JP2004011377A - 鋼管柱と鉄骨梁との接合構造及び接合方法 - Google Patents

鋼管柱と鉄骨梁との接合構造及び接合方法 Download PDF

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藤田 佳広
Katsuhisa Nishimura
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Abstract

【課題】梁等と外壁との間に無用な空間が生じることなく、施工費用を低減し得る鋼管柱と鉄骨梁との接合構造及び接合方法を提供する。
【解決手段】鋼管柱1は、鋼管3の内側面に、下フランジ2bが載置される下ダイヤフラム5と、鉄骨梁2の上側に配置される上ダイヤフラム4と、それらダイヤフラム4,5の間にガゼットプレート6とを備え、外側面に上ダイヤフラムあるいは下ダイヤフラムと溶接された鉛直ダイヤフラム7を備えている。下フランジ2bと下ダイヤフラム5とが、ウェブ2cとガゼットプレート6とが、上フランジ2a及び上ダイヤフラム4とスプライスプレート10とが、それぞれボルトにより締結されている
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鋼管柱に、上下のフランジとウェブとを備えた鉄骨梁を接合した鋼管柱と鉄骨梁との接合構造及び接合方法に関し、特に建物の側柱及び隅柱としての鋼管柱と鉄骨梁との接合構造及び接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄骨造の構造物にあっては、柱部材としてボックスコラムに代表され内部が中空となる管状の柱部材を用い、該柱部材にフランジおよびウェブを備えた鋼材でなる鉄骨梁を接合するようにしたラーメン構造の構造物がある。このようなラーメン構造における柱部材と鉄骨梁との接合構造は、図4に示すように鉄骨梁52のフランジ52a,52bを接合しようとする柱部材1の部位に、4枚の鋼板を柱部材1の四隅で溶接して八角形をなすダイアフラム54,55を配し、このダイアフラム54,55と鉄骨梁52のフランジ52a、52bとを接合するものが知られている。これは、前記ダイアフラム54,55の内径と柱部材1表面とを全周に亘り溶接するとともに、柱部材51表面と前記ダイアフラム54,55の接合部とを繋ぐリブ62有する接合部材63を用いてそれらを溶接し、このダイアフラム54,55と鉄骨梁52の上下フランジ52a,52bとをスプライスプレート60と共にボルトで締結して繋いでいる。さらに、柱部材に溶接したブラケットとウェブとをガゼットプレートを介してボルトにて締結しているものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の鋼管柱と鉄骨梁との接合構造を、建物の側柱及び隅柱として用いると、上下のダイヤフラム54、55が側柱及び隅柱の外側に突出するため、外壁を取り付ける際には柱部材1及び鉄骨梁52と外壁との間に隙間が生じてしまい、建物内部の空間が無用に狭められてしてしまうことになる。また、外壁を梁等に直接固定することができず、梁と外壁との間に外壁を固定するための部材を別途設けるため施工費用が高騰するという課題があった。
【0004】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みてなされたもので、梁等と外壁との間に無用な空間が生じることなく、施工費用を低減し得る鋼管柱と鉄骨梁との接合構造及び接合方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の請求項1に示す鋼管柱と鉄骨梁との接合構造は、建物の側柱及び隅柱としての鋼管柱に、上下のフランジとウェブとを備えた鉄骨梁を接合した鋼管柱と鉄骨梁との接合構造において、前記鋼管柱は、柱をなす鋼管における前記建物の内側に臨む側面に、前記鉄骨梁が載置される下ダイヤフラムと、前記鉄骨梁の上側に配置される上ダイヤフラムと、それらダイヤフラムの間にて突出するガゼットプレートとを備え、外側に臨む側面に、鉛直方向に沿って配置され、前記上ダイヤフラムあるいは下ダイヤフラムと溶接された鉛直ダイヤフラムを備え、前記下のフランジと前記下ダイヤフラムとが、前記ウェブと前記ガゼットプレートとが、前記上のフランジ及び前記上ダイヤフラムとそれらに跨って配置されたスプライスプレートとが、それぞれボルトにより締結されていることを特徴とする。
【0006】
このような鋼管柱と鉄骨梁との接合構造によれば、鋼管柱は、鉄骨梁を接合するための上下のダイヤフラムと、ガゼットプレートと、鉛直ダイヤフラムとを備え、さらに上ダイヤフラムあるいは下ダイヤフラムと鉛直ダイヤフラムとを溶接した構成としたので、ダイヤフラム、ガゼットプレート、及び、柱をなす鋼管を予め確実に且つ十分な強度を有する鋼管柱として形成しておくことができる。よって、剛強なラーメン構造を実現することが可能となる。
【0007】
また、側柱及び隅柱における建物の外側に臨む側面には、上下のダイヤフラムは存在せず、鉛直方鉛直ダイヤフラムだけが存在する。そして、鉛直ダイヤフラムは、鉛直方向に沿って配置されているので、建物の外側に向かって、側柱及び隅柱から大きく突出することはない。したがって、建物の限られた空間内を有効に使用することができ、側柱及び隅柱より内側に形成される空間を広く形成することが可能となる。さらに、側柱、隅柱及び鉄骨梁等と外壁とを直接固定することが可能となるため、梁等と外壁との間に別の部材を介在させることなく、施工コストを低減させることが可能となる。
また、鋼管柱と鉄骨梁との接合は、ボルトによる接合のみとしたので、現場において作業し易い鋼管柱と鉄骨梁との接合構造を実現することが可能となる。
【0008】
また、本発明の請求項2に示す鋼管柱と鉄骨梁との接合構造は、前記溶接が、断続溶接及び部分溶け込み溶接であることを特徴とする構成とした。
このような接合構造によれば、この接合構造に用いる溶接を断続溶接及び部分溶け込み溶接としたので、溶接作業の効率が良く、短かい工期にて施工可能な鋼管柱と鉄骨梁との接合構造を実現することが可能となる。なお、断続溶接とは、溶接線の方向において溶接部分が分断している溶接であり、部分溶込み溶接とは、溶接断面上において溶込み部分を母材の板厚と同等あるいは意図的に小さくした溶接をいう。
【0009】
また、本発明の請求項3に示す鋼管柱と鉄骨梁との接合方法は、建物の側柱及び隅柱としての鋼管柱に、上下のフランジとウェブとを備えた鉄骨梁を接合する鋼管柱と鉄骨梁との接合方法において、柱となる鋼管における前記建物の内側に臨む側面に、前記鉄骨梁が載置される下ダイヤフラム、前記鉄骨梁の上側に配置される上ダイヤフラム、それらダイヤフラムの間にて突出するガゼットプレート、及び、外側に臨む側面に、鉛直方向に沿って配置される鉛直ダイヤフラムを予め接合するとともに、鉛直ダイヤフラムと、前記上ダイヤフラムあるいは下ダイヤフラムとを溶接して鋼管柱を形成するステップと、前記下ダイヤフラムに前記鉄骨梁を載置して前記下フランジをボルトを用いて締結するステップと、前記上フランジ及び前記上ダイヤフラムと、それらに跨らせて配置したスプライスプレートとをボルトを用いて締結するステップと、前記ウェブと前記ガゼットプレートとをボルトを用いて締結するステップと、を有することを特徴とする。
【0010】
このような鋼管柱と鉄骨梁との接合方法によれば、鋼管柱に、予め上下のダイヤフラム、ガゼットプレート、及び、鉛直ダイヤフラムとを接合し、さらに、上ダイヤフラムあるいは下ダイヤフラムと鉛直ダイヤフラムとを溶接するので、例えば工場などの充実した設備を用いて、それらを容易に且つ強固に固定することが可能である。また、現場での作業は、鋼管柱と下ダイヤフラムと下フランジ、上フランジ及び上ダイヤフラムとスプライスプレートとをボルトを用いて接合するだけなので、煩雑な溶接作業の作業量を大幅に削減されて、作業性が向上する。このため、上記の接合方法によれば、強固で確実に接合されたラーメン架構を、短期間で形成することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる鋼管柱と鉄骨梁との接合構造の好適な一実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1、2は本発明の一実施形態を示し、図1は側柱としての鋼管柱と鉄骨梁との接合部を示す斜視図、図2は図1に示す接合部の構成を示す分解図である。
【0012】
本発明の鋼管柱と鉄骨梁との接合構造として、例えば側柱と鉄骨梁との接合構造は、断面形状が略四角形の鋼管を柱とする鋼管柱1と、上下2つのフランジ2a,2bとウェブ2cとを有するH形鋼材でなる3本の鉄骨梁2とが接合されている。
【0013】
前記鋼管柱1は、柱をなす角形鋼管3と、上下のダイヤフラム4,5と、角形鋼管3の側面に突設された3枚のガゼットプレート6と、角形鋼管3において建物の外側に臨む面(以下、外側面という)に取り付けられた鉛直ダイヤフラム7とを備えている。詳述すると、角形鋼管3には、その4つの側面のうち建物の内側に臨む3つの側面を囲むように、鋼板でなる上下のダイヤフラム4,5が、角形鋼管3に対し建物の内側から取り付けられている。このとき、上下のダイヤフラム4,5には、その一縁部が角形鋼管3の外周形状とほぼ同形状に切り欠かれてコ字状の切欠部4a,5aが設けられ、この切欠部4a,5aに角形鋼管3が嵌め込まれて、切欠部4a,5aと角形鋼管3との間は、断続溶接及び部分溶け込み溶接にて接合されている。また、嵌め込まれた角形鋼管3における建物の外側に位置する側面と、切欠部4a,5aが形成されている上下のダイヤフラム4,5の端縁とは、ほぼ面一の状態をなしている。即ち、3本の鉄骨梁2が接合される角形鋼管3の3つの側面には、ほぼ水平な面を有する2つのダイヤフラム4,5が上下に間隔を隔てて溶接されている。ここで、下のダイヤフラム5(以下、下ダイヤフラムという)は、その上に下フランジ2bを接触させて鉄骨梁2を載置した際に、当該鉄骨梁2が接合すべき位置に配置されるように、上のダイヤフラム4(以下、上ダイヤフラムという)は、下ダイヤフラム5に載置した鉄骨梁2の上フランジ2aと、上ダイヤフラム5とがほぼ同一平面をなす位置に、それぞれ溶接されている。
【0014】
また、角形鋼管3の上下ダイヤフラム4,5が溶接されている側面には、鋼板でなるガゼットプレート6が、角形鋼管3の長手方向に沿って突設されている。このガゼットプレート6は、下ダイヤフラム5に載置された鉄骨梁2を、そのフランジ2a,2bの側縁と角形鋼管3の側面とが直線状に繋がるように配置すると、鉄骨梁2のウェブ2cと面接触する位置に断続溶接、隅肉溶接あるいは部分溶け込み溶接にて接合されている。
【0015】
さらに、角形鋼管3における建物の外側面には、4枚の鉛直ダイヤフラム7が断続溶接、隅肉溶接あるいは部分溶け込み溶接にて接合されている。この4枚の鉛直ダイヤフラム7は、ほぼ長方形状をなす鋼板で形成され、鋼板の一面が角形鋼管3の外側面と対向し、短手方向が鉛直方向に沿わされ、長手方向が水平方向に沿わされている。即ち、鉛直ダイヤフラム7が鉛直方向に沿わされて配置されているので、鋼管柱1の外側面は、角形鋼管3の外側面より、鉛直ダイヤフラム7の板厚分だけ僅かに外側に位置することになる。このとき、各鉛直ダイヤフラム7の角形鋼管3と対向する部位には、上下方向の中央近傍に水平方向に沿ってスリット7aが形成されている。このスリット7aは、角形鋼管3と鉛直ダイヤフラム7との溶接長さを長くするものであり、これにより、各鉛直ダイヤフラム7を固定するための溶接を断続溶接、隅肉溶接あるいは部分溶け込み溶接としても、十分な強度を確保することができる。当然のことながら、十分な強度が得られるだけの溶接長さが確保できる場合には、スリット7aは必ずしも設ける必要はない。
【0016】
4枚の鉛直ダイヤフラム7は、2枚ずつ対をなして上下に配置され、一対の鉛直ダイヤフラム7は、角形鋼管3の外側面における幅方向のほぼ中央から角形鋼管3の側方に向かってそれぞれ突出されている。対をなす鉛直ダイヤフラム7の上側の2枚は、その上下方向中央が上ダイヤフラム4と一致する位置に、また、下側の2枚は、その上下方向中央が下ダイヤフラム5と一致する位置に配置され、各々の先端は、上下のダイヤフラム4,5と同じ位置まで延出されている。そして、上側の鉛直ダイヤフラム7と、上ダイヤフラム4の、建物の外側に臨む縁部とが、また、下側の鉛直ダイヤフラム7と、下ダイヤフラム5の、建物の外側に臨む縁部とが、断続溶接、隅肉溶接あるいは部分溶け込み溶接にて接合されている。
【0017】
下ダイヤフラム5と、下フランジ2bとにはそれぞれ、また、ガゼットプレート6と、ウェブ2cとにはそれぞれ、下ダイヤフラム5上に載置した鉄骨梁2を固定するための高力ボルトが貫通される小孔2d、2e、5b、6aが設けられている。
【0018】
前記3本の鉄骨梁2は、下ダイヤフラム5に鉄骨梁2を載置した際に、上フランジ2aと上ダイヤフラム4とが干渉しないように、上フランジ2aが切除されている。これにより、下ダイヤフラム5に載置した鉄骨梁2の上フランジ2aと上ダイヤフラム4とが同一の水平面を形成する。そして、上フランジ2aと上ダイヤフラム4とには、それらの上面に跨って載置されるスプライスプレート10を介して固定するための高力ボルトが貫通される小孔4b、2d、10aが設けられている。
【0019】
上記側柱をなす鋼管柱1と鉄骨梁2との接合方法は、柱をなす角形鋼管3に上下ダイヤフラム4,5と、ガゼットプレート6と,4枚の鉛直ダイヤフラム7とを、また、上下ダイヤフラム4,5と、鉛直ダイヤフラム7とを予め工場等において、断続溶接、隅肉溶接あるいは部分溶け込み溶接にて十分な強度を有するように固定して鋼管柱1を形成しておく。この鋼管柱1と鉄骨梁2とを現場に搬入し、側柱を備えるべき所定の位置に鋼管柱1を立設する。
【0020】
立設された鋼管柱1の上下ダイヤフラム4,5間に、鉄骨梁2を挿入し、鉄骨梁2の端部と鋼管柱1の側面とが当接するように、鉄骨梁2を下ダイヤフラム5上に載置する。このとき、鉄骨梁2のウェブ2cとガゼットプレート6とを面接触させる。そして、下ダイヤフラム5の小孔5bと下フランジ2bの小孔2dとに、また、ウェブ2cの小孔2eとガゼットプレート6の小孔6aとに、高力ボルトを貫通させ、それぞれナットにて締結する。
【0021】
その後、上ダイヤフラム4と上フランジ2aの上に、両者に跨るようにスプライスプレート10を載置し、上ダイヤフラム4の小孔4bと上フランジ2aの小孔2dとに、高力ボルトを貫通させそれぞれナットにて締結する。
【0022】
すなわち、本実施形態における鋼管柱1と鉄骨梁2との接合構造及び接合方法によれば、鋼管柱1は、上下ダイヤフラム4,5と、ガゼットプレート6と、鉛直ダイヤフラム7とを備えているので、現場での作業が削減されるとともに、鋼管柱1と鉄骨梁2との接合部分に十分な強度を備えることが可能となる。特に、鋼管柱1と鉄骨梁2とをボルトにより締結して接合するので、施工現場における溶接作業がなく、容易に且つ短時間にて鋼管柱1と鉄骨梁2とを接合することが可能となるとともに、剛強なラーメン構造を実現することが可能となる。
【0023】
また、鋼管柱1の外側面には、上下ダイヤフラム4,5が突出しない構成としたので、建物内に形成される空間を広く形成することが可能となるとともに、直接外壁を固定することが可能なので、無用な部材を用いることないため施工コストを低減させることが可能となる。
【0024】
以下に本発明の他の実施形態を添付図面を用いて説明するが、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0025】
図3は、本発明の鋼管柱と鉄骨梁との接合構造を隅柱に適用した例を示す斜視図である。
この実施形態では、隅柱をなす鋼管柱1と、H形鋼材でなる2本の鉄骨梁2とが接合されている。鋼管柱21は、柱をなす角形鋼管3と、上下のダイヤフラム24,25と、角形鋼管3の側面に突設された2枚のガゼットプレート6と、角形鋼管3において建物の外側に臨む2つの面に取り付けられた鉛直ダイヤフラム7とを備えている。
【0026】
角形鋼管3には、建物の内側に臨む2つの側面に、鋼板でなる上下のダイヤフラム24,25が取り付けられている。このとき、上下のダイヤフラム24,25に設けられた切欠部に角形鋼管3が嵌め込まれ、切欠部と角形鋼管3との間は、断続溶接及び部分溶け込み溶接され、上下のダイヤフラム24,25の間にはガゼットプレート6が断続溶接及び隅肉溶接されている。
【0027】
さらに、角形鋼管3における建物の2つの外側面には、それぞれ2枚ずつの鉛直ダイヤフラム7が断続溶接、隅肉溶接あるいは部分溶け込み溶接にて接合されている。これら鉛直ダイヤフラム7は、角形鋼管3の隅角に配置される角部近傍から、接合される鉄骨梁2の方向に向かって突出されている。また、これら鉛直ダイヤフラム7と、上下ダイヤフラム4、5の、建物の外側に臨む縁部とは、断続溶接、隅肉溶接あるいは部分溶け込み溶接にて接合されている。
【0028】
上記側柱をなす鋼管柱1と鉄骨梁2との接合方法は、予め工場等において形成され、所定の位置に立設された鋼管柱1と鉄骨梁2とを、所定の位置にて高力ボルトとナットにて締結して接合する。
【0029】
このように本発明の鋼管柱と鉄骨梁との接合構造による隅柱と、前記側柱とを用いて架構を構成すると、建物の全周に置いて外壁を直接梁や柱に固定することが可能となり、且つ、形成される内部空間を広く形成することが可能となるという優れた効果を奏する。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の鋼管柱と鉄骨梁との接合構造及び接合方法によれば、鉄骨梁と接合するための、上下のダイヤフラムと、ガゼットプレートと、鉛直ダイヤフラムとを備えた鋼管柱を、予め工場などで確実に且つ強固に固定して、十分な強度を有する鋼管柱を形成することができ、これにより剛強なラーメン構造を実現することが可能となる。
【0031】
また、鋼管柱と鉄骨梁との接合は、ボルト接合のみとしたので、施工し易い鋼管柱と鉄骨梁との接合構造を実現することが可能となる。さらに、その溶接を断続溶接、隅肉溶接あるいは部分溶け込み溶接としたので、現場で行う溶接作業を効率が良く行うことが可能となる。これにより、短かい工期にて施工可能な鋼管柱と鉄骨梁との接合構造を実現することが可能となる。
【0032】
また、側柱及び隅柱における建物の外側に臨む側面には、上下のダイヤフラムは備えられていないため、側柱及び隅柱より内側に形成される空間を広く形成することが可能となるとともに、直接外壁を梁等に固定することが可能となるため、施工コストを低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】側柱としての鋼管柱と鉄骨梁との接合部を示す斜視図である。
【図2】図1に示す接合部の構成を示す分解図である。
【図3】本発明の鋼管柱と鉄骨梁との接合構造を隅柱に適用した例を示す斜視図である。
【図4】従来の鋼管柱と鉄骨梁との接合構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1  鋼管柱
2  鉄骨梁
2a 上フランジ
2b 下フランジ
2c ウェブ
2d,2e 小孔
3  角形鋼管
4  上ダイアフラム
4a 切欠部
4b 小孔
5  下ダイアフラム
5a 切欠部
5b 小孔
6  ガゼットプレート
6a 小孔
7  鉛直ダイヤフラム
7a スリット
10 スプライスプレート
10a 小孔
24 上ダイアフラム
25 下ダイアフラム

Claims (3)

  1. 建物の側柱及び隅柱としての鋼管柱に、上下のフランジとウェブとを備えた鉄骨梁を接合した鋼管柱と鉄骨梁との接合構造において、
    前記鋼管柱は、柱をなす鋼管における前記建物の内側に臨む側面に、前記鉄骨梁が載置される下ダイヤフラムと、前記鉄骨梁の上側に配置される上ダイヤフラムと、それらダイヤフラムの間にて突出するガゼットプレートとを備え、外側に臨む側面に、鉛直方向に沿って配置され、前記上ダイヤフラムあるいは下ダイヤフラムと溶接された鉛直ダイヤフラムを備え、
    前記下のフランジと前記下ダイヤフラムとが、前記ウェブと前記ガゼットプレートとが、前記上のフランジ及び前記上ダイヤフラムとそれらに跨って配置されたスプライスプレートとが、それぞれボルトにより締結されていることを特徴とする鋼管柱と鉄骨梁との接合構造。
  2. 前記溶接は、断続溶接及び部分溶け込み溶接であることを特徴とする請求項1に記載の鋼管柱と鉄骨梁との接合構造。
  3. 建物の側柱及び隅柱としての鋼管柱に、上下のフランジとウェブとを備えた鉄骨梁を接合する鋼管柱と鉄骨梁との接合方法において、
    柱となる鋼管における前記建物の内側に臨む側面に、前記鉄骨梁が載置される下ダイヤフラム、前記鉄骨梁の上側に配置される上ダイヤフラム、それらダイヤフラムの間にて突出するガゼットプレート、及び、外側に臨む側面に、鉛直方向に沿って配置される鉛直ダイヤフラムを予め接合するとともに、鉛直ダイヤフラムと、前記上ダイヤフラムあるいは下ダイヤフラムとを溶接して鋼管柱を形成するステップと、
    前記下ダイヤフラムに前記鉄骨梁を載置して前記下フランジをボルトを用いて締結するステップと、
    前記上フランジ及び前記上ダイヤフラムと、それらに跨らせて配置したスプライスプレートとをボルトを用いて締結するステップと、
    前記ウェブと前記ガゼットプレートとをボルトを用いて締結するステップと、を有することを特徴とする鋼管柱と鉄骨梁との接合方法。
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