JP2002361905A - インクジェット式記録装置 - Google Patents
インクジェット式記録装置Info
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- JP2002361905A JP2002361905A JP2001178483A JP2001178483A JP2002361905A JP 2002361905 A JP2002361905 A JP 2002361905A JP 2001178483 A JP2001178483 A JP 2001178483A JP 2001178483 A JP2001178483 A JP 2001178483A JP 2002361905 A JP2002361905 A JP 2002361905A
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- ink
- head
- ink jet
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 インクジェットヘッド1のノズルから吸引除
去したインクを外部に排出するインク排出チューブ15
において、インクの乾燥による目詰まりを防止し、もっ
てインクジェット式記録装置の性能および信頼性を向上
させる。 【解決手段】 インクジェットヘッド1の待機位置に、
ヘッド面を覆うキャップ13と、キャップ13に接続さ
れたインク排出チューブ15とを設ける。インク排出チ
ューブ15の排出口40を閉鎖するキャップ弁19と、
キャップ13がインクジェットヘッド1のヘッド面を覆
っていないときに当該キャップ13を塞ぐキャップ弁1
7とを備えている。
去したインクを外部に排出するインク排出チューブ15
において、インクの乾燥による目詰まりを防止し、もっ
てインクジェット式記録装置の性能および信頼性を向上
させる。 【解決手段】 インクジェットヘッド1の待機位置に、
ヘッド面を覆うキャップ13と、キャップ13に接続さ
れたインク排出チューブ15とを設ける。インク排出チ
ューブ15の排出口40を閉鎖するキャップ弁19と、
キャップ13がインクジェットヘッド1のヘッド面を覆
っていないときに当該キャップ13を塞ぐキャップ弁1
7とを備えている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット式
記録装置に関する。
記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリンタやファクシミリ等の
記録装置として、インクジェット式記録装置がよく用い
られている。インクジェット式記録装置は、多数のノズ
ルが形成されたインクジェットヘッドを備え、それらノ
ズルから吐出したインクを記録媒体に着弾させて多数の
ドットを形成し、これらドットによって文字や画像等を
形成するものである。
記録装置として、インクジェット式記録装置がよく用い
られている。インクジェット式記録装置は、多数のノズ
ルが形成されたインクジェットヘッドを備え、それらノ
ズルから吐出したインクを記録媒体に着弾させて多数の
ドットを形成し、これらドットによって文字や画像等を
形成するものである。
【0003】インクジェット式記録装置に用いられるイ
ンクとしては、記録媒体上での滲みを少なくする観点か
ら、記録媒体に着弾してから速やかに乾燥するものが好
ましい。しかし、吐出前のインクはインクジェットヘッ
ドのノズル内において空気にさらされることになるの
で、乾燥しやすいインクの場合、ノズル内で粘度が上昇
し、ノズルの目詰まりを生じやすくなる。
ンクとしては、記録媒体上での滲みを少なくする観点か
ら、記録媒体に着弾してから速やかに乾燥するものが好
ましい。しかし、吐出前のインクはインクジェットヘッ
ドのノズル内において空気にさらされることになるの
で、乾燥しやすいインクの場合、ノズル内で粘度が上昇
し、ノズルの目詰まりを生じやすくなる。
【0004】そこで、例えば特開昭52−24041号
公報に開示されているように、非記録時にノズル内のイ
ンクが空気にさらされないよう、インクジェットヘッド
のヘッド面をキャップで覆う技術が知られている。
公報に開示されているように、非記録時にノズル内のイ
ンクが空気にさらされないよう、インクジェットヘッド
のヘッド面をキャップで覆う技術が知られている。
【0005】図10に示すように、この種のインクジェ
ット式記録装置100は、キャリッジ軸102上を往復
移動するインクジェットヘッド101を備え、このイン
クジェットヘッド101から記録紙103にインクを吐
出することにより記録を行う。インクを吐出しない非記
録時には、インクジェットヘッド101はキャリッジ軸
102の一方の端部(図10における右側端部)、すな
わち待機位置に移動する。この待機位置には、インクジ
ェットヘッド101のヘッド面を覆うキャップ104が
設けられている。キャップ104には、キャップ104
内のインクを外部に排出するための排出チューブ105
が接続されている。排出チューブ105には、インクジ
ェットヘッド101から排出チューブ105にインクを
吸引するとともに、排出チューブ105から外部にイン
クを排出する吸引装置106が設けられている。
ット式記録装置100は、キャリッジ軸102上を往復
移動するインクジェットヘッド101を備え、このイン
クジェットヘッド101から記録紙103にインクを吐
出することにより記録を行う。インクを吐出しない非記
録時には、インクジェットヘッド101はキャリッジ軸
102の一方の端部(図10における右側端部)、すな
わち待機位置に移動する。この待機位置には、インクジ
ェットヘッド101のヘッド面を覆うキャップ104が
設けられている。キャップ104には、キャップ104
内のインクを外部に排出するための排出チューブ105
が接続されている。排出チューブ105には、インクジ
ェットヘッド101から排出チューブ105にインクを
吸引するとともに、排出チューブ105から外部にイン
クを排出する吸引装置106が設けられている。
【0006】非記録時には、待機位置に移動したインク
ジェットヘッド101のヘッド面にキャップ104が装
着され、吸引装置106が起動する。これにより、キャ
ップ104の内部は減圧され、キャップ104はインク
ジェットヘッド101のヘッド面に密着する。そして、
インクジェットヘッド101のヘッド面はキャップ10
4によって気密に覆われる。また、インクジェットヘッ
ド101の各ノズルに残っていたインクは、キャップ1
04内に吸い込まれる。これにより、各ノズルに残って
いた高粘度のインクは強制的に排出され、その代わりに
各ノズルには、ヘッド本体の内部から適正粘度のインク
が補給されることになる。その結果、ノズルの目詰まり
は防止される。一方、キャップ104内に吸い込まれた
インクは排出チューブ105に流れ込み、当該排出チュ
ーブ105を通って外部に排出される。
ジェットヘッド101のヘッド面にキャップ104が装
着され、吸引装置106が起動する。これにより、キャ
ップ104の内部は減圧され、キャップ104はインク
ジェットヘッド101のヘッド面に密着する。そして、
インクジェットヘッド101のヘッド面はキャップ10
4によって気密に覆われる。また、インクジェットヘッ
ド101の各ノズルに残っていたインクは、キャップ1
04内に吸い込まれる。これにより、各ノズルに残って
いた高粘度のインクは強制的に排出され、その代わりに
各ノズルには、ヘッド本体の内部から適正粘度のインク
が補給されることになる。その結果、ノズルの目詰まり
は防止される。一方、キャップ104内に吸い込まれた
インクは排出チューブ105に流れ込み、当該排出チュ
ーブ105を通って外部に排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の装置で
は、排出チューブ105内のインクおよびヘッド面を覆
っていないときのキャップ104内のインクは、常に空
気にさらされていた。そのため、長時間放置しておくと
これらのインクが乾燥して凝固し、排出チューブ105
およびキャップ104の内部において目詰まりを生じる
おそれがあった。
は、排出チューブ105内のインクおよびヘッド面を覆
っていないときのキャップ104内のインクは、常に空
気にさらされていた。そのため、長時間放置しておくと
これらのインクが乾燥して凝固し、排出チューブ105
およびキャップ104の内部において目詰まりを生じる
おそれがあった。
【0008】近年、特開平10−212439号公報等
に開示されているように、加水分解性のシラン化合物を
添加することによって耐水性を向上させた水性インクな
ど、従来よりも乾燥しやすい性質のインクもよく用いら
れるようになっている。このようなインクは、空気に触
れると比較的短い時間で凝固するため、上記目詰まりを
招きやすい。そこで、本発明者は、排出チューブ105
内およびキャップ104内におけるインクの目詰まりを
積極的に防止する新たな技術を提供することにより、イ
ンクジェット式記録装置の性能および信頼性を向上させ
ることに思い至った。
に開示されているように、加水分解性のシラン化合物を
添加することによって耐水性を向上させた水性インクな
ど、従来よりも乾燥しやすい性質のインクもよく用いら
れるようになっている。このようなインクは、空気に触
れると比較的短い時間で凝固するため、上記目詰まりを
招きやすい。そこで、本発明者は、排出チューブ105
内およびキャップ104内におけるインクの目詰まりを
積極的に防止する新たな技術を提供することにより、イ
ンクジェット式記録装置の性能および信頼性を向上させ
ることに思い至った。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、インクジェットヘッ
ドのノズルから吸引除去したインクを外部に排出する排
出経路において、インクの乾燥による目詰まりを防止
し、もってインクジェット式記録装置の性能および信頼
性を向上させることにある。
であり、その目的とするところは、インクジェットヘッ
ドのノズルから吸引除去したインクを外部に排出する排
出経路において、インクの乾燥による目詰まりを防止
し、もってインクジェット式記録装置の性能および信頼
性を向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1のインクジェット式
記録装置は、非記録時に所定の待機位置に移動するイン
クジェットヘッドと、上記インクジェットヘッドが上記
待機位置にあるときに該インクジェットヘッドのヘッド
面を覆う蓋部材と、上記蓋部材に接続され、該蓋部材の
内部空間と連続するインク排出通路を形成する通路形成
部材と、上記インクジェットヘッドが上記蓋部材に覆わ
れているときに該インクジェットヘッドから上記インク
排出通路にインクを吸引する吸引手段と、上記インク排
出通路の排出口に設けられた通路開閉手段とを備えてい
るものである。
記録装置は、非記録時に所定の待機位置に移動するイン
クジェットヘッドと、上記インクジェットヘッドが上記
待機位置にあるときに該インクジェットヘッドのヘッド
面を覆う蓋部材と、上記蓋部材に接続され、該蓋部材の
内部空間と連続するインク排出通路を形成する通路形成
部材と、上記インクジェットヘッドが上記蓋部材に覆わ
れているときに該インクジェットヘッドから上記インク
排出通路にインクを吸引する吸引手段と、上記インク排
出通路の排出口に設けられた通路開閉手段とを備えてい
るものである。
【0011】上記インクジェット式記録装置において
は、インクジェットヘッドが待機位置にあるときに、当
該ヘッドのヘッド面が蓋部材に覆われるので、ノズル内
のインクの乾燥は防止される。また、通路開閉手段がイ
ンク排出通路の排出口を閉鎖することにより、インク排
出通路の内部のインクは空気にさらされなくなる。した
がって、インク排出通路におけるインクの乾燥は防止さ
れ、インクの目詰まりは未然に防止される。
は、インクジェットヘッドが待機位置にあるときに、当
該ヘッドのヘッド面が蓋部材に覆われるので、ノズル内
のインクの乾燥は防止される。また、通路開閉手段がイ
ンク排出通路の排出口を閉鎖することにより、インク排
出通路の内部のインクは空気にさらされなくなる。した
がって、インク排出通路におけるインクの乾燥は防止さ
れ、インクの目詰まりは未然に防止される。
【0012】吸引手段によってインクジェットヘッドか
らインク排出通路にインクを吸引することにより、ノズ
ル内に残っていたインクは強制的に除去され、ノズルに
は新しいインクが補給されることになる。したがって、
空気に触れることによって粘度の上昇したインクがノズ
ル内に残留していたとしても、そのインクは強制的に除
去されるので、ノズル内の目詰まりは防止される。
らインク排出通路にインクを吸引することにより、ノズ
ル内に残っていたインクは強制的に除去され、ノズルに
は新しいインクが補給されることになる。したがって、
空気に触れることによって粘度の上昇したインクがノズ
ル内に残留していたとしても、そのインクは強制的に除
去されるので、ノズル内の目詰まりは防止される。
【0013】第2のインクジェット式記録装置は、非記
録時に所定の待機位置に移動するインクジェットヘッド
と、上記インクジェットヘッドが上記待機位置にあると
きに該インクジェットヘッドのヘッド面を覆う蓋部材
と、上記蓋部材に接続され、該蓋部材の内部空間と連続
するインク排出通路を形成する通路形成部材と、上記イ
ンクジェットヘッドが上記蓋部材に覆われているときに
該インクジェットヘッドから上記インク排出通路にイン
クを吸引する吸引手段と、上記蓋部材が上記インクジェ
ットヘッドのヘッド面を覆っていないときに該蓋部材の
開口部を塞ぐ蓋部材閉鎖手段とを備えているものであ
る。
録時に所定の待機位置に移動するインクジェットヘッド
と、上記インクジェットヘッドが上記待機位置にあると
きに該インクジェットヘッドのヘッド面を覆う蓋部材
と、上記蓋部材に接続され、該蓋部材の内部空間と連続
するインク排出通路を形成する通路形成部材と、上記イ
ンクジェットヘッドが上記蓋部材に覆われているときに
該インクジェットヘッドから上記インク排出通路にイン
クを吸引する吸引手段と、上記蓋部材が上記インクジェ
ットヘッドのヘッド面を覆っていないときに該蓋部材の
開口部を塞ぐ蓋部材閉鎖手段とを備えているものであ
る。
【0014】上記インクジェット式記録装置において
も、第1のインクジェット式記録装置と同様に、ノズル
内のインクの目詰まりは防止される。また、蓋部材がイ
ンクジェットヘッドのヘッド面を覆っていないときに、
蓋部材の開口部は蓋部材閉鎖手段によって塞がれるの
で、蓋部材の内部およびインク排出通路の内部のインク
は空気に触れることがなく、それらインクの乾燥は未然
に防止される。したがって、インクの目詰まりは防止さ
れる。
も、第1のインクジェット式記録装置と同様に、ノズル
内のインクの目詰まりは防止される。また、蓋部材がイ
ンクジェットヘッドのヘッド面を覆っていないときに、
蓋部材の開口部は蓋部材閉鎖手段によって塞がれるの
で、蓋部材の内部およびインク排出通路の内部のインク
は空気に触れることがなく、それらインクの乾燥は未然
に防止される。したがって、インクの目詰まりは防止さ
れる。
【0015】第3のインクジェット式記録装置は、第1
のインクジェット式記録装置において、蓋部材がインク
ジェットヘッドのヘッド面を覆っていないときに該蓋部
材の開口部を塞ぐ蓋部材閉鎖手段を備えているものであ
る。
のインクジェット式記録装置において、蓋部材がインク
ジェットヘッドのヘッド面を覆っていないときに該蓋部
材の開口部を塞ぐ蓋部材閉鎖手段を備えているものであ
る。
【0016】上記インクジェット式記録装置において
も、蓋部材およびインク排出通路の内部のインクは空気
に触れることがなく、インクの目詰まりは未然に防止さ
れる。
も、蓋部材およびインク排出通路の内部のインクは空気
に触れることがなく、インクの目詰まりは未然に防止さ
れる。
【0017】第4のインクジェット式記録装置は、第1
または第3のインクジェット式記録装置において、通路
開閉手段は、蓋部材がインクジェットヘッドのヘッド面
を覆っているときにインク排出通路を閉鎖するものであ
る。
または第3のインクジェット式記録装置において、通路
開閉手段は、蓋部材がインクジェットヘッドのヘッド面
を覆っているときにインク排出通路を閉鎖するものであ
る。
【0018】第5のインクジェット式記録装置は、第3
のインクジェット式記録装置において、記録時には、蓋
部材閉鎖手段によって蓋部材の開口部を塞ぐとともに、
通路開閉手段によってインク排出通路の排出口を閉鎖す
るものである。
のインクジェット式記録装置において、記録時には、蓋
部材閉鎖手段によって蓋部材の開口部を塞ぐとともに、
通路開閉手段によってインク排出通路の排出口を閉鎖す
るものである。
【0019】上記インクジェット式記録装置では、記録
時にはインクジェットヘッドからインクを吸引除去する
ことがなく、蓋部材によってインクジェットヘッドのヘ
ッド面を覆う必要がないことに鑑み、蓋部材閉鎖手段に
よって蓋部材を覆うとともに、通路開閉手段によってイ
ンク排出通路を閉鎖する。そのため、蓋部材の内部およ
びインク排出通路の内部に残ったインクは、空気にさら
されることはない。したがって、インクの目詰まりは防
止される。
時にはインクジェットヘッドからインクを吸引除去する
ことがなく、蓋部材によってインクジェットヘッドのヘ
ッド面を覆う必要がないことに鑑み、蓋部材閉鎖手段に
よって蓋部材を覆うとともに、通路開閉手段によってイ
ンク排出通路を閉鎖する。そのため、蓋部材の内部およ
びインク排出通路の内部に残ったインクは、空気にさら
されることはない。したがって、インクの目詰まりは防
止される。
【0020】第6のインクジェット式記録装置は、第1
または第3のインクジェット式記録装置において、イン
ク排出通路にインクが残留しているか否かを検知するイ
ンク残留検知手段を備え、インク排出通路内のインクを
排出するよう通路開閉手段によってインク排出通路の排
出口を開口させた後、上記インク残留検知手段によって
インク排出通路にインクが残留していないことを確認し
てから該インク排出通路の排出口を閉鎖するものであ
る。
または第3のインクジェット式記録装置において、イン
ク排出通路にインクが残留しているか否かを検知するイ
ンク残留検知手段を備え、インク排出通路内のインクを
排出するよう通路開閉手段によってインク排出通路の排
出口を開口させた後、上記インク残留検知手段によって
インク排出通路にインクが残留していないことを確認し
てから該インク排出通路の排出口を閉鎖するものであ
る。
【0021】上記インクジェット式記録装置では、イン
ク排出通路にインクが残留していないことを確認してか
らインク排出通路を閉鎖するので、残留インクによる目
詰まりは、より確実に防止される。
ク排出通路にインクが残留していないことを確認してか
らインク排出通路を閉鎖するので、残留インクによる目
詰まりは、より確実に防止される。
【0022】第7のインクジェット式記録装置は、第3
のインクジェット式記録装置において、インクジェット
ヘッドが記録を行っているときに蓋部材の開口部および
インク排出通路の排出口を開口させることによってイン
ク排出通路内のインクを排出する一方、インクの排出終
了後もインクジェットヘッドが記録を継続しているとき
には上記蓋部材の開口部および上記インク排出通路の排
出口を閉鎖するものである。
のインクジェット式記録装置において、インクジェット
ヘッドが記録を行っているときに蓋部材の開口部および
インク排出通路の排出口を開口させることによってイン
ク排出通路内のインクを排出する一方、インクの排出終
了後もインクジェットヘッドが記録を継続しているとき
には上記蓋部材の開口部および上記インク排出通路の排
出口を閉鎖するものである。
【0023】上記インクジェット式記録装置では、非記
録時にインクジェットヘッドからインク排出通路にイン
クを吸引除去しておき、記録時に蓋部材を開口させると
ともにインク排出通路の排出口を開口させることによ
り、インク排出通路のインクを外部に排出する。そし
て、外部へのインクの排出が終了しても未だインクジェ
ットヘッドが記録を行っている場合には、蓋部材を閉鎖
するとともにインク排出通路の排出口を閉鎖する。この
ことにより、蓋部材およびインク排出通路の内部にイン
クが残っていた場合であっても、そのインクが空気にさ
らされることは防止され、インクの目詰まりは防止され
る。
録時にインクジェットヘッドからインク排出通路にイン
クを吸引除去しておき、記録時に蓋部材を開口させると
ともにインク排出通路の排出口を開口させることによ
り、インク排出通路のインクを外部に排出する。そし
て、外部へのインクの排出が終了しても未だインクジェ
ットヘッドが記録を行っている場合には、蓋部材を閉鎖
するとともにインク排出通路の排出口を閉鎖する。この
ことにより、蓋部材およびインク排出通路の内部にイン
クが残っていた場合であっても、そのインクが空気にさ
らされることは防止され、インクの目詰まりは防止され
る。
【0024】第8のインクジェット式記録装置は、第1
〜第7のインクジェット式記録装置において、インクジ
ェットヘッドには、水溶性色材と、保湿剤と、浸透剤
と、水と、この水がない状態で縮合反応する水溶性物質
とを含有するインクが充填されているものである。
〜第7のインクジェット式記録装置において、インクジ
ェットヘッドには、水溶性色材と、保湿剤と、浸透剤
と、水と、この水がない状態で縮合反応する水溶性物質
とを含有するインクが充填されているものである。
【0025】第9のインクジェット式記録装置は、第8
のインクジェット式記録装置において、水溶性色材が加
水分解性シラン化合物を含んでいるものである。
のインクジェット式記録装置において、水溶性色材が加
水分解性シラン化合物を含んでいるものである。
【0026】上記インクでは、空気に触れることによっ
てインク中の水分が蒸発し、水溶性物質は水溶性色材の
分子を取り囲むように縮重合反応を行う。そのため、優
れた耐水性を発揮するものの、インクの目詰まりを生じ
やすい性質を有している。したがって、インクの目詰ま
りを防止するという上記第1〜第7の各インクジェット
式記録装置の効果は、顕著に発揮されることになる。
てインク中の水分が蒸発し、水溶性物質は水溶性色材の
分子を取り囲むように縮重合反応を行う。そのため、優
れた耐水性を発揮するものの、インクの目詰まりを生じ
やすい性質を有している。したがって、インクの目詰ま
りを防止するという上記第1〜第7の各インクジェット
式記録装置の効果は、顕著に発揮されることになる。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、インク
排出通路の排出口を閉鎖することによりインク排出通路
の内部を外気から遮断することができるので、インクの
乾燥を確実に防止することができる。また、蓋部材の開
口部を塞ぐ蓋部材閉鎖手段を備えることにより、蓋部材
がヘッド面を覆っていないときに蓋部材の内部を密閉す
ることが可能となるので、蓋部材ひいてはインク排出通
路のインクの乾燥を確実に防止することができる。イン
ク排出通路のインクを排出した後、インクが残留してい
ないことを確認してから排出口を閉鎖することにより、
インク排出通路内の目詰まりをより確実に防止すること
ができる。
排出通路の排出口を閉鎖することによりインク排出通路
の内部を外気から遮断することができるので、インクの
乾燥を確実に防止することができる。また、蓋部材の開
口部を塞ぐ蓋部材閉鎖手段を備えることにより、蓋部材
がヘッド面を覆っていないときに蓋部材の内部を密閉す
ることが可能となるので、蓋部材ひいてはインク排出通
路のインクの乾燥を確実に防止することができる。イン
ク排出通路のインクを排出した後、インクが残留してい
ないことを確認してから排出口を閉鎖することにより、
インク排出通路内の目詰まりをより確実に防止すること
ができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
に基づいて説明する。
【0029】<実施形態1> −インクジェット式記録装置− 図1に示すように、インクジェット式記録装置Aは、上
部にインクカートリッジ35が装着されたインクジェッ
トヘッド1を備えている。インクジェットヘッド1はキ
ャリッジ31に支持固定され、このキャリッジ31に
は、図示を省略するキャリッジモータが設けられてい
る。インクジェットヘッド1及びキャリッジ31は、こ
のキャリッジモータによって主走査方向(図1に示すX
方向)に延びるキャリッジ軸32にガイドされ、これに
よりインクジェットヘッド1は主走査方向に往復動する
ようになっている。キャリッジ31、キャリッジ軸32
及び上記キャリッジモータにより、インクジェットヘッ
ド1と記録紙41とを主走査方向に相対移動させる相対
移動手段が構成されている。
部にインクカートリッジ35が装着されたインクジェッ
トヘッド1を備えている。インクジェットヘッド1はキ
ャリッジ31に支持固定され、このキャリッジ31に
は、図示を省略するキャリッジモータが設けられてい
る。インクジェットヘッド1及びキャリッジ31は、こ
のキャリッジモータによって主走査方向(図1に示すX
方向)に延びるキャリッジ軸32にガイドされ、これに
よりインクジェットヘッド1は主走査方向に往復動する
ようになっている。キャリッジ31、キャリッジ軸32
及び上記キャリッジモータにより、インクジェットヘッ
ド1と記録紙41とを主走査方向に相対移動させる相対
移動手段が構成されている。
【0030】上記記録紙41は、図示を省略する搬送モ
ータによって回転駆動される2つの搬送ローラ42,4
2に挟まれていて、上記搬送モータ及び各搬送ローラ4
2により、上記インクジェットヘッド1の下側において
上記主走査方向と垂直な副走査方向(図1に示すY方
向)に搬送されるようになっている。この搬送モータ及
び各搬送ローラ42により、インクジェットヘッド1と
記録紙41とを副走査方向に相対移動させる相対移動手
段が構成されている。
ータによって回転駆動される2つの搬送ローラ42,4
2に挟まれていて、上記搬送モータ及び各搬送ローラ4
2により、上記インクジェットヘッド1の下側において
上記主走査方向と垂直な副走査方向(図1に示すY方
向)に搬送されるようになっている。この搬送モータ及
び各搬送ローラ42により、インクジェットヘッド1と
記録紙41とを副走査方向に相対移動させる相対移動手
段が構成されている。
【0031】図2に示すように(図1においては図示省
略)、キャリッジ軸32の一方の端部(図2の右側の端
部)にはインク目詰まり防止機構26が設けられ、他方
の端部(図2の左側の端部)にはインク貯留機構70が
設けられている。記録紙41の背面側には、記録紙41
を支持するための支持部材43が設けられている。イン
クジェットヘッド1にとって、この支持部材43の上方
の位置は、記録紙41に対して記録を行う位置(言い換
えると、記録紙41にインクを吐出する位置)、すなわ
ち記録位置となる。一方、インク目詰まり防止機構26
の上方の位置は、インクジェットヘッド1が記録を行わ
ない位置すなわち待機位置となる。
略)、キャリッジ軸32の一方の端部(図2の右側の端
部)にはインク目詰まり防止機構26が設けられ、他方
の端部(図2の左側の端部)にはインク貯留機構70が
設けられている。記録紙41の背面側には、記録紙41
を支持するための支持部材43が設けられている。イン
クジェットヘッド1にとって、この支持部材43の上方
の位置は、記録紙41に対して記録を行う位置(言い換
えると、記録紙41にインクを吐出する位置)、すなわ
ち記録位置となる。一方、インク目詰まり防止機構26
の上方の位置は、インクジェットヘッド1が記録を行わ
ない位置すなわち待機位置となる。
【0032】インク目詰まり防止機構26は、インクジ
ェットヘッド1のノズル14(図4〜図6参照)内のイ
ンクの粘度上昇を抑制し、ひいてはノズル14の目詰ま
りを防止するものである。インク目詰まり防止機構26
は、インクジェットヘッド1のヘッド面を気密に覆うキ
ャップ13と、キャップ13に接続されたインク排出チ
ューブ15と、インク排出チューブ15に設けられたイ
ンク吸引機構16とを備えている。インク排出チューブ
15の内部は、インクジェットヘッド1からキャップ1
3に回収したインクを外部に排出するためのインク排出
通路15aとなっている。
ェットヘッド1のノズル14(図4〜図6参照)内のイ
ンクの粘度上昇を抑制し、ひいてはノズル14の目詰ま
りを防止するものである。インク目詰まり防止機構26
は、インクジェットヘッド1のヘッド面を気密に覆うキ
ャップ13と、キャップ13に接続されたインク排出チ
ューブ15と、インク排出チューブ15に設けられたイ
ンク吸引機構16とを備えている。インク排出チューブ
15の内部は、インクジェットヘッド1からキャップ1
3に回収したインクを外部に排出するためのインク排出
通路15aとなっている。
【0033】キャップ13は、インク吸引機構16によ
ってキャップ13内部が減圧されたときにインクジェッ
トヘッド1に密着するよう、弾性体(例えばゴム)によ
って形成されている。本実施形態ではキャップ13の形
状は椀状になっているが、インクジェットヘッド1のヘ
ッド面を覆うことができればその形状は特に限定される
ものではない。キャップ13の内部には、インクジェッ
トヘッド1から吸引したインクの跳ね返りを防止するた
めのインク吸収体27が設けられている。インク吸収体
27はインクを吸収するものであればよく、例えばスポ
ンジ等を好適に用いることができる。キャップ13は、
インクジェットヘッド1のヘッド面に着脱自在なよう
に、インクジェットヘッド1の方向(図2の上下方向)
に移動可能に構成されていることが好ましい。例えば、
特開平52−24041号公報に開示されているよう
に、電磁石を利用した移動機構等を設けてもよい。
ってキャップ13内部が減圧されたときにインクジェッ
トヘッド1に密着するよう、弾性体(例えばゴム)によ
って形成されている。本実施形態ではキャップ13の形
状は椀状になっているが、インクジェットヘッド1のヘ
ッド面を覆うことができればその形状は特に限定される
ものではない。キャップ13の内部には、インクジェッ
トヘッド1から吸引したインクの跳ね返りを防止するた
めのインク吸収体27が設けられている。インク吸収体
27はインクを吸収するものであればよく、例えばスポ
ンジ等を好適に用いることができる。キャップ13は、
インクジェットヘッド1のヘッド面に着脱自在なよう
に、インクジェットヘッド1の方向(図2の上下方向)
に移動可能に構成されていることが好ましい。例えば、
特開平52−24041号公報に開示されているよう
に、電磁石を利用した移動機構等を設けてもよい。
【0034】インク吸引機構16は、キャップ13内を
減圧することによって当該キャップ13をインクジェッ
トヘッド1のヘッド面に密着させるとともに、インクジ
ェットヘッド1のノズル14内のインクを吸引除去する
ものである。図3に示すように、本実施形態に係るイン
ク吸引機構16は、いわゆる伸縮式ポンプによって構成
されており、インク排出チューブ15に接続された蛇腹
状の密閉式中空部材36と、当該中空部材36の吸入口
に設けられた吸入弁37と、当該中空部材36の排出口
に設けられた排出弁38とを備えている。この蛇腹状の
中空部材36は、図示しない往復機構によって伸縮し、
この伸縮によって容積が変化するように構成されてい
る。吸入弁37はインクを中空部材36に吸引する方向
のみに開く一方向弁からなり、排出弁38はインクを中
空部材36から排出する方向のみに開く一方向弁によっ
て構成されている。
減圧することによって当該キャップ13をインクジェッ
トヘッド1のヘッド面に密着させるとともに、インクジ
ェットヘッド1のノズル14内のインクを吸引除去する
ものである。図3に示すように、本実施形態に係るイン
ク吸引機構16は、いわゆる伸縮式ポンプによって構成
されており、インク排出チューブ15に接続された蛇腹
状の密閉式中空部材36と、当該中空部材36の吸入口
に設けられた吸入弁37と、当該中空部材36の排出口
に設けられた排出弁38とを備えている。この蛇腹状の
中空部材36は、図示しない往復機構によって伸縮し、
この伸縮によって容積が変化するように構成されてい
る。吸入弁37はインクを中空部材36に吸引する方向
のみに開く一方向弁からなり、排出弁38はインクを中
空部材36から排出する方向のみに開く一方向弁によっ
て構成されている。
【0035】図3(a)に示すように、中空部材36が
延びると、吸入弁37は開き、排出弁38は閉鎖され、
上流側のインク排出通路から中空部材36に対してイン
クが吸入される。一方、図3(b)に示すように、中空
部材36が縮むと、吸入弁37は閉じ、排出弁38は開
放され、中空部材36から下流側のインク排出通路にイ
ンクが排出される。このような吸入動作および排出動作
を繰り返すことにより、インクジェットヘッド1からイ
ンクが連続的に吸引除去されることになる。
延びると、吸入弁37は開き、排出弁38は閉鎖され、
上流側のインク排出通路から中空部材36に対してイン
クが吸入される。一方、図3(b)に示すように、中空
部材36が縮むと、吸入弁37は閉じ、排出弁38は開
放され、中空部材36から下流側のインク排出通路にイ
ンクが排出される。このような吸入動作および排出動作
を繰り返すことにより、インクジェットヘッド1からイ
ンクが連続的に吸引除去されることになる。
【0036】図2に示すように、インク排出チューブ1
5の下方には、排出したインクを貯留するインク容器2
8が設けられている。インク容器28にも、キャップ1
3と同様、排出されたインクの跳ね返りによる飛散を防
止するための吸収体29が設けられている。
5の下方には、排出したインクを貯留するインク容器2
8が設けられている。インク容器28にも、キャップ1
3と同様、排出されたインクの跳ね返りによる飛散を防
止するための吸収体29が設けられている。
【0037】キャップ13には、その開口部を開閉する
キャップ弁17が設けられている。キャップ弁17の一
端はソレノイド18に接続されており、このソレノイド
18のON/OFFによって、キャップ弁17はキャッ
プ13を開放する開位置とキャップ13を閉鎖する閉位
置との間を往復移動することになる。つまり、キャップ
弁17は開閉自在に構成されている。
キャップ弁17が設けられている。キャップ弁17の一
端はソレノイド18に接続されており、このソレノイド
18のON/OFFによって、キャップ弁17はキャッ
プ13を開放する開位置とキャップ13を閉鎖する閉位
置との間を往復移動することになる。つまり、キャップ
弁17は開閉自在に構成されている。
【0038】インク排出チューブ15の排出口40に
も、キャップ弁17と同様の構成を有するキャップ弁1
9が設けられている。すなわち、キャップ弁19の一端
にはソレノイド30が接続され、このソレノイド30の
ON/OFFによってキャップ弁19は排出口40を開
閉する。
も、キャップ弁17と同様の構成を有するキャップ弁1
9が設けられている。すなわち、キャップ弁19の一端
にはソレノイド30が接続され、このソレノイド30の
ON/OFFによってキャップ弁19は排出口40を開
閉する。
【0039】インク貯留手段70は、インク容器33
と、ソレノイド39によって往復移動自在に構成された
キャップ弁36とを備えている。インク容器33は、イ
ンクジェットヘッド1が一方の非記録位置(インクジェ
ットヘッド1が記録紙41に対してインクを吐出しない
位置)にあるときに、当該インクジェットヘッド1から
排出されるインクを受け止めるものである。このインク
容器33にも、インクの跳ね返りによる飛散を防止する
ための吸収体34が設けられている。キャップ13の吸
収体27と同様、この吸収体34にもスポンジ等を好適
に用いることができる。キャップ弁36はキャップ弁1
7と同様の構成を有しており、キャップ弁36の一端に
はソレノイド39が接続されている。つまり、このキャ
ップ弁36も開閉自在に構成されている。
と、ソレノイド39によって往復移動自在に構成された
キャップ弁36とを備えている。インク容器33は、イ
ンクジェットヘッド1が一方の非記録位置(インクジェ
ットヘッド1が記録紙41に対してインクを吐出しない
位置)にあるときに、当該インクジェットヘッド1から
排出されるインクを受け止めるものである。このインク
容器33にも、インクの跳ね返りによる飛散を防止する
ための吸収体34が設けられている。キャップ13の吸
収体27と同様、この吸収体34にもスポンジ等を好適
に用いることができる。キャップ弁36はキャップ弁1
7と同様の構成を有しており、キャップ弁36の一端に
はソレノイド39が接続されている。つまり、このキャ
ップ弁36も開閉自在に構成されている。
【0040】次に、インクジェットヘッド1の具体的構
成について説明する。図4〜図6に示すように、インク
ジェットヘッド1は、インクの供給口3a及び吐出口3
bを有する複数の圧力室4が形成されたヘッド本体2を
備えている。ヘッド本体2の各圧力室4の側壁部は、約
200μm厚の感光性ガラス製の圧力室部品6で構成さ
れている。各圧力室4の底壁部は、この圧力室部品6の
下面に接着固定されかつ6枚のステンレス鋼薄板を積層
してなるインク流路部品7で構成されている。
成について説明する。図4〜図6に示すように、インク
ジェットヘッド1は、インクの供給口3a及び吐出口3
bを有する複数の圧力室4が形成されたヘッド本体2を
備えている。ヘッド本体2の各圧力室4の側壁部は、約
200μm厚の感光性ガラス製の圧力室部品6で構成さ
れている。各圧力室4の底壁部は、この圧力室部品6の
下面に接着固定されかつ6枚のステンレス鋼薄板を積層
してなるインク流路部品7で構成されている。
【0041】圧力室部品6には、各圧力室4を区画形成
するための複数の開口3が形成されている。各開口3
は、ヘッド本体2の上面に前記主走査方向(図5の紙面
表裏方向および図6の左右方向)に延びるように開口さ
れていて、互いに前記副走査方向(図5の左右方向およ
び図6の紙面表裏方向)に略等間隔をあけた状態で並設
されている。各開口3の全長は約1250μmに、幅は
約130μmにそれぞれ設定されている。尚、各開口3
の両端部は、略半円形状をなしている。
するための複数の開口3が形成されている。各開口3
は、ヘッド本体2の上面に前記主走査方向(図5の紙面
表裏方向および図6の左右方向)に延びるように開口さ
れていて、互いに前記副走査方向(図5の左右方向およ
び図6の紙面表裏方向)に略等間隔をあけた状態で並設
されている。各開口3の全長は約1250μmに、幅は
約130μmにそれぞれ設定されている。尚、各開口3
の両端部は、略半円形状をなしている。
【0042】インク流路部品7内には、供給口3aをそ
れぞれ構成する複数のオリフィス8と、この各オリフィ
ス8に連続しかつ上記副走査方向に延びる1つの供給用
インク流路11と、吐出口3bにそれぞれ連続する複数
の吐出用インク流路12とが形成されている。
れぞれ構成する複数のオリフィス8と、この各オリフィ
ス8に連続しかつ上記副走査方向に延びる1つの供給用
インク流路11と、吐出口3bにそれぞれ連続する複数
の吐出用インク流路12とが形成されている。
【0043】各オリフィス8は、インク流路部品7を構
成する6枚のステンレス鋼薄板のうちで板厚が他よりも
小さい上から2番目のステンレス鋼薄板に形成されてお
り、その径は約38μmに設定されている。また、供給
用インク流路11は前記インクカートリッジ35と連通
しており、このインクカートリッジ35から供給用イン
ク流路11内にインクが供給されるようになっている。
成する6枚のステンレス鋼薄板のうちで板厚が他よりも
小さい上から2番目のステンレス鋼薄板に形成されてお
り、その径は約38μmに設定されている。また、供給
用インク流路11は前記インクカートリッジ35と連通
しており、このインクカートリッジ35から供給用イン
ク流路11内にインクが供給されるようになっている。
【0044】インク流路部品7の下面には、インク滴を
記録紙41に向けて吐出するための複数のノズル14が
形成されたステンレス鋼製のノズル板9が接着固定され
ている。このノズル板9の下面は、撥水膜9aで被覆さ
れている。各ノズル14は、吐出用インク流路12に連
続しており、この吐出用インク流路12を介して圧力室
4に連通している。ノズル14は、インクジェットヘッ
ド1の下面において、上記副走査方向に列状に並ぶよう
に設けられている。尚、各ノズル14は、ノズル径がノ
ズル先端側に向かって小さくなるテーパ部と、このテー
パ部のノズル先端側に設けられたストレート部とからな
り、このストレート部のノズル径は約20μmに設定さ
れている。
記録紙41に向けて吐出するための複数のノズル14が
形成されたステンレス鋼製のノズル板9が接着固定され
ている。このノズル板9の下面は、撥水膜9aで被覆さ
れている。各ノズル14は、吐出用インク流路12に連
続しており、この吐出用インク流路12を介して圧力室
4に連通している。ノズル14は、インクジェットヘッ
ド1の下面において、上記副走査方向に列状に並ぶよう
に設けられている。尚、各ノズル14は、ノズル径がノ
ズル先端側に向かって小さくなるテーパ部と、このテー
パ部のノズル先端側に設けられたストレート部とからな
り、このストレート部のノズル径は約20μmに設定さ
れている。
【0045】ヘッド本体2の各開口3の上側には、圧電
アクチュエータ21が設けられている。圧電アクチュエ
ータ21は、ヘッド本体2の上面に接着固定された状態
でヘッド本体2の開口3を塞いでおり、当該開口3と共
に圧力室4を構成するCr製振動板22を有している。
振動板22は、全ての圧力室4を覆う1枚の薄膜からな
っていて、後述する圧電素子23の全てに共通する共通
電極としての役割をも果たしている。
アクチュエータ21が設けられている。圧電アクチュエ
ータ21は、ヘッド本体2の上面に接着固定された状態
でヘッド本体2の開口3を塞いでおり、当該開口3と共
に圧力室4を構成するCr製振動板22を有している。
振動板22は、全ての圧力室4を覆う1枚の薄膜からな
っていて、後述する圧電素子23の全てに共通する共通
電極としての役割をも果たしている。
【0046】圧電アクチュエータ21は、圧電素子23
とPt製の個別電極24とを有している。圧電素子23
はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなっており、振
動板22の上側にCu製の中間層25を介してそれぞれ
設けられている。そして、各圧電素子23は、振動板2
2の圧力室4と反対側の面(上面)において、圧力室4
に対応する部分(開口3に対向する部分)に位置してい
る。個別電極24は、振動板22と共に圧電素子23に
電圧(駆動電圧)をそれぞれ印加するものである。
とPt製の個別電極24とを有している。圧電素子23
はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなっており、振
動板22の上側にCu製の中間層25を介してそれぞれ
設けられている。そして、各圧電素子23は、振動板2
2の圧力室4と反対側の面(上面)において、圧力室4
に対応する部分(開口3に対向する部分)に位置してい
る。個別電極24は、振動板22と共に圧電素子23に
電圧(駆動電圧)をそれぞれ印加するものである。
【0047】上記振動板22、圧電素子23、個別電極
24及び中間層25は、全て薄膜で形成されており、振
動板22の厚みは約6μmに、圧電素子23の厚みは8
μm以下(例えば約3μm)に、個別電極24の厚みは
約0.2μmに、中間層25の厚みは約3μmにそれぞ
れ設定されている。
24及び中間層25は、全て薄膜で形成されており、振
動板22の厚みは約6μmに、圧電素子23の厚みは8
μm以下(例えば約3μm)に、個別電極24の厚みは
約0.2μmに、中間層25の厚みは約3μmにそれぞ
れ設定されている。
【0048】圧電アクチュエータ21は、振動板22な
いし中間層25と個別電極24とを介して圧電素子23
に駆動電圧を印加し、振動板22の圧力室4に対応する
部分を変形させる。これにより、圧力室4内のインクは
ノズル14から吐出される。具体的には、振動板22と
個別電極24との間にパルス状の電圧が印加されるが、
そのパルス波形のうちの立ち上がり部分の波形の印加電
圧を受けると、圧電素子23は圧電効果によってその厚
み方向と垂直な幅方向に収縮する。これに対し、振動板
22、個別電極24及び中間層25は収縮しないので、
いわゆるバイメタル効果により、振動板22の圧力室4
に対応する部分は圧力室4側へ凸状に撓んで変形する。
この撓み変形により圧力室4内には圧力が生じ、圧力室
4内のインクが吐出口3b及び吐出用インク流路12を
経由して、ノズル14よりインク滴として記録紙41へ
吐出される。ノズル14から吐出されたインク滴は記録
紙41に着弾し、当該記録紙41上にインクドットを形
成する。そして、上記パルス電圧のうちの立ち下がり波
形の電圧を受けることによって、圧電素子23は伸長
し、振動板22の圧力室4に対応する部分は元の状態に
復帰する。このとき、圧力室4内には上記インクカート
リッジ35から供給用インク流路11及び供給口3aを
通じてインクが充填される。なお、各圧電素子23に印
加される駆動電圧は、上記のようないわゆる押し引きタ
イプのものでなくてもよく、例えば第1の電圧から該第
1の電圧よりも低い第2の電圧まで立ち下がった後に上
記第1の電圧まで立ち上がるいわゆる引き押しタイプ
等、他の波形を有する駆動電圧であってもよい。
いし中間層25と個別電極24とを介して圧電素子23
に駆動電圧を印加し、振動板22の圧力室4に対応する
部分を変形させる。これにより、圧力室4内のインクは
ノズル14から吐出される。具体的には、振動板22と
個別電極24との間にパルス状の電圧が印加されるが、
そのパルス波形のうちの立ち上がり部分の波形の印加電
圧を受けると、圧電素子23は圧電効果によってその厚
み方向と垂直な幅方向に収縮する。これに対し、振動板
22、個別電極24及び中間層25は収縮しないので、
いわゆるバイメタル効果により、振動板22の圧力室4
に対応する部分は圧力室4側へ凸状に撓んで変形する。
この撓み変形により圧力室4内には圧力が生じ、圧力室
4内のインクが吐出口3b及び吐出用インク流路12を
経由して、ノズル14よりインク滴として記録紙41へ
吐出される。ノズル14から吐出されたインク滴は記録
紙41に着弾し、当該記録紙41上にインクドットを形
成する。そして、上記パルス電圧のうちの立ち下がり波
形の電圧を受けることによって、圧電素子23は伸長
し、振動板22の圧力室4に対応する部分は元の状態に
復帰する。このとき、圧力室4内には上記インクカート
リッジ35から供給用インク流路11及び供給口3aを
通じてインクが充填される。なお、各圧電素子23に印
加される駆動電圧は、上記のようないわゆる押し引きタ
イプのものでなくてもよく、例えば第1の電圧から該第
1の電圧よりも低い第2の電圧まで立ち下がった後に上
記第1の電圧まで立ち上がるいわゆる引き押しタイプ
等、他の波形を有する駆動電圧であってもよい。
【0049】上記各圧電素子23への駆動電圧の印加
は、インクジェットヘッド1の記録時に行われる。すな
わち、上記駆動電圧の印加は、インクジェットヘッド1
及びキャリッジ31を主走査方向に略一定速度で移動さ
せているときに、所定時間(例えば50μs程度:駆動
周波数20kHz)毎に行われる。そして、1走査分の
記録が終了すると、前記搬送モータ及び各搬送ローラ4
2によって記録紙41を副走査方向に所定量搬送し、再
度、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走
査方向に移動させながらインク滴を吐出させ、新たな1
走査分の記録を行う。このような動作を繰り返すことに
よって、記録紙41の全体に所望の画像を形成する。
は、インクジェットヘッド1の記録時に行われる。すな
わち、上記駆動電圧の印加は、インクジェットヘッド1
及びキャリッジ31を主走査方向に略一定速度で移動さ
せているときに、所定時間(例えば50μs程度:駆動
周波数20kHz)毎に行われる。そして、1走査分の
記録が終了すると、前記搬送モータ及び各搬送ローラ4
2によって記録紙41を副走査方向に所定量搬送し、再
度、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走
査方向に移動させながらインク滴を吐出させ、新たな1
走査分の記録を行う。このような動作を繰り返すことに
よって、記録紙41の全体に所望の画像を形成する。
【0050】本インクジェット式記録装置Aに用いられ
るインクは、水溶性色材と、保湿剤と、浸透剤と、水
と、この水がない状態で縮重合反応する水溶性物質とを
含有している。本実施形態では、縮重合反応する水溶性
物質として、加水分解性の有機ケイ素化合物(加水分解
性シラン)を用いている。また、水溶性色材としては、
水溶性染料または顔料等を好適に用いることができ、本
実施形態では、水溶性染料を使用している。
るインクは、水溶性色材と、保湿剤と、浸透剤と、水
と、この水がない状態で縮重合反応する水溶性物質とを
含有している。本実施形態では、縮重合反応する水溶性
物質として、加水分解性の有機ケイ素化合物(加水分解
性シラン)を用いている。また、水溶性色材としては、
水溶性染料または顔料等を好適に用いることができ、本
実施形態では、水溶性染料を使用している。
【0051】加水分解性シラン化合物としては、例え
ば、アミノ基を有する有機基を含有するアルコキシシラ
ンとアミノ基を含有しないアルコキシシランとの加水分
解反応物や、アミノ基を含有する加水分解性シランに有
機モノエポキシ化合物を反応させた加水分解性シランと
窒素原子を含有しない加水分解性シランとを加水分解す
ることにより得られる有機ケイ素化合物、等を好適に用
いることができる。
ば、アミノ基を有する有機基を含有するアルコキシシラ
ンとアミノ基を含有しないアルコキシシランとの加水分
解反応物や、アミノ基を含有する加水分解性シランに有
機モノエポキシ化合物を反応させた加水分解性シランと
窒素原子を含有しない加水分解性シランとを加水分解す
ることにより得られる有機ケイ素化合物、等を好適に用
いることができる。
【0052】上記水溶性染料には、例えば、酸性染料や
直接染料等を好適に用いることができる。一般に、水溶
性染料は疎水基と親水基とを有しており、親水基は染料
の種類によって異なるが、例えば、−SO3H、−SO3
M、−OSO3H、−OSO3M、−COOH、−COO
M、−NR3X、−OH、−NH2、−NHCONH2、
−(OCH2CH2)n(ただし、Mはアルカリ金属また
は−NH4、Rはアルキル基、Xはハロゲン)等が親水
基となり得る。
直接染料等を好適に用いることができる。一般に、水溶
性染料は疎水基と親水基とを有しており、親水基は染料
の種類によって異なるが、例えば、−SO3H、−SO3
M、−OSO3H、−OSO3M、−COOH、−COO
M、−NR3X、−OH、−NH2、−NHCONH2、
−(OCH2CH2)n(ただし、Mはアルカリ金属また
は−NH4、Rはアルキル基、Xはハロゲン)等が親水
基となり得る。
【0053】上記保湿剤には、グリセリン等の多価アル
コールや、水溶性の窒素複素環化合物等を好適に用いる
ことができる。
コールや、水溶性の窒素複素環化合物等を好適に用いる
ことができる。
【0054】上記浸透剤には、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル等のような、多価アルコールのモノア
ルキルエーテル等を好適に用いることができる。なお、
多価アルコールのモノアルキルエーテルの含有量は、イ
ンク全体に対して、質量百分率で1〜50%であること
が好ましい。これは、1%よりも少ないとインクを記録
紙41へ浸透させる効果が十分に得られない一方、50
%よりも多いと染料及びシラン化合物の水に対する溶解
性が悪化するからである。
ノブチルエーテル等のような、多価アルコールのモノア
ルキルエーテル等を好適に用いることができる。なお、
多価アルコールのモノアルキルエーテルの含有量は、イ
ンク全体に対して、質量百分率で1〜50%であること
が好ましい。これは、1%よりも少ないとインクを記録
紙41へ浸透させる効果が十分に得られない一方、50
%よりも多いと染料及びシラン化合物の水に対する溶解
性が悪化するからである。
【0055】上記シラン化合物は、インクの耐水性を向
上させる働きをするものである。すなわち、インクジェ
ットヘッド1から吐出されたインク滴が記録紙41に付
着すると、そのインク滴中の水が蒸発したり記録紙41
内に浸透したりすることにより、インク滴中のシラン化
合物は縮重合反応を行い、このときに染料分子の一部ま
たは全部を取り囲む。このことにより、記録紙41上の
画像が水に濡れたとしても、水中に染料が染み出すこと
は防止される。
上させる働きをするものである。すなわち、インクジェ
ットヘッド1から吐出されたインク滴が記録紙41に付
着すると、そのインク滴中の水が蒸発したり記録紙41
内に浸透したりすることにより、インク滴中のシラン化
合物は縮重合反応を行い、このときに染料分子の一部ま
たは全部を取り囲む。このことにより、記録紙41上の
画像が水に濡れたとしても、水中に染料が染み出すこと
は防止される。
【0056】しかし、上記シラン化合物は水がない状態
で縮重合反応を行うため、上記インクが空気に触れる
と、インク中の水が蒸発し、一部のシラン化合物は縮重
合反応を行う。その結果、インクの粘度は上昇する。こ
のようにインクの粘度が高くなると、インクジェットヘ
ッド1の吐出性能は低下し、ひいてはノズル14の目詰
まりを生じやすくなる。そこで、本インクジェット式記
録装置Aは、ノズル14内が常に適正粘度のインクで充
填されるように、以下に説明する吸引除去動作および吐
出除去動作を実行するように構成されている。
で縮重合反応を行うため、上記インクが空気に触れる
と、インク中の水が蒸発し、一部のシラン化合物は縮重
合反応を行う。その結果、インクの粘度は上昇する。こ
のようにインクの粘度が高くなると、インクジェットヘ
ッド1の吐出性能は低下し、ひいてはノズル14の目詰
まりを生じやすくなる。そこで、本インクジェット式記
録装置Aは、ノズル14内が常に適正粘度のインクで充
填されるように、以下に説明する吸引除去動作および吐
出除去動作を実行するように構成されている。
【0057】−吸引除去動作− 吸引除去動作は、インクジェットヘッド1が記録を行わ
ない非記録時に行われるものである。インクジェットヘ
ッド1は、プリンタ本体側から記録データを受け取って
一連の印字または印画動作を実行した後、記録位置から
インク目詰まり防止機構26側の待機位置に向かって移
動する。この際、記録時には閉じていたキャップ弁17
が開位置(図2の右側の位置)に移動し、キャップ13
の開口部は開放される。そして、インクジェットヘッド
1が上記待機位置に到達すると、この待機位置において
インクジェットヘッド1のヘッド面はキャップ13に覆
われる。その後、インク吸引機構16が起動し、キャッ
プ13の内部は減圧される。これにより、キャップ13
とインクジェットヘッド1のヘッド面とが密着するとと
もに、インクジェットヘッド1の各ノズル14に残留し
ていたインクは、キャップ13の内部に向かって吸引除
去される。したがって、たとえインクジェットヘッド1
のノズル14内に高粘度のインクが残留していたとして
も、当該インクは強制的に除去され、その代わりにノズ
ル14内には圧力室4から適正粘度のインクが補給され
ることになる。このようなインクの吸引除去動作は、所
定時間の間行われる。
ない非記録時に行われるものである。インクジェットヘ
ッド1は、プリンタ本体側から記録データを受け取って
一連の印字または印画動作を実行した後、記録位置から
インク目詰まり防止機構26側の待機位置に向かって移
動する。この際、記録時には閉じていたキャップ弁17
が開位置(図2の右側の位置)に移動し、キャップ13
の開口部は開放される。そして、インクジェットヘッド
1が上記待機位置に到達すると、この待機位置において
インクジェットヘッド1のヘッド面はキャップ13に覆
われる。その後、インク吸引機構16が起動し、キャッ
プ13の内部は減圧される。これにより、キャップ13
とインクジェットヘッド1のヘッド面とが密着するとと
もに、インクジェットヘッド1の各ノズル14に残留し
ていたインクは、キャップ13の内部に向かって吸引除
去される。したがって、たとえインクジェットヘッド1
のノズル14内に高粘度のインクが残留していたとして
も、当該インクは強制的に除去され、その代わりにノズ
ル14内には圧力室4から適正粘度のインクが補給され
ることになる。このようなインクの吸引除去動作は、所
定時間の間行われる。
【0058】なお、上記吸引除去動作は、記録動作の合
間に限らず、インクジェット式記録装置Aの電源が消去
されるときまたは電源投入直後に行ってもよく、非記録
時であれば、実行時期は特に限定されるものではない。
間に限らず、インクジェット式記録装置Aの電源が消去
されるときまたは電源投入直後に行ってもよく、非記録
時であれば、実行時期は特に限定されるものではない。
【0059】上記吸引除去動作を終了した後、プリンタ
本体からインクジェットヘッド1に新たな記録データが
送られてくると、インクジェットヘッド1は上記待機位
置から記録位置に移動し、記録動作を再開する。この
際、キャップ弁17は閉位置(図2における左側の位
置)に移動し、キャップ13の開口部はキャップ弁17
によって閉鎖される。
本体からインクジェットヘッド1に新たな記録データが
送られてくると、インクジェットヘッド1は上記待機位
置から記録位置に移動し、記録動作を再開する。この
際、キャップ弁17は閉位置(図2における左側の位
置)に移動し、キャップ13の開口部はキャップ弁17
によって閉鎖される。
【0060】インクジェットヘッド1から吸引除去され
たインクは、そのままではインク排出チューブ15の内
部に蓄積されていく。そこで、インク排出チューブ15
にインクが溜まると、キャップ13のキャップ弁17お
よびインク排出チューブ15のキャップ弁19を開放
し、その状態でインク吸引機構16を起動する。これに
より、インク排出チューブ15内のインクの一部または
全部は、速やかにインク容器28に回収されることにな
る。このようにインク排出チューブ15内のインクを一
定時間排出した後は、インク排出チューブ15に残留し
たインクが空気に触れないようにキャップ弁17および
キャップ弁19を閉じ、インク排出チューブ15内(す
なわちインク排出通路15a)を密閉状態にする。
たインクは、そのままではインク排出チューブ15の内
部に蓄積されていく。そこで、インク排出チューブ15
にインクが溜まると、キャップ13のキャップ弁17お
よびインク排出チューブ15のキャップ弁19を開放
し、その状態でインク吸引機構16を起動する。これに
より、インク排出チューブ15内のインクの一部または
全部は、速やかにインク容器28に回収されることにな
る。このようにインク排出チューブ15内のインクを一
定時間排出した後は、インク排出チューブ15に残留し
たインクが空気に触れないようにキャップ弁17および
キャップ弁19を閉じ、インク排出チューブ15内(す
なわちインク排出通路15a)を密閉状態にする。
【0061】−吐出除去動作− 一方、吐出除去動作は、インクジェットヘッド1が記録
動作を行っているときに行われる。インクジェットヘッ
ド1はキャリッジ軸32に沿って往復移動しながら記録
を行うが、一往復する度にインク容器33側の非記録位
置に移動する。記録紙41に記録を行うときには、イン
クジェットヘッド1の所定のノズル14からインクが吐
出され、インクが吐出された後のノズル14には、圧力
室4からインクが補給される。しかし、印字または印画
データの内容によっては、専ら特定のノズルだけからイ
ンクを吐出し、それ以外のノズルからは、ある程度の時
間インクを吐出しない場合もある。つまり、数あるノズ
ルのなかには、所定時間インクを吐出しないノズルも存
在する。このようなノズル内のインクは、ある程度の時
間空気にさらされることになり、その結果、粘度が上昇
する。しかし、ノズル内のインクの粘度が上昇すると、
インク吐出時に所定の飛翔特性を有するインク滴を形成
することが難しくなり、良好な記録を行うことが困難に
なる。
動作を行っているときに行われる。インクジェットヘッ
ド1はキャリッジ軸32に沿って往復移動しながら記録
を行うが、一往復する度にインク容器33側の非記録位
置に移動する。記録紙41に記録を行うときには、イン
クジェットヘッド1の所定のノズル14からインクが吐
出され、インクが吐出された後のノズル14には、圧力
室4からインクが補給される。しかし、印字または印画
データの内容によっては、専ら特定のノズルだけからイ
ンクを吐出し、それ以外のノズルからは、ある程度の時
間インクを吐出しない場合もある。つまり、数あるノズ
ルのなかには、所定時間インクを吐出しないノズルも存
在する。このようなノズル内のインクは、ある程度の時
間空気にさらされることになり、その結果、粘度が上昇
する。しかし、ノズル内のインクの粘度が上昇すると、
インク吐出時に所定の飛翔特性を有するインク滴を形成
することが難しくなり、良好な記録を行うことが困難に
なる。
【0062】そこで、本インクジェット式記録装置Aで
は、インクジェットヘッド1が上記非記録位置に来たと
きに、すべてのノズルからインクを強制的に吐出するよ
うにしている。これにより、インクの粘度が上昇してい
るノズルがあったとしても、そのインクは一定時間経過
後には確実に排出されるので、粘度の高いインクがノズ
ル内に長時間残留することは防止される。
は、インクジェットヘッド1が上記非記録位置に来たと
きに、すべてのノズルからインクを強制的に吐出するよ
うにしている。これにより、インクの粘度が上昇してい
るノズルがあったとしても、そのインクは一定時間経過
後には確実に排出されるので、粘度の高いインクがノズ
ル内に長時間残留することは防止される。
【0063】具体的には、記録時にはインク容器33の
キャップ弁36が開き、インクジェットヘッド1は、上
記非記録位置に来る度に全ノズルからインクを吐出す
る。吐出されたインクはインク容器33に回収され、そ
の内部に設けられた吸収体34に吸収される。記録動作
が終了すると、インク容器33の吸収体34のインクが
長時間空気に触れ続けないように、キャップ弁36は閉
鎖される。
キャップ弁36が開き、インクジェットヘッド1は、上
記非記録位置に来る度に全ノズルからインクを吐出す
る。吐出されたインクはインク容器33に回収され、そ
の内部に設けられた吸収体34に吸収される。記録動作
が終了すると、インク容器33の吸収体34のインクが
長時間空気に触れ続けないように、キャップ弁36は閉
鎖される。
【0064】なお、キャップ弁36の開閉動作は、イン
クジェットヘッド1が上記非記録位置と記録位置とを移
動する度ごとに行ってもよい。また、このような吐出除
去動作は、インクジェットヘッド1が1往復する度ごと
に行ってもよいが、2または3以上の往復動作ごとに行
ってもよい。
クジェットヘッド1が上記非記録位置と記録位置とを移
動する度ごとに行ってもよい。また、このような吐出除
去動作は、インクジェットヘッド1が1往復する度ごと
に行ってもよいが、2または3以上の往復動作ごとに行
ってもよい。
【0065】以上のように、本実施形態によれば、キャ
ップ13がインクジェットヘッド1のヘッド面を覆って
いないときは、キャップ13をキャップ弁17によって
閉鎖し、キャップ13の吸収体27に吸収されているイ
ンクを空気に触れさせないようにしたので、吸収体27
におけるインクの粘度上昇および乾燥を防止することが
できる。そのため、キャップ13の内部におけるインク
の目詰まりを未然に防止することができる。
ップ13がインクジェットヘッド1のヘッド面を覆って
いないときは、キャップ13をキャップ弁17によって
閉鎖し、キャップ13の吸収体27に吸収されているイ
ンクを空気に触れさせないようにしたので、吸収体27
におけるインクの粘度上昇および乾燥を防止することが
できる。そのため、キャップ13の内部におけるインク
の目詰まりを未然に防止することができる。
【0066】また、インク排出チューブ15からインク
を排出していないときには、インク排出チューブ15の
排出口40をキャップ弁19で閉鎖することとしたの
で、インク排出チューブ15内のインクが空気に触れる
ことを防止することができる。そのため、インク排出チ
ューブ15内におけるインクの乾燥を回避することがで
き、インク排出チューブ15の目詰まりを未然に防止す
ることができる。
を排出していないときには、インク排出チューブ15の
排出口40をキャップ弁19で閉鎖することとしたの
で、インク排出チューブ15内のインクが空気に触れる
ことを防止することができる。そのため、インク排出チ
ューブ15内におけるインクの乾燥を回避することがで
き、インク排出チューブ15の目詰まりを未然に防止す
ることができる。
【0067】インク容器33の吸収体34のインクが長
時間空気に触れ続けると、インクの凝固によって吸収体
34の表面側に膜が形成され、新たにインク容器33に
回収されたインクは、この膜に邪魔されて吸収体34の
内部にまで浸透しなくなる。そのため、インク容器33
の吸収体34に膜が形成されると、予定していた所定量
のインクを蓄えることができなくなり、インク容器33
からインクがあふれ出すおそれがある。しかし、本実施
形態によれば、インク容器33にキャップ弁36を設
け、インク容器33にインクを回収しないときには当該
キャップ弁36によってインク容器33を密閉すること
としたので、吸収体34にインクの膜が形成されること
はなく、インク容器33からのインクの溢れ出しは防止
される。
時間空気に触れ続けると、インクの凝固によって吸収体
34の表面側に膜が形成され、新たにインク容器33に
回収されたインクは、この膜に邪魔されて吸収体34の
内部にまで浸透しなくなる。そのため、インク容器33
の吸収体34に膜が形成されると、予定していた所定量
のインクを蓄えることができなくなり、インク容器33
からインクがあふれ出すおそれがある。しかし、本実施
形態によれば、インク容器33にキャップ弁36を設
け、インク容器33にインクを回収しないときには当該
キャップ弁36によってインク容器33を密閉すること
としたので、吸収体34にインクの膜が形成されること
はなく、インク容器33からのインクの溢れ出しは防止
される。
【0068】−変形例− インク吸引機構は上記実施形態のインク吸引機構16に
限定されるものではなく、他の形態の吸引機構であって
もよい。例えば、図7に示すようなインク吸引機構16
aを用いてもよい。このインク吸引機構16aは、イン
ク排出チューブ15の片方の側面に固定された固定板4
4と、長円形の回転円板45とを備えている。固定板4
4は、インク排出チューブ15の長手方向(図7の上下
方向)に延びており、当該長手方向に直交する方向(図
7の左右方向)に膨出するように湾曲している。回転円
板45は、インク排出チューブ15の非固定部分を上側
から下側に(つまり、インク排出通路15aの下流側
に)送り出すように押さえつけながら回転するように構
成されている。したがって、このインク吸引機構16a
では、回転円板45の回転によってインク排出チューブ
15のインクが下流側に押し流され、それによってイン
クの吸引除去が行われる。
限定されるものではなく、他の形態の吸引機構であって
もよい。例えば、図7に示すようなインク吸引機構16
aを用いてもよい。このインク吸引機構16aは、イン
ク排出チューブ15の片方の側面に固定された固定板4
4と、長円形の回転円板45とを備えている。固定板4
4は、インク排出チューブ15の長手方向(図7の上下
方向)に延びており、当該長手方向に直交する方向(図
7の左右方向)に膨出するように湾曲している。回転円
板45は、インク排出チューブ15の非固定部分を上側
から下側に(つまり、インク排出通路15aの下流側
に)送り出すように押さえつけながら回転するように構
成されている。したがって、このインク吸引機構16a
では、回転円板45の回転によってインク排出チューブ
15のインクが下流側に押し流され、それによってイン
クの吸引除去が行われる。
【0069】キャップ13はインクジェットヘッド1の
ヘッド面を気密に覆うものであればよく、キャップ弁1
7はキャップ13の開口部を開閉するものであればよ
く、それらの構成は特に限定されるわけではない。例え
ば、キャップ13、キャップ弁17およびソレノイド1
8の代わりに、図8に示すような以下の構成を用いても
よい。
ヘッド面を気密に覆うものであればよく、キャップ弁1
7はキャップ13の開口部を開閉するものであればよ
く、それらの構成は特に限定されるわけではない。例え
ば、キャップ13、キャップ弁17およびソレノイド1
8の代わりに、図8に示すような以下の構成を用いても
よい。
【0070】すなわち、図8に示すように本変形例は、
側面の一部に開口52が形成された第1円筒部材46
と、側面の一部に開口48が形成された第2円筒部材4
7と、回転モータ49とを備えている。両円筒部材4
6,47は、一端が開口され、他端は閉鎖面53によっ
て塞がれている。両円筒部材46,47は、互いの開口
端同士が対向するように配置され、第1円筒部材46の
一部は第2円筒部材47の内部にはめ込まれている。第
1円筒部材46の閉鎖面53側の側面には、回転モータ
49の回転軸に固定された回転ローラ50が設けられて
いる。この回転ローラ50は第1円筒部材46を回転さ
せるものであり、第1円筒部材46の側面に接触してい
る。つまり、第1円筒部材46は回転自在に構成されて
いる。
側面の一部に開口52が形成された第1円筒部材46
と、側面の一部に開口48が形成された第2円筒部材4
7と、回転モータ49とを備えている。両円筒部材4
6,47は、一端が開口され、他端は閉鎖面53によっ
て塞がれている。両円筒部材46,47は、互いの開口
端同士が対向するように配置され、第1円筒部材46の
一部は第2円筒部材47の内部にはめ込まれている。第
1円筒部材46の閉鎖面53側の側面には、回転モータ
49の回転軸に固定された回転ローラ50が設けられて
いる。この回転ローラ50は第1円筒部材46を回転さ
せるものであり、第1円筒部材46の側面に接触してい
る。つまり、第1円筒部材46は回転自在に構成されて
いる。
【0071】第2円筒部材47は、開口48が上向きに
開口するような状態に固定されている。そして、回転ロ
ーラ49および回転ローラ50によって第1円筒部材4
6を回転させることにより、第1円筒部材46の開口5
2と第2円筒部材47の開口48とが重なった開状態
と、それら開口48,52が重ならない閉状態とに切り
替えられる。したがって、回転モータ49および回転ロ
ーラ50は、円筒部材46,47の開口を開閉する開閉
手段を構成している。図示は省略するが、これら円筒部
材46,47の内部には、前述の吸収体27と同様のイ
ンク吸収体が設けられている。円筒部材47の閉鎖面5
3には、インク排出チューブ(図示せず)に接続された
インク排出口51が形成されている。
開口するような状態に固定されている。そして、回転ロ
ーラ49および回転ローラ50によって第1円筒部材4
6を回転させることにより、第1円筒部材46の開口5
2と第2円筒部材47の開口48とが重なった開状態
と、それら開口48,52が重ならない閉状態とに切り
替えられる。したがって、回転モータ49および回転ロ
ーラ50は、円筒部材46,47の開口を開閉する開閉
手段を構成している。図示は省略するが、これら円筒部
材46,47の内部には、前述の吸収体27と同様のイ
ンク吸収体が設けられている。円筒部材47の閉鎖面5
3には、インク排出チューブ(図示せず)に接続された
インク排出口51が形成されている。
【0072】インクジェットヘッド1の吸引除去動作の
際には、円筒部材46,47が上記開状態に切り替えら
れる。そして、インクジェットヘッド1のヘッド面が開
口48,52に臨むような位置において、上記ヘッド面
は円筒部材46,47によって覆われる。そして、前述
した吸引除去動作が実行される。吸引除去動作を終了す
ると、円筒部材46,47は上記閉状態に切り替えられ
る。これにより、円筒部材46,47の内部は閉鎖さ
れ、インクの乾燥は防止される。
際には、円筒部材46,47が上記開状態に切り替えら
れる。そして、インクジェットヘッド1のヘッド面が開
口48,52に臨むような位置において、上記ヘッド面
は円筒部材46,47によって覆われる。そして、前述
した吸引除去動作が実行される。吸引除去動作を終了す
ると、円筒部材46,47は上記閉状態に切り替えられ
る。これにより、円筒部材46,47の内部は閉鎖さ
れ、インクの乾燥は防止される。
【0073】<実施形態2>実施形態1では、インク排
出チューブ15からインク容器28へのインクの回収
を、予め定められた所定時間だけ行っていた。しかし、
インクジェットヘッド1からインク排出チューブ15に
吸引除去されたインクの量が多いときには、回収動作を
所定時間行っただけでは、インク排出チューブ15内の
すべてのインクを回収することができない場合も考えら
れる。そのため、インク排出チューブ15の目詰まりを
より確実に防止するためには、インク排出チューブ15
にインクが残留しているか否かを検知し、インクが残留
していないことを確認してから回収動作を終了すること
が好ましい。
出チューブ15からインク容器28へのインクの回収
を、予め定められた所定時間だけ行っていた。しかし、
インクジェットヘッド1からインク排出チューブ15に
吸引除去されたインクの量が多いときには、回収動作を
所定時間行っただけでは、インク排出チューブ15内の
すべてのインクを回収することができない場合も考えら
れる。そのため、インク排出チューブ15の目詰まりを
より確実に防止するためには、インク排出チューブ15
にインクが残留しているか否かを検知し、インクが残留
していないことを確認してから回収動作を終了すること
が好ましい。
【0074】そこで、本実施形態のインクジェット式記
録装置では、インク排出チューブ15を透明または半透
明の材料で形成し、図9に示すように、インク排出チュ
ーブ15の先端側すなわち排出口40の近傍に、インク
残留検知手段としてフォトカプラ54を設けることとし
た。
録装置では、インク排出チューブ15を透明または半透
明の材料で形成し、図9に示すように、インク排出チュ
ーブ15の先端側すなわち排出口40の近傍に、インク
残留検知手段としてフォトカプラ54を設けることとし
た。
【0075】本実施形態では、インク排出チューブ15
内のインクをインク容器28に回収する際には、キャッ
プ13のキャップ弁17およびインク排出チューブ15
のキャップ弁19を開放した状態でインク吸引機構16
を起動した後、フォトカプラ54によってインク排出チ
ューブ15の残留インクを検知する。そして、インク排
出チューブ15内にインクが残留している限り、上記回
収動作を継続する。一方、インク排出チューブ15内に
インクがなくなったことを検知すると、上記回収動作を
終了し、キャップ弁17およびキャップ弁19を閉鎖す
る。なお、インク排出チューブ15にインクが残留して
いるか否かについては、例えば、排出口40からインク
が排出されない状態が所定時間(例えば1分間)継続し
た場合に、インクがなくなったと判断するようにしても
よい。
内のインクをインク容器28に回収する際には、キャッ
プ13のキャップ弁17およびインク排出チューブ15
のキャップ弁19を開放した状態でインク吸引機構16
を起動した後、フォトカプラ54によってインク排出チ
ューブ15の残留インクを検知する。そして、インク排
出チューブ15内にインクが残留している限り、上記回
収動作を継続する。一方、インク排出チューブ15内に
インクがなくなったことを検知すると、上記回収動作を
終了し、キャップ弁17およびキャップ弁19を閉鎖す
る。なお、インク排出チューブ15にインクが残留して
いるか否かについては、例えば、排出口40からインク
が排出されない状態が所定時間(例えば1分間)継続し
た場合に、インクがなくなったと判断するようにしても
よい。
【0076】本実施形態によれば、回収動作の終了後に
インク排出チューブ15内にインクが残留することはな
いので、回収動作を終了してから長期間にわたって装置
を使用しないような場合であっても、インク排出チュー
ブ15の目詰まりを確実に防止することができる。
インク排出チューブ15内にインクが残留することはな
いので、回収動作を終了してから長期間にわたって装置
を使用しないような場合であっても、インク排出チュー
ブ15の目詰まりを確実に防止することができる。
【0077】なお、インク残留検知手段は上記フォトカ
プラ54に限定されず、他の検知手段を用いることも勿
論可能である。
プラ54に限定されず、他の検知手段を用いることも勿
論可能である。
【0078】
【実施例】先ず、以下の組成(各組成物の含有量は質量
百分率である)からなる5種類のインクジェット記録用
インクを作製した(実施例1〜5)。尚、各実施例にお
いては、保湿剤としてグリセリンを、浸透剤としてジエ
チレングリコールモノブチルエーテルをそれぞれ含有さ
せた。染料には、C.I.アシッドブラック2を用い
た。なお、説明は省略するが、イエロ、マゼンダ、シア
ン等の他の染料についても、同様の結果が得られる。
百分率である)からなる5種類のインクジェット記録用
インクを作製した(実施例1〜5)。尚、各実施例にお
いては、保湿剤としてグリセリンを、浸透剤としてジエ
チレングリコールモノブチルエーテルをそれぞれ含有さ
せた。染料には、C.I.アシッドブラック2を用い
た。なお、説明は省略するが、イエロ、マゼンダ、シア
ン等の他の染料についても、同様の結果が得られる。
【0079】有機ケイ素化合物は、以下の方法で作製し
たものを用いた。すなわち、まず、反応容器に入れた1
00g(0.56モル)のH2NCH2CH2CH2Si
(OCH3)3に、49g(0.66モル)の2,3−エ
ポキシ−1−プロパノールを一滴一滴加えて、その全量
滴下後に80℃で5時間攪拌することにより、アミノ基
とエポキシ基とを反応させた加水分解性シランを得た。
次いで、新たな反応容器に、120g(6.67モル)
の水と50.6g(0.2モル)の上記加水分解性シラ
ンと15.2g(0.1モル)のSi(OCH3)4とを
混合したものを一滴一滴加えて、その全量滴下後に60
℃で1時間反応させることにより、各実施例にて用いる
有機ケイ素化合物を得た。
たものを用いた。すなわち、まず、反応容器に入れた1
00g(0.56モル)のH2NCH2CH2CH2Si
(OCH3)3に、49g(0.66モル)の2,3−エ
ポキシ−1−プロパノールを一滴一滴加えて、その全量
滴下後に80℃で5時間攪拌することにより、アミノ基
とエポキシ基とを反応させた加水分解性シランを得た。
次いで、新たな反応容器に、120g(6.67モル)
の水と50.6g(0.2モル)の上記加水分解性シラ
ンと15.2g(0.1モル)のSi(OCH3)4とを
混合したものを一滴一滴加えて、その全量滴下後に60
℃で1時間反応させることにより、各実施例にて用いる
有機ケイ素化合物を得た。
【0080】 (実施例1) C.I.アシッドブラック2 … 5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …10% 有機ケイ素化合物 … 5% 純水 …70% (実施例2) C.I.アシッドブラック2 … 5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …10% 有機ケイ素化合物 …10% 純水 …65% (実施例3) C.I.アシッドブラック2 … 5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …10% 有機ケイ素化合物 …20% 純水 …55% (実施例4) C.I.アシッドブラック2 … 5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …10% 有機ケイ素化合物 …45% 純水 …30% (実施例5) C.I.アシッドブラック2 … 5% グリセリン …10% ジエチレングリコールモノブチルエーテル …10% 有機ケイ素化合物 …70% 純水 … 5% そして、上記各実施例のインクを用い、キャップ弁17
およびキャップ弁19を閉じた状態でインク排出チュー
ブ15を70℃の環境下で1年間放置し、その後にキャ
ップ弁17およびキャップ弁19を開いてインクの回収
を行った。その結果、いずれの実施例のインクも、イン
ク排出チューブ15から問題なく回収することができ
た。これにより、本発明の効果を確認することができ
た。
およびキャップ弁19を閉じた状態でインク排出チュー
ブ15を70℃の環境下で1年間放置し、その後にキャ
ップ弁17およびキャップ弁19を開いてインクの回収
を行った。その結果、いずれの実施例のインクも、イン
ク排出チューブ15から問題なく回収することができ
た。これにより、本発明の効果を確認することができ
た。
【図1】インクジェット式記録装置の要部の斜視図であ
る。
る。
【図2】インクジェット式記録装置の要部の正面図であ
る。
る。
【図3】(a)および(b)は、インク吸引機構の構成
図である。
図である。
【図4】インクジェットヘッドの部分底面図である。
【図5】図4のI−I線断面図である。
【図6】図4のII−II線断面図である。
【図7】インク吸引機構の変形例の構成図である。
【図8】キャップの変形例の斜視図である。
【図9】インクジェット式記録装置の要部の正面図であ
る。
る。
【図10】従来のインクジェット式記録装置の要部の正
面図である。
面図である。
1 インクジェットヘッド 13 キャップ(蓋部材) 15 インク排出チューブ(通路形成部材) 15a インク排出通路 16 インク吸引機構(吸引手段) 17 キャップ弁(蓋部材閉鎖手段) 19 キャップ弁(通路開閉手段) 26 インク目詰まり防止機構 27 吸収体 32 キャリッジ軸 33 インク容器 40 排出口 41 記録紙 54 フォトカプラ(インク残留検知手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒瀬 秀和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 立川 雅一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA17 EA27 JC08 JC13 JC20
Claims (9)
- 【請求項1】 非記録時に所定の待機位置に移動するイ
ンクジェットヘッドと、 上記インクジェットヘッドが上記待機位置にあるときに
該インクジェットヘッドのヘッド面を覆う蓋部材と、 上記蓋部材に接続され、該蓋部材の内部空間と連続する
インク排出通路を形成する通路形成部材と、 上記インクジェットヘッドが上記蓋部材に覆われている
ときに該インクジェットヘッドから上記インク排出通路
にインクを吸引する吸引手段と、 上記インク排出通路の排出口に設けられた通路開閉手段
と、を備えているインクジェット式記録装置。 - 【請求項2】 非記録時に所定の待機位置に移動するイ
ンクジェットヘッドと、 上記インクジェットヘッドが上記待機位置にあるときに
該インクジェットヘッドのヘッド面を覆う蓋部材と、 上記蓋部材に接続され、該蓋部材の内部空間と連続する
インク排出通路を形成する通路形成部材と、 上記インクジェットヘッドが上記蓋部材に覆われている
ときに該インクジェットヘッドから上記インク排出通路
にインクを吸引する吸引手段と、 上記蓋部材が上記インクジェットヘッドのヘッド面を覆
っていないときに該蓋部材の開口部を塞ぐ蓋部材閉鎖手
段と、を備えているインクジェット式記録装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載のインクジェット式記録
装置であって、 蓋部材がインクジェットヘッドのヘッド面を覆っていな
いときに該蓋部材の開口部を塞ぐ蓋部材閉鎖手段を備え
ているインクジェット式記録装置。 - 【請求項4】 請求項1または3に記載のインクジェッ
ト式記録装置であって、 通路開閉手段は、蓋部材がインクジェットヘッドのヘッ
ド面を覆っているときにインク排出通路を閉鎖するイン
クジェット式記録装置。 - 【請求項5】 請求項3に記載のインクジェット式記録
装置であって、 記録時には、蓋部材閉鎖手段によって蓋部材の開口部を
塞ぐとともに、通路開閉手段によってインク排出通路の
排出口を閉鎖するインクジェット式記録装置。 - 【請求項6】 請求項1または3に記載のインクジェッ
ト式記録装置であって、 インク排出通路にインクが残留しているか否かを検知す
るインク残留検知手段を備え、 インク排出通路内のインクを排出するよう通路開閉手段
によってインク排出通路の排出口を開口させた後、上記
インク残留検知手段によってインク排出通路にインクが
残留していないことを確認してから該インク排出通路の
排出口を閉鎖するインクジェット式記録装置。 - 【請求項7】 請求項3に記載のインクジェット式記録
装置であって、 インクジェットヘッドが記録を行っているときに蓋部材
の開口部およびインク排出通路の排出口を開口させるこ
とによってインク排出通路内のインクを排出する一方、
インクの排出終了後もインクジェットヘッドが記録を継
続しているときには上記蓋部材の開口部および上記イン
ク排出通路の排出口を閉鎖するインクジェット式記録装
置。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一つに記載のイ
ンクジェット式記録装置であって、 インクジェットヘッドには、水溶性色材と、保湿剤と、
浸透剤と、水と、この水がない状態で縮合反応する水溶
性物質とを含有するインクが充填されているインクジェ
ット式記録装置。 - 【請求項9】 請求項8に記載のインクジェット式記録
装置であって、 水溶性物質は、加水分解性シラン化合物を含んでいるイ
ンクジェット式記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001178483A JP2002361905A (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | インクジェット式記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001178483A JP2002361905A (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | インクジェット式記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002361905A true JP2002361905A (ja) | 2002-12-18 |
Family
ID=19019179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001178483A Withdrawn JP2002361905A (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | インクジェット式記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002361905A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7393080B2 (en) | 2004-09-14 | 2008-07-01 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus |
US7621618B2 (en) * | 2005-10-31 | 2009-11-24 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Liquid discharge device |
US7726772B2 (en) | 2006-01-20 | 2010-06-01 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejection apparatus |
US7971957B2 (en) * | 2002-03-07 | 2011-07-05 | Fuji Xerox Co.,Ltd. | Ink-jet line printer and image forming apparatus using the same |
-
2001
- 2001-06-13 JP JP2001178483A patent/JP2002361905A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7971957B2 (en) * | 2002-03-07 | 2011-07-05 | Fuji Xerox Co.,Ltd. | Ink-jet line printer and image forming apparatus using the same |
US7393080B2 (en) | 2004-09-14 | 2008-07-01 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus |
US7621618B2 (en) * | 2005-10-31 | 2009-11-24 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Liquid discharge device |
US7726772B2 (en) | 2006-01-20 | 2010-06-01 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejection apparatus |
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Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20080516 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20100518 |