JP2003534916A - チキソトロピ金属スラリを保持し且つ突き出す装置及び方法 - Google Patents

チキソトロピ金属スラリを保持し且つ突き出す装置及び方法

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JP2003534916A
JP2003534916A JP2001587942A JP2001587942A JP2003534916A JP 2003534916 A JP2003534916 A JP 2003534916A JP 2001587942 A JP2001587942 A JP 2001587942A JP 2001587942 A JP2001587942 A JP 2001587942A JP 2003534916 A JP2003534916 A JP 2003534916A
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ノービル,サミュエル・エム・ディー
ロンバード,パトリック・ジェイ
ワン,シャウポー
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エイ・イー・エム・ピー・コーポレーション
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    • C22C1/00Making non-ferrous alloys
    • C22C1/12Making non-ferrous alloys by processing in a semi-solid state, e.g. holding the alloy in the solid-liquid phase
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D17/00Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
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Abstract

(57)【要約】 チキソトロピ半固体のアルミニウム合金スラリをビレット60Aとして処理する間、該スラリを保持する容器20Aと、処理したチキソトロピ半固体アルミニウムビレット60Aを清浄に排出する突き出しシステムとを備える容器システム10Aである。るつぼ20Aは、化学的に且つ熱的に安定的な材料(黒鉛又はセラミックのような)で出来たものであることが好ましい。るつぼ20Aは、混合容積30Aを画成する。るつぼの突き出し機構は、ピストン56Aに取り付けられた可動の底部分22Aを備え、又は導電性のビレット内で起電力を誘発させ、該ビレットをるつぼ20Aから押し出すソレノイドコイルを備えることができる。処理する間、溶融アルミニウム金属前駆体がるつぼ内に搬送され且つ強力に攪拌され、また、制御可能に冷却されて、チキソトロピ半固体ビレット60Aを形成する。ビレット60Aが形成されたならば、突き出し機構を作動させてビレット60Aをるつぼ20Aから排出する。ビレット60Aは、ショットスリーブ内に排出され且つ直ちに金型内に配置されて所望の形態に成形される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、金属組織学、より具体的には、溶融金属が半固体のチキソトロピ金
属スラリとして処理される間、該金属溶融体を保持すると共に、チキソトロピ金
属スラリが処理されたならば、該スラリを突き出す方法及び装置に関する。
【0002】 本発明は、全体として、鋳造過程にて使用される半固体材料を「オンデマンド
」にて製造し得る構造及び配置とされた装置に関する。過程の一部として使用さ
れる必須の構成要素及び構造的配置を有する色々なステーションが全体的な装置
の一部として含められている。開示された装置を使用して半固体材料をオンデマ
ンドにて製造する方法は本発明の一部として含められている。
【0003】 より具体的には、本発明は、処理する間、半固体材料を保持する高温度抵抗性
及び耐食性の容器と、処理後、容器からの半固体材料の搬送を容易にする電磁突
出しシステムとを具体化するものである。半固体材料を鋳造機のショットスリー
ブ内に直接排出する構造的配置及び技術もまた含まれる。本明細書にて使用する
ように、「オンデマンド」という概念は、半固体材料がその材料が製造される容
器から鋳造工程に直接、向かうことを意味する。半固体材料は、典型的に、「ス
ラリ」と称され、「1回の注入量」として製造されるスラグは、同様にビレット
と称される。
【0004】 高強度、漏れ無しで且つほぼ正味通りの形状の製品を製造するため、半固体金
属スラリを使用することが可能であることは周知である。しかし、半固体金属の
粘度は、スラリの温度又はこれに相応する固体の画分により極めて影響を受け易
い。高固体画分率にて優れた流動性を得るためには、半固体金属の一次的固相は
ほぼ球状でなければならない。
【0005】 一般に、半固体の処理は、チクソキャスティング法及びレオキャスティング法
という2つの範疇に分類することができる。チクソキャスティング法において、
凝固する合金のミクロ組織は、合金が鋳造されて固体の供給材料になる前に、樹
木状晶から分離した再生樹枝状晶に変換され、その後、その樹枝状晶は、半固体
状態になるように再度溶融させ且つ金型内に鋳込んで、所望の部品を形成する。
レオキャスティング法において、液体金属は、そのミクロ組織が変換する間、冷
却されて半固体状態となる。次に、スラリを形成し又は金型内に鋳込んで、所望
の1つ又は複数の部品を製造する。
【0006】 レオキャスティング法における主な障害は、短いサイクル時間内で所望の好ま
しい温度範囲内の十分なスラリを形成することが困難なことである。追加的な鋳
造及び再溶解工程のため、チクソキャスティング法のコストは高いが、工業的製
造のためチクソキャスティング法を具体化することは、時間及びスペースの点に
て再加熱及び成形工程から分離したものとすることのできる別個の工程にて半固
体の供給材を多量に鋳造することができるから、レオキャスティング法よりも遥
かに優れたものである。
【0007】 半固体の鋳造過程において、一般に、その形態が保持される樹木状晶固体粒子
から成るスラリが凝固中に形成される。最初に、スラリ又は半固体を形成する初
期の段階にて、樹木状晶粒子は、核を形成し且つ溶融した合金内にて等軸樹枝状
晶として成長する。適正な冷却速度及び攪拌によって、樹木状晶粒子の枝はより
大きく成長し、樹枝状晶の腕は、粗化する時間を有し、このため一次及び二次的
樹枝状晶の腕の間隔が増大する。攪拌が行われるこの成長段階の間、樹枝状晶の
腕は接触し且つ画分されて再生された樹木状晶粒子を形成する。保持温度にて、
粒子は粗化を続け且つより丸くなり、理想的な球状の形状に近づく。丸くなる程
度は、その過程に対して選ばれた保持時間によって制御される。攪拌を加えると
、「コヒーレンシ」(樹枝状晶が絡んだ構造体となる状態)点に達しない。画分
された再生樹枝状晶粒子から成る半固体材料は、低せん断力にて変形を続ける。
【0008】 所望の画分した固体及び粒子寸法並びに形状が実現されたならば、半固体材料
は、ダイ金型内に射出することにより又は何らかの他の成形過程により形成する
準備が整う。固相の形成が開始し且つ粒子の粗化が開始するときの温度よりも高
い温度にスラリの形成過程を制限することにより、固相の粒子寸法はその過程中
、制御される。
【0009】 半固体合金の一次的固体樹木状晶組織は、液相線温度付近にて液体合金又は半
固体合金内にて次の動揺を採用することにより、ほぼ球状となるように変換する
ことができることが既知である。
【0010】 1)攪拌:機械的攪拌又は電磁的攪拌; 2)刺激:低周波振動、高周波、電気ショック又は電磁波; 3)等軸核形成:迅速な過冷、精粒機; 4)オズワルド熟成及び粗化:合金を長時間、半固体温度に保つ。
【0011】 (2)から(4)の方法は、半固体合金のミクロ組織を変換するのに効果的で
はあるが、これらの方法は、半固体金属の次のような性質又は必要条件のため、
短い処理時間にて多量の合金を処理するには効率的ではないという共通の制約が
ある。
【0012】 ・振動時の減衰効果が大きい; ・電磁波の浸透深さが浅い; ・迅速な過冷に対する潜熱が大きい; ・精粒機を追加するため追加的なコスト及びリサイクル上の問題点を伴う; ・自然熟成は長時間がかかり、短いサイクル時間を妨げる。
【0013】 従来技術の開発の殆どは、主として半固体合金のミクロ組織及びレオロジーに
力点を置くものであるが、当該発明者等は、比較的短いサイクル時間にて確実に
且つ効果的に半固体加工する上で温度の制御が最も重要なパラメータであること
が分かった。半固体金属の見掛け密度は固体の画分に伴って指数関数的に増大す
るから、40%以上の固体画分を有する合金における温度差が小さい結果、その
流動性は大幅に変化する。実際には、上述したように、半固体金属を製造する方
法(2)及び(4)を使用することの最大の障害は、攪拌が行われないことであ
る。攪拌しないならば、特に、多量の合金が必要とされるとき、必要とされる均
一な温度及びミクロ組織を有する合金スラリを形成することは極めて難しい。攪
拌しないならば、大きい温度差を生ぜずに半固体金属を加熱し且つ冷却する唯一
の方法は、遅い加熱/冷却過程を使用することである。かかる方法は、多数の供
給材料のビレットを予めプログラム化した加熱炉及びコンベア装置の下で同時に
処理することを必要とし、このことは、コスト高であり、メンテナンスが難しく
且つ制御が困難である。
【0014】 環状の狭い空隙内で高速度の機械的攪拌法を使用することは、半固体混合体中
の樹枝状晶を画分するのに十分な高せん断力を発生させることができるが、この
狭い空隙は、その過程の体積処理量を制限することになる。(例えば、溶融アル
ミニウム合金の)高温度、高腐食率、及び半固体スラリの高摩耗率が組み合わさ
ることは、適正な材料を設計し且つ選択し、また、攪拌メカニズムを保つことを
極めて困難にする。
【0015】 従来技術の引用例には、チクソキャスティング法により形成された固体ビレッ
トを再加熱することにより、又は機械的或いは電磁的攪拌作用を使用して溶融体
から直接、半固体スラリを形成する方法が開示されている。半固体合金スラリを
製造する既知の方法は機械的攪拌及び誘電性電磁的攪拌作用を含む。所望の組織
のスラリを形成する過程は、一部分、せん断及び凝固速度の相互作用の影響によ
って制御される。
【0016】 1980年代の初め、分離した再生樹枝状晶を有する半固体供給材料を鋳造す
るための電磁的攪拌法が開発された。この供給材料を適宜な寸法に切断し、次に
、金型キャビティ内に射出する前に、半固体状態となるように再溶融させる。こ
の磁気流体学的(MHD)鋳造法は、十分に分離した再生樹枝状晶を有する多量
の半固体供給材料を製造することができるが、ビレットを鋳造し且つ該ビレット
を再溶融させて半固体の組成物に戻すための材料の取り扱いコストは、例えば、
重力鋳造法、低圧ダイ鋳造法、又は高圧ダイ鋳造法のようなその他の鋳造法と比
較して、この半固体過程の競争力を低下させる。その最たるものとして、ビレッ
ト加熱装置の複雑さ、ビレット加熱過程の速度の遅さ及びビレット温度制御の困
難性は、この型式の半固体成形法にとって大きい技術的障害である。
【0017】 ビレット再加熱過程は、半固体成形(SSF)製品を製造するためのスラリ又
は半固体材料を提供する。この過程は広範囲に使用されているが、鋳造可能な合
金の範囲が限定される。更に、この型式の供給材料を処理するとき必要とされる
機械的強度を提供するため、固体の高画分率(0.7―0.8)が必要とされる
。ビレットの鋳造、取り扱い及び再加熱に必要な過程のため、競合するダイ及び
スクイズキャスティングにて溶融金属の供給材料を直接、施す場合と比較して、
コストがこの方法の実施を制限する別の大きな制約である。
【0018】 スラリ又は半固体材料を形成する機械的攪拌過程において、反応性金属がロー
タを攻撃する結果、製品は腐食されて凝固する金属を毀損することになる。更に
、ロータ羽根の外端縁と混合容器内の内側容器壁との間に形成される環状体は、
低せん断領域を形成する一方、高せん断率領域及び低せん断率領域の間の遷移領
域内にせん断帯域が形成される。SSF法に対しビレットをチクソキャスティン
グするためスラリを処理するときに使用される上述の多数の電磁的攪拌法が存在
するが、レオキャスティング法の適用に関して記述したものは殆どない。
【0019】 レオキャスティング法、すなわち直ちに所要形状となる半固体スラリを形成す
るため液体金属を攪拌する方法により製造する方法は、現在まで、工業化されて
いない。レオキャスティング法はチクソキャスティング法の難点の殆どを解決す
ることは明らかである。しかし、工業的製造技術、すなわちオンライン(すなわ
ちオンデマンド)にて安定的な供給可能な半固体スラリを製造する技術となるた
めには、レオキャスティング法は、次の実際に難しい課題を解決しなければなら
ない。すなわち、冷却率を制御すること、ミクロ組織を制御すること、均一な温
度及びミクロ組織とすること、スラリの量が多量であり及びその寸法が大きいこ
と、短いサイクル時間を制御し且つ異なる型式の合金を取り扱うこと、容器への
及び容器から鋳造注入スリーブまでスラリを直接的に搬送する手段及び方法であ
る。
【0020】 本発明に従って上記の困難な課題を解決する方法の1つは、液体金属が半固体
範囲に凝固するとき、該液体金属を電磁攪拌することである。かかる攪拌は、液
体金属とその容器との間の熱伝導を向上させ、金属の温度及び冷却率を制御し且
つ液体金属の内部で高せん断率を発生させ、分離した再生樹枝状晶によりミクロ
組織を改変する。この攪拌は、溶融金属の混合体により金属の温度及びミクロ組
織の均一性を向上させる。攪拌機構及び方法を慎重に設計することにより、攪拌
は、用途の必要条件に依存して半固体スラリの多量の量を駆動し且つその寸法を
制御する。攪拌は、冷却率を制御することによりサイクル時間を短縮することに
役立ち、このことは、あらゆる種類の合金、すなわち鋳造合金、錬鉄合金、MM
C等に適用可能である。半固体スラリを形成することを目的としてプロペラ型式
の機械的攪拌装置が使用されているが、特定の問題点及び難点がある。例えば、
半固体スラリの高温度、耐食性及び高磨耗特性は、機械的攪拌作用を備える信頼
し得るスラリ装置を設計することを極めて困難にする。しかし、レオキャスティ
ング法にて機械的攪拌作用を使用するときの最も重要な難点は、その処理能力が
小さいため、必要な生産量を満たすことができない点である。分離した再生樹枝
状晶を有する半固体金属は、低周波の機械的振動、高周波超音波又はソレノイド
コイルによる電磁的刺激により、形成することができることも既知である。これ
らの過程は、より遅いサイクル時間にてより小さいサンプルに対し機能するが、
これらは、浸透深さが制限されるため、より大きいビレットを製造するとき効率
的でない。別の型式の過程は、ソレノイド誘導刺激法であるが、磁界の浸透深さ
が制限され及び不必要な発熱を伴うため、この過程は生産効率の点で実現する上
で多数の技術的問題点がある。工業的過程にて最も広く使用されている強力な電
磁的攪拌法は、多量のスラリを製造することを許容する。重要なことは、この方
法が任意の高温度合金に適用可能な点である。
【0021】 強力な電磁的攪拌法の2つの主要な変形例が存在し、その一方は回転ステータ
による攪拌法であり、もう一方は線形ステータによる攪拌法である。回転可能な
ステータの攪拌により、溶融金属は擬等温面内で移動し、このため、優勢な機械
的せん断力により樹枝状晶の再生が行われる。1984年3月6日付けでウィン
ター(Winter)らに対し発行された米国特許第4,434,837号には
チキソトロピ金属スラリを連続製造する電磁的攪拌装置が記載されており、単一
の2極構造のステータは回転する非零の磁界を発生させ、この磁界は長手方向軸
の横方向に移動する。この移動する磁界は金属容器で接線方向に方向決めされた
攪拌磁力を発生させ、この磁力は樹枝状晶を破壊するため少なくとも50sec-1 のせん断速度を発生させる。線形ステータによる攪拌法の場合、メッシュ領域
内のスラリは、より高温度領域に再循環され且つ再溶融され、このため、熱過程
は樹枝状晶を破壊する上でより重要な役割を果たす。1993年6月15日付け
でメイヤー(Meyer)に対し発行された米国特許第5,219,018号に
は、多相電流電磁刺激による連続鋳造法によりチキソトロピ金属製品を製造する
方法が記載されている。この方法は、樹枝状晶が形成される低温領域をより高温
領域に向けて連続的に移送することにより、これら樹枝状晶の表面を再溶融させ
ることで樹枝状晶のノジュールへの変換を実現する。
【0022】 本発明に従って形成された部品は、典型的に、金型内で完全な液体から固体へ
の変態により形成され、その他の鋳造過程の樹木状晶構造的特徴を有する鋳造品
と比較して、特に延伸の点にて同等又はより優れた機械的性質を有する。
【0023】 当該技術分野にて、比較的高密度で且つ重く、また多量の熱を含むことに加え
て、一部の溶融金属は、また極めて腐食性であることも既知である。例えば、ア
ルミニウムは、その溶融状態にあるとき極めて腐食性である。かかる溶融金属を
保持するるつぼ又は容器は、必然的に丈夫で且つ耐食性であり、また熱分解抵抗
性がなければならない。金属がるつぼ内でチキソトロピ半固体の金属スラリを形
成する過程の一部として磁気的に攪拌される場合、るつぼは可能な限り磁力線に
対して透過性であり、磁力線が最小の妨害状態でるつぼを透過することが重要で
ある。
【0024】 また、チキソトロピ金属スラリがるつぼ内で処理されたならば、該金属スラリ
を容易に除去し得ることも重要である。そのチキソトロピ性質のため、スラリは
その固相線又はコヒーレンシ点より僅かに高い温度に維持される。このため、機
械的接触を通じて温度が僅かでも上昇すれば、スラリの粘度は大幅に低下し、温
度が僅かでも下降すれば、スラリの周りに固体の外皮が形成され又はスラリの嵩
結晶化さえも招来する可能性があるため、機械的な操作は問題である。
【0025】 るつぼからのスラリの突き出しに伴う別の問題点は、チキソトロピ半固体金属
スラリがるつぼの内面に粘着し易いことである。るつぼの内面の抗力はチキソト
ロピスラリにおけるせん断力を減少させ、るつぼの内面に隣接してより高粘度の
スラリ領域を発生させる。また、スラリは、存在するすべてのるつぼの多孔質巣
と相互に係止し、るつぼ内の粘着を更に促進し勝ちとなる。
【0026】 更に、チキソトロピ半固体スラリをるつぼから除去したならば、るつぼの壁に
金属沈着物が残留するという問題点が生じる。これらの沈着物は、不溶性金属酸
化物のような不純物の発生源となる可能性がある。更に、るつぼが1つ以上の金
属組成物を取り扱わなければならないならば、残留金属自体が不純物となる可能
性がある。
【0027】 このため、チキソトロピ処理のため、溶融金属のビレットを保持することがで
きると共に、処理済のチキソトロピ半固体スラリを容易に且つきれいに突き出す
ことのできるるつぼシステムが必要とされている。本発明は、この必要性に対応
するものである。
【0028】
【発明の概要】 本発明は、チキソトロピ半固体の金属スラリを形成する間、該スラリを保持す
る容器と、処理済のチキソトロピ半固体の金属スラリをきれいに排出する突き出
しシステムとを備える容器システムに関するものである。本発明の1つの形態は
、化学的に且つ熱的に安定的な材料(黒鉛又はセラミックのような)で出来てお
り、ある混合容積を画成し且つピストンに取り付けられた可動の底部分を有する
るつぼを備えている。液体金属前駆体がるつぼ内に搬送され且つ強力に攪拌され
、また、制御状態で冷却されて、チキソトロピ半固体ビレットを形成する。ビレ
ットが形成されたならば、ピストンを作動させて、るつぼの底部を混合容積を通
じて押して、ビレットを排出する。ビレットはるつぼからショットスリーブ内に
押出され、直ちに、金型内に配置されて(射出等により)所望の形態に成形され
る。
【0029】 本発明の別の形態は、頂部が開放しており且つ混合容積を画成する化学的に且
つ熱的に安定的なるつぼを備えている。電磁コイルがるつぼに近接して配置され
ている。液体金属前駆体がるつぼ内に搬送され、強力に攪拌され且つ制御状態で
冷却されて、チキソトロピ半固体ビレットを形成する。電磁コイルは高周波の交
流電流で作動され、ビレットの外面に渦電流を誘発させ、液体金属の層を発生さ
せる。電磁コイルはまたビレット上に半径方向内方に向けた圧縮性の起電力をも
誘発する。これにより圧縮され且つ潤滑性の溶融した外層を有するビレットは、
ビレットをプランジャによって押出し又はるつぼを傾けるといった手段により、
るつぼからショットスリーブまで容易に除去することができる。
【0030】 本発明の更に別の形態は、2つの半体るつぼから形成された化学的に且つ熱的
に安定的なるつぼを備えている。該るつぼは、るつぼの中心軸に対し平行に配向
された面によって分割される。るつぼは、止め具、ボルト止めしたフランジ等に
よって互いに保持される。液体金属前駆体がるつぼ内に搬送され、強力に攪拌さ
れ且つ制御状態で冷却され、チキソトロピ半固体ビレットを形成する。ビレット
は2つの半体を分離させることによりるつぼから排出される。
【0031】 本発明の1つの目的は、チキソトロピ半固体の金属スラリを製造する改良され
たシステムを提供することである。本発明の関連する目的及び有利な点は以下の
説明から明らかになるであろう。
【0032】
【好ましい実施の形態】
本発明の理解を促進する目的のため、図面に図示した実施の形態に関して以下
に説明し、その説明のために特定の用語を使用する。しかし、これにより本発明
の範囲を何ら限定することを意図するものではなく、図示した装置の変更例及び
改変例、本明細書に記載した本発明の原理の更なる適用例は本発明が関係する技
術分野の当業者に通常、案出されるであろうと考えられることも理解されよう。
【0033】 図1及び図2A及び図2Bには、本発明の第1実施形態、すなわち、金属組織
学的処理のため、溶融アルミニウムのようなある量の溶融金属を保持するるつぼ
組立体10が図示されている。るつぼ組立体10は、耐火性容器すなわちるつぼ
20を備えている。るつぼ20は円筒状の形状であることが好ましく、正円形の
円筒形であることがより好ましいが、任意の便宜な断面形状(例えば、六角形又
は八角形のような)を選ぶことができる。更に、るつぼ20は、約10°以内の
引抜き角度を備えることができ、約2°の引抜き角度とすることが好ましい。引
抜き角度を含めることは、るつぼ20を空にするのに役立つが、同時に、るつぼ
20の作用容積を減少させる。このため、約10°以下の引抜き角度とすること
が好ましい。るつぼ20は、ほぼ平坦な円形の底部分22と、該底部分22に接
続され、直角を画成する円筒状側壁24とを備えることが好ましい。側壁24は
、外面26及び内面28を有している。るつぼの内部容積30は該容積から伸び
る底部分22及び内面28によって画成される。るつぼ20の内径は、受け入れ
るショットスリーブ63Aの内径(図8A及び図8B参照)からスラリビレット
60Aを落下させるのに必要な所望の隙間を差し引いた値により決定される。こ
の隙間は、溶融金属内に空気を導入し且つ取り込むことがないように小さく保つ
ことが好ましいことを認識すべきである。るつぼ20の長さは、プレスの最大能
力をほぼ満足させるべく十分な材料を発生させるのに十分であることが好ましい
。本発明にとって許容可能な容器すなわちるつぼの典型的な寸法範囲は、約25
.4mmから88.9cm(約1インチから35インチ)の範囲の長さ及び約2
5.4mmから30.48cm(約1インチから12インチ)の外径を含む。典
型的な長さ対「幅」のアスペクト比は、1.2:1から4:1の範囲にある。
【0034】 るつぼ20は、その融点よりも実質的に高い温度(例えば、液体アルミニウム
の場合、700から800℃)にて腐食性液体金属を保持するのに適した材料で
出来たものであることが好ましい。るつぼ20は、黒鉛、ステンレス鋼、又は適
宜なセラミック又はセラミック複合組成物のような材料で出来たものであること
がより好ましい。るつぼ20は高温度の耐食性溶融金属を保持しなければならな
いため、該るつぼは必然的に耐食性であり且つ高温度にて高強度を有さなければ
ならない。チキソトロピ処理の間、溶融金属を磁気により攪拌し、るつぼ20は
また電磁攪拌界による浸透に対する低抵抗性も示さなければならない。また、る
つぼ20は良好な熱導体であり(少なくとも半径方向に)、側壁の外面26から
熱を除去することにより、液体金属を迅速に且つ制御状態で冷却させることがで
きるようにすることも好ましい。
【0035】 るつぼ20の1つの好ましい材料は、非磁気ステンレス鋼組成物(すなわち、
オーステナイトステンレス鋼)である。ステンレス鋼は、高温度にて比較的大き
い熱伝導率及び高強度を有している。ステンレス鋼は、溶融したアルミニウムに
対する耐食性を持つようにセラミック又は合金層で被覆することができる。ステ
ンレス鋼組成物は、非磁性であるように選ぶことができ、この性質は、るつぼ2
0が磁束による浸透に対する低抵抗性を有することが望ましいから、るつぼ20
にとって好ましい性質である。ステンレス鋼の高強度及び高靭性は、耐久性のあ
るるつぼ20を製造することになる。
【0036】 ガラス状相の自由多結晶アルミナ、ジルコニア又は窒化ホウ素のような耐食性
セラミック材料の内部層を追加することにより、耐食性を増し且つるつぼ20の
るつぼ内壁28への金属の粘着を減少させることが可能である。ニッケル−アル
ミニウム組成物のような一部の合金は、またるつぼ20の被覆として有用である
ことが判明している。被覆は、0.1から2mmの厚さであることが好ましい。
これと代替的に、ステンレス鋼るつぼ20に対して溶融アルミニウム抵抗性黒鉛
又はセラミック挿入体又はスリーブ25を使用し、耐食性を提供してもよい。図
2B参照。挿入体又はスリーブはるつぼ20に接合し又は使い捨て型とし、各処
理運転の後、その中味と共にるつぼから除去することができる。
【0037】 黒鉛は、るつぼ20のもう1つの好ましい材料であり、それは、黒鉛は多孔質
ではあるが、溶融アルミニウムによって湿らせられないからである。黒鉛の好ま
しい等級は、SES G10及びSES G20を含むが、その他の便宜な等級
の黒鉛を使用することができる。一般に、所定合金組成物の特定特徴は、るつぼ
20として異なる等級の黒鉛(又は任意のるつぼの材料)を使用することを要求
する。換言すれば、るつぼ20に要求される特定の物理的性質は、その他のパラ
メータの内、液相として保持することが望まれる合金組成物の関数である。るつ
ぼの設計に影響を与えるその他のファクタは、非限定的に、作動温度範囲、加熱
及び(又は)冷却速度、るつぼ内に保持すべき材料のpH、るつぼ材料に対する
材料の反応性及びコストを含む。
【0038】 黒鉛は耐食性があり、また、温度の上昇に伴って増大する強度を備えている。
黒鉛は、また比較的低い熱膨張率及び高熱衝撃抵抗性(高熱伝導率と低ヤング弾
性率との結合による)及び寸法上の高度の安定性を有し、反復的に熱サイクルを
受ける部品を製造する材料として魅力的なものにする。黒鉛は、アニソトロッピ
ック材料であり、炭素原子の積み重ねた面(基底面)としてモデル化するのが最
良であり、その面内の結合は、極めて強力であり(約9×1012ダイン/cm2
又は(896.318×106kPA(130×106p.s.i.))、ダイヤ
モンドの共有結合よりも強力であり且つ長手方向の高強度に寄与する。面の間の
結合はそれ程、強力ではなく、横方向の低強度に寄与する。本明細書で使用する
ように、「長手方向」は黒鉛の基底面のほぼ内部又は該基底面に対してほぼ平行
な方向を指し、「横方向」は黒鉛の基底面に対してほぼ垂直な方向を指す。黒鉛
のアニソトロピックな物理的性質は、黒鉛の製造技術を選ぶことを通じて活用す
ることができる。例えば、押出し成形方法は、押出し成形軸に沿ってアニソトロ
ピック黒鉛結晶を整合させ、軸方向及び横方向に物理的性質が大幅に変化する黒
鉛の部品となる一方、粉体前駆体から熱加圧すると、ほぼイソトロッピックな物
理的性質を有する黒鉛部品を製造することができる。製造技術に慎重に配慮すれ
ば、形成される黒鉛本体の物理的性質イソトロッピク程度をかなり正確に制御す
ることができる。
【0039】 黒鉛は、また約2500℃まで増大する温度にて実際に強度が増大するという
興味ある物理的性質も有している。約800℃にて、典型的な多結晶黒鉛部材は
、長手方向に2800ダイン/cm2の強度及び横方向に約1850ダイン/c
2の強度を有している。同様に、黒鉛の熱伝導率は、アニソトロピックであり
、基底面内の熱伝導率は、800℃にて約1.3cal/cm秒℃であり、基底
面を横断して800℃にて約0.01cal/cm秒℃である。このため、多結
晶黒鉛の熱伝導率は、構成する黒鉛粒子の配向の関数として、黒鉛本体内でイソ
トロッピクとなるようにし又は極めてアニソトロピックとなるように調整するこ
とができる。黒鉛の電磁抵抗率はイソトロピックであり、高温度時、無視してよ
い。
【0040】 るつぼ20の材料として黒鉛を使用することの主要な欠点は、黒鉛がスチール
より脆弱であり、また、衝撃又は摩耗の損傷により亀裂を生じさせ易いことであ
る。この問題点は、黒鉛るつぼ20をクラッドし又はその他の方法で強化するこ
とにより対応することができる。
【0041】 るつぼを製造するためのもう1つの好ましい材料は、溶融アルミニウム(ガラ
ス系粒子境界相無しで形成された多結晶Al23のような)による攻撃に抵抗性
のあるセラミック組成物である。セラミック材料は、高温度時の高強度、耐食性
、低電磁抵抗率を提供することが判明している。多くのセラミック材料は低から
中程度の熱伝導率を有する一方、その一部は溶融金属の迅速で且つ制御された冷
却を許容するのに十分に大きい熱伝導率を有することが判明している。非多孔質
セラミック又は極めて小さい直径の孔を有するセラミックは、冷却する金属がる
つぼの内壁28に粘着する程度を減少させる点で、るつぼ20として好ましい。
黒鉛と同様に、セラミック組成物は脆弱であるという不利益な点があるが、(黒
鉛と同様に)セラミックは、強化クラッド層又はケーシング層或いはセラミック
の複合材料として追加することを通じて強化することができる。セラミック材料
はまた、低熱伝導率であるという不利益な点があり、このため、セラミック材料
は、(1つの等級として)るつぼ20として魅力的でないものとなるが、特定の
セラミック材料及び(又は)組成物は、比較的大きい熱伝導率を有することが判
明している。
【0042】 るつぼ20は、単一片の部品として製造されることが好ましいが、2つ又はそ
れ以上の部品にて製造してもよい。例えば、図3及び図13から図15には、1
対の「クラム−シェル」るつぼ半体から形成されたるつぼ20が図示されている
【0043】 図4A及び図4B、図5A及び図5Bには、るつぼ20から熱エネルギを吸引
する手段36、好ましくは、熱ジャケット36に接続されたるつぼ20が図示さ
れている。図4A及び図4Bにおいて、熱ジャケット36は、るつぼ20の周り
を流れる空気又は不活性気体(例えば、窒素)のような流動する流体のカーテン
38である。殆どの場合、熱ジャケット36は、るつぼから迅速に熱を除去し得
るようにるつぼ20よりも実質的に低温となるように温度制御されている。しか
し、熱ジャケット36は、るつぼ20が過冷するのを防止すると共に、るつぼ2
0の温度を目標の範囲内に制御すべくるつぼ20よりも高温となるように制御さ
れた加熱要素によって加温することができる。図5A及び図5Bにおいて、熱ジ
ャケット36は、るつぼ20の周りに配置され且つるつぼと熱的に連通状態に置
かれた物理的な熱容器40によって拘束される、空気、水又は油のような流れる
流体38を含んでいる。熱容器40は、単一体とし又は2つ又はそれ以上の相互
に嵌る部品にて形成してもよい。図4A及び図5Aに図示するように、るつぼ2
0とステータ組立体42との間に熱ジャケット36が配置され、るつぼ20内に
保持された導電性液体金属に励磁力を発生させ得るように電磁界を生じさせる。
発明者、ロンバード(Lombard)及びワング(Wang)により2000
年6月1日付で出願された関連米国特許出願第09/584,859号及び弁護
士事件番号第9105−5号には、熱ジャケットの設計の詳細が記載されており
、その内容は参考として引用し本明細書に含めてある。
【0044】 図4B及び図5Bには、本発明の1つの代替的な実施の形態が図示されており
、ここで、るつぼ20、熱ジャケット36及びステータ組立体42は、互いに対
し静止状態に保持され且つ回転中心軸70の周りを回転し得るようにされている
。るつぼ20、熱ジャケット36及びステータ組立体42の回転は、作用可能に
接続された駆動装置45のような任意の従来の手段により行うことができる。
【0045】 図6には、一体に形成された導管44を有するるつぼ20が図示されており、
流動する流体38を、導管を通じて向けることができる。るつぼ20の温度は、
所望又は所定温度の流体38を、導管44を通じて流すことにより正確に制御す
ることができる。好ましくは、スラリビレット(図8A及び図8Bにて参照番号
60A、図9A、図9B及び図9Cにて参照番号60B)は、秒当たり約0.1
℃から秒当たり10℃の率にて、より好ましくは、秒当たり0.5℃から秒当た
り5℃の率にて冷却させる。スラリビレットの冷却率は、スラリビレットの攪拌
速度に依存し、従って、スラリビレットの温度が降下するに伴い、スラリビレッ
トの粘度が急激に増大するから、スラリビレットが冷却するに伴い冷却率は低下
する。
【0046】 図7には、ステータ組立体42及び熱ジャケット36内でるつぼ20を据え付
ける位置決めシステム48が図示されている。位置決めシステム48は、その上
にるつぼが配置されるプラットフォーム52に接続されたるつぼの上昇ピストン
50を備えている。るつぼの上昇ピストン50を作動させると、プラットフォー
ム52が上昇し、るつぼをステータ組立体42及び熱ジャケット36に向けて持
上げる。プラットフォーム52が持上げられたとき、るつぼ20が熱ジャケット
36及びステータ組立体42の中央に挿入されるようにるつぼ20がプラットフ
ォーム52上で配向されている。
【0047】 図8A及び図8Bには、本発明の第2実施形態が図示されており、るつぼ組立
体10Aは、側壁24Aを貫通して軸方向に動き得るようにされた底部分22A
を有するるつぼ20Aを備えている。底部分22Aはエジェクタピストン56A
に接続することができ、また、底部分22Aをるつぼの内部容積30Aを通じて
軸方向に動かすのに十分な突き出し力を提供し得るようにされているが、側壁2
4Aはそのように移動しないように拘束されることが条件である。るつぼ20A
内に保持されたチキソトロピスラリビレット60Aは、底部分22Aが混合容積
30Aを通じて軸方向に付勢されるとき、るつぼから排出される。これと代替的
に、るつぼ20aはロボットアーム61Aが係合し且つ位置変更されて、るつぼ
の底部22Aをエジェクタピストン56A及びジェットスリーブ63Aと整合さ
せることができる。好ましくは、るつぼ20Aは、位置変更する間、90°回転
させ、図8Bに図示するように、スラリビレット60Aを水平方向に排出するこ
とができるようにする。次に、エジェクタピストン56Aを作動させ、スラリビ
レット60Aをジェットスリーブ63Aに排出する。
【0048】 図9Aから図9Cには、本発明の第3実施形態が図示されており、るつぼ組立
体10Bは、伸長可能なるつぼ上昇ピストン50Bに接続され且つ選択的にステ
ータ組立体42B及び交流ソレノイド64B内に配置可能であり且つその両者の
間を可動のるつぼ20Bを備えている。図9Aには、るつぼ20Bをステータ組
立体42B内に配置するのに十分に伸びたるつぼの上昇ピストン50Bが図示さ
れている。この位置において、溶融スラリビレット60Bはステータ組立体42
Bの作動により磁気的に攪拌することができる。図9Bには、るつぼ20Bがス
テータ組立体42Bから除去され且つソレノイド64B内に配置されるように引
込んだるつぼ上昇ピストン50Bが図示されている。ソレノイド64Bは、スラ
リビレット60Bを保持するるつぼ20Bの部分を取り巻く位置に配置されるこ
とが好ましく、また、るつぼ20Bに対し同軸状に配向されることがより好まし
い。ソレノイド64Bは、高周波交流電流を供給することのできる交流電源(図
示せず)に電気的に接続されている。
【0049】 作動時、ソレノイド64Bを作動させると、るつぼ20B内に保持された導電
性のスラリビレット60Bの外皮68B内に急速に交番する渦電流が誘発される
。該渦電流は、外皮68Bを溶融させ且つそのるつぼ20Bとの接合を破壊する
のに十分なジュール加熱を生じさせる。これと同時に、電磁界はまたスラリビレ
ット60Bに圧搾力を発生させ、ビレットをるつぼ20Bから分離させる。外皮
68Bが溶融したならば、るつぼ20Bを傾けてスラリビレット60Bをるつぼ
から排出し、溶融金属の外皮68Bがスラリビレット60Bを排出するための潤
滑剤を提供し且つるつぼの内壁28Bへのスラリビレット60Bの粘着を実質的
に防止する(これにより、スラリビレット60の歪みを最小にし且つるつぼ20
B内での残留金属の蓄積を最小にする)。好ましくは、スラリビレット60Bの
排出は、重力により行われるようにする、すなわち、るつぼを傾けてスラリビレ
ット60Bが滑り出るようにする。このことは、スラリビレット60Bの重力に
よる排出を作動させ得るようにロボットアーム61Bによりるつぼ20Bを傾動
する状態で図9Cに図示されている。これと代替的に、るつぼは、液圧又は機械
作動式の傾動可能なプラットフォーム上に配置し(図8A参照)又は当該実施の
形態にとって便宜な任意の方法を通じて傾動させることができる。
【0050】 図10には、本発明の第4実施形態が図示されており、るつぼ組立体10Cは
、ステータ組立体42C内に配置されたるつぼ20Cと、るつぼ20Cの周りに
配置されたソレノイド64Cとを備えている。るつぼ20Cは、るつぼの回転中
心軸70Cを有し、ソレノイド64Cは、ソレノイドの回転中心軸72Cを有す
る。ソレノイド64Cは、そのそれぞれの中心軸70C、72Cがほぼ平行であ
るが、非共直線状であるようにるつぼ20Cに対し配置されている。ソレノイド
64Cは電源(図示せず)に電気的に接続されている。
【0051】 作動時、電磁成形法として既知の技術の改変例を使用してビレット60Cをる
つぼ20Cから突き出す。電磁成形法は、周知な金属組織学技術であり、この場
合、誘導コイルを通じて高電圧の電気エネルギを短時間、高周波放電させること
により発生された急激な電磁エネルギを使用して起電力を発生させる。この技術
は、「磁気成形法」及び「電気成形法」という名称でそれぞれ既知の2つの変更
例を備えている。磁気成形法において、電磁界が整形すべき加工品(少なくとも
部分的に導電性金属でなければならない)を高速度にて別の部品に対して推進さ
せ、その形状に従うべきダイを形成する。電気成形法(電気液圧成形法としても
既知の)において、絶縁性で且つ非圧縮性の媒体内に配置された爆発性線に電気
パルスを印加する。この爆発は、衝撃波を発生させ、この衝撃波は、非圧縮性媒
体を通じて整形すべき部品に伝達され、該部品を膨張させる。
【0052】 磁気成形法において、コイル(ワークコイル)を通じて時間と共に変化する電
流を通すことにより電磁界が発生される。ワークコイル内の電流は、コンデンサ
(又はより典型的に一群のコンデンサ)の放電により提供することができ、その
結果、パルス出力となる。加工物は、成形法を助け得るように多少可鍛であるよ
うなある温度に保つことができるが、このことは必ずしも必要ではない。電磁パ
ルスを使用して導電性材料を成形する色々な方法及び装置が既知である。従来、
かかる装置は、コイルの形態をした導体を通過したとき、選択的に配置された1
つ又は2つ以上の導電性加工物に近接して高強度のパルス磁界を発生させる高ア
ンペアの電流を形成するのに十分に高強度及び持続時間の磁界を確立する。これ
により、磁界と相互作用し、加工物に作用する力を発生させる電流パルスが加工
物内に誘発される。大きい電流がソレノイド又はコイルを通るとき、極めて高圧
力が導電性加工物に付与され、導電性加工物の横方向寸法は縮小する。
【0053】 当該場合、高電圧パルスはソレノイド64Cを通って流れて導電性スラリビレ
ット60C内で反対方向に流れる電流パルスを誘発する。上述したように、スラ
リビレット60Cにて横方向(半径方向内方)に向けて極めて高い電磁圧力が発
生される。ソレノイド64C及びるつぼ20C(従って、るつぼ20C内のビレ
ット60C)が同軸状に配向されていないため、スラリビレット60Cに作用す
る圧縮力は半径方向に対称に均衡せず、合成軸方向力が発生されて、変形可能な
ビレット60Cをるつぼ20Cから追い出す。このことは、濡れた棒状の石鹸が
手から追い出される迄、その石鹸をぎゅっと握る場合とほぼ類似している。これ
と代替的に、ソレノイド64Cはるつぼ20Cと同軸状に配置してもよい。ソレ
ノイドがパルス状に作動されたとき、スラリビレット60Cには、ほぼ対称の半
径方向圧縮力が作用する。スラリビレット60Cは、チキソトロピであり、この
ため、変形可能であるから、半径方向圧縮力はスラリビレット60Cを圧搾し、
その結果、スラリビレット60Cには正味軸方向力が加わる。るつぼ20Cは底
部分22Cを有するが、頂部分は無いため、その正味効果は、スラリビレット6
0Cがるつぼ20Cから圧搾されることである。るつぼ20Cは、また傾けて排
出されるスラリビレット60Cがショットスリーブのような所望の休止面上に又
はダイ内部に向けられるようにする。
【0054】 図11には、本発明の第5実施形態が図示されており、るつぼ組立体10Dは
、高電圧源(図示せず)に電気的に接続されたソレノイド64Dにほぼ隣接して
配置されたるつぼ20Dを備えている。ソレノイド64Dは、るつぼ20Dの底
部分22Dにほぼ隣接する位置に配置されることが好ましい。導電性ビレット6
0Dがるつぼ20D内に保持され、底部分22D上に休止している。
【0055】 作動時、ソレノイド64Dは、電界パルスを発生させ、るつぼ20Dの底部分
22Dに近接するスラリビレット60Dの部分内で反対方向に流れる電流パルス
を誘発させる。このため、このようにスラリビレット60Dにて発生された圧縮
力はるつぼの回転中心軸70Dに対し平行に向けられ且つ底部分22Dから離れ
る方向に向けられ、スラリビレット60Dをるつぼ20Dから押し出す。
【0056】 図12には、本発明の第6実施形態が図示されており、るつぼ組立体10Eは
、ステータ組立体42E内に配置されたるつぼ20Eを備え、また、るつぼ20
Eの周りに配置され且つるつぼの底部22Eを実質的に越えて伸びるソレノイド
64Eを備えている。るつぼ20Eはるつぼの回転中心軸70Eを有し、ソレノ
イド64Eはソレノイドの回転中心軸72Eを有している。軸70E、72Eを
共直線状とするか否かは自由である。ソレノイド64Eは電源(図示せず)に電
気的に接続される。
【0057】 作動時、当該実施の形態のソレノイド64Eは、第4及び第5実施形態のソレ
ノイド64C、64Dの効果を結合する。作動されたとき、ソレノイド64Eは
高電圧の電界パルスを発生させ、スラリビレット60E内を反対方向に流れる電
流パルスを誘発させる。このため、このようにしてスラリビレット60Eで発生
された圧縮力は、スラリビレット60Eの側面及び底面にて内方に向けられる。
チキソトロピスラリビレット60Eに作用する力の結合は、底部分22Eから離
れてほぼ軸方向に向けられる正味力ベクトルを発生させ、スラリビレット60E
をるつぼ20Eから押し出す。
【0058】 図13から図15には、クラムシェルるつぼ20Fの変形例が更に詳細に図示
されている。放電のためソレノイドコイル64と共に使用されるとき、るつぼ2
0Fは、2つのるつぼ半体70Fにて形成され、誘電層72Fがその間にある内
径部に配置され、その間の電気的連通を防止する、すなわち電磁界が合金を透過
する程度を減少させるであろう渦電流がるつぼ内で誘発されるのを防止する。る
つぼ20Fを電気絶縁性材料で形成するならば、誘電層72Fは省略することが
できる。
【0059】 図14には、実質的に同一の2つの半体70Fを含むクラムシェルるつぼ20
Fが図示されている。半体70Fの各々は、対向状態に配置された1対のフラン
ジ75Fを備えている。ヒンジ74Fは、2つのフランジ付きのるつぼ半体70
Fを回動可能に接続する。図14Aには、残留金属をるつぼ20Fの封止面から
除去するように係合可能な協働し且つ回転可能な清浄ブラシ76Fが更に図示さ
れている。清浄ブラシは、ステンレス鋼の毛房外面78Fを備えることが好まし
いが、るつぼ20Fの封止面から残留金属を除去することのできる任意の便宜な
表面材料を使用することができる。清浄ブラシ76Fは、回転するブラシを最小
時間だけるつぼを通じて動かすことにより、るつぼの封止面を清浄にすることが
できるようにテーパ付きの直径を有することが好ましい。
【0060】 作動時、清浄ブラシ76Fは、るつぼ20Fに粘着する全ての残留金属にその
金属を除去するのに十分な運動エネルギを与えるため十分急速に回転させる。る
つぼ20Fは清浄を一層容易にすべく一定の角度にて開放することが好ましい。
好ましくは、るつぼ20Fは各サイクル後に清浄にする。
【0061】 図15には、るつぼ半体70Fのフランジ75Fに清浄可能に係合する1つの
代替的なるつぼのフランジスクレーパ80Fが図示されている。るつぼのフラン
ジスクレーパ80Fは、ステンレス鋼等のような硬く丈夫な材料で出来ており、
また、平坦なフランジ面82Fに拭取り可能に係合し得るようにされた平坦な拭
取り面81Fを備えることが好ましい。粘着する金属がほぼ存在しなくなる迄、
スクレーパ80Fをフランジ75Fの表面82F上で前後に動かす。これと代替
的に、スクレーパ80Fは、掃除が容易であるように加熱して残留物を軟化させ
てもよい。
【0062】 図16には、別の代替的なるつぼの清浄装置、すなわち、金属残留物をるつぼ
半体70Fから吹き飛ばし得るようにされた空気ジェット90Fが図示されてい
る。
【0063】 図17A及び図17Bには、更に別の代替的なるつぼの設計、すなわち、処理
したスラリビレットが完全に装填されている間、ショットスリーブ等(図示せず
)まで突き出し得るようにされた使い捨て型部分92Gを有するるつぼ20Gが
図示されている。図17Aを参照すると、るつぼ20Gは、るつぼ20G内に嵌
り得るようにされた使い捨て型内側ライナ92Gを備えている。該使い捨て型ラ
イナ92Gは、目打ち線を付けた底部分94Gを更に備えている。突き出された
とき、ライナ92Gは、スラリビレットを押すプランジャからのような軸方向圧
力が加えられる迄、チキソトロピスラリビレットを保持している。十分な圧力が
スラリビレットに加えられると、目打ち線を付けた底部分94Gは目打ち線96
Gに沿って分離し、スラリビレットをライニングから容易に除去することを許容
する。使い捨て型の内側ライナ92Gは、溶融アルミニウムの攻撃に抵抗性のあ
る軽量な可鍛性材料で出来たものであることが好ましく、また、スラリビレット
を処理し且つ取り扱う間、該スラリビレットを保持すべく十分に高い融点を有す
るアルミニウム合金で出来たものであることがより好ましい。
【0064】 図17Bには、本発明の1つの代替的な形態、すなわち、使い捨て型るつぼ2
0Hが図示されている。該使い捨て型るつぼ20Hは、上述したるつぼ20Gと
同様であるが、使い捨て型るつぼ20Hは、るつぼ20G及びライナ92Gの特
徴を結合して、1つの容器20Hに形成する点にて相違する。上述したように、
使い捨て型るつぼ20Hは目打ち線を付した底部分94Hを備えている。突き出
されたとき、使い捨て型るつぼ20Hは、スラリビレットを押すプランジャから
のような軸方向圧力が加えられる迄、チキソトロピスラリビレット(図示せず)
を保持している。スラリビレットに十分な圧力が加えられたとき、目打ち線を付
した底部分94Hは目打ち線部分96Hに沿って分離し、スラリビレットをライ
ニングから容易に除去することを許容する。使い捨て型るつぼ20Hは、溶融ア
ルミニウムによる攻撃に抵抗性のある軽量な可鍛性材料で出来たものであること
が好ましく、また、スラリビレットを処理し且つ取り扱う間、該スラリビレット
を保持するのに十分に高い融点を有するアルミニウム合金で出来たものであるこ
とがより好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の溶融金属を保持するるつぼの斜視図である。
【図2】 図2Aは、図1の線A−A´に沿った正面断面図である。図2B
は、内側ライナを備え、図1の線A−A´に沿った正面断面図である。
【図3】 図1の2等分したるつぼの斜視図である。
【図4】 図4Aは、流体ジャケット及びステータ組立体内に配置された図
2の実施形態の正面断面図である。図4Bは、回転し得るようにされた図4Aの
正面断面図である。
【図5】 図5Aは、熱ジャケット及びステータ組立体内に配置された図2
の正面断面図である。図5Bは、回転し得るようにされた図5Aの正面断面図で
ある。
【図6】 るつぼを通じて形成された導管を含む、図1の斜視図である。
【図7】 ステータ組立体及び熱ジャケットの下方でエレベータプラットフ
ォームに取り付けられたるつぼを示す、図2の正面断面図である。
【図8】 図8Aは、可動ピストンに接続された滑動可能な底部分を有する
るつぼを備える、本発明の第2実施形態の正面断面図である。図8Bは、滑動可
能な底部分を有し且つロボットアームが係合したるつぼを備える、本発明の第2
実施形態の側面断面図である。
【図9】 図9Aは、ソレノイドコイルとステータ組立体との間に可動に配
置されたるつぼを備え、該るつぼがステータ組立体内に配置された、本発明の第
3実施形態の正面断面図である。図9Bは、るつぼがステータ組立体の下方で且
つソレノイドコイル内に配置された、図9Aの実施形態の正面断面図である。図
9Cは、ロボットアームが係合した図9Aのるつぼの側面斜視図である。
【図10】 ソレノイドコイル及びステータ組立体内に配置されたるつぼを
備え、ソレノイドコイルがるつぼの周りで非同軸状に配置された、本発明の第4
実施形態の正面断面図である。
【図11】 ソレノイドコイルの上方に配置されたるつぼを備える、本発明
の第5実施形態の正面断面図である。
【図12】 伸びたソレノイドコイル内に配置されたるつぼを備える、本発
明の第6実施形態の正面断面図である。
【図13】 2つのるつぼ半体の間に配置された誘電性層を備えるクラムシ
ェルるつぼの正面断面図である。
【図14】 図14Aは、本発明による部分的に開放したヒンジ止めされ且
つフランジ付きのクラムシェルるつぼの斜視図である。図14Bは、図14Aの
るつぼと共に使用される設計とされた回転可能な清浄ブラシの斜視図である。
【図15】 図14Aのクラムシェルるつぼ半体のフランジに清浄可能に係
合するフランジスクレーパの斜視図である。
【図16】 図14Aのるつぼ半体のフランジに清浄可能に係合する空気ジ
ェットの斜視図である。
【図17】 図17Aは、使い捨て型内部ライナを有するるつぼの部分切欠
き斜視図である。図17Bは、使い捨て型るつぼの斜視図である。
【手続補正書】
【提出日】平成15年2月4日(2003.2.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 39/02 B22D 39/02 Z 41/02 41/02 A // F27B 14/02 F27B 14/02 14/04 14/04 14/06 14/06 14/10 14/10 14/14 14/14 14/18 14/18 F27D 3/04 F27D 3/04 3/14 3/14 Z 7/06 7/06 B 11/06 11/06 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ワン,シャウポー アメリカ合衆国ミズーリ州63005,シェス ターフィールド,ブライトハースト・ドラ イブ 104 Fターム(参考) 4E014 KA01 LA04 4K046 AA01 BA00 CA01 CB06 CB11 CC03 CC05 CD02 CE01 CE04 DA05 4K055 AA05 BA03 BA05 DA01 HA07 HA29 JA19 4K063 AA04 BA01 DA05 DA26 FA34

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チキソトロピ溶融金属を処理するシステムにおいて、 溶融金属の組成物を保持し、容器の頂端部と容器の底端部とを有する容器と、 該容器から熱エネルギを吸引する手段と、 容器の中味を突き出す手段とを備える、チキソトロピ溶融金属を処理するシス
    テム。
  2. 【請求項2】 請求項1のシステムにおいて、容器が黒鉛である、システム
  3. 【請求項3】 請求項1のシステムにおいて、容器がセラミックである、シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 請求項1のシステムにおいて、容器がステンレス鋼である、
    システム。
  5. 【請求項5】 請求項1のシステムにおいて、容器が溶融アルミニウムによ
    る攻撃に対する抵抗性のある内部被覆を備える、システム。
  6. 【請求項6】 請求項1のシステムにおいて、容器が溶融したアルミニウム
    による濡れに対する抵抗性のある内部被覆を備える、システム。
  7. 【請求項7】 請求項1のシステムにおいて、容器が溶融アルミニウムによ
    る攻撃に対する抵抗性のある内部ライナを備える、システム。
  8. 【請求項8】 請求項1のシステムにおいて、容器が溶融したアルミニウム
    による濡れに対する抵抗性のある内部ライナを備える、システム。
  9. 【請求項9】 請求項1のシステムにおいて、容器が使い捨て型内部ライナ
    を備える、システム。
  10. 【請求項10】 請求項9のシステムにおいて、使い捨て型内部ライナがア
    ルミニウム合金である、システム。
  11. 【請求項11】 請求項1のシステムにおいて、容器が使い捨て型である、
    システム。
  12. 【請求項12】 請求項1のシステムにおいて、容器の中味を突き出す手段
    が引抜き角度を有する容器を備える、システム。
  13. 【請求項13】 請求項1のシステムにおいて、容器の中味を突き出す手段
    が容器に作用可能に接続された回転駆動装置を備え、容器が容器の中味を排出す
    べく回転し得るようにされた、システム。
  14. 【請求項14】 請求項13のシステムにおいて、容器の中味を突き出す手
    段がステータに作用可能に接続された回転駆動装置を更に備え、ステータが容器
    の中味を排出すべく回転し得るようにされた、システム。
  15. 【請求項15】 請求項1のシステムにおいて、容器を覆うほぼ気密のキャ
    ップを更に備える、システム。
  16. 【請求項16】 請求項1のシステムにおいて、容器が中心軸を有し、容器
    の中味を突き出す手段が、 ソレノイド軸を有し且つ容器の周りに配置されたソレノイドと、 ソレノイドに電気的に接続され且つ高周波交流電流を提供し得るようにされた
    電圧源とを備え、 ソレノイド軸が中心軸に対しほぼ平行に配向され、 ソレノイド軸が中心軸に対しほぼ共直線状に配向される、システム。
  17. 【請求項17】 請求項1のシステムにおいて、容器が傾き得るようにされ
    、容器の中味を突き出す手段が、 容器の周りに配置されたソレノイドと、 ソレノイドに電気的に接続され且つ高周波交流電流を提供し得るようにされ
    た電圧源とを更に備える、システム。
  18. 【請求項18】 請求項1のシステムにおいて、容器の中味を突き出す手段
    が、 容器内に滑動可能に取り付けられた底部部品と、 底部部品に接続されたピストンとを更に備え、 ピストンが伸びることにより底部部品が容器を通じて押されるようにした、シ
    ステム。
  19. 【請求項19】 チキソトロピ処理の間、溶融アルミニウムを保持するシス
    テムにおいて、 開放したるつぼの頂部と、るつぼの底部と、るつぼの底部からるつぼの頂部ま
    で伸びて内部に混合容積を画成する円筒状のるつぼ壁と、るつぼの壁に対しほぼ
    平行に混合容積を通じて伸びるるつぼの中心軸とを有する、ほぼ円筒状のるつぼ
    と、 るつぼの壁を取り巻き且つ該るつぼの壁と熱的に連通する熱ジャケットと、 るつぼ内に電界を発生させ得るようにるつぼと電磁的に連通状態に配置された
    電気コイルとを備え、 電気コイルが貫通して伸びる電気コイルの軸を有し、 電気コイルの軸がるつぼの中心軸に対しほぼ平行に配向される、溶融アルミニ
    ウムを保持するシステム。
  20. 【請求項20】 請求項19の装置において、電気コイルの軸がるつぼの中
    心軸に対し非共直線状に配置され、電気コイルの作動により混合チャンバ内で且
    つるつぼの壁に隣接した導体上に半径方向力が誘発されるようにした、装置。
  21. 【請求項21】 請求項19の装置において、電気コイルの軸がるつぼの中
    心軸に対しほぼ共直線状であり、電気コイルの作動によりるつぼの壁に隣接する
    合金の容積内で内方に押す半径方向本体力が誘発されるようにした、装置。
  22. 【請求項22】 請求項20の装置において、電気コイルの作動によりるつ
    ぼに浸透し、るつぼ内で導体上に作用し且つるつぼの頂部に向けられた起電力が
    発生されるようにした、装置。
  23. 【請求項23】 請求項21の装置において、電気コイルがるつぼの底部を
    越えて伸び、電気コイルの作動により合金に直接作用し且つるつぼの頂部に向け
    られる起電力が発生されるようにした、装置。
  24. 【請求項24】 請求項19の装置において、 混合チャンバ内で滑動し得るようにされたるつぼの可動の底部分と、 るつぼの可動の底部分に接続され且つるつぼの中心軸に対し平行に配置された
    ピストンとを備え、 ピストンの作動により可動の底部分が混合容積内で滑動するようにした、装置
  25. 【請求項25】 請求項24の装置において、ピストンが自己潤滑型である
    、装置。
  26. 【請求項26】 請求項24の装置において、ピストンがセラミックである
    、装置。
  27. 【請求項27】 チキソトロピ溶融アルミニウム合金を保持するシステムに
    おいて、 溶融アルミニウムを保持し得るようにされたるつぼと、 るつぼと熱的連通状態でるつぼに接続された熱制御組立体と、 るつぼの中味を除去し得るようにるつぼに接続されたるつぼの掃除組立体とを
    備える、チキソトロピ溶融アルミニウム合金を保持するシステム。
  28. 【請求項28】 請求項27のシステムにおいて、熱制御組立体がるつぼと
    熱的に連通した熱ジャケットを備える、システム。
  29. 【請求項29】 請求項27のシステムにおいて、熱制御組立体がるつぼの
    周りに巻かれた電気コイルを更に備え、電気コイルの作動によって、るつぼ内に
    インダクタンス界が発生されるようにした、システム。
  30. 【請求項30】 請求項27のシステムにおいて、るつぼが頂端部及び底端
    部を有し、熱制御組立体が、るつぼの底端部を越えて伸びる電気コイルを更に備
    え、電気コイルの作動によりるつぼの頂端部の方向に向けた起電力がるつぼ内で
    発生されるようにした、システム。
  31. 【請求項31】 溶融金属の処理封込め装置において、 溶融金属を保持し得るようにされたるつぼと、 るつぼと制御可能に熱交換する手段と、 金属塊をるつぼの内部から除去する手段とを備える、溶融金属の処理封込め装
    置。
  32. 【請求項32】 請求項31の装置において、るつぼが、溶融金属の酸化を
    遅らせる正圧力下の不活性気体を保持する、装置。
  33. 【請求項33】 請求項31の装置において、るつぼが分離可能な2つの半
    体部分を備え、金属塊をるつぼの内部から除去する手段がるつぼの半体部分を分
    離させることを備える、装置。
  34. 【請求項34】 請求項33の装置において、るつぼの半体部分の各々が封
    止端縁を更に備え、該封止端縁を清浄にし得るようにされた回転可能なブラシを
    更に備える、装置。
  35. 【請求項35】 請求項33の装置において、るつぼの半体部分の各々が封
    止端縁を更に備え、該封止端縁を清浄にし得るようにされたスクレーパを更に備
    える、装置。
  36. 【請求項36】 請求項35の装置において、スクレーパが加熱される、装
    置。
  37. 【請求項37】 請求項33の装置において、るつぼの半体部分の各々が封
    止端縁を更に備え、該封止端縁を清浄にし得るようにされた高圧の気体ジェット
    を更に備える、装置。
  38. 【請求項38】 請求項31の装置において、るつぼが容器の内部部分と、
    容器の外部部分とを備え、容器の内部部分が容器の外部部分から除去し得るよう
    にされた、装置。
  39. 【請求項39】 請求項38の装置において、容器の内部部分が使い捨て型
    である、装置。
  40. 【請求項40】 請求項39の装置において、容器の内部部分がアルミニウ
    ム合金である、装置。
  41. 【請求項41】 請求項31の装置において、るつぼが目打ち線を付けた底
    部分を備え、るつぼが負荷と共に除去し得るようにされ、目打ち線を付した底部
    分が負荷の除去を容易にすべく分割し得るようにされた、装置。
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