JP3630327B2 - 固液共存状態金属スラリの製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融金属に電磁気場を印加して固液共存状態金属スラリにする固液共存状態金属スラリの製造装置に関する。
固液共存状態の金属材料、すなわち半溶融あるいは半凝固金属スラリは、通常、半凝固成形法(Reocasting)および半溶融成形法(Thixocasting)などの複合加工法の中間品をいう。そして、半凝固領域の温度で液相と球状の結晶粒とが適切な割合で混在した状態でチクソトロピー(Thixotropic)性により小さな力によっても変形が可能であり、かつ流動性に優れて液相のように成形加工が容易な状態の金属材料である。
ここで、半凝固成形法とは、完全に凝固されずに所定の粘性を有するスラリを鋳造あるいは鍛造でビレットや最終成形品を製造する加工法をいう。また、半溶融成形法とは、半凝固成形法により製造されたビレットを半溶融状態のスラリに再加熱した後、このスラリを鋳造あるいは鍛造して最終製品に製造する加工法をいう。
そして、このような半凝固あるいは半溶融成形法は、鋳造や溶融鍛造など溶融金属を利用する一般的な成形方法に比べて色々な長所を有している。例えば、これら半凝固あるいは半溶融成形法で使用する半溶融金属スラリは溶融金属より低温で流動性を有するので、このスラリに露出されるダイの温度を溶融金属の場合よりさらに低めることができ、これによりダイの寿命が延びる。
また、スラリがシリンダに沿って押し出される時に乱流の発生が少なくて鋳造過程で空気の混入を減らし、これにより最終製品への気孔発生を減らすことができる。その他にも凝固収縮が少なくて作業性が改善され、製品の機械的特性および耐食性が向上し、製品の軽量化が可能である。これにより、自動車や航空機産業分野、電気電子情報通信装備などの新素材として利用できる。
このように、これら半凝固成形方法あるいは半溶融成形法では、いずれも半凝固状態の金属スラリを使用するが、上述のように、半凝固成形法では溶融金属を所定の方法により冷却したスラリを使用し、半溶融成形法では固相のビレットを再加熱して得られたスラリを使用する。ここで、半凝固金属スラリは、金属の液相線と固相線との間で液相と固相とが共存する領域、すなわち、金属の半凝固領域の温度で金属内部の結晶粒界が部分的には溶解され、部分的には固相成分として残留する状態の金属材料を意味し、半凝固成形法により製造された、すなわち溶融金属から冷却されて得られた半凝固状態のスラリをいう。
また、従来の半凝固成形方法としては、製造過程によって、溶融金属中に複数の結晶核を生成させてから、この結晶核を成長させて半凝固状態の金属スラリを製造する核生成方法と、溶融金属中に初期凝固層である樹枝状結晶を成長させてから、この樹枝状結晶を破砕して半凝固状態の金属スラリを製造する攪拌方法とに大別されている。
ところで、従来の核生成方法では、溶融金属の注湯温度を非常に低く維持しなければならず、冷却速度を非常に遅くして工程を徐々に進行させて複数の結晶核を生成させてから、これら結晶核を成長させるものである。このため、半凝固状態の金属スラリの製造時間が長すぎて、実際の量産工程に適用することが難しいという問題がある。
一方、従来の攪拌方法は、溶融金属を冷却する時に主に液相線以下の温度で攪拌して既に生成された樹枝状結晶組織を破砕することによって半凝固成形に適合に球状の粒子に作る方法である。この攪拌方法には、機械的攪拌法や電磁気的攪拌法、ガスバブリング、低周波、高周波あるいは電磁気波振動を利用するか、電気的衝撃による攪拌法などが利用されている。
そして、液相固相混合物を製造する方法としては、溶融金属が固相化する間に強く攪拌しながら冷却している。さらに、この液相固相混合物を製造するための製造装置は、容器に固液混合物を注湯した状態で攪拌棒により攪拌するが、この攪拌棒は所定の粘性を有する固液混合物を攪拌して流動させることによって混合物内の樹枝状構造を破砕するか、破砕された樹枝状構造を分散させるものである(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、上記液相固相混合物を製造する方法では、冷却過程で既に形成された樹枝状結晶形態を粉砕し、この粉砕した樹枝状結晶を結晶核として球状の結晶を得ている。このため、初期凝固層の形成による潜熱の発生により冷却速度の減少と製造時間の増加および攪拌容器内での温度不均一による不均一な結晶状態など多くの問題を有している。また、この液相固相混合物を製造するための製造装置の場合にも、機械的攪拌が有する限界によって容器内の温度分布が不均一であり、チャンバ内で作動するために作業時間および後続工程への連係が非常に難しい限界を有している。
また、半凝固合金スラリの製造装置としては、コイル付き電磁気場印加手段の内側に順次に冷却マニホールドおよび金型を備えている。そして、この金型の上側は溶融金属が連続して注湯されるように形成されており、冷却マニホールドには冷却水が流れて金型を冷却するように構成されている。さらに、上記半凝固合金スラリの製造装置による半凝固合金スラリの製造方法によれば、まず、金型の上側から溶融金属を注湯し、この溶融金属が金型内を通過しながら冷却マニホールドにより固相化領域を形成するが、ここで電磁気場印加手段により磁場が印加されて樹枝状組織を破砕しながら冷却が進み、下部からインゴットが形成される(例えば、特許文献2参照。)。
ところが、上記半凝固合金スラリの製造方法においても、凝固した後に振動を加えて樹枝状組織を破砕するものであるため、工程上および組織構成上多くの問題を有している。また、上記半凝固合金スラリの製造装置の場合にも、溶融金属が上部から下部に進みながら連続してインゴットを形成しているが、この溶融金属を連続して成長させることによって金属の状態を調節し難く、全体的な工程制御が容易ではない。さらには、電磁気場を印加する前の段階で金型を水冷させているため、この金型の壁体付近と中心付近とでの温度差が著しく大きい。
この外にも、この種の半凝固成形法あるいは半溶融成形法は、多様に存在するが、いずれも既に形成された溶融金属中の樹枝状組織を破砕して、この樹枝状組織を結晶核として使用するものである。
さらに、半溶融成形材の製造方法としては、合金中のあらゆる金属成分が液体状態に存在するように合金を加熱した後、得られる液体金属を液相線と固相線との間の温度に冷却する。この後、剪断力を加えて冷却される溶融金属から形成される樹枝状構造を破壊して半溶融成形材を製造している(例えば、特許文献3参照。)。
また、半凝固鋳造用金属スラリの製造方法としては、液相線温度の付近または液相線より50℃まで高い温度で溶融金属を容器に注湯する。この後、溶融金属が冷却される過程で溶融金属の少なくとも一部が液相線温度以下になる時点、すなわち最初に液相線温度を通過する時点で、例えば超音波振動により溶融金属に運動を加える。さらに、この溶融金属に運動を加えた後、徐々に冷却して粒相結晶形態の金属組織を有する半凝固鋳造用金属スラリを製造している(例えば、特許文献4参照。)。
ところが、上記半凝固鋳造用金属スラリの製造方法でも、超音波振動などの力が冷却初期に形成される樹枝状結晶組織を破砕するために使われている。また、注湯温度を液状線温度より高くすれば、粒相の結晶形態を得難く、同時に溶湯を急激に冷却し難い。さらに、表面部と中心部の組織が不均一になる。
さらに、半溶融金属の成形方法としては、溶融金属を容器に注湯した後、振動バーを溶融金属中に浸漬させて溶融金属と直接接触させた状態で振動させて溶融金属に振動を与えている。具体的には、振動バーの振動力を溶融金属に伝達することによって、液相線温度以下で結晶核を有する固液共存状態の合金を形成する。この後、所定の液相率を示す成形温度まで溶融金属を容器内で冷却しながら30秒以上60分以下の間維持することによって結晶核を成長させて半溶融金属を得る。ところが、この方法で得られる結晶核の大きさは約100μmであり、工程時間が相当長く、所定大きさ以上の容器に適用し難い(例えば、特許文献5参照。)。
また、半溶融金属スラリの製造方法としては、冷却と攪拌とを同時に精密に制御することによって半溶融金属スラリを製造している。具体的には、溶融金属を混合容器に注湯した後、混合容器周囲に設置された固定子アセンブリを作動させて容器内の溶融金属を急速に攪拌するのに十分な起磁力を発生させる。さらに、混合容器の周囲に設けられて容器および溶融金属の温度を精密に調節する作用をするサーマルジャケットを利用して溶融金属の温度を急速に落とす。溶融金属が冷却される時に溶融金属は攪拌され続け、固相率が低い時には速い攪拌を提供し、固相率が増加するにつれて増大した起電力を提供する方式で調節される(例えば、特許文献6参照。)。
米国特許第3948650号明細書(第3−8欄および図3) 米国特許第4465118号明細書(第4−12欄、図1、図2、図5および図6) 米国特許第4694881号明細書(第2−6欄) 特開平11−33692号公報(第3−5頁および図1) 特開平10−128516号公報(第4−7頁および図3) 米国特許第6432160号明細書(第7−15欄、図1Aないし図2Bおよび図4)
上述したように、上記従来の半凝固金属スラリの製造方法およびその製造装置では、冷却過程で既に形成された樹枝状結晶形態を粉砕して粒相の金属組織にするために剪断力を利用している。したがって、溶融金属の少なくとも一部が液相線以下に下がってはじめて振動などの力が有効に作用するので、初期凝固層の形成による潜熱の発生により冷却速度の減少および製造時間の増加など各種の問題を避けにくい。また、得られた金属組織も容器内での温度の不均一によって全体的に均一でかつ微細な組織を得難く、溶融金属の容器への注湯温度を調節しなければ容器壁面部と中心部との温度差によって組織の不均一性がさらに増大してしまうという問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、短時間に高品質の固液共存状態金属スラリを製造でき、排出が容易で、後続工程との連繋性が向上できる固液共存状態金属スラリの製造装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の固液共存状態金属スラリの製造装置は、溶融金属が収容され、少なくとも一端が開口し、この開口から固液共存状態金属スラリが排出され、開口側に向けて拡開したテーパ状の注湯部と、この注湯部の開口を開閉する開閉手段と、所定の電磁気場を前記注湯部に印加する攪拌手段とを具備したものである。
そして、注湯部の一端の開口を開閉手段にて閉塞した状態で、この注湯部に溶融金属を収容させて、この注湯部に所定の電磁気場を攪拌手段にて印加して、固液共存状態金属スラリを製造する。この後、注湯部の開口を開閉手段にて開放して、この開口から固液共存状態金属スラリを排出させる。この結果、短時間に高品質の固液共存状態金属スラリを製造できるとともに、この固液共存状態金属スラリを注湯部の開口から容易に排出できるので、この注湯部から排出された固液共存状態金属スラリの後続工程との連繋性を向上できる。さらに、注湯部を開口側に向けて拡開したテーパ状としたことにより、注湯部の開口側から固液共存状態金属スラリをより容易に排出できる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置は、請求項1記載の固液共存状態金属スラリの製造装置において、開閉手段は、注湯部の開口に開閉可能に取り付けられた蓋体であるものである。
そして、開閉手段を、注湯部の開口に取り付けられた蓋体とすることにより、この注湯部の開口の開閉がより簡単な構成になるとともに、この開口の開閉がより容易にできる。このため、この注湯部での固液共存状態金属スラリの製造がより容易になるとともに、この注湯部の開口からの固液共存状態金属スラリの排出をより容易にできる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置は、請求項1記載の固液共存状態金属スラリの製造装置において、開閉手段は、注湯部の開口から進退可能に挿入されたプランジャであるものである。
そして、開閉手段を、注湯部の開口から進退可能に挿入されたプランジャとすることにより、この注湯部の開口の開閉がより簡単な構成で確実にできる。このため、この注湯部での固液共存状態金属スラリの製造がより容易かつ確実にできるとともに、この注湯部の開口からの固液共存状態金属スラリの排出をより容易にできる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置は、請求項1ないしいずれか記載の固液共存状態金属スラリの製造装置において、注湯部は、非磁性体にて構成されているものである。
そして、注湯部を非磁性体で構成することにより、この注湯部に電磁気場を印加しても誘導加熱を起さず発熱しなくなるので、この注湯部に注湯した溶融金属が冷却しやすい。よって、この注湯部に注湯された溶融金属への攪拌手段による電磁気場の印加をより効率良くできるから、固液共存状態金属スラリをより効率良く製造できる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置は、請求項1ないしいずれか記載の固液共存状態金属スラリの製造装置において、注湯部は、一端に対向した他端が開口し、この注湯部の他端の開口から進退可能に挿入され、固液共存状態金属スラリを加圧する加圧手段を具備したものである。
そして、注湯部の一端の開口が開閉手段にて閉塞された状態で、この注湯部の他端の開口から進退可能に挿入された加圧手段にて固液共存状態金属スラリを加圧する。この結果、この注湯部でより短時間に高品質の固液共存状態金属スラリを製造できるとともに、所望する形状の固液共存状態金属スラリが簡単な構成で容易にできる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置は、請求項1ないしいずれか記載の固液共存状態金属スラリの製造装置において、注湯部に注湯された溶融金属に初期凝固層が形成されない程度の電磁気場を、前記注湯部に溶融金属が注湯される前から前記攪拌手段にて印加させる制御手段を具備したものである。
そして、注湯部に注湯された溶融金属に初期凝固層が形成されない程度の電磁気場を、注湯部に溶融金属が注湯される前から攪拌手段にて制御手段が印加する。よって、注湯部に注湯した溶融金属に初期凝固層を形成させることなく、この溶融金属への電磁気場の印加にて、この溶融金属中に結晶核を生成できる。このため、この溶融金属中の初期凝固層の形成による凝固潜熱を発生させることなく、この溶融金属中の結晶核を成長させて固液共存状態金属スラリを製造できる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置は、請求項1ないしいずれか記載の固液共存状態金属スラリの製造装置において、注湯部に注湯された溶融金属に樹枝状結晶が形成されない程度の電磁気場を、前記注湯部に溶融金属が注湯される前から前記攪拌手段にて印加させる制御手段を具備したものである。
そして、注湯部に注湯された溶融金属に樹枝状結晶が形成されない程度の電磁気場を、注湯部に溶融金属が注湯される前から攪拌手段にて制御手段が印加する。よって、注湯部に注湯した溶融金属に樹枝状結晶を形成させることなく、この溶融金属への電磁気場の印加にて、この溶融金属中に結晶核を生成できる。このため、この溶融金属中の樹枝状結晶の形成による凝固潜熱を発生させることなく、この溶融金属中の結晶核を成長させて固液共存状態金属スラリを製造できる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置は、請求項または記載の固液共存状態金属スラリの製造装置において、制御手段は、注湯部に注湯された溶融金属に結晶核が生成された時点で攪拌手段による電磁気場の印加を終了させるものである。
そして、注湯部に注湯された溶融金属に結晶核が生成された時点で、攪拌手段による電磁気場の印加を制御手段にて終了させることにより、注湯部に注湯した溶融金属に初期凝固層を形成させることなく、この注湯部内の溶融金属中に結晶核を生成できる。このため、この溶融金属の初期凝固層の形成による凝固潜熱が発生しなくなるので、この溶融金属中の結晶核を効率良く成長させて固液共存状態金属スラリを製造できる
請求項1記載の固液共存状態金属スラリの製造装置によれば、短時間に高品質の固液共存状態金属スラリを製造できるとともに、この注湯部の開口から固液共存状態金属スラリを容易に排出できるから、この注湯部から排出された固液共存状態金属スラリの後続工程との連繋性を向上できる。さらに、注湯部を開口側に向けて拡開したテーパ状としたことにより、この開口から固液共存状態金属スラリをより容易に排出できる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置によれば、請求項1記載の固液共存状態金属スラリの製造装置の効果に加え、開閉手段を、注湯部の開口に取り付けられた蓋体とすることにより、この注湯部の開口の開閉がより簡単な構成になるとともに、この開口の開閉が容易にできるため、この注湯部での固液共存状態金属スラリの製造をより容易にでき、この注湯部の開口からの固液共存状態金属スラリの排出をより容易にできる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置によれば、請求項1記載の固液共存状態金属スラリの製造装置の効果に加え、開閉手段を、注湯部の開口から進退可能に挿入されたプランジャとすることにより、この注湯部の開口の開閉がより簡単な構成で確実にできるため、この注湯部での固液共存状態金属スラリの製造をより容易かつ確実にでき、この注湯部の開口からの固液共存状態金属スラリの排出をより容易にできる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置によれば、請求項1ないしいずれか記載の固液共存状態金属スラリの製造装置の効果に加え、注湯部を非磁性体で構成することにより、この注湯部に電磁気場を印加しても誘導加熱を起さず発熱しなくなり、この注湯部に注湯した溶融金属が冷却しやすいので、この注湯部に注湯された溶融金属への攪拌手段による電磁気場の印加をより効率良くできるから、固液共存状態金属スラリをより効率良く製造できる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置によれば、請求項1ないしいずれか記載の固液共存状態金属スラリの製造装置の効果に加え、注湯部の一端の開口が開閉手段にて閉塞された状態で、この注湯部の他端の開口から進退可能に挿入された加圧手段にて固液共存状態金属スラリを加圧することにより、この注湯部でより短時間に高品質の固液共存状態金属スラリを製造できるとともに、所望する形状の固液共存状態金属スラリが簡単な構成で容易にできる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置によれば、請求項1ないしいずれか記載の固液共存状態金属スラリの製造装置の効果に加え、注湯部に注湯された溶融金属に初期凝固層が形成されない程度の電磁気場を、注湯部に溶融金属が注湯される前から攪拌手段にて制御手段が印加することにより、注湯部に注湯した溶融金属に初期凝固層を形成させることなく、この溶融金属への電磁気場の印加にて、この溶融金属中に結晶核を生成できるから、この溶融金属中の初期凝固層の形成による凝固潜熱を発生させることなく、この溶融金属中の結晶核を成長させて固液共存状態金属スラリを製造できる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置によれば、請求項1ないしいずれか記載の固液共存状態金属スラリの製造装置の効果に加え、注湯部に注湯された溶融金属に樹枝状結晶が形成されない程度の電磁気場を、注湯部に溶融金属が注湯される前から攪拌手段にて制御手段が印加することにより、注湯部に注湯した溶融金属に樹枝状結晶を形成させることなく、この溶融金属への電磁気場の印加にて、この溶融金属中に結晶核を生成できるため、この溶融金属中の樹枝状結晶の形成による凝固潜熱を発生させることなく、この溶融金属中の結晶核を成長させて固液共存状態金属スラリを製造できる。
請求項記載の固液共存状態金属スラリの製造装置によれば、請求項または記載の固液共存状態金属スラリの製造装置の効果に加え、注湯部に注湯された溶融金属に結晶核が生成された時点で、攪拌手段による電磁気場の印加を制御手段にて終了させることにより、注湯部に注湯した溶融金属に初期凝固層を形成させることなく、この注湯部内の溶融金属中に結晶核を生成できるため、この溶融金属の初期凝固層の形成による凝固潜熱が発生しなくなるので、この溶融金属中の結晶核を効率良く成長させて固液共存状態金属スラリを製造できる
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
固液共存状態金属スラリとしての半凝固金属スラリSの製造装置にて用いる半凝固金属スラリの製造方法は、注湯工程によってスリーブ2への溶融金属Mの注湯が完了する前に電磁気場を印加して攪拌する。すなわち、このスリーブ2に溶融金属Mを注湯する前、このスリーブ2に溶融金属Mを注湯すると同時に、またはこのスリーブ2に溶融金属Mを注湯する最中、すなわち注湯しながら電磁気場による攪拌をすることによって、初期樹枝状組織の生成を遮断する。このとき、この攪拌には電磁気場の代わりに超音波などを利用することもできる。
すなわち、電磁気場を印加する攪拌部1に取り囲まれたスリーブ2内のスラリ製造領域Tに電磁気場を印加して溶融金属Mを注湯する。このとき、電磁気場の印加は溶融金属Mを攪拌できる強度でなされる。すなわち、このときの電磁気場の印加は、注湯される溶融金属Mに初期凝固層および樹枝状結晶が形成されないほどの強度でなされる。
この後、図4に示すように、注湯工程として溶融金属Mを注湯温度Tでスリーブ2内に注湯する。このとき、このスリーブ2には電磁気場が印加されて攪拌が実施され得る状態とされている。この際、溶融金属Mの注湯と同時に電磁気場の攪拌を実施できるとともに、この溶融金属Mが注湯される途中で電磁気場の攪拌を実施することもできる。
このように、スリーブ2への溶融金属Mの注湯が完了する前に電磁気場の攪拌を実施することによって、この溶融金属Mが低温のスリーブ2の内壁で初期凝固層に形成されず、これにより樹枝状組織に成長することもない。すなわち、電磁気場をスリーブ2に印加させた状態で溶融金属Mをスリーブ2内に注湯することによって、溶融金属Mが注湯されたスリーブ2の壁面部と中心部、上部と下部間に温度差がほとんどない。したがって、従来の技術で発生するスラリ注湯容器壁面付近での初期凝固が起きず、スリーブ2内の溶融金属M全体が均一に液相線温度直下に急速に冷却されて多数の結晶核を同時に発生させることができる。このため、このスリーブ2内のスラリ製造領域T全体にわたって微細な結晶核が同時に発生し、このスラリ製造領域T内の溶融金属Mの全体が均一に液相線温度直下に急速に冷却させて多数の結晶核が同時に発生する。
これは、このスラリ製造領域Tに溶融金属Mを注湯する前から、または注湯と同時に電磁気場を印加することによって活発な初期攪拌作用により内部の溶融金属Mと表面の溶融金属Mとがよく攪拌されて溶融金属M内での熱伝逹が速く、スリーブ2の内壁での初期凝固層の形成が抑制されるからである。
また、よく攪拌されている溶融金属Mと低温のスリーブ2の内壁との対流熱伝逹が増加して溶融金属M全体の温度を急速に冷却させる。すなわち、注湯された溶融金属Mが注湯と同時に電磁気場攪拌により分散粒子に分散され、この分散粒子が結晶核としてスリーブ2内に均一に分布され、これによりスリーブ2全体にわたって温度差が発生しなくなる。これに対し、上述の従来の技術によれば、注湯された溶融金属が低温のスリーブの内壁と接触して急速な対流熱伝逹により初期凝固層での樹枝状結晶として成長する。
そして、このような原理は凝固潜熱と関連して説明できる。すなわち、スリーブ2の壁面での溶融金属Mの初期凝固が発生しないので、それ以上凝固潜熱が発生せず、これにより溶融金属Mの冷却は単に溶融金属Mの比熱(凝固潜熱の約1/400に過ぎない)に該当する程度の熱量の放出だけで可能になる。
したがって、従来の技術においてスラリ注湯容器の内側壁面部でよく発生する初期凝固層での樹枝状結晶が形成されずに、スリーブ2内の溶融金属Mが、このスリーブ2の壁面から中心部にわたって全体的に均一にかつ急速に温度が低下する様子を示す。このときの温度を下げるのに必要な時間は溶融金属Mの注湯後約1秒以上10秒以下程度の短い時間にすぎない。これにより、多数の結晶核がスリーブ2内の溶融金属M全体にわたって均一に生成され、結晶核生成密度の増加により結晶核間の距離は非常に短くなって樹枝状結晶が形成されずに独立的に成長して球状粒子を形成する。
これは溶融金属Mが注湯される最中に電磁気場が印加される場合にも同じである。すなわち、溶融金属Mの注湯が完了する前に電磁気場を印加することにより、スリーブ2の内壁面に初期凝固層が形成されなくなる。
このとき、溶融金属Mの注湯温度Tは液相線温度より高く、液相線+100℃より低い温度(溶湯過熱度=0℃以上100℃以下)に維持されることが望ましい。上述のように、溶融金属Mが注湯されたスリーブ2内全体が均一に冷却されるので、このスリーブ2内に溶融金属Mを注湯する前に液相線温度付近まで冷却させる必要がなく、液相線+100℃程度高い温度を維持してもよいからである。
一方、溶融金属をスラリ製造容器に注湯した後、溶融金属の一部が液相線以下になる時点でスラリ製造容器に電磁気場を印加する従来の方法によれば、スラリ製造容器の壁面に初期凝固層が形成されながら凝固潜熱が発生するが、凝固潜熱は比熱の約400倍程度であるため、スラリ製造容器全体の溶融金属の温度が下がるには長時間がかかる。したがって、このような従来の方法では、液相線程度または液相線より50℃程度高い温度まで溶融金属の温度を冷却させた後、スラリ製造容器に注湯することが一般であった。
また、電磁気場攪拌を終了する時点は、図4に示すように、スリーブ2内の溶融金属Mが一部分でも、この溶融金属Mの温度が液相線温度T以下に下がった時に、すなわち、この溶融金属Mの固相率が約0.001程度で所定の結晶核が形成された後ならいつ終了しても問題にならない。言い換えると、この電磁気場攪拌を終了する時点は、スリーブ2内の溶融金属Mの温度が液相線付近に至った時点である。さらに、この電磁気場攪拌を終了する時点は、スリーブ2内の溶融金属M中に結晶核が均一に生成された時点である。
ここで、溶融金属Mから半凝固金属スラリSを製造する際の核生成密度は、溶融金属Mとして使用される合金系によらず、この溶融金属Mの固相率が0.0001(10−4)以上となった時点で、すべての合金系における結晶核生成が完了する。また、溶融金属Mの固相率を0.0001の単位まで計測するのは容易ではない。工業的に利用し得る半凝固金属スラリSを製造する目的で、この半凝固金属スラリSの原料として用いられる溶融金属Mの結晶核生成を確実に終了させるためには、この溶融金属Mの固相率を0.0001とする必要はなく、0.001以上で充分であり、生産性の観点から0.001以上とすることがより好ましい。
すなわち、溶融金属M中にいかに結晶核生成の核を増加させるかについては、この溶融金属M中に結晶核生成が生じる間だけ、この溶融金属Mに電磁気場を印加するだけで足りる。したがって、この溶融金属Mに電磁気場をより長時間印加して、この溶融金属Mの固相率を0.001以上としても半凝固金属スラリSを製造できるが、この溶融金属Mの固相率が0.1以上になった状態でも電磁気場を印加し続けるのは、エネルギ効率面で望ましくなく、製造される半凝固金属スラリSの凝固組織が粗大化され、かつ工程時間が伸びるために望ましくないからである。
さらに、スリーブ2に溶融金属Mを注湯してこの溶融金属Mを冷却させる段階まで電磁気場を印加して後続の加圧する段階、例えばダイカスト工程や熱間鍛造工程などの成形工程前に電磁気場攪拌を停止させてもよい。これは既にスリーブ2のスラリ製造領域T全体にわたって結晶核が均一に分布しているために、この結晶核を中心として結晶粒が成長する段階での電磁気場攪拌は製造される半凝固金属スラリSの特性に影響を及ぼさないからである。
したがって、上記電磁気場攪拌は、少なくとも溶融金属Mの固相率が0.001以上0.7以下になるまで持続させる。言い換えると、この電磁気場攪拌は、溶融金属Mの固相率が0.001以上0.7以下となった時点で、この溶融金属Mが注湯されたスリーブ2に対する電磁気場の印加が終了される。ただし、上記電磁気場攪拌の持続時間は、エネルギ効率面を考えれば、少なくともスリーブ2内の溶融金属Mの固相率が0.001以上0.4以下になるまで持続させ、さらに望ましくは溶融金属Mの固相率が0.001以上0.1以下になるまで持続させる。
そして、電磁気場攪拌を加えた後には、製造された半凝固金属スラリSをスリーブ2の外側へ移送して後続工程に繋ぐ。すなわち、後続工程のダイカスト工程や熱間鍛造工程、ビレットの製造工程に移して成形する。
一方、スリーブ2への溶融金属Mの注湯が完了する前に電磁気場を印加して、均一な分布の結晶核を形成した後、冷却工程としてスリーブ2を冷却させて生成された結晶核の成長を加速させる。したがって、このような冷却工程は、スリーブ2に溶融金属Mを注湯するときからしてもよい。また、この冷却工程の間にも電磁気場を持続的に印加させてもよい。したがって、この冷却工程は、スリーブ2に電磁気場が印加される間にしてもよい。これにより、スリーブ2で半凝固状態の半凝固金属スラリSを製造した後、これを直ちに後続工程である成形工程で使用できる。なお、このような冷却工程は、別途の温度調節装置20にてすることもあるが、自然的に空冷させてもよい。
さらに、このような冷却工程は、後続工程としての成形工程前まで持続できる。すなわち、溶融金属Mが0.1以上0.7以下の固相率に到達する時点tまで冷却工程を維持させる。すなわち、半凝固金属スラリSが鋳込まれて製造される製品の肉厚が薄く形状が複雑な場合には、実験的に、溶融金属Mの固相率が0.1となるまで冷却して、この溶融金属Mをより液状にして、半凝固金属スラリSが鋳型内で凝固するまでの時間を長くし、この半凝固金属スラリSの鋳型への流れ込み速度を速くする必要があるからである。
これに対し、この半凝固金属スラリSが鋳込まれて製造される製品の肉厚が厚く形状が単純な場合には、実験的に、溶融金属Mの固相率が0.7となるまで冷却して、この溶融金属Mをより固状にし、半凝固金属スラリSが鋳型内で凝固するまでの時間を短くして、この半凝固金属スラリSの流れ込み速度を遅くしても問題がないからである。
この結果、半凝固金属スラリSの製造に用いる溶融金属Mの固相率を0.1以上0.7以下にすれば、この溶融金属Mとして用いられる合金系に関わらず、この溶融金属Mから製造された半凝固金属スラリSにより、あらゆる形状のダイスト製品を製造できる。また、溶融金属Mのスリーブ2への注湯時点から固相率0.1以上0.7以下の半凝固金属スラリSへと形成される時点までの所要時間が30秒以上60秒以下にすぎない。したがって、溶融金属Mから半凝固金属スラリSを60秒内、すなわち1分以内に製造するためには、この溶融金属Mの固相率が0.1以上0.7以下となるまで冷却すればよい。
このとき、この溶融金属Mの冷却速度は0.2℃/sec以上5.0℃/sec以下程度とするが、より好ましくは、結晶核の分布度および粒子の微細度によって0.2℃/sec以上2.0℃/sec以下にする。これは、溶融金属Mに電磁気場を印加して半凝固金属スラリSを製造する場合には、結晶核の分布度および粒子の微細度などの観点から、電磁気場を印加して結晶核生成が終了した溶融金属Mを、少なくとも0.2℃/sec以上の冷却速度で冷却する必要があるからである。
すなわち、この溶融金属Mの冷却速度を0.2℃/sec以下にした場合には、この溶融金属M中の結晶核が成長し過ぎて大きくなり過ぎてしまい、この溶融金属Mから半凝固金属スラリSを製造する際に必要な時間が長くなるので、この溶融金属Mから製造される半凝固金属スラリSの生産性および機械的な性質が低下してしまう。このため、この溶融金属Mの冷却速度を少なくとも0.2℃/sec以上にする必要があるとともに、この溶融金属Mの冷却速度は、基本的に速ければ速いほど半凝固金属スラリSの製造に必要な時間を短縮でき、エネルギ効率を向上できるので好ましい。
ところが、この溶融金属Mの冷却速度を5℃/sec以上にすると、この溶融金属Mを冷却する際に、この溶融金属M中に樹枝状結晶が形成されてデンドライト化して凝固してしまう。また、この溶融金属M中に形成された結晶核間の距離が大きい場合には、この溶融金属Mを0.2℃/sec程度の比較的ゆっくりとした速度で冷却することにより、この溶融金属M中の結晶核を大きく成長できる。これに対し、この溶融金属M中に形成された結晶核間の距離が小さい場合には、この溶融金属M中の結晶核を余り大きく成長させる必要がないので、この溶融金属Mを5℃/sec程度の比較的速い速度で冷却することが好ましい。
さらに、この溶融金属Mが注湯されるスリーブ2の断面積が大きい場合には、この溶融金属Mを0.2℃/sec程度の比較的ゆっくりとした速度で冷却することが好ましい。これに対し、溶融金属Mが注湯されるスリーブ2の断面積が小さい場合には、この溶融金属Mを5℃/sec程度の比較的速い速度で冷却しても、溶融金属M中の結晶核を十分に成長できる。
ここで、スリーブ2に注湯した溶融金属M中での結晶核の生成は、このスリーブ2に注湯する際の溶融金属Mの温度、すなわち注湯温度に依存する。なお、この注湯温度としては、溶融金属Mの液相線温度+100℃のように、この液相線温度からどの程度加熱したかを示す加熱度によって示すことができる。そして、この加熱度は、溶融金属Mをスリーブ2に注湯してから、この溶融金属M中に結晶核が生成されるまでの段階に重要な影響を及ぼす。
これに対し、溶融金属M中に結晶核を生成させた後から、鋳込んだ半凝固金属スラリSの凝固が完了するまでの結晶成長は、この溶融金属Mから製造された半凝固金属スラリSを鋳込んで製造される製品の肉厚が重要な影響を及ぼす。したがって、電磁気場を印加して結晶核生成が終了した後に、この結晶核を成長させる際の溶融金属Mの冷却速度は、この溶融金属Mをスリーブ2に注湯する前の結晶核を生成するための溶融金属Mの加熱度と、この溶融金属Mから形成された半凝固金属スラリSから製造される製品の肉厚とのそれぞれに依存する。すなわち、溶融金属Mの加熱度が一定で製品の肉厚が決まれば、鋳込んだ半凝固金属スラリSの冷却速度が自然に決まる。
ここで、溶融金属Mの加熱度が高い場合には、この溶融金属M中に生成される結晶核の数、すなわち核生成数が減少するので、この溶融金属Mの冷却速度を遅くする必要がある。また、この溶融金属Mの加熱度が低い場合には、この溶融金属M中に生成される核生成数が増加するので、この溶融金属Mの冷却速度を速くできるから、この溶融金属Mから製造される半凝固金属スラリSの粒子の細微化が可能となる。
したがって、この溶融金属Mの冷却速度を0.2℃/sec以上5℃/sec以下とし、この溶融金属Mをスリーブ2に注湯する時の温度を、この溶融金属Mの液相線+100℃より低くすれば、鋳物産業において使用し得る範囲で、かつ所定の固相率を有する半凝固状態の半凝固金属スラリSを製造でき、これを直ちにビレット製造工程へと移送工程にて移送させて急冷により半溶融成形用ビレットを製造したり、ダイカストや鍛造、プレス加工工程へ移送させて最終製品に成形する。
このとき、この半凝固金属スラリSを製造する時間を顕著に短縮できるが、溶融金属Mのスリーブ2への注湯時点から固相率0.1以上0.7以下の金属スラリ形態の金属材料に形成される時点までかかる時間は30秒以上60秒以下にすぎない。これにより製造された半凝固金属スラリSを使用して製品を成形すれば均一でかつ緻密な球状の結晶構造を得ることができる。
また、この半凝固金属スラリSは、再びダイカスト、溶湯鍛造、鍛造、プレス加工などの2次成形段階を2次成形工程で経ることができる。ビレット状に製造された半凝固金属スラリSは、適当な長さに切断してスラグにでき、2次成形のためにスラグは、再加熱工程による再加熱を通じて半溶融状態に回復される。さらに、この半凝固金属スラリSに含まれていた金属粒子は、平均粒径が10μm以上60μm以下の微細な球状であり、粒径分布も均一である。
次に、上記半凝固金属スラリの製造方法を用いた半凝固金属スラリの製造装置を図1ないし図3を参照して説明する。
図1ないし図3に示す半凝固金属スラリの製造装置は、いわゆるバッチ式であり、両端が開放されて開口された細長円筒状の筒状部としての注湯部であるスリーブ2を備えている。このスリーブ2は、このスリーブ2内に注湯される溶融金属Mを急速に冷却できるように、伝導性に優れ、かつ磁性を有さない非磁性体である金属などにて形成されている。また、このスリーブ2は、このスリーブ2自体の温度を溶融金属Mの温度まで上昇させると、このスリーブ2自体が溶けてしまうおそれがあるから、このスリーブ2の温度を溶融金属Mの温度まで上昇させることができない。したがって、このスリーブ2では、このスリーブ2に溶融金属Mを注湯した直後に、この溶融金属Mに電磁気場を印加した場合には、スリーブ2と溶融金属Mとの温度差が大きく、この溶融金属Mのスリーブ2と接する部分周辺では瞬時に樹枝状結晶が形成されてしまう。
さらに、このスリーブ2は、上下方向に沿った軸方向を有するように設置されており、この軸方向に沿った一端である上端に形成された上側開口部2aと、この上端に対向した下端に形成された下側開口部2bとのそれぞれが同心状に連通した状態で開口している。そして、このスリーブ2は、このスリーブ2の上側開口部2aから液相の溶融金属Mが注湯されて、この溶融金属Mが内部に収容できるように構成されている。また、このスリーブ2は、このスリーブ2の下側開口部2bから、このスリーブ2の内部に注湯した溶融金属Mから製造された半凝固金属スラリSが排出される。さらに、このスリーブ2の周面部は、上側開口部2aから下側開口部2b側に向けて徐々に拡開したテーパ状に形成されている。言い換えると、このスリーブ2の周面部は、このスリーブ2の上端側から下端側に向かう方向である、半凝固金属スラリSの排出方向に向けて内径寸法が徐々に大きくなるように拡径している。そして、このスリーブ2の周辺部には、このスリーブ2内に注湯された溶融金属Mに電磁気場を印加する攪拌手段としての円筒状の攪拌部1が設置されて取り付けられている。
また、このスリーブ2の下側開口部2bには、開閉手段としての蓋体である円形平板状の開閉型ストッパ3が取り付けられている。このストッパ3は、スリーブ2の下側開口部2bを開閉可能に閉塞して、このスリーブ2内に溶融金属Mが注湯されるスラリ製造領域Tの閉塞部としての底部5を形成させる。また、このストッパ3は、スリーブ2の下側開口部2bを開放させて、このスリーブ2内にて形成された半凝固金属スラリSの自重にて落下させ、この半凝固金属スラリSをスリーブ2の下側開口部2bから外部へと離脱させて排出させる。
一方、攪拌部1は、中空な筐体であるベースプレート14の上部の平坦面に設けられている。このベースプレート14は、地面から所定の高さとなるように支持部材15により支持されて水平に取り付けられている。また、このベースプレート14の上部には電磁気場印加手段としての電磁気場印加用コイル装置11が取り付けられている。この電磁気場印加用コイル装置11は、円筒状の所定のフレーム12により支持されている。このフレーム12の内側には、電磁気場が印加される所定の空間部13が形成されている。
そして、攪拌部1には、電磁気場印加用コイル装置11が所定の空間部13を取り囲むように形成されている。また、この電磁気場印加用コイル装置11は、空間部13に向けて所定強度の電磁気場を印加して、この空間部13に収容されるスリーブ2内の溶融金属Mを電磁気場攪拌する。ここで、この電磁気場印加用コイル装置11は、通常の電磁気場攪拌に使用できるコイル装置であればよい。また、攪拌部1は、電磁気場以外の超音波攪拌などの超音波攪拌装置でもよい。
さらに、電磁気場印加用コイル装置11には、図1に示すように、攪拌部による電磁気場の印加を調整する制御手段としての電磁気場印加調整部16が電気的に連結されて接続されている。この電磁気場印加調整部16としては、制御装置が用いられており、電源の印加を決定する図示しないスイッチング手段や、電圧、周波数および電磁気力などを調節して印加される電磁気波を調節する電磁気波制御手段などを有している。すなわち、この電磁気場印加調整部16は、電磁気場の強度や作動時間などを調節する。
また、この電磁気場印加調整部16は、攪拌部1の電磁気場印加用コイル装置11を駆動させて、スリーブ2に注湯される溶融金属Mに初期凝固層としての樹枝状結晶が形成されないほど、すなわち樹枝状結晶が形成されない程度の電磁気場を、溶融金属Mがスリーブ2に注湯される前の段階からスリーブ2に印加させる。さらに、この電磁気場印加調整部16は、注湯された溶融金属Mの温度が液相線近くに到達した時点、すなわち溶融金属Mに結晶核が生成された時点でスリーブ2に対する電磁気場の印加を終了するように電磁気場印加用コイル装置11を調節する。
よって、この電磁気場印加調整部16によって、電磁気場印加用コイル装置11の電磁気場印加時点を調節するが、このような電磁気場の印加は、製造された半凝固金属スラリSが圧縮されるまで終了させずに持続させてもよい。ただし、エネルギ効率の点から半凝固金属スラリSの製造過程まで電磁気場にて攪拌できる。したがって、この電磁気場による攪拌は、製造される半凝固金属スラリSの固相率が少なくとも0.001以上0.7以下になるまで持続する。また、この電磁気場による攪拌は、望ましくは、製造される半凝固金属スラリSの固相率が少なくとも0.001以上0.4以下になるまで持続する。さらに、この電磁気場による攪拌は、より望ましくは、溶融金属Mの固相率が0.001以上0.1以下になる時点で終了する。なお、このような固相率になるまでの時間は、予め実験によって調べることができる。
次いで、スリーブ2は、図1および図3に示すように、攪拌部1の内側に位置しており、この攪拌部1のフレーム12の同心状となるように、このフレーム12内の空間部13に設置されている。ここで、このスリーブ2は、攪拌部1のフレーム12に密着させて固定させてもよい。また、このスリーブ2は、ベースプレート14に固定させて設置させてもよい。
ここで、このスリーブ2は、金属材あるいは絶縁性素材としての非磁性体である非磁性金属材料あるいは非磁性セラミック材料にて構成されて備えられている。したがって、このスリーブ2を非磁性体で構成したことにより、電磁気場の印加によってスリーブ2自体が誘導加熱を起さず発熱しなくなるから、このスリーブ2内に注湯した溶融金属Mを冷却させるのに有利である。また、このスリーブ2を非磁性金属材で形成する場合には、このスリーブ2自体の融点が、このスリーブ2内に収容される溶融金属Mの温度より高いものを使用することが望ましい。
また、このスリーブ2は、上部および下部それぞれの両端が開放されて上開口部2aおよび下側開口部2bのそれぞれが形成されている。そして、このスリーブ2の下側開口部2bは、ストッパ3にて閉鎖および開放されるように形成されている。さらに、このスリーブ2の上側開口部2aは、このスリーブ2の上側から溶融金属Mが注湯されて受容できるように形成されている。すなわち、このスリーブ2は、このスリーブ2の下部である底部5がストッパ3により構成されて容器形状となる。なお、このスリーブ2は、下側開口部2bがストッパ3により閉鎖または開放される構造ならばいかなる構造であってもよい。
そして、このスリーブ2には、図示しない熱電対を内蔵させるとともに、この熱電対を制御部に電気的に接続させて、このスリーブ2内の溶融金属Mなどの温度情報を制御部に送出させてもよい。
また、このスリーブ2の外側には、図2に示すように、温度調節手段としての温度調節装置20が取り付けられている。この温度調節装置20は、スリーブ2内の溶融金属M、あるいはこのスリーブ2内で製造された半凝固金属スラリSを冷却する。また、この温度調節装置20は、冷却水パイプ21が螺旋状に内蔵された円筒状の冷却手段としての冷却装置であるウォータジャケット22を備えている。このウォータジャケット22は、スリーブ2の外側を取り囲むように、このスリーブ2の外側に同心状に取り付けられている。ここで、このウォータジャケット22内の冷却水パイプ21は、スリーブ2内に埋設させてもよい。また、このような冷却水パイプ21以外でもスリーブ2内の溶融金属Mや半凝固金属スラリSを冷却できる構成であればいかなる冷却装置であってもよい。
さらに、温度調節装置20は、加熱手段としての加熱装置である電熱コイル23を備えている。この電熱コイル23は、ウォータジャケット22の外側を取り囲むように、このウォータジャケット22の外側に螺旋状に巻回された状態で同心状に取り付けられている。ここで、この電熱コイル23は、この電熱コイル23以外のいかなる加熱機構であってもよい。
したがって、温度調節装置20は、スリーブ2内の溶融金属Mあるいは半凝固金属スラリSの温度を調節できる構造であればいかなる構成であってもよい。また、この温度調節装置20によって、スリーブ2内の溶融金属Mを適正な速度で冷却できる。さらに、この温度調節装置20は、スリーブ2の全体にわたって設置できるが、図2に示すように、このスリーブ2内に溶融金属Mが収容されるスラリ製造領域Tの周囲のみに集中的に設置することもできる。なお、この温度調節装置20を設けずに、スリーブ2内の溶融金属Mを自然冷却させてもよい。
次いで、このスリーブ2の下側開口部2bに取り付けられたストッパ3は、このスリーブ2の下側開口部2bを開閉できる構造であればよい。また、このストッパ3は、図示しない別途の駆動装置によってベースプレート14の面方向に沿って駆動されて、図1および図3に示すように、スリーブ2の下側開口部2bを開閉する。さらに、このストッパ3は、スリーブ2と同じ材質で形成されている。また、このストッパ3は、この構成以外であっても、一側がスリーブ2の下側開口部2bの開口縁などに回動可能にヒンジ固定されたドア状のものであってもよい。
さらに、このストッパ3は、スリーブ2の下側開口部2bから排出される半凝固金属スラリSの排出方向である上下方向に沿って駆動され、このスリーブ2の下側開口部2bを開放させることもできる。すなわち、スリーブ2の下側開口部2bから半凝固金属スラリSが排出されるときに、この半凝固金属スラリSを支持するように下方に向けて移動する方式で、スリーブ2の下側開口部2bを開放させる。
さらに、スリーブ2内に溶融金属Mを注湯する際には、注湯容器4が用いられる。この注湯容器4は、スリーブ2の上側開口部2aに液相の溶融金属Mを注湯させる。そして、この注湯容器4としては、制御部に電気的に連結された通常の鉢、すなわちラドル(Ladle)を使用できる。ここで、この注湯容器4としては、通常の鉢以外にも金属を溶融させた炉を直接連結させるなど、スリーブ2に溶融金属Mを注湯できればいかなる構成であってもよい。
次に、上記第1の実施の形態の半凝固金属スラリの製造装置の作用を説明する。
まず、図1に示したように、ストッパ3によりスリーブ2の下側開口部2bを閉鎖する。この後、攪拌部1の電磁気場印加用コイル装置11にてスリーブ2内のスラリ製造領域Tに所定周波数および強度の電磁気場の印加を開始する。
この状態で、別途の電気炉で溶融させた溶融金属Mを、注湯容器4にて移送して電磁気場が印加された影響下にあるスリーブ2の上側開口部2aから注湯する。
このとき、電磁気場印加用コイル装置11による電磁気場の印加を、溶融金属Mの注湯前にしたり、溶融金属Mの注湯と同時にしたり、さらには溶融金属Mが注湯される途中で印加したりしてもよい。
さらに、スリーブ2の上側開口部2aから溶融金属Mが注湯された状態で、このスリーブ2の溶融金属Mは、0.1以上0.7以下の固相率に至るまで温度調節装置20にて所定の速度で冷却されて、このスリーブ2内の溶融金属Mから半凝固金属スラリSが製造される。
ここで、このときの温度調節装置20による冷却速度は、0.2℃/sec以上5℃/sec以下であり、より望ましくは0.2℃/sec以上2℃/sec以下である。
なお、スリーブ2内の溶融金属Mを、温度調節装置20を用いずに自然冷却させて、この溶融金属Mから所定の固相率を有する半凝固金属スラリSを製造することもできる。
一方、電磁気場印加用コイル装置11による電磁気場の印加は、冷却が終了するまで持続させる。すなわち、電磁気場印加用コイル装置11による電磁気場の印加は、スリーブ2内の溶融金属Mの固相率が少なくとも0.001以上0.7以下となるまで持続される。
ただし、エネルギ効率次元で半凝固金属スラリSの製造過程まで電磁気場を攪拌するため、この電磁気場印加用コイル装置11による電磁気場の攪拌は、少なくとも溶融金属Mの固相率が少なくとも0.001以上0.4以下となるまで、より望ましくは、この溶融金属Mの固相率が0.001以上0.1以下となるまで持続させる。
ここで、電磁気場印加用コイル装置11による電磁気場の印加を継続させる時間は、実験によって予め求めることができる。また、電磁気場印加用コイル装置11にて電磁気場を印加している最中に、スリーブ2内に注湯された溶融金属Mの冷却を継続させて進行させてもよい。
そして、このように半凝固金属スラリSを製造した後には、図3に示すように、ストッパ3を駆動させてスリーブ2の下側開口部2bを開放させる。すると、このスリーブ2内の半凝固金属スラリSが自重により、このスリーブ2の下側開口部2bから外側へと離脱されて排出される。
このとき、このスリーブ2の下側開口部2bの外側には、図示しない移送装置が設置されており、この移送装置にてスリーブ2の下側開口部2bから排出された半凝固金属スラリSを受けて、後続工程の図示しない成形装置へと移送させて半凝固成形を進行させる。
また、スリーブ2の下側開口部2bの下側に冷却装置を備えた図示しない細長円筒状の筒状部としての注湯部であるスリーブを設置させて、このスリーブにてスリーブ2から排出された半凝固金属スラリSを直ちにビレットへと成形することもできる。
この結果、平均粒径が10μm以上60μm以下の微細な球状であるとともに粒径分布が均一な半凝固金属スラリSおよび半凝固成形品が製造される。
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、スリーブ2に注湯された溶融金属M中に初期凝固層、すなわち樹枝状結晶が形成されないように、予め攪拌部1にて電磁気場をスリーブ2に印加させた状態で、このスリーブ2に溶融金属Mを注湯してから、このスリーブ2に注湯した溶融金属Mに電磁気場を印加して、この溶融金属M中に結晶核を生成させる。
そして、この溶融金属M中の核生成が終了した時点で、攪拌部1によるスリーブ2に対する電気磁場の印加を終了させた後、この溶融金属Mを温度調節装置20にて液相線付近に至るまで冷却させて、この溶融金属M中に生成された結晶核を成長させることによって、より微細かつ全体的に均一な球状化粒子の半凝固金属スラリSを多量に得ることができるので、合金の機械的性質の向上を実現できるとともに、エネルギ効率の改善、製造コストの節減、鋳造工程の簡便化および製造時間の短縮を実現できる。
同時に、製造された半凝固金属スラリSをスリーブ2の下側開口部2bから離脱させることによって、この半凝固金属スラリSの排出をさらに容易にできる。この結果、高品質な半凝固金属スラリSの製造および排出が短時間に容易にできるから、後続工程との連係性を向上でき、製造効率を大幅に向上できる。
また、液相線より高い温度での短時間の電磁気場攪拌だけで、スリーブ2の壁面での溶融金属Mの核生成密度を顕著に増加させて粒子の球状化を実現できる。このため、全体工程を単純化でき、電磁気場攪拌時間を大きく短縮できるため、攪拌に必要なエネルギの消耗を少なく、製品成形時間も短縮できるから、経済的を向上できる。
さらに、高品質な半凝固金属スラリSを連続して多量に製造できるので、後続工程との連係性をさらに高めることができるから、工程全体の製造効率を向上できるとともに、装置全体の構成を簡単にでき、より迅速かつ簡便に多量の半凝固金属スラリSを製造できる。
また、スリーブ2の周面部を上側開口部2a側から下側開口部2b側に向けて徐々に拡開したテーパ状に形成したことにより、このスリーブ2の下側開口部2bをストッパ3にて開放させるだけで、このスリーブ2内で製造された半凝固金属スラリSの自重によって、この半凝固金属スラリSがスリーブ2の下側開口部2bから滑り落ちて落下するため、このスリーブ2の下側開口部2bからの半凝固金属スラリSの排出をより容易にできる。
なお、上記第1の実施の形態では、ストッパ3を駆動させてスリーブ2の下側開口部2bを開放させることにより、このスリーブ2内で製造された半凝固金属スラリSを自重にて落下させて排出させたが、図5に示す第2の実施の形態のように、スリーブ2の上側開口部2aから進退可能に挿入された加圧手段としての押圧手段である加圧プランジャ51で、スリーブ2内の半凝固金属スラリSを下側開口部2b側へと加圧して押し出すこともできる。
このとき、この加圧プランジャ51は、図示しない駆動装置に連結されており、スリーブ2の上側開口部2a側に取り付けられている。さらに、この加圧プランジャ51は、スリーブ2に溶融金属Mが注湯されるときには、このスリーブ2から抜かれて分離されている。また、この加圧プランジャ51は、スリーブ2に溶融金属Mが注湯された後には、スリーブ2の上側開口部2a側から進退可能に挿入される。
この結果、この加圧プランジャ51は、電磁気場攪拌および冷却によって半凝固金属スラリSが溶融金属Mから生成される間に、この半凝固金属スラリSを上側開口部2a側から加圧する。また、この加圧プランジャ51は、半凝固金属スラリSの製造が完了してストッパ3にてスリーブ2の下側開口部2bが開放された後に、この半凝固金属スラリSを加圧してスリーブ2の下側開口部2bから外部へと排出させる。
このとき、この加圧プランジャ51は、スリーブ2内で製造された半凝固金属スラリSに対して、この半凝固金属スラリSがスリーブ2の下側開口部2bへと落下するきっかけを与える程度、この半凝固金属スラリSの上側を加圧するだけでよい。ここで、この加圧プランジャ51は、スリーブ2の上側開口部2aから、このスリーブ2内の内容物、すなわち溶融金属Mや半凝固金属スラリSなどを加圧できればいかなる構成でもよい。
さらに、図6および図7に示す第3の実施の形態のように、スリーブ2の下側開口部2bに進退可能に押圧手段としてのプランジャ32を開閉手段として挿入させることもできる。このプランジャ32は、図示しない別途の駆動装置により駆動される。すなわち、このプランジャ32は、図6に示すように、このプランジャ32をスリーブ2の下側開口部2bから挿入されて、このスリーブ2の下側開口部2bを閉鎖して、このスリーブ2の下側開口部2bの下側にスラリ製造領域Tの底部5を形成させる。
また、このプランジャ32は、スリーブ2内で半凝固金属スラリSが製造された後には、図7に示すように、このプランジャ32が下方へと移動されて下降させて、半凝固金属スラリSがスリーブ2内から排出させて離脱させる。この結果、スリーブ2内から排出された半凝固金属スラリSをプランジャ32の上端面にて安定して支持できるから、このプランジャ32にて半凝固金属スラリSを、図示しない別途のロボット装置などの移送手段にて他の工程へと移送できる。
次いで、図8に示す第4の実施の形態のように、スリーブ2の上側開口部2aにさらに別途の加圧プランジャ51を設置して、この加圧プランジャ51にてスリーブ2内の半凝固金属スラリSを加圧して排出させることもできる。この結果、多量の半凝固金属スラリSを連続して製造できるとともに、後続工程との連繋性をさらに高めることができるから、全体工程の効率性を向上できる。また、製造された半凝固金属スラリSをスリーブ2の下側開口部2bから離脱させることによって、この半凝固金属スラリSの排出をさらに容易にできる。
さらに、上記各実施の形態において、多様な金属あるいは合金、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、亜鉛、亜鉛合金、銅、銅合金、鉄および鉄合金などのいずれの半凝固成形法であっても汎用的に適用できる。すなわち、固液共存状態成形用、いわゆる半凝固あるいは半溶融成形用に利用できるものであればいずれも利用でき、その中でもアルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、鉄およびこれらの合金よりなる群から選択されることが望ましい。これら合金は、最終成形品で要求される物性によって色々な任意の金属を含むことができる。
すなわち、溶融金属Mとして用いられる合金系が何かという問題ではなく、凝固理論的に考察すると、スリーブ2に注湯する前の溶融金属Mの温度は、この溶融金属Mとして用いられる合金系の比熱の問題で議論できる。したがって、スリーブ2に注湯する前の溶融金属Mの温度は、この溶融金属Mとして用いられた合金系の液相線よりいくら高い温度でも可能であるかどうかは、比熱の値そのものが問題となる。
そして、アルミニウムの比熱は、約0.25kcal/gであり、このアルミニウム以外の他の合金系、例えばマグネシウム(約0.18kcal/g)、亜鉛(約0.1kcal/g)、銅(約0.1kcal/g)、鉄(約0.1kcal/g)それぞれの比熱は、アルミニウムよりも小さい。したがって、アルミニウム以外の他の合金系では、アルミニウムに比べ、奪わなければならない熱量が少ないという効果があるため、これらいずれの合金系の溶融金属Mを液相線+100℃とした状態で、この溶融金属Mをスリーブ2に注湯しても、これら溶融金属Mには初期凝固層が形成されず、これら溶融金属Mから潜熱が生じない。このため、これら溶融金属Mから比熱だけを奪えば、これら溶融金属M中の結晶核を成長できるので、これらいずれの合金系であっても同様の作用効果を奏することができる。
理論的に、液相から固相へと変化する温度(T)と固相から液相へと変化する温度(T)との差、すなわちT−T=ΔTが0でなければ、どのような合金系においても、溶融金属Mの温度をTとTとの間に調整することによって、溶融金属M中に結晶核を形成できる。
一方、鋳物産業において、一般的に使用される純アルミニウムには、1%程度の不純物が含有されている。なお、アルミニウム以外のマグネシウム、亜鉛、銅および鉄のそれぞれについても、鋳物産業において一般的に使用される純マグネシウム、純亜鉛、純銅および純鉄には、1%程度の不純物が含有されている。
したがって、液相から固相へと変化する温度(T)と固相から液相へと変化する温度(T)との差が0でなく、比熱がアルミニウムより小さく、かつ電磁気場の印加で溶融金属Mに磁場が形成されるマグネシウム、亜鉛、亜鉛合金、銅、銅合金、鉄および鉄合金であっても、アルミニウム合金と同様の結果を原理的に得ることができる。
また、スリーブ2の軸方向を上下方向に沿わせた状態で、このスリーブ2をフレーム12に取り付けたが、このスリーブ2の軸方向が少なくとも上下方向成分を有する方向に沿った状態であれば、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、このスリーブ2の軸方向が水平であっても、対応させて用いることができる。
さらに、スリーブ2に溶融金属Mを注湯した後に、このスリーブ2内に注湯した溶融金属Mに対して電磁気場印加用コイル装置11にて電磁気場を印加して、この溶融金属Mから半凝固金属スラリSを製造する半凝固金属スラリSの製造装置であっても、電磁気場印加調整部16の制御を調整することによって対応させて用いることができる。
また、スリーブ2内に溶融金属Mを収容でき、かつこのスリーブ2内で製造された半凝固金属スラリSが排出できるように、このスリーブ2の少なくとも一端である下端が開口した構成であれば、このスリーブ2の他端である上端が開口していない構成であっても、対応させて用いることができる。
本発明は、半凝固金属スラリを製造し、この半凝固金属スラリを用いて半溶融成形用ビレットを製造できる。さらに、この半溶融成形用ビレットを半溶融成形法にて成形して各種金属成形製品などを製造できる。また、本発明により製造された半凝固金属スラリは、ダイカスト、押し出しなどの二次成形を通じて金属成形製品にできる。
本発明の第1の実施の形態の固液共存状態金属スラリの製造装置の溶融金属注湯工程を示す概略断面図である。 同上固液共存状態金属スラリの製造装置の温度調節手段を示す概略断面図である。 同上固液共存状態金属スラリの製造装置の固液共存状態金属スラリ取り出し工程を示す概略断面図である。 同上固液共存状態金属スラリの製造装置での時間に対する溶融金属の注湯温度を示す二次グラフである。 本発明の固液共存状態金属スラリの製造装置の第2の実施の形態を示す概略断面図である。 本発明の固液共存状態金属スラリの製造装置の第3の実施の形態の溶融金属注湯工程を示す概略断面図である。 同上固液共存状態金属スラリの製造装置の固液共存状態金属スラリ取り出し工程を示す概略断面図である。 本発明の固液共存状態金属スラリの製造装置の第4の実施の形態を示す概略断面図である。
符号の説明
1 攪拌手段としての攪拌部
2 注湯部としてのスリーブ
2a 開口としての上側開口部
2b 開口としての下側開口部
3 開閉手段としての蓋体であるストッパ
16 制御手段としての電磁気場印加調整部
32 開閉手段としてのプランジャ
51 加圧手段としての加圧プランジャ
M 溶融金属
S 固液共存状態金属スラリとしての半凝固金属スラリ

Claims (8)

  1. 溶融金属が収容され、少なくとも一端が開口し、この開口から固液共存状態金属スラリが排出され、開口側に向けて拡開したテーパ状の注湯部と、
    この注湯部の開口を開閉する開閉手段と、
    所定の電磁気場を前記注湯部に印加する攪拌手段と
    を具備したことを特徴とした固液共存状態金属スラリの製造装置。
  2. 開閉手段は、注湯部の開口に開閉可能に取り付けられた蓋体である
    ことを特徴とした請求項1記載の固液共存状態金属スラリの製造装置。
  3. 開閉手段は、注湯部の開口から進退可能に挿入されたプランジャである
    ことを特徴とした請求項1記載の固液共存状態金属スラリの製造装置。
  4. 注湯部は、非磁性体にて構成されている
    ことを特徴とした請求項1ないしいずれか記載の固液共存状態金属スラリの製造装置。
  5. 注湯部は、一端に対向した他端が開口し、
    この注湯部の他端の開口から進退可能に挿入され、固液共存状態金属スラリを加圧する加圧手段を具備した
    ことを特徴とした請求項1ないしいずれか記載の固液共存状態金属スラリの製造装置。
  6. 注湯部に注湯された溶融金属に初期凝固層が形成されない程度の電磁気場を、前記注湯部に溶融金属が注湯される前から前記攪拌手段にて印加させる制御手段を具備した
    ことを特徴とした請求項1ないしいずれか記載の固液共存状態金属スラリの製造装置。
  7. 注湯部に注湯された溶融金属に樹枝状結晶が形成されない程度の電磁気場を、前記注湯部に溶融金属が注湯される前から前記攪拌手段にて印加させる制御手段を具備した
    ことを特徴とした請求項1ないしいずれか記載の固液共存状態金属スラリの製造装置。
  8. 制御手段は、注湯部に注湯された溶融金属に結晶核が生成された時点で攪拌手段による電磁気場の印加を終了させる
    ことを特徴とした請求項または記載の固液共存状態金属スラリの製造装置。
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