JP2004014971A

JP2004014971A - 洗浄装置および洗浄方法

Info

Publication number: JP2004014971A
Application number: JP2002169619A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Yoshida; 吉田　正寛; Shinji Sugawara; 菅原　慎二
Original assignee: Tokyo Electron Ltd
Current assignee: Tokyo Electron Ltd
Priority date: 2002-06-11
Filing date: 2002-06-11
Publication date: 2004-01-15

Abstract

【課題】スループットを低下させることなく、ウエハの全面にわたって均一な洗浄効果を得ることができる洗浄装置および洗浄方法を提供すること。
【解決手段】被洗浄体としてのウエハＷは、スピンチャック１２によって支持され、水平面内で一定の速度で回転駆動される。ウエハＷの中心部から外周縁に沿って走査する洗浄媒体供給ノズル１３からは、液体および気体の混合体がウエハＷに向かって吐出される。この場合、ノズル１３がウエハＷの中心部から外周縁に向かって移動するにしたがって、気体の供給量が増加され、線速度の増加に伴ってウエハＷに対して吐出される洗浄媒体の吐出エネルギーが増大される。
【選択図】　　　図５

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば半導体ウエハやＬＣＤ用ガラス基板等の被洗浄体を洗浄するための洗浄装置および洗浄方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスの製造プロセスにおいては、ＬＳＩ等の半導体デバイスが形成される半導体ウエハ（以下、単に「ウエハ」ともいう）の表面をきわめて厳格な清浄度に維持する必要がある。このために、各々の製造プロセスの前後において、必要に応じてウエハの表面が洗浄される。特に、フォトリソグラフィ工程では、ウエハ表面の洗浄が不可欠となる。
【０００３】
従来におけるウエハの洗浄処理システムの１つとして、一般にスピン型の装置を用いた枚葉式の洗浄装置が知られている。この枚葉式の洗浄装置によって実行される洗浄方法においては、スピンチャックにより半導体ウエハを支持して、ウエハを水平面内で一定の回転速度で回転させながら、例えば、ブラシやスポンジ等の部材を備えた洗浄具をウエハの表面に接触させるスクラブ洗浄方法が知られている。これにより、ウエハの表面に付着したパーティクルを、こすり落とす作用により除去するようになされる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したような従来のスクラブ洗浄方法を採用した洗浄装置においては、ウエハを水平面内で一定の回転速度で回転させながら、ブラシやスポンジ等の部材を備えた洗浄具を一定の押圧力で、一定の速度で水平移動させるようになされている。
【０００５】
したがって、前記した従来の洗浄装置においては、洗浄具がウエハの中心位置付近にある時と、ウエハの周縁付近にある時とでは、洗浄具がウエハに接する時の線速度が異なり、ウエハの中央部と周縁部とではウエハの各位置に対する洗浄具の接触時間（洗浄時間）が実質的に異なることになる。これにより、ウエハの周縁付近における洗浄度合いが不十分になるという問題が発生する。
【０００６】
この様な問題を避けるために、ウエハの周縁付近における洗浄度合いが十分となるように前記洗浄具の押圧力を高めた場合には、ウエハの中央部付近においては、ブラシやスポンジ等の部材による過度の押圧力を受けてウエハに損傷を与えるなどの問題が発生し得る。
【０００７】
また、前記したスクラブ洗浄方法を利用した場合には、ウエハに対する過度の押圧力により、ブラシやスポンジ素材が損傷を受けて異物を発生し、この異物によりウエハを逆に汚染させるという問題が発生する。これにより洗浄具自身が損傷を受けて、当該洗浄具の交換頻度を頻繁になさざるを得ないという問題も残される。
【０００８】
一方、前記したような問題点を解決するために、洗浄具がウエハの周縁に移動するにしたがってウエハの回転速度を低下させる洗浄装置、すなわち、洗浄具がウエハに当接する場合の線速度が一定となるようにした洗浄装置の提案もなされているが、このような構成によると、スループットが低下することはやむをえない。
【０００９】
この発明は、前記したような技術的課題を解決するためになされたものであり、スループットを低下させることなくウエハのような被洗浄体の全面を均一に洗浄することができ、さらに、被洗浄体に損傷を与えるなどの問題も解消することができる洗浄装置および洗浄方法を提供することを目的とするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされたこの発明にかかる洗浄装置は、被洗浄体を支持しつつ、被洗浄体を水平面内で回転駆動させる被洗浄体支持機構と、前記支持機構によって支持され、回転駆動中における被洗浄体の表面に、洗浄媒体を吐出する洗浄用ツールと、前記被洗浄体に対する前記洗浄用ツールの走査位置を監視するツール位置監視手段と、前記ツール位置監視手段から得られる位置情報に基づいて洗浄用ツールから被洗浄体に対して吐出される洗浄媒体の吐出エネルギーを制御する制御手段とを具備した点に特徴を有する。
【００１１】
この場合、前記洗浄用ツールから吐出される洗浄媒体が、好ましくは液体および気体からなる二流体になされ、前記制御手段はツール位置監視手段から得られる位置情報に基づいて、前記洗浄用ツールからの気体の吐出量を制御するように構成される。
【００１２】
これに加え、前記制御手段は、洗浄用ツールから吐出される気体の吐出量を、前記洗浄用ツールにおける被洗浄体に対する中心走査位置に比較して周縁走査位置において増量させるように制御するように構成されていることが望ましい。
【００１３】
前記した構成の洗浄装置によると、ウエハ等の被洗浄体は、例えばスピンチャックに代表される被洗浄体支持機構によって支持され、水平面内で回転駆動される。そして、回転駆動中における被洗浄体の表面には、洗浄用ツールより洗浄媒体が吐出される。この洗浄媒体としては、好ましくは純水（リンス液）と窒素ガス（Ｎ_２）からなる二流体を含むものが好適に利用される。
【００１４】
そして、ツール位置監視手段により被洗浄体に対する洗浄用ツールの走査位置が監視され、このツール位置監視手段から得られる位置情報に基づいて、洗浄用ツールから吐出される前記窒素ガスの吐出量が、被洗浄体に対する中心走査位置に比較して周縁走査位置において増量させるように制御される。
【００１５】
これにより、洗浄用ツールが被洗浄体としてのウエハの中心位置から周縁位置に向かって走査することで、主に窒素ガスの吐出量が増大し、ウエハ面に作用する洗浄エネルギーが増大される。したがって、線速度の速いウエハの周縁位置においても、前記窒素ガスの吐出エネルギーが増加することで、リンス液の洗浄効果を増大させることができ、汚染物質の除去能力を高くすることができる。
【００１６】
また、前記した洗浄装置によると、洗浄用ツールから吐出されるリンス液の量は、ほぼ一定になされるので、回転駆動されるウエハから振り切られてリンス液がミストとなる量が格別に増大することもない。したがって、前記ミストによりウエハを汚染させるという問題も最小限にとどめることができる。
【００１７】
一方、この発明にかかる洗浄方法は、被洗浄体を支持しつつ、被洗浄体を水平面内で回転駆動させながら被洗浄体の表面に洗浄媒体を吐出する洗浄用ツールを、被洗浄体の表面に沿って走査させる工程を含み、前記被洗浄体に対する洗浄用ツールの走査位置に応じて、洗浄用ツールから被洗浄体に対して吐出される洗浄媒体の吐出エネルギーを制御することで、前記被洗浄体を洗浄する点に特徴を有する。
【００１８】
この洗浄方法においても同様に、前記洗浄用ツールから吐出される洗浄媒体が、液体および気体からなる二流体になされ、前記被洗浄体に対する洗浄用ツールの走査位置に応じて、洗浄用ツールから被洗浄体に対して吐出される気体の吐出量を制御することで、前記被洗浄体を洗浄することが望ましい。
【００１９】
さらに、前記洗浄用ツールから吐出される気体の吐出量を、前記洗浄用ツールにおける被洗浄体に対する中心走査位置に比較して周縁走査位置において増量させることで、前記被洗浄体を洗浄することが望ましい。加えて、好ましい実施の形態においては、前記洗浄媒体として、純水および窒素ガスの混合体が利用される。
【００２０】
前記した洗浄方法によると、すでに説明したこの発明にかかる洗浄装置と同様の作用効果を得ることができる。
【００２１】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる洗浄装置について、その実施の形態を図面に基づいて説明する。まず図１〜図３は、この発明が適用されたウエハ洗浄装置の全体構成を透視状態の平面図、正面図および背面図で示している。符号１で示す洗浄装置には、カセットステーション２と洗浄処理ステーション３とが併設されており、前記カセットステーション２には、ウエハカセットＣＲを載置するためのカセット載置台４が具備されている。そして、前記ウエハカセットＣＲ内には、複数枚（例えば２５枚）の被洗浄体としてのウエハＷが収容可能になされている。
【００２２】
前記カセット載置台４には、複数のウエハカセットＣＲを位置決めするための突起４ａが設けられている。これにより、この実施の形態においては最大四台のウエハカセットＣＲが、それぞれのウエハ出入口を洗浄処理ステーション３側に向けてＹ方向（図１では上下方向）に一列に載置することができる。前記カセット載置台４と洗浄処理ステーション３との間には、第１のウエハ搬送体５が配置されている。
【００２３】
この第１のウエハ搬送体５は、カセット載置台４におけるウエハカセットＣＲの配列方向（Ｙ方向）、およびカセット内のウエハ配列方向（Ζ方向：垂直方向）に移動可能となるように構成されることで、各ウエハカセットＣＲに対して選択的にアクセスすることができるように構成されている。
【００２４】
また、前記第１のウエハ搬送体５は、θ方向にも回転可能に構成されており、前記洗浄処理ステーション３に配置された後述する第２のウエハ搬送体６にも、アクセスすることができるように構成されている。そして、ウエハカセットＣＲに収納された各ウエハＷは、カセットステーション２に配置された前記ウエハ搬送体５によって、装置内に搬入され、あるいは搬出される。
【００２５】
前記洗浄処理ステーション３には、第２のウエハ搬送体６が配置されており、この第２のウエハ搬送体６は、ウエハ搬送路６ａに沿ってＸ方向に移動可能に、かつθ方向に回転可能に構成されている。これにより、カセットステーション２側のウエハ搬送体５からウエハＷを受け取り洗浄処理ユニット７に、また洗浄処理ユニット７からウエハＷを受け取りウエハ搬送体５に、ウエハＷを受け渡すことができるようになされる。
【００２６】
前記した洗浄処理ユニット７は、１枚ずつのウエハＷに所定の洗浄処理を施す枚葉式の構成となされており、前記ウエハ搬送路６ａに沿って、その両側に三ユニットずつ配置されている。そして、各ウエハＷに対して、後述するように例えば洗浄媒体としての二流体を供給しながら洗浄することができるように構成されている。
【００２７】
次に図４〜図６は、前記した各洗浄処理ユニット７の構成を示したものであり、図４は洗浄処理ユニットの概略構成を一部透視状態で示した平面図であり、図５は洗浄処理ユニット７をほぼ中央において縦方向に破断した状態の断面図で示している。また、図６は図４および図５の一部に示された洗浄用ツールとしての洗浄媒体供給ノズルを一部断面図で示している。
【００２８】
図４および図５に示すように、洗浄処理ユニット７の外郭を構成するシンク１１内には、ほぼ中央に被洗浄体支持機構としてのスピンチャック１２が配置されており、スピンチャック１２によって支持されるウエハＷの上面を走査できるように、洗浄用ツールとしての洗浄媒体供給ノズル１３等が配設されている。
【００２９】
前記シンク１１には、図１に示したウエハ搬送体６の搬送経路６ａに近接して、開閉窓１４が配設されている。これにより、洗浄処理時に開閉窓１４を介して前記ウエハ搬送体６に具備された図示せぬフォーク部材により、ウエハＷの搬入および搬出がなされる。また前記シンク１１は、図４に示すように、隔壁１６によって洗浄処理室１８と駆動機構配設室１９とに仕切られている。
【００３０】
一方、前記スピンチャック１２は、図５に示すように、ウエハＷを略水平にして支持するチャックプレート１２ａおよびこのチャックプレート１２ａを保持する枢軸１２ｂを備えている。また、前記枢軸１２ｂを回転させる例えばパルスモータによる回転駆動機構１２ｃ、および前記チャックプレート１２ａ上のウエハＷを着脱するための着脱機構１２ｄを備えている。
【００３１】
前記着脱機構１２ｄは、前記チャックプレート１２ａの周縁部に円周方向に等間隔をもって三個配設されている。ここで、図５の左側には着脱機構１２ｄによるウエハＷを保持した状態が示され、同図の右側には着脱機構１２ｄによるウエハＷを保持してない状態が示されている。前記着脱機構１２ｄの下方には、前記着脱機構１２ｄを駆動させる昇降機構２１が配設されている。
【００３２】
前記昇降機構２１には、前記枢軸１２ｂに沿って昇降する連結板２１ａおよび前記着脱機構１２ｄの配設位置に対応する当接治具２１ｂが具備されている。これにより、昇降機構２１によって連結板２１ａを上昇させると、当接治具２１ｂが着脱機構１２ｄの内周端をチャックプレート１２ａの裏面に押し付け、着脱機構１２ｄの外周端が外側下方へ傾動してウエハＷの保持状態が解除される。また、連結板２１ａを下降させると、当接治具２１ｂが着脱機構１２ｄから離間し、着脱機構１２ｄの外周端が内側上方に傾動し、ウエハＷは着脱機構１２ｄによって保持される。
【００３３】
なお、前記チャックプレート１２ａには、図４に示されたように六個の支持ピン１２ｅがプレート表面に突出して配設されており、前記ウエハＷはこの支持ピン１２ｅの頂点に接して載置することができる。そして、前記着脱機構１２ｄによってスピンチャック１２上に同心状に支持される。これにより、スピンチャック１２の回転駆動に伴い、ウエハＷは水平面内で回転駆動される。
【００３４】
一方、前記スピンチャック１２の周囲には、前記洗浄処理室１８内に位置するカップ２２が昇降可能に配設されている。そして、洗浄処理ユニット７に対するウエハＷの搬入および搬出時においては、昇降機構２３によってカップ２２は図５に実線で示す下段位置に配置される。また、洗浄処理時には図５に二点鎖線示す上段位置に配置される。これにより、ウエハＷの周縁方向に向かって飛散する洗浄液を、カップ２２の内周部下方に導くようになされる。
【００３５】
なお、前記カップ２２には、洗浄処理時に洗浄液のカップ外への飛散を防止するために、カップ内周部上側からカップ外周部下側に傾斜する上下二つの傾斜部２２ａ，２２ｂが配設されている。また、前記カップ２２の底部にはドレイン２５が設けられおり、これによりカップ２２内の排気および洗浄液（廃液）の排出が行われる。
【００３６】
一方、前記した洗浄ツールとしての洗浄媒体供給ノズル１３は、洗浄媒体としての二流体（後述する純水等の液体と、Ｎ_２ガス等の気体の混合体）をウエハＷの表面に吐出する機能を備えている。そして、図６に示すようにアーム２７の先端部に、支柱２９および昇降機構２８介して保持されている。また、前記洗浄媒体供給ノズル１３は、ホームポジションにおいて図４に示すように、カップ２２外に位置するように構成されている。さらに、前記洗浄媒体供給ノズル１３は、アーム２７によって、図４に示すガイド１７に沿うＸ方向に水平移動してウエハＷの中心部を横切るように、また昇降機構２８によってΖ方向（高さ方向）に位置が調整できるように構成されている。
【００３７】
前記昇降機構２８には、前記洗浄媒体供給ノズル１３を昇降させる昇降軸２８ａおよびこの昇降軸２８ａを昇降させる駆動部２８ｂが具備されている。この昇降機構２８内には、前記洗浄媒体供給ノズル１３に対し、純水等の液体を供給する液体供給路３１およびＮ_２ガス等の気体を供給する気体供給路３２が接続されており、駆動部２８ｂの内筒部分において両者が混合され、前記ノズル１３より両者が吐出されるように構成されている。
【００３８】
なお、前記アーム２７は、駆動機構配設室１９内に位置する例えばパルスモータを駆動源として備えたアーム駆動機構３０によって、Ｘ方向に往復移動され、これに伴いアーム駆動機構３０は、駆動機構配設室１９内を往復移動する。
【００３９】
図７は、前記した構成の洗浄処理ユニット７に搭載された洗浄媒体の吐出エネルギーを制御する制御手段の例を示したものである。この実施の形態においては、洗浄媒体としてリンス液（純水）が貯留されたリンス液貯留タンク３５と、洗浄媒体としてＮ_２ガスが貯留されたＮ_２ガス貯留タンク３６が備えられている。前記リンス液貯留タンク３５からもたらされるリンス液は、第１バルブ３８および前記した液体供給路３１を介して、洗浄用ツールとしての洗浄媒体供給ノズル１３に供給されるように構成されている。また、Ｎ_２ガス貯留タンク３６からもたらされるＮ_２ガスは、第２バルブ３９および前記した気体供給路３１を介して、同じく洗浄媒体供給ノズル１３に供給されるように構成されている。
【００４０】
図７に示したウエハＷは、すでに説明したスピンチャック１２によって支持され定速回転される。そして、洗浄媒体供給ノズル１３は、パルスモータを駆動源としたアーム駆動機構３０によってウエハＷの上面に沿って走査されるようになされる。アーム駆動機構３０における前記したパルスモータには、図７に示すように、パルスジェネレータ４１より等間隔の駆動パルスが供給されるように構成されており、したがって、前記ノズル１３は、パルスジェネレータ４１からもたらされる前記駆動パルスによって、ウエハＷの上面に沿って一定の速度で走査するようになされる。
【００４１】
前記パルスジェネレータ４１から出力される駆動パルスのパルス数を計数するパルスカウンタ４２が具備されており、このパルスカウンタ４２は、その積算値（ｎ）を出力するようになされる。ここで、洗浄動作を開始するには、前記した洗浄媒体供給ノズル１３を、ホームポジションからスピンチャック１２によって支持されたウエハＷの中心位置に移動させることになる。この時、前記ホームポジションとウエハＷの中心位置との距離は予め判明している。
【００４２】
それ故、パルスカウンタ４２は所定のパルス数をカウントアップした時に、パルスジェネレータ４１に指令を送り、パルスジェネレータ４１からのパルス供給を停止させるように制御される。これにより、洗浄媒体供給ノズル１３をウエハＷの中心位置において、停止させることができる。そして、パルスカウンタ４２は、その計数値をゼロリセットさせる。
【００４３】
続いて、洗浄動作に移行した場合には、パルスジェネレータ４１からの駆動パルスによってアーム駆動機構３０が動作し、洗浄媒体供給ノズル１３は、回転動作中のウエハＷの中心位置から外周に向かって移動走査する。この時、ノズル１３より二流体（リンス液と、Ｎ_２ガスの混合体）が吐出される。前記パルスカウンタ４２は、再びパルスジェネレータ４１からの駆動パルス数を計数し、この計数値を、ガス供給量演算手段４３に出力するようになされる。
【００４４】
換言すれば、前記パルスカウンタ４２の計数値は、ウエハＷに対する洗浄媒体供給ノズル１３の走査位置を示すことになり、したがって、前記パルスカウンタ４２はウエハＷに対する洗浄媒体供給ノズル１３の走査位置を監視するツール位置監視手段として機能する。
【００４５】
前記ガス供給量演算手段４３は、ノズル１３の走査位置、すなわちパルスカウンタ４２の計数値に対応したＮ_２ガス供給量の関係を記述したガス供給量データ記憶手段４４を参照する。そして、ガス供給量演算手段４３は、前記計数値に対応したガス供給量データを読み出し、これを、ガス供給量制御手段４５に出力するようになされる。
【００４６】
前記ガス供給量制御手段４５は、ガス供給量演算手段４３によって読み出されたデータに基づいて、前記した第２バルブ３９の開度を制御し、ガス貯留タンク３６から洗浄媒体供給ノズル１３に供給するＮ_２ガスの量を制御するようになされる。すなわち、この実施の形態においては、ノズル１３の走査位置に対応して、ノズル１３からのＮ_２ガスの吐出量が可変され、リンス液の吐出量はノズル１３の走査位置にかかわらず、ほぼ一定となるように制御される。したがって、図７における鎖線で囲まれたブロック４６は、ノズル１３からウエハＷに対して吐出される洗浄媒体の吐出エネルギーを制御する制御手段を構成することになる。
【００４７】
図８は、図７に示した制御手段によってなされる洗浄制御形態の一例を説明するものであり、例えば、直径３００ｍｍのウエハＷを洗浄する場合の例を示している。すでに説明したとおり、ウエハＷの洗浄動作の開始にあたってはノズル１３を所定位置Ｐ１　、すなわち、ノズル１３をウエハＷの中心部に対峙するように制御される。しかる後、スピンチャック１２を所定の定速度で回転駆動させると共に、ノズル１３をウエハＷの中心位置Ｐ１　から周縁部Ｐ７　に向かってＸ方向に一定の速度で走査させる。
【００４８】
この時、前記したとおりノズル１３より二流体（リンス液とＮ_２ガスの混合体）が吐出される。図８に示した制御形態においては、ウエハＷの中心位置Ｐ１　から周縁部Ｐ７　に向かって、前記二流体のうちＮ_２ガスの吐出量が段階的に増加するようになされる。すなわち、ノズル１３の位置がＰ１　−Ｐ２　間においては、前記ガスの吐出量は、ａ１　となるように制御される。また、ノズル１３の位置がＰ２　−Ｐ３　間においては、前記ガスの吐出量は、ａ２　となるように制御される。このようにして、最終的にノズル１３の位置がＰ６　−Ｐ７　間に至った場合には、前記ガスの吐出量は、ａ６　となるように制御される。
【００４９】
これにより、ノズル１３からウエハＷに対して吐出される洗浄媒体の吐出エネルギーは、ウエハＷの周縁部に移行するにしたがって段階的に増大されることになる。一方、ウエハＷの中心位置Ｐ１　から周縁部Ｐ７　に向かうにしたがって、ノズル１３から見たウエハＷに対する線速度は増大されることになる。換言すれば、ノズル１３の位置が周縁部Ｐ７　に向かうにしたがって、ノズル１３によって受けるウエハＷの各点の洗浄時間は短いものとなる。しかしながら、前記したようにウエハＷの周縁部において洗浄媒体の吐出エネルギーが増大され、ウエハＷに対するリンス液による洗浄能力を上げることができるので、結果としてウエハＷの全面にわたって均一な洗浄効果を得ることができる。
【００５０】
なお、前記した実施の形態においては、図８に示すようにウエハＷの中心位置Ｐ１　から周縁部Ｐ７　の走査領域をほぼ等分に区画して、ガスの供給量を段階的に増加するように設定されている。しかしながら、等速回転されるウエハＷにおいては、その中心位置からの半径をｒとした時の当該部分の線速度は、２πｒとして示すことができる。したがって、ウエハＷの中心位置Ｐ１　から周縁部Ｐ７　に至るにつれて、区画の幅を小さくして、ガスの供給量を段階的に設定することが望ましい。
【００５１】
また、図７に示したガス供給量データ記憶手段４４は、ノズル１３の走査位置に対応して、Ｎ_２ガス供給量の関係がマップ状に構築されている旨説明しているが、これは数値演算によって、ガス供給量データを算出するように構成されていてもよい。
【００５２】
斯くして、前記した実施の形態によると、ウエハを等速度で回転駆動しつつ洗浄動作を実行することができるので、スループットを低下させることなく、ウエハの全面にわたって均一な洗浄効果を得ることができる。また、ノズル１３から吐出されるリンス液の量は、ほぼ一定になされるので、回転駆動されるウエハから振り切られてリンス液がミストとなる量が格別に増大することもない。したがって、前記ミストによりウエハを汚染させるという問題も最小限にとどめることができる。
【００５３】
また、以上説明した実施の形態においては、ウエハＷの洗浄位置に対応して二流体のうち、ガスの供給量を段階的に変化させることで、ノズルからの洗浄媒体の吐出エネルギーを制御するようにしているが、この発明はこのような手段に特定されることはなく、例えば次に示す洗浄手段の形態にも適用することができる。
【００５４】
▲１▼高速ジェット洗浄水供給ノズルを用いた洗浄手段
これを用いた洗浄は、高速ジェット洗浄水供給ノズルより、洗浄水をウエハＷの被洗浄面に吐出させることにより行われる。この場合、洗浄位置がウエハ中心部からウエハ周縁部に向かって移動するにしたがい、ジェット洗浄水の吐出圧（吐出量）を漸次大きくする。
【００５５】
▲２▼メガソニックノズルを用いた洗浄手段
これを用いた洗浄は、メガソニックノズルから超音波振動を加えた洗浄水をウエハＷの被洗浄面に吐出させることにより行われる。この場合、洗浄位置がウエハ中心部からウエハ周縁部に向かって移動するにしたがい、超音波振動の発振周波数を漸次大きくする。
【００５６】
この他、この実施の形態においては被洗浄体としてウエハＷである場合について説明したが、この発明はこれに限定されず、ＬＣＤ用のガラス基板、光ディスク用の基板等の洗浄にも有効に利用することができる。
また、洗浄媒体の気体としては、窒素ガスに限らず、他の不活性ガスやその他のガスでもよく、あるいは、空気のような混合ガスでもよい。また、洗浄媒体の気体として、イオン化したガスを用いてもよく、この場合、ウエハの除電も同時に行うことが可能である。
更に、洗浄媒体としての２流体のうち、気体の量のみを可変させたが、リンス液の量も同時に可変させてもよいことはいうまでもない。
【００５７】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなとおり、この発明にかかる洗浄方法を採用した洗浄装置によると、洗浄用ツールから被洗浄体に対して吐出される洗浄媒体の吐出エネルギーを、被洗浄体に対する走査位置に応じて変更するようになされるので、スループットを低下させることなく、ウエハの全面にわたって均一な洗浄効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明が適用された洗浄装置の全体構成を透視状態で示した平面図である。
【図２】同じく洗浄装置の正面図である。
【図３】同じく洗浄装置の背面図である。
【図４】図１〜３に示す洗浄装置に搭載された洗浄処理ユニットの概略構成を示した平面図である。
【図５】同じく洗浄処理ユニットをほぼ中央において縦方向に破断した状態で示した断面図である。
【図６】洗浄処理ユニットに搭載された洗浄媒体供給ノズルを示した一部断面図である。
【図７】洗浄媒体供給ノズルから吐出される洗浄媒体の吐出エネルギーを制御する制御手段の例を示したブロック図である。
【図８】洗浄媒体供給ノズルから吐出される洗浄媒体の供給量を説明する模式図である。
【符号の説明】
１　　　洗浄処置装置
２　　　カセットステーション
３　　　洗浄処理ステーション
４　　　カセット載置台
５，６　ウエハ搬送体
７　　　洗浄処理ユニット
１１　　シンク
１２　　スピンチャック（被洗浄体支持機構）
１３　　洗浄媒体供給ノズル（洗浄用ツール）
１４　　開閉窓
１６　　隔壁
１８　　洗浄処理室
１９　　駆動機構配設室
２１　　昇降機構
２２　　カップ
２３　　昇降機構
２７　　アーム
２８　　昇降機構
３０　　アーム駆動機構
３１　　液体供給路
３２　　気体供給路
３５　　リンス液貯留タンク
３６　　ガス貯留タンク
４２　　パルスカウンタ（ツール位置監視手段）
４６　　制御手段
Ｗ　　　ウエハ（被洗浄体）

Claims

被洗浄体を支持しつつ、被洗浄体を水平面内で回転駆動させる被洗浄体支持機構と、
前記支持機構によって支持され、回転駆動中における被洗浄体の表面に、洗浄媒体を吐出する洗浄用ツールと、
前記被洗浄体に対する前記洗浄用ツールの走査位置を監視するツール位置監視手段と、
前記ツール位置監視手段から得られる位置情報に基づいて洗浄用ツールから被洗浄体に対して吐出される洗浄媒体の吐出エネルギーを制御する制御手段と
を具備することを特徴とする洗浄装置。
前記洗浄用ツールから吐出される洗浄媒体が、液体および気体からなる二流体になされ、前記制御手段はツール位置監視手段から得られる位置情報に基づいて、前記洗浄用ツールからの気体の吐出量を制御するように構成したことを特徴とする請求項１に記載の洗浄装置。
前記制御手段は、洗浄用ツールから吐出される気体の吐出量を、前記洗浄用ツールにおける被洗浄体に対する中心走査位置に比較して周縁走査位置において増量させるように制御することを特徴とする請求項２に記載の洗浄装置。
被洗浄体を支持しつつ、被洗浄体を水平面内で回転駆動させながら被洗浄体の表面に洗浄媒体を吐出する洗浄用ツールを、被洗浄体の表面に沿って走査させる工程を含み、
前記被洗浄体に対する洗浄用ツールの走査位置に応じて、洗浄用ツールから被洗浄体に対して吐出される洗浄媒体の吐出エネルギーを制御することで、前記被洗浄体を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
前記洗浄用ツールから吐出される洗浄媒体が、液体および気体からなる二流体になされ、前記被洗浄体に対する洗浄用ツールの走査位置に応じて、洗浄用ツールから被洗浄体に対して吐出される気体の吐出量を制御することで、前記被洗浄体を洗浄することを特徴とする請求項４に記載の洗浄方法。
前記洗浄用ツールから吐出される気体の吐出量を、前記洗浄用ツールにおける被洗浄体に対する中心走査位置に比較して周縁走査位置において増量させることで、前記被洗浄体を洗浄することを特徴とする請求項５に記載の洗浄方法。
前記洗浄媒体が、純水および窒素ガスの混合体であることを特徴とする請求項４ないし請求項６のいずれかに記載の洗浄方法。