JP2003534979A - 車両用軽量フロアリング組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、担持層（１）が層状構造を有する車両用軽量フロアリング組立体を提供する。この構造は、適切に含浸されたボール紙材料から製造することが可能なハニカム状コア層（７）を備え、かつその両面に補強層（８、９）が結合される。内側補強層（８）はＳＭＣ材料から製造され、外側補強層（９）は、好ましくは連通泡をもつまたは多孔性のニードル処理された不織布から作られ、湿気および汚れに対して、適切に含浸される。担持層（１）の構造とりわけスキン層、ハニカム構造層、不織布層の順序は、担持層（１）の機械的安定性のために特に重要である。担持層（１）には、内側および外側ライニングが、内側ライニングは発泡ＰＵばね層（１０）およびゴムまたはラテックス固形層（１１）を備えている。これら内側および外側ライニングは適切な材料および構成を選択することによって、車両用計量フロアリング組立体に音響的に吸収製の遮音システムを提供することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 請求項１のプレアンブルによれば、本発明は車両用軽量フロアリング（floori
ng）の組立体に関する。

【０００２】 車両用床パネルに、音響的に有効な、すなわち遮音性および／または吸音性ラ
イニングを設けることが知られている。概してこれらの裏打ちは、床パネル上に
直接設けられた遮音性のダンピング（damping）層を備える。非常に快適な車両
においては、客室（passenger compartment）側にあるこの振動ダンピング、吸
音層の上に、追加の吸音性の発泡または不織布層、および重くかつ気密性のカー
ペット層が追加される。これらの追加の層は、音響的なばね−質量系として相互
に作用できるように、音響的に構成されている。

【０００３】 たとえば石の衝撃または冬季の塩の影響から床パネルを機械的および／または
化学的に保護する目的により、床パネルの外側に保護層を設けることも知られて
いる。そのようなアンダーボディ（underbody）の保護は、通常約１ｍｍの厚さ
で比較的高価なＰＶＣ層の上のスプレー塗装を含む。

【０００４】 異なる機能をもった数多くの層やコーティングの使用は、車両の総重量を増加
させ、客室の利用空間、とくにフットスペース（foot space）を減少させるので
望ましくない。しかしながら、より軽量で、より広々とし、およびより高いコス
ト効果の車両を設計することが、近頃の車両産業の一般的な目的である。

【０００５】 したがって、本発明の目的は、従来の車両用フロアリング構造より軽量かつ安
価な車両用フロアリングを提供することであり、与えられた機械的要求、熱的要
求、および音響的要求を同時に満たすことである。

【０００６】 これは、請求項１の特徴を有する車両用軽量フロアリング組立体、とくに従来
の床パネルが、両面が補強層に接合されたハニカム状のコア層を備える担持層と
置き換えられた車両用軽量フロアリング組立体で達成される。第１の好ましい実
施例において、コア層の内側の補強はＳＭＣ材料から製造された、ハニカム状コ
ア層は含浸されたボール紙材料、コア層の外側の補強層は、ニードル処理された
不織布（needled nonwoven）またはフェルトから製造されている。好ましくは、
このフェルトは、２５％レゾール（Resol）で結合されたガラスまたはＰＥＴ繊
維から製造され、たとえば１．３ｋｇ／ｍ²の重量をもつ。本発明の車両用フロ
アリングにとって、少なくともこの外側補強層は連通孔を有する（open pored）
ことが本質的である。音響上の効果を改善するために、２つの圧縮力を異にする
シートを有する二重フェルトも追加的に応用され得る。本実施例において内側ラ
イニングは、好ましくは、発泡ＰＵから製造されたばね層、およびゴムまたはラ
テックスから製造された固形層（mass layer）を備える、音響的ばね−質量系を
備える。

【０００７】 本発明の車両用軽量フロアリングのさらなる実施例では、担持層に、２つの圧
縮力を異にするフェルトを備える外側コーティングが設けられる。これら連通孔
を有する繊維層、すなわち多孔質で通気性のある繊維層は、薄いゴムまたはラテ
ックス層により追加的に湿気や汚れから保護され得る。担持層は、その内側に、
遮音性ゴムやラテックス固形層を備える。その代わりに、ＳＭＣ層または含浸さ
れたレンフォート（Renfort）層を使用することもできる。

【０００８】 さらに好ましい実施例は、従属項の特徴を示している。

【０００９】 この方法で、音響的および熱的に非常に効果的で、従来のシステムより実質的
に軽量な車両用軽量フロアリングが提供される。本発明の組立体は容易に、好ま
しくは１ステップのプロセスで製造、形成され、とくに車両用フロアリングは必
要な強度を得るために、部分的にΩの形状に成形され得る。本発明の車両用軽量
フロアリングは、とくにトラックのキャビン（cabin）フロアリングにおける使
用に適している。このフロアリング組立体は他の車両用部材、とくにキャビン側
面要素または他の床要素に使用することもできる。

【００１０】 本発明が、図面および好ましい実施例の記述により、詳細に説明される。

【００１１】 図１に概略が示され従来の車両床は、金属製床板の形状の担持層１を備え、典
型的には７．８ｋｇ／ｍ²の重量で約１ｍｍの厚さである。ＩＦＦ層２がこの金
属製床板の内側に施され、このＩＦＦ層は典型的に重量４．８ｋｇ／ｍ²で２ｍ
ｍの厚さである。このＩＦＦ層２上には、カーペット下層４とカーペット上層５
を有するカーペットが置かれる。このカーペットは、一般的に８ｋｇ／ｍ²の重
量で通常２０mmの厚さである。金属製床板の外側に遮音層６が設けられ、一般的
には重量２．４ｋｇ／ｍ²で厚さ２５ｍｍである。したがって、この車両用床は
総重量２３ｋｇ／ｍ²、全厚さが４８ｍｍとなる。

【００１２】 これに対して、本発明の車両用軽量床は図２に概略が示されるとおりであるが
、総重量１２ｋｇ／ｍ²で全厚さは４６ｍｍである。図２に示す実施例では、以
後ＲＨＯＣとして知られる層状構造を備える担持層１を有する。この層状構造は
ハニカム状コア層７からなり、その両面は補強層８、９に接続されている。内側
補強層８はＳＭＣ材料から製造される。ハニカム状コア層７には、ボール紙材料
が使用され、湿気に対して必要とされる保護を達成するためにレゾール溶液で処
理される。外側の補強層９はニードル処理された不織布（好ましくはガラス繊維
およびＰＥＴからなる）から製造され、またレゾール溶液（水状フェノール溶液
）で含浸される。この薄い不織材９は、好ましくはレゾールで結合されたガラス
繊維およびＰＥＴ繊維からなる。不織布９は、連通泡を有する（open-celled）
、または多孔質であるのが好ましい。さらに音響特性を向上させるために、２つ
の圧縮力を異にするシートを有する追加の不織布層を設けることも可能である。
担持層１の構造とりわけスキン（skin）層、ハニカム構造層、不織布層の順序は
、担持層１の機械的安定性のために特に重要である。必要とされる強度または剛
性は全厚さに起因する。さらに、本質的に空気のみを含有するコア層７は、優れ
た断熱性を可能にする。好ましい実施例では、担持層１は重量５ｋｇ／ｍ²で厚
さ２３ｍｍである。この軽量構造の音響効率をさらに向上させるために、内側ラ
イニングが、ばね−質量系として構成される。好ましい実施例では、これは発泡
ＰＵから製造されたばね層１０、およびゴムから製造された質量層１１を備える
。ばね層１０は、好ましくは重量１ｋｇ／ｍ²で好ましくは２０ｍｍ厚さがよい
。質量層１１は、好ましくは重量６ｋｇ／ｍ²、好ましくは厚さ３ｍｍがよい。
この方法で、すでに記述した層の順序を有する車両用床を作り出すことが可能で
あり、個々の層は、総重量が１２ｋｇ／ｍ²、全厚さが４６ｍｍとなる。

【００１３】 図３は本発明の車両用床の他の実施例を示す。これもまた、ＲＨＯＣ層として
すでに述べた担持層１を備える。その外側に、この担持層１に、２つの別々に固
められ圧縮された繊維状不織布層、第１の面積重量１．６ｋｇ／ｍ²、厚さ１７
ｍｍの低く圧縮された繊維状不織布層１２、および第２の面積重量１ｋｇ／ｍ²
、厚さ４ｍｍのより高く圧縮された繊維状不織布層１３が設けられる。これら多
孔質で通気性のある繊維層は、汚れや湿気に対して、薄いゴム層またはラテック
ス層で追加的に保護することができる。担持層１上内側にゴムまたはラテックス
層１１が配置され、重量６ｋｇ／ｍ²、厚さ３ｍｍである。この車両用床の実施
例は、すでに述べた層状構造を備え、５ｋｇ／ｍ²の重量、２３ｍｍの厚さのＲ
ＨＯＣ層を有するので、総重量１３．６ｋｇ／ｍ²および４６ｍｍの全厚さとな
る。床の下側は連通孔を有することが、本発明の車両用床の音響特性にとって本
質的である。ゴム層１１に代わりＳＭＣ層または含浸されたレンフォート層を使
用することが可能である。このレンフォート層はガラス繊維、炭素繊維、ケブラ
ー繊維、天然繊維などからなり、また結合剤として当業者に知られているポリエ
ステル−ビニル−エステル、エポキシまたは他の適切な材料からなることができ
る。

【００１４】 内側ライニングは、音響的なばね−質量系として構成され、とくに発泡ＰＵ〜
製造されたばね層１０、およびゴムまたはラテックスから製造された質量層１１
を備える。

【００１５】 利点を有する実施例においては、コア層７は厚さが約１５〜３０ｍｍ、とくに
２２ｍｍ、セル（cell）寸法が約５〜１５ｍｍ、とくに１０ｍｍ、圧縮抵抗が約
４５０〜１０００ｋＰａ、とくに７００ｋＰａ、また面積重量が約５００〜１１
００ｇ／ｍ²、とくに８００ｇ／ｍ²である。

【００１６】 現在のコア層７は、たとえばボール紙で製造可能であるが、著しく安価な製品
の製造が可能となることが理解される。しかしながら、ハニカム状構造に代えて
、高い比率で大きい連通泡を有する発泡材料を使用することが可能である。コア
層７およびニードル処理された不織布層１２、１３を含浸するために、レゾール
溶液の代わりにメラミン樹脂、ポリエステル、ビニルエステルまたはエポキシ樹
脂が使用され得る。ハニカム状構造を処理するために、ラテックス、または多様
なパラフィンやテフロン（登録商標）製品を使用することが等しく可能である。
熱硬化性（duroplastic）材料は、補強層として熱可塑性材料より適しているた
めに、当業者はコア層の材料を選択するとき、温度抵抗に留意するであろう。ア
ルミニウムやノメックス（Ｎｏｍｅｘ（デュポン社登録商標））のような他の材
料もまたコア材料として使用可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、従来の車両床の概略図を示している。

【図２】 図２は、音響的ばね−質量系を有する、本発明の軽量床を示している。

【図３】 図３は、音響的に吸収性の遮音システムを有する、本発明の軽量床を示してい
る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カジュリ、ジャン フランス共和国、エフ−78200 マンテ ラ ヴィル、リュー デ ラ シャラント ン、24、ドメン デ ラ バレ（番地な し) (72)発明者 オジェール、ヴィルジニェ フランス共和国、エフ−78300 ポワッシ、 リュー デュ バック、３ (72)発明者 ベサン、イニョール フランス共和国、エフ−78410 オーベル ジャンビル、リュー デ 40 ス 15 Ｆターム(参考） 3B088 FA03 FB02 FB06 FC01 3D003 AA04 AA07 BB01 CA14 4F100 AG00C AG00D AK01C AK34C AK34D AK42C AK42D AK51A AK51B AS00A AS00B AS00C BA03 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10B DC02C DG01A DG01B DG01C DG01D DG01E DG10C DG11C DG11D DG15A DG15B DG15D DG15E DH01C DH01D DJ01A DJ01B DJ03B EC09 EC091 EJ82 EJ821 GB33 JB13C JH01 JH01A JH01B JK01A JK01B JK05A JK05B JK07A JK07B YY00C

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内側ライニングおよび外側ライニングが設けられた担持層（
   １）を有する車両用床組立体であって、前記担持層（１）が、ハニカム状コア層
   （７）を備え、該ハニカム状コア層（７）の両面に補強層（８、９）が結合され
   、外側補強層（９）が連通孔を有する車両用床組立体。
2. 【請求項２】 前記内側ライニングが音響的なばね−質量系であり、とくに
   発泡ＰＵから製造されたばね層（１０）、およびゴムまたはラテックス材料から
   製造された質量層（１１）を備える請求項１記載の車両用床組立体。
3. 【請求項３】 前記外側ライニングが音響的に吸収性の遮音システムであり
   、とくに２つの圧縮力を異にする繊維状不織布層（１２、１３）を備える請求項
   １記載の車両用床組立体。
4. 【請求項４】 前記繊維状不織布層（１２）は、前記他の繊維状不織布層（
   １３）と、前記担持層（１）のあいだに配置されて、当該他の繊維状不織布層（
   １３）より高く圧縮されてなる請求項３記載の車両用床組立体。
5. 【請求項５】 前記コア層（７）が、熱硬化性材料から製造された請求項１
   、２、３または４記載の車両用床組立体。
6. 【請求項６】 前記コア層（７）が、ボール紙状材料から製造されてなる請
   求項１、２、３、４または５記載の車両用床組立体。
7. 【請求項７】 前記コア層（７）が、約１５〜３０ｍｍ、とくに２２ｍｍの
   厚さであり、セル寸法が約５〜１５ｍｍ、とくに１０ｍｍであり、圧縮抵抗が４
   ５０〜１０００ｋＰａ、とくに７００ｋＰａであり、面積重量が約５００〜１１
   ００ｇ／ｍ²、とくに８００ｇ／ｍ²である請求項１、２、３、４、５または６記
   載の車両用床組立体。
8. 【請求項８】 前記コア層（７）が、レゾール溶液で含浸処理されてなる請
   求項１、２、３、４、５、６または７記載の車両用床組立体。
9. 【請求項９】 前記外側補強層（９）が、ニードル処理された布織布から製
   造されて、とくにガラスまたはＰＥＴ繊維からなり、とりわけレゾールで結合さ
   れてなる請求項１、２、３、４、５、６、７または８記載の車両用床組立体。
10. 【請求項１０】 前記組立体が、少なくとも部分的にΩの形状に形成された
    請求項１、２、３、４、５、６、７、８または９記載の車両用床組立体。
11. 【請求項１１】 キャビン床として、とくにトラックのために設計された請
    求項１、２、３、４、５、６、７、８、９または１０記載の車両用床組立体。
12. 【請求項１２】 請求項１、２、３、４、５、６、７、８、９、１０または
    １１記載の車両用床集合体を備える車両。