JP4058731B2 - 眼鏡金具のための傾斜ヒンジ - Google Patents

Description

【０００１】
技術分野
本発明は、金具側面の収容ポケットの側壁の間に案内されたヒンジ片を有し、このヒンジ片が、側壁に交差して収容ポケットを貫通する傾斜軸上に揺動可能に支持されており、かつ一方においてヒンジ片に所属しかつ他方において金具側面に所属する歯列からなる係止歯部を介して、種々の傾斜位置において係止可能である、眼鏡金具のための傾斜ヒンジに関する。
【０００２】
従来の技術
眼鏡金具の係止調節のために、金具側面にヒンジ片のための収容ポケットを設け、この収容ポケットに従来の眼鏡ヒンジによって眼鏡金具を関節結合することは公知である（ＰＣＴ出願公開第９８／０２７７０号明細書）。このヒンジポケットは、側壁とヒンジ片を貫通する傾斜軸によって収容ポケットの両方の側壁の間において揺動可能に保持されており、この傾斜軸は、金具の広げ位置においてこれに対して横向きに、かつヒンジの回転軸線に対して横向きに延びているので、金具は、眼鏡フレームに対するその傾斜について調節可能である。金具の調節された傾斜位置は、係止歯部を介して確保され、この係止歯部は、収容ポケットの側壁の端面における傾斜軸に対して同軸的な歯付きリム区間、及びこれと共同作用する内側歯付きリム区間とからなり、これらの歯付きリム区間は、収容ポケットの側壁の歯付き端面を上からつかむヒンジ片の肩部に配置されている。眼鏡を掛ける人の解剖学的な事実に整合するために必要な眼鏡金具の傾斜調節は、小さな角度ステップだけが望まれるので、係止歯部の係止歯は、小さく形成され、このことは、傾斜調節の際の係止歯部の歯の飛び越えを容易にするが、傾斜軸に対して同軸的な係止歯部に基づいて、支持の遊び及び製造公差が直接影響するだけになおさらのこと、同時に負荷を受けることができる係止を困難にする。
【０００３】
発明の表示
したがって本発明の課題は、大量生産の条件において、それぞれ選択された傾斜位置における眼鏡金具の確実な係止着座を保証することができるように、初めに述べたような傾斜ヒンジを構成することにある。
【０００４】
本発明は、この課題を次のようにして解決する。すなわち収容ポケットの少なくとも１つの側壁及びヒンジ片のそれに接する側面に、係止歯部のそれぞれ１つの歯列が設けられており、この歯列の歯が、収容ポケット内へのヒンジ片の挿入方向に整列されている。
【０００５】
この処置により係止歯部は、傾斜軸に対して同軸的なシリンダに沿ってではなく、傾斜軸に対して垂直な平面において行なわれるので、公差範囲は、傾斜ヒンジの半径方向寸法に関して、収容ポケットにおけるヒンジ片の係止歯部によって与えられる係止着座の安全性に対して役割を演じない。収容ポケットへのヒンジ片の挿入における係止歯部の歯の整列は、傾斜ヒンジの簡単な取付けを可能にする。なぜなら後から挿入された傾斜軸によって収容ポケット内に固定保持するために、ヒンジ片は、歯整列に対して平行に収容ポケット内に挿入することができるからである。収容ポケット内へのヒンジ片の挿入方向に相応するヒンジ片の傾斜位置は、なるべく中央位置は、係止歯部の互いに噛み合った歯列の平行な歯を介して十分に保証され、しかもかなりの程度まで公差を補償して保証される。なぜなら傾斜軸の軸平面にある歯からの歯の間隔が大きくなるとともに、傾斜軸に関する所属の半径に対して歯整列の角度は、大きくなるからである。ヒンジ片がこの傾斜位置から回転すると、片側の歯列の歯は、収容ポケットの歯に対して回転し、このことは、この時、係止歯部の互いに噛み合った歯列の歯が弾性的な初応力を受けて噛み合うので、それ以上の公差保証を伴う。ただし歯ピッチによって与えられる角度ステップに相当する歯の回転は、わずかしか角度ステップを制限しないが、このことは、眼鏡金具の傾斜調節において役割を演じない。なぜなら傾斜調節は、小さな角度範囲に限定することができるからである。したがって本発明による処置によって、調節された傾斜位置に対する遊びのない係止着座を可能にする傾斜ヒンジが得られることがわかった。ヒンジ片の側面と収容ポケットのそれに接する側壁との間の歯列の配置は、さらに収容ポケットの側壁が相応して弾性を有することができるので、係止調節の際の係止歯部の歯の弾性的な飛び越えのための有利な前提条件を提供する。
【０００６】
とくに簡単な構造状態を達成できるようにするため、係止歯部は、少なくとも１つの側面における直線的に延びた歯列、及び収容ポケットの口範囲にあってヒンジ片の歯列に噛み合う歯列を有し、収容ポケットの歯列の幅が、ヒンジ片の歯列の幅より大きい。収容ポケットに所属する歯列の一層大きな幅は、ヒンジ片の揺動調節の際互いに噛み合う歯列の相互のずれを考慮するために、ヒンジ片の直線的な歯列において必要である。これに関連してさらに、ヒンジ片の歯列の幅は、揺動軸の揺動の後にも係止歯部の歯噛み合いを保証するために、制限されていなければならないことがわかった。
【０００７】
発明の実施の方法
図１に示された眼鏡は、眼鏡レンズ２を収容する眼鏡フレーム１、及び２つの金具３を有し、これらの金具は、眼鏡ヒンジ４を介してフレーム１の金具側面５に関節結合されている。しかし眼鏡ヒンジ４は、剛体ではなく、傾斜ヒンジ６を介して眼鏡側面５に結合されており、この傾斜ヒンジは、ヒンジ片７からなり、このヒンジ片は、金具側面５の収容ポケット８内に噛み合っている。収容ポケット８の側壁９の間に案内されたヒンジ片７は、側壁９及びヒンジ片７を貫通する傾斜軸１０によって揺動可能に、収容ポケット８内に保持されるので、傾斜ヒンジ６のヒンジ片７に関節結合された眼鏡金具３は、図１に示したその延ばした位置において、その長手方向に対して横向きにかつヒンジ軸１１に対して横向きにその傾斜を調節することができる。
【０００８】
それぞれの傾斜位置を確保するために、係止歯部１２が設けられており、この係止歯部は、対になって共同作用する歯列１３及び１４からなり、これらの歯列は、一方において収容ポケット８の側壁９の内側において収容ポケットの口範囲に、かつ他方においてヒンジ片７のそれに接する側面に設けられている。とくに図３から明らかなように、歯列１３及び１４の歯は、傾斜軸１９に対して半径方向にではなく、互いに平行に整列されており、その際、歯整列は、矢印１５によって暗示した収容ポケット８内へのヒンジ片７の挿入方向に一致している。この処置によりヒンジ片７は、傾斜ヒンジ６の取付けの際にわけなく同時に係止歯部１２の係止噛み合いを行いながら収容ポケット８内に挿入することができ、それから傾斜軸１０を介して収容ポケット８内において回転調節可能に保持されるようにする。挿入方向１５によって与えられるこの中央位置から、ヒンジ片７は、それぞれ１つ又は２つの歯だけ上方又は下方へ揺動することができ、その際、ヒンジ片７の歯列１４は、歯列１３に対して傾斜ステップだけ回転する。このことは、歯がわずかな傾斜位置において互いに噛み合わなければならないことを意味し、このことは、歯噛み合いの弾性初応力を受けてのみ可能である。この弾性初応力は、金具３の意図に反した傾斜調節を防ぐことができるようにするため、十分な係止着座により収容ポケット８内におけるヒンジ片の遊びのない保持を引起こす。図３から明らかなように、ヒンジ片７の歯列１４は、直線的に、かつ挿入方向１５に対して垂直に延びており、その際、歯の幅は、傾斜位置における歯幅の方向における共同作用する歯列１３及び１４の相互のずれを考慮するために、収容ポケットの歯列１３の歯の幅より小さく選ばれている。
【図面の簡単な説明】
【図１】 眼鏡金具のための本発明による傾斜ヒンジを有する眼鏡を傾斜ヒンジの範囲において断片的に示す眼鏡の内側における側面図である。
【図２】 図１の線ＩＩ−ＩＩに沿った断面を拡大した尺度で示す図である。
【図３】 図２の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿った断面図である。

Claims (2)

1. 金具側面（５）の収容ポケット（８）の側壁（９）の間に案内されるヒンジ片（７）を有し、このヒンジ片が、側壁（９）に交差して収容ポケット（８）を貫通する傾斜軸（１０）上に揺動可能に支持されており、かつ一方においてヒンジ片（７）に所属しかつ他方において金具側面（５）に所属する歯列（１３，１４）からなる係止歯部（１２）を介して、種々の傾斜位置において係止可能である、眼鏡金具（３）のための傾斜ヒンジにおいて、収容ポケット（８）の少なくとも１つの側壁（９）及びヒンジ片（７）のそれに接する側面に、係止歯部（１２）のそれぞれ１つの歯列（１３、１４）が設けられており、この歯列の歯が、収容ポケット（８）内へのヒンジ片（７）の挿入方向（１５）に整列されていることを特徴とする、眼鏡金具（３）のための傾斜ヒンジ。
2. 係止歯部（１２）が、ヒンジ片（７）の少なくとも１つの側面にあって直線的に延びる歯列（１４）、及び収容ポケット（８）の口範囲にあってヒンジ片（７）の歯列（１４）に噛み合う歯列（１３）を有し、収容ポケット（８）の歯列（１３）の幅が、ヒンジ片（７）の歯列（１４）の幅より大きいことを特徴とする、請求項１に記載の傾斜ヒンジ。

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