JP2003033864A - 鋳造プロセスシミュレータ及びその判定方法 - Google Patents

鋳造プロセスシミュレータ及びその判定方法

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JP2003033864A
JP2003033864A JP2001217284A JP2001217284A JP2003033864A JP 2003033864 A JP2003033864 A JP 2003033864A JP 2001217284 A JP2001217284 A JP 2001217284A JP 2001217284 A JP2001217284 A JP 2001217284A JP 2003033864 A JP2003033864 A JP 2003033864A
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Tatsuya Ohira
竜也 大平
Osamu Ukai
修 鵜飼
Tomohiro Notaki
友博 野瀧
Yukiro Shimobatake
幸郎 下畠
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、新しい鋳造欠陥評価指標に基づい
て最適な鋳物方案作製する鋳造プロセスシミュレータと
その判定方法を提供することにある。 【解決手段】 偏析・対流凝固モデルに基づく偏析対流
解析手法と核生成・結晶成長モデルに基づく結晶成長解
析手法とを時間ステップごとに同時に行い、濃度、流
速、温度、固相率、凝固組織、結晶方位、デンドライト
アーム間隔、核生成位置を同時に出力し、これらをベー
スに算出した鋳造欠陥指標から鋳造欠陥有無を予測する
ことを特徴とするもので、又前記鋳造プロセスシミュレ
ータに限らず、本発明は任意の鋳造方案に基づく鋳造プ
ロセスシミュレーションで算出する濃度や温度から、偏
析溶湯流れを考慮したフレックル欠陥評価指標(レイリ
ー数)や異結晶発生機構を考慮した異結晶欠陥評価指標
を同時に評価し、鋳物方案の良し悪しを判定することも
特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋳物を製造するに当
たり、その鋳造凝固過程を模擬した高精度な鋳造プロセ
スシミュレーションを実施し、異結晶(柱状晶中の島状
孤立結晶粒)やフレックル(小さい等軸晶結晶粒が鎖状
に連なったもの)等の鋳造欠陥対策と鋳物に最適な方案
を作製する鋳造プロセスシミュレータとその判定方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の鋳物の凝固解析手法では、非平衡
凝固モデル考慮の有無、核生成・結晶成長モデルによる
凝固組織予測の有無、偏析・対流モデル考慮の有無等、
目的と用途に応じて、さまざまなモデルが提案されてい
る。図14は円筒形状鋳塊の凝固過程模式図を示すが、
これを用いて従来技術とその課題を以下に説明する。
【0003】図14において、1は液相、2は固液共存
相、3は固相、4の矢印は溶場流れ、5は固相の凝固組
織、6は固液共存相のデンドライトで、その拡大図が、
右横に示されており、更にその上に溶質再分布7の固相
と液相の濃度分布が示されている。
【0004】過冷度を考慮した非平衡凝固モデルに基づ
く鋳物の凝固解析手法としては、黒鉛の核生成および凝
固速度をモデル化して、黒鉛半径および黒鉛粒数を計算
し、この計算結果から過冷度、冷却速度、固相率を算出
する手法が、特開平5―96343号に凝固解析を利用
した鋳鉄鋳物の方案作製方法として開示されている。
【0005】かかる発明は、鋳鉄鋳物の凝固過程を考慮
して精度のよい凝固解析を行い、引け巣等の鋳造欠陥対
策と鋳物に最適な方案を得るもので、図15はこの手法
を簡略化したフローチャート図で、計算パラメータを入
力(S11)した後、鋳鉄鋳物の凝固過程における黒鉛
の核生成および凝固速度をモデル化して前記黒鉛の半径
および単位体積当りの黒鉛粒数を計算し(S12)、こ
の計算結果より固相率や冷却速度の計算を行う(S1
3)凝固解析を利用した鋳鉄鋳物の方案作製方法であっ
て、前記黒鉛の核生成および凝固速度のモデル化におい
て、黒鉛粒数を凝固速度の関数とし、黒鉛半径を固相率
の関数とし、更に前記過冷度を黒鉛半径の関数として凝
固終了(S14)まで前記解析を行うものである。
【0006】かかる従来技術は、液相率評価から引け巣
等欠陥予測には有用であるが、 対象材料が鋳鉄に限定されていること、 図14に示す溶湯流れに対する偏析・対流モデルを考
慮しておらず、該図14に示すような溶湯流れ4、マク
ロ・ミクロ偏析に起因するフレックル欠陥や、局所的過
冷及びフレックルから派生して起こる異結晶欠陥の予測
には使えないという課題がある。
【0007】一方、(メタラジカル、アンド、マテリア
ルズ、トランザクションA、第30巻12月号(199
9)、3153)において、ガンディンらがセルラーオ
ートマトン法を利用した、核生成・結晶成長モデルに基
づく凝固組織予測手法を提案している。図16はこの手
法を簡略化したフローチャート図を示す。
【0008】この手法は、計算パラメータを入力(S2
1)後、温度場計算(S22)を行った後、核生成によ
る潜熱発生や結晶粒の選択成長をシュミレーション計算
(S23)できるモデルを含み、温度場解析と連成させ
ることによって、前記図14の固相3の凝固組織5や局
所過冷による異結晶欠陥の予測が可能であるが、 液相におけるマクロ偏析・対流を考慮していない、 固液共存相2の濃度偏析を無視した結晶成長モデルを
用いている等の課題があり、マクロやミクロの偏析に起
因するフレックル欠陥の予測はできない。
【0009】逆に、(メタラジカル、アンド、マテリア
ルズ、トランザクションA、第28巻7月号(199
7)、1517)において、ベッカーマンらは、マクロ
偏析を考慮した対流凝固解析手法を提案し、Ni系合金
(CMSX2)のフレックル予測解析を実施している。
また、(金属、第70巻1号(2000)、47)にお
いて、連続・普通鋳造用にマクロ偏析・対流を含む凝固解
析シミュレーションシステムを開発している。図17は
これらの手法を簡略化したフローチャート図を示す。
【0010】図17において、計算パラメータの入力
(S31)後、偏析・対流凝固を計算(S32)できる
モデルを含む。
【0011】これらの手法は、図14のような溶湯流れ
4やマクロ偏析を予測することが可能で、フレックル欠
陥推定に役立つが、核生成・結晶成長モデルを含んでお
らず、図14に示す固相3の凝固組織5や局所過冷によ
る異結晶欠陥の予測はできないという課題がある。
【0012】ところで、(メタラジカル、アンド、マテ
リアルズ、トランザクションA、第27巻4月号(19
96)、1081)に示すように、凝固解析から算出す
る鋳造欠陥評価指標としては、ポロックらがまとめたよ
うに、G(温度勾配)、R(凝固速度)を用いたG/
R、G×R、G1/2×R1/4等がある。図18は、
これらの評価指標を使った従来の鋳造欠陥評価マップを
示す。これまでの研究から、異結晶欠陥予測にはG/R
>Aになるように、G/Rが、フレックル欠陥予測に
は、G×R>B、G1/2×R1/4<C等が評価指標
として用いられている(A、B、Cは夫々境界値)が、
かかる評価指標だけでは不十分で、異結晶発生機構を考
慮した欠陥評価指標や、偏析・溶湯流れモデルを含む新
しい欠陥評価指標が必要となっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の凝
固解析技術には、 偏析・対流モデルと核生成・結晶成長モデルを同時に考
慮できる連成モデルがない、 特に、結晶成長モデルでは濃度偏析や局所温度に依存
するパラメータを考慮していないという課題があり、図
14に示すような溶湯流れ、マクロ・ミクロ偏析に起因
するフレックル欠陥や、局所的過冷及びフレックルから
派生して起こる異結晶欠陥を系統的に予測することはで
きていない。また、偏析や溶湯流れの影響や異結晶発生
機構を考慮できる、新しい凝固解析からの鋳造欠陥評価
指標も望まれている。
【0014】本発明の目的は、かかる従来技術の課題に
鑑み、高精度な鋳造プロセスシミュレーションを利用
し、新しい鋳造欠陥評価指標に基づいて最適な鋳物方案
作製する鋳造プロセスシミュレータとその判定方法を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明における先進的鋳
造プロセスシミュレーションでは、偏析対流解析手法と
結晶成長解析手法とを下記2点のアイデアにより連成さ
せて解けるようにし、鋳物鋳造過程の濃度、流速、温
度、固相率や鋳物鋳造後の凝固組織、結晶方位、デンド
ライトアーム間隔を同時に予測可能としたもので、請求
項1記載の発明は、偏析・対流凝固モデルに基づく偏析
対流解析手法と核生成・結晶成長モデルに基づく結晶成
長解析手法とを時間ステップごとに同時に行い、濃度、
流速、温度、固相率、凝固組織、結晶方位、デンドライ
トアーム間隔、核生成位置を同時に出力し、これらをベ
ースに算出した鋳造欠陥指標から鋳造欠陥有無を予測す
ることを特徴とするもので、前記偏析対流解析から結晶
成長解析への連成データとして、温度、エンタルピー、
液相濃度を用い、結晶成長解析から偏析対流解析への連
成データとして、固相率、透過率を用いるとともに、こ
の透過率を、結晶成長解析で算出するデンドライトアー
ム間隔から算出するのがよく、又前記偏析対流解析での
液相濃度、固相濃度は、結晶成長解析で算出する固相
率、固相率時間増分(固相進展)に応じた固相濃度、液
相濃度時間変化分から算出するのがよい。
【0016】そして本発明において、前記結晶成長解析
手法の結晶成長モデルに濃度依存性を組み込むことによ
り、凝固組織や異結晶欠陥予測精度をより高める事が出
来る。
【0017】又前記鋳造プロセスシミュレータに限ら
ず、本発明は任意の鋳造方案に基づく鋳造プロセスシミ
ュレーションで算出する濃度や温度から、偏析溶湯流れ
を考慮したフレックル欠陥評価指標(レイリー数)や異
結晶発生機構を考慮した異結晶欠陥評価指標を同時に評
価し、鋳物方案の良し悪しを判定することも特徴として
いる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る構成部品の寸法、形状、その相対配置、数式などは特
に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみ
に限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0019】
【実施例1】図1乃至図7は本発明の第1実施例を示
し、図1は、偏析・対流凝固モデルに基づく解析と核生
成・結晶成長モデルに基づく解析との連成解析フローチ
ャート図、図2は、連成解析での算出データ、連成デー
タを示す図、図3は、偏析対流解析用マクロメッシュと
結晶成長解析用ミクロメッシュの相関図、図4は、鋳物
板幅中央断面の偏析対流用解析マクロメッシュ図、図5
は鋳物上面下面板幅中心上の鋳物成分Ta濃度分布に関
する偏析対流解析結果、図6は、鋳物凝固組織に関する
結晶成長解析結果、図7は実際に鋳造した鋳物下面マク
ロ組織写真、鋳物断面写真、異結晶部拡大写真を示す。
【0020】本実施例における鋳造プロセスシミュレー
ション利用鋳物方案作成方法は、図1のように偏析・対
流凝固モデルに基づく計算と核生成・結晶成長モデルに
基づく計算とを時間ステップごとに同時に行い、濃度、
流速、温度、固相率、凝固組織、結晶方位、デンドライ
トアーム間隔、核生成位置を同時に出力、これらをベー
スに算出した鋳造欠陥指標から鋳造欠陥有無を予測する
ことを要旨とするものである。本シミュレーション手法
では、図1に示すように、(S1)で計算パラメータを
入力し、(S2)及び(S3)で偏析・対流凝固モデル
に基づく計算と核生成・結晶成長モデルに基づく計算を
凝固終了(S4)まで逐次連成(繰り返して)させて行
い(以下第2ステップという)、凝固終了後、(S5)
で濃度、流速、温度、固相率、凝固組織、結晶方位、デ
ンドライトアーム間隔、核生成位置の出力を行った後、
終了する。
【0021】次に前記した第2ステップの連成解析手法
の概要を図2に示す。図2において、各時間ステップご
とに偏析対流凝固解析ルーチン11から算出する温度、
エンタルピー、液相濃度、液相速度、固相濃度のうち、
温度、エンタルピー、液相濃度を結晶成長解析ルーチン
12の入力データとして用い、同様に各時間ステップご
とに結晶成長解析ルーチン12から算出する固相率、透
過率、デンドライトアーム間隔、核生成位置のうち、固
相率、透過率を偏析対流凝固解析ルーチン11の入力デ
ータとして用いる。
【0022】偏析対流解析ルーチン11では、以下に示
すような固液混合相に対する質量、運動量、エネルギー
の各保存式、液相および固相に対する濃度の保存式
(〔数1〕の(式a)〜(式e))に基づいて図3のよ
うなマクロメッシュを用いた差分法で解く。図3は図1
4における円筒形状鋳塊の凝固過程模式図をマクロメッ
シュ及びミクロメッシュ化した模式図である。
【0023】
【数1】
【0024】ベッカーマンらの従来の偏析対流解析で
は、論文(メタラジカル、アンド、マテリアルズ、トラ
ンザクションA、第28巻7月号(1997)、151
7)に記載されているように、前記(式a)〜(式e)
をすべて連成させて解いていたが、本発明の実施例で
は、温度、エンタルピー、液相速度を未知数として、
(式a)〜(式c)を解き、液相濃度、固相濃度につい
ては、結晶成長解析から算出される固相率と固相率増分
を用いて、(式d)(式e)から導かれる固相進展度合
いに応じた固相濃度、液相濃度時間変化分から、時間ス
テップ毎に評価する。(式e)より固相濃度の変化分を
算出する。
【0025】次に、対流拡散が無いとしたときの、固相
進展に伴うマクロセルnでの成分mの質量変化はゼロで
あることより、固相濃度結果を用いて液相濃度の変化分
が得られる。
【0026】このように、偏析対流解析のマクロメッシ
ュ重心で算出した温度、エンタルピー、液相濃度を、図
3に示すような結晶成長解析用ミクロメッシュ重心の値
に補間する。
【0027】従って図2に示す如く、偏析・対流凝固モ
デルに基づく偏析対流凝固解析ルーチン11では、温
度、エンタルピー、液相濃度、液相速度、固相濃度が算
出され、これらの算出データ13の内、温度、エンタル
ピー、液相濃度を入力データとして核生成・結晶成長モ
デルに基づく結晶成長解析を行い、次に結晶成長解析に
より算出する固相率、透過率、デンドライトアーム間
隔、核生成位置の算出データ16のうちより、固相率、
透過率を偏析対流解析ルーチン11の入力データとして
用いる。従って各時間ステップごとに偏析対流解析から
算出する温度、エンタルピー、液相濃度、液相速度、固
相濃度のうち、温度、エンタルピー、液相濃度が、結晶
成長解析の入力データとして用いられる連成データ1
4、同様に各時間ステップごとに結晶成長解析から算出
する固相率、透過率、デンドライトアーム間隔、核生成
位置のうち、固相率、透過率が偏析対流解析の入力デー
タとして用いられる連成データ15となる。さらに、上
記ミクロメッシュでも温度、エンタルピー、液相濃度の
連成データ14をもとに、結晶成長解析を行う。
【0028】結晶成長のアルゴリズム、固相率評価モデ
ル、凝固組織、結晶方位出力法等は、ガンディンらの結
晶成長解析と同じで、論文(メタラジカル、アンド、マ
テリアルズ、トランザクションA、第30巻12月号
(1999)、3153)に記載されているのでその詳
細な説明は省略する。
【0029】本実施例では、1次、2次デンドライトア
ーム間隔(以下「1次DAS」、「2次DAS」とい
う)を以下のように結晶成長解析から評価し、さらに、
これを用いて、偏析対流解析に必要な透過率を算出す
る。1次DAS評価モデルは、下記〔数2〕の(式f)
のようなクルツ−フィッシャーモデルを用いる。
【数2】
【0030】同様に2次DAS評価モデルは、後記する
〔数3〕〜〔数6〕の(式g)〜(式p)のようなクル
ツモデルを採用する。
【数3】
【0031】この1次DASと2次DAS評価値を用い
て、透過率Kをマクロメッシュ毎の1次、2次DAS及
びマクロメッシュで積算した液相率(1−固相率)を用
いて、以下に示す〔数4〕の(式j)(式k)で算出す
る。ただし、本透過率評価式は、いろいろな材料の実験
値、文献値から経験的に導出された評価式の一例で、こ
れに限定されるものではない。
【0032】
【数4】 なお、マクロメッシュの1次、2次DASは、マクロメ
ッシュ内にあるすべての固液共存相ミクロメッシュ1
次、2次DAS平均値をそのマクロメッシュの1次、2
次DASとする。
【0033】上記のように結晶成長解析で出力した凝固
組織、結晶方位、固相率、透過率のうち、固相率と透過
率をもとに、新たに偏析対流解析を行う。各時間ステッ
プ毎に、これらの偏析対流解析と結晶成長解析を凝固終
了まで繰り返す。なお、時間刻みはマクロな偏析対流解
析とミクロな結晶成長解析とで同じである必要はなく、
通常結晶成長解析の方が小さく、ある回数でマクロな時
間刻みと一致させる。
【0034】最後に、凝固終了後、(S5)で、濃度、
流速(液相速度)、温度、固相率、凝固組織、結晶方
位、核生成位置を出力する。
【0035】上記より理解できるように、従来の凝固シ
ミュレーションでは、鋳物の合金成分濃度、凝固組織、
鋳造欠陥を同時に予測することができないという課題が
あったが、本発明では、図4のようなチル板23と下面
21側に複数の突起部24を有する断面形状をもつ鋳造
品20を例に、合金成分濃度、組織欠陥等を、上述した
偏析対流解析と結晶成長の新しい連成手法により同時に
予測できるようになった。実施例を以下に示す。以下で
は、Ni基合金CM247LC材料を例として実施し、
初期の効果を達成したが、本実施例のシミュレータは、
他のいかなる鋳造材料にも適用できる。
【0036】断面形状が図4の鋳造品20を想定して、
板幅130mm、材料がNi基合金CM247LC材
(平均組成Cr8.1%、Co9.3%、TiO.7%、
Ta3.19%、Al5.65%、Mo0.5%、W9.
5%、Hf1.4%)、初期温度が1425℃、引き下
げ速度が100mm/hの鋳造条件で、濃度や凝固組織
がどのようになるかを本実施例の先進的鋳造プロセスシ
ミュレータで予測した。偏析対流解析用のマクロメッシ
ュが図4に示すメッシュ構造(板幅130mmを4〜8
メッシュ分割)で行い、結晶成長解析用のミクロメッシ
ュサイズは500μmとした。なお、結晶成長解析で用
いる結晶成長モデルは、ガンディンらと同じく、濃度変
化を考慮しない従来のものを用いた。
【0037】鋳造過程での鋳物中央断面上面22、下面
21における固液共存相液相濃度分布解析結果を図5に
示す。これより、液相Ta濃度は下面21の上部突起部
24と下部突起部24で高く、この結果下面21側の突
起部24で偏析に関連するフレックル欠陥の発生可能性
が高いことがわかる。
【0038】図6には、この鋳造条件での凝固組織解析
結果を示す。本結果より、上下の下面突起部24に柱状
晶中の孤立した異結晶粒が発生する可能性が大きいこと
がわかる。この予測結果の妥当性を調べるために、上記
鋳造条件での試験を実施した。その試験結果の凝固組織
写真を図7に示した。実際に上面突起部にフレックル欠
陥が下面突起部に異結晶欠陥が発生した。
【0039】この試験結果から、本発明の先進的鋳造プ
ロセスシミュレーションによる合金濃度、凝固組織、鋳
造欠陥等の同時予測結果がほぼ妥当であることを裏付け
ることができた。
【0040】
【実施例2】図8乃至図11は本発明の第2実施例を示
し、図8は、濃度偏析や局所温度に依存するパラメータ
を考慮した結晶成長モデルに基づいて、デンドライト先
端成長速度を算出する処理コードフローチャート図を、
図9は、図8のモデルに基づいて、液相濃度を初期組成
の0.8、0.9、1.0、1.1、1.2倍変化させ
た場合の過冷度に対するデンドライト先端成長速度変化
を示す。図10は、濃度依存性を考慮しない結晶成長モ
デルに基づく鋳造プロセスシミュレーションで実施例1
と同じ鋳物凝固解析を行った場合の結晶成長解析核生成
位置出力図(A)と、濃度依存性を考慮した結晶成長モ
デルに基づく結晶成長解析核生成位置出力図(B)を示
す。図11は、濃度依存性を考慮した結晶成長モデルに
基づく結晶成長解析で評価した、鋳物上部突起部断面に
おける結晶粒方位を<001>極点図で示したもので、
異結晶方位がまわりの柱状晶方位と大きく異なっている
ことを示す。小さい円は、<001>方向から20°の
方向を示す。
【0041】本発明の第2実施例の鋳物方案作成方法で
利用する鋳造プロセスシミュレータでは、結晶成長解析
の結晶成長モデルに濃度依存性を組み込むことで、凝固
組織や異結晶欠陥予測精度を高めることができるもの
で、偏析対流解析から算出する濃度、温度に基づいて、
結晶成長解析用ミクロメッシュにおける結晶成長速度算
出の方法を以下に示す。
【0042】図8では、偏析対流解析で評価したマクロ
メッシュ重心の温度、液相濃度をミクロメッシュ重心の
温度、濃度に補間し、同図の(S6)の第一ステップで
各成分液相濃度Cν l,i、過冷度ΔTν(液相線温度
とミクロメッシュ重心温度との差)を結晶成長モデル算
出処理コードに入力する。ここで、上付き添え字νはミ
クロメッシュ、下付添え字lは液相、下付添え字iは合
金組成元素を示す。(S7)で、この過冷度をもとに、
液中拡散係数評価式から各成分の液中拡散係数Dl,i
を算出する。液中拡散評価式は、あらかじめ原子レベル
の物性解析等から、対象材料成分ごとに決定しておく。
【0043】次に、(S8)で、ミクロメッシュ液相濃
度をもとに、液相線勾配評価式から、各成分の液相線勾
配mを算出する。液相勾配評価式は、あらかじめ熱力
学解析等から、対象材料成分ごとに決定しておく。
【0044】さらに、(S9)で、各ミクロメッシュご
との上記Cν l,i、Dl,i、m をもとに、下記
〔数5〕の(式l)、(式m)からデンドライト先端成
長速度vを評価する。この詳細は、(メタラジカル ト
ランザクションA、第21巻A(1990)、176
7)のラパ等の論文に記載されているので詳細は省略す
るが、あらかじめ、ある一定のペクレ数のもとに、(式
l)をデンドライト先端半径Rについて解き、(式m)
から速度vを、そのペクレ数Peを用いて(式o)か
ら過冷度ΔTを算出し、過冷度ΔTとデンドライト先端
成長速度vの相関多項式(v=a ΔT+aΔ
)を得ておく。この相関式に各ミクロメッシュの過
冷度ΔTνを代入して、デンドライト先端速度vを評価
する。
【0045】
【数5】
【0046】最後に(S10)で各ミクロメッシュの成
長速度vを出力する。
【0047】従来の結晶成長解析で用いていた結晶成長
モデルでは、デンドライト先端場の溶質濃度が変わって
も、過冷度に対する成長速度は同じであったが、本発明
の第2実施例の濃度依存性を考慮した結晶成長モデルで
は、濃度変化に応じて結晶成長速度も変化し、凝固組織
や異結晶欠陥予測精度を従来手法よりも高めることがで
きる。この結晶成長モデルに基づいた結晶成長解析と偏
析対流解析との連成解析結果の実施例を以下に示す。こ
こでは、特定の材料を例として効果を示しているが、本
発明の結晶成長モデルは他のいずれの鋳造材料にも適用
できる。
【0048】図9は、図8のフローモデルに基づいて、
液相濃度をある組成の0.8、0.9、1.0、1.
1、1.2倍変化させた場合の過冷度に対するデンドラ
イト先端成長速度変化で、組成変化でデンドライト先端
成長速度が大きく変わることがわかる。
【0049】この濃度依存性結晶成長モデルの効果を確
認するために、濃度変化を考慮しない場合とする場合と
の連成解析を前記実施例と同じ解析対象、解析条件で実
施し、核生成位置に関する解析結果を図10の(A)
(B)に夫々濃度変化を考慮しない場合とする場合とし
て示している。(尚、同グラフ図は縦軸に高さ方向、横
軸に板厚方向を取っている。)このグラフの結果より、
濃度依存性ありの結果の方が濃度依存性なしの結果より
上下突起部下面の核生成数が増え、実際の現象をより模
擬できることがわかった。さらに、図11は、濃度依存
性あり結晶成長解析を含む連成解析結果のうち、上部突
起部断面での異結晶とそのまわりの柱状晶の結晶方位に
関する極点図結果を示す。これより、異結晶の方位は、
まわりの柱状晶よりも20°以上ずれていることが確認
できた。実際の基礎試験結果の異結晶方位も<001>
軸より20°以上ずれており、濃度依存性あり結晶成長
解析結果の妥当性を検証することができた。
【0050】この実施例2から、本発明の先進的鋳造プ
ロセスシミュレータにおいて、濃度依存性を考慮した結
晶成長モデルが有用であることを確認できた。
【実施例3】図12は、濃度偏析に関連したフレックル
欠陥を評価する指標で、横軸が温度勾配Gと凝固速度R
を用いたG(−1/2)(−1/4)値(デンドライ
トアーム間隔に比例)、縦軸が偏析の度合いによって変
わるレイリー数を示す。G −1/2)(−1/4)
値が大きいほど、レイリー数が大きいほど、フレックル
欠陥の発生可能性が高くなる。ここでは、実施例1、2
で述べた基礎試験片上面、下面のデータを示した。図1
3(A)は、基礎試験上部突起部における上面下面温
度、(B)は温度勾配時間変化を示す。特に、温度勾配
の時間変化ΔG/Δtは異結晶評価指標となる。図中の
上下面メッシュは、図4に図示されているもので
ある。
【0051】従って本発明の先進的鋳造プロセスシミュ
レーションを利用した鋳物方案作製方法では、ある鋳造
方案に基づく鋳造プロセスシミュレーションで算出する
濃度や温度から、偏析溶湯流れを考慮したフレックル欠
陥評価指標や異結晶発生機構を考慮した異結晶欠陥評価
指標を評価し、鋳物方案の良し悪しを判定する事が出来
る。
【0052】次にフレックル評価指標のレイリー数と異
結晶評価指標の温度勾配時間変化の算出方法を以下に示
す。レイリー数は、下記〔数6〕の(式p)及び(式
q)を用いて、偏析対流解析用マクロメッシュごとに算
出する。
【0053】
【数6】
【0054】ここで、〔数6〕のhは0から固液共存相
の高さHまで変化し、温度勾配をG、液相線温度をT
とするとh=(T−T)/Gで与えられる。本発明で
は、各マクロメッシュ重心温度が液相線温度より5〜1
0℃下がったところで、hを定義し、レイリー数を算出
する。gは重力加速度、Kは透過率で実施例1で説明し
たように結晶成長解析から評価する。αは熱伝達係数、
νは粘性を、ρは液相と固液共存相界面における液相
密度、ρ(h)は高さhにおける液相密度を表す。
【0055】一方、温度勾配時間変化は、対象とする鋳
物の偏析対流用マクロメッシュ重心温度が液相線温度に
なる時刻から液相線温度が約5〜10℃になる時刻まで
の温度勾配時間変化を図13(B)のように図示し、Δ
G/Δtを算出する。
【0056】従来のフレックル、異結晶欠陥評価指標
は、 溶湯の偏析対流を考慮していない、 異結晶の成長機構を考えていない 等の課題があったが、本発明では、の問題を解決で
きる評価指標を提案する。前記実施例1と同じ解析対
象、解析条件で偏析対流解析、結晶成長解析の連成解析
を実施し、本発明で考案したフレックル欠陥評価指標と
異結晶欠陥評価指標を算出した例を以下に示す。ここで
は、ある特定の材料を例として効果を示すが、本発明の
異結晶欠陥評価指標はその他の鋳造材料にも適用でき
る。
【0057】図12は、鋳物上面と下面のレイリー数、
(−1/2)(−1/4)値をプロットしたもの
で、実際にフレックル欠陥の出た下面レイリー数が大き
くなっていることがわかる。この場合、レイリー数が
0.07以上の場所でフレックル欠陥の発生する可能性
が高い。ただし、鋳物材料を変えた場合、欠陥評価基準
値をあらためて設定する必要がある。
【0058】図13の(B)のグラフ図は、異結晶の出
た上部突起部下面と異結晶の出なかった上部突起部上面
の温度勾配時間変化の一例を示す。これより、異結晶核
が生成した後、温度勾配が増大することで、異結晶が成
長することがわかる。異結晶評価指標として、ΔG/Δ
tが考えられ、この場合、ΔG/Δt>〜0.04(℃
/cm/s)で、生成核が異結晶として成長する可能性
が高い。ただし、鋳物材料を変えた場合、欠陥評価基準
値をあらためて設定する必要がある。ところで、異結晶
評価は、この指標とあわせて、鋳造プロセスシミュレー
ションから直接出力する凝固組織図結果も参考にして総
合的に行う。
【0059】この実施例から、レイリー数や温度勾配時
間変化の欠陥評価指標を使って鋳物方案の良し悪しを判
定する方法の有用性を示した。
【0060】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、偏析
対流解析手法と結晶成長解析手法とを下記2点のアイデ
アにより連成させて解けるようにしたために、鋳物鋳造
過程の濃度、流速、温度、固相率や鋳物鋳造後の凝固組
織、結晶方位、デンドライトアーム間隔を同時に予測可
能とすることが出来る。又本発明によれば、結晶成長解
析の結晶成長モデルに従来技術で無視していた濃度依存
性を組み込むことで、凝固組織や異結晶欠陥予測精度を
高めることができる。更に本発明によれば、ある鋳造方
案に基づく鋳造プロセスシミュレーションで算出する濃
度や温度から、偏析溶湯流れを考慮したフレックル欠陥
評価指標(レイリー数)や異結晶発生機構を考慮した異
結晶欠陥評価指標(液相線温度と以下約10℃での温度
勾配時間変化)を同時に評価し、鋳物方案の良し悪しを
判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、偏析・対流凝固モデルに基づく解析
と核生成・結晶成長モデルに基づく解析との連成解析フ
ローチャート図である。
【図2】 連成解析での算出データと連成データを示す
作用図である。
【図3】 偏析対流解析用マクロメッシュと結晶成長解
析用ミクロメッシュの相関図である。
【図4】 鋳物板幅中央断面の偏析対流用解析マクロメ
ッシュ図である。
【図5】 鋳物上面下面板幅中心上の鋳物成分Ta濃度
分布に関する偏析対流解析結果を示すグラフ図である。
【図6】 鋳物凝固組織に関する結晶成長解析結果を示
すグラフ図である。
【図7】 実際に鋳造した鋳物下面マクロ組織写真、鋳
物断面写真、異結晶部拡大写真を示す。
【図8】 本発明の第2実施例にかかる、濃度偏析や局
所温度に依存するパラメータを考慮した結晶成長モデル
に基づいて、デンドライト先端成長速度を算出する処理
コードフローチャート図である。
【図9】 本発明の第2実施例にかかる、液相濃度を初
期組成の0.8、0.9、1.0、1.1、1.2倍変
化させた場合の過冷度に対するデンドライト先端成長速
度変化を示すグラフ図である。
【図10】 濃度依存性を考慮しない結晶成長モデルに
基づく鋳造プロセスシミュレーションで実施例1と同じ
鋳物凝固解析を行った場合の結晶成長解析核生成位置出
力図(A)と、濃度依存性を考慮した結晶成長モデルに
基づく結晶成長解析核生成位置出力図(B)を示す。
【図11】 濃度依存性を考慮した結晶成長モデルに基
づく結晶成長解析で評価した、鋳物上部突起部断面にお
ける結晶粒方位を<001>極点図で示した描画図であ
る。
【図12】 濃度偏析に関連したフレックル欠陥を評価
する指標で、横軸が温度勾配Gと凝固速度Rを用いたG
(−1/2)(−1/4)値(デンドライトアーム間
隔に比例)、縦軸が偏析の度合いによって変わるレイリ
ー数を示す。
【図13】 (A)は、基礎試験上部突起部における上
面下面温度、(B)は異結晶の出た上部突起部下面と異
結晶の出なかった上部突起部上面の温度勾配時間変化の
一例を示す。
【図14】 本発明に適用される円筒形状鋳塊の凝固過
程模式図を示す。
【図15】 精度のよい凝固解析を行い、引け巣等の鋳
造欠陥対策と鋳物に最適な方案を得る手法を簡略化した
フローチャート図である。
【図16】 従来技術のセルラーオートマトン法を利用
した、核生成・結晶成長モデルに基づく凝固組織予測手
法をフローチャート図である。
【図17】 従来技術の連続・普通鋳造用にマクロ偏析・
対流を含む凝固解析シミュレーションシステムの手法を
簡略化したフローチャート図である。
【図18】 凝固解析から算出する鋳造欠陥評価指標と
しての従来の鋳造欠陥評価マップである。
【符号の説明】
1 液相 2 固液共存相 3 固相 4 溶湯流れ 5 固相の凝固組織 6 固液共存相のデンドライト 7 溶質再分布 11 偏析対流凝固解析ルーチン 12 結晶成長解析ルーチン 13、16 算出データ 14、15 連成データ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月3日(2001.8.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】ここで、〔数6〕のhは0から固液共存相
の高さHまで変化し、温度勾配をG、液相線温度をT
とするとh=(T−T)/Gで与えられる。gは重力
加速度、Kは透過率で実施例1で説明したように結晶成
長解析から評価する。αは熱伝達係数、νは粘性を、ρ
は液相と固液共存相界面における液相密度、ρ(h)
は高さhにおける液相密度を表す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】図13の(B)のグラフ図は、異結晶の出
た上部突起部下面と異結晶の出なかった上部突起部上面
の温度勾配時間変化の一例を示す。これより、異結晶核
が生成した後、温度勾配が増大することで、異結晶が成
長することがわかる。異結晶評価指標として、ΔG/Δ
tが考えられ、この場合、ΔG/Δt>0.0(℃/c
m/s)で、生成核が異結晶として成長する可能性が高
い。ただし、鋳物材料を変えた場合、欠陥評価基準値を
あらためて設定する必要がある。ところで、異結晶評価
は、この指標とあわせて、鋳造プロセスシミュレーショ
ンから直接出力する凝固組織図結果も参考にして総合的
に行う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野瀧 友博 横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重 工業株式会社基盤技術研究所内 (72)発明者 下畠 幸郎 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 Fターム(参考) 2G040 AA01 AA05 AB02 AB08 BA08 BA24 CA02 CA11 CB03 EB02 FA02 FA05 4E093 NB10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏析・対流凝固モデルに基づく偏析対流
    解析手法と核生成・結晶成長モデルに基づく結晶成長解
    析手法とを時間ステップごとに同時に行い、濃度、流
    速、温度、固相率、凝固組織、結晶方位、デンドライト
    アーム間隔、核生成位置を同時に出力し、これらをベー
    スに算出した鋳造欠陥指標から鋳造欠陥有無を予測する
    ことを特徴とする鋳造プロセスシミュレータ。
  2. 【請求項2】 前記偏析対流解析から結晶成長解析への
    連成データとして、温度、エンタルピー、液相濃度を用
    い、結晶成長解析から偏析対流解析への連成データとし
    て、固相率、透過率を用いるとともに、この透過率を、
    結晶成長解析で算出するデンドライトアーム間隔から算
    出することを特徴とする請求項1記載の鋳造プロセスシ
    ミュレータ。
  3. 【請求項3】 前記偏析対流解析での液相濃度、固相濃
    度は、結晶成長解析で算出する固相率、固相率時間増分
    (固相進展)に応じた固相濃度、液相濃度時間変化分か
    ら算出することを特徴とする請求項1記載の鋳造プロセ
    スシミュレータ。
  4. 【請求項4】 前記結晶成長解析手法の結晶成長モデル
    に濃度依存性を組み込んで、凝固組織や異結晶欠陥予測
    精度を高めたことを特徴とする請求項1記載の鋳造プロ
    セスシミュレータ。
  5. 【請求項5】 任意の鋳造方案に基づく鋳造プロセスシ
    ミュレーションで算出する濃度や温度から、偏析溶湯流
    れを考慮したフレックル欠陥評価指標(レイリー数)や
    異結晶発生機構を考慮した異結晶欠陥評価指標を同時に
    評価し、鋳物方案の良し悪しを判定することを特徴とす
    る鋳造プロセスシミュレータにおける判定方法。
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