JP4295476B2 - インクジェット記録用インクを用いた記録画像における耐水性を維持する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用インクを用いた記録画像における耐水性を維持する方法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクジェット記録に用いられるインクとして、色材(染料又は顔料)と、保湿剤と、水とを含有したものがよく知られている。ところが、色材を含有したインクにより記録紙等の記録媒体上に画像を形成すると、その画像の耐水性、すなわち画像が水に濡れると色材が水中に染み出してしまうことが問題となる。特に普通紙(広範な市販の紙で、とりわけ電子写真方式の複写機に用いられる紙であって、インクジェット記録用として最適な構造、組成、特性等を有するように意図して製造されてはいない紙)に記録した場合は、耐水性が非常に悪くなる。
【0003】
そこで、従来、例えば特開平10−212439号公報、特開平11−293167号公報及び特開平11−315231号公報に示されているように、インクに加水分解性シラン化合物(有機ケイ素化合物)を含有させることにより、記録媒体上の画像の耐水性を向上させるようにした耐水性インクが提案されている。このようにインクにシラン化合物を含有させることによって、インク滴が記録媒体上に付着して水分(溶媒)が蒸発したり記録媒体内に浸透したりしたときには、前記記録媒体上に残ったシラン化合物が縮重合反応し、この縮重合反応したシラン化合物が色材を取り囲むことになる。その結果、記録媒体上の画像が水に濡れても、色材がその水中に染み出すことを防止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の耐水性インクでは、高温環境下で長期間保存すると(70℃で500時間程度)、例えばインクカートリッジに密閉された状態でも、変退色してしまうという問題がある。こうしてインクが変退色してしまうと、記録画像の画質が低下してしまうこととなる。
【0005】
また、高温環境下で長期間保存した後のインクによって、記録媒体上に画像を形成したときには、その画像の耐水性も低下してしまうことが判明した。
【0006】
こうした、インクの変退色や耐水性の低下は、インク中に溶存している溶存酸素によるものと考えられる。
【0007】
つまり、インクの製造過程等においてインク中には酸素が溶存することとなるが、インクを高温環境下で長期保存すると、この溶存酸素によってインク中の色材が酸化され、これによりインクが変退色してしまうものと考えられる。また、耐水性インクに含まれるシラン化合物は、縮重合反応の際に色材を確実に取り囲むべく、色材との相互作用の強いアミノ基を有しているが、インクを高温環境下で長期保存すると、前記インク中の溶存酸素によってアミノアルキルシランが酸化され、これにより色材との相互作用が弱まると考えられる。その結果、長期保存したインクで画像を形成したときには、シラン化合物による色材の取り囲みが不十分となって、画像の耐水性が低下するものと考えられる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質を含有するインクジェット記録用インクの保存性を向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
インクジェット記録用インクは、色材と、保湿剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応する水溶性物質とを含有するインクジェット記録用インクに係り、前記色材および前記アミノ基の双方の酸化を防止するための還元剤を含有し、前記還元剤により、前記色材の酸化と前記アミノ基の酸化との双方を防止して前記インク中における前記加水分解性シラン化合物と前記色材との相互作用を維持し、それによって、当該インクが記録媒体に付着したときに前記色材が前記加水分解性シラン化合物の縮重合反応によって取り込まれるようにして記録画像の耐水性を維持するようにした。
【0010】
この構成によると、インクがインク滴として記録媒体(例えば紙)上に付着すると、水分が蒸発したり記録媒体内に浸透したりして水溶性物質が縮重合反応をし、この縮重合反応物が色材を取り囲む。こうして、前記インク滴により形成された記録媒体上の画像が水に濡れても色材が水中に染み出すことが回避され、画像の耐水性が確保される。
【0011】
そして、前記インクには還元剤が含有されていることで、インク中の溶存酸素によって、色材(染料及び/又は顔料)が酸化されることが防止される。そのため、インクを高温環境下で長期保存してもインクの変退色が防止される。
【0012】
同様に、前記インクに還元剤が含有されていることで、インク中の溶存酸素によって水溶性物質が酸化されることも防止される。これにより、高温環境下で長期保存後のインクによって画像を形成したときでも、水溶性物質の縮重合反応によって色材が確実に取り込まれるようになり、その結果、初期状態のインクと同レベルの高い耐水性が確保される。
【0013】
こうして、インクに還元剤を含有させることにより、インクの保存性が向上する。
【0014】
ここで、前記還元剤は、ヨウ化塩、チオ硫化塩、アルデヒド、糖類、及びL−アスコルビン酸の内の少なくとも1つとすればよい。具体的に、水に対する溶解性の観点から、ヨウ化ナトリウムやヨウ化カリウム等のヨウ化塩、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸塩カリウム等のチオ硫酸塩、アセトアルデヒドやプロピオンアルデヒド等のアルデヒド、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、多糖類又はこれらの糖類の還元誘導体(糖アルコールデオキシ糖、グリカール)、酸化誘導体(アルドン酸、ウロン酸、糖酸)、脱水誘導体(グリコセエン、アンヒドロ糖)、アミノ糖、及びチオ糖等の糖類、並びにL−アスコルビン酸とするのがよい。
【0015】
前記とは別のインクジェット記録用インクは、前記インクを脱気または中空糸膜へ通すことにより、溶存酸素の濃度を1ppm以下とし、そのことにより、前記色材の酸化と前記アミノ基の酸化との双方を防止して前記インク中における前記加水分解性シラン化合物と前記色材との相互作用を維持し、それによって、当該インクが記録媒体に付着したときに前記色材が前記加水分解性シラン化合物の縮重合反応によって取り込まれるようにして記録画像の耐水性を維持するようにした。
【0016】
すなわち、通常のインクは、溶存酸素の濃度が7〜8ppmであり、これは飽和状態に近い状態である(尚、水に対する酸素の理論飽和濃度は、8.7ppm(20℃)である)。
【0017】
これに対し、前記インクは、インクの溶存酸素濃度を、1ppm以下の低濃度とする。このように、インクの溶存酸素の濃度を通常の略半分以下にすることによって、インクを高温環境下で長期保存しても、色材が酸化されることが防止される。その結果、インクの変退色が防止される。
【0018】
また、色材と同様に、水溶性物質(特にそのアミノ基)が酸化されることが防止されるため、高温環境下で長期保存後のインクによって画像を形成したときでも、水溶性物質と色材との強い相互作用により、色材は水溶性物質の縮重合反応物によって確実に取り込まれるようになり、その結果、初期状態のインクと同レベルの高い耐水性が確保される。
【0019】
尚、インク中の溶存酸素の濃度を1ppm以下にするには、例えばインクを中空糸膜に通すことで実現可能である。また、これとは異なり、インクの脱気を行うことで、インク中の溶存酸素の濃度を1ppm以下にするようにしてもよい。こうした手法によってインク中の溶存酸素の濃度を1ppm以下にした場合は、インクジェットヘッド内で気泡が発生することが防止されるため、インクの吐出性が向上するという付随的な効果が得られる。
【0020】
前記ンクには、浸透剤をさらに含有させることが好ましい。
【0021】
こうすることで、保湿剤と浸透剤と水とからなるインクの溶媒は、インクが記録媒体(例えば紙)上に付着した後、速やかに該記録媒体内に浸透するようになる。これにより、水溶性物質の縮重合反応が速やかに行われて色材を確実に取り囲む。その結果、画像の耐水性がより一層向上する。
【0022】
インクカートリッジは、色材と、保湿剤と、水と、アミノ基を有する加水分解性シラン化合物とを含有するインクジェット記録用インクを備えたインクカートリッジに係り、前記色材および前記アミノ基の双方の酸化を防止するための還元剤を含有し、前記還元剤により、前記色材の酸化と前記アミノ基の酸化との双方を防止して前記インク中における前記加水分解性シラン化合物と前記色材との相互作用を維持し、それによって、当該インクが記録媒体に付着したときに前記色材が前記加水分解性シラン化合物の縮重合反応によって取り込まれるようにして記録画像の耐水性を維持するようにした
【0023】
また、これとは別のインクカートリッジは、前記インクを脱気または中空糸膜へ通すことにより、溶存酸素の濃度を1ppm以下とし、そのことにより、前記色材の酸化と前記アミノ基の酸化との双方を防止して前記インク中における前記加水分解性シラン化合物と前記色材との相互作用を維持し、それによって、当該インクが記録媒体に付着したときに前記色材が前記加水分解性シラン化合物の縮重合反応によって取り込まれるようにして記録画像の耐水性を維持するようにした
【0024】
においても、インクには浸透剤をさらに含有させることによって、保湿剤と浸透剤と水とからなるインクの溶媒を速やかに記録媒体内に浸透させて、耐水性をさらに向上させることが好ましい。
【0025】
記録装置は、色材と、保湿剤と、水と、アミノ基を有する加水分解性シラン化合物とを含有するインクジェット記録用インクを備え、該インクを記録媒体に吐出して記録を行う記録装置であって、前記インクは、前記色材および前記アミノ基の双方の酸化を防止するための還元剤を含有し、前記還元剤により、前記色材の酸化と前記アミノ基の酸化との双方を防止して前記インク中における前記加水分解性シラン化合物と前記色材との相互作用を維持し、それによって、当該インクが記録媒体に付着したときに前記色材が前記加水分解性シラン化合物の縮重合反応によって取り込まれるようにして記録画像の耐水性を維持するようにした
【0026】
これとは別の記録装置は、前記インクを脱気または中空糸膜へ通すことにより、溶存酸素の濃度を1ppm以下とし、そのことにより、前記色材の酸化と前記アミノ基の酸化との双方を防止して前記インク中における前記加水分解性シラン化合物と前記色材との相互作用を維持し、それによって、当該インクが記録媒体に付着したときに前記色材が前記加水分解性シラン化合物の縮重合反応によって取り込まれるようにして記録画像の耐水性を維持するようにした
【0027】
また、ここにおいても、インクには浸透剤をさらに含有させることによって、保湿剤と浸透剤と水とからなるインクの溶媒を速やかに記録媒体内に浸透させて、耐水性をさらに向上させることが好ましい。
【0028】
ンクジェット記録用インクを用いた記録画像における耐水性を維持する方法は、インクジェット記録用インクとして、色材と、保湿剤と、水と、アミノ基を有する加水分解性シラン化合物とを準備する工程と、前記工程により準備したインクジェット記録用インクに、前記色材および前記アミノ基の双方の酸化を防止するための還元剤を含有させる工程と、を有し、前記還元剤により、前記色材の酸化と前記アミノ基の酸化との双方を防止して前記インク中における前記加水分解性シラン化合物と前記色材との相互作用を維持し、それによって、当該インクが記録媒体に付着したときに前記色材が前記加水分解性シラン化合物の縮重合反応によって取り込まれるようにして記録画像の耐水性を維持するようにした。
【0029】
発明は、インクジェット記録用インクとして、色材と、保湿剤と、水と、アミノ基を有する加水分解性シラン化合物とを準備する工程と、前記工程により準備したインクジェット記録用インクを、脱気または中空糸膜へ通すことにより、溶存酸素の濃度を1ppm以下とする工程と、を有し、前記色材の酸化と前記アミノ基の酸化との双方を防止して前記インク中における前記加水分解性シラン化合物と前記色材との相互作用を維持し、それによって、当該インクが記録媒体に付着したときに前記色材が前記加水分解性シラン化合物の縮重合反応によって取り込まれるようにして記録画像の耐水性を維持するようにした。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、インク中の溶存酸素の濃度を1ppm以下の低濃度にすることによって、インクを高温環境下で長期保存しても、色材及び水溶性物質が酸化されることを防止することができ、インクの保存性を向上させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
−記録装置の構成−
図1は、実施形態に係るインクジェット記録用インクを備えたインクジェット式記録装置Aの概略を示し、この記録装置Aは、上面に前記インクを有するインクカートリッジ35が装着されかつ該インクを後述の如く記録媒体としての記録紙41に吐出するインクジェットヘッド1を備えている。このインクジェットヘッド1はキャリッジ31に支持固定され、このキャリッジ31には、図示を省略するキャリッジモータが設けられ、このキャリッジモータにより前記インクジェットヘッド1及びキャリッジ31が主走査方向(図1及び図2に示すX方向)に延びるキャリッジ軸32にガイドされてその方向に往復動するようになっている。
【0032】
前記記録紙41は、図示を省略する搬送モータによって回転駆動される2つの搬送ローラ42に挟まれていて、この搬送モータ及び各搬送ローラ42により、前記インクジェットヘッド1の下側において前記主走査方向と垂直な副走査方向(図1及び図2に示すY方向)に搬送されるようになっている。
【0033】
このように、前記キャリッジ31、キャリッジ軸32及びキャリッジモータ、並びに各搬送ローラ42及び搬送モータにより、インクジェットヘッド1と記録紙41とを相対移動させるようにしている。
【0034】
前記インクジェットヘッド1は、図2〜図4に示すように、インクを供給するための供給口3a及びインクを吐出するための吐出口3bを有する複数の圧力室用凹部3が形成されたヘッド本体2を備えている。このヘッド本体2の各凹部3は、該ヘッド本体2の上面に前記主走査方向に延びるように開口されていて、互いに前記副走査方向に略等間隔をあけた状態で並設されている。前記各凹部3の開口の全長は約1250μmに、幅は約130μmにそれぞれ設定されている。尚、前記各凹部3の開口の両端部は、略半円形状をなしている。
【0035】
前記ヘッド本体2の各凹部3の側壁部は、約200μm厚の感光性ガラス製の圧力室部品6で構成され、各凹部3の底壁部は、この圧力室部品6の下面に接着固定されかつ6枚のステンレス鋼薄板を積層してなるインク流路部品7で構成されている。このインク流路部品7内には、前記各凹部3の供給口3aとそれぞれ接続された複数のオリフィス8と、この各オリフィス8と接続されかつ前記副走査方向に延びる1つの供給用インク流路11と、前記吐出口3bとそれぞれ接続された複数の吐出用インク流路12とが形成されている。
【0036】
前記各オリフィス8は、インク流路部品7において板厚が他よりも小さい上から2番目のステンレス鋼薄板に形成されており、その径は約38μmに設定されている。また、前記供給用インク流路11は前記インクカートリッジ35と接続されており、このインクカートリッジ35より供給用インク流路11内にインクが供給されるようになっている。
【0037】
前記インク流路部品7の下面には、インク滴を前記記録紙41に向けて吐出するための複数のノズル14が形成されたステンレス鋼からなるノズル板9が接着固定されている。このノズル板9の下面は、撥水膜9aで被覆されている。前記各ノズル14は、前記吐出用インク流路12とそれぞれ接続されていて、この吐出用インク流路12を介して前記各凹部3の吐出口3bにそれぞれ連通されており、インクジェットヘッド1の下面において、前記副走査方向に列状に並ぶように設けられている。尚、前記各ノズル14は、ノズル径がノズル先端側に向かって小さくなるテーパ部と、該テーパ部のノズル先端側に連続して設けられたストレート部とからなり、このストレート部のノズル径は約20μmに設定されている。
【0038】
前記ヘッド本体2の各凹部3の上側には、圧電アクチュエータ21がそれぞれ設けられている。この各圧電アクチュエータ21は、前記ヘッド本体2の上面に接着固定された状態で該ヘッド本体2の各凹部3を塞いで該凹部3と共に圧力室4を構成するCr製振動板22を有している。この振動板22は、全ての圧電アクチュエータ21に共通の1つのものからなっていて、後述の全圧電素子23に共通の共通電極としての役割をも果たしている。
【0039】
また、前記各圧電アクチュエータ21は、前記振動板22の前記圧力室4と反対側面(上面)において圧力室4に対応する部分(凹部3開口に対向する部分)にCu製の中間層25を介してそれぞれ設けられかつチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電素子23と、この各圧電素子23の前記振動板22と反対側面(上面)にそれぞれ接合され、該振動板22と共に各圧電素子23に電圧(駆動電圧)をそれぞれ印加するためのPt製個別電極24とを有している。
【0040】
前記振動板22,各圧電素子23、各個別電極24及び各中間層25は、全て薄膜で形成されてなっており、振動板22の厚みは約6μmに、各圧電素子23の厚みは8μm以下(例えば約3μm)に、各個別電極24の厚みは約0.2μmに、各中間層25の厚みは約3μmにそれぞれ設定されている。
【0041】
前記各圧電アクチュエータ21は、その振動板22と各個別電極24とを介して各圧電素子23に駆動電圧を印加することにより該振動板22の圧力室4に対応する部分(凹部3開口部分)を変形させることで、該圧力室4内のインクを吐出口3bないしノズル14から吐出させるようになっている。すなわち、振動板22と個別電極24との間にパルス状の電圧を印加すると、そのパルス電圧の立ち上がりにより圧電素子23が圧電効果によりその厚み方向と垂直な幅方向に収縮するのに対し、振動板22、個別電極24及び中間層25は収縮しないので、いわゆるバイメタル効果により振動板22の圧力室4に対応する部分が圧力室4側へ凸状に撓んで変形する。この撓み変形により圧力室4内の圧力が高まり、この圧力で圧力室4内のインクが吐出口3b及び吐出用インク流路12を経由してノズル14から押し出される。そして、前記パルス電圧の立ち下がりにより圧電素子23が伸長して振動板22の圧力室4に対応する部分が元の状態に復帰し、このとき、前記ノズル14から押し出されていたインクがインク流路12内のインクから引きちぎられて、インク滴(例えば3pl)として記録紙41へ吐出され、該記録紙41面にドット状に付着することとなる。また、前記振動板22が凸状に撓んで変形した状態から元の状態に復帰する際に、圧力室4内には前記インクカートリッジ35より供給用インク流路11及び供給口3aを介してインクが充填される。尚、各圧電素子23に印加するパルス電圧としては、前記のように押し引きタイプのものでなくても、第1の電圧から該第1の電圧よりも低い第2の電圧まで立ち下がった後に前記第1の電圧まで立ち上がる引き押しタイプのものであってもよい。
【0042】
前記各圧電素子23への駆動電圧の印加は、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走査方向において記録紙41の一端から他端まで略一定速度で移動させているときに所定時間(例えば50μs程度:駆動周波数20kHz)毎に行われ(但し、インクジェットヘッド1が記録紙41におけるインク滴を着弾させない箇所に達したときには電圧が印加されない)、このことで、記録紙41の所定位置にインク滴を着弾させる。そして、1走査分の記録が終了すると、搬送モータ及び各搬送ローラ42により記録紙41を副走査方向に所定量搬送し、再度、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走査方向に移動させながらインク滴を吐出させて、新たな1走査分の記録を行う。この動作を繰り返すことによって、記録紙41全体に所望の画像が形成される。
【0043】
−インク組成−
参考形態>
前記記録装置Aに用いるインクの内、参考形態に係るインクは、色材と、前記インクジェットヘッド1のノズル14等での乾きを抑制する保湿剤と、該インク(溶媒)の記録紙41内への浸透性を高める浸透剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応する水溶性物質とを含有している。
【0044】
前記色材としての染料は、どのようなものであってもよいが、水溶性の酸性染料又は直接染料であることが好ましい。
【0045】
一方、色材としての顔料は、次のものが好ましい。つまり、黒顔料としては、カーボンブラック表面をジアゾニウム塩で処理したものや、ポリマーをグラフト重合して表面処理したものが好適である。
【0046】
また、カラー顔料としては、顔料を、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、リグニスルホン酸、ジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、又は脂肪酸エステル等の界面活性剤で処理したものが好ましい。具体的には、シアン顔料では、例えばピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、又はアルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。また、マジェンタ顔料では、例えばピグメントレッド122、又はピグメントバイオレット19等が挙げられる。さらに、イエロー顔料としては、例えばピグメントイエロー74、ピグメントイエロー109、ピグメントイエロー110、又はピグメントイエロー128等が挙げられる。
【0047】
前記保湿剤は、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価アルコール、又は2−ピロリドンやN−メチル−2−ピロリドンのような水溶性の窒素複素環化合物であることが望ましい。
【0048】
前記浸透剤は、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−ブトキシエタノール等のような、多価アルコールのモノアルキルエーテルであることが好ましい。
【0049】
前記水溶性物質は、前記インクジェットヘッド1のノズル14から吐出されたインク滴が記録紙41上に付着して、水分(溶媒)が蒸発したり記録紙41内に浸透したりしたときに前記記録紙41上で縮重合反応をし、このときに色材を取り囲むことにより、記録紙41上の画像が水に濡れても、色材がその水中に染み出すのを防止して、その画像の耐水性を向上させる働きをするものである。具体的には、加水分解性シラン化合物や、加水分解性チタン化合物等が一例として挙げられる。この内でも、安定性の観点から、加水分解性シラン化合物(有機ケイ素化合物)が特に好ましい。
【0050】
また、水溶性物質としてはさらに、アミノ基を有する化合物とした方が、色材との相互作用が強くなり、色材を確実に取り囲むことが可能になるため、より好ましい。
【0051】
こうした水溶性物質(有機ケイ素化合物)としては、アミノ基を有する有機基を含有するアルコキシシランとアミノ基を含有しないアルコキシシランとの加水分解反応物、又はアミノ基を含有する加水分解性シランに有機モノエポキシ化合物を反応させた加水分解性シランと窒素原子を含有しない加水分解性シランとを加水分解することにより得られる有機ケイ素化合物が好ましい。
【0052】
そして、本参考形態に係るインクジェット記録用インクには、還元剤がさらに含有されている。
【0053】
前記還元剤としては、具体的には、ヨウ化ナトリウムやヨウ化カリウム等のヨウ化塩、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸塩カリウム等のチオ硫酸塩、アセトアルデヒドやプロピオンアルデヒド等のアルデヒド、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、多糖類又はこれらの糖類の還元誘導体(糖アルコールデオキシ糖、グリカール)、酸化誘導体(アルドン酸、ウロン酸、糖酸)、脱水誘導体(グリコセエン、アンヒドロ糖)、アミノ糖、及びチオ糖等の糖類、並びにL−アスコルビン酸とすればよい。
【0054】
また、前記還元剤は、前記ヨウ化塩、チオ硫化塩、アルデヒド、糖類、及びL−アスコルビン酸の内のいずれか1種としてもよいし、互いに異なる2種以上としてもよい。
【0055】
このように、参考形態においては、インクジェット記録用インクが、色材と、保湿剤と、浸透剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応する水溶性物質としての加水分解性シラン化合物とを含有しているため、このインクを用いて記録装置Aにより記録紙41に画像を形成した場合には、インク滴が記録紙41上に付着したときに、保湿剤と浸透剤と水とからなる溶媒がこの記録紙41内に速やかに浸透するようになる。これにより、シラン化合物が縮重合反応してこの縮重合反応したシラン化合物が色材を取り囲むことになり、記録紙41上の画像が水に濡れても、色材がその水中に染み出すことが防止される。
【0056】
そして、参考形態に係るインクには、還元剤がさらに含有されていることで、インク中の溶存酸素によって色材が酸化されることが防止される。このため、このインクを高温環境下で長期保存してもインクの変退色を防止することができる。
【0057】
また、インク中の溶存酸素によってシラン化合物(アミノアルキルシラン)が酸化されることも、同様に防止される。これにより、高温環境下でインクを長期保存しても、シラン化合物と色材との強い相互作用が維持されるため、長期保存後のインクによって記録紙41上に画像を形成したときでも、色材が縮重合反応したシラン化合物によって確実に取り込まれるようになり、その結果、初期状態のインクと変わらない高レベルの耐水性を確保することができる。
【0058】
こうして、参考形態に係るインクでは、還元剤を含有させることにより、インクの保存性を向上させることができる。
【0059】
実施形態>
実施形態に係るインクは、参考形態に係るインクと同様に、色材と、保湿剤と、浸透剤と、水と、この水がない状態で縮重合反応する水溶性物質(例えば加水分解性シラン化合物)とを含有している。これらのインク成分は、参考形態で説明した通りであるため、ここでは、その詳細な説明は省略する。
【0060】
そして、実施形態に係るインクは、還元剤を含有していないが、その溶存酸素の濃度が4ppm以下に設定されている。
【0061】
このように、インク中の溶存酸素の濃度を4ppm以下にするには、例えばインクを中空糸膜に通すことによって行えばよい。
【0062】
また、これとは異なり、インクの脱気を行うことで、インク中の溶存酸素の濃度を4ppm以下にするようにしてもよい。具体的には、数十mmHg(数kPa)程度に減圧した密閉容器内にインクを入れることで、脱気を行えばよい。
【0063】
このように、実施形態に係るインクは、通常のインク(溶存酸素の濃度が7〜8ppm程度)に比べて、溶存酸素の濃度を略半分以下とすることによって、このインクを高温環境下で長期保存しても、色材が酸化されることが防止される。その結果、インクの変退色を防止することができる。
【0064】
また、インク中のシラン化合物(アミノアルキルシラン)が酸化されることも防止されるため、高温環境下で長期保存後のインクによって画像を形成したときでも、色材が縮重合反応したシラン化合物によって確実に取り込まれるようになり、その結果、初期状態のインクと変わらない高レベルの耐水性を確保することができる。
【0065】
さらに、インクを中空糸膜に通したり、インクの脱気を行ったりした場合には、インク中の溶存空気の濃度も低下する。これにより、インクジェットヘッド1内において、圧力変動に伴う気泡の発生が防止され、その結果、インクの吐出性を向上させることができるようにもなる。
【0066】
こうして、実施形態に係るインクでは、溶存酸素の濃度を4ppm以下にすることで、インクの保存性を向上させることができる。
【0067】
尚、実施形態に係るインクに還元剤を含有させてもよい。つまり、還元剤を含有するインクであって、溶存酸素の濃度が4ppm以下のインクとしてもよい。こうすることで、色材の酸化及び水溶性物質の酸化が、共に高レベルで防止され、インクの保存性をより一層向上させることができる。
【0068】
<他の実施形態>
尚、前記実施形態では、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質として、加水分解性シラン化合物を含有させたが、インクジェットヘッド1のノズル14から吐出されたインク滴が記録紙41上に付着して水分(溶媒)が蒸発したり記録紙41内に浸透したりしたときに縮重合反応して色材を取り囲むものであれば、どのようなものであってもよい。
【0069】
また、前記実施形態では、インクに浸透剤を含有させたが、浸透剤は本実施形態に係るインクの必須の成分ではない。但し、インクに浸透剤を含有させた方が、インクの溶媒が速やかに記録紙41内に浸透するようになり、これにより、画像の耐水性をより一層向上させることができる。
【0070】
【実施例】
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
【0071】
先ず、以下の組成(各組成物の含有量は質量百分率である)からなる12種類のインクジェット記録用インクを作製した(実施例1〜3及び参考例1〜9)。
【0072】
尚、前記実施例1〜3及び参考例1〜9の全てにおいて、保湿剤として1,3−ブタンジオールを含有させた。
【0073】
また、色材としては染料を含有させることとした。
【0074】
さらに、水がない状態で縮重合反応する水溶性物質として、実施例1〜3及び参考例1〜9の全てにおいて加水分解性シラン化合物を含有させた。この加水分解性シラン化合物は、以下の方法により作製したものである。すなわち、反応容器に入れた180g(10モル)の水に、100g(0.56モル)のNHCHCHCHSi(OCHと、166g(1.1モル)のSi(OCHとの混合物を、室温で一滴ずつ加えた。その全量滴下後に、反応容器の温度を60℃に高めて1時間撹拌をすることにより得たものである。この加水分解性シラン化合物を、以下、水溶性物質Aという。
【0075】
参考例1)
還元剤としてチオ硫酸ナトリウムを含有させた。
C.I.アシッドレッド289 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
チオ硫酸ナトリウム …5%
純水 …73%。
【0076】
参考例2)
還元剤としてヨウ化ナトリウムを含有させた。
C.I.アシッドレッド289 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
ヨウ化ナトリウム …5%
純水 …73%。
【0077】
参考例3)
還元剤としてアセトアルデヒドを含有させた。
C.I.アシッドレッド289 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
アセトアルデヒド …5%
純水 …73%。
【0078】
参考例4)
還元剤としてD−グルコースを含有させた。
C.I.アシッドレッド289 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
D−グルコース …5%
純水 …73%。
【0079】
参考例5)
還元剤としてL−アスコルビン酸を含有させた。
C.I.アシッドレッド289 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
L−アスコルビン酸 …5%
純水 …73%。
【0080】
参考例6)
参考例1に対して、染料を代えた。
C.I.ダイレクトブラック154 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
チオ硫酸ナトリウム …5%
純水 …73%。
【0081】
参考例7)
参考例1に対して、染料を代えた。
C.I.ダイレクトイエロー132 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
チオ硫酸ナトリウム …5%
純水 …73%。
【0082】
参考例8)
参考例1に対して、染料を代えた。
C.I.ダイレクトブルー199 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
チオ硫酸ナトリウム …5%
純水 …73%。
【0083】
(実施例
還元剤を含有しないインクである。但し、インクを中空糸膜(商品名「MHF304EED」:三菱レイヨン社製)に1回通した。インクの酸素濃度を測定したところ、0.5ppmであった。
C.I.アシッドレッド289 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
純水 …78%。
【0084】
(実施例
還元剤を含有しないインクである。但し、インクをデシケータ中で、40mmHg(約5kPa)減圧ポンプで30分間脱気した。インクの酸素濃度を測定したところ、1.5ppmであった。
C.I.アシッドレッド289 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
純水 …78%。
【0085】
参考
参考例1に対して、浸透剤をさらに含有させた。
C.I.アシッドレッド289 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
チオ硫酸ナトリウム …5%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
2−ブトキシエタノール …3%
純水 …65%。
【0086】
(実施例
還元剤を含有せず、浸透剤を含有したインクである。但し、インクを中空糸膜商品名「MHF304EED」:三菱レイヨン社製)に1回通した。インクの酸素濃度を測定したところ、0.5ppmであった。
C.I.アシッドレッド289 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル …5%
2−ブトキシエタノール …3%
純水 …70%。
【0087】
続いて、比較のために、以下の組成(各組成物の含有量は質量百分率である)からなるインクを作製した(比較例)。この比較例のインクは、還元剤を含有しないものであると共に、空気を30分間バブルさせたものである。インクの酸素濃度を測定したところ、8ppmであった。
【0088】
(比較例)
C.I.アシッドレッド289 …5%
1,3−ブタンジオール …12%
水溶性物質A …5%
純水 …78%。
【0089】
次に、前記実施例1〜3及び参考例1〜9並びに比較例の各インクを用いて、市販のプリンタ(商品名「EM−930C」:セイコーエプソン社製)で普通紙(商品名「Xerox4024」:ゼロックス社製)に画像を印字した。
【0090】
さらに、前記実施例1〜3及び参考例1〜9並びに比較例の各インクを70℃の温度雰囲気下に、500時間保存した後、前記と同様に、市販のプリンタで普通紙に画像を印字した。
【0091】
そして、保存前のインクで形成した画像の印字濃度と、保存後のインクで形成した画像の印字濃度をそれぞれマクベス濃度計で測定した。その結果を表1に示す。
【0092】
【表1】
Figure 0004295476
【0093】
表1より、実施例1〜3及び参考例1〜9の各インクでは、保存後における印字濃度が、保存前と比べてほとんど低下しなかったが、比較例のインクでは、保存後は、保存前と比べて印字濃度が30%以上低下した。
【0094】
これは、各実施例及び各参考例のインクでは、染料の酸化が防止されてインクの変退色が防止されたのに対し、比較例のインクでは、染料が酸化されてインクが変退色してしまったためと考えられる。
【0095】
また、前記保存後のインクによって形成した画像上に、純水を流したところ、各実施例及び各参考例のインクで形成した画像は、ほとんどにじみが生じなかったのに対し、比較例のインクで形成した画像は、にじみが生じて画像又は文字が認識できなくなった。
【0096】
これは、各実施例及び各参考例のインクでは、水溶性物質(アミノアルキルシラン)の酸化が防止されることで、縮重合反応した水溶性物質によって染料が確実に取り囲まれるのに対し、比較例のインクでは、水溶性物質が酸化されることで、縮重合反応した水溶性物質による染料の取り囲みが不十分になってしまったためと考えられる。
【0097】
尚、実施例及び参考例としては示していない他の還元剤を含有させたインクにおいても、前記各実施例及び各参考例と同様の結果が得られることが確認された。さらに、各実施例及び各参考例のインクにおいて、染料に代えて顔料を含有させたインクにおいても、同様の結果が得られることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るインクジェット記録用インクを備えたインクジェット式記録装置を示す概略斜視図である。
【図2】 インクジェット式記録装置のインクジェットヘッドの部分底面図である。
【図3】 図2のIII−III線断面図である。
【図4】 図2のIV−IV線断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
14 ノズル
21 圧電アクチュエータ
23 圧電素子
35 インクカートリッジ
41 記録紙(記録媒体)
A インクジェット式記録装置

Claims (1)

  1. インクジェット記録用インクとして、色材と、保湿剤と、水と、アミノ基を有する加水分解性シラン化合物とを準備する工程と、
    前記工程により準備したインクジェット記録用インクを、脱気または中空糸膜へ通すことにより、溶存酸素の濃度を1ppm以下とする工程と、
    を有し、
    前記色材の酸化と前記アミノ基の酸化との双方を防止して前記インク中における前記加水分解性シラン化合物と前記色材との相互作用を維持し、それによって、当該インクが記録媒体に付着したときに前記色材が前記加水分解性シラン化合物の縮重合反応によって取り込まれるようにして記録画像の耐水性を維持するようにした、
    ことを特徴とする、インクジェット記録用インクを用いた記録画像における耐水性を維持する方法。
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