JP2004011746A - 電磁ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ブレーキディスクの僅かな温度上昇をより早期に検出することを目的とするものである。
【解決手段】回転軸21と一体に回転されるブレーキディスク23の両面には、固定制動体28と可動制動体31とが設けられている。固定制動体28及び可動制動体31は、ブレーキディスク23に接離されるブレーキライニング30,33を有している。ブレーキライニング30,33には、センサ凹部30a,33aが設けられている。ブレーキライニング30,33内には、ブレーキディスク23の表面の温度を検出する温度センサ35がそれぞれ埋め込まれている。
【選択図】 図1
【解決手段】回転軸21と一体に回転されるブレーキディスク23の両面には、固定制動体28と可動制動体31とが設けられている。固定制動体28及び可動制動体31は、ブレーキディスク23に接離されるブレーキライニング30,33を有している。ブレーキライニング30,33には、センサ凹部30a,33aが設けられている。ブレーキライニング30,33内には、ブレーキディスク23の表面の温度を検出する温度センサ35がそれぞれ埋め込まれている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばエレベータ巻上機に使用される電磁ブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は例えば特開平5−196073号公報に示された従来の電磁ブレーキ装置を示す断面図である。回転可能な回転軸1の端部には、スプラインハブ2が固定されている。スプラインハブ2には、回転軸1を中心として回転軸1と一体に回転されるブレーキディスク3が取り付けられている。
【0003】
減速機4には、電磁マグネット5が固定されている。電磁マグネット5は、コア6及び電磁コイル7を有している。コア6の中心には、回転軸1が貫通する貫通孔6aが設けられている。また、貫通孔6aには、ばね受け部(段部)6bが形成されている。
【0004】
コア6には、回転軸1と平行に延びる複数のロッド8が固定されている。ロッド8には、ブレーキディスク3の電磁マグネット5とは反対側の面に対向する円板状のアウターディスク9が支持されている。アウターディスク9は、スプラインハブ2及びロッド8により貫通されている。ロッド8の先端部には、ブレーキディスク3から開離する方向へのアウターディスク9の移動を規制するナット10が螺着されている。
【0005】
電磁マグネット5とブレーキディスク3との間には、円板状のブレーキシュー11が配置されている。ブレーキシュー11は、回転軸1及びロッド8により貫通されており、回転軸1の軸方向へ往復変位可能になっている。
【0006】
貫通孔6a内には、ブレーキシュー11をブレーキディスク3に押し付ける制動ばね12が配置されている。制動ばね12は、ばね受け部6bとブレーキシュー11との間に配置されている。
【0007】
ロッド8には、ブレーキディスク3の表面の温度を検出する温度センサ13が固定されている。温度センサ13は、ブレーキディスク3の外周面に対向するように配置されている。
【0008】
次に、動作について説明する。制動ばね12のばね力でブレーキシュー11がブレーキディスク3に押し付けられることにより、ブレーキディスク3がアウターディスク9とブレーキシュー11との間に挟持され、回転軸1の回転が制動される。また、電磁マグネット5が励磁されることにより、制動ばね12に抗してブレーキシュー11が電磁マグネット5に吸引されブレーキディスク3から開離される。これにより、回転軸1の回転の制動が解除される。
【0009】
例えば、電磁マグネット5の故障、ブレーキシュー11の動作不良、又は制動時における電磁マグネット5とブレーキディスク3との間の隙間gの調整不良等により、ブレーキシュー11がブレーキディスク3から完全に開離されないと、ブレーキディスク3がブレーキシュー11に接触しながら回転され、ブレーキディスク3が発熱する。ブレーキディスク3の発熱が温度センサ13により検出されると、回転軸1を回転させる電動機への通電及び電磁コイル7への通電が遮断される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された従来の電磁ブレーキ装置においては、ブレーキディスク3の外周面に対向するように温度センサ13が配置されており、ブレーキディスク3の温度が上昇してからブレーキディスク3と温度センサ13との間の空気の温度が上昇するまでに時間がかかるため、ブレーキディスク3の温度上昇を検出するのが遅くなってしまう。また、検出精度も低く、ブレーキシュー11とアウターディスク9との軽い接触による僅かな温度上昇では、ブレーキディスク3と温度センサ13との間の空気の温度が殆ど上昇せず、接触を検出できないことがあった。
【0011】
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、回転体の僅かな温度上昇をより早期に検出することができる電磁ブレーキ装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電磁ブレーキ装置は、回転可能な回転体、回転体に対して接離する方向へ往復動可能な制動体本体と、この制動体本体に設けられ、回転体に押し付けられて回転体の回転を制動するブレーキライニングとを有する可動制動体、ブレーキライニングが回転体に接する方向へ可動制動体を付勢する制動体付勢手段、制動体付勢手段に逆らってブレーキライニングを回転体から開離させる開放用電磁マグネット、及びブレーキライニング内に埋め込まれ、回転体の温度を検出する温度センサを備えたものである。
【0013】
また、この発明に係る電磁ブレーキ装置は、回転可能な回転体、回転体に対して接離する方向へ往復動可能な制動体本体と、この制動体本体に設けられ、回転体に押し付けられて回転体の回転を制動するブレーキライニングとを有する可動制動体、ブレーキライニングが回転体に接する方向へ可動制動体を付勢する制動体付勢手段、制動体付勢手段に逆らってブレーキライニングを回転体から開離させる開放用電磁マグネット、回転体の外周部に近接する近接位置と回転体の外周部から開離した開離位置との間で変位可能になっており、回転体の温度を検出する温度センサ、及び可動制動体の動作を温度センサに機械的に伝達し、可動制動体に連動して温度センサを近接位置と開離位置との間で変位させる伝達機構を備えたものである。
【0014】
さらに、この発明に係る電磁ブレーキ装置は、回転可能な回転体、回転体に対して接離する方向へ往復動可能な制動体本体と、この制動体本体に設けられ、回転体に押し付けられて回転体の回転を制動するブレーキライニングとを有する可動制動体、ブレーキライニングが回転体に接する方向へ可動制動体を付勢する制動体付勢手段、制動体付勢手段に逆らってブレーキライニングを回転体から開離させる開放用電磁マグネット、回転体の外周部に近接する近接位置と回転体の外周部から開離した開離位置との間で変位可能になっており、回転体の温度を検出する温度センサ、及び回転体の制動時に温度センサを近接位置に変位させ、回転体の制動解除時に温度センサを開離位置に変位させるセンサ駆動手段を備えたものである。
また、センサ駆動手段は、温度センサを近接位置へ向けて付勢するセンサ付勢手段と、センサ付勢手段に逆らって温度センサを開離位置に変位させるセンサ用電磁マグネットとを有している。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による電磁ブレーキ装置の制動時の状態を示す断面図であり、この例では、エレベータ巻上機の電磁ブレーキ装置を示している。図において、駆動モータの回転軸21には、スプラインボス22が固定されている。スプラインボス22には、回転軸21を中心として回転軸21と一体に回転される回転体としてのブレーキディスク23が取り付けられている。
【0016】
駆動モータ本体20には、円板状の開放用電磁マグネット24が固定されている。開放用電磁マグネット24は、コア25と電磁コイル26とを有している。コア25の中心には、回転軸21が貫通している。また、コア25には、複数のばね受け凹部25aが設けられている。
【0017】
開放用電磁マグネット24のばね受け凹部25aの底部には、回転軸21と平行に延びる複数本のロッド27(図では1本のみ示す)の基端部が固定されている。ロッド27の先端部には、ブレーキディスク23の開放用電磁マグネット24とは反対側の面に対向する円板状の固定制動体28が支持固定されている。固定制動体28は、制動体本体29と、ブレーキディスク23が押し付けられる複数のブレーキライニング30とを有している。固定制動体28の中心には、回転軸21が貫通している。
【0018】
ブレーキディスク23と開放用電磁マグネット24との間には、円板状の可動制動体31が配置されている。可動制動体31は、ブレーキディスク23に対して接離する方向(回転軸21の軸方向)へ往復動可能な制動体本体32と、この制動体本体31に設けられ、ブレーキディスク23に押し付けられてブレーキディスク23の回転を制動する複数のブレーキライニング33とを有している。制動体本体32は、回転軸21及びロッド27により貫通されており、ロッド27により案内されて往復動される。
【0019】
各ばね受け凹部25a内には、ブレーキライニング33がブレーキディスク23に接する方向へ可動制動体31を付勢する制動体付勢手段としての制動ばね34がそれぞれ配置されている。開放用電磁マグネット24は、制動ばね34に逆らってブレーキライニング33をブレーキディスク23から開離させるように、可動制動体31を吸引する。
【0020】
ブレーキライニング30,33の中央部には、ブレーキディスク23に対向するセンサ凹部30a,33aがそれぞれ設けられている。また、ブレーキライニング30,33内には、ブレーキディスク23の表面の温度を検出する温度センサ35がそれぞれ埋め込まれている。
【0021】
温度センサ35の頭部(温度検出部)には、例えば熱電対、半導体センサ素子、又は熱線を感知する赤外線センサ等が設けられている。また、温度センサ35の頭部は、センサ凹部30a,33a内に露出している。即ち、温度センサ35の頭部は、ブレーキディスク23の両面に対向している。各温度センサ35からは、リード線36が引き出されている。
【0022】
図2は図1の固定制動体28及び可動制動体31を示す正面図である。ブレーキライニング30,33は、複数のねじ37により制動体本体29,32に固定されている。
【0023】
次に、動作について説明する。制動ばね34のばね力で可動制動体31がブレーキディスク23に押し付けられることにより、ブレーキディスク23が固定制動体28と可動制動体31との間に挟持され、回転軸21の回転が制動される。また、電磁マグネット24が励磁されることにより、制動ばね34に抗して可動制動体31が電磁マグネット24に吸引されブレーキディスク23から開離される。これにより、回転軸21の回転の制動が解除される。
【0024】
何等かの故障や調整不良により、制動解除時にブレーキライニング30,33がブレーキディスク23から完全に開離されないと、ブレーキディスク23がブレーキライニング30,33に接触しながら回転され、ブレーキディスク23が発熱する。ブレーキディスク23の発熱が温度センサ35により検出されると、回転軸21を回転させる駆動モータへの通電及び電磁コイル26への通電が遮断される。
【0025】
このような電磁ブレーキ装置では、ブレーキディスク23の表面の温度を検出する温度センサ35がブレーキライニング30,33内に埋め込まれているため、ブレーキディスク23の温度上昇をブレーキディスク23の近傍で検出することができ、ブレーキディスク23の僅かな温度上昇をより早期に検出することができる。即ち、ブレーキライニング30,33との接触によりブレーキディスク23の温度が上昇している場合には、温度センサ35もブレーキディスク23に近接していることになり、温度上昇をより確実に検出できる。
【0026】
また、ブレーキディスク23に対向するセンサ凹部30a,33aをブレーキライニング30,33に設け、センサ凹部30a,33a内に温度センサ35の頭部を露出させたので、センサ凹部30a,33a内の限られた空間の温度が温度センサ35により検出され、ブレーキディスク23の温度上昇をより精度良く検出することができる。さらに、温度センサ35の頭部がブレーキディスク23に直接衝突するのが防止される。
【0027】
さらに、ブレーキディスク23の両面に対向するように温度センサ35を配置したので、ブレーキディスク23の温度上昇をより確実に検出することができる。
【0028】
さらにまた、エレベータ巻上機の通常運転時には、回転軸21の回転を停止させてから電磁マグネット24の励磁を解除し、ブレーキディスク23を制動するので、ブレーキディスク23が摩擦で温度上昇することはない。従って、故障や調整不良による異常温度上昇のみを検出することができる。
【0029】
実施の形態2.
次に、図3はこの発明の実施の形態2による電磁ブレーキ装置の制動解除時の状態を示す断面図、図4は図3の電磁ブレーキ装置の制動時状態を示す断面図である。図において、固定制動体28には、支持部41が固定されている。支持部41には、揺動軸41aを中心として揺動可能な揺動レバー42が支持されている。
【0030】
揺動レバー42の一端部には、温度センサ35が搭載されている。温度センサ35は、揺動レバー42の揺動により、ブレーキディスク23の外周部に近接する近接位置(図4)とブレーキディスク23の外周部から開離した開離位置(図3)との間で変位可能になっている。
【0031】
揺動レバー42と固定制動体28との間には、温度センサ35が開離位置に位置するように揺動レバー42を付勢する開離ばね43が設けられている。可動制動体31には、揺動レバー42の他端部に係合する係合ピン44が固定されている。係合ピン44は、可動制動体31と一体に回転軸21の軸方向へ往復動される。また、係合ピン44は、ブレーキディスク23と干渉しないように、ブレーキディスク23の径方向外側に配置されている。
【0032】
伝達機構40は、支持部41、揺動軸41a、揺動レバー42、開離ばね43及び係合ピン44を有している。また、伝達機構40は、可動制動体31の動作を温度センサ35に機械的に伝達し、可動制動体31に連動して温度センサ35を近接位置と開離位置との間で変位させる。即ち、温度センサ35は、ブレーキディスク23の制動時に近接位置に変位され、ブレーキディスク23の制動解除時に開離位置に変位される。
【0033】
実施の形態2では、伝達機構40に温度センサ35が支持されているので、ブレーキライニング30,33にセンサ凹部30a,33aは不要である。他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
【0034】
このような電磁ブレーキ装置では、何等かの故障や調整不良によりブレーキライニング33とブレーキディスク23との間の隙間が狭くなると、可動制動体31の移動が伝達機構40を介して温度センサ35に伝達され、温度センサ35が近接位置に移動される。このとき、ブレーキディスク23が接触してブレーキライニング33の温度が上昇していれば、そのブレーキディスク23の温度上昇が温度センサ35によりブレーキディスク23の近傍で検出され、ブレーキディスク23の僅かな温度上昇をより早期に検出することができる。
【0035】
さらにまた、エレベータ巻上機の通常運転時には、回転軸21の回転を停止させてから電磁マグネット24の励磁を解除し、ブレーキディスク23を制動するので、ブレーキディスク23が摩擦で温度上昇することはない。従って、故障や調整不良による異常温度上昇のみを検出することができる。
【0036】
なお、伝達機構の具体的な構成は、実施の形態2に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0037】
実施の形態3.
次に、図5はこの発明の実施の形態3による電磁ブレーキ装置の制動解除時に断面図、図6は図5の電磁ブレーキ装置の制動時の断面図である。図において、駆動モータ本体20には、支持腕51が固定されている。支持腕51には、センサ用電磁マグネット52が支持されている。センサ用電磁マグネット52には、アーマチュア53が吸着される。
【0038】
アーマチュア53には、固定部材54を介して温度センサ35が固定されている。温度センサ35は、アーマチュア53の変位により、ブレーキディスク23の外周部に近接する近接位置(図6)とブレーキディスク23の外周部から開離した開離位置(図5)との間で変位可能になっている。センサ用電磁マグネット52とアーマチュア53との間には、温度センサ35を近接位置へ向けて付勢するセンサ付勢手段としてのセンサ押圧ばね55が設けられている。
【0039】
センサ駆動手段50は、支持腕51、センサ用電磁マグネット52、アーマチュア53、固定部材54及びセンサ押圧ばね55を有している。温度センサ35は、ブレーキディスク23の制動時にセンサ駆動手段50により近接位置に変位され、ブレーキディスク23の制動解除時にセンサ駆動手段50により開離位置に変位される。
【0040】
実施の形態3では、センサ駆動手段50に温度センサ35が支持されているので、ブレーキライニング30,33にセンサ凹部30a,33aは不要である。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0041】
次に、動作について説明する。制動解除時には、図5に示すように、センサ押圧ばね55に逆らってアーマチュア53が電磁マグネット52に吸引され、温度センサ35は開離位置に変位される。また、制動時には、図6に示すように、センサ押圧ばね55により温度センサ35は近接位置に変位される。このとき、温度センサ35は、ブレーキディスク23の外周面に押し付けられ、これによりブレーキディスク23の温度が直接的に検出される。
【0042】
このような電磁ブレーキ装置では、何等かの故障や調整不良により制動解除時にブレーキライニング33がブレーキディスク23に接触して、ブレーキディスク23の温度が上昇すると、その温度が制動時に温度センサ35により検出される。このとき、温度センサ35はブレーキディスク23に接触して温度を検出するため、ブレーキディスク23の僅かな温度上昇をより早期に検出することができる。
【0043】
なお、実施の形態3では、電磁マグネット52を用いたセンサ駆動手段50を示したが、センサ駆動手段は、温度センサを近接位置と開離位置との間で変位させることができれば他のものであってもよい。
また、実施の形態3では、近接位置で温度センサ35がブレーキディスク23の外周面に押し付けられるが、近接位置においても僅かな隙間を介して温度センサ35がブレーキディスク23の外周面に対向するようにしてもよい。
さらに、実施の形態1〜3では、ディスクブレーキについて示したが、これに限定されるものではなく、例えば回転体として円筒状のドラムを用いたドラムブレーキにもこの発明は適用できる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の電磁ブレーキ装置は、回転体の温度を検出する温度センサをブレーキライニング内に埋め込んだので、ブレーキディスクの温度上昇をブレーキディスクの近傍で検出することができ、ブレーキディスクの僅かな温度上昇をより早期に検出することができる。
【0045】
また、この発明の電磁ブレーキ装置は、回転体の温度を検出する温度センサを、回転体の外周部に近接する近接位置と回転体の外周部から開離した開離位置との間で変位可能とし、可動制動体の動作を伝達機構により温度センサに機械的に伝達し、可動制動体に連動して温度センサを近接位置と開離位置との間で変位させるようにしたので、ブレーキディスクの僅かな温度上昇をより早期に検出することができる。
【0046】
さらに、この発明の電磁ブレーキ装置は、回転体の温度を検出する温度センサを、回転体の外周部に近接する近接位置と回転体の外周部から開離した開離位置との間で変位可能とし、回転体の制動時にセンサ駆動手段により温度センサを近接位置に変位させ、回転体の制動解除時にはセンサ駆動手段により温度センサを開離位置に変位させるようにしたので、ブレーキディスクの僅かな温度上昇をより早期に検出することができる。
また、温度センサを近接位置へ向けて付勢するセンサ付勢手段と、センサ付勢手段に逆らって温度センサを開離位置に変位させるセンサ用電磁マグネットとを有するセンサ駆動手段を用いたので、簡単な構造で温度センサを変位させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による電磁ブレーキ装置の制動時の状態を示す断面図である。
【図2】図1の固定制動体及び可動制動体を示す正面図である。
【図3】この発明の実施の形態2による電磁ブレーキ装置の制動解除時に断面図である。
【図4】図3の電磁ブレーキ装置の制動時の断面図である。
【図5】この発明の実施の形態3による電磁ブレーキ装置の制動解除時に断面図である。
【図6】図5の電磁ブレーキ装置の制動時の断面図である。
【図7】従来の電磁ブレーキ装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
23 ブレーキディスク(回転体)、24 開放用電磁マグネット、31 可動制動体、32 制動体本体、33 ブレーキライニング、34 制動ばね(制動体付勢手段)、35 温度センサ、40 伝達機構、50 センサ駆動手段、52 センサ用電磁マグネット、53 センサ押圧ばね(センサ付勢手段)。
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばエレベータ巻上機に使用される電磁ブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は例えば特開平5−196073号公報に示された従来の電磁ブレーキ装置を示す断面図である。回転可能な回転軸1の端部には、スプラインハブ2が固定されている。スプラインハブ2には、回転軸1を中心として回転軸1と一体に回転されるブレーキディスク3が取り付けられている。
【0003】
減速機4には、電磁マグネット5が固定されている。電磁マグネット5は、コア6及び電磁コイル7を有している。コア6の中心には、回転軸1が貫通する貫通孔6aが設けられている。また、貫通孔6aには、ばね受け部(段部)6bが形成されている。
【0004】
コア6には、回転軸1と平行に延びる複数のロッド8が固定されている。ロッド8には、ブレーキディスク3の電磁マグネット5とは反対側の面に対向する円板状のアウターディスク9が支持されている。アウターディスク9は、スプラインハブ2及びロッド8により貫通されている。ロッド8の先端部には、ブレーキディスク3から開離する方向へのアウターディスク9の移動を規制するナット10が螺着されている。
【0005】
電磁マグネット5とブレーキディスク3との間には、円板状のブレーキシュー11が配置されている。ブレーキシュー11は、回転軸1及びロッド8により貫通されており、回転軸1の軸方向へ往復変位可能になっている。
【0006】
貫通孔6a内には、ブレーキシュー11をブレーキディスク3に押し付ける制動ばね12が配置されている。制動ばね12は、ばね受け部6bとブレーキシュー11との間に配置されている。
【0007】
ロッド8には、ブレーキディスク3の表面の温度を検出する温度センサ13が固定されている。温度センサ13は、ブレーキディスク3の外周面に対向するように配置されている。
【0008】
次に、動作について説明する。制動ばね12のばね力でブレーキシュー11がブレーキディスク3に押し付けられることにより、ブレーキディスク3がアウターディスク9とブレーキシュー11との間に挟持され、回転軸1の回転が制動される。また、電磁マグネット5が励磁されることにより、制動ばね12に抗してブレーキシュー11が電磁マグネット5に吸引されブレーキディスク3から開離される。これにより、回転軸1の回転の制動が解除される。
【0009】
例えば、電磁マグネット5の故障、ブレーキシュー11の動作不良、又は制動時における電磁マグネット5とブレーキディスク3との間の隙間gの調整不良等により、ブレーキシュー11がブレーキディスク3から完全に開離されないと、ブレーキディスク3がブレーキシュー11に接触しながら回転され、ブレーキディスク3が発熱する。ブレーキディスク3の発熱が温度センサ13により検出されると、回転軸1を回転させる電動機への通電及び電磁コイル7への通電が遮断される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された従来の電磁ブレーキ装置においては、ブレーキディスク3の外周面に対向するように温度センサ13が配置されており、ブレーキディスク3の温度が上昇してからブレーキディスク3と温度センサ13との間の空気の温度が上昇するまでに時間がかかるため、ブレーキディスク3の温度上昇を検出するのが遅くなってしまう。また、検出精度も低く、ブレーキシュー11とアウターディスク9との軽い接触による僅かな温度上昇では、ブレーキディスク3と温度センサ13との間の空気の温度が殆ど上昇せず、接触を検出できないことがあった。
【0011】
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、回転体の僅かな温度上昇をより早期に検出することができる電磁ブレーキ装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電磁ブレーキ装置は、回転可能な回転体、回転体に対して接離する方向へ往復動可能な制動体本体と、この制動体本体に設けられ、回転体に押し付けられて回転体の回転を制動するブレーキライニングとを有する可動制動体、ブレーキライニングが回転体に接する方向へ可動制動体を付勢する制動体付勢手段、制動体付勢手段に逆らってブレーキライニングを回転体から開離させる開放用電磁マグネット、及びブレーキライニング内に埋め込まれ、回転体の温度を検出する温度センサを備えたものである。
【0013】
また、この発明に係る電磁ブレーキ装置は、回転可能な回転体、回転体に対して接離する方向へ往復動可能な制動体本体と、この制動体本体に設けられ、回転体に押し付けられて回転体の回転を制動するブレーキライニングとを有する可動制動体、ブレーキライニングが回転体に接する方向へ可動制動体を付勢する制動体付勢手段、制動体付勢手段に逆らってブレーキライニングを回転体から開離させる開放用電磁マグネット、回転体の外周部に近接する近接位置と回転体の外周部から開離した開離位置との間で変位可能になっており、回転体の温度を検出する温度センサ、及び可動制動体の動作を温度センサに機械的に伝達し、可動制動体に連動して温度センサを近接位置と開離位置との間で変位させる伝達機構を備えたものである。
【0014】
さらに、この発明に係る電磁ブレーキ装置は、回転可能な回転体、回転体に対して接離する方向へ往復動可能な制動体本体と、この制動体本体に設けられ、回転体に押し付けられて回転体の回転を制動するブレーキライニングとを有する可動制動体、ブレーキライニングが回転体に接する方向へ可動制動体を付勢する制動体付勢手段、制動体付勢手段に逆らってブレーキライニングを回転体から開離させる開放用電磁マグネット、回転体の外周部に近接する近接位置と回転体の外周部から開離した開離位置との間で変位可能になっており、回転体の温度を検出する温度センサ、及び回転体の制動時に温度センサを近接位置に変位させ、回転体の制動解除時に温度センサを開離位置に変位させるセンサ駆動手段を備えたものである。
また、センサ駆動手段は、温度センサを近接位置へ向けて付勢するセンサ付勢手段と、センサ付勢手段に逆らって温度センサを開離位置に変位させるセンサ用電磁マグネットとを有している。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による電磁ブレーキ装置の制動時の状態を示す断面図であり、この例では、エレベータ巻上機の電磁ブレーキ装置を示している。図において、駆動モータの回転軸21には、スプラインボス22が固定されている。スプラインボス22には、回転軸21を中心として回転軸21と一体に回転される回転体としてのブレーキディスク23が取り付けられている。
【0016】
駆動モータ本体20には、円板状の開放用電磁マグネット24が固定されている。開放用電磁マグネット24は、コア25と電磁コイル26とを有している。コア25の中心には、回転軸21が貫通している。また、コア25には、複数のばね受け凹部25aが設けられている。
【0017】
開放用電磁マグネット24のばね受け凹部25aの底部には、回転軸21と平行に延びる複数本のロッド27(図では1本のみ示す)の基端部が固定されている。ロッド27の先端部には、ブレーキディスク23の開放用電磁マグネット24とは反対側の面に対向する円板状の固定制動体28が支持固定されている。固定制動体28は、制動体本体29と、ブレーキディスク23が押し付けられる複数のブレーキライニング30とを有している。固定制動体28の中心には、回転軸21が貫通している。
【0018】
ブレーキディスク23と開放用電磁マグネット24との間には、円板状の可動制動体31が配置されている。可動制動体31は、ブレーキディスク23に対して接離する方向(回転軸21の軸方向)へ往復動可能な制動体本体32と、この制動体本体31に設けられ、ブレーキディスク23に押し付けられてブレーキディスク23の回転を制動する複数のブレーキライニング33とを有している。制動体本体32は、回転軸21及びロッド27により貫通されており、ロッド27により案内されて往復動される。
【0019】
各ばね受け凹部25a内には、ブレーキライニング33がブレーキディスク23に接する方向へ可動制動体31を付勢する制動体付勢手段としての制動ばね34がそれぞれ配置されている。開放用電磁マグネット24は、制動ばね34に逆らってブレーキライニング33をブレーキディスク23から開離させるように、可動制動体31を吸引する。
【0020】
ブレーキライニング30,33の中央部には、ブレーキディスク23に対向するセンサ凹部30a,33aがそれぞれ設けられている。また、ブレーキライニング30,33内には、ブレーキディスク23の表面の温度を検出する温度センサ35がそれぞれ埋め込まれている。
【0021】
温度センサ35の頭部(温度検出部)には、例えば熱電対、半導体センサ素子、又は熱線を感知する赤外線センサ等が設けられている。また、温度センサ35の頭部は、センサ凹部30a,33a内に露出している。即ち、温度センサ35の頭部は、ブレーキディスク23の両面に対向している。各温度センサ35からは、リード線36が引き出されている。
【0022】
図2は図1の固定制動体28及び可動制動体31を示す正面図である。ブレーキライニング30,33は、複数のねじ37により制動体本体29,32に固定されている。
【0023】
次に、動作について説明する。制動ばね34のばね力で可動制動体31がブレーキディスク23に押し付けられることにより、ブレーキディスク23が固定制動体28と可動制動体31との間に挟持され、回転軸21の回転が制動される。また、電磁マグネット24が励磁されることにより、制動ばね34に抗して可動制動体31が電磁マグネット24に吸引されブレーキディスク23から開離される。これにより、回転軸21の回転の制動が解除される。
【0024】
何等かの故障や調整不良により、制動解除時にブレーキライニング30,33がブレーキディスク23から完全に開離されないと、ブレーキディスク23がブレーキライニング30,33に接触しながら回転され、ブレーキディスク23が発熱する。ブレーキディスク23の発熱が温度センサ35により検出されると、回転軸21を回転させる駆動モータへの通電及び電磁コイル26への通電が遮断される。
【0025】
このような電磁ブレーキ装置では、ブレーキディスク23の表面の温度を検出する温度センサ35がブレーキライニング30,33内に埋め込まれているため、ブレーキディスク23の温度上昇をブレーキディスク23の近傍で検出することができ、ブレーキディスク23の僅かな温度上昇をより早期に検出することができる。即ち、ブレーキライニング30,33との接触によりブレーキディスク23の温度が上昇している場合には、温度センサ35もブレーキディスク23に近接していることになり、温度上昇をより確実に検出できる。
【0026】
また、ブレーキディスク23に対向するセンサ凹部30a,33aをブレーキライニング30,33に設け、センサ凹部30a,33a内に温度センサ35の頭部を露出させたので、センサ凹部30a,33a内の限られた空間の温度が温度センサ35により検出され、ブレーキディスク23の温度上昇をより精度良く検出することができる。さらに、温度センサ35の頭部がブレーキディスク23に直接衝突するのが防止される。
【0027】
さらに、ブレーキディスク23の両面に対向するように温度センサ35を配置したので、ブレーキディスク23の温度上昇をより確実に検出することができる。
【0028】
さらにまた、エレベータ巻上機の通常運転時には、回転軸21の回転を停止させてから電磁マグネット24の励磁を解除し、ブレーキディスク23を制動するので、ブレーキディスク23が摩擦で温度上昇することはない。従って、故障や調整不良による異常温度上昇のみを検出することができる。
【0029】
実施の形態2.
次に、図3はこの発明の実施の形態2による電磁ブレーキ装置の制動解除時の状態を示す断面図、図4は図3の電磁ブレーキ装置の制動時状態を示す断面図である。図において、固定制動体28には、支持部41が固定されている。支持部41には、揺動軸41aを中心として揺動可能な揺動レバー42が支持されている。
【0030】
揺動レバー42の一端部には、温度センサ35が搭載されている。温度センサ35は、揺動レバー42の揺動により、ブレーキディスク23の外周部に近接する近接位置(図4)とブレーキディスク23の外周部から開離した開離位置(図3)との間で変位可能になっている。
【0031】
揺動レバー42と固定制動体28との間には、温度センサ35が開離位置に位置するように揺動レバー42を付勢する開離ばね43が設けられている。可動制動体31には、揺動レバー42の他端部に係合する係合ピン44が固定されている。係合ピン44は、可動制動体31と一体に回転軸21の軸方向へ往復動される。また、係合ピン44は、ブレーキディスク23と干渉しないように、ブレーキディスク23の径方向外側に配置されている。
【0032】
伝達機構40は、支持部41、揺動軸41a、揺動レバー42、開離ばね43及び係合ピン44を有している。また、伝達機構40は、可動制動体31の動作を温度センサ35に機械的に伝達し、可動制動体31に連動して温度センサ35を近接位置と開離位置との間で変位させる。即ち、温度センサ35は、ブレーキディスク23の制動時に近接位置に変位され、ブレーキディスク23の制動解除時に開離位置に変位される。
【0033】
実施の形態2では、伝達機構40に温度センサ35が支持されているので、ブレーキライニング30,33にセンサ凹部30a,33aは不要である。他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
【0034】
このような電磁ブレーキ装置では、何等かの故障や調整不良によりブレーキライニング33とブレーキディスク23との間の隙間が狭くなると、可動制動体31の移動が伝達機構40を介して温度センサ35に伝達され、温度センサ35が近接位置に移動される。このとき、ブレーキディスク23が接触してブレーキライニング33の温度が上昇していれば、そのブレーキディスク23の温度上昇が温度センサ35によりブレーキディスク23の近傍で検出され、ブレーキディスク23の僅かな温度上昇をより早期に検出することができる。
【0035】
さらにまた、エレベータ巻上機の通常運転時には、回転軸21の回転を停止させてから電磁マグネット24の励磁を解除し、ブレーキディスク23を制動するので、ブレーキディスク23が摩擦で温度上昇することはない。従って、故障や調整不良による異常温度上昇のみを検出することができる。
【0036】
なお、伝達機構の具体的な構成は、実施の形態2に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0037】
実施の形態3.
次に、図5はこの発明の実施の形態3による電磁ブレーキ装置の制動解除時に断面図、図6は図5の電磁ブレーキ装置の制動時の断面図である。図において、駆動モータ本体20には、支持腕51が固定されている。支持腕51には、センサ用電磁マグネット52が支持されている。センサ用電磁マグネット52には、アーマチュア53が吸着される。
【0038】
アーマチュア53には、固定部材54を介して温度センサ35が固定されている。温度センサ35は、アーマチュア53の変位により、ブレーキディスク23の外周部に近接する近接位置(図6)とブレーキディスク23の外周部から開離した開離位置(図5)との間で変位可能になっている。センサ用電磁マグネット52とアーマチュア53との間には、温度センサ35を近接位置へ向けて付勢するセンサ付勢手段としてのセンサ押圧ばね55が設けられている。
【0039】
センサ駆動手段50は、支持腕51、センサ用電磁マグネット52、アーマチュア53、固定部材54及びセンサ押圧ばね55を有している。温度センサ35は、ブレーキディスク23の制動時にセンサ駆動手段50により近接位置に変位され、ブレーキディスク23の制動解除時にセンサ駆動手段50により開離位置に変位される。
【0040】
実施の形態3では、センサ駆動手段50に温度センサ35が支持されているので、ブレーキライニング30,33にセンサ凹部30a,33aは不要である。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0041】
次に、動作について説明する。制動解除時には、図5に示すように、センサ押圧ばね55に逆らってアーマチュア53が電磁マグネット52に吸引され、温度センサ35は開離位置に変位される。また、制動時には、図6に示すように、センサ押圧ばね55により温度センサ35は近接位置に変位される。このとき、温度センサ35は、ブレーキディスク23の外周面に押し付けられ、これによりブレーキディスク23の温度が直接的に検出される。
【0042】
このような電磁ブレーキ装置では、何等かの故障や調整不良により制動解除時にブレーキライニング33がブレーキディスク23に接触して、ブレーキディスク23の温度が上昇すると、その温度が制動時に温度センサ35により検出される。このとき、温度センサ35はブレーキディスク23に接触して温度を検出するため、ブレーキディスク23の僅かな温度上昇をより早期に検出することができる。
【0043】
なお、実施の形態3では、電磁マグネット52を用いたセンサ駆動手段50を示したが、センサ駆動手段は、温度センサを近接位置と開離位置との間で変位させることができれば他のものであってもよい。
また、実施の形態3では、近接位置で温度センサ35がブレーキディスク23の外周面に押し付けられるが、近接位置においても僅かな隙間を介して温度センサ35がブレーキディスク23の外周面に対向するようにしてもよい。
さらに、実施の形態1〜3では、ディスクブレーキについて示したが、これに限定されるものではなく、例えば回転体として円筒状のドラムを用いたドラムブレーキにもこの発明は適用できる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の電磁ブレーキ装置は、回転体の温度を検出する温度センサをブレーキライニング内に埋め込んだので、ブレーキディスクの温度上昇をブレーキディスクの近傍で検出することができ、ブレーキディスクの僅かな温度上昇をより早期に検出することができる。
【0045】
また、この発明の電磁ブレーキ装置は、回転体の温度を検出する温度センサを、回転体の外周部に近接する近接位置と回転体の外周部から開離した開離位置との間で変位可能とし、可動制動体の動作を伝達機構により温度センサに機械的に伝達し、可動制動体に連動して温度センサを近接位置と開離位置との間で変位させるようにしたので、ブレーキディスクの僅かな温度上昇をより早期に検出することができる。
【0046】
さらに、この発明の電磁ブレーキ装置は、回転体の温度を検出する温度センサを、回転体の外周部に近接する近接位置と回転体の外周部から開離した開離位置との間で変位可能とし、回転体の制動時にセンサ駆動手段により温度センサを近接位置に変位させ、回転体の制動解除時にはセンサ駆動手段により温度センサを開離位置に変位させるようにしたので、ブレーキディスクの僅かな温度上昇をより早期に検出することができる。
また、温度センサを近接位置へ向けて付勢するセンサ付勢手段と、センサ付勢手段に逆らって温度センサを開離位置に変位させるセンサ用電磁マグネットとを有するセンサ駆動手段を用いたので、簡単な構造で温度センサを変位させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による電磁ブレーキ装置の制動時の状態を示す断面図である。
【図2】図1の固定制動体及び可動制動体を示す正面図である。
【図3】この発明の実施の形態2による電磁ブレーキ装置の制動解除時に断面図である。
【図4】図3の電磁ブレーキ装置の制動時の断面図である。
【図5】この発明の実施の形態3による電磁ブレーキ装置の制動解除時に断面図である。
【図6】図5の電磁ブレーキ装置の制動時の断面図である。
【図7】従来の電磁ブレーキ装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
23 ブレーキディスク(回転体)、24 開放用電磁マグネット、31 可動制動体、32 制動体本体、33 ブレーキライニング、34 制動ばね(制動体付勢手段)、35 温度センサ、40 伝達機構、50 センサ駆動手段、52 センサ用電磁マグネット、53 センサ押圧ばね(センサ付勢手段)。
Claims (4)
- 回転可能な回転体、
上記回転体に対して接離する方向へ往復動可能な制動体本体と、この制動体本体に設けられ、上記回転体に押し付けられて上記回転体の回転を制動するブレーキライニングとを有する可動制動体、
上記ブレーキライニングが上記回転体に接する方向へ上記可動制動体を付勢する制動体付勢手段、
上記制動体付勢手段に逆らって上記ブレーキライニングを上記回転体から開離させる開放用電磁マグネット、及び
上記ブレーキライニング内に埋め込まれ、上記回転体の温度を検出する温度センサ
を備えていることを特徴とする電磁ブレーキ装置。 - 回転可能な回転体、
上記回転体に対して接離する方向へ往復動可能な制動体本体と、この制動体本体に設けられ、上記回転体に押し付けられて上記回転体の回転を制動するブレーキライニングとを有する可動制動体、
上記ブレーキライニングが上記回転体に接する方向へ上記可動制動体を付勢する制動体付勢手段、
上記制動体付勢手段に逆らって上記ブレーキライニングを上記回転体から開離させる開放用電磁マグネット、
上記回転体の外周部に近接する近接位置と上記回転体の外周部から開離した開離位置との間で変位可能になっており、上記回転体の温度を検出する温度センサ、及び
上記可動制動体の動作を上記温度センサに機械的に伝達し、上記可動制動体に連動して上記温度センサを上記近接位置と上記開離位置との間で変位させる伝達機構
を備えていることを特徴とする電磁ブレーキ装置。 - 回転可能な回転体、
上記回転体に対して接離する方向へ往復動可能な制動体本体と、この制動体本体に設けられ、上記回転体に押し付けられて上記回転体の回転を制動するブレーキライニングとを有する可動制動体、
上記ブレーキライニングが上記回転体に接する方向へ上記可動制動体を付勢する制動体付勢手段、
上記制動体付勢手段に逆らって上記ブレーキライニングを上記回転体から開離させる開放用電磁マグネット、
上記回転体の外周部に近接する近接位置と上記回転体の外周部から開離した開離位置との間で変位可能になっており、上記回転体の温度を検出する温度センサ、及び
上記回転体の制動時に上記温度センサを近接位置に変位させ、上記回転体の制動解除時に上記温度センサを開離位置に変位させるセンサ駆動手段
を備えていることを特徴とする電磁ブレーキ装置。 - 上記センサ駆動手段は、上記温度センサを上記近接位置へ向けて付勢するセンサ付勢手段と、上記センサ付勢手段に逆らって上記温度センサを上記開離位置に変位させるセンサ用電磁マグネットとを有していることを特徴とする請求項3記載の電磁ブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002165630A JP2004011746A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 電磁ブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002165630A JP2004011746A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 電磁ブレーキ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004011746A true JP2004011746A (ja) | 2004-01-15 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2002165630A Withdrawn JP2004011746A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 電磁ブレーキ装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004011746A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107601207A (zh) * | 2017-11-06 | 2018-01-19 | 台州市特种设备监督检验中心 | 一种电梯安全钳制动温升测量方法 |
CN108930732A (zh) * | 2018-09-13 | 2018-12-04 | 大连交通大学 | 一种缩比惯性试验台用组合式制动盘及其温度测量方法 |
US20190264763A1 (en) * | 2016-11-09 | 2019-08-29 | Robert Bosch Gmbh | Carrier Pot for a Brake Disc, Brake Disc Arrangement |
-
2002
- 2002-06-06 JP JP2002165630A patent/JP2004011746A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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