
【0058】
【化2】
Figure 0004227401
【0059】
【化3】
Figure 0004227401
【0060】
【化4】
Figure 0004227401
【0061】
【化5】
Figure 0004227401
【0062】
【化6】
Figure 0004227401
【0063】
【化7】
Figure 0004227401
【0064】
【化8】
Figure 0004227401
【0065】
【化9】
Figure 0004227401
【0066】
【化10】
Figure 0004227401
【0067】
上記色材としての染料は、どのようなものであってもよいが、水溶性の酸性染料又は直接染料であることが好ましい。
【0068】
一方、色材としての顔料は、次のものが好ましい。つまり、黒顔料としては、カーボンブラック表面をジアゾニウム塩で処理したものや、ポリマーをグラフト重合して表面処理したものが好適である。
【0069】
また、カラー顔料としては、顔料を、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、リグニスルホン酸、ジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、又は脂肪酸エステル等の界面活性剤で処理したものが好ましい。具体的には、シアン顔料では、例えばピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、又はアルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。また、マゼンタ顔料では、例えばピグメントレッド122、又はピグメントバイオレット19等が挙げられる。さらに、イエロー顔料としては、例えばピグメントイエロー74、ピグメントイエロー109、ピグメントイエロー110、又はピグメントイエロー128等が挙げられる。
【0070】
上記保湿剤は、グリセリン等の多価アルコール、又は2−ピロリドンやN−メチル−2−ピロリドンのような水溶性の窒素複素環化合物であることが望ましい。
【0071】
上記浸透剤は、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のような、多価アルコールのモノアルキルエーテルであることが好ましい。尚、浸透剤はインクの必須成分ではないが、浸透剤のインクに対する含有量を調整することによってインク(又は溶媒)の表面張力を適宜設定することができる。これにより、インク滴が記録紙41上に付着した後、上記溶媒が記録紙41内に速やかに浸透することになる。その結果、インク滴が記録紙41上に付着した後に、シラン化合物の縮重合反応が速やかにかつ十分に行われて、このシラン化合物によって色材が速やかにかつ確実に取り囲まれる。こうして、浸透剤をインクに含有させたときには、画像の形成直後においても高レベルな画像の耐水性を得ることができるようになる。
【0072】
また、浸透剤の補助剤としてアニオン界面活性剤又は非イオン活性剤を添加してもよい。
【0073】
このように、参考形態におけるインクジェット記録用インクは、色材と、保湿剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応する水溶性物質(加水分解性シラン化合物)とを含有しかつ、この水溶性物質が、アミノアルキル基及びフッ化アルキル基を含有している。
【0074】
上記インクをノズル14から吐出した際には、上記ノズル板9の撥水膜9aに活性水素が存在していることで、このインクが撥水膜9aの活性水素と反応してノズル板9の表面に付着する。このときには、図5に示すように、水溶性物質のフッ化アルキル基がノズル板9の表面に現れるようになる。これによりノズル板9の表面に撥水性を付与することができる。新たなインクがノズル14から吐出される際に、この新たなインクの吐出方向がノズル板9の表面に付着したインクによって偏向されることが防止される。また、インクがノズル板9の表面に付着すればノズル板9の撥水性が維持される。このことで、新たにノズル14から吐出されるインクはノズル板9の表面に付着しない。つまり、ノズル板9の表面にインクが一旦付着した後は、そのノズル板9の表面にインクが付着しなくなる。このようにノズル板9に付着するインクの量は増加しないため、ノズルの閉塞を防止してインクを安定して吐出することが可能になる。その結果、記録の高画質化を図ることができる。
【0075】
特に、図5に示すように、親水性であるアミノアルキル基よりもフッ化アルキル基がノズル板9の表面に現れるときには、撥水性をより確実に確保することができる。つまり、フッ化アルキル基の鎖の長さは、アミノアルキル基の鎖と同じ長さか、又はそれよりも長くするのが好ましい。
【0076】
ここで、インク成分中のフッ化アルキル基の含有量は、アミノアルキル基10に対して、1〜10の割合とするのが好ましい。つまり、インクがノズル板9の表面に付着したときに、そのノズル板9の表面における上記フッ化アルキル基の被覆率が、約10%〜50%となるようにすることが好ましい。これは、水溶性物質にフッ化アルキル基を多量に含有させる一方で、アミノアルキル基の含有量を少なくすると、水溶性物質による色材の取り囲みに支障が生じる虞があるためである。一方、フッ化アルキル基の被覆率が約10%以上であればノズル板9に十分な撥水性が付与されるため、フッ化アルキル基の含有量はアミノアルキル基の1/10であればよい。
【0077】
実施形態>
参考形態は、インクに係る形態であったが、実施形態は、ノズル板9の表面処理に係る実施形態である。
【0078】
、実施形態に係るインクジェット式記録装置Aの基本的な構造は、上記参考形態と略同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
【0079】
実施形態に係るインクジェット式記録装置Aは、そのインクジェットヘッド1におけるノズル板9の撥水膜9aが、参考形態と異なる。
【0080】
この撥水膜9aは、上述したように、公知の方法で形成することが可能である。例えばフッ素重合膜、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散させた無電解ニッケルメッキ膜、フッ化アルキルシランを含有するゾル/ゲル膜、又は有機シリコン化合物を原料として高周波プラズマCVD膜等によって形成することができる。
【0081】
こうして形成された撥水膜9aに対して、実施形態においては、トリアルキルシラン化合物による表面処理が施される。
【0082】
具体的には、上記撥水膜9aを形成したノズル板9を、トリアルキルシラン化合物の溶液に一定時間浸漬した後、加熱乾燥させ、さらに水洗して余分なトリアルキルシラン化合物を取り除くようにすればよい。
【0083】
こうすることで、図6に例示するように、トリアルキルシラン化合物(図例ではトリアルキルクロロシラン)と、ノズル板9(撥水膜9a)の表面に存在する活性水素とが脱塩化水素反応により結合し、ノズル板9表面の活性水素がなくなる。その結果、このノズル板9のノズル14から、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質(例えば加水分解性シラン化合物)を含有するインクを吐出させても、インク中のシラン化合物と反応する活性水素がノズル板9の表面にないことから、このインクはノズル板9に付着しなくなる。こうして、インクの吐出方向が偏向されることが防止され、インクの直進性を向上させることができる。また、ノズル14の閉塞も防止されるため、インクを安定して吐出することが可能になり、その結果、記録の高画質化が図られる。
【0084】
ここで、上記トリアルキルシラン化合物としては、トリアルキルクロロシラン、又はトリアルキルアルコキシシランが挙げられる。撥水膜9aの表面処理は、トリアルキルクロロシラン及びトリアルキルアルコキシシランのいずれで行ってもよいが、活性水素との反応性を考慮すれば、トリアルキルクロロシランの方がより好ましい。
【0085】
また、上記トリアルキルシラン化合物としては、トリアルキルクロロシランのアルキル基の一部或いは全部がフッ化アルキル基に置換されたもの、又はトリアルキルアルコキシシランのアルキル基の一部或いは全部がフッ化アルキル基に置換されたものとしてもよい。フッ化アルキル基が撥水性を有するため、ノズル板9の表面にインクが付着することがさらに抑制される。
【0086】
上記トリアルキルクロロシランの具体例としては、例えば以下の各化合物が挙げられる(化11〜化34)。
【0087】
【化11】
Figure 0004227401
【0088】
【化12】
Figure 0004227401
【0089】
【化13】
Figure 0004227401
【0090】
【化14】
Figure 0004227401
【0091】
【化15】
Figure 0004227401
【0092】
【化16】
Figure 0004227401
【0093】
【化17】
Figure 0004227401
【0094】
【化18】
Figure 0004227401
【0095】
【化19】
Figure 0004227401
【0096】
【化20】
Figure 0004227401
【0097】
【化21】
Figure 0004227401
【0098】
【化22】
Figure 0004227401
【0099】
【化23】
Figure 0004227401
【0100】
【化24】
Figure 0004227401
【0101】
【化25】
Figure 0004227401
【0102】
【化26】
Figure 0004227401
【0103】
【化27】
Figure 0004227401
【0104】
【化28】
Figure 0004227401
【0105】
【化29】
Figure 0004227401
【0106】
【化30】
Figure 0004227401
【0107】
【化31】
Figure 0004227401
【0108】
【化32】
Figure 0004227401
【0109】
【化33】
Figure 0004227401
【0110】
【化34】
Figure 0004227401
【0111】
上記トリアルキルクロロシランのアルキル基の一部又は全部がフッ化アルキル基に置換されたものの具体例としては、例えば以下の各化合物が挙げられる(化35〜化64)。
【0112】
【化35】
Figure 0004227401
【0113】
【化36】
Figure 0004227401
【0114】
【化37】
Figure 0004227401
【0115】
【化38】
Figure 0004227401
【0116】
【化39】
Figure 0004227401
【0117】
【化40】
Figure 0004227401
【0118】
【化41】
Figure 0004227401
【0119】
【化42】
Figure 0004227401
【0120】
【化43】
Figure 0004227401
【0121】
【化44】
Figure 0004227401
【0122】
【化45】
Figure 0004227401
【0123】
【化46】
Figure 0004227401
【0124】
【化47】
Figure 0004227401
【0125】
【化48】
Figure 0004227401
【0126】
【化49】
Figure 0004227401
【0127】
【化50】
Figure 0004227401
【0128】
【化51】
Figure 0004227401
【0129】
【化52】
Figure 0004227401
【0130】
【化53】
Figure 0004227401
【0131】
【化54】
Figure 0004227401
【0132】
【化55】
Figure 0004227401
【0133】
【化56】
Figure 0004227401
【0134】
【化57】
Figure 0004227401
【0135】
【化58】
Figure 0004227401
【0136】
【化59】
Figure 0004227401
【0137】
【化60】
Figure 0004227401
【0138】
【化61】
Figure 0004227401
【0139】
【化62】
Figure 0004227401
【0140】
【化63】
Figure 0004227401
【0141】
【化64】
Figure 0004227401
【0142】
上記トリアルキルアルコキシシランの具体例としては、例えば以下の各化合物が挙げられる(化65〜化96)。
【0143】
【化65】
Figure 0004227401
【0144】
【化66】
Figure 0004227401
【0145】
【化67】
Figure 0004227401
【0146】
【化68】
Figure 0004227401
【0147】
【化69】
Figure 0004227401
【0148】
【化70】
Figure 0004227401
【0149】
【化71】
Figure 0004227401
【0150】
【化72】
Figure 0004227401
【0151】
【化73】
Figure 0004227401
【0152】
【化74】
Figure 0004227401
【0153】
【化75】
Figure 0004227401
【0154】
【化76】
Figure 0004227401
【0155】
【化77】
Figure 0004227401
【0156】
【化78】
Figure 0004227401
【0157】
【化79】
Figure 0004227401
【0158】
【化80】
Figure 0004227401
【0159】
【化81】
Figure 0004227401
【0160】
【化82】
Figure 0004227401
【0161】
【化83】
Figure 0004227401
【0162】
【化84】
Figure 0004227401
【0163】
【化85】
Figure 0004227401
【0164】
【化86】
Figure 0004227401
【0165】
【化87】
Figure 0004227401
【0166】
【化88】
Figure 0004227401
【0167】
【化89】
Figure 0004227401
【0168】
【化90】
Figure 0004227401
【0169】
【化91】
Figure 0004227401
【0170】
【化92】
Figure 0004227401
【0171】
【化93】
Figure 0004227401
【0172】
【化94】
Figure 0004227401
【0173】
【化95】
Figure 0004227401
【0174】
【化96】
Figure 0004227401
【0175】
上記トリアルキルアルコキシシランのアルキル基の一部又は全部がフッ化アルキル基に置換されたものの具体例としては、例えば以下の各化合物が挙げられる(化97〜化132)。
【0176】
【化97】
Figure 0004227401
【0177】
【化98】
Figure 0004227401
【0178】
【化99】
Figure 0004227401
【0179】
【化100】
Figure 0004227401
【0180】
【化101】
Figure 0004227401
【0181】
【化102】
Figure 0004227401
【0182】
【化103】
Figure 0004227401
【0183】
【化104】
Figure 0004227401
【0184】
【化105】
Figure 0004227401
【0185】
【化106】
Figure 0004227401
【0186】
【化107】
Figure 0004227401
【0187】
【化108】
Figure 0004227401
【0188】
【化109】
Figure 0004227401
【0189】
【化110】
Figure 0004227401
【0190】
【化111】
Figure 0004227401
【0191】
【化112】
Figure 0004227401
【0192】
【化113】
Figure 0004227401
【0193】
【化114】
Figure 0004227401
【0194】
【化115】
Figure 0004227401
【0195】
【化116】
Figure 0004227401
【0196】
【化117】
Figure 0004227401
【0197】
【化118】
Figure 0004227401
【0198】
【化119】
Figure 0004227401
【0199】
【化120】
Figure 0004227401
【0200】
【化121】
Figure 0004227401
【0201】
【化122】
Figure 0004227401
【0202】
【化123】
Figure 0004227401
【0203】
【化124】
Figure 0004227401
【0204】
【化125】
Figure 0004227401
【0205】
【化126】
Figure 0004227401
【0206】
【化127】
Figure 0004227401
【0207】
【化128】
Figure 0004227401
【0208】
【化129】
Figure 0004227401
【0209】
【化130】
Figure 0004227401
【0210】
【化131】
Figure 0004227401
【0211】
【化132】
Figure 0004227401
【0212】
ここで、ノズル板9(撥水膜9a)に対するトリアルキルシラン化合物の溶液による表面処理について、さらに詳しく説明する。
【0213】
上記トリアルキルシラン化合物としてトリアルキルクロロシランを用いるときには、このトリアルキルクロロシランは水と反応しやすいため、その溶媒は非水溶媒が好ましい。非水溶媒としては、例えばn−ヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン、n−ドデカン、シクロヘキサン、パーフロオロオクタン、トルエン等が具体例として挙げられる。
【0214】
一方、トリアルキルシラン化合物として、トリアルキルアルコキシシランを用いる場合は、その溶媒は水溶性溶媒が好ましい。水溶性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの一価アルコール、又はこれら一価アルコールと水との混合溶媒が具体例として挙げられる。
【0215】
また、トリアルキルシラン化合物の濃度としては、0.1〜30wt%が好ましい。これは濃度が0.1wt%以下では、トリアルキルシラン化合物と、ノズル板9の表面に存在する全ての活性水素が反応せず、ノズル板9の表面に活性水素が一部残存する虞があるためである。また、濃度が30wt%であれば、反応が100%進むため、それ以上に濃度を高める必要がないためである。
【0216】
ノズル板9をトリアルキルシラン化合物の溶液に浸漬する時間は、3〜120分が好ましい。例えば3分以下では、トリアルキルシラン化合物とノズル板9表面の全ての活性水素とが反応せずに、活性水素が一部残存するおそれがあるためである。また、トリアルキルシラン化合物の濃度に依存するものの、30〜120分程度で反応が終点に達することになるため、120分以上反応させる必要がないためである。
【0217】
また、トリアルキルシラン化合物の溶液に浸漬したノズル板9を加熱乾燥する際の温度は、トリアルキルシラン化合物を溶解した溶媒の沸点よりも20〜30℃程度高い温度にすることが、乾燥が容易に進むため好ましい。尚、乾燥温度をさらに高めてもよいが、乾燥の観点からは溶媒の沸点よりも30℃以上に高める必要はない。例えば溶媒としてn−ヘキサン(沸点69℃)を用いたときには、乾燥温度を89〜99℃とするのが好ましく、水−エタノール混合溶媒を用いたときには、乾燥温度を120〜140℃とするのが好ましい。
【0218】
また、トリアルキルシラン化合物がアルコキシシランの場合は、例えば塩酸に代表される酸触媒を0.1wt程度、その溶液に加えることによって、反応がよりスムースに進むようになる。
【0219】
、実施形態に係る記録装置Aに用いるインクとしては、上記参考形態に係るインクを用いてもよい。また、実施形態においては、ノズル板9の表面処理を行うことでノズル板9に対するインクの付着を防止しているため、以下の組成のインクを用いても、ノズル板9の撥水性を阻害することはない。
【0220】
すなわち、インクとしては、色材(染料又は顔料)と、保湿剤と、浸透剤と、水と、加水分解性シラン化合物とを含有したものとする。上記シラン化合物は、参考形態のものとは異なり、アミノ基を有する有機基を含有するアルコキシシランとアミノ基を含有しないアルコキシシランとの加水分解反応物、又は、アミノ基を含有する加水分解性シランに有機モノエポキシ化合物を反応させた加水分解性シランと窒素原子を含有しない加水分解性シランとを加水分解することにより得られる有機ケイ素化合物であればよい。
【0221】
【実施例】
参考例>
次に、上記参考形態に係るインクジェット記録用インクについて、具体的に実施した例について説明する。尚、以下においては便宜上、この参考形態に係る例も実施例と呼ぶことにする。
【0222】
先ず、以下の組成(各組成物の含有量は質量百分率である)からなる37種類のインクジェット記録用インクを作製した(実施例1−1〜実施例1−37)。
【0223】
尚、上記実施例1−1〜実施例1−37の全てにおいて、保湿剤としてグリセリンを含有させた。また、実施例1−6〜実施例1−37については、浸透剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルを含有させた。
【0224】
また、色材としては、実施例1−1〜実施例1−28及び実施例1−34〜実施例1−37においては染料を含有させる一方、実施例1−29〜実施例1−33においては顔料を含有させた。尚、染料としては、基本的にC.I.アシッドブラック2を含有させ、実施例1−26〜実施例1−28においては異なる色の染料を含有させた。
【0225】
(実施例1−1)
反応容器に入れた180g(10モル)の水に、100g(0.56モル)のH2NCH2CH2CH2Si(OCH33と、61.1g(0.28モル)の「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランと、166g(1.1モル)のSi(OCH34との混合物を室温で一滴一滴加えて、その全量滴下後に60℃で1時間攪拌することにより得たものが、実施例1−1における有機ケイ素化合物(A1)である。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A1) …10%
純水 …68%。
【0226】
(実施例1−2)
実施例1−1において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化2」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン75.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化合物(A2)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A2) …10%
純水 …68%。
【0227】
(実施例1−3)
実施例1−1において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化3」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン89.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化合物(A3)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A3) …10%
純水 …68%。
【0228】
(実施例1−4)
実施例1−1において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化4」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン103.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化合物(A4)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A4) …10%
純水 …68%。
【0229】
(実施例1−5)
実施例1−1において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化5」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン117.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化合物(A5)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A5) …10%
純水 …68%。
【0230】
(実施例1−6)
実施例1−1のインクに、浸透剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルをさらに含有させた。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A1) …10%
純水 …63%。
【0231】
(実施例1−7)
実施例1−2のインクに、浸透剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルをさらに含有させた。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A2) …10%
純水 …63%。
【0232】
(実施例1−8)
実施例1−3のインクに、浸透剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルをさらに含有させた。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A3) …10%
純水 …63%。
【0233】
(実施例1−9)
実施例1−4のインクに、浸透剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルをさらに含有させた。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A4) …10%
純水 …63%。
【0234】
(実施例1−10)
実施例1−5のインクに、浸透剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルをさらに含有させた。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A5) …10%
純水 …63%。
【0235】
(実施例1−11)
実施例1−6において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化6」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン131.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化合物(A6)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A6) …10%
純水 …63%。
【0236】
(実施例1−12)
実施例1−6において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化7」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン145.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化合物(A7)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A7) …10%
純水 …63%。
【0237】
(実施例1−13)
実施例1−6において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化8」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン159.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化合物(A8)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A8) …10%
純水 …63%。
【0238】
(実施例1−14)
実施例1−6において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化9」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン173.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化合物(A9)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A9) …10%
純水 …63%。
【0239】
(実施例1−15)
実施例1−6において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化10」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン187.1g(0.28モル)に代えて有機ケイ素化合物(A10)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A10) …10%
純水 …63%。
【0240】
(実施例1−16)
反応容器に入れた100g(0.56モル)のH2NCH2CH2CH2Si(OCH33に、49g(0.66モル)の2,3−エポキシ−1−プロパノールを一滴一滴加えて、その全量滴下後に80℃で5時間攪拌することにより、アミノ基とエポキシ基とを反応させた加水分解性シラン(B)を得、次に、新たな反応容器に、120g(6.67モル)の水と、50.6g(0.2モル)の上記加水分解性シラン(B)と、21.8g(0.1モル)の「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランと、30.4g(0.2モル)のSi(OCH34との混合物を一滴一滴加えて、その全量滴下後に60℃で1時間反応させることにより得たものが、実施例1−16における有機ケイ素化合物(C1)である。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(C1) …10%
純水 …63%。
【0241】
(実施例1−17)
実施例1−16において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化2」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン26.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合物(C2)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(C2) …10%
純水 …63%。
【0242】
(実施例1−18)
実施例1−16において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化3」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン31.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合物(C3)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(C3) …10%
純水 …63%。
【0243】
(実施例1−19)
実施例1−16において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化4」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン36.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合物(C4)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(C4) …10%
純水 …63%。
【0244】
(実施例1−20)
実施例1−16において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化5」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン41.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合物(C5)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(C5) …10%
純水 …63%。
【0245】
(実施例1−21)
実施例1−16において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化6」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン46.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合物(C6)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(C6) …10%
純水 …63%。
【0246】
(実施例1−22)
実施例1−16において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化7」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン51.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合物(C7)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(C7) …10%
純水 …63%。
【0247】
(実施例1−23)
実施例1−16において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化8」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン56.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合物(C8)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(C8) …10%
純水 …63%。
【0248】
(実施例1−24)
実施例1−16において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化9」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン61.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合物(C9)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(C9) …10%
純水 …63%。
【0249】
(実施例1−25)
実施例1−16において、「化1」で表されるフッ化アルキルアルコキシシランを、「化10」で表されるフッ化アルキルアルコキシシラン66.8g(0.1モル)に代えて有機ケイ素化合物(C10)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(C10) …10%
純水 …63%。
【0250】
(実施例1−26)
実施例1−6のインクにおいて、C.I.アシッドブラック2を、C.I.アシッドイエロー23に代えた。
C.I.アシッドイエロー23 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A1) …10%
純水 …63%。
【0251】
(実施例1−27)
実施例1−6のインクにおいて、C.I.アシッドブラック2を、C.I.アシッドレッド52に代えた。
C.I.アシッドレッド52 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A1) …10%
純水 …63%。
【0252】
(実施例1−28)
実施例1−6のインクにおいて、C.I.アシッドブラック2を、C.I.アシッドブルー86に代えた。
C.I.アシッドブルー86 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A1) …10%
純水 …63%。
【0253】
(実施例1−29)
実施例1−6のインクにおいて、C.I.アシッドブラック2を、黒顔料に代えた。
カーボンブラック(商品名「CAB-O-JETTM-200」:キャボット社製) …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A1) …10%
純水 …63%。
【0254】
(実施例1−30)
実施例1−6のインクにおいて、C.I.アシッドブラック2を、黒顔料に代えた。
カーボンブラック(商品名「CAB-O-JETTM-300」:キャボット社製) …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A1) …10%
純水 …63%。
【0255】
(実施例1−31)
実施例1−6のインクにおいて、C.I.アシッドブラック2を、カラー顔料に代えた。
イエロー顔料(商品名「FUJI SP YELLOW 4223」:富士色素社製) …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A1) …10%
純水 …63%。
【0256】
(実施例1−32)
実施例1−6のインクにおいて、C.I.アシッドブラック2を、カラー顔料に代えた。
マゼンタ顔料(商品名「FUJI SP MAGENTA 9338」:富士色素社製)…5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A1) …10%
純水 …63%。
【0257】
(実施例1−33)
実施例1−6のインクにおいて、C.I.アシッドブラック2を、カラー顔料に代えた。
シアン顔料(商品名「FUJI SP BULE 6403」:富士色素社製) …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A1) …10%
純水 …63%。
【0258】
(実施例1−34)
実施例1−6において、フッ化アルキルアルコキシシランの量を、61.1g(0.28モル)から244.4g(1.12モル)に変えて有機ケイ素化合物(A11)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A11) …10%
純水 …63%。
【0259】
(実施例1−35)
実施例1−6において、フッ化アルキルアルコキシシランの量を、61.1g(0.28モル)から122.2g(0.56モル)に変えて有機ケイ素化合物(A12)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A12) …10%
純水 …63%。
【0260】
(実施例1−36)
実施例1−6において、フッ化アルキルアルコキシシランの量を、61.1g(0.28モル)から24.4g(0.112モル)に変えて有機ケイ素化合物(A13)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A13) …10%
純水 …63%。
【0261】
(実施例1−37)
実施例1−6において、フッ化アルキルアルコキシシランの量を、61.1g(0.28モル)から10.1g(0.056モル)に変えて有機ケイ素化合物(A14)を作製した。
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A15) …10%
純水 …63%。
【0262】
続いて、比較のために、以下の組成(各組成物の含有量は質量百分率である)からなる2種類のインクを作製した(比較例1−1及び比較例1−2)。
【0263】
尚、比較例1−1における有機ケイ素化合物は、実施例1−1における有機ケイ素化合物(A1)の作製の際に、フッ化アルキルアルコキシシランを用いずに同様の反応をさせたもの(有機ケイ素化合物(A16))である。
【0264】
これに対し、比較例1−2の有機ケイ素化合物は、実施例1−16における有機ケイ素化合物の作製(C1)の際に、フッ化アルキルアルコキシシランを用いずに同様の反応をさせたもの(有機ケイ素化合物(C11))である。
【0265】
(比較例1−1)
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(A16) …10%
純水 …68%。
【0266】
(比較例1−2)
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコール …7%
有機ケイ素化合物(C11) …10%
純水 …68%。
【0267】
次に、上記実施例1−1〜実施例1−37、並びに比較例1−1,比較例1−2の各インクを用いて、上記実施形態と同様の圧電アクチュエータによりインクを吐出させるプリンタで普通紙(商品名「Xerox4024」:ゼロックス社製)に画像を形成した。ここで、上記プリンタのインクジェットヘッドにおけるノズル板には、撥水性ゾル/ゲル膜が形成されたもの、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散させた無電解ニッケルメッキ膜が形成されたもの、フッ素重合体膜が形成されたもの、及びフッ素系のシランカップリング剤コート膜が形成されたもの、をそれぞれ用いた。いずれのノズル板においても初期のインクに対する接触角は60°以上であって、インクに対する撥水性は優れていた。
【0268】
そして、上記各比較例のインクを用いた場合には、連続印字を行うと次第に画像のゆがみが生じると共に、約3分でインクが吐出し難くなって、画像には白すじが生じ始めた。さらに印字を継続すると、インクが吐出されないノズルの数が増加して、約30分後には、形成された画像(文字)が判読できない状態となった。ノズル板を観察したところ、ノズルの周囲にインクが付着しており、このノズル周囲のインクをゴム製のブレードによって拭き取るクリーニングを行った後に、インクに対する接触角を測定したところ、その値は15〜20°であった。
【0269】
一方、各実施例のインクを用いた場合には、連続印字を行ってもインクの吐出状態は初期と変わらず、画像に白すじや白抜け等は生じなかった。さらに、印字を継続させてもインクの吐出は安定であって、画像に白すじや白抜け等が生じず、また、画像のゆがみも全く観察されなかった。30分間の連続印字の後にノズル板を観察したところ、ノズルの周囲にわずかにインクが付着していた。このノズル周囲のインクをゴム製のブレードによって拭き取るクリーニングを行った後に、インクに対する接触角を測定したところ、その値は初期値に対して±2°であった。
【0270】
また、この画像を形成した用紙を純水に浸漬した後、室温で放置して乾燥させ、画像のにじみが生じるが否かを調べた。実施例の各インクで形成した画像では、にじみは全く見られず、実施例の各インクは優れた耐水性を発揮した。
【0271】
従って、各実施例のインクのように、インク成分である水がない状態で縮重合反応する水溶性物質(加水分解性シラン化合物)に、フッ化アルキル基を含有させることによって、連続印字を行ってもノズル板表面の撥水性を低下させずに撥水性を確保することができる。これにより、インクの着弾ずれに伴う画像のゆがみや、ノズル14の閉塞を防止して、高画質の画像を形成することができる。
【0272】
実施例
次に、上記実施形態に係るインクジェット記録用ノズル板について、具体的に実施した実施例について説明する。
【0273】
実施例2−1〜実施例2−124については、ノズル板にフッ化アルキルシランを含有するゾル/ゲル膜からなる撥水膜を形成し、実施例2−125〜実施例2−127については、これと異なる撥水膜を形成した。
【0274】
実施例2−1〜実施例2−124における撥水膜は、以下の方法により形成した。すなわち、先ず、以下の組成からなる2種類の液(A液、B液)を準備する。
【0275】
(A液)
CF3(CF2)724Si(OCH3)3 …4ml
テトラエトキシシラン …25ml
2,2,2−トリフルオロエタノール …50ml
(B液)
塩酸 …0.4ml
2,2,2−トリフルオロエタノール …50ml
水 …7ml。
【0276】
次に、上記A液を内容積200mlのビーカーに入れ、マグネチックスターラーで撹拌しながらB液をスポイトを用いて一滴づつ滴下し、A液とB液との混合溶液(コート液)を作製した。
【0277】
一方、ノズル板となる長さ10mm、幅10mm、厚さ0.2mmのステンレス製基材を界面活性剤で洗浄し、さらにそれを流水洗浄して上記基材の表面の汚染物を除去した。
【0278】
次に、この基材をスピンコーターに装着し、上記コート液を滴下した後、500rpmの回転数で5秒間、さらに300rpmの回転数で20秒間回転させることにより、コート液を基材表面に塗布した。
【0279】
そして、この基材をスピンコーターから取り外し、室温で1時間乾燥させた後、200℃の温度で30分間焼成した。こうして、基材表面に厚さ0.2μm程度の撥水性薄膜(撥水膜)を形成した。
【0280】
こうして撥水性薄膜を形成した基材に、ピコ秒レーザを用いて所定の貫通孔(ノズル)を形成し、ノズル板を作製した。
【0281】
(実施例2−1)
上記撥水膜を形成したノズル板を「化11」のトリメチルクロロシラン5wt%のn−オクタン溶液に60分間浸漬した後、140℃で30分間乾燥させた。これにより、上記ノズル板(撥水膜)に表面処理を施した。
【0282】
(実施例2−2)
実施例2−1における「化11」のトリメチルクロロシランを、「化12」のジメチルエチルクロロシランに代えて、上記と同様の表面処理をノズル板に施した。
【0283】
(実施例2−3〜実施例2−54)
実施例2−1における「化11」のトリメチルクロロシランを、それぞれ「化13」〜「化64」のクロロシランに代えて、上記と同様の表面処理をノズル板に施した。
【0284】
(実施例2−55)
実施例2−1における「化11」のトリメチルクロロシラン5wt%のn−オクタン溶液を、「化65」のトリメチルメトキシシラン5wt%の水−エタノール(1:1重量比)混合溶液(0.1wt%の塩酸を含有)に代え、これにノズル板を60分間浸漬した後、120℃で30分間乾燥させた。これにより、上記ノズル板に表面処理を施した。
【0285】
(実施例2−56)
実施例2−55における「化65」のトリメチルメトキシシランを、「化66」のジメチルエチルメトキシシランに代えて、上記と同様の表面処理をノズル板に施した。
【0286】
(実施例2−57〜実施例2−122)
実施例2−55における「化65」のトリメチルメトキシシランを、それぞれ「化67」〜「化132」のメトキシシラン又はエトキシシランに代えて、上記と同様の表面処理をノズル板に施した。
【0287】
(実施例2−123)
実施例2−1におけるトリメチルクロロシランの濃度を5wt%から0.1wt%に変えて、上記と同様の表面処理をノズル板に施した。
【0288】
(実施例2−124)
実施例2−1におけるトリメチルクロロシランの濃度を5wt%から30wt%に変えて、上記と同様の表面処理をノズル板に施した。
【0289】
(実施例2−125)
ノズル板の撥水膜を、フッ素重合体(商品名「サイトップ」:旭化成社製)膜に代えた。尚、撥水膜の形成方法は、特許文献5に記載の撥水膜形成方法に準じて行った。その上で、このノズル板に、実施例2−1と同様の表面処理を施した。
【0290】
(実施例2−126)
ノズル板の撥水膜を、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散させた無電解ニッケルメッキ(商品名「ニムロン」:上村工業社製)膜に代えた。尚、撥水膜の形成方法は、特許文献6に記載の撥水膜形成方法に準じて行った。その上で、このノズル板に、実施例2−1と同様の表面処理を施した。
【0291】
(実施例2−127)
ノズル板の撥水膜を、トリメチルメトキシシランの高周波プラズマCVD膜に代えた。尚、撥水膜の形成方法は、特許文献8に記載の撥水膜形成方法に準じて行った。その上で、このノズル板に、実施例2−1と同様の表面処理を施した。
【0292】
続いて、比較のために、以下の構成のノズル板を作製した(比較例2−1〜比較例2−6)。
【0293】
(比較例2−1)
実施例2−1において、フッ化アルキルシランを含有するゾル/ゲル膜形成後のノズル板に対する、トリメチルクロロシランの溶液による表面処理を省略した。
【0294】
(比較例2−2)
実施例2−1におけるトリメチルクロロシランの濃度を5wt%から0.01wt%に変えて、同様の表面処理をノズル板に施した。
【0295】
(比較例2−3)
実施例2−1において、トリメチルクロロシランの溶液へのノズル板の浸漬時間を、60分から1分に変えて、同様の表面処理をノズル板に施した。
【0296】
(比較例2−4)
実施例2−125において、フッ素重合体膜形成後のノズル板に対する、トリメチルクロロシランの溶液による表面処理を省略した。
【0297】
(比較例2−5)
実施例2−126において、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散させた無電解ニッケルメッキ膜形成後のノズル板に対する、トリメチルクロロシランの溶液による表面処理を省略した。
【0298】
(比較例2−6)
実施例2−127において、トリメチルメトキシシランの高周波プラズマCVD膜形成後のノズル板に対する、トリメチルクロロシランの溶液による表面処理を省略した。
【0299】
次に、第2実施例に用いたインクについて説明する。ここでは、以下の4種類のインク(インク1〜インク4)をそれぞれ作製した。尚、これらのインクに含有する有機ケイ素化合物は、以下の有機ケイ素化合物(A)又は有機ケイ素化合物(C)である。
【0300】
すなわち、反応容器に入れた180g(1モル)の水に、100g(0.56モル)のH2NCH2CH2CH2Si(OCH33と、166g(1.1モル)のSi(OCH34との混合物を室温で一滴一滴加えて、その全量滴下後に60℃で1時間攪拌することにより得たものが、有機ケイ素化合物(A)である。
【0301】
一方、反応容器に入れた100g(0.56モル)のH2NCH2CH2CH2Si(OCH33に、49g(0.66モル)の2,3−エポキシ−1−プロパノールを一滴一滴加えて、その全量滴下後に80℃で5時間攪拌することにより、アミノ基とエポキシ基とを反応させた加水分解性シラン(B)を得、次に、新たな反応容器に、120g(6.67モル)の水と、50.6g(0.2モル)の上記加水分解性シラン(B)と、30.4g(0.2モル)のSi(OCH34との混合物を一滴一滴加えて、その全量滴下後に60℃で1時間反応させることにより得たものが、有機ケイ素化合物(C)である。
【0302】
(インク1)
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
有機ケイ素化合物(A) …10%
純水 …75%。
【0303】
(インク2)
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
有機ケイ素化合物(A) …10%
純水 …70%。
【0304】
(インク3)
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
有機ケイ素化合物(C) …5%
純水 …80%。
【0305】
(インク4)
C.I.アシッドブラック2 …5%
グリセリン …10%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
有機ケイ素化合物(C) …5%
純水 …75%。
【0306】
上記実施例2−1〜実施例2−127の各ノズル板、及び比較例2−1〜比較例2−6の各ノズル板について、水に対する接触角を測定したところ、いずれも105〜110°であった。
【0307】
これらの各実施例及び各比較例のノズル板を、上記の各インク(インク1〜インク4)に24時間浸漬した後、流水洗浄した。ノズル板の乾燥後に、水に対する接触角を測定したところ、各実施例のノズル板は接触角の値が初期値と変わらず105〜110°の値を示したのに対し、各比較例のノズル板は、接触角が30°以下の値を示しており、親水性に変化していた。
【0308】
また、上記各実施例及び各比較例のノズル板をプリンターに取り付けて、インク1及びインク2を用いた画像形成を行った。
【0309】
各比較例のノズル板を用いたときには、連続印字を行うと次第に画像のゆがみが生じると共に、約3分でインクが吐出し難くなって、画像には白すじが生じ始めた。さらに印字を継続すると、インクが吐出されないノズルの数が増加して、約30分後には、画像(文字)が判読できない状態となった。ノズル板を観察したところ、ノズルの周囲にインクが付着していた。このノズル周囲のインクをゴム製のブレードによって拭き取るクリーニングを行った後に、インクに対する接触角を測定したところ、その値は20〜30°であった。
【0310】
これに対し、各実施例のノズル板を用いたときには、連続印字を行ってもインクの吐出状態は初期と変わらず、画像に白すじや白抜け等は生じなかった。さらに印字を継続させてもインクの吐出は安定であって、画像に白すじや白抜け等が生じず、また、画像のゆがみも全く観察されなかった。30分間の連続印字の後にノズル板を観察したところ、ノズルの周囲にわずかにインクが付着していた。このノズル周囲のインクをゴム製のブレードによって拭き取るクリーニングを行った後に、インクに対する接触角を測定したところ、その値は初期値に対して±2°であった。
【0311】
従って、各実施例のノズル板のように、トリアルキルシラン化合物の溶液による表面処理が施すことによって、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質(加水分解性シラン化合物)を含有するインクを用いて連続印字を行っても、ノズル板表面の撥水性を低下させずに撥水性を確保することができる。これにより、インクの着弾ずれに伴う画像のゆがみやノズルの閉塞を防止して、高画質の画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るインクジェット記録用インクを備えたインクジェット式記録装置を示す概略斜視図である。
【図2】 インクジェット式記録装置のインクジェットヘッドの部分底面図である。
【図3】 図2のIII−III線断面図である。
【図4】 図2のIV−IV線断面図である。
【図5】 参考形態に係るインクを用いたときのノズル板の断面を分子レベルまで拡大して示す拡大断面図である。
【図6】 実施形態に係るノズル板の断面を分子レベルまで拡大して示す図5対応図である。
【図7】 従来のインクを用いたときのノズル板の断面を分子レベルまで拡大して示す図5対応図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
9 ノズル板
9a 撥水膜
14 ノズル
21 圧電アクチュエータ
23 圧電素子
35 インクカートリッジ
41 記録紙(記録媒体)
A インクジェット式記録装置

Claims (7)

  1. 色材と、保湿剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応する加水分解性シラン化合物を含有するインクジェット記録用インクを吐出するためのノズルが形成されたインクジェット記録用ノズル板であって、
    上記インクの吐出側表面には、撥水膜が形成されており、
    上記撥水膜には、トリアルキルシラン化合物による表面処理が施されている
    ことを特徴とするインクジェット記録用ノズル板。
  2. 請求項において、
    トリアルキルシラン化合物は、トリアルキルクロロシランである
    ことを特徴とするインクジェット記録用ノズル板。
  3. 請求項において、
    トリアルキルシラン化合物は、トリアルキルアルコキシシランである
    ことを特徴とするインクジェット記録用ノズル板。
  4. 請求項において、
    トリアルキルシラン化合物は、トリアルキルクロロシランにおけるアルキル基の一部又は全部が、フッ化アルキル基に置換されたものである
    ことを特徴とするインクジェット記録用ノズル板。
  5. 請求項において、
    トリアルキルシラン化合物は、トリアルキルアルコキシシランにおけるアルキル基の一部又は全部が、フッ化アルキル基に置換されたものである
    ことを特徴とするインクジェット記録用ノズル板。
  6. 色材と、保湿剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応する加水分解性シラン化合物とを含有するインクジェット記録用インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル板を有するインクジェットヘッドであって、
    上記ノズル板におけるインクの吐出側表面には、撥水膜が形成されており、
    上記撥水膜には、トリアルキルシラン化合物による表面処理が施されている
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 色材と、保湿剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応する加水分解性シラン化合物とを含有するインクジェット記録用インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル板を備え、上記ノズルから記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録装置であって、
    上記ノズル板におけるインクの吐出側表面には、撥水膜が形成されており、
    上記撥水膜には、トリアルキルシラン化合物による表面処理が施されている
    ことを特徴とする記録装置。
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