JP2004003122A - 木造建築物用屋根パネル、この屋根パネルに取り付けるガセット及びブラケット、並びに、木造建築物の施工方法 - Google Patents

木造建築物用屋根パネル、この屋根パネルに取り付けるガセット及びブラケット、並びに、木造建築物の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】三角屋根を備えた木造建築物の屋根部分の建造に際して、安全で迅速かつ廉価な作業を可能にする木造建築物用屋根パネル、並びに、当該木造建築物の施工方法を提供する。
【解決手段】互いに平行になるように配置された複数の垂木桟12と、各垂木桟の頂部をそれぞれ接合する棟木板14と、各垂木桟の間に配置された野地根太16と、垂木桟及び野地根太とほぼ直交するように配置された根太18と、垂木桟のうち少なくとも両側の垂木桟にそれぞれ取り付けられた吊り上げ用金具20と、垂木桟の上端の下縁部に固定されたガセット30と、垂木桟の下端に隣接した個所の下縁部に固定されたブラケット40とを備え、ガセットの一対の斜辺部材のなす角度αが、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角に対応しており、ブラケットの斜辺部材と前記垂直部材の延長線とのなす角度βが、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角の半分の角度に対応している。
【選択図】  図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に、三角屋根を備えた木造建築物用屋根パネル、この屋根パネルに取り付けるガセット及びブラケット、並びに、三角屋根を備えた木造建築物の施工方法に関する。より詳細には、本発明は、高所作業における負担を軽減した木造建築物用屋根パネル、この屋根パネルに取り付けるガセット及びブラケット、並びに、木造建築物の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木造建築物の構法として、木造軸組構法、ツーバイフォー構法などの種々の構法が知られている。これらの構法は、基本的に、工場において部材を所定の長さに切断し、所要の仕口などを作製した後、これらの部材を建築現場に搬入し、組み立てることによって、木造建築物を作るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこのような木造建築構法では、建築物の屋根部分を建造するに際して、高所作業が必要となるため、安全ネットを張る必要があり、その準備に多くの時間と労力を要していた。また、高所での電動工具の使用には、危険を伴うという課題があった。また、屋根の建造は、気候の影響を受けやすく、雨天や降雪時には、作業が中断され、工期遅延の一因ともなる。さらに、従来の木造建築構法では、屋根裏部分に、母屋や束などの部材を配置するため、多くの材料が必要となり、コスト的に問題があるとともに、屋根裏部分が、デッドスペースとなり、空間の有効利用ができないという課題があった。
【0004】
本発明は、上述の現状に鑑み、三角屋根を備えた木造建築物の屋根部分の建造に際して、安全で迅速かつ廉価な作業を可能にする木造建築物用屋根パネル、この屋根パネルに取り付けるガセット及びブラケット、並びに、三角屋根を備えた木造建築物の施工方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に記載の木造建築物用屋根パネルは、互いに平行になるように配置された複数の垂木桟と、各垂木桟の頂部をそれぞれ接合する棟木板と、垂木桟の間に、各垂木桟とほぼ直交するように配置された根太と、パネル全面に貼られた屋根板と、垂木桟のうち少なくとも両側の垂木桟にそれぞれ取り付けられた吊り上げ用金具とを備えた屋根パネルあって、屋根パネルの垂木桟の上端の下縁部に固定されたガセットと、屋根パネルの垂木桟の下端に隣接した個所の下縁部に固定されたブラケットとを備え、ガセットが、正面視で二等辺三角形の形状を有し、所定幅の鋼板で形成された一対の斜辺部材と底辺部材とを備え、各斜辺部材には、ガセットを屋根パネルに取り付けるための締結具を通すための複数の孔がそれぞれ設けられ、ガセットには、補強用の鋼製の側板が取り付けられ、一対の斜辺部材のなす角度αが、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角に対応しており、ブラケットが、水平に延びる底辺部材と、底辺部材に対して鋭角を形成するように底辺部材の一端から斜め上方に延びる斜辺部材と、底辺部材の他端から垂直下方に延びる垂直部材とを備え、これらの部材が、所定幅の鋼板で形成されており、各部材には、ブラケットを屋根パネルに取り付けるための締結具を通すための複数の孔がそれぞれ設けられ、ブラケットには、補強用の鋼製の側板が取り付けられ、斜辺部材と垂直部材の延長線とのなす角度が、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角の半分の角度に対応していることを特徴とするものである。
【0006】
本願請求項2に記載の木造建築物用屋根パネルは、前記請求項1の屋根パネルにおいて、上縁が垂木桟の上縁とほぼ同じ高さに位置し、かつ、垂木桟とほぼ平行になるように、各垂木桟の間に配置された野地根太を更に備えることを特徴とするものである。
【0007】
本願請求項3に記載の木造建築物用屋根パネルは、前記請求項1又は2の屋根パネルにおいて、前記各根太の間の空間に、断熱材が配置されることを特徴とするものである。
【0008】
本願請求項4に記載の木造建築物用屋根パネルは、前記請求項1から3までのいずれか1項の屋根パネルにおいて、角度αが100°〜120°であることを特徴とするものである。
【0009】
本願請求項5に記載の木造建築物用屋根パネルは、前記請求項1から4までのいずれか1項に記載の屋根パネルにおいて、少なくとも屋根板の全面がビニルシートで被覆されていることを特徴とするものである。
【0010】
本願請求項6に記載の木造建築物用屋根パネルに取り付けるガセットは、正面視で二等辺三角形の形状を有し、所定幅の鋼板で形成された一対の斜辺部材と底辺部材とを備え、各斜辺部材には、ガセットを屋根パネルに取り付けるための締結具を通すための複数の孔がそれぞれ設けられ、ガセットには、補強用の鋼製の側板が取り付けられ、一対の斜辺部材のなす角度αが、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角に対応していることを特徴とするものである。
【0011】
本願請求項7に記載の木造建築物用屋根パネルに取り付けるガセットは、前記請求項6のガセットにおいて、角度αが100°〜120°であることを特徴とするものである。
【0012】
本願請求項8に記載の木造建築物用屋根パネルに取り付けるブラケットは、水平に延びる底辺部材と、底辺部材に対して鋭角を形成するように底辺部材の一端から斜め上方に延びる斜辺部材と、底辺部材の他端から垂直下方に延びる垂直部材とを備え、これらの部材が、所定幅の鋼板で形成されており、各部材には、ブラケットを屋根パネルに取り付けるための締結具を通すための複数の孔がそれぞれ設けられ、ブラケットには、補強用の鋼製の側板が取り付けられ、斜辺部材と垂直部材の延長線とのなす角度が、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角の半分の角度に対応していることを特徴とするものである。
【0013】
本願請求項9に記載の木造建築物用屋根パネルに取り付けるブラケットは、前記請求項8のブラケットにおいて、角度が50°〜60°であることを特徴とするものである。
【0014】
本願請求項10に記載の三角屋根を備えた木造建築物の施工方法は、互いに平行になるように配置された複数の垂木桟と、各垂木桟の頂部をそれぞれ接合する棟木板と、垂木桟の間に、各垂木桟とほぼ直交するように配置された根太と、パネル全面に貼られた屋根板と、垂木桟のうち少なくとも両側の垂木桟にそれぞれ取り付けられた吊り上げ用金具と、屋根パネルの垂木桟の上端の下縁部に固定されたガセットと、屋根パネルの垂木桟の下端に隣接した個所の下縁部に固定されたブラケットとを備え、ガセットが、正面視で二等辺三角形の形状を有し、所定幅の鋼板で形成された一対の斜辺部材と底辺部材とを備え、各斜辺部材には、ガセットを屋根パネルに取り付けるための締結具を通すための複数の孔がそれぞれ設けられ、ガセットには、補強用の鋼製の側板が取り付けられ、一対の斜辺部材のなす角度αが、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角に対応しており、ブラケットが、水平に延びる底辺部材と、底辺部材に対して鋭角を形成するように底辺部材の一端から斜め上方に延びる斜辺部材と、底辺部材の他端から垂直下方に延びる垂直部材とを備え、これらの部材が、所定幅の鋼板で形成されており、各部材には、ブラケットを屋根パネルに取り付けるための締結具を通すための複数の孔がそれぞれ設けられ、ブラケットには、補強用の鋼製の側板が取り付けられ、斜辺部材と垂直部材の延長線とのなす角度が、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角の半分の角度に対応している第1の屋根パネルを準備する段階と、第1の屋根パネルからガセットを取り外した第2の屋根パネルを準備する段階と、建造しようとする木造建築物の下層階の柱と梁を組み立てる段階と、第1の屋根パネルを吊り上げ、下層階の上方に移動させる段階と、下層階の軒部分の上に第1の屋根パネルのブラケットを載せる段階と、第2の屋根パネルを吊り上げ、第1の屋根パネルと反対側の下層階の上方に移動させる段階と、下層階の軒部分の上にブラケットが載り、ガセットの上に上縁が載るように、第2の屋根パネルを移動させる段階と、第1の屋根パネルと第2の屋根パネルが所定位置にあることを確認した上で、ガセットを第2の屋根パネルに釘で固定するとともに、ブラケットを軒部分に釘で固定する段階とを含むことを特徴とするものである。
【0015】
本願請求項11に記載の三角屋根を備えた木造建築物の施工方法は、前記請求項10の方法において、軒部分が、正方形横断面の木製部材である第1の軒桁と、第1の軒桁の上に配置され、長方形横断面の木製部材を横に寝かせた第2の軒桁とを有し、第1の軒桁と第2の軒桁とが、ボルトによって一体化されていることを特徴とするものである。
【0016】
本願請求項12に記載の三角屋根を備えた木造建築物の施工方法は、前記請求項10又は11の方法において、第1及び第2の屋根パネルが、上縁が垂木桟の上縁とほぼ同じ高さに位置し、かつ、垂木桟とほぼ平行になるように、各垂木桟の間に配置された野地根太を更に備えることを特徴とするものである。
【0017】
本願請求項13に記載の三角屋根を備えた木造建築物の施工方法は、前記請求項10から12までのいずれか1項の方法において、前記各根太の間の空間に、断熱材が配置されることを特徴とするものである。
【0018】
本願請求項14に記載の三角屋根を備えた木造建築物の施工方法は、前記請求項10から13までのいずれか1項の方法において、角度αが100°〜120°であることを特徴とするものである。
【0019】
本願請求項15に記載の三角屋根を備えた木造建築物の施工方法は、前記請求項10から14までのいずれか1項の方法において、少なくとも前記屋根板の全面がビニルシートで被覆されていることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の好ましい実施の形態に係る木造建築物用屋根パネルの骨組みを示した斜視図である。図1及び図2において全体として参照符号10で示される本発明の好ましい実施の形態に係る木造建築物用屋根パネルは、互いに平行になるように配置された3つの垂木桟12と、各垂木桟12の頂部をそれぞれ接合する棟木板14と、上縁が垂木桟12の上縁と同じ高さに位置し、かつ、垂木桟12と平行になるように、各垂木桟12の間に配置された野地根太16と、両側の垂木桟12の間に、各垂木桟12及び野地根太16と直交するように配置された根太18とを備える。
【0021】
各部材12、14、16、18の接合は、従来の方法、すなわち、接合個所にほぞとほぞ穴(いずれも図示せず)を設け、ほぞ穴にほぞを挿入して釘で固定することによって行われる。
【0022】
屋根パネル10には、図2に示されるように、その全面に、屋根板22が貼られている。屋根板22は、垂木桟12及び野地根太16の上縁で支持され、垂木桟12及び野地根太16の上縁に釘で固定されている。
【0023】
両側の垂木桟12の内面には、吊り上げ用金具20が取り付けられている。図3は、吊り上げ用金具20の取り付け部の拡大断面図である。吊り上げ用金具20は、垂木桟12の内面に釘で固定されている。吊り上げ用金具20の取り付け部が位置する屋根板22の個所には、開口部24が設けられており、開口部24から吊り上げ用フックを挿入し、吊り上げ金具20に引っ掛けることにより、屋根パネル10を吊り上げることができる。
【0024】
屋根パネル10は好ましくは、少なくとも屋根板22の全面が、ビニルシート26で被覆されている。これにより、降雨や降雪に際しての屋根パネル10の据付け作業において、降雨や降雪の影響を最小限にすることができる。なお、ビニルシート26には、屋根板22の開口部24に対応する個所に、吊り上げ用金具20が通る穴(図示せず)が設けられている。
【0025】
屋根パネル10は更に、ガセット30と、ブラケット40とを備える。図4(a)は、ガセット30及びブラケット40を備える屋根パネル10の正面図である(なお、図1及び図2においては、図面の簡単化のため、ガセット30及びブラケット40は省略されている)。正面視で二等辺三角形の形状を有するガセット30は、一対の斜辺部材30a、30bと、底辺部材30cとを備え、これらの部材30a、30b、30cは、所定幅の鋼板で形成されている。斜辺部材30a、30bには、ガセット30を垂木桟12に固定する釘、ねじ等を通すための複数の孔30eがそれぞれ設けられている。ガセット30を補強するため、ガセット30に、側板30dが取り付けられている。
【0026】
なお、図4(b)に示されるように、屋根パネル10の各根太18の間の空間に、断熱材19を配置するのが好ましい。
【0027】
ガセット30の斜辺部材30a、30bのなす角度αは、図9に示されるように、建造しようとする木造建築物の三角屋根のなす角度に対応しており、角度αは、好ましくは100°〜120°である。
【0028】
ブラケット40は、図8(a)に最も良く示されるように、水平に延びる底辺部材40aと、底辺部材40aに対して鋭角βを形成するように底辺部材40aの一端から斜め上方に延びる斜辺部材40bと、底辺部材40aの他端から垂直下方に延びる垂直部材40cとを備え、これらの部材40a、40b、40cは、所定幅の鋼板で形成されている。部材40a、40b、40cには、ブラケット40を垂木桟12等に固定する釘、ねじ等を通すための複数の孔40eがそれぞれ設けられている。ブラケットを補強するため、底辺部材40aと斜辺部材40bとによって構成される面に、側板40dが取り付けられている。
【0029】
ブラケット40の斜辺部材40aと垂直部材40cの延長線とのなす角度は、(2/α)であり、従って、ブラケット40の底辺部材40aと斜辺部材40bとのなす角度βは、90°−(2/α)となる。
【0030】
ガセット30は、図9及び図10に示されるように、屋根パネル10の垂木桟12の上端の下縁部に固定される。ブラケットは、図9及び図11に示されるように、屋根パネル10の垂木桟12の下端に隣接した個所の下縁部に固定される。なお、ガセット30は、棟木板14を挟んで対応する2つの屋根パネル10のうち一方の屋根パネル10のみに取り付ければよい。
【0031】
次に、図12を参照して、以上のように構成された屋根パネルを使用して木造建築物を施工する方法について説明する。まず、下層階(1階建て木造建築物の場合には1階、2階建て木造建築物の場合には1階及び2階)の柱と梁を組み立てる。その際、好ましくは、図11に最も良く示されるように、下層階の軒部分に、第1の軒桁50と第2の軒桁52を配置する。第1の軒桁50には、好ましくは、正方形の横断面の木製部材を使用し、第2の軒桁52には、好ましくは、長方形の横断面の木製部材を「横に寝かせた状態」(図11参照)で使用する。第2の軒桁52は、第1の軒桁50の上に位置しており、第1の軒桁50と第2の軒桁52は、長ボルト54によって、一体化されている。
【0032】
次いで、ガセット30が取り付けられた第1の屋根パネル10をワイヤで吊り上げ、下層階の上方に移動させる(図12(a)参照)。次いで、第2の軒桁52の上に第1の屋根パネル10のブラケット40を載せる(図12(b)参照)。次いで、ガセット30が取り付けられていない第2の屋根パネル10をワイヤで吊り上げ、第1の屋根パネル10と反対側の下層階の上方に移動させる(図12(c)参照)。次いで、第2の軒桁52の上にブラケット40が載り、ガセット30の上に上縁が載るように、第2の屋根パネル10を移動させる。しかる後、第1の屋根パネル10と第2の屋根パネル10が所定位置にあることを確認した上で、図10に示されるように、ガセット30を第2の屋根パネル10に釘で固定するとともに、図11に示されるように、ブラケット40を第2の軒桁52に釘で固定する。最後に、屋根パネル10のワイヤを取り外して、屋根工事を行う。
【0033】
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0034】
例えば、前記実施の形態において、3本の垂木桟12と2本の野地根太16が図示されているが、図示されている部材の本数は、単なる例示にすぎない(図13(a)には、野地根太16が1本の場合が示されている)。また、隣接する垂木桟12間の間隔が狭い場合には、図13(b)に示されるように、野地根太16を省略することもできる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の屋根パネル及び本発明の施工方法を使用して木造建築物を建造すれば、安全ネットを張る必要がなくなり、高所において電動工具を使用しなくともよくなるので、危険な高所作業を極力回避することができる。また、ビニルシートで覆った屋根パネルを使用することにより、雨天や降雪時でも、作業を中断する必要がなくなる。また、予め工場で屋根パネルを組み立てるので、材料の無駄を省くことができる。また、母屋や束などの部材を使用しないので、材料コスト及び材料の運搬コストを低減することができるとともに、屋根裏部分を、いわゆるロフトスペースとして有効に利用することができる。さらに、屋根パネルに断熱材を配置することにより、現場で断熱材を取り付ける手間を省くことができる。以上のように、本発明の屋根パネル、この屋根パネルに取り付けるガセット及びブラケット、並びに、木造建築物の施工方法は、従来の木造建築物の建造と比較して、安全面、工期面、及びコスト面において多大な利点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態に係る木造建築物用屋根パネルの骨組みを示した斜視図である。
【図2】図1の屋根パネルに屋根板を貼り、ビニルシートで被覆した状態を示した斜視図である。
【図3】吊り上げ用金具の取り付け部の拡大断面図である。
【図4】図1の屋根パネルの正面図である。
【図5】図1の屋根パネルに取り付けるガセットの斜視図である。
【図6】(a)は、図5のガセットの正面図、(b)は、図6(a)の線6b−6bに沿って見たガセットの平面図、(c)は、図6(a)の線6c−6cに沿って見たガセットの断面図である。
【図7】図1の屋根パネルに取り付けるブラケットの斜視図である。
【図8】(a)は、図7のガセットの正面図、(b)は、図8(a)の線8b−8bに沿って見たガセットの平面図、(c)は、図8(a)の線8c−8cに沿って見たガセットの断面図である。
【図9】図1の屋根パネルが据え付けられた状態を示した概略図である。
【図10】図9の部分Aの拡大図である。
【図11】図9の部分Bの拡大図である。
【図12】本発明の施工方法の一連の手順を示した概略図である。
【図13】本発明の屋根パネルの変形形態を示した斜視図である。
【符号の説明】
10 屋根パネル
12 垂木桟
14 棟木板
16 野地根太
18 根太
19 断熱材
20 吊り上げ用金具
22 屋根板
26 ビニルシート
30 ガセット
40 ブラケット
50、52 軒桁

Claims (15)

  1. 三角屋根を備えた木造建築物用屋根パネルであって、
    互いに平行になるように配置された複数の垂木桟と、
    前記各垂木桟の頂部をそれぞれ接合する棟木板と、
    前記垂木桟の間に、前記各垂木桟とほぼ直交するように配置された根太と、
    パネル全面に貼られた屋根板と、
    前記垂木桟のうち少なくとも両側の垂木桟にそれぞれ取り付けられた吊り上げ用金具と、
    前記屋根パネルの前記垂木桟の上端の下縁部に固定されたガセットと、
    前記屋根パネルの前記垂木桟の下端に隣接した個所の下縁部に固定されたブラケットとを備え、
    前記ガセットが、正面視で二等辺三角形の形状を有し、所定幅の鋼板で形成された一対の斜辺部材と底辺部材とを備え、前記各斜辺部材には、前記ガセットを前記屋根パネルに取り付けるための締結具を通すための複数の孔がそれぞれ設けられ、前記ガセットには、補強用の鋼製の側板が取り付けられ、前記一対の斜辺部材のなす角度αが、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角に対応しており、
    前記ブラケットが、水平に延びる底辺部材と、前記底辺部材に対して鋭角を形成するように前記底辺部材の一端から斜め上方に延びる斜辺部材と、前記底辺部材の他端から垂直下方に延びる垂直部材とを備え、これらの部材が、所定幅の鋼板で形成されており、前記各部材には、前記ブラケットを前記屋根パネルに取り付けるための締結具を通すための複数の孔がそれぞれ設けられ、前記ブラケットには、補強用の鋼製の側板が取り付けられ、前記斜辺部材と前記垂直部材の延長線とのなす角度が、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角の半分の角度に対応していることを特徴とする屋根パネル。
  2. 上縁が前記垂木桟の上縁とほぼ同じ高さに位置し、かつ、前記垂木桟とほぼ平行になるように、前記各垂木桟の間に配置された野地根太を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の屋根パネル。
  3. 前記各根太の間の空間に、断熱材が配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の屋根パネル。
  4. 前記角度αが100°〜120°であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の屋根パネル。
  5. 少なくとも前記屋根板の全面がビニルシートで被覆されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の屋根パネル。
  6. 三角屋根を備えた木造建築物用屋根パネルに取り付けるガセットであって、
    前記ガセットが、正面視で二等辺三角形の形状を有し、所定幅の鋼板で形成された一対の斜辺部材と底辺部材とを備え、前記各斜辺部材には、前記ガセットを前記屋根パネルに取り付けるための締結具を通すための複数の孔がそれぞれ設けられ、前記ガセットには、補強用の鋼製の側板が取り付けられ、前記一対の斜辺部材のなす角度αが、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角に対応していることを特徴とするガセット。
  7. 前記角度αが100°〜120°であることを特徴とする請求項6に記載のガセット。
  8. 三角屋根を備えた木造建築物用屋根パネルに取り付けるブラケットであって、
    前記ブラケットが、水平に延びる底辺部材と、前記底辺部材に対して鋭角を形成するように前記底辺部材の一端から斜め上方に延びる斜辺部材と、前記底辺部材の他端から垂直下方に延びる垂直部材とを備え、これらの部材が、所定幅の鋼板で形成されており、前記各部材には、前記ブラケットを前記屋根パネルに取り付けるための締結具を通すための複数の孔がそれぞれ設けられ、前記ブラケットには、補強用の鋼製の側板が取り付けられ、前記斜辺部材と前記垂直部材の延長線とのなす角度が、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角の半分の角度に対応していることを特徴とするブラケット。
  9. 前記角度が50°〜60°であることを特徴とする請求項8に記載のブラケット。
  10. 三角屋根を備えた木造建築物の施工方法であって、
    互いに平行になるように配置された複数の垂木桟と、前記各垂木桟の頂部をそれぞれ接合する棟木板と、前記垂木桟の間に、前記各垂木桟とほぼ直交するように配置された根太と、パネル全面に貼られた屋根板と、前記垂木桟のうち少なくとも両側の垂木桟にそれぞれ取り付けられた吊り上げ用金具とを備えた屋根パネルであって、前記屋根パネルの前記垂木桟の上端の下縁部に固定されたガセットと、前記屋根パネルの前記垂木桟の下端に隣接した個所の下縁部に固定されたブラケットとを備え、前記ガセットが、正面視で二等辺三角形の形状を有し、所定幅の鋼板で形成された一対の斜辺部材と底辺部材とを備え、前記各斜辺部材には、前記ガセットを前記屋根パネルに取り付けるための締結具を通すための複数の孔がそれぞれ設けられ、前記ガセットには、補強用の鋼製の側板が取り付けられ、前記一対の斜辺部材のなす角度αが、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角に対応しており、前記ブラケットが、水平に延びる底辺部材と、前記底辺部材に対して鋭角を形成するように前記底辺部材の一端から斜め上方に延びる斜辺部材と、前記底辺部材の他端から垂直下方に延びる垂直部材とを備え、これらの部材が、所定幅の鋼板で形成されており、前記各部材には、前記ブラケットを前記屋根パネルに取り付けるための締結具を通すための複数の孔がそれぞれ設けられ、前記ブラケットには、補強用の鋼製の側板が取り付けられ、前記斜辺部材と前記垂直部材の延長線とのなす角度が、建造しようとする木造建築物の三角屋根の頂角の半分の角度に対応している第1の屋根パネルを準備する段階と、
    前記第1の屋根パネルから前記ガセットを取り外した第2の屋根パネルを準備する段階と、
    建造しようとする木造建築物の下層階の柱と梁を組み立てる段階と、
    前記第1の屋根パネルを吊り上げ、前記下層階の上方に移動させる段階と、
    前記下層階の軒部分の上に前記第1の屋根パネルの前記ブラケットを載せる段階と、
    前記第2の屋根パネルを吊り上げ、前記第1の屋根パネルと反対側の前記下層階の上方に移動させる段階と、
    前記下層階の軒部分の上にブラケットが載り、ガセットの上に上縁が載るように、第2の屋根パネルを移動させる段階と、
    前記第1の屋根パネルと前記第2の屋根パネルが所定位置にあることを確認した上で、ガセットを前記第2の屋根パネルに釘で固定するとともに、ブラケットを軒部分に釘で固定する段階と、
    を含むことを特徴とする方法。
  11. 前記軒部分が、正方形横断面の木製部材である第1の軒桁と、前記第1の軒桁の上に配置され、長方形横断面の木製部材を横に寝かせた第2の軒桁とを有し、前記第1の軒桁と前記第2の軒桁とが、ボルトによって一体化されていることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記第1及び第2の屋根パネルが、上縁が前記垂木桟の上縁とほぼ同じ高さに位置し、かつ、前記垂木桟とほぼ平行になるように、前記各垂木桟の間に配置された野地根太を更に備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記各根太の間の空間に、断熱材が配置されることを特徴とする請求項10から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記角度αが100°〜120°であることを特徴とする請求項10から13までのいずれか1項に記載の方法。
  15. 少なくとも前記屋根板の全面がビニルシートで被覆されていることを特徴とする請求項10から14までのいずれか1項に記載の方法。
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