JP2004000423A - 歯科用咬合器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上フレーム1と下フレーム2とを有する。上下の両フレーム1・2の後端どうしは、板ばねからなる左右一対の弾性アーム3・3で連結する。弾性アーム3と上下のフレーム1・2とは、それぞれ上ヒンジ4および下ヒンジ5を介して相対揺動可能に連結する。下ヒンジ5は、所定の外力が作用する状態でのみ相対揺動できる。弾性アーム3と下フレーム2との間には、両者2・3の接近限界を規定するストッパー20を設ける。弾性アーム3と下フレーム2とが接近限界姿勢に屈折した状態において、下ヒンジ5のヒンジ中心が上ヒンジ4のヒンジ中心より後方に位置するようにしてある。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下あごと上あごとの相対的な動作を再現するための歯科用咬合器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の咬合器として、特許文献1および特許文献2に記載の平均値咬合器がある。これら咬合器は、上下に対向配置される下フレームと上フレームとを有する。上フレームは、下フレームに立設した一対のアームで浮動支持され、さらにばねで定位置に復帰付勢されて、水平軸まわりに上下揺動でき、しかも咬合平面にそって左右偏心できる。片持ち支持された上フレームの姿勢を調整するために、上フレームの前端に調整軸(インサイザルピン)を配置し、その軸下端を下フレームに設けたテーブルで支えている。他にも上フレームの初期姿勢を調整するための位置調整機構が、上フレームとアームとの間に設けてある。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−178785号公報(段落〔0018〕−〔0055〕、図1)
【特許文献2】
特開平11−28217号公報(段落〔0031〕−〔0118〕、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の咬合器によれば、下あごと上あごとの相対的な動作のうち、下あごの上下開閉運動と、歯列の咬合平面に沿う左右偏心運動とを近似的に再現でき、上フレームを斜め上方へ交代スライドさせて、回転滑走運動を擬似的に再現できる。しかし、あご関節の角度として平均値を使用するので、患者によっては適正な咬合運動を再現できないうえ、下あごを後退させるときの後退運動などを再現できないうらみがある。
【0005】
また、回転滑走運動時には、上フレームが斜め後方へ直線的に移動するだけであるから、回転滑走運動を正確に再現できない。上下のフレームを両手で支えて回転滑走運動を再現するとき、上フレームを支持するヒンジ部分が外れやすいうえ、咬合器が重たく操作し難い。左右偏心運動時に、上フレームが1点まわりに傾動旋回し、旋回先端側の垂直方向の高さが変化するため、咬合運動を正確に再現できない。
【0006】
さらに、上フレームの浮動支持構造や位置調整機構が不可欠で全体構造が複雑となるため、咬合器の価格が高く付く。ユーザーとなる歯科医院や歯科技工所では、患者数に見合う10〜20個もの咬合器を常に用意しておく必要があるため、咬合器を導入する際のコスト負担が膨大になるのを避けられない。先に説明した全ての運動を再現できる全調節性咬合器は既にあるが、これは先の平均値咬合器よりもさらに高価であり、コスト面で実用性に欠ける。
【0007】
上記のように平均値咬合器は高価であるうえ、上フレームの初期姿勢の調整に手間が掛かるため、実際の歯科医療現場では簡易形の咬合器を用いることが多い。簡易形の咬合器は、上フレームおよび下フレームのそれぞれが金属線材をU字状に折り曲げて形成されている。上フレームは下フレーム側に設けたアームで上下揺動自在に支持されて、下あごの上下揺動運動を再現でき、さらに下フレームとアームとを密巻きしたコイルばねで連結することにより、咬合平面に沿う左右偏心運動に似た動作を概略再現できる。しかし、左右偏心運動を行う場合にコイルばねが全周方向へ撓み変形し、上下フレームの間隔が変化するので、下あごの左右偏心運動や、前方運動を正確に再現できない。もちろん回転滑走運動や、後退運動は再現できない。
【0008】
本発明者は、歯科医としてユーザーの立場から咬合器のあるべき姿を検討し直し、さらに下あごの動作をより忠実に再現するための咬合メカニズムに関する研鑚を重ねた結果、従来の咬合器に重大な問題のあることに気付いた。
【0009】
すなわち、従来の平均値咬合器は、下フレームと一対のアームとを固定しておき、上フレームを上下あるいは左右運動させて、上下の両フレームに固定した模型の咬合状況を確認する構造になっている。このように、下フレームを固定して上フレーム側を動かす咬合構造は、人体の咬合動作を相対的な動作として再現しているものの、上あごが固定され下あごのみが動く人体の動きとは根本的に異なっており、そのことが円滑な回転滑走運動や、後退運動を再現できない要因であるとの確信を得、現在使用されている自由運動咬合器の臨床的な正確さを受け継ぎながら、患者ごとに異なるあご関節の前後および左右回転、さらに回転滑走運動などを咬合平面上で正確に再現できる咬合器を試作検討し、本発明を提案するに至った。
【0010】
本発明の目的は、上下開閉運動、左右偏心運動、回転滑走運動、および後方運動などの咬合動作を近似的に再現できるうえ、咬合器の全体構造を著しく簡素化して、その製造に要するコストを大幅に削減できる歯科用咬合器を提供することにある。
【0011】
本発明の目的は、上フレームと下フレームとが、弾性アーム、上ヒンジおよび下ヒンジを介して連結されている2関節型の歯科用咬合器を提供することにある。
【0012】
本発明の目的は、咬合器の初期姿勢、なかでも弾性アームと下フレームとの接近限界角を個々の患者に合わせて変更調整でき、従って平均値咬合器に比べて咬合運動をより正確に再現できる歯科用咬合器を提供することにある。
【0013】
本発明の目的は、咬合器の全体構造が簡単で、平均値咬合器に比べて著しく軽量化でき、従って咬合運動の確認が簡易型の咬合器と同様に手軽に行える歯科用咬合器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の咬合器は、図1に示すように、上下に対向配置される上フレーム1および下フレーム2と、両フレーム1・2の後端どうしを連結する弾性アーム3とを備えている。上フレーム1と弾性アーム3とは、上ヒンジ4を介して相対揺動可能に連結する。下フレーム2と弾性アーム3とは、設定値を越える外力が作用する状態でのみ相対揺動できる下ヒンジ5を介して連結する。弾性アーム3と下フレーム2との間には、弾性アーム3と下フレーム2との接近限界を規定するストッパー20を設ける。弾性アーム3と下フレーム2とが接近限界姿勢に屈折した状態において、下ヒンジ5のヒンジ中心が上ヒンジ4のヒンジ中心より後方に位置しているようにしたものである。
【0015】
具体的には、上フレーム1と下フレーム2とは、捻れ弾性を発揮できる左右一対の弾性アーム3で連結する。
【0016】
ストッパー20は、弾性アーム3側に設けられる雌ねじ体21と、雌ねじ体21にねじ込まれる雄ねじ体22とを含み、雄ねじ体22のねじ込み量を調整して、弾性アーム3と下フレーム2との接近限界角θを変更調整できる。
【0017】
弾性アーム3の一端は、上ヒンジ4と下ヒンジ5とのいずれか一方のヒンジ5(または4)に固定し、弾性アーム3の他端は、他方のヒンジ4(または5)に対して固定位置変更可能に調整ねじ12で締結する。以て、上下両ヒンジ4・5の中心間距離を変更調整できるようにすることができる。
【0018】
下フレーム2または弾性アーム3と上フレーム1との間には、上フレーム1を下方揺動不能に支持する支持構造26を設けることができる。
【0019】
上フレーム1と下フレーム2とは、板ばねで形成した左右一対の弾性アーム3で連結することができる。
【0020】
左右一対の弾性アーム3は、上フレーム1および下フレーム2の左右側端より中央寄りに配置することができる。
【0021】
また、本発明の咬合器は、図13および図14に示すごとく、上下に対向配置される上フレーム1および下フレーム2と、両フレーム1・2の後端どうしを連結する連結ブロック40とを備えている。連結ブロック40は、平行状に配置されたアーム42・42と、これらアーム42・42を連結して、捻れ弾性を発揮できる板ばね43とを含む。連結ブロック40と下フレーム2との間に、連結ブロック40と下フレーム2との接近限界を規制する支持機構S1を設けてある。連結ブロック40と上フレーム1との間に、上フレーム1を下方揺動不能に支持する支持機構S2を設けてある。そして、上下のフレーム1・2と連結ブロック40とが、各アーム42に設けられたピロボールジョイント48を介して連結されていることを特徴とする。
【0022】
具体的には、支持機構S1・S2は、上下のフレーム1・2の後端から斜め方向に上がり傾斜するガイド55と、ガイド55に沿ってスライド移動自在に支持されるスライダ56と、連結ブロック40の各アーム42から前方向に向かって突設された突起57とを含む。スライダ56は、スライダ本体58と、スライダ本体58に突出状に設けられたピン59と、スライダ本体58にねじ込まれる調整ねじ60と、スライダ本体58の前面に装着されて、突起57に接触できる受板61とからなる。ガイド55には、ピン59用の長孔63を形成してある。長孔63内にピン59を挿入した状態で、調整ねじ60をスライダ本体56にねじ込むことで、スライダ56は、ガイド55に沿ってスライド移動自在に支持される。そして、調整ねじ60を緩操作してから、スライダ56をガイド55に沿って上下に移動させると、受板61の高さ位置が変更されて、上下のフレーム1・2と連結ブロック40との間の接近限界角θ1・θ2を変更調整できるようにしてある。
【0023】
図15に示すごとく、各受板61は、その長さ方向が水平に伸びる横姿勢と、上下方向に伸びる縦姿勢との間で回転可能に支持されている。そして、受板61の短辺寸法L1を、アーム42・42どうしの対向間隔寸法L2よりも幅狭に設定して、受板61を横姿勢から縦姿勢に回動操作すると、受板61がジョイント48まわりのアーム42の回動軌跡から退避できるようにしてある。
【0024】
【発明の作用効果】
本発明においては、上下のフレーム1・2と弾性アーム3とが、それぞれ上ヒンジ4と下ヒンジ5との2個のヒンジを介して相対揺動可能に連結され、咬合器が上下2個の関節部分を備えている構造とした。さらに下ヒンジ5は、設定値を越える外力が作用する状態でのみ相対揺動できる構造として、下フレーム2と弾性アーム3とが上ヒンジ4を中心にして上下に開閉揺動でき、弾性アーム3が捻り変形することで、左右方向の偏心運動を再現できるようにした。また、下フレーム2が下ヒンジ5を中心にして上下揺動する運動と、下フレーム2と弾性アーム3とが上ヒンジ4を中心にして前後に揺動する運動とを同時に行わせることにより、回転滑走運動を再現でき、下あごの咬合運動を近似的に再現できるようにした。
【0025】
弾性アーム3と下フレーム2との間に設けたストッパー20は、弾性アーム3の傾きを規定し、下フレーム2と弾性アーム3との接近限界角θを一定にするために設けてあり、あご関節の角度が平均値である場合に、問題なく咬合器を使用できる。下フレーム2と弾性アーム3とが接近限界位置にあるとき、下ヒンジ5の中心を上ヒンジ4の中心より後方に位置させるのは、下フレーム2および弾性アーム3が上ヒンジ4を中心にして前方へ揺動するようにして、下あごが前方へスライドする時の動作を忠実に再現するためである。
【0026】
以上のように本発明の咬合器によれば、上下開閉運動、左右偏心運動、回転滑走運動、などの咬合動作を近似的に再現できる。また、上下のフレーム1・2と、弾性アーム3、上下のヒンジ4・5等で咬合器を構成するので、従来の平均値咬合器に比べて、全体構造を著しく簡素化でき、その分だけ製造に要するコストを大幅に削減できるうえ、平均値咬合器に比べて著しく軽量化でき、従って咬合運動の確認を簡易型の咬合器と同様に手軽に行うことができる。
【0027】
捻れ弾性を発揮できる左右一対の弾性アーム3で上フレーム1と下フレーム2とが連結されていると、各弾性アーム3・3が個別に捻れ変形することによって、左右のあご関節の左右偏心動作を再現できるので、咬合器による咬合動作をさらに正確に再現できる。
【0028】
ストッパー20が雌ねじ体21と雄ねじ体22とを含み、雄ねじ体22のねじ込み量を調整することにより、弾性アーム3と下フレーム2との接近限界角θを変更調整できるようにした咬合器によれば、接近限界角θを個々の患者のあご関節に合わせて変更調整できるので、従来の平均値咬合器に比べて咬合運動をより正確に再現できる。また、雄ねじ体22を緩めて、雄ねじ体22による下フレーム2の接近規制作用を解除することにより、下フレーム2の後方向への運動を許して、下あごの後方運動を再現することができる。
【0029】
弾性アーム3の一端、例えば弾性アーム3の下端を下ヒンジ2に固定し、弾性アーム3の上端を上ヒンジ4に対して固定位置変更可能に調整ねじ12で締結すると、調整ねじ12を緩めたうえで弾性アーム3の締結位置を上下いずれかにずらして再び固定することにより、上下のヒンジ4・5の中心間距離を変更調整して、弾性アーム3と下ヒンジ2との接近限界角θが変るとき、上下フレーム1・2の対向間隔が変化するのを補正できる。
【0030】
下フレーム2または弾性アーム3と上フレーム1との間に、上フレーム1を下方揺動不能に支持する支持構造26を設けた咬合器によれば、支持構造26で上フレーム1を受け止めて、上フレーム1が石膏模型M1の重みで下向きに揺動するのを防止できるので、例えば総入歯を作成する場合に、上下のフレーム1・2に固定した石膏模型M1・M2は、歯牙列の隙間分だけ間隔を開けて対向支持することができる。
【0031】
上フレーム1と下フレーム2とが、板ばねで形成した左右一対の弾性アーム3で連結されていると、捻れ運動をする際に弾性アーム3が上下方向へ不必要に撓み変形するのを防止して、両フレーム1・2の上下間隔を正確に保持し続けることができる。従って、簡易形の咬合器において避けられなかったコイルばねの全周方向への撓み変形を解消して、下あごの左右偏心運動や、前方運動を正確に再現できる。
【0032】
左右一対の弾性アーム3が、上フレーム1および下フレーム2の左右側端より中央寄りに配置されていると、あごの左右偏心運動を再現するために、例えば図6に示すように上フレーム1を固定し、下フレーム2を時計回転方向へ捻りながら、下フレーム2を上ヒンジ4まわりに前方回転操作し、回転運動と滑走運動とを再現するとき、片方の弾性アーム3は殆ど変形せず、他方の弾性アーム3が捻り変形して両フレーム1・2の変位動作を吸収する。この状態において、各弾性アーム3・3の捻り変形に伴って、下フレーム2の締結座2bが、上フレーム1の締結座2bの両側端から側外方へ突出するのを避けて、左右偏心運動をより忠実に再現する。そのために、左右の弾性アーム3は、上フレーム1および下フレーム2の左右側端より中央寄りに配置している。
【0033】
また、本発明の咬合器においては、図13および図14に示すごとく、上下のフレーム1・2を連結する連結ブロック40を、二本のアーム42.42と板ばね43とを含むものとし、さらにフレーム1・2とアーム42・42とを、四個のピロボールジョイント48を介して連結する構造とした。これにより、図18に示すごとく、上ジョイント48aを中心にして、下フレーム2と連結ブロック40とを上下に開閉揺動できる。また、図19に示すごとく、下ジョイント48bを中心にして、下フレーム2を上下に開閉揺動することもできる。
【0034】
図20に示すごとく、板ばね43が捻り変形すること、および上下のピロボールジョイント48a・48bのシャフト(ボルト52のねじ軸)が、アーム42に対して相対揺動回動することで、左右のあご関節の左右偏心運動を再現することもできる。さらに図21および図22に示すごとく、下フレーム2が下ジョイント48bを中心にして上下揺動する運動と、下フレーム2と連結ブロック40とが上ジョイント48aを中心にして前後に揺動する運動とを同時に行わせることにより、回転滑走運動を再現でき、下あごの咬合運動を近似的に再現することもできる。
【0035】
連結ブロック40と上フレーム1との間に、上フレーム1を下方揺動不能に支持する支持機構S2を設けてあると、支持機構S2で上フレーム1を受け止めて、上フレーム1が石膏模型M1の重みで下方向に揺動するのを防止できるので、例えば総入歯を作成する場合に、上下のフレーム1・2に固定した石膏模型M1・M2は、歯牙列の隙間ぶんだけ間隔を開けて対向支持することができる。
【0036】
支持機構S1・S2で接近限界角θ1・θ2を変更調整できるようにした咬合器によれば、接近限界角θ1・θ2を個々の患者のあご関節に合わせて変更調整できるので、従来の平均値咬合器に比べて咬合運動をより正確に再現できる。また、調整ねじ60を緩めたうえでスライダ56の締結位置を上下のいずれかにずらして再び固定することにより、受板61の高さ位置を変更させて、下フレーム2と連結ブロック40との接近限界角θ1が変るとき、上下フレーム1・2の対向間隔が変化するのを補正できる。
【0037】
受板61を縦姿勢としたとき、ピロボールジョイント48まわりの上下フレーム1・2の回動軌跡から受板61が退避するようにしてあると、支持機構S1・S2の接近規制作用を解除して、連結ブロック40および下フレーム2の後方向への運動を許して、下あごの後方運動を再現することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
(第1実施例) 図1ないし図7は本発明に係る咬合器の第1実施例を示す。図1において咬合器は上下に対向配置される上フレーム1および下フレーム2と、両フレーム1・2の後端どうしを連結する左右一対の弾性アーム3・3とを要素部材にして構成されている。
【0039】
上フレーム1はアルミニウムなどの金属板材、あるいはプラスチック板材を素材とする舌片状の板体からなり、左右中央部に前後方向の枠部1aが残る状態で板面の殆どがくりぬいてある。上フレーム1の後端には後述する上ヒンジ4を装着するための締結座1bが設けてある。下フレーム2は、上フレーム1と同様の素材で、板面の殆どがくりぬかれた舌片状に形成するが、その前後長さは上フレーム1より長く設定してある点が異なる。下フレーム2にも、枠部2aと締結座2bとが設けてある。
【0040】
両弾性アーム3は、ねじれ弾性を発揮できる帯状に形成された金属製の板ばねからなり、上下の両フレーム1・2に対して、上ヒンジ4と下ヒンジ5、および上下の各ヒンジ4・5に固定したアームブラケット6・7を介して連結してある。詳しくは、図2に示すように上フレーム1の締結座1bの下面に、上ヒンジ4の片方のヒンジプレートをビス8で固定し、他方のヒンジプレートを上方のアームブラケット6にビス9で固定する。さらに、アームブラケット6と押え板11とで弾性アーム3の上端を挟持し、これら三者3・6・11を調整ボルト(調整ねじ)12で締結固定して、弾性アーム3と上フレーム1とを相対揺動自在に連結している。
【0041】
同様に、下フレーム2の締結座2bの上面には、下ヒンジ5の片方のヒンジプレートをビス14で固定し、他方のヒンジプレートを下方のアームブラケット7にビス15で固定する。さらに、アームブラケット7と押え板16とで弾性アーム3の下端を挟持し、これら三者3・7・16をアームブラケット7にねじ込まれるボルト17で締結固定して、弾性アーム3と下フレーム2とを連結する。下ヒンジ5は市販の定トルクヒンジで構成してあり、設定値を超える外力が作用する状態でのみ、下フレーム2と弾性アーム3とを相対揺動でき、例えばタキゲン製造社製のフラットトルクヒンジ(製品番号B−1109)を適用することができる。
【0042】
弾性アーム3と下フレーム2との間には、両者2・3の接近限界を規定するストッパー20が設けてある。患者のあご関節の角度の違いに応じて、下フレーム2と弾性アーム3との接近限界角θを変更調整するために、ストッパー20は調整可能に構成する。
【0043】
具体的には、図2に示すように、下側のアームブラケット7に形成したねじ穴(雌ねじ体)21と、このねじ穴21にねじ込まれるボルト22(雄ねじ体)と、ロックナット23とでストッパー20を構成している。ロックナット21を緩めてボルト22を締緩操作することにより、下フレーム2がボルト22の下端に接当する位置が変るので、接近限界角θを大小に変更できる。
【0044】
上記のように接近限界角θが変ると、上下のフレーム1・2の対向間隔が変化する。この間隔値の変化を補正するために、先の弾性アーム3の上端に通設した調整ボルト12用の挿通穴24を上下方向の長穴で形成して、弾性アーム3のアームブラケット6に対する固定位置を変更して調整ボルト12で締結固定できるようにしてある。
【0045】
例えば、総入歯を作成する場合には、図4に示すような石膏模型M1・M2を歯牙列の隙間分だけ間隔を開けて対向支持する必要がある。つまり、上フレーム1が下フレーム2と平行になる状態で、その下方揺動を規制する必要がある。このような場合に備えて、上フレーム1と弾性アーム3との間には、上フレーム1を下方揺動不能に支持する支持構造26が設けられている。図3において支持構造26は、上フレーム1の締結座1bの下面に固定支持したねじボス27と、ねじボス27にねじ込まれた調整ボルト28と、上側のアームブラケット6に突設したねじ受部29とで構成されている。
【0046】
上記構成の咬合器は、例えば図4に示すように石膏模型M1・M2を上下のフレーム1・2に固定し、上下フレーム1・2を相対操作することにより、各種のあごの動きを再現できる。あごの上下開閉運動を再現する場合には、図4に示すように、下フレーム2を上ヒンジ4のヒンジ中心まわりに回転操作することにより、歯牙列の噛み合いを確認できる。
【0047】
あごの左右偏心運動を再現するときは、上フレーム1と下フレーム2とを相対的に左右方向へ捻り操作することにより、あごの左右偏心運動を再現し石膏模型M1・M2の咬合状況を確認できる。詳しくは、図6に示すように上フレーム1を固定し、下フレーム2を時計回転方向へ捻りながら下フレーム2を上ヒンジ4のまわりに前方回転操作して、回転運動と滑走運動とを再現する。
【0048】
このとき、図6に向かって左側の弾性アーム3は殆ど変形せず、図6に向かって右側の弾性アーム3が捻り変形して、両フレーム1・2の変位動作を吸収する。弾性アーム3・3の捻り変形に伴って、下フレーム2の締結座2bが、上フレーム1の締結座2bの両側端から側外方へ突出するのを避けて、左右偏心運動をより忠実に再現するために、左右の弾性アーム3・3のそれぞれが、図1に示すように上フレーム1および下フレーム2の左右側端より中央寄りに配置されている。下フレーム2が時計回転方向へ偏心運動するときは、右あごのイミィディエィトサイドシフトを確認し、同時に、左あごの前下方への回転滑走動作を確認できる。
【0049】
咬合器は図5に示すように下あごの後方運動を再現できる。この場合には、上フレーム1を固定し、下フレーム2を通常の噛み合い位置Nから後方へ移動操作する。詳しくは、ボルト22を緩め、ボルト22による下フレーム2の拘束を解除した状態で下フレーム2を後方へ移動操作する。
【0050】
下フレーム2を後方へ移動操作することにより、下フレーム2と弾性アーム3とは、上ヒンジ4を中心にして上方揺動しようとする。しかし、弾性アーム3が上方揺動すると、その垂直移動成分の分だけ下方の歯牙列どうしが上昇して、上方の歯牙列に接当する。このとき、第一小臼歯におけるリトルーシブガイド量を確認し、後方の歯牙から前方の歯牙へ向かって順に解離状態を確認し、歯牙の咬頭傾斜の展開角を決定することができる。治療個所が前方にある場合には、設定した位置から前方へ必要な距離だけ下フレーム2をスライド操作し、歯牙のワックスアップを行える。あるいはバイドプレートを作成できる。
【0051】
以上のように、通常は上ヒンジ4のみが相対揺動するが、後退運動を行う場合には、下ヒンジ5も揺動して下あごの動きを再現するのに寄与する。本発明の咬合器が2個の関節部分を備えていることにより可能となった、特徴的な動作である。
【0052】
下あごの回転滑走運動は、図7に矢印Sで示すように前向きの回転運動と、回転中心が斜め下向きに移動する複合的な運動になっている。この運動は、上フレーム1を固定し、下フレーム2を通常の噛み合い位置Nから前方へ矢印Pで示すように回転操作しながら、下フレーム2を下ヒンジ5の抵抗力に抗して矢印Qで示すように下方揺動操作することで再現できる。
【0053】
因みに、弾性アーム3と下フレーム2とが接近限界姿勢に屈折する通常の噛み合い位置Nの状態においては、下ヒンジ5のヒンジ中心が上ヒンジ4のヒンジ中心より後方に位置し、石膏模型M2は上ヒンジ4のヒンジ中心より前方に位置している。従って、上記のように下フレーム2を前方へ回転操作すると、下フレーム2に固定した石膏模型M2は、時計回転方向へ移動して上フレーム1側の石膏模型M1に接近する。
【0054】
この接近動作を吸収しながら、左右の第一中切歯によるガイド作用で下フレーム2が矢印Qで示すように下ヒンジ5を中心にして開くことによって、複合的な下あごの回転滑走運動を近似的に再現できるようになっている。つまり、矢印Pで示す回転運動と、矢印Qで示す運動とを組み合わせることによって、矢印Sで示す複合動作を再現できる。この動作も、本発明の咬合器が2個の関節部分を備えていることにより可能となった、特徴的な動作である。
【0055】
(第2実施例) 図8および図9は本発明に係る咬合器の第2実施例を示す。そこでは、ストッパー20をアームブラケット7の左右中央の1箇所に限って設けた。この場合には上下のフレーム1・2を左右偏心操作する際に、下フレーム2がボルト22の下端を中心にして傾動しやすいが、下フレーム2を台上において旋回操作すると、ストッパー20を2個設けた第1実施例と同様のより正確な左右偏心運動を再現できる。この第2実施例では、下ヒンジ5の構造も変更した。図9に示すように、左右で対を為すそれぞれのヒンジプレートは一個のヒンジ軸31で連結し、ヒンジ軸31の両端に設けたねじ軸32・32にナット33・33をねじ込んで、下ヒンジ5とした。
【0056】
上記のヒンジ構造によれば、設定値を超える外力が作用する状態でのみ、下フレーム2と弾性アーム3とを相対揺動でき、ナット33の締め付け具合を調整することにより、下フレーム2が揺動開閉し始めるときの抵抗力を大小に調整できる。左右偏心運動を行うために下フレーム2を左右に動かすときは、左右のナット33の片方を緩める。具体的には、下フレーム2を右に動かすときは、左のナット33を緩め、下フレーム2を左に動かすときは、右のナット33を緩める。他は先の第1実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。以下の実施例においても同じ扱いとする。
【0057】
(第3実施例) 図10は本発明に係る咬合器の第3実施例を示しており、ボルト22の下端を下フレーム2に対して軸34を介して揺動可能に連結し、ボルト22にねじ込んだ一対のナット35でアームブラケット7を挟持固定して、弾性アーム3の傾斜角度を変更できるようにした。
【0058】
(第4実施例) 図11は支持機構26に関する本発明の第4実施例を示す。そこでは、下フレーム2に弾性アーム3に沿うブラケット38を固定し、ブラケット38の上端に設けたねじ受部29に調節ボルト28を押し当てて、上フレーム1を支持できるようにした。調節ボルト28は上フレーム1に設けたねじボス27にねじ込み、ロックナット39で固定できる。
【0059】
図12(a)〜(c)は弾性アーム3のそれぞれ異なる具体変形例を示す。図12(a)の弾性アーム3は、短冊状の板ばねの中央に、例えば鋼線などの金属製の補強材3aを固定して構成してある。このように補強材3aを付加すると、より小さな力で捻り変形できるにもかかわらず、座屈しにくい弾性アーム3が得られる。先の補強材3aは線材や、板材などを使用できる。
【0060】
図12(b)の弾性アーム3は、短冊状の板ばねを断面L字状に折り曲げ、片方の板面の上下方向に平行な切込3bを入れて形成し、先の弾性アーム3と同様に、より小さな力で捻り変形できるにもかかわらず、座屈し難くしたものである。必要があれば、切込3bが形成されるプラスチック成形品に、短冊状の板ばねの一側縁をインサート固定して、弾性アーム3とすることができる。
【0061】
図12(c)に示す弾性アーム3は、短冊状の板ばねの左右中央に補強部3cを一体に折り曲げ形成して、捻り変形を容易化しながら、座屈変形し難いものにした。
【0062】
上記の実施例以外に、弾性アーム3は適度の硬さを備えたゴム、プラスチック等の板あるいは棒で構成でき、必要があれば金属とゴム、あるいは金属とプラスチックを組み合わせた複合体で形成することができる。必要があれば、1個の弾性アーム3で上下のフレーム1・2を連結してもよい。
【0063】
ストッパー20は角度調整機能を備えていることが望ましいが、本発明の咬合器は、接近限界角θを固定した状態で使用することが可能であるので、角度調整機能を備えている必要はなく、単に下フレーム2と弾性アーム3との接近限界角θを規定できればよい。ストッパー20を構成するボルト22は、下フレーム2に設けたねじ穴21にねじ込み、その軸端を下側のアームブラケット7に接当させて、接近限界角θを規定することができる。アームブラケット6・7を省略して、弾性アーム3を上下のヒンジ4・5に対して直接に連結してもよい。
【0064】
(第5実施例) 図13ないし図22に本発明の第5実施例を示す。図13および図14において、咬合器は、上下に対向配置される上フレーム1および下フレーム2と、両フレーム1・2の後端どうしを連結する連結ブロック40とからなる。上下フレーム1・2は、アルミニウムなどの金属板材、あるいはプラスチック板材を素材とする舌片状の板体であり、各フレーム1・2に石膏模型M1・M2が固定される。下フレーム2の前後長さは上フレーム1より長く設定してある。符号41は、下フレーム2から下方に伸びる脚を示す。
【0065】
図14および図15に示すごとく、連結ブロック40は、平行状に配置された2本のアーム42・42と、これらアーム42・42の上下方向の中央部どうしを連結する板ばね43と、各アーム42の上下端部から上下方向に伸びて、フレーム1・2を連結保持する四本のロッド44とで構成する。アーム42は、上下方向に長い四角棒状の本体部45と、本体部45の外側面に突出状に形成されたロッド44用の取付部46とを有する金属成形品であり、本体部45・45どうしの対向壁面が所定間隔だけ離れた平行姿勢で、板ばね43により連結される。板ばね43は、ねじれ弾性を発揮できる幅広帯形の金属板であり、その左右両端部がアーム42・42にビス止め固定される。取付部46には、上下方向に貫通孔を設けてあり、各ロッド44は貫通孔に差し込み装着されるボルト47によって、取付部46に対して回動不能に締結固定される。
【0066】
各ロッド44は、その先端部に、フレーム1・2を揺動回動自在に支持するためのピロボールジョイント48を備える。ピロボールジョイント48は、球状面を有する筒体50と、筒体50を揺動回動自在に包持するソケット51とを備え、筒体50の内側端から筒孔内に内嵌装着されるボルト52を介して、上下のフレーム1・2を支持する。符号53は、フレーム1・2の後方両端部に固定されて、後方に突出する支持アームであり、各支持アーム53の後端部に設けた雌ねじ形の軸孔内に、ボルト52の雄ねじ部を螺合接合させて、ロッド44とフレーム1・2とを連結する。
【0067】
連結ブロック40と下フレーム2との間には、連結ブロック40が不用意に前倒れるのを防止するとともに、両者の接近限界角θ1を規定するための支持機構S1が設けてある。患者のあご関節の角度の違いに応じて、連結ブロック40と下フレーム2との間の接近限界角θ1を大小に変更調整するために、支持機構S1は調整可能に構成する。図13、図14および図16において、支持機構S1は、下フレーム2の後端中央部から斜め方向に上がり傾斜するガイド55と、ガイド55に沿ってスライド移動自在に支持されるスライダ56と、連結ブロック40の各アーム42から前方向に向かって突設された二本の突起57・57とを主要構成要素とする。スライダ56は、四角箱状の金属加工品であるスライダ本体58と、スライダ本体58の下面に突出状に設けられたピン59と、スライダ本体58の下面にねじ込まれる調整ねじ60と、スライダ本体58の前面に装着されて、突起57に接触できる受板61とからなる。スライダ本体58の下面には、調整ねじ60用のねじ穴62を形成してある。
【0068】
ガイド55には、ピン59用の長孔63を形成してあり、ガイド55の上方側から長孔内にピン59を挿入した状態で、下方側から調整ねじ60をねじ穴62内にねじ込む。これにより、スライダ56は、ガイド55上でスライド移動自在に支持される。
【0069】
図15において、受板61は、金属又はプラスチック樹脂を素材とする平板状の部品であり、その長さ方向の中央部が、スライダ本体58の前面下部にねじ込まれるボルト64により、長さ方向が水平に伸びる横姿勢と、上下方向に伸びる縦姿勢との間で回転可能に支持される。受板61は、設定値を越える外力が作用するときのみ回転できる。受板61の長さ寸法は、左右の突起の間隔寸法よりも大きく設定してある。受板の幅寸法L1は、アーム42・42どうしの対向間隔寸法L2よりも幅狭に設定してある。突起57は、基端側にねじ軸を有する金属加工品であり、アーム42の前面に螺合接合されている。
【0070】
以上の構成からなる支持機構S1によれば、図13および図16に示すごとく、横姿勢の受板61に突起57の先端が接当することで、連結ブロック40が前倒れるのを阻止できる。つまり、連結ブロック40を前方揺動不能に支持できる。また、調整ねじ60を緩操作したうえで、スライダ56をガイド55に沿って上下にスライド移動させてから、再び調整ねじ60を固定すると、受板61の高さ位置を変更できるので、下フレーム2と連結ブロック40との間の接近限界角θ1を大小に調整できる。
【0071】
符号Cは、スライダ56の高さ位置を微調整するための調整機構を示す。この調整機構Cは、ガイド55の上端に連続して、上方向に伸びるブラケット面66と、ブラケット面66に形成された貫通孔67を通って、スライダ本体58にねじ込み装着される調整ねじ68と、スライダ本体58とブラケット面66との間に配置されたばね69とからなる。ばね69は、調整ねじ68のねじ軸68aに差し込み装着された圧縮コイル形のばねであり、スライダ本体58を前方向に押圧付勢する。以上より、スライダ56の調整ねじ60を緩めた状態で、調整ねじ68を回転操作することにより、ねじ軸68aの軸方向に微少ずつスライダ56を移動させて、接近限界角θ1を微調整できる。
【0072】
例えば、総入歯を作成する場合には、図13に示すような石膏模型M1・M2を歯牙列の隙間分だけ間隔を置いて、両者を対向支持する必要がある。つまり、上フレーム1が下フレーム2と平行となる状態で、その下方揺動を規制する必要がある。このような場合に備えて、上フレーム1と連結ブロック40との間には、上フレーム1を下方揺動不能に支持する支持機構S2を設けてある。また、上記のように、下フレーム2と連結ブロック40との間の接近限界角θ1が変ると、上下のフレーム1・2の対向間隔が変化する。このため、かかる対向間隔値の変化を補正するために、支持機構S2には、上フレーム1と連結ブロック40との間の接近限界角θ2を大小に変更するための調整機能を与えてある。
【0073】
支持機構S2の構成は、先の支持機構S1の構成と略同様であり、スライダ56がガイド55に対して吊り掛け支持されている点が、先の支持機構S1と大きく相違する。すなわち図17に示すごとく、スライダ56は、スライダ本体58と、スライダ本体58の上面に突出状に設けられたピン59と、スライダ本体58の上面にねじ込まれる調整ねじ60と、スライダ本体58の前面に回転自在に装着された受板61とからなり、ガイド55の下方側から長孔63内にピン59を挿入した状態で、上方側から調整ねじ60をねじ込むことで、スライダ56は、ガイド50に対してスライド移動自在に吊り掛け支持される。他の構成は、先の支持機構S1と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0074】
以上の構成からなる支持機構S2によれば、突起57の先端に、横姿勢の受板61が接当することで、上フレーム1が下方揺動するのを規制できる。また、調整ねじ60を緩操作してから、スライダ58をガイド50に沿ってスライド移動させると、受板61の高さ位置が変更されて、受板61の突起57に対する接当位置を変ることができるので、上フレーム1と連結ブロック40との間の接近限界角θ2を大小に調整できる。
【0075】
上記構成の咬合器は、例えば図13に示すように石膏模型M1・M2を上下のフレーム1・2に固定し、上下フレーム1・2を相対操作することにより、各種のあごの動きを再現できる。例えば、あごの上下開閉運動を再現する場合には、図18に示すごとく、下フレーム2と連結ブロック40との間の内角度を接近限界角θ1に固定した状態で、連結ブロック40を上側のピロボールジョイント48a(以下、上ジョイントと記す)まわりに回転操作することにより、歯牙列の噛み合いを確認できる。また、図19に示すごとく、上フレーム1と連結ブロック40との間の内角度を接近限界角θ2に固定した状態で、下フレーム2を下側のピロボールジョイント48b(以下、下ジョイントと記す)まわりに回転操作することによっても、あごの上下開閉運動を再現して、石膏模型M1・M2の咬合状況を確認できる。
【0076】
あごの左右偏心運動を再現するときは、上フレーム1と下フレーム2とを相対的に左右方向へ捻り操作することで、あごの左右偏心運動を再現し、石膏模型M1・M2の咬合状況を確認できる。詳しくは、図20に示すごとく、上フレーム1を固定し、下フレーム2を時計回転方向、あるいは反時計方向へ捻りながら下フレーム2を下ジョイント48bまわりに前方回転操作して、回転運動と滑走運動とを再現する。
【0077】
このとき、上下のジョイント48a・48bの筒体50がソケット51内で相対揺動回動する。つまり、ジョイント48a・48bのシャフトであるボルト52のねじ軸がアームに対して相対揺動回動する。また、アーム42・42を連結する板ばね43が捻り変形する。以上のジョイント48a・48bと板ばね43の作用により、アーム42の変位動作を吸収できる。これにより、例えば図20で実線で示すごとく、下フレーム2を正面視で右方向へ偏心運動させたときは、左あごのイミディエイトサイドシフトを確認し、同時に、右あごの前下方への回転滑走運動を確認できる。
【0078】
咬合器は、図21に示すように、下あごの後方運動を再現できる。この後方運動に際しては、上フレーム1を固定し、下フレーム2を通常の噛み合い位置Nから後方へ移動操作する。かかる下フレーム2の後方への移動操作により、下フレーム2と連結ブロック40とは、上ジョイント48aを中心にして上方揺動しようとする。しかし、連結ブロック40が上方揺動すると、その垂直移動成分のぶんだけ下方の歯牙列どうしが上昇して、上方の歯牙列に接当する。このとき第一小臼歯におけるリトルーシブガイド量を確認し、後方の歯牙から前方の歯牙へ向かって順に解離状態を確認し、歯牙の咬頭傾斜の展開角を決定することができる。治療個所が前方にある場合には、設定した位置から前方へ必要な距離だけ下フレーム2をスライド操作し、歯牙のワックスアップを行える。あるいはバイドプレートを作成できる。
【0079】
以上のように、通常は上ジョイント48aのみが相対揺動するが、後退運動を行う場合には、下ジョイント48bも揺動して下あごの動きを再現するのに寄与する。本発明の咬合器が上下の関節部分を備えていることにより可能となった、特徴的な動作である。
【0080】
下あごの回転滑走運動は、図22に矢印Sで示すように前向きの回転運動と、回転中心が斜め下向きに移動する複合的な運動になっている。この運動は、上フレーム1を固定し、下フレーム2を通常の噛み合い位置Nから前方へ矢印Pで示すように回転操作しながら、下フレーム2を下方揺動操作することで再現できる。
【0081】
因みに、弾性アーム3と下フレーム2とが接近限界姿勢に屈折する通常の噛み合い位置Nの状態においては、下ジョイント48bの回動中心が上ジョイント48aの回動中心より後方に位置し、石膏模型M2は上ジョイント48aの回動中心より前方に位置している。従って、上記のように下フレーム2を前方へ回転操作すると、下フレーム2に固定した石膏模型M2は、時計回転方向へ移動して上フレーム1側の石膏模型M1に接近する。
【0082】
この接近動作を吸収しながら、左右の第一中切歯によるガイド作用で下フレーム2が矢印Qで示すように下ジョイント48bを中心にして開くことによって、複合的な下あごの回転滑走運動を近似的に再現できるようになっている。つまり、下ジョイント48bまわりの回転運動と、矢印Qで示す運動とを組み合わせることによって、矢印Sで示す複合動作を再現できる。この動作も、本発明の咬合器が上下の関節部分を備えていることにより可能となった、特徴的な動作である。
【0083】
これら後退運動および回転滑走運動においては、接近限界角θ1、θ2を超えて、上下フレーム1・2や連結ブロック40を変位操作できることが求められる。つまり、支持機構S1・S2による接近規制作用を解除して、例えば接近限界角θ1、θ2を下回るθ1′、θ2′の位置にまで、フレーム1・2や連結ブロック40を変位操作できることが求められる。そこで、本実施例の咬合器においては、図15に示すごとく、受板61の短辺寸法L1を、アーム42・42どうしの対向間隔寸法L2よりも幅狭に設定して、受板61を横姿勢から縦姿勢に回動操作すると、受板61がジョイント48まわりのアーム42の回動軌跡から退避できるようにしてある。これにより、受板61と突起57とが互いに接当干渉することがなくなるので、支持機構S1・S2の接近規制作用を解除して、上下フレーム1・2や連結ブロック40を、自由に変位操作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】咬合器を後方側から見た斜視図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】図1におけるB−B線断面図である。
【図4】あごの上下開閉運動の再現状態を示す側面図である。
【図5】あごの後退運動の再現状態を示す側面図である。
【図6】あごの左右偏心運動の再現状態を示す側面図である。
【図7】あごの回転滑走運動の再現状態を示す側面図である。
【図8】第2実施例を示す図1に相当の斜視図である。
【図9】第2別実施例を示す下ヒンジの断面図である。
【図10】第3実施例を示すストッパーの断面図である。
【図11】支持機構に関する第4実施例を示す側面図である。
【図12】弾性アームのそれぞれ異なる変形例を示す斜視図である。
【図13】第5実施例に係る咬合器の側面図である。
【図14】第5実施例に係る咬合器の分解斜視図である。
【図15】咬合器の正面図である。
【図16】支持機構S1に関する側面図である。
【図17】支持機構S2に関する側面図である。
【図18】あごの上下開閉運動の再現状態を示す側面図である。
【図19】あごの上下開閉運動の再現状態を示す側面図である。
【図20】あごの左右偏心運動の再現状態を示す側面図である。
【図21】あごの後退運動の再現状態を示す側面図である。
【図22】あごの回転滑走運動の再現状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 上フレーム
2 下フレーム
3 弾性アーム
4 上ヒンジ
5 下ヒンジ
20 ストッパー
22 ボルト
40 連結ブロック
42 アーム
43 板ばね
48 ピロボールジョイント
55 ガイド
56 スライダ
60 調整ねじ
S1 支持機構
S2 支持機構
Claims (10)
- 上下に対向配置される上フレーム1および下フレーム2と、両フレーム1・2の後端どうしを連結する弾性アーム3とを備えており、
上フレーム1と弾性アーム3とは、上ヒンジ4を介して相対揺動可能に連結されており、
下フレーム2と弾性アーム3とは、設定値を越える外力が作用する状態でのみ相対揺動できる下ヒンジ5を介して連結されており、
弾性アーム3と下フレーム2との間に、弾性アーム3と下フレーム2との接近限界を規定するストッパー20が設けられており、
弾性アーム3と下フレーム2とが接近限界姿勢に屈折した状態において、下ヒンジ5のヒンジ中心が上ヒンジ4のヒンジ中心より後方に位置していることを特徴とする歯科用咬合器。 - 上フレーム1と下フレーム2とが、捻れ弾性を発揮できる左右一対の弾性アーム3で連結してある請求項1記載の歯科用咬合器。
- ストッパー20が、弾性アーム3側に設けられる雌ねじ体21と、雌ねじ体21にねじ込まれる雄ねじ体22とを含み、
雄ねじ体22のねじ込み量を調整して、弾性アーム3と下フレーム2との接近限界角θを変更調整できる請求項1または2記載の歯科用咬合器。 - 弾性アーム3の一端が、上ヒンジ4と下ヒンジ5とのいずれか一方のヒンジ5(または4)に固定され、弾性アーム3の他端が、他方のヒンジ4(または5)に対して固定位置変更可能に調整ねじ12で締結されて、上下両ヒンジ4・5の中心間距離を変更調整できる請求項1または2または3記載の歯科用咬合器。
- 下フレーム2または弾性アーム3と上フレーム1との間に、上フレーム1を下方揺動不能に支持する支持構造26が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の歯科用咬合器。
- 上フレーム1と下フレーム2とが、板ばねで形成した左右一対の弾性アーム3で連結してある請求項2〜5のいずれかに記載の歯科用咬合器。
- 左右一対の弾性アーム3が、上フレーム1および下フレーム2の左右側端より中央寄りに配置してある請求項2〜6のいずれかに記載の歯科用咬合器。
- 上下に対向配置される上フレーム1および下フレーム2と、両フレーム1・2の後端どうしを連結する連結ブロック40とを備えており、
連結ブロック40は、平行状に配置されたアーム42・42と、これらアーム42・42を連結して、捻れ弾性を発揮できる板ばね43とを含み、
連結ブロック40と下フレーム2との間に、連結ブロック40と下フレーム2との接近限界を規制する支持機構S1を設けてあり、
連結ブロック40と上フレーム1との間に、上フレーム1を下方揺動不能に支持する支持機構S2を設けてあり、
上下のフレーム1・2と連結ブロック40とが、各アーム42に設けられたピロボールジョイント48を介して連結されていることを特徴とする歯科用咬合器。 - 支持機構S1・S2は、上下のフレーム1・2の後端から斜め方向に上がり傾斜するガイド55と、ガイド55に沿ってスライド移動自在に支持されるスライダ56と、連結ブロック40の各アーム42から前方向に向かって突設された突起57とを含み、
スライダ56は、スライダ本体58と、スライダ本体58に突出状に設けられたピン59と、スライダ本体58にねじ込まれる調整ねじ60と、スライダ本体58の前面に装着されて、突起57に接触できる受板61とからなり、
ガイド55には、ピン59用の長孔63を形成してあり、
長孔63内にピン59を挿入した状態で、調整ねじ60をスライダ本体56にねじ込むことで、スライダ56は、ガイド55に沿ってスライド移動自在に支持されており、
調整ねじ60を緩操作してから、スライダ56をガイド55に沿って上下に移動させると、受板61の高さ位置が変更されて、上下のフレーム1・2と連結ブロック40との間の接近限界角θ1・θ2を変更調整できる請求項8記載の歯科用咬合器。 - 受板61は、その長さ方向が水平に伸びる横姿勢と、上下方向に伸びる縦姿勢との間で回転可能に支持されており、
受板61の短辺寸法L1を、アーム42・42どうしの対向間隔寸法L2よりも幅狭に設定して、受板61を横姿勢から縦姿勢に回動操作すると、受板61がピロボールジョイント48まわりのアーム42の回動軌跡から退避できるようにしてある請求項8または9記載の歯科用咬合器。
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