JP7392534B2 - 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置 - Google Patents

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本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置に関する。
液体を吐出する装置の一例として、液体吐出ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に往復移動させながら、液体吐出ヘッドからインクの微小液滴を吐出し、記録媒体上に着弾させることにより画像パターンを形成するインクジェットプリンタが知られている。
液体吐出ヘッドは、液体(例えば、インクなど)と接触することから、ヘッドの動作特性、及び長期信頼性を確保するために耐液性(インク耐性)が求められる。
例えば、インクジェットプリンタではアルカリ系のインクが広く用いられており、ヘッドのインクに接触する部位ではインク耐性を確保するために、接液膜を形成する方法が知られている。
接液膜を形成する方法としては、熱酸化法、塗布法、スパッタ法、或いは、蒸着法などが用いられるが、微細でかつ複雑な構造体である液体吐出ヘッドに対し、所望の部分に均質に接液膜を形成することは困難となっている。
これに対し、特許文献1では、圧電素子と、振動板と、振動板を貫通して形成されるインク供給孔を有したインクジェットヘッドにおいて、インク供給孔内のインク耐性確保と、振動板の特性確保の両立を目的として、積層振動板を形成する段階で、インク供給孔が形成される積層振動板の一部領域のみ、インク耐性が弱い材料を取り除いた積層構成とすることで、インク供給孔内壁にインク耐性が弱い材料が露出することを抑え、インク供給孔内壁のインク耐性を確保する技術が開示されている。
特許文献2には、保護基板がインク供給用貫通孔に連通するインク供給路を有するインクジェットプリントヘッドが開示されている。
液体吐出ヘッドにおいては、外部接続端子等の接液膜の形成が不要な領域が存在する。
接液膜の成膜は外部接続端子を含む基板の全面に対して行われるため、成膜後にエッチング等により不要な接液膜を除去する工程が必要となる。一方、外部からの液体供給の流路となる貫通孔部の内壁の接液膜は、エッチング後にも十分なインク耐性が得られる膜厚が残されることが必要である。
しかしながら、貫通孔部の内壁の断面形状によっては、指向性の高いドライエッチングにより必要な接液膜がエッチングされ、薄化または除去されてしまうおそれがある。
そこで本発明は、指向性の高いエッチングを行っても、外部から供給された液体の流路となる貫通孔部内壁の接液膜が除去されることがなく、十分な耐液性が確保され、信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の液体吐出ヘッドは、ノズルが形成されたノズル基板と、前記ノズルに通じる加圧液室及び前記加圧液室の液体を加圧する圧力発生素子を有するアクチュエータ基板と、前記アクチュエータ基板に接合され、前記圧力発生素子を収容する空隙部が形成されたサブフレーム基板と、を備え、前記アクチュエータ基板及び前記サブフレーム基板を貫通して形成され、前記加圧液室に外部から液体を供給するための貫通孔部を有し、前記貫通孔部の開口径は、前記サブフレーム基板により形成される最小径が前記アクチュエータ基板により形成される最小径よりも小さく、前記貫通孔部の前記サブフレーム基板の前記アクチュエータ基板に接合されていない面の開口部側からの平面視で、前記アクチュエータ基板が前記開口部の内側に突出していないことを特徴とする。
また、本発明の液体吐出ヘッドは、ノズルが形成されたノズル基板と、前記ノズルに通じる加圧液室及び前記加圧液室の液体を加圧する圧力発生素子を有するアクチュエータ基板と、前記アクチュエータ基板に接合され、前記圧力発生素子を収容する空隙部が形成されたサブフレーム基板と、を備え、前記アクチュエータ基板及び前記サブフレーム基板を貫通して形成され、前記加圧液室に外部から液体を供給するための貫通孔部を有し、前記貫通孔部の開口径は、前記サブフレーム基板により形成される最小径が前記アクチュエータ基板により形成される最小径よりも小さく、前記貫通孔部の垂直断面において、前記サブフレーム基板により形成される最小径の内壁面端部から前記アクチュエータ基板方向へ延長した仮想直線と、前記アクチュエータ基板とが交差しないことを特徴とする。
本発明によれば、指向性の高いエッチングを行っても、外部から供給された液体の流路となる貫通孔部内壁の接液膜が除去されることがなく、十分な耐液性が確保され、信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの一例における斜視図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの一例における液室長手方向の断面図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの一例における液室短手方向の断面図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの一例における部分拡大図である。 従来の液体吐出ヘッドの一例における部分拡大図である。 本実施形態の液体吐出ユニットの一例を示す側面図である。 本実施形態の液体吐出ユニットの一例を示す上面図である。 本実施形態の液体吐出ユニットの一例を示す側面図である。 本実施形態の液体吐出ユニット(液体カートリッジ)の一例における斜視図である。 本実施形態の液体を吐出する装置の一例としてのインクジェット記録装置の斜視図である。 本実施形態の液体を吐出する装置の一例としてのインクジェット記録装置の機構部の構成を示す側面図である。
以下、本発明に係る液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
〔液体吐出ヘッド〕
本実施形態に係る液体吐出ヘッドの基本構成を説明する。
図1は本実施形態に係る液体吐出ヘッドの斜視図であり、図2は図1における液室長辺方向の断面模式図、図3は図1における液室短辺方向の断面模式図である。なお、本実施形態の液体吐出ヘッドは圧電型アクチュエータを有する液体吐出ヘッドとしている。
本実施形態に係る液体吐出ヘッドの基本構成を説明する。
図1は本実施形態に係る液体吐出ヘッドの斜視図であり、図2は図1における液室長辺方向の断面模式図、図3は図1における液室短辺方向の断面模式図である。なお、本実施形態の液体吐出ヘッドは圧電型アクチュエータを有する液体吐出ヘッドとしている。
図に示すように、本実施形態の液体吐出ヘッド1は、基板面部に設けたノズル6から液体を吐出させるサイドシュータータイプのものであり、アクチュエータ基板100は液体吐出エネルギーを発生する圧電体素子2、振動板3を備えている。
圧電体素子は、共通電極10、個別電極11、圧電体12から構成されている。
アクチュエータ基板100には加圧液室隔壁4、加圧液室5、流体抵抗部7、及び共通液体流路9が形成され、各加圧液室5は、加圧液室隔壁4で仕切られている。さらに、後述するサブフレーム基板200と貫通して形成された貫通孔部60を備えている。
また、アクチュエータ基板100には、層間絶縁膜45、接続孔42、引き出し配線層40、引き出し配線パッド41が形成されている。さらに、引き出し配線層40と電極層を分離するための層間絶縁膜45を挟んで、引き出し配線層40を保護する目的でパッシベーション膜50が形成されている。
サブフレーム基板200には、外部から液体を供給する液体供給口66及び該液体供給口に連通する貫通孔部60、並びに振動板3が撓むことができるように空隙部67が形成されている。貫通孔部60は、アクチュエータ基板100の貫通孔部60と連通している。
ノズル基板300には、個々の加圧液室5に対応した位置にノズル6が形成されている。
これらアクチュエータ基板100、サブフレーム基板200、及びノズル基板300を接合することにより、液体吐出ヘッド1が形成されている。
すなわち、本実施形態の液体吐出ヘッド1は、液体を吐出するノズル6が形成されたノズル基板300と、ノズル6に通じる加圧液室(個別液室)5及び加圧液室5の液体を加圧する圧力発生素子としての圧電体素子2を有するアクチュエータ基板100と、アクチュエータ基板100に接合され、圧力発生素子(圧電体素子2)を収容する空隙部67が形成されたサブフレーム基板200と、を備える。
液体吐出ヘッド1の液体と接触する箇所(液体の流路)には、接液膜52が形成されている。
液体吐出ヘッド1の液体が接触する箇所は、耐液性(インク耐性)が低い材料が露出しているため、接液膜52を形成することにより、液体と接触する箇所の耐液性を確保することができ、液体と接することにより生じる劣化を防止することができる。
接液膜52が形成される箇所は、例えば、貫通孔部60の内壁面、アクチュエータ基板100の共通液体流路9、流体抵抗部7、加圧液室5、及びノズル基板300の両面、ノズル6の表面等が挙げられる。
接液膜52としては、Siを含む酸化膜であることが好ましい。界面がシロキサン結合していることで、接液膜52の密着力がより向上する。また、接液膜52としては、第4族及び第5族から選ばれる遷移金属を少なくとも一種含むことが好ましく、Hf、Ta、Zrのうち少なくとも一種を含むことがより好ましい。これにより、耐液性(インク耐性)をより向上させることができる。
接液膜52としては、具体的には、SiOとTaの混成膜が好ましい。
接液膜52の形成は、例えば、ALD法により、SiO膜とTa膜を交互に成膜する方法が挙げられる。
成膜工程としては、例えば、SiO膜を成膜するステップの次にTa膜を成膜するステップを各1ステップずつ交互に成膜するが、Si含有量を大きくする場合は、SiO2膜の成膜を連続して複数ステップ処理してもよい。すなわち、Si含有量はその複数ステップの回数を変えることにより調整できる。SiO膜とTa膜とを交互に成膜することで、密着力を向上させることができる。
接液膜52の膜厚としては、30~100nmが好ましい。30nm以上の場合、十分なインク耐性が確保できる。また100nm以下の場合、応力の影響を抑制し、流路形成部材と接液膜52の界面で膜剥がれが生じることを防ぎやすくなる。
接液膜52は、引き出し配線パッド41表面にも成膜される。しかしながら、引き出し配線パッド41表面に接液膜52が存在すると、外部端子をFPC接合することができないため、引き出し配線パッド41表面の接液膜52を除去する必要がある。
接液膜52の除去は、指向性のあるドライエッチングにより行われる。
このとき、液体と接触する箇所の接液膜52は残しつつ、引き出し配線パッド41表面の接液膜52を除去する必要がある。
図4及び図5は、液体吐出ヘッド1の液体供給口66から連通する貫通孔部60断面の部分拡大図であり、図4は本実施形態に係る液体吐出ヘッドの例であり、図5は従来の液体吐出ヘッドの例を示している。
液体吐出ヘッド1は、アクチュエータ基板100及びサブフレーム基板200を貫通して形成され、加圧液室5に外部から液体を供給するための貫通孔部60を有する。
液体供給口66及び連通する貫通孔部60の内壁は、平面視で円形状となっている。
図4及び図5に示すように、貫通孔部60の開口径について、サブフレーム基板200により形成される最小径をW2、アクチュエータ基板100により形成される最小径をW1と表す。
図5に示す従来の例では、貫通孔部60の開口径は、サブフレーム基板200により形成される最小径W2がアクチュエータ基板100により形成される最小径W1よりも大きい。このため、液体供給口66からエッチング方向31に貫通孔部60を覗いたとき、平面視で、アクチュエータ基板100の一部がサブフレーム基板200の開口部の内側に突出している。この突出部分を、以下、張り出し部30という。
図5に示すように、張り出し部30(30a~30d)に成膜されている接液膜52は、ドライエッチングを行うことにより薄化または除去されてしまうため、張り出し部30のインク耐性が失われることとなる。
すなわち、引き出し配線パッド41表面の接液膜52を除去するためのドライエッチングにより、本来必要な接液膜52まで除去されてしまう。接液膜52が除去された張り出し部30は、接液膜52の下地が露出し、インクと接触することにより下地が溶出するおそれがある。その結果、液体吐出ヘッドとして信頼性が損なわれることとなる。
これに対し、図4に示す本発明に係る液体吐出ヘッドは、貫通孔部60の開口径が、サブフレーム基板200により形成される最小径W2がアクチュエータ基板100により形成される最小径W1よりも小さい。
また、本発明に係る液体吐出ヘッドは、貫通孔部60のサブフレーム基板200のアクチュエータ基板100に接合されていない面の開口部側(液体供給口66)からの平面視で、アクチュエータ基板100が開口部の内側に突出していない。すなわち、図5の従来例のような張り出し部30が存在しない。
また、本発明に係る液体吐出ヘッドは、図4に示すように、貫通孔部60の垂直断面において、サブフレーム基板200により形成される最小径W2の内壁面端部からアクチュエータ基板100方向へ延長した仮想直線Lと、アクチュエータ基板100とが交差しない。すなわち、図5の従来例のような張り出し部30が存在しない。
このような構成により、本実施形態の液体吐出ヘッド1は、引き出し配線パッド41表面の接液膜52を除去するために指向性の高いドライエッチングを行っても、貫通孔部60の内壁面の接液膜52は除去されることなく残る。そのため、接液膜52の下地が露出することなく保護され、液体(インク)との接触により下地が溶出することがなく、耐久性、信頼性の高い液体吐出ヘッドが得られる。
〔液体吐出ユニット〕
本実施形態に係る液体吐出ユニットは、上述の本発明に係る液体吐出ヘッドを備えている。
図6~図9に、本実施形態に係る液体吐出ユニットの一例を示す。
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに他の機能部品、機構が一体化したものであり、液体を吐出する機能に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニット440として、図6に示すように液体吐出ヘッド1とヘッドタンク441が一体化されているものがある。
図6に示す液体吐出ユニット440はキャリッジ98に搭載されている。キャリッジ98は、主走査移動機構を構成するガイド部材96により保持され、主走査方向に往復移動する。
図6には、後述する液体を吐出する装置を構成している部材のうち、被記録媒体(例えば、用紙等)を搬送するための手段である搬送ベルト412を示している。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。
また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッド1を主走査移動機構の一部を構成するガイド部材96に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッド1と主走査移動機構493が一体化されているものがある。
また、図7に示すように、液体吐出ヘッド1とキャリッジ98と主走査移動機構493が一体化されているものがある。
図7に示す液体吐出ユニットは、後述する液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ98と、液体吐出ヘッド1とで構成されている。図中矢印D1は主走査方向を示す。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、図8に示すように流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド1にチューブ456が接続されて、液体吐出ヘッド1と供給機構が一体化されているものがある。このチューブ456を介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッド1に供給される。
流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド1と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
また、液体吐出ユニットの一例として、本発明の液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクとを一体化した液体カートリッジが挙げられる。本実施形態によれば、耐久性、信頼性に優れ、高品位な液体カートリッジが得られる。
液体カートリッジの一例であるインクカートリッジを図9に示す。
図9に示すインクカートリッジ99は、ノズル6等を有する液体吐出ヘッド1と、この液体吐出ヘッド1に対してインクを供給するインクタンク(液体タンク)82とを一体化したものである。このようにインクタンク(液体タンク)82が一体型の液体吐出ヘッド1の場合、アクチュエータ部を高精度化、高密度化、及び高信頼化することで、インクカートリッジ99の歩留や信頼性を向上することができ、インクカートリッジ99の低コスト化を図ることができる。
〔液体を吐出する装置〕
本実施形態に係る液体を吐出する装置は、上述の本発明に係る液体吐出ヘッドを備えている。
また、本実施形態に係る液体を吐出する装置は、液体吐出ヘッドと液体吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクとを備える上述の液体吐出ユニットを備えている。
本実施形態の液体を吐出する装置の一例としてインクジェット記録装置を図10及び図11に示す。図10は同装置の斜視図であり、図11は同装置の機構部の構成を示す側面図である。
本実施形態に係るインクジェット記録装置90は、装置本体の内部に走査方向に移動可能なキャリッジ98と、キャリッジ98に搭載した液体吐出ヘッド1及び液体吐出ヘッド1へインクを供給するインクカートリッジ99等で構成される印字機構部91等を収納している。
図11に示すように、インクジェット記録装置90本体の下方には、用紙92を積載可能な給紙カセット(給紙トレー)93が抜き差し自在に装着されている。また、用紙92を手差しで給紙するための開閉可能な手差しトレイ94を有している。
インクジェット記録装置90は、給紙カセット93または手差しトレイ94から給送される用紙92を取り込み、印字機構部91によって所要の画像を記録した後、手差しトレイ94と対向する側に装着された排紙トレイ95に排紙する。
印字機構部91は、左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド96及び従ガイドロッド97を備え、キャリッジ98を主走査方向に摺動自在に保持する。
キャリッジ98には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液体吐出ヘッド1を、複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ98は、液体吐出ヘッド1に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ99を交換可能に装着している。
インクカートリッジ99は、上方には大気と連通する大気口が、下方には液体吐出ヘッド1へインクを供給する供給口がそれぞれ設けられている。
また、インクカートリッジ99は内部にインクが充填された多孔質体を有し、多孔質体の毛管力により液体吐出ヘッド1へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
液体吐出ヘッド1としては各色のインク滴を吐出する液体吐出ヘッドを複数用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液出ヘッドを備える態様であってもよい。
キャリッジ98は、用紙搬送方向下流側において主ガイドロッド96に摺動自在に嵌装され、用紙搬送方向上流側において従ガイドロッド97に摺動自在に載置されている。
キャリッジ98を主走査方向に移動走査させるため、主走査モーター101で回転駆動される駆動プーリ102と従動プーリ103との間にタイミングベルト104を張装し、該タイミングベルト104をキャリッジ98に固定している。主走査モーター101の正逆回転によりキャリッジ98が主走査方向に往復駆動される。
給紙カセット93にセットした用紙92を液体吐出ヘッド1の下方まで搬送するための部材として、給紙カセット93から用紙92を分離給装する給紙ローラー105及びフリクションパッド106と、用紙92を案内するガイド部材107と、給紙された用紙92を反転させて搬送する搬送ローラー108と、該搬送ローラー108の周面に押し付けられる搬送コロ109と、搬送ローラー108からの用紙92の送り出し角度を規定する先端コロ110とを有する。搬送ローラー108は副走査モーターによってギア列を介して回転駆動される。
キャリッジ98の主走査方向の移動範囲に対応し、搬送ローラー108から送り出された用紙92を液体吐出ヘッド1の下方側で案内するための用紙ガイド部材として、印写受け部材111が設けられている。
印写受け部材111の用紙搬送方向下流側には、用紙92を排紙方向へ送り出すための回転駆動される搬送コロ112と拍車113とが設けられ、さらに用紙92を排紙トレイ95に送り出す排紙ローラー114及び拍車115と、排紙経路を形成するガイド部材116,117が配設されている。
本実施形態のインクジェット記録装置90は、キャリッジ98を移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド1を駆動することにより、停止している用紙92にインクを吐出して1行分を記録し、その後、用紙92を所定量搬送して次の行の記録を行う。記録終了信号を受けるか、用紙92の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより記録動作を終了し、用紙92を排紙する。
キャリッジ98の移動方向の一方端側(図10では右端側)の記録領域を外れた位置には、液体吐出ヘッド1の吐出不良を回復するための回復装置117が配置されている。回復装置117はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。
印字待機中にキャリッジ98を回復装置117側に移動し、キャッピング手段で液体吐出ヘッド1をキャッピングして吐出口部を湿潤状態に保つことにより、インク乾燥による吐出不良を防止することができる。また、記録途中などに回復装置117において記録と関係ないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出状態を維持することができる。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で液体吐出ヘッド1の吐出口(ノズル)を密封し、吸引手段によりチューブを通して吐出口からインクや気泡等を吸出し、また吐出口面に付着したインクやゴミ等をクリーニング手段により除去することにより吐出不良の状態から回復させることができる。
吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
なお、本願において「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。上述の例の他、液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
1 液体吐出ヘッド
2 圧電体素子
3 振動板
4 加圧液室隔壁
5 加圧液室
6 ノズル
7 流体抵抗部
9 共通液体流路
40 引き出し配線
41 引き出し配線パッド
42 接続孔
45 層間絶縁膜
52 接液膜
60 貫通孔部
66 液体供給口
67 空隙部
30 貫通孔張り出し部
82 インクタンク
90 インクジェット記録装置
99 インクカートリッジ
100 アクチュエータ基板
200 サブフレーム基板
300 ノズル基板
440 液体吐出ユニット
特許第6024139号公報 特開2018-020538号公報

Claims (5)

  1. ノズルが形成されたノズル基板と、前記ノズルに通じる加圧液室及び前記加圧液室の液体を加圧する圧力発生素子を有するアクチュエータ基板と、前記アクチュエータ基板に接合され、前記圧力発生素子を収容する空隙部が形成されたサブフレーム基板と、を備え、
    前記アクチュエータ基板及び前記サブフレーム基板を貫通して形成され、前記加圧液室に外部から液体を供給するための貫通孔部を有し、
    前記貫通孔部の開口径は、前記サブフレーム基板により形成される最小径が前記アクチュエータ基板により形成される最小径よりも小さく、
    前記貫通孔部の前記サブフレーム基板の前記アクチュエータ基板に接合されていない面の開口部側からの平面視で、前記アクチュエータ基板が前記開口部の内側に突出していないことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. ノズルが形成されたノズル基板と、前記ノズルに通じる加圧液室及び前記加圧液室の液体を加圧する圧力発生素子を有するアクチュエータ基板と、前記アクチュエータ基板に接合され、前記圧力発生素子を収容する空隙部が形成されたサブフレーム基板と、を備え、
    前記アクチュエータ基板及び前記サブフレーム基板を貫通して形成され、前記加圧液室に外部から液体を供給するための貫通孔部を有し、
    前記貫通孔部の開口径は、前記サブフレーム基板により形成される最小径が前記アクチュエータ基板により形成される最小径よりも小さく、
    前記貫通孔部の垂直断面において、前記サブフレーム基板により形成される最小径の内壁面端部から前記アクチュエータ基板方向へ延長した仮想直線と、前記アクチュエータ基板とが交差しないことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを保持するキャリッジと、を備えたことを特徴とする液体吐出ユニット。
  4. 前記液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクと、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ユニット。
  5. 請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクと、を備えたことを特徴とする液体を吐出する装置。
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