JPH08257741A - 数値解析を利用した鋳造欠陥の予測方法 - Google Patents

数値解析を利用した鋳造欠陥の予測方法

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JPH08257741A
JPH08257741A JP7091849A JP9184995A JPH08257741A JP H08257741 A JPH08257741 A JP H08257741A JP 7091849 A JP7091849 A JP 7091849A JP 9184995 A JP9184995 A JP 9184995A JP H08257741 A JPH08257741 A JP H08257741A
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molten metal
pressure
solidification
casting
liquid phase
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Kimio Kubo
公雄 久保
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Hitachi Metals Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D46/00Controlling, supervising, not restricted to casting covered by a single main group, e.g. for safety reasons

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳造品を製造するに当たり空孔部の生成過程
を考慮して精度のよい凝固解析を行い、空孔欠陥の発生
の可能性を判定する方法を提供する。 【構成】 鋳型キャビティに流入した溶融金属を凝固さ
せることにより鋳造品を製造する際に空孔部が発生する
か否かを予測する本発明の方法は、(1) キャビティ及び
鋳型をいくつかの要素に分割し、(2) 個々の要素に溶湯
温度、溶湯圧力及び溶湯中のガス量の初期値を入力し、
(3) 所定の時間間隔毎に各要素中の液相率を求めて、固
相と液相とが共存する領域が存在するか否かを判定し、
(4) デンドライト間の溶湯の流動を計算することにより
隣接要素間の溶湯の圧力勾配を求め、(5) 各要素中の溶
湯中のガスの圧力を計算し、(6) ガス圧力が平衡ガス圧
力より高い場合に空孔部が形成されると判定して、各要
素について空孔量を求め、(7) 凝固完了まで上記工程の
計算を繰り返す工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋳造品を製造するに当た
り空孔部の生成過程を考慮して精度のよい凝固解析を行
い、空孔欠陥の起こらない鋳造方案及び条件を発見する
ことにより空孔欠陥のない製品を作製する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】金属素形材を製造する一般的な方法の一
つに鋳造法がある。溶融金属は必要な形状の鋳型キャビ
ティに注湯され、凝固した後で鋳型から取り出される。
複雑形状の鋳物を製造する場合、まず有機粘結剤と鋳物
砂を混練することにより、堰や押湯を付加した形状のキ
ャビティを有する鋳型と、キャビティ内に鋳物の厚さの
分だけ隙間を空けて配置される中子を成形する。有機粘
結剤としてウレタン樹脂、フラン樹脂、ポリエステル樹
脂等を使用するが、これらの有機粘結剤は溶融金属の温
度に曝された時に部分的に分解する。
【0003】溶融金属はキャビティ内で凝固する際に収
縮するので、新たな溶融金属が押湯から供給されなけれ
ばならない。しかしながら、未凝固の溶融金属がキャビ
ティ内に孤立して残ると、すなわち未凝固金属が完全に
凝固金属で包囲された部分が出来ると、溶融金属の供給
がないので空孔部が形成される。この空孔部は「引け
巣」とも呼ばれ、鋳物の重大な欠陥となる。
【0004】従って、引け巣ができないような鋳造方案
及び条件を設定しなければならないが、引け巣ができる
原因は鋳型キャビティ、堰及び押湯の形状、溶湯温度、
溶湯中のガス量等非常に多く、かつこれらの原因は複雑
に影響しあっているので、引け巣の発生を予測するのは
事実上困難であった。
【0005】また、溶湯容器から鋳型キャビティへの溶
湯の移動に使われる湯道や凝固収縮を補う押湯に使われ
る溶融金属の量は生産コストの観点から最小にすること
が望まれる。しかしながら、湯道や押湯を最小にすると
引け巣が発生する恐れが大きくなるという問題がある。
【0006】このような事情において、引け巣の発生を
予測する方法として凝固シミュレーションが提案されて
いる。この凝固シミュレーションはいわゆる「ホットス
ポット法」と呼ばれるもので、凝固過程でキャビティ内
に溶融金属の島(周囲を凝固金属で囲まれた未凝固金
属)、すなわちホットスポットができるか否かを判定す
るシミュレーション法である。
【0007】従来の凝固シミュレーション法を図1のフ
ローチャートにより説明する。まず鋳物形状をメッシュ
に分割し(工程A)、各材料の物性値及び鋳造の初期条
件を入力する(工程B)。所定の時間(Δt)後に鋳物
の各要素の液相率(fL )を計算し(工程C)、この計
算を凝固終了まで繰り返す(工程D)。なお液相率(f
L )は、鋳物及び鋳型における熱移動を二次元場で表わ
した場合、計算する要素及び時点での温度Tに対して、
次式の関係を有する。 Cρ(δT/δt)=λ(δ2 T/δx2 +δ2 T/δy2 ) −ρL(δfL /δt)・・・(1) (ただし、式中Cは比熱を表し、λは熱伝導率を表し、
ρは密度(固相と液相の平均値)を表し、Lは凝固潜熱
を表す。)
【0008】上記の計算の結果、液相率(fL )が高い
要素が液相率の低い要素(凝固した要素)に完全に包囲
された状態ができれば、凝固後にその部分に空孔部が形
成される可能性が高いと予想することができる。従来の
凝固シミュレーションは液相率の変化を計算することに
より、空孔部の原因となるホットスポットの発生を予測
するものである。
【0009】上記の凝固シミュレーションでもかなりの
精度で鋳型方案及び形状の変更を提案できたが、本発明
者等の実験によれば、空孔部が発生しないと予測された
条件でも小さな欠陥が発生することもあることが分かっ
た。このことから、温度計算のみから引け巣を予測する
ホットスポット法では、予測精度に限界があると言うこ
とができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は溶融金属の凝固時に空孔欠陥を発生させない最適な鋳
造方案及び条件を求める凝固シミュレーション法を提供
することである。特に本発明の目的は溶融金属中に含ま
れるガスの量、鋳型材料、押湯方案、湯口方案等の最適
な組み合わせを求める凝固シミュレーション法を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、凝固シミュレーションにおいて固
相と液相とが共存する領域におけるデンドライト間の溶
湯の圧力勾配と溶湯中のガスの圧力を求めることによ
り、鋳物中に空孔部が形成されるか否かを予測すること
ができることを発見し、本発明に想到した。
【0012】すなわち本発明の鋳造方案作成方法は、鋳
型キャビティに流入した溶融金属を凝固させることによ
り鋳造品を製造する際に空孔部が発生するか否かを予測
する方法であって、(1) 前記キャビティ及び前記鋳型を
幾つかの要素に分割し、(2)個々の要素に溶湯温度、溶
湯圧力及び溶湯中のガス量の初期値を入力し、(3) 所定
の時間間隔毎に各要素中の液相率を求めて、固相と液相
とが共存する領域が存在するか否かを判定し、(4) デン
ドライト間の溶湯の流動を計算することにより隣接要素
間の溶湯の圧力勾配を求め、(5) 各要素中の溶湯中のガ
スの圧力を計算し、(6) 前記ガス圧力が平衡ガス圧力よ
り高い場合に空孔部が形成されると判定して、各要素に
ついて空孔量を求め、(7) 凝固完了まで上記工程の計算
を繰り返すことを特徴とする。
【0013】
【作用】空孔部発生のメカニズムを図2に示す。なお図
2は K.Kubo and R.D.Pehlke,“ Metallurgical Trans
action”、第16B 巻(1983 年) 、359 〜366 頁に記載さ
れている。鋳型キャビティに注入された溶湯21は周囲か
ら凝固し始めるが、凝固相22は主としてデンドライト相
23の成長によりできる。デンドライト相23間の未凝固溶
湯はデンドライト相の成長に連れて流動する。
【0014】図3はデンドライト間の溶湯流動による圧
力低下と平衡圧力との関係を示したものである。凝固に
よりデンドライト相23は成長するが、それに応じてデン
ドライト相間に溶湯21の流動が起こる。凝固の進行とと
もにデンドライト23間の溶湯21の流動によって圧力低下
が起こって溶湯圧力は低下し、逆に残留溶湯中のガス圧
は増大する。凝固がある程度進んだ段階でデンドライト
23間の溶湯21の流動補給が十分行われなくなると、溶湯
中のガス圧Pg が平衡ガス圧力Pg * より低くなり、そ
の部分に空孔部24が発生する。これが引け巣発生の主た
るメカニズムであると考えられる。
【0015】従来の凝固シミュレーションは熱収支だけ
を考慮しているが、これだとシミュレーションの結果と
実験結果との一致が悪い。そこで本発明者は、溶湯中の
ガス圧やデンドライト間の溶湯の圧力勾配を計算し、溶
湯圧力を平衡圧力と比較する方がはるかに正確に空孔部
の発生の可能性及びその量を直接予測できることが分か
った。具体的には、本発明では、デンドライト間の溶湯
の流動における連続の式及び運動の式(Darcy 則)、ガ
ス圧平衡式及びガス量収支の式を計算し、それらから空
孔部の発生を予測する。
【0016】
【実施例】本発明の凝固シミュレーション法では、鋳型
キャビティと鋳型の形状を定義する要素分割のデータ
と、材料定数と、鋳造条件とを初期条件として入力する
必要がある。鋳物の凝固過程の数学的解析は直接差分法
によって行う。この直接差分法では鋳型及びそのキャビ
ティをサイズの異なる非直交メッシュで分割する。凝固
過程の直接差分法による計算は一般的でないが、図4に
示すような任意の形状の要素を使って正確な形状表現が
必要な時には有利である。図4では鋳型41内の溶湯42の
任意の要素(i,j )は要素(i,j,1 )、要素(i,j,2
)、要素(i,j,3)、要素(i,j,4 )で包囲されてい
る。なお43は冷却水を示し、44は断熱部を示す。各要素
間の境界の伝熱ΔTは以下の式(1) により求められる。 ΔT=Σ{αi,j,m i,j,m Δt/Vi,j ρC}・ (Ti,j,m −Ti,j )・・・(1) (ただしα、S、t、V、ρ、C及びTは後に定義した
ものと同じである。)
【0017】このため本発明では従来の凝固シミュレー
ション法より高度な直接差分法を用いる。図5に示す具
体例について本発明の凝固シミュレーション法の手順を
詳細に説明する。なお図5の形状は配管部品を想定した
ものであるが、他の形状の鋳物にも同様に適用できるの
は当然である。
【0018】全体の解析の流れを図6に示す。従来の解
析の流れ(図1)と比較すると、本発明の凝固シミュレ
ーション法には、デンドライト間の溶湯の圧力勾配を計
算する工程と、溶湯中のガス圧力と平衡ガス圧力との比
較により空孔部の発生を解析する工程が付加されている
ことが分かる。
【0019】(a) 非直交メッシュの作成(工程A) 空孔欠陥の発生に対して極めて大きな影響を及ぼすもの
として、まず鋳物及び押湯の形状が挙げられる。鋳物及
び押湯の形状の影響は有限要素法により解析することが
できる。図5に一例として配管部品鋳物の3次元形状を
任意の六面体要素及び三角柱要素によって示す。図5
(A) は2口堰の鋳物(継手)であり、図5(B) は1口堰
の鋳物であり、図5(C) は改善された形状の1口堰の鋳
物である。なお図5では六面体要素及び三角柱要素を使
用しているが、四面体要素でも同様に形状分割に使用す
ることができる。
【0020】(b) 鋳物及び鋳型の熱的物性値及び流れの
物性値の入力(工程B) 入力すべき物性値としては、鋳物材料及び鋳型材料の性
質と実際の装置における正確な鋳造条件(キャビティ、
押湯及び堰の形状、溶湯温度、ガス量等)がある。これ
らの物性値を表すパラメータは以下の通りである。
【0021】C 比熱、 fL 液相率、 kNL 液相中への窒素ガス溶解の平衡定数、 fV 空孔部量、 g 重力ベクトル(この場合y成分のみ)、 h 熱伝達率、 k 透過率(デンドライト間の溶湯の流れやすさ
を表す)、 L 凝固潜熱、 P 溶湯圧力、 Pg 溶湯中のガス圧力、 Pg * 平衡圧力(空孔部中のガスと平衡が取れたガ
ス圧力)、 r 空孔部半径、 S 面積、 T 温度(各要素内の任意の時点での温度)、 t 時間(添字としても使用)、 u x方向の流速、 V 体積、 v y方向の流速、 x x方向の距離、 y y方向の距離、 Δl 要素間距離、 Δt 時間増分、 α 伝熱係数、 ρ 密度(固相と液相の平均値)、 ρS 固相密度、 ρL 液相密度、 λ 熱伝導率、 μ 粘性係数、 σLG 液体/ガス界面エネルギー、 [NO ] 溶湯中の初期窒素ガス濃度、 [NS ] 固相中の窒素ガス濃度、 [NL ] 残留液相中の窒素ガス濃度。
【0022】(c) 熱移動の計算(工程C) 最初に鋳物と鋳型中の温度を温度回復法により計算す
る。鋳物と鋳型の熱移動を二次元場で表すと次式のよう
になる。 Cρ(δT/δt)=λ(δ2 T/δx2 +δ2 T/δy2 ) −ρL(δfL /δt)・・・(2) 式(2) から、液相率(fL )が温度Tとの関係で求ま
る。
【0023】(d) 固相と液相が共存するか否かの判定
(工程D) 液相率が0<fL <1の関係を満たすか否かを判定す
る。0<fL <1の場合には固相と液相が共存し、fL
=1の場合には全て液相であり、fL =0の場合には既
に凝固していることになる。0<fL <1の場合には以
下の工程Eに進み、それ以外の場合には凝固完了の判定
工程に進む。
【0024】(e) デンドライト相間の溶湯の圧力勾配の
計算(工程E) デンドライト間の溶湯の流動は以下の連続の式(3) によ
り表される。 (ρS /ρL −1)(δfL /δt)−(δfL u/δx) −(δfL v/δy)+(δfV /δt)=0・・・(3) ここで、式(3) 中の溶湯の運動(u、v)を表す式は以
下の通りである。 u=−(k/μ)(δP/δx)・・・(4) v=−(k/μ)(δP/δy)−(kρg/μfL )・・・(5) なお式(5) では重力加速度がy方向に作用していると仮
定する。
【0025】式(2) から求まるfL と式(3) 〜(5) を連
立させて解くことによって、固液共存域の圧力場が求ま
る。各要素のデンドライト間の溶湯の流動による隣接要
素への圧力勾配の総和が次式のように正である場合に
は、当該要素内の溶湯は流出方向の力を受けることにな
り、空孔部ができる傾向を示す。それぞれの要素(i,
j)について、正の場合には以下の計算に進み、また負
である場合には凝固完了の判定工程に進む。 Σ{(Pi,j −Pi,j,m )/Δli,j,m }>0・・・・(6) (ただしmは1から4まである。)
【0026】(f) 溶湯中のガス圧及び平衡圧力の計算並
びにそれらの比較(工程F) 溶湯の平衡ガス圧力Pg * は溶湯圧力Pと液体/ガス界
面エネルギーσLGによって、式(7) のように表される関
係を有する。 Pg * =P+(2σLG/r)・・・(7)
【0027】次にガス量の収支は、窒素ガスの場合を例
にとると以下の通りである。 [NO ]=(1−fL )[NS ]+fL [NL ]・・・(8) 実際には[NS ]は[NL ]に比べて非常に小さいので
無視できる。
【0028】液相中の窒素ガスは空孔部中の窒素ガスと
平衡関係があることより、次式が得られる。 log{Pg 1/2 /(kNL[NL ])}=188 /(T+273 )+1.248 ・・(9)
【0029】式(8) 〜式(9) によって溶湯中のガス圧力
g を計算する。ガス圧力Pg が式(7) より求まる平衡
ガス圧力Pg * よりも大きければ空孔部が発生すること
になる。一方Pg ≦Pg * ならば、空孔部は形成されな
い。ただし式(7) において、空孔部の半径rは2次デン
ドライトアームサイズの半分の値と仮定している。 (g) 空孔部量の計算(工程G) 空孔部が発生する場合には(Pg >Pg * の場合)、式
(3) の連続の式によって空孔部量fV を求める。
【0030】(h) 凝固完了の判定(工程H) 凝固が完了したか否かをfL =0になったか否かで判定
し、0<fL の場合にはΔt後の状態について上記工程
C〜Gを繰り返す。fL =0になった場合には計算を終
了する。所定の時間間隔で上記の一連の計算を完了すれ
ば、鋳物中に発生する空孔部量(空孔部の個数及び分
布)に関する十分なデータが得られる。
【0031】(i) 出力(工程I) 上記計算結果を出力する。出力態様はディスプレイ、プ
リント等何れでもよい。例えば、空孔部を着色したグラ
フィック表示とすると、空孔部の発生部位を目視で直ち
に判定できるので、効率的である。
【0032】(j) 空孔部量が最小か否かを判定(工程
J) 上記工程の結果、空孔部量が最小か否かを判定する。空
孔部量がほぼ零であれば望ましい鋳造方案及び最適条件
であることになり、工程を終了させる。一方鋳型内の空
孔部量が多ければ鋳造方案及び最適条件を変更する工程
に進む。
【0033】(k) 鋳造条件等の変更による再計算(工程
K) 工程A〜Hの結果空孔部が発生していることが分かった
場合、鋳造方案及び最適条件のいずれか1つ又は2つ以
上を変化させて、工程A〜Hの計算を繰り返す。このよ
うにして鋳物中に発生する空孔部量が最小になる鋳造方
案及び最適条件を見つけだす。なお変化させる鋳造方案
及び最適条件としては、鋳型キャビティ、堰及び押湯の
形状、溶湯温度、溶湯中のガス量等が挙げられる。
【0034】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。実施例1、比較例1 マレブル継手の1口堰方案及び2口堰方案について、本
発明の方法及び従来の方法により凝固シミュレーション
を行った。なお凝固シミュレーションの計算に使用した
物理定数は以下の通りである。
【0035】C=0.20cal/g・℃、 L=50.0cal/g、 λ=0.085 cal/cm・s・℃、 μ=0.071 g/cm・s、 ρ=6.8 g/cm3 、 ρs =6.9 g/cm3 、 ρL =6.7 g/cm3 、 σLG=1840dyn/cm、 [NO ]=60ppm及び70ppm。
【0036】透過率kは次式により求めた。 k=0.1 3 2 2 /(180 ×0.1 2 ) [fL ≦0.1 ]、 k=fL 3 2 2 /(180 ×(1−fL 2 ) [0.1 <fL ≦0.7 ]、 k=0.1 3 2 2 /(180 ×0.1 2 ) [0.7 <fL ≦1]。 ただし、上式中のd2 は2次デンドライトアームサイズ
であり、次式によって求めた。 d2 =0.71×(冷却速度)0.39、 冷却速度=(Tl −T)/Δtf (ただし、Tl は凝固開始温度であり、Tは測定時点の
温度であり、Δtf は凝固開始からの時間である。)
【0037】従来の凝固シミュレーションの結果は図7
〜図9に示す通りである。なお各図の(A) 、(B) 、(C)
及び(D) は溶湯温度の経時変化を示し、またハッチング
は各時点での未凝固の部分を示す。2口堰方案では押
湯だけにホットスポットが発生しているが(図7)、片
側堰除去では製品部に大きなホットスポットが発生し
ており、多量の空孔部が予測される(図8)。鋳物形状
変更した場合では製品部にホットスポットが発生せず
健全な鋳物ができることが予測される(図9)。しかし
ながら、実際に鋳造するとの場合で製品部に空孔部の
発生する場合と発生しない場合があり、かならずしも空
孔欠陥はなくならなかった。
【0038】一方本発明の解析結果は図10及び図11に示
す通りである。本発明による解析では空孔部量を直接予
測できた。図10及び図11では、発生した空孔部量が1%
以上の領域はハッチングしてある。図10は溶湯中の窒素
ガス濃度が60ppmの場合で、図11は70ppmの場合で
ある。溶湯中の窒素ガス量が変化しても、2口堰方案
では押湯だけに空孔部が発生しており、片側堰除去で
は製品部に多量の空孔部が発生してしまう。鋳物形状変
更したの場合では、溶湯中のガス濃度が60ppmでは
空孔部ができないが、70ppmでは空孔部が発生する。
この計算結果は実験結果と良く一致していた。
【0039】つまり、従来の凝固シミュレーションによ
る予測方法では空孔欠陥が予測できない場合があるが、
本発明による方法では溶湯の条件も考慮に入れることが
でき、空孔欠陥を精度良く予測できることがわかる。
【0040】
【発明の効果】上述のように、本発明によると使用材質
に制限されることなく、それぞれの材質に対応して鋳物
の鋳造欠陥の発生を抑制することができる。これにより
例えば自動車用の重要保安部品として、軽量で信頼性の
高い優れた品質を有しかつ高精度の鋳物を製造する方案
及び条件を能率よく求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の凝固解析法のフローチャートである。
【図2】デンドライトを生成しながら凝固する様子を示
す概略図である。
【図3】鋳物中に空孔部が発生するメカニズムを示す概
略図である。
【図4】本発明に用いる直接差分法を示す概略図であ
る。
【図5】鋳物形状のメッシュ分割を示す概略図である。
【図6】本発明の凝固解析法のフローチャートである。
【図7】2口堰の鋳物に対して従来の凝固解析法を適用
した場合の溶湯の温度変化を示す概略図である。
【図8】片側堰の鋳物に対して従来の凝固解析法を適用
した場合の溶湯の温度変化を示す概略図である。
【図9】変更した形状の鋳物に対して従来の凝固解析法
を適用した場合の溶湯の温度変化を示す概略図である。
【図10】溶解窒素量が60ppmの場合に本発明の凝固解
析法を用いて空孔量を計算した結果を示す概略図(空孔
量が1%以上の領域をハッチングで表す)である。
【図11】溶解窒素量が70ppmの場合に本発明の凝固解
析法を用いて空孔量を計算した結果を示す概略図(空孔
量が1%以上の領域をハッチングで表す)である。
【符号の説明】
21・・・溶湯 22・・・凝固相 23・・・デンドライト相 24・・・空孔部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型キャビティに流入した溶融金属を凝
    固させることにより鋳造品を製造する際に空孔部が発生
    するか否かを予測する方法であって、(1) 前記キャビテ
    ィ及び前記鋳型をいくつかの要素に分割し、(2) 個々の
    要素に溶湯温度、溶湯圧力及び溶湯中のガス量の初期値
    を入力し、(3) 所定の時間間隔毎に各要素中の液相率を
    求めて、固相と液相とが共存する領域が存在するか否か
    を判定し、(4) デンドライト間の溶湯の流動を計算する
    ことにより隣接要素間の溶湯の圧力勾配を求め、(5) 各
    要素中の溶湯中のガスの圧力を計算し、(6) 前記ガス圧
    力が平衡ガス圧力より高い場合に空孔部が形成されると
    判定して、各要素について空孔量を求め、(7) 凝固完了
    まで上記工程の計算を繰り返すことを特徴とする方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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